説明

気流制御装置および気流制御方法

【課題】簡易な構成で、通路内に滞留した収容物を流動させて、通路内から除去することができる気流制御装置、および、気流制御方法を提供すること。
【解決手段】
粉粒体が収容される貯留ホッパ2と、貯留ホッパ2内の粉粒体が流入される第1輸送ライン4および第2輸送ライン5と、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内を吸引する吸引ブロワ7とを備える輸送システム1において、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内に、吸引ブロワ7に吸引される気流を発生させながら、吸引ブロワ7に吸引される気流を遮断する閉位置と、吸引ブロワ7に吸引される気流の規制を解除する開位置とに移動可能な制御バルブ8を、閉位置から開位置へ移動させて、吸引ブロワ7に吸引される気流を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気流制御装置、詳しくは、収容物が収容された容器に連続される通路内の気流を制御する気流制御装置、および、気流制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、収容物が収容された容器から、例えば、通路を介して収容物を輸送等する構成が知られている。このような構成では、通路内に収容物が滞留する場合がある。通路内に収容物が滞留すると、通路が閉塞されてしまう場合がある。
【0003】
そこで、例えば、粉粒体の空気輸送において、空気輸送管路の途中に発生した管閉塞を解消するために、閉塞部の上流側管路に圧縮空気を注入した後、一気に減圧排気して、管路を閉塞している粉粒体を除去する方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−43728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記した特許文献1に記載の方法によれば、閉塞部の上流側管路に圧縮空気を注入している。
【0006】
そのため、粉粒体の空気輸送するための空気輸送管路とは別に、圧縮空気を注入するための閉塞解除用管を分岐接続している。
【0007】
その結果、閉塞解除用管の分、装置構成が複雑化する。
【0008】
そこで、本発明の目的は、簡易な構成で、通路内に滞留した収容物を流動させて、通路内から除去することができる気流制御装置、および、気流制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、気流制御装置であって、容器と、前記容器内に収容される収容物が流入するように、前記容器に連続される通路と、前記通路を介して前記容器内の気体を吸引し、前記通路内に気流を発生させる吸引装置と、前記吸引装置に吸引される気流を遮断ないし弱めるように規制する規制位置と、前記吸引装置に吸引される気流の規制を解除する規制解除位置とに移動される気流制御手段と、前記吸引装置を作動させながら、前記気流制御手段を前記規制位置から前記規制解除位置へ移動させて、前記吸引装置に吸引される気流を増大させる制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、例えば、通路を介して吸引装置に吸引される容器内の気体によって、容器内の収容物が通路内に流入し、流入した収容物が通路内に滞留した場合などに、制御手段が、吸引装置を作動させながら、気流制御手段を、規制位置から規制解除位置へ移動させる。
【0011】
そのため、気流制御手段が規制位置から規制解除位置に移動されたときには、吸引装置に吸引される気流が、気流制御手段が規制位置に配置されているときよりも、増大される。
【0012】
その結果、簡易な構成で、増大された気流により、通路内に滞留した収容物を流動させて、通路内から除去することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記容器内の収容物は、前記通路内に発生される気流により、前記通路内を輸送され、前記気流制御手段は、前記規制位置において、前記通路を遮断することを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、気流制御手段を規制位置に配置することにより、通路を遮断することができる。
【0015】
そのため、気流制御手段を、直接、通路に作用させて、通路内の気流を脈動させることができる。
【0016】
その結果、通路内の気流をより脈動させることができ、効率よく、通路内に滞留した収容物を通路内から除去することができる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記吸引装置は、前記通路の一方側端部に接続され、前記気流制御手段は、前記吸引装置の他方側に間隔を隔てて、前記通路に設けられており、前記吸引装置と前記気流制御手段との間において、複数の容器が並列に接続されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、吸引装置と気流制御手段との間において、複数の容器が並列に接続されている。
【0019】
