説明

気密容器

【課題】小さな力で開蓋することができ、しかも、長期にわたって気密性を保持することのできる気密容器を提供する。
【解決手段】容器本体1と、蓋体2と、容器本体1の凹部1aに収容された中皿5とを備え、蓋体2の後端部のヒンジ連結部9を容器本体1の後端部に回動自在に連結した化粧料容器であり、中皿5の周側壁に沿って前後方向に摺動自在に配設される棒状スライド部16と、棒状スライド部16を蓋体2のヒンジ連結部9に巻き取り可能に連結する帯状巻き取り部17と、中皿5を昇降させるための昇降手段とを設け、蓋体2を前側に倒すことにより、帯状巻き取り部17をヒンジ連結部9に巻き取って棒状スライド部16を後方に移動させ、昇降手段により中皿5を上昇させて蓋体2の下面に気密状に当接させる第1の態様と、蓋体2を後側に倒すことにより、帯状巻き取り部17を前方に送り出して棒状スライド部16を前側に移動させ、昇降手段により中皿5を下降させる第2の態様とのいずれかを選択しうるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性の高い化粧料等の内容物を収容するのに適した気密容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、揮発性成分を含有する化粧料等を収容する化粧料容器等の気密容器として、その内部の気密性を保つために、各種の化粧料容器が提案されているが、このようなものとして、例えば、図20に示すコンパクト容器がある。このコンパクト容器は、上面中央に皿部41aが形成されこの皿部41aに化粧料41bが充填された容器本体41と、この容器本体41の上面を蓋する蓋体42とを備えており、この蓋体42の天面に環状ガスケット43を固定している。そして、閉蓋状態で、上記容器本体41の皿部41aの外周部に環状ガスケット43を圧着させることにより、気密性を保持するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−272012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のコンパクト容器では、閉蓋状態では、容器本体41と蓋体42の天面と環状ガスケット43とで囲まれた部分が気密状態になっているため、負圧状態であり、開蓋時に、強い力で開蓋する必要がある。しかも、開蓋時に、容器本体41の後端部と蓋体42の後端部とがヒンジ連結されているため、環状ガスケット43は、後側部分ほど容器本体41の上面から離れないで、容器本体41の上面に押圧されている時間がながく、その分早期に損傷等して、気密性を保持することができなくなる。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、小さな力で開蓋することができ、しかも、長期にわたって気密性を保持することのできる気密容器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の気密容器は、上面に凹部が形成された容器本体と、この容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記容器本体の凹部に収容された中皿とを備え、上記蓋体の後端部から下向きに突設されたヒンジ連結部を上記容器本体の後端部に回動自在に連結した化粧料容器であって、上記中皿の周側壁に沿って前後方向に摺動自在に配設されるスライド部材と、上記スライド部材を蓋体のヒンジ連結部に巻き取り可能に連結する帯状連結材と、上記中皿を昇降させるための昇降手段とを設け、上記蓋体を前側に倒してそのヒンジ連結部を閉蓋方向に回動させることにより、帯状連結材をヒンジ連結部に巻き取ってスライド部材を後方に移動させ、その状態で昇降手段により中皿を上昇させて中皿の上面を蓋体の下面に気密状に当接させる第1の態様と、上記蓋体を後側に倒してそのヒンジ連結部を開蓋方向に回動させることにより、上記帯状連結材を前方に送り出してスライド部材を前側に移動させ、その状態で昇降手段により中皿を下降させる第2の態様とのいずれかを選択しうるように構成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0006】
