説明

気圧式倍力装置

【課題】気圧式倍力装置において、バルブボディについて、必要な強度及び剛性を得ながら軽量化を図り、かつ、熱可塑性樹脂で一体成型する際の変形を抑制する。
【解決手段】ブレーキペダルを操作して入力ロッド48及びプランジャ46を前進させると、制御バルブ47によって変圧室8に大気が導入され、定圧室7(負圧)と変圧室8との間に差圧が生じる。これにより、パワーピストン6に推力が生じ、リアクション部材42を介して出力ロッド43によってマスタシリンダを作動させて制動力を発生させる。出力ロッド43に作用する反力の一部をリアクション部材42を介してブレーキペダルにフィードバックする。熱可塑性樹脂製のバルブボディ11の小径円筒部27の内周部に案内リブ32を設けることにより、必要な強度及び剛性を得つつ薄肉化することができ、軽量化を図ると共に、成型時の収縮を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のブレーキ装置に利用することができる気圧式倍力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車のブレーキ装置には、制動力を高めるために気圧式倍力装置が装着されている。気圧式倍力装置は、ハウジング内をパワーピストンによって定圧室(エンジン吸気負圧によって常時負圧に維持されている)と変圧室とに区画し、パワーピストンに連結されたバルブボディ内に設けられたプランジャをブレーキペダルに連結された入力ロッドによって移動させることにより、制御バルブによって変圧室に大気(正圧)を導入して定圧室と変圧室との間に差圧を発生させ、この差圧によってパワーピストンに推力を発生させる。そして、パワーピストンの推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させてマスタシリンダを作動させると共に、出力ロッドからリアクション部材に作用する反力の一部を入力ロッドにフィードバックする。これにより、運転者のペダル操作力を軽減しつつ、大きな制動力を発生させ、運転者による制動力の制御を可能にしている。
【0003】
気圧式倍力装置においては、例えば特許文献1に記載されているように、リアクション部材、プランジャ、リアクション部材からの反力をプランジャに伝達するリアクションロッド、制御バルブ等の部品が装着されるバルブボディは、射出成型によってPET等の熱可塑性樹脂で一体成型することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の気圧式倍力装置では、バルブボディを射出成型によって熱可塑性樹脂で一体成型する場合、パワーピストンの推力をリアクションディスクに伝達し、また、リアクションロッドを案内するバルブボディの推力伝達部は、必要な強度及び剛性を確保するため、他の部位に比して肉厚が厚くなっていた。このため、成型時に厚肉の推力伝達部が収縮し易く、寸法精度の管理が困難であり、推力伝達部の変形によって気圧式倍力装置の出力及び倍力比が不安定になるという問題ある。
【0005】
本発明は、バルブボディについて、必要な強度及び剛性を得ながら軽量化し、かつ、熱可塑性樹脂で一体成型する際の変形を抑制するようにした気圧式倍力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに区画し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドにより移動させて制御バルブによって変圧室に作動気体を導入し、前記定圧室と前記変圧室との間の差圧によって生じる前記パワーピストンの推力を前記バルブボディからリアクション部材を介して出力ロッドに作用させると共に、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記バルブボディは、熱可塑性樹脂によって形成され、前記リアクション部材に推力を伝達する推力伝達部の内部に、前記プランジャとリアクション部材との間で力を伝達する伝達部材が設けられ、前記推力伝達部には、前記伝達部材を案内するとともに、前記リアクション部材からの反力を支持する複数のリブが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る気圧式倍力装置によれば、バルブボディについて、必要な強度及び剛性を得ながら軽量化を図り、かつ、熱可塑性樹脂で一体成型する際の変形を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本実施形態に係る気圧式倍力装置1の縦断面図を示す。図1に示すように、気圧式倍力装置1は、シングル型の気圧式倍力装置であって、薄板によって形成されたフロントシェル2とリアシェル3とが結合されてハウジング4が形成され、このハウジング4内がダイアフラム5を有するパワーピストン6によって定圧室7と変圧室8との2室に区画されている。フロントシェル2及びリアシェル3は、略有底円筒状であり、これらは、フロントシェル2の外周の開口縁部に、リアシェル3の外周の開口縁部を嵌合し、これらの間にダイアフラム5の外周部を挟み込むことによって、気密的に結合されている。
【0009】