そのため、複数の容器から通路に流入した収容物を、一度に通路内から除去することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、各前記容器と前記通路との間に介在され、それぞれ、各前記容器と前記通路との連通を開放する開位置と、各前記容器と前記通路との連通を閉鎖する閉位置とに移動される開閉部材を備え、前記制御手段は、各前記開閉部材が閉位置に配置された後に、前記気流制御手段を前記規制位置と前記規制解除位置とに交互に移動させることを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、制御手段は、各開閉部材が閉位置に配置された後に、気流制御手段を規制位置と規制解除位置とに交互に移動させる。
【0022】
そのため、各開閉部材が閉位置に配置されて、容器から通路へのそれ以上の収容物の流入を防ぎながら、通路に流入した収容物を通路内から除去することができる。
【0023】
その結果、確実に、通路に流入した収容物を通路内から除去することができる。
【0024】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記通路は、複数設けられ、前記気流制御手段は、前記通路毎にそれぞれ設けられ、前記制御手段は、各前記気流制御手段のうち、少なくとも1つの前記気流制御手段を、前記規制位置と前記規制解除位置とに交互に移動させることを特徴としている。
【0025】
このような構成によれば、制御手段によって、複数の通路にそれぞれ設けられた気流制御手段のうち、少なくとも1つの気流制御手段を、規制位置と規制解除位置とに交互に移動させることができる。
【0026】
そのため、気流制御手段が規制位置と規制解除位置とに交互に移動された通路において、気流の脈動により、通路内に滞留した収容物を通路内から除去することができる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明は、気流制御方法であって、容器内に収容される収容物が流入するように前記容器に連続される通路内の気流を制御する気流制御方法であって、前記通路を介して前記容器内の気体を吸引する吸引装置を用いて、前記通路内に、前記吸引装置に吸引される気流を発生させながら、前記吸引装置に吸引される気流を遮断ないし弱めるように規制する規制位置と、前記吸引装置に吸引される気流の規制を解除する規制解除位置とに移動可能な気流制御手段を、前記規制位置から前記規制解除位置へ移動させて、前記吸引装置に吸引される気流を増大させることを特徴としている。
【0028】
このような方法によれば、例えば、通路を介して吸引装置に吸引される容器内の気体によって、容器内の収容物が通路内に流入し、流入した収容物が通路内に滞留した場合などに、吸引装置を作動させながら、気流制御手段を、規制位置から規制解除位置へ移動させる。
【0029】
そのため、気流制御手段を規制位置から規制解除位置に移動させることにより、吸引装置に吸引される気流を、気流制御手段が規制位置に配置されているときよりも、増大させることができる。
【0030】
その結果、簡易な構成で、増大された気流により、通路内に滞留した収容物を流動させて、通路内から除去することができる。
【発明の効果】
【0031】
請求項1に記載の発明によれば、気流制御手段を規制位置から規制解除位置に移動させることにより、吸引装置に吸引される気流を、気流制御手段が規制位置に配置されているときよりも増大させることができ、簡易な構成で、増大された気流により、通路内に滞留した収容物を流動させて、通路内から除去することができる。
【0032】
請求項2に記載の発明によれば、気流制御手段を、直接、通路に作用させて、通路内の気流をより脈動させることができ、効率よく、通路内に滞留した収容物を通路内から除去することができる。
【0033】
請求項3に記載の発明によれば、複数の容器から通路に流入した収容物を、一度に通路内から除去することができる。
【0034】
請求項4に記載の発明によれば、容器から通路へのそれ以上の収容物の流入を防ぎながら、通路に流入した収容物を通路内から除去することができ、確実に、通路に流入した収容物を通路内から除去することができる。
【0035】
請求項5に記載の発明によれば、気流制御手段が規制位置と規制解除位置とに交互に移動された通路において、気流の脈動により、通路内に滞留した収容物を通路内から除去することができる。
【0036】
請求項6に記載の発明によれば、気流制御手段を規制位置から規制解除位置に移動させることにより、吸引装置に吸引される気流を、気流制御手段が規制位置に配置されているときよりも増大させることができ、簡易な構成で、増大された気流により、通路内に滞留した収容物を流動させて、通路内から除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の気流制御手段の第1実施形態を備える輸送システムの概略構成図である。
【図2】気流制御装置の第2実施形態を備える造粒装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(第1実施形態)
図1は、本発明の気流制御手段の第1実施形態を備える輸送システムの概略構成図である。
【0039】