すなわち、本発明の気密容器は、(容器本体の凹部に収容された)中皿の周側壁に沿って前後方向に摺動自在に配設されるスライド部材と、上記スライド部材を蓋体のヒンジ連結部に巻き取り可能に連結する帯状連結材と、上記中皿を昇降させるための昇降手段とを設けている。そして、上記蓋体を前側に倒してそのヒンジ連結部を閉蓋方向に回動させることにより、帯状連結材をヒンジ連結部に巻き取ってスライド部材を後方に移動させ、その状態で昇降手段により中皿を上昇させて中皿の上面を蓋体の下面に気密状に当接させる第1の態様と、上記蓋体を後側に倒してそのヒンジ連結部を開蓋方向に回動させることにより、上記帯状連結材を前方に送り出してスライド部材を前側に移動させ、その状態で昇降手段により中皿を下降させる第2の態様とのいずれかを選択しうるようにしている。したがって、本発明の気密容器では、閉蓋時には、中皿を上昇させて中皿の上面を蓋体の下面に気密状に強く当接させることができ、良好な気密性を有する。しかも、開蓋時には、蓋体を上方に回動させるとともに、強制的に中皿を下降させるため、容器本体内がすぐに気密状態でなくなり、小さな力で開蓋することができるうえ、蓋体と中皿とがすぐに大きく離れ、蓋体と中皿間に配設される環状ガスケット等の気密用弾性板が容器本体の上面からすぐに離れて、中皿の上面に押圧されている時間が非常に短くなり、長期にわたって損傷等することがなく、長期間気密性を保持することができる。
【0007】
上記スライド部材と帯状連結材とが同じ樹脂材料もしくはゴム材料により一体成形されていると、部品点数が少なくなるため、在庫管理等が簡単化する。
【0008】
上記昇降手段が、中皿を上方に弾圧付勢するばね部材と、中皿の周側壁から突設された載置用突部と、スライド部材に前後方向に所定の間隔をあけて形成された前後一対の被載置面とで構成され、これら両被載置面のうち、前側被載置面が後側被載置面より高い位置に形成され、上記第1の態様では、上記前側被載置面を載置用突部上まで移動させることにより、上記ばね部材の弾圧付勢力で載置用突部を上昇させるとともに中皿を上昇させ、上記第2の態様では、上記後側被載置面を載置用突部上まで移動させることにより、上記ばね部材の弾圧付勢力に抗して載置用突部を下降させるとともに中皿を下降させるように構成すると、ばね部材の弾圧付勢力で中皿の上面を蓋体の下面に強力に押圧,当接させることができ、確実に気密性を保持することができる。
【0009】
上記中皿の底面にばね部材を一体的に固定ると、部品点数が少なくなるため、在庫管理等が簡単化する。
【0010】
上記昇降手段が、容器本体の底壁もしくは周側壁の下部から突設された載置用突部と、スライド部材に前後方向に所定の間隔をあけて形成された前後一対の被載置面とで構成され、これら両被載置面のうち、前側被載置面が後側被載置面より低い位置に形成され、上記スライド部材で中皿を昇降自在に支受し、上記第1の態様では、上記前側被載置面を載置用突部上まで移動させることにより、上記スライド部材を上昇させるとともに中皿を上昇させ、上記第2の態様では、上記後側被載置面を載置用突部上まで移動させることにより、上記スライド部材を下降させるとともに中皿を下降させるように構成すると、ばね部材を用いていないため、構造が簡単化するうえ、部品点数が少なくなり、在庫管理等が簡単化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0012】
図1〜図3は本発明の気密容器の一実施の形態を示している。これらの図において、1は上面に凹部1aが形成された合成樹脂製の容器本体で、2は上記容器本体1の上面を蓋する合成樹脂製の蓋体で、3,4は上記容器本体1の凹部1aの内周部に配設,固定される上下一対の中枠で、5は上記中枠3,4内に昇降自在に配設された中皿(化粧皿)であり、その上面に形成された化粧料収容凹部5bに揮発性化粧料5aが収容されている。
【0013】
上記容器本体1には、図4〜図6に示すように、その前端部に前側凹部6が形成されており、この前側凹部6の奥壁面に、上記蓋体2の前端部に形成された係合爪部2aに着脱自在に係合しうる係合凸部6aが突設されている。また、上記容器本体1には、その後端部に後側凹部7が形成されており、この後側凹部7の左右両側壁の相対向する部分に、ヒンジ軸10が挿通される左右一対の貫通孔7aが穿設されている。また、上記後側凹部7には、その左右両側(後述する蓋体2の左右の小径円筒部9aに対応する部分)に、後述するスライド体15を載置,支受する支受部8(図1参照)が形成されている。図において、1bは上記容器本体1の凹部1aの上端開口部のうち、上記後側凹部7を除いた部分に形成された切り欠き溝部であり、後述する上枠3の突部3aに着脱自在に係合している。
【0014】
上記蓋体2には、図7および図8に示すように、その前端部から係合爪部2aが突設されており、上記容器本体1の前側凹部6から突設された係合凸部6aに着脱自在に係合している。また、上記蓋体2には、その後端部からヒンジ連結部9が垂下しており、このヒンジ連結部9の、上記貫通孔7aに対応する左右両側の部分に、上記両ヒンジ軸10が挿通される左右一対の挿通孔9aが穿設されている。そして、上記容器本体1の後側凹部7の両貫通孔7aおよび上記蓋体2のヒンジ連結部9の両挿通孔9aに挿通された両ヒンジ軸10を介して、蓋体2のヒンジ連結部9と容器本体1の後側凹部7とがヒンジ連結されている。また、上記ヒンジ連結部9は、上記容器本体1の両支受部8に対応する左右両側の部分が小径円筒部9bに形成されており、この両小径円筒部9bと上記容器本体1の両支受部8の間に、後述するスライド体15の帯状巻き取り部(帯状連結材)17がスライドしうる隙間が形成されている。上記蓋体2には、その天井面に凹部2bが形成されており、この凹部2bに、上記中皿4の上端面に気密状に当接するゴム製もしくは合成樹脂製の気密用弾性板20が接着,固定されている。