フロントシェル2の底部には、マスタシリンダ(図示せず)の後端部を挿入するための中央開口9が設けられ、中央開口9の周囲にマスタシリンダを固定するための略平坦なフロント座面10が形成されている。リアシェル3の底部の中央部には、後述するバルブボディ11を挿入するための後部円筒部12が突出されており、後部円筒部12の周囲には、車体のダッシュパネル(図示せず)に当接するリア座面13が形成されている。
【0010】
ハウジング4には、フロントシェル2のフロント座面10からリアシェル3のリア座面13に貫通するタイロッド14が設けられている。タイロッド14は、両端部に取付ネジ部15及び固定ネジ部16が形成され、取付ネジ部15及び固定ネジ部16の基部に、それぞれ拡径されたフロントフランジ17及びリアフランジ18が形成されている。そして、フロントフランジ17がフロント座面10の内側にリテーナ19及びシール20を介して気密的に当接し、リアフランジ18がリア座面13の内側に気密的に当接した状態で、リアシェル3側にカシメによって固定されている。タイロッド14の中央部は、パワーピストン6に設けられた開口21及びダイアフラム5と一体に形成された略円筒状のロッドシール22に挿入されて、パワーピストン6及びダイアフラム5に対して摺動可能かつ気密的に貫通している。
【0011】
タイロッド14は、フロント座面10及びリア座面13の直径方向2箇所に配置されており(一方のみ図示する)、取付ネジ部15によってフロント座面10にマスタシリンダを固定し、固定ネジ部16によってリア座面13を車体のダッシュパネルに固定する。また、リア座面13には、これをダッシュパネルに固定するためのリアボルト23がカシメによって固定されている。
【0012】
次に、バルブボディ11について、その拡大図である図2から図4を参照して説明する。なお、図2はバルブボディ11の側面図、図3は図4のA−A線による縦断面図、また、図4はバルブボディ11の正面図を示す。
【0013】
バルブボディ11は、図2から図4に示すように、一端側の円筒部24と、円筒部24よりも大径の他端側の大径円筒部25と、これらを結合する中間のテーパ部26と、大径円筒部25及びテーパ部26の内部に配置されて円筒部24と連通する円筒部24よりも小径の小径円筒部27とが互いに同心上に配置されて一体に形成されている。大径円筒部25は、開口端部28が拡径されて、その外周縁部にフランジ部29が形成されている。小径円筒部27の先端部は、大径円筒部25の拡径された開口端部28内の中間位置まで延びている。また、大径円筒部25には、フランジ部29に隣接する部位に外周溝30が形成されている。
【0014】
大径円筒部25及びテーパ部26の内周部には、円周方向に沿って等間隔で複数(図示の例では20個)配置されて軸方向に沿って延びる補強リブ31が一体に形成されている。補強リブ31は、断面形状が略矩形で大径円筒部25及びテーパ部26のほぼ全長にわたって延びている。小径円筒部27の内周部には、円周方向に沿って等間隔で複数(図示の例では6個)配置されて軸方向に沿って延びる断面形状が略矩形の案内リブ32が一体に形成されている。小径円筒部27の先端開口部の内周縁部には、拡径された嵌合部33が形成され、基端側内周部には、縮径された案内部34が形成されており、これらの間に案内リブ32が延びている。小径円筒部27の円筒部24に隣接する内周部には、軸方向に沿って延びるリブが円周方向に沿って複数配置されたプランジャ室35が形成されている。プランジャ室35と円筒部24の内部との境界に形成された段部に環状シート部36が形成されている。テーパ部26の側壁には、テーパ部26の内部と円筒部24の内部とを連通し、環状シート部36の外周部に開口部を有する定圧通路37(図1参照)が形成されており、また、プランジャ室35内に開口する変圧通路38が径方向に沿って貫通されている。円筒部24の内周部は、基端側が僅かに縮径されて環状の段部39が形成されている。
【0015】
バルブボディ11は、大径円筒部25、テーパ部26及び小径円筒部27の肉厚がなるべく均一となるように形成されている。これらに対して、円筒部24の肉厚は、やや薄く形成されているが、他の部分と均一になるようにしてもよい。バルブボディ11は、熱可塑性樹脂によって一体に形成されており、本実施形態では、PET(ポリエチレンテレフタレート)を射出成型によって一体成型したものとなっている。バルブボディの材料としては、上記PETのほか、従前使用されていたフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂に比べて比較的比重の小さい、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリカーボネードのような熱可塑性樹脂(エンジニアプラスチック)を使用することで、バルブボディの軽量化を図ることができる。
【0016】
図1を参照して、パワーピストン6及びダイアフラム5の中央開口部に、バルブボディ11の大径円筒部25が挿入され、中央開口部の内周縁部が外周溝30に嵌合されて、パワーピストン6とバルブボディ11とが気密的に結合されている。バルブボディ11は、変圧室8を通り、円筒部24がリアシェル3の後部円筒部12に挿入されて外部へ延出している。後部円筒部12には、シール部材40が装着されて、バルブボディ11の円筒部24との間を摺動可能にシールしている。そして、バルブボディ11の定圧通路37が定圧室7に接続し、変圧通路38が変圧室8に接続している。後部円筒部12とバルブボディ11の円筒部24の端部との間には、蛇腹状のダストカバー41が設けられている。フロントシェル2には、接続管42が取付けられており、接続管42がエンジンの吸気管等の負圧源(図示せず)に接続されて、定圧室7が常時所定の負圧に維持される。
