説明

気泡供給機能付き追焚装置

【課題】 追焚,微細気泡供給を共通のポンプを用いて行ない、しかも浴槽周り構造を簡略化する。
【解決手段】 追焚装置は、浴槽に設けられた接続ユニット30と、接続ユニット30に上流端および下流端が接続された追焚循環回路と、この追焚循環回路の中途部に設けられたポンプおよび熱供給部と、を備えている。ポンプの吸い込み側において追焚循環回路に接続され外気を供給する外気供給手段と、ポンプの吐出側において追焚循環回路から分岐した分岐回路と、この分岐点より下流側の追焚循環回路と分岐回路のいずれかを、湯の通路として選択する切替手段とを備えている。接続ユニット30は、追焚循環回路の上流端と浴槽内とを連ねる吸込通路51と、追焚循環回路の下流端と浴槽内とを連ねる第1吐出通路52と、分岐回路の下流端と浴槽内とを連ねる第2吐出通路53とを有している。第2吐出通路は流通抵抗部35h,35iを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽に微細気泡を供給する機能を有する追焚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、気泡供給機能を有する追焚装置が開示されている。この追焚装置は、浴槽に設けられたノズルユニットと、追焚循環回路を備えている。追焚循環回路の上流端はノズルユニットから離れて浴槽に接続され、下流端がノズルユニットに接続されている。この追焚循環回路の中途部にはポンプおよび熱供給部が設けられている。ポンプ駆動により、浴槽の湯を追焚循環回路を介して循環させ、熱供給部を通過する際に加熱してノズルユニットから浴槽に戻し、追焚を行なうようになっている。
【0003】
上記追焚装置は、微細気泡供給のために、上記ポンプの吸い込み側において上記追焚循環回路に接続された外気供給手段と、上記ポンプ吐出側において上記追焚循環回路から分岐してノズルユニットに至る分岐回路と、この分岐点より下流側の追焚循環回路と分岐回路のいずれかに湯を選択的に通す切替手段とを備えている。ノズルユニットは、分岐回路が接続する部位にオリフィスからなる流通抵抗部を有している。
【0004】
微細気泡を浴槽に供給する場合には、切替手段により分岐回路を選択し、ポンプを駆動する。この際、ポンプの吸込側から外気供給手段により外気が供給されてポンプに入り、ここで微細気泡化され、さらに湯に溶解され、ポンプから吐出される。空気を溶解した湯は、分岐回路を経てノズルユニットの流通抵抗部に至り、この流通抵抗部を通過した直後に急激な減圧を受け、溶解された空気が微細化された気泡となる。その結果、この微細気泡を含む湯がノズルユニットから吐出される。
【0005】
特許文献1の追焚装置では、追焚のためのポンプが、上記微細気泡供給のためのポンプを兼ねている。
【特許文献1】特開平5−305118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の追焚装置では、追焚と微細供給のために共通のポンプを用いて構成の簡略化を図っているが、追焚循環回路の上流端の浴槽への接続構造(吸込構造)をノズルユニットとは別途設けなくてはならず、浴槽周りの構造が複雑かつコスト高となる欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、浴槽に設けられた接続ユニットと、この接続ユニットに上流端および下流端が接続された追焚循環回路と、この追焚循環回路の中途部に設けられたポンプおよび熱供給部と、を備えた追焚装置において、上記ポンプの吸い込み側において上記追焚循環回路に接続され外気を供給する外気供給手段と、上記ポンプの吐出側において上記追焚循環回路から分岐した分岐回路と、この分岐点より下流側の追焚循環回路と分岐回路のいずれかを、湯の通路として選択する切替手段とを備え、 上記接続ユニットは、上記追焚循環回路の上流端と浴槽内とを連ねる吸込通路と、上記追焚循環回路の下流端と浴槽内とを連ねる第1吐出通路と、上記分岐回路の下流端と浴槽内とを連ねる第2吐出通路とを有し、この第2吐出通路が流通抵抗部を含むことを特徴とする。