【0015】
上記中枠3,4は、四角形環状枠体に形成された上枠3(図3参照)と、コ字状に形成された(前側片4aと左右両側片4bとからなる)下枠4とからなり、下枠4上に上枠3が着脱自在に載置,固定されている。上記上枠3には、その内周面上端部に、後述する中皿5の係合凸部23が上方に抜け出すのを阻止するための四角形環状のストッパー11が形成されており、その外周面上端部に、上記容器本体1の内周面上端部の切り欠き溝部1bに着脱自在に載置される突部3aが突設されている。一方、上記下枠4には、その左右両側片4bの内周面上部に、その前後方向の全幅にわたって、後述するスライド体15の外側部分をスライド自在に嵌合,支受する切り欠き凹部12が、上記左右両側片4bの内周部上端面から切り欠き形成されている。
【0016】
上記中皿5は、四角形状に形成されており、図9および図10に示すように、その左右両側面下部には、その前後方向の全幅にわたって、左右一対の切り欠き凹部22が左右両側部下端面から切り欠き形成されている。また、これら両切り欠き凹部22には前後一対の昇降用突部(載置用突部)22a,22bが前後方向に所定間隔をあけて突設されており、かつ、左右両側面において、相対向する位置に形成されている。また、上記中皿5には、その外周面上部の全周に、上記ストッパー11に抜け止め状に係合する四角形環状の係合凸部23が突設されており、その上端面には、上記蓋体2の気密用弾性板20に押圧状に当接する四角形環状の気密用凸部24が突設されている。このような中皿5の底面には、下すぼまり状の円錐台形状に形成された板ばね25が一体的に固定されており、これにより、上記中皿5は、板ばね25の弾性付勢力により上方に弾性付勢されている。
【0017】
上記スライド体15は、ジュラコン(商品名)製であり、上記中皿5の左右に配設されている。これら両スライド体15は、棒状スライド部(スライド部材)16と帯状巻き取り部17とを一体成形したもので構成されており、上記棒状スライド部16の外側部分は、上記下枠4の切り欠き凹部12と上記上枠3の下面との間に形成された溝状部を、水平方向にだけ(すなわち、上下方向にはほとんど移動しない状態で)スライドするようになっている。したがって、上記棒状スライド部16の全体も、水平方向にだけ(すなわち、上下方向にはほとんど移動しない状態で)スライドするように構成されている。
【0018】
また、上記棒状スライド部16には、図11〜図13に示すように、前後一対の昇降用切り欠き部18,19が前後方向に所定間隔(上記両昇降用突部22a,22b間の距離と同じ距離)をあけて形成されている。上記前側の昇降用切り欠き部18は、上記棒状スライド部16の先端面16aから水平に延びる水平面(前側被載置面)18aと、この水平面18aの後端部から上記棒状スライド部16の前側の水平下端面(後側被載置面)16bに向かって下り傾斜状に傾斜するテーパー面18bとからなっている。また、上記後側の昇降用切り欠き部19は、水平面18aと同じ高さの水平面(前側被載置面)19aと、この水平面19aの後端部から上記棒状スライド部16の後側の水平下端面(後側被載置面)16bに向かって下り傾斜状に傾斜するテーパー面19bと、上記水平面19aの前端部から垂下する垂直面19cとからなっている。そして、上記両スライド体15を前後方向にスライドさせることにより、上記中皿5の両昇降用突部22a,22bが上記両スライド体15の前後の水平面18a,19aに当接,位置決めされる状態と、前後の下端面16bに当接,位置決めされる状態とに切り換えられるようにしている。
【0019】
また、上記帯状巻き取り部17は、上記蓋体2のヒンジ連結部9の両小径円筒部9bに巻き取り可能であり、上記蓋体2を閉蓋方向に回動させるときには、上記ヒンジ連結部9の両小径円筒部9bに巻き取って棒状スライド部16を後退させるようにし、上記蓋体2を開蓋方向に回動させるときには、上記ヒンジ連結部9の両小径円筒部9bに巻き取った状態から前方に押し出して棒状スライド部16を前進させるようにしている。
【0020】