【0017】
定圧室7内のバルブボディ11の小径円筒部27の前端部には、リアクション部材42を介して出力ロッド43の基端部が連結されており、小径円筒部27は、パワーピストン6の推力をリアクション部材に伝達する推力伝達部となっている。出力ロッド43の先端部は、フロント座面10に取付けられるマスタシリンダ(図示せず)のピストンに当接する。
【0018】
バルブボディ11の小径円筒部27内には、嵌合部33に嵌合される受圧部材44と、案内リブ32によって摺動可能に案内されるブレーキアシスト機構45と、プランジャ室35に挿入されて案内部34によって摺動可能に案内されるプランジャ46とが設けられている。バルブボディ11の円筒部24内には、段部39に固定される制御バルブ47が設けられている。また、入力ロッド48が挿入されて、その先端部がプランジャ46に連結されている。入力ロッド48は、円筒部24内に装着された通気性のダストフィルタ49を貫通して外部へ延出されている。入力ロッド48の基端部には、ブレーキペダル(図示せず)を連結するためのクレビス50が取付けられている。
【0019】
ブレーキアシスト機構45は、プランジャ46とリアクション部材42との間で軸方向の力を伝達する伝達部材であり、弾性部材51の変形(拡径)をスリーブ52によって規制することにより、リアクション部材42とプランジャ46との間の軸方向の力の伝達を制御する。そして、プランジャ46の移動速度が小さい通常の制動時には、弾性部材51が変形せず、軸方向の力を伝達し、急制動時にプランジャ46の移動速度が大きくなると、スリーブ52が移動して弾性部材51の拡径、圧縮を許容し、その分、プランジャ46を前進させる。また、ブレーキアシスト機構45は、略円筒状のユニットとして一体的に組立てられ、バルブボディ11の案内リブ32によって軸方向に沿って摺動可能に案内される。ブレーキアシスト機構45の一端部は、レシオスリーブ53を介して受圧部材44に挿入され、リアクション部材42に所定の隙間をもって対向し、他端部はプランジャ46に当接する。
【0020】
受圧部材44及びレシオスリーブ53は、出力ロッド43からの反力に応じて、バルブボディ11の小径円筒部27とブレーキアシスト機構45との受圧面積比を変化させることにより、倍力比を調整する。
【0021】
制御バルブ47は、バルブボディ11の環状シート部36及びプランジャ46の後端部に離着座して、バルブボディ11とプランジャ46との軸方向の相対変位に応じて定圧通路37、変圧通路38及び大気の相互の接続、遮断を切換える。そして、制御バルブ47は、プランジャ46が図1に示す後退位置にあるとき、プランジャ46が着座して大気を遮断すると共に、環状シート部36から離座して、定圧通路37と変圧通路38とを接続する。プランジャ46がバルブボディ11に対して前進すると、環状シート部36に着座して定圧通路37、変圧通路38間を遮断し、更にプランジャ46が前進すると、プランジャ46が離座して変圧通路38が大気に開放される。
【0022】
バルブボディ11の変圧通路38には、ストップキー54が挿入されており、ストップキー54は、リアシェル3の円筒部12の段部に係合することによってバルブボディ11の後退位置を制限し、また、プランジャ46の外周溝に係合することによってバルブボディ11とプランジャ46との相対変位量を制限している。フロントシェル2とバルブボディ11との間には、バルブボディ11を後退位置へ付勢する戻しバネ55が設けられている。また、バルブボディ11には、入力ロッド48を後退位置へ付勢する戻しバネ56が設けられている。
【0023】
以上のように構成した本実施形態の作用について、次に説明する。
非制動状態においては、プランジャ46が図1に示す後退位置にあり、制御バルブ47によって、定圧通路37(すなわち定圧室7)と変圧通路38(すなわち変圧室8)とが大気から遮断された状態で互いに接続されているので、定圧室7と変圧室8とは同圧となり、パワーピストン6に推力は生じない。
【0024】
ブレーキペダル(図示せず)を操作して、入力ロッド48によってプランジャ46を前進させると、制御バルブ47によって、変圧通路38、定圧通路37間が遮断され、さらにプランジャ46を前進させると、変圧通路38が大気に開放されて、変圧室8に大気が導入される。これにより、定圧室7と変圧室8との間に差圧が生じ、この差圧によってパワーピストン6に推力が発生し、バルブボディ11が前進して、小径円筒部27からリアクション部材42を介して出力ロッド43に推力が伝達され、出力ロッド43がマスタシリンダ(図示せず)のピストンを押圧して制動力を発生させる。バルブボディ11が前進すると、制御バルブ47によって変圧通路38が大気から遮断されるので、定圧室7と変圧室8との差圧、すなわち、パワーピストン6の推力が維持され、制動状態が保持される。
【0025】
このとき、バルブボディ11からリアクション部材42を介して出力ロッド43に作用する力の反力の一部がブレーキアシスト機構45、プランジャ46及び入力ロッド48を介してブレーキペダルにフィードバックされる。これにより、ブレーキペダルの操作力に応じて所定の倍力比をもって制動力を発生させることができる。また、受圧部材44及びレシオスリーブ53によって、リアクション部材42に対するバルブボディ11とブレーキアシスト機構45との受圧面積比を変化させることにより、倍力比を調整することができる。