この構成によれば、接続ユニットが追焚および微細気泡供給のための湯の吸い込み構造と吐出構造を兼ねるので、浴槽周りの構造を簡略化することができる。
【0008】
好ましくは、上記接続ユニットは、浴槽内に配置されたヘッド部を有し、このヘッド部の外殻は吸込口,第1,第2吐出口を有し、第1吐出口は外殻の下面側に開口し、第2吐出口は外殻の上面側に開口し、上記吸込通路,第1,第2吐出通路は、上記ヘッド部で互いに隔てられて上記吸込口,第1,第2吐出口にそれぞれ連なる。
この構成によれば、追焚の際の湯の吐出が下向きとなるので浴槽内の湯の撹拌効果を高めることができる。他方、微細気泡供給の際には、微細気泡を含んだ湯が上方に緩やかに吐き出され、浴槽内へ効率良く微細気泡を供給することができる。
【0009】
好ましくは、上記接続ユニットは、同心をなしてほぼ水平に浴槽側壁を貫通する3つの筒部を有し、内側の筒部内の空間が上記第2吐出通路として提供され、この内側の筒部と中間の筒部と間の空間が上記吸込通路,第1吐出通路の一方として提供され、中間の筒部と外側の筒部との間の空間が上記吸込通路,第1吐出通路の他方として提供され、上記内側の筒部の上記ヘッド部側端部に上記流通抵抗部が設けられている。
この構成によれば、吸込通路,第1,第2吐出通路のための通路構造を簡略化できるとともに、流通抵抗部の形成も容易である。
【0010】
好ましくは、上記ポンプがベーンポンプである。これにより、微細気泡供給の際にポンプは空気の溶解を確実かつ効率良く行なうことができる。
【0011】
好ましくは、上記熱供給部の上流側に上記外気供給手段とポンプが配置されている。これによれば、熱供給部を通る湯はポンプの吐出圧を受けるため、燃焼熱等の高熱を直接供給しても沸騰は生じず追焚を効率良く行なうことができる。
【0012】
好ましくは、上記ポンプと熱供給部との間に上記切替手段が配置されている。これによれば、微細気泡供給の際に、空気を溶解した湯がポンプから吐出され熱供給部を通らず、小さな圧力損失で分岐回路を経て接続ユニットに達するため、微細気泡供給を効率良く行うことができる。
【0013】
好ましくは、上記熱供給部の下流側に上記外気供給手段とポンプが配置され、上記熱供給部は、燃焼部と、燃焼部の燃焼熱を受ける熱交換部と、この熱交換部を通る補助循環回路と、この補助循環回路に設けられ熱媒体を循環させる補助ポンプと、この補助循環回路と追焚循環回路が通る液・液熱交換部とを有する。
これによれば、微細気泡供給の際に、空気を溶解した湯がポンプから吐出され熱供給部を通らず、小さな圧力損失で分岐回路を経て接続ユニットに達するため、微細気泡供給を効率良く行うことができる。また追焚の際に、熱供給部を通る湯が負圧になるものの、燃焼熱を直接受けず液・液熱交換部において熱を受けるので沸騰は生じず追焚を効率良く行なうことができる。
【0014】
好ましくは、上記熱供給部,ポンプ,外気供給手段がハウジングに収容されて追焚ユニットが構成され、上記切替手段がこの追焚ユニットから離れ上記接続ユニットの近傍に配置される。これによれば、分岐回路が短くなり配管構造が簡単になる。
【0015】
好ましくは、上記熱供給部,ポンプ,外気供給手段がハウジングに収容されて追焚ユニットが構成され、上記切替手段がこのハウジングに収容され、上記分岐回路がこのハウジングから接続ユニットまで延びている。これによれば、浴槽周りの構造をより簡略化することができるとともに、切替手段を制御し易い。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、浴槽周りの構造を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図8を参照しながら説明する。まず、追焚装置1の概略構成を図8を参照しながら説明する。
追焚装置1は、追焚循環回路10を有している。この追焚循環回路10の上流端(吸込端)は、浴槽2に固定された接続ユニット30を介して浴槽2に接続され、下流端(吐出端)は切替手段20および接続ユニット30を介して浴槽2に接続されている。