上記の構成において、閉蓋時には、両スライド体15の前後の水平面18a,19aと中皿5の両昇降用突部22a,22bとが当接状に係合しており、その状態で、板ばね25の弾性力で中皿5が押し上げられている(図1参照)。このとき、中皿5の上端面の気密用凸部24の先端が蓋体2の気密用弾性板20の下面に押圧状に当接し、中皿5内の気密状態が保持されている。また、両スライド体15の帯状巻き取り部17が蓋体2のヒンジ連結部9の両小径円筒部9bに巻き取られている。この閉蓋状態から蓋体2を後方に回動させて開蓋する(すなわち、蓋体2を開蓋方向に回動させる)と、両スライド体15の帯状巻き取り部17が前方に押し出され、両スライド体15の棒状スライド部16が前進する。これにより、上記板ばね25の弾性付勢力に抗して、上記中皿5の両昇降用突部22a,22bが上記両スライド体15のテーパー面18b,19bに当接しながら押し下げられ、前後の下端面16bに当接,位置決めされ、これに伴い中皿5が下降する(図14参照)。
【0021】
このように、上記実施の形態では、閉蓋時には、中皿5を上昇させて中皿5の上面や気密用凸部24を蓋体2の下面の気密用弾性板20に気密状に強く当接させることができ、良好な気密性を有する。しかも、開蓋時には、蓋体2を後・上方に回動させるとともに、強制的に中皿5を下降させるため、すぐに気密状態でなくなり、小さな力で開蓋することができる。しかも、開蓋時には、蓋体2と中皿5とがすぐに大きく離れるため、気密用弾性板20も中皿5の上面や気密用凸部24からすぐに離れて、早期に中皿5が損傷等することがなく、長期にわたって気密性を保持することができる。
【0022】
図15および図16は本発明の気密容器の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、容器本体1の凹部1aの水平な底面1cに前後方向に所定の間隔をあけて左右一対の昇降用突部(載置用突部)31が形成されている。これら両昇降用突部31には、水平な上面31aと、この上面31aの前端部から前方に向かって下り傾斜状に傾斜するテーパー面31bとが形成されている(図17参照)。一方、両スライド体15は、上記容器本体1の左右両側壁の内周面下端部にその前後方向の全幅にわたって形成された溝部32と、中皿5の切り欠き凹部22(この実施の形態では、切り欠き凹部22に昇降用突部22a,22bは形成されていない)とで形成される溝状部に、前後方向にスライド自在で、かつ昇降自在に配設されている。また、両スライド体15の上面上に中皿5の切り欠き凹部22の上面が載置されており、これにより、両スライド体15で中皿5の左右両側を下から支受している。
【0023】
このような両スライド体15には、その棒状スライド部16の水平下端面(前側被載置面)16bの、上記両昇降用突部31に対応する部分に昇降用凹部34が形成されている(図18参照)。すなわち、これら両昇降用凹部34には、上記両昇降用突部31の上面31aに対応する部分に上面(後側被載置面)34aが形成され、上記両テーパー面31bに対応する部分に、上記上面34aの前端部から前方に向かって下り傾斜状に傾斜するテーパー面34bが形成されている。なお、この実施の形態では、中枠3,4を設けていない。このため、中皿5の係合凸部23が上方に抜け出すのを阻止するストッパー11は、上記容器本体1に形成されている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0024】
上記の構成において、閉蓋時には、容器本体1の両昇降用突部31の上面31a上に両スライド体15の棒状スライド部16の水平下端面16bが載置されており、その状態では、両スライド体15が容器本体1の底面1cから上昇しているとともに、両スライド体15で中皿5が押し上げられて容器本体1の底面1cから上昇している。これにより、中皿5の環状凸部24の先端が蓋体2の気密用弾性板20の下面に押圧状に当接し、中皿5内の気密状態が保持されている。また、両スライド体15の帯状巻き取り部17が蓋体2のヒンジ連結部9の両小径円筒部9bに巻き取られている。この閉蓋状態から蓋体2を後方に回動させて開蓋する(すなわち、蓋体2を開蓋方向に回動させる)と、両スライド体15の帯状巻き取り部17が前方に押し出され、両スライド体15の棒状スライド部16が前進する。これにより、両スライド体15の棒状スライド部16の水平下端面16bが両昇降用突部31のテーパー面31bに当接しながら下降して容器本体1の凹部31の底面1cに到達し、これに伴い、中皿5が下降する。この状態では、容器本体1の両昇降用突部31と両スライド体15の両昇降用凹部34とが嵌合状に係合している(図19参照)。
【0025】
この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、上記実施の形態と比べ、板ばね25を用いていないため、構造が簡単化するうえ、部品点数が少なくなり、在庫管理等が簡単化する。
【0026】