【0026】
非制動状態において、リアクション部材42とブレーキアシスト機構45との間に隙間を設けることにより、制動初期において、この隙間によってプランジャ46は、リアクション部材42からの反力を受けることなく前進することができるので、制動力を迅速に立ち上げることができる(ジャンプイン作用)。
【0027】
ブレーキペダルを戻して入力ロッド48への入力を解除すると、プランジャ46が後退し、制御バルブ47によって変圧通路38が大気から遮断された状態で定圧通路37に接続され、これにより、定圧室7と変圧室8との差圧が解消され、パワーピストン6の推力が消失して制動力が解除される。
【0028】
急制動時には、プランジャ46の前進速度の上昇によって、ブレーキアシスト機構45は、弾性部材51が変形して、軸方向に圧縮される。これにより、プランジャ46は、リアクション部材42からの反力を受けることなく前進するので、迅速に大きな制動力を立ち上げることができる。
【0029】
また、バルブボディ11は、小径円筒部27に案内リブ32を設けたことにより、リアクション部材42からの反力に対して必要な強度及び剛性を確保しつつ、その肉厚を薄くすることができる。これにより、バルブボディ11の成型時の収縮を抑制することができるので、PET等の熱可塑性樹脂によってバルブボディ11を一体成型することが可能になる。同様に、大径円筒部25及びテーパ部26についても、補強リブ31を設けたことにより、強度及び剛性を確保しつつ、肉厚を薄くすることができるので、成型時の収縮を抑制して、PET等の熱可塑性樹脂を用いた一体成型が可能になる。そして、成型時の収縮による寸法精度の低下を抑制することにより、各部の摺動抵抗が低減され、また、リアクション部材42の変形が安定して、安定した出力及び倍力特性を得ることができる。
【0030】
次に、上記実施形態の変形例について、図5及び図6を参照して説明する。なお、上記実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0031】
図5に示す変形例では、上記図1から図4に示す実施形態に対して、ブレーキアシスト機構45の代りに、ブレーキアシスト機能を持たないリアクションロッド57を用い、また、レシオスリーブ53を省略して、受圧部材44に、リアクション部材42の逃げとなる凹部58が形成されている。これにより、急制動時のブレーキアシスト機能は省略されるが、リアクション部材42が変形して凹部58に充填されることにより、リアクション部材42に対する受圧部材44の受圧面積が変化するので、倍力比を調整することができる。
【0032】
また、図6に示す変形例では、図5に示す変形例に対して、受圧部材42の凹部58が省略されている。これにより、受圧部材42の受圧面積が一定になるので、倍力比も一定になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る気圧式倍力装置の縦断面図である。
【図2】図1に示す気圧式倍力装置のバルブボディを拡大して示す側面図である。
【図3】図2に示すバルブボディの図3におけるA−A線による縦断面図である。
【図4】図2に示すバルブボディの正面図である。
【図5】図1に示す気圧式倍力装置の変形例の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図6】図1に示す気圧式倍力装置の他の変形例の要部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 気圧式倍力装置、4 ハウジング、6 パワーピストン、7 定圧室、8 変圧室、11 バルブボディ、27 小径円筒部(推力伝達部)、32 案内リブ(リブ)、42 リアクション部材、43 出力ロッド、45 ブレーキアシスト機構(伝達部材)、46 プランジャ、47 制御バルブ、48 入力ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに区画し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドにより移動させて制御バルブによって変圧室に作動気体を導入し、前記定圧室と前記変圧室との間の差圧によって生じる前記パワーピストンの推力を前記バルブボディからリアクション部材を介して出力ロッドに作用させると共に、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記バルブボディは、熱可塑性樹脂によって形成され、前記リアクション部材に推力を伝達する推力伝達部の内部に、前記プランジャとリアクション部材との間で力を伝達する伝達部材が設けられ、前記推力伝達部には、前記伝達部材を案内するとともに、前記リアクション部材からの反力を支持する複数のリブが形成されていることを特徴とする気圧式倍力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−105593(P2010−105593A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281457(P2008−281457)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】