図1に示すように、輸送システム1(気流制御装置の一例)は、樹脂ペレットなどの粉粒体(収容物の一例)を、例えば、成形機11などに気力輸送するシステムである。輸送システム1は、複数(例えば、2つ)の貯留ホッパ2(容器の一例)と、ローダホッパ3と、第1輸送ライン4(通路の一例)と、第2輸送ライン5(通路の一例)と、吸引ライン6と、吸引ブロワ7(吸引装置の一例)とを備えている。
【0040】
各貯留ホッパ2は、略円筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略円錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。各貯留ホッパ2には、粉粒体が収容されている。各貯留ホッパ2は、第2輸送ライン5を介して、第1輸送ライン4に並列に接続されている。
【0041】
ローダホッパ3は、貯留ホッパ2からの粉粒体を、一旦貯留した後、成形機11に供給するホッパであって、略円筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略円錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。また、ローダホッパ3の上壁内側には、吸引ライン6の排気方向上流側端部を囲むように、パンチングメタルプレートなどからなるフィルタ12が設けられている。
【0042】
第1輸送ライン4は、貯留ホッパ2からの粉粒体をローダホッパ3へ輸送するための配管であって、その搬送方向下流側端部が、ローダホッパ3の側壁に接続されるとともに、その搬送方向上流側端部が、大気開放されている。また、第1輸送ライン4の途中には、配管の取り回しにより、いくつか(例えば、2つ)の屈曲部21が形成されている。また、第1輸送ライン4には、制御バルブ8(気流制御手段の一例)が設けられている。
【0043】
制御バルブ8は、第1輸送ライン4の搬送方向上流側端部に設けられている。制御バルブ8は、第1輸送ライン4を遮断する閉位置(規制位置の一例)と、第1輸送ライン4を開放する開位置(規制解除位置の一例)とに、移動される。言い換えると、制御バルブ8は、閉位置において、吸引ブロワ7に吸引される気流を遮断するように規制し、開位置において、吸引ブロワ7に吸引される気流の規制を解除する。
【0044】
第2輸送ライン5は、各貯留ホッパ2内の粉粒体を第1輸送ライン4へ輸送するための配管であって、各貯留ホッパ2に対応して1つずつ設けられている。また、各第2輸送ライン5は、その搬送方向下流側端部が、制御バルブ8とローダホッパ3との間において、第1輸送ライン4の途中に接続され、その搬送方向上流側端部が、貯留ホッパ2の下端部に接続されている。つまり、第2輸送ライン5は、第1輸送ライン4とともに、貯留ホッパ2内の粉粒体が流入される通路を構成する。また、各第2輸送ライン5には、開閉バルブ9(開閉部材の一例)が設けられている。
【0045】
開閉バルブ9は、第2輸送ライン5の途中に設けられ、第2輸送ライン5を閉鎖する閉位置と、第2輸送ライン5を開放する開位置とに移動される。
【0046】
吸引ライン6は、ローダホッパ3から吸引ブロワ7へ排気するための配管であり、その排気方向上流側端部が、ローダホッパ3の上壁に接続され、その排気方向下流側端部が、吸引ブロワ7に接続されている。
【0047】
吸引ブロワ7は、吸引ライン6およびローダホッパ3を介して、第1輸送ライン4の輸送方向下流側端部に接続されている。そして、吸引ブロワ7は、吸引ライン6およびローダホッパ3を介して、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内の気体を吸引し、貯留ホッパ2から、第2輸送ライン5、第1輸送ライン4、ローダホッパ3および吸引ライン6を順次介して、吸引ブロワ7へ向かう気流を発生させる。
【0048】
また、輸送システム1は、制御バルブ8、開閉バルブ9および吸引ブロワ7の動作を制御するCPU10(制御手段の一例)を備えている。CPU10は、制御バルブ8、開閉バルブ9および吸引ブロワ7に電気的に接続されている。
【0049】
次いで、輸送システム1による粉粒体の輸送方法(気流制御方法の一例)を説明する。
【0050】
各貯留ホッパ2から成形機11へ粉粒体を輸送するには、まず、CPU10の制御により、開閉バルブ9を閉位置に配置した状態で、制御バルブ8を開放し、吸引ブロワ7を作動させる。
【0051】
すると、第1輸送ライン4の搬送方向上流側端部から、第1輸送ライン4、ローダホッパ3および吸引ライン6を介して、吸引ブロワ7へ向かう気流が発生する。
【0052】
次いで、CPU10の制御により、例えば、紙面左側の貯留ホッパ2に対応する開閉バルブ9を開位置に移動させる。
【0053】
すると、上記の気流により、紙面左側の貯留ホッパ2から、第2輸送ライン5および第1輸送ライン4を介して、ローダホッパ3へ粉粒体が輸送される。
【0054】
このとき、例えば、第2輸送ライン5と第1輸送ライン4との接続部分や、第1輸送ライン4の屈曲部21では、気流が作用しにくい空間(いわゆるデッドスペース)が発生して、そのデッドスペースに粉粒体が滞留する場合がある。
【0055】
次いで、ローダホッパ3内に所定のレベルの粉粒体が貯留されると、CPU10の制御により、開閉バルブ9が閉位置に移動され、貯留ホッパ2からローダホッパ3への輸送が停止される。
【0056】
そして、CPU10の制御により、吸引ブロワ7を作動させながら、制御バルブ8を、一旦閉位置に配置させた後、閉位置から開位置へ移動させる。