【0018】
上記追焚循環回路10の中途部には、ポンプ11と、その吐出側に位置する熱供給部12が設けられている。ポンプ11は、後述する微細気泡供給のためのポンプを兼ねるため、ベーンポンプにより構成されている。熱供給部12は例えばガス等の燃焼部12aとその燃焼熱を受ける熱交換部12bとを有しており、この熱交換部12bを追焚循環回路10が通っている。
【0019】
追焚装置1は、微細気泡供給のために、追焚循環回路10に接続された給気弁14(外気供給手段)と空気抜き弁15とを有している。給気弁14は、逆止弁と電磁弁を直列接続してなり、ポンプ11の吸い込み側(上流側)に配置されている。空気抜き弁15は小容量のタンク内に設置されたフロート弁からなり、ポンプ11と熱交換部12bとの間に配置されて、ポンプ11から吐出された湯に残っている気泡を抜くようになっている。
【0020】
上記ポンプ11,熱供給部12,給気弁14,空気抜き弁15は、コントローラ16(追焚,気泡供給制御手段)とともにはハウジング17に収容されており、追焚ユニット1aを構成している。上記追焚循環回路10において、追焚ユニット1aより上流側の配管を戻り管10aと称し、下流側の配管を往き管10bと称す。
【0021】
図7に示すように、上記往き管10bには接続ユニット30の近傍において分岐管10c(分岐回路)が接続されている。図において往き管10bと分岐管10cの分岐点を符号Pで示す。分岐点Pより下流側の往き管10bと分岐管10cにはそれぞれ電磁開閉弁21,22が設けられている。これら電磁開閉弁21,22により切替手段20が構成されている。
【0022】
図7に示すように、戻り管10aの上流端は、継手25aを介して接続ユニット30に接続され、往き管10bの下流端および分岐管10cの下流端はそれぞれ継手25b,25cを介して接続ユニット30に接続されている。
【0023】
次に、接続ユニット30の構造を図1〜図6を参照しながら説明する。接続ユニット30は、浴槽2外に配置される第1アッセンブリ30aと、浴槽2内に第2アッセンブリ30bとを備えている。
【0024】
図3に最も良く示すように、第1アッセンブリ30aは、前方に向かって(浴槽2に向かって)順に配置された3つの部材31〜33により構成されている。部材31は端壁31aとこの端壁31aから突出する外側の肉厚の短い筒31bと内側の肉薄の長い筒31cとを有している。
部材32は、筒32aとその後端に形成された鍔32bとを有している。部材33は、筒33aとその前端に形成された鍔33bとを有している。
【0025】
部材31の筒31bの前端と部材33の筒33aの後端とで部材32の鍔32bを挟むようにして、3つの部材31〜33が連結されている。この連結状態において、部材31〜33の筒31c,32a,33aは同軸をなして中心から径方向外側に向かって順に配置されている。
【0026】
図4に示すように、部材31には、筒31bを貫通して筒31b,31c間の空間に連なる連通路31dが形成されている。この連通路31dの外端には前述した往き管10b接続用の継手25bが取り付けられている。
【0027】
また、部材31には筒31b,31cを貫通して筒31cの内部空間に連なる連通路31eが形成されている。この連通路31eの外端には、前述した分岐管10c接続用の継手25cが取り付けられている。
【0028】
図5に示すように、部材33には筒33aを貫通して筒32a,33a間の内部空間に連なる連通路33dが形成されている。この連通路33dの外端には、前述した戻り管10a接続用の継手25aが取り付けられている。
【0029】
他方、第2アッセンブリ30bは図3に示すように4つの部材34〜37を有している。部材34は、大径の筒34aと、この筒34aの前端に形成された鍔34bとを有している。
【0030】
部材35は、同軸をなす筒35a,35bと、鍔35cとを有している。図6に最も良く示すように、この筒35a,35bの前端同士はブリッジ35dを介して連なり、鍔35cと外側筒35bの前端はブリッジ35eを介して連なっている。