なお、上記実施の形態において、スライド体15の棒状スライド部16と帯状巻き取り部17とを別体に成形してもよいし、中皿5と板ばね25とを別体に成形してもよい。また、上記他の実施の形態において、容器本体1の左右両側壁に両昇降用突部31を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の気密容器の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】上記気密容器の要部の断面図である。
【図3】上記気密容器の要部の平面図である。
【図4】容器本体の断面図である。
【図5】上記容器本体の要部の断面図である。
【図6】上記容器本体の平面図である。
【図7】蓋体の断面図である。
【図8】上記蓋体の底面図である。
【図9】中皿の側面図である。
【図10】上記中皿の断面図である。
【図11】スライド体の側面図である。
【図12】上記スライド体の底面図である。
【図13】上記スライド体の正面図である。
【図14】開蓋状態の気密容器を示す断面図である。
【図15】本発明の気密容器の他の実施の形態を示す断面図である。
【図16】上記気密容器の要部の断面図である。
【図17】容器本体の断面図である。
【図18】スライド体の側面図である。
【図19】開蓋状態の気密容器を示す断面図である。
【図20】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 容器本体
1a 凹部
2 蓋体
5 中皿
9 ヒンジ連結部
16 棒状スライド部
17 帯状巻き取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に凹部が形成された容器本体と、この容器本体の上面を蓋する蓋体と、上記容器本体の凹部に収容された中皿とを備え、上記蓋体の後端部から下向きに突設されたヒンジ連結部を上記容器本体の後端部に回動自在に連結した化粧料容器であって、上記中皿の周側壁に沿って前後方向に摺動自在に配設されるスライド部材と、上記スライド部材を蓋体のヒンジ連結部に巻き取り可能に連結する帯状連結材と、上記中皿を昇降させるための昇降手段とを設け、上記蓋体を前側に倒してそのヒンジ連結部を閉蓋方向に回動させることにより、帯状連結材をヒンジ連結部に巻き取ってスライド部材を後方に移動させ、その状態で昇降手段により中皿を上昇させて中皿の上面を蓋体の下面に気密状に当接させる第1の態様と、上記蓋体を後側に倒してそのヒンジ連結部を開蓋方向に回動させることにより、上記帯状連結材を前方に送り出してスライド部材を前側に移動させ、その状態で昇降手段により中皿を下降させる第2の態様とのいずれかを選択しうるように構成したことを特徴とする気密容器。
【請求項2】
上記スライド部材と帯状連結材とが同じ樹脂材料もしくはゴム材料により一体成形されている請求項1記載の気密容器。
【請求項3】
上記昇降手段が、中皿を上方に弾圧付勢するばね部材と、中皿の周側壁から突設された載置用突部と、スライド部材に前後方向に所定の間隔をあけて形成された前後一対の被載置面とで構成され、これら両被載置面のうち、前側被載置面が後側被載置面より高い位置に形成され、上記第1の態様では、上記前側被載置面を載置用突部上まで移動させることにより、上記ばね部材の弾圧付勢力で載置用突部を上昇させるとともに中皿を上昇させ、上記第2の態様では、上記後側被載置面を載置用突部上まで移動させることにより、上記ばね部材の弾圧付勢力に抗して載置用突部を下降させるとともに中皿を下降させるように構成した請求項1または2記載の気密容器。
【請求項4】
上記中皿の底面にばね部材を一体的に固定した請求項3記載の気密容器。
【請求項5】
上記昇降手段が、容器本体の底壁もしくは周側壁の下部から突設された載置用突部と、スライド部材に前後方向に所定の間隔をあけて形成された前後一対の被載置面とで構成され、これら両被載置面のうち、前側被載置面が後側被載置面より低い位置に形成され、上記スライド部材で中皿を昇降自在に支受し、上記第1の態様では、上記前側被載置面を載置用突部上まで移動させることにより、上記スライド部材を上昇させるとともに中皿を上昇させ、上記第2の態様では、上記後側被載置面を載置用突部上まで移動させることにより、上記スライド部材を下降させるとともに中皿を下降させるように構成した請求項1記載の気密容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2006−15070(P2006−15070A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198385(P2004−198385)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】