【0057】
すると、第1輸送ライン4から吸引ブロワ7へ向かう気流は、制御バルブ8の閉位置への移動により、一旦減少した後、制御バルブ8の閉位置から開位置への移動により、増大される。
【0058】
詳しくは、吸引ブロワ7の作動中に、制御バルブ8を、気流を遮断するように一旦閉位置に配置させることにより、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内の圧力をそれ以前の圧力より低下させ、その後、制御バルブ8を、閉位置から開位置へ戻すことにより、気流を増大させる。
【0059】
なお、このような制御バルブ8の開閉動作は、複数回、繰り返される。つまり、制御バルブ8は、閉位置と開位置とに交互に移動される。
【0060】
すると、増大された気流によって、デッドスペースに滞留している粉粒体が、ローダホッパ3へ搬送される。これにより、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内の粉粒体が完全にローダホッパ3へ搬送される。
【0061】
その後、ローダホッパ3内の粉粒体は、成形機11へ排出され、成形機11において、溶融、成形される。
【0062】
この輸送システム1および輸送方法によれば、例えば、輸送途中の粉粒体が、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内のデッドスペースに滞留した場合などでも、CPU10が、吸引ブロワ7を作動させながら、制御バルブ8を閉位置から開位置へ移動させる。
【0063】
そのため、制御バルブ8が閉位置から開位置に移動されたときには、吸引ブロワ7に吸引される気流が、制御バルブ8が閉位置に配置されているときよりも、増大される。
【0064】
その結果、簡易な構成で、増大された気流により、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内に滞留した粉粒体を、ローダホッパ3へ搬送(第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内から除去)することができる。
【0065】
また、この輸送システム1によれば、制御バルブ8を閉位置に配置することにより、通路を遮断することができる。
【0066】
そのため、制御バルブ8を、直接、第1輸送ライン4に作用させて、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内の気流を脈動させることができる。
【0067】
その結果、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内の気流をより脈動させることができ、効率よく、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内に滞留した粉粒体を、ローダホッパ3へ搬送することができる。
【0068】
また、この輸送システム1によれば、図1に示すように、吸引ブロワ7と制御バルブ8との間において、複数(2つ)の貯留ホッパ2が並列に接続されている。
【0069】
そのため、複数(2つ)の貯留ホッパ2から第1輸送ライン4および第2輸送ライン5に流入した粉粒体を、一度に第1輸送ライン4および第2輸送ライン5内から除去することができる。
【0070】
また、この輸送システム1によれば、CPU10は、各開閉バルブ9が閉位置に配置された後に、制御バルブ8を閉位置と開位置とに交互に移動させる。
【0071】
そのため、各開閉バルブ9が閉位置に配置されて、貯留ホッパ2から第2輸送ライン5へのそれ以上の粉粒体の流入を防ぎながら、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5に流入した粉粒体を、ローダホッパ3へ搬送することができる。
【0072】
その結果、確実に、第1輸送ライン4および第2輸送ライン5に流入した粉粒体をローダホッパ3へ搬送することができる。
(第2実施形態)
図2は、気流制御装置の第2実施形態を備える造粒装置の概略構成図である。
【0073】
図2に示すように、造粒装置31は、廃プラスチックの処理に用いられる造粒装置であって、破砕された廃プラスチックのうち、プラスチックシートなどの比較的軽量の破砕物(収容物の一例)を溶融および造粒する。
【0074】
造粒装置31は、廃プラスチックを造粒する造粒部32と、造粒部32内の空気を排気する排気部33とを備えている。
【0075】
造粒部32は、破砕物を収容するタンク34(容器の一例)と、タンク34内に回転可能に設けられる攪拌羽根35と、攪拌羽根35を駆動させるモータ36と、加熱された破砕物を冷却するための給水部30とを備えている。
【0076】
タンク34は、上端部が開放される有底略円筒形状に形成され、図示しない加熱手段によって、収容されている破砕物を加熱可能に構成されている。また、タンク34の下端部の周側壁には、タンク34内から造粒された破砕物を排出する排出シュート37が、連続されている。
【0077】
排出シュート37は、タンク34の周側壁から水平に延び、下側に向かって屈曲される略筒形状に形成されており、タンク34内で造粒された破砕物を、下側に向かって排出する。
【0078】
攪拌羽根35は、タンク34の