上記部材35の鍔35cと上記部材34の鍔34aとが連結されている。部材35の筒35a,35bと部材34の筒34aは同軸をなし、この順序で中央から外に向かって配置されている。
【0031】
図3に示すように、上記部材35は更に、内側筒35aの前端に形成された鍔35fと、筒35aの前端から前方へ突出する袋部35gとを有している。
【0032】
上記部材36は、短い筒36aと仕切壁36bとを有している。部材36の筒36aの後端が部材35の鍔35fに当たった状態で、仕切壁36bが上記部材35の鍔35cに連結されている。
【0033】
上記部材35の袋部35gの周壁にはオリフィス35h(流通抵抗部)が形成されている。また、この袋部35gは部材36の筒36aに環状の隙間35i(流通抵抗部)を介して入り込んでいる。
【0034】
上記部材37は、周壁37aと塞がれた正面壁37bとを有しており、周壁37aが上記部材35の鍔35cに連結されている。
主に第2アッセンブリ30bの部材36,37により、上記第1アッセンブリ30aより縦断面積が大きいヘッド部30xが構成されている。部材37はヘッド部30xの外殻を構成している。
【0035】
上記第2アッセンブリ30bのヘッド部30xを浴槽2内に配置させ、第2アッセンブリ20bの筒34aを浴槽2の側壁に形成した穴に水平に貫通させ、第1アッセンブリ30aを浴槽2の外に配置させた状態で、第1アッセンブリ30aの部材33の筒33aを、第2アセンブリ30bの部材34の筒34aに螺合させ、浴槽2の側壁を両部材33,34の鍔33b,34bで挟むことにより、アッセンブリ30a,30bの連結と浴槽2への装着が行われる。
上記アッセンブリ30a,30bの連結状態で、部材31,35の筒31c,35aが嵌り合い、部材32,35の筒32a,35bが嵌り合っている。
【0036】
図1〜図3に示すように、部材37の周壁37aの左右には下寄りに位置して一対の吸込口41が形成されている。
図6に示すように、部材35は、筒35aの袋部35g(図3)に隣接して筒形状の連通路35jを有している。この連通路35jは下方に垂直に延び部材37の周壁37aの下面側を貫通しており、その下端が第1吐出口42となっている。
また、部材37の周壁37aの上面側には多数のスリット形状の第2吐出口43が形成されている。これら第2吐出口43の合計開口面積は上記第1吐出口42より大きい。
【0037】
図7に示すように、上記接続ユニット30は、上記吸込口41と戻り管10aを連ねる吸込通路51と、上記第1吐出口42と往き管10bを連ねる第1吐出通路52と、上記第2吐出口43と分岐管10cとを連ねる第2吐出通路53とを有している。以下、各通路41〜43の詳細な構成を、図3を参照しながら湯の流れに沿って説明する。
【0038】
上記吸込通路51は、部材37の内部空間のうち部材36の仕切壁36bによって仕切られた下側の室51aと、筒33a,34aからなる外側の筒部と筒32a,35bからなる中間の筒部との間の空間51bと、部材33に形成された連通路33d(図5参照)とで構成されている。
【0039】
上記第1吐出通路52は、部材31に形成された連通路31d(図4参照)と、筒32a,35bからなる中間の筒部と筒31c,35aからなる内側の筒部との間の空間52aと、部材35に形成された連通路35jとで構成されている。
【0040】
上記第2吐出通路53は、部材31に形成された連通路31e(図4参照)と、筒31c,35aからなる内側の筒部内の空間53aと、オリフィス35h,隙間35iと、部材36の仕切壁36bによって仕切られた部材37内の上側の室53bとで構成されている。
【0041】
上記構成をなす追焚装置の作用を説明する。まず、追焚について説明する。コントローラ16は、ユーザーが追焚を指令するボタン(図示しない)をオンした時に、これに応答してポンプ11を駆動するとともに燃焼部12aの燃焼を実行する。この際、電磁開閉弁21を開き、電磁開閉弁22を閉じたまま維持する。
【0042】
ポンプ11の駆動により、接続ユニット30の吸込口41から浴槽2の湯が吸込まれ、吸込通路51を通り、継手25aに接続された戻り管10aを通ってポンプ11に達し、さらにポンプ11から出た湯は熱交換部12bで加熱されて往き管10bを通り、継手25b,接続ユニット30の第1吐出通路52を経て第1吐出口42から吐出されて浴槽2に戻される。吐出湯は浴槽2に下向きに吐出されるので、撹拌効果を得ることができる。 上記追焚時には、給気弁14の電磁弁は閉じられているので、外気供給を行なわれない。
【0043】
次に、微細気泡供給について説明する。コントローラ16は、ユーザーが微細気泡供給を指令するボタンをオンした時に、これに応答して微細気泡の供給を実行する。詳述すると、ポンプ11を駆動させ、開閉弁21を閉じ開閉弁22を開くとともに、給気弁14の電磁弁を開く。
【0044】
上記ポンプ11の吸込み作用により、追焚時と同様に浴槽2の湯が接続ユニット30の吸込口41から吸込まれ、吸込通路51,戻り管10aを経てポンプ11に至り、さらにポンプ11から往き管10bを通り、分岐点Pから分岐管10cを通り、接続ユニット30の第2吐出通路53を経て第2吐出口43から吐出される。
【0045】
上記給気弁14の逆止弁は、ポンプ11の駆動により生じた負圧により開いて外気を追焚循環回路10に供給する。ポンプ11は、浴槽2の湯と一緒に給気弁14からの外気を吸い込み、この空気を微細気泡化し、さらに加圧して湯の中に溶解させる。この際、ポンプ11としてベーンポンプを用いているので、効率良く空気の溶解を行うことができる。
ポンプ11から吐出された湯において、溶解せずに残った気泡は、空気抜き弁15で除去される。
【0046】
上述したように空気を溶解した湯は接続ユニット30の第2吐出通路52を通る際、オリフィス35h,隙間35iを通過する。これらオリフィス35h,隙間35iの上流側では高圧に維持されていて空気は溶解されたままであるが、その下流側では圧力が急低下し、溶解された空気が一気に微細な気泡となる。この微細気泡を含んだ湯は、室53b内を経て第2吐出口43から浴槽2内に供給される。
【0047】
上記微細気泡を含んだ湯は、第1吐出口42に連なる連通路35jより遥かに広い室53b内を広がり、さらに第1吐出口42より開口面積の大きな第2吐出口43から浴槽2内に供給され、しかも湯の流れは微細気泡の上昇方向と同方向すなわち上方に向かうので、効率良く微細気泡を供給できる。
【0048】
上記コントローラ16は、追焚ボタンと微細気泡供給ボタンのうち、後から操作され他ボタンを優先して追焚と微細気泡供給とを選択的に実行する。
【0049】
上記第1実施形態では、分岐点Pおよび開閉弁21,22を接続ユニット近傍に設けているので、分岐管10cを短くでき、配管構造を簡略化できる。なお、分岐点Pを2股の継手で構成し、この継手の一方の通路を追焚循環回路の一部とし、他方の通路を分岐回路としてもよい。
【0050】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。これら実施形態について先行する実施形態に対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0051】
図9に示す第2実施形態では、熱供給部12’の下流側に、給気弁14,ポンプ11,空気抜き弁15が下流に向かって順に設けられている。熱供給部12’は燃焼部12aと、この燃焼部12aの燃焼熱を受ける熱交換部12bと、液・液熱交換部12cと、熱交換部12bおよび液・液熱交換部12cを通る補助循環回路12dと、この補助循環回路12dに設けられた補助ポンプ12eとを有している。追焚循環回路10は上記液・液熱交換部12cを通る。
熱供給部12’,給気弁14,ポンプ11,空気抜き弁15,コントローラ16は、第1実施形態と同様にハウジング17内に収容されている。
【0052】
第2実施形態の微細気泡供給については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。追焚を行なう際には、ポンプ11とともに補助ポンプ12eも駆動する。補助循環回路12dを循環する熱媒体は、熱交換部12bで燃焼部12aの燃焼熱を受け、液・液熱交換部12cで追焚循環回路10を循環する浴槽2の湯に熱を付与する。
【0053】
ベーンポンプからなるポンプ11の吐出圧は高いが、第2実施形態では熱供給部12’の下流側に設けたので、追焚ユニット1a内において耐圧を要する管部を最小限の長さにすることができる。
第2実施形態のポンプ11の配置では、熱供給部12’を通る湯が負圧になり、燃焼熱を直接受けると沸騰する可能性がある。しかし、湯は燃焼熱を直接受けず液・液熱交換部12cで熱を受けるので、沸騰は生じず追焚を効率良く行なうことができる。
【0054】
上記第2実施形態では、微細気泡供給の際に、ポンプ11から吐出された空気溶解湯が熱供給部12’を通らず、小さな圧力損失で接続ユニット30に達するため、微細気泡供給を効率良く行うことができる。
【0055】
図10に示す第3実施形態は、切替手段を除いて第1実施形態と同様の構成を有する。詳述すると、熱供給部12の上流側において、空気抜き弁15と熱供給部12との間に切替手段としての三方弁25が設けられている。この三方弁25の一方の出口ポートは熱供給部12に連なり、他方の出口ポートは熱供給部12を経ずに分岐管10cを介して接続ユニット30の継手25c(図1参照)に接続される。
【0056】
第3実施形態でも、微細気泡供給の際に湯が熱交換部12を通らないので圧力損失が少ない。三方弁25を追焚ユニット1a内に設けると、分岐管10cが長くなるが、浴槽2周りの構造を簡略化することができるとともに、コントロール16による制御が容易となる。
【0057】
図11に示す第4実施形態は、熱供給部12’の下流側にポンプ11等を配置した点で第2実施形態と同様であり、切替手段としての三方弁25を追焚ユニット1a内に配置した点で第3実施形態と同様である。
【0058】
本発明は上記実施形態に制約されず、さらに種々の態様が可能である。例えば、第1,第2実施形態において、第2吐出通路の流通抵抗が第1吐出通路の流通抵抗より大であるので、開閉弁22を省略してもよい。また、開閉弁21,22の代わりに分岐点Pに三方弁を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態をなす追焚装置の接続ユニットを斜め上方から見た斜視図である。
【図2】同接続ユニットを斜め下方から見た斜視図である。
【図3】同接続ユニットの縦断面図である。
【図4】同接続ユニットを後方から見た斜視図であり、追焚循環回路の往き管および分岐管との接続構造を断面にして示す。
【図5】同接続ユニットを後方から見た斜視図であり、追焚循環回路の戻り管との接続構造を断面にして示す。
【図6】同接続ユニットを前方から見た斜視図であり、浴槽内に位置するヘッド部を断面にして示す。
【図7】同追焚装置の切替手段の概略回路図である。
【図8】同追焚装置の概略構成図である。
【図9】本発明の第2実施形態をなす追焚装置の概略構成図である。
【図10】本発明の第3実施形態をなす追焚装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第4実施形態をなす追焚装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0060】
1 追焚装置
1a 追焚ユニット
2 浴槽
10 追焚循環回路
10c 分岐管(分岐回路)
11 ポンプ
12 熱供給部
14 給気弁(外気供給手段)
17 ハウジング
20 切替手段
25 三方弁(切替手段)
30 接続ユニット
30h オリフィス(流通抵抗部)
30i 隙間(流通抵抗部)
30x ヘッド部
37 部材(ヘッド部の外殻)
41 吸込口
42 第1吐出口
43 第2吐出口
51 吸込通路
52 第1吐出通路
53 第2吐出通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽に設けられた接続ユニットと、この接続ユニットに上流端および下流端が接続された追焚循環回路と、この追焚循環回路の中途部に設けられたポンプおよび熱供給部と、を備えた追焚装置において、
上記ポンプの吸い込み側において上記追焚循環回路に接続され外気を供給する外気供給手段と、上記ポンプの吐出側において上記追焚循環回路から分岐した分岐回路と、この分岐点より下流側の追焚循環回路と分岐回路のいずれかを、湯の通路として選択する切替手段とを備え、
上記接続ユニットは、上記追焚循環回路の上流端と浴槽内とを連ねる吸込通路と、上記追焚循環回路の下流端と浴槽内とを連ねる第1吐出通路と、上記分岐回路の下流端と浴槽内とを連ねる第2吐出通路とを有し、この第2吐出通路が流通抵抗部を含むことを特徴とする気泡供給機能付き追焚装置。
【請求項2】
上記接続ユニットは、浴槽内に配置されたヘッド部を有し、このヘッド部の外殻は吸込口,第1,第2吐出口を有し、第1吐出口は外殻の下面側に開口し、第2吐出口は外殻の上面側に開口し、上記吸込通路,第1,第2吐出通路は、上記ヘッド部で互いに隔てられて上記吸込口,第1,第2吐出口にそれぞれ連なることを特徴とする請求項1に記載の気泡供給機能付き追焚装置。
【請求項3】
上記接続ユニットは、同心をなしてほぼ水平に浴槽側壁を貫通する3つの筒部を有し、内側の筒部内の空間が上記第2吐出通路として提供され、この内側の筒部と中間の筒部と間の空間が上記吸込通路,第1吐出通路の一方として提供され、中間の筒部と外側の筒部との間の空間が上記吸込通路,第1吐出通路の他方として提供され、
上記内側の筒部の上記ヘッド部側端部に上記流通抵抗部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の気泡供給機能付き追焚装置。
【請求項4】
上記ポンプがベーンポンプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気泡供給機能付き追焚装置。
【請求項5】
上記熱供給部の上流側に上記外気供給手段とポンプが配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気泡供給機能付き追焚装置。
【請求項6】
上記ポンプと熱供給部との間に上記切替手段が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の気泡供給機能付き追焚装置。
【請求項7】
上記熱供給部の下流側に上記外気供給手段とポンプが配置され、上記熱供給部は、燃焼部と、燃焼部の燃焼熱を受ける熱交換部と、この熱交換部を通る補助循環回路と、この補助循環回路に設けられ熱媒体を循環させる補助ポンプと、この補助循環回路と追焚循環回路が通る液・液熱交換部とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気泡供給機能付き追焚装置。
【請求項8】
上記熱供給部,ポンプ,外気供給手段がハウジングに収容されて追焚ユニットが構成され、上記切替手段がこの追焚ユニットから離れ上記接続ユニットの近傍に配置されることを特徴とする請求項1〜5,7のいずれかに記載の気泡供給機能付き追焚装置。
【請求項9】
上記熱供給部,ポンプ,外気供給手段がハウジングに収容されて追焚ユニットが構成され、上記切替手段がこのハウジングに収容され、上記分岐回路がこのハウジングから接続ユニットまで延びていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の気泡供給機能付き追焚装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−212048(P2007−212048A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32553(P2006−32553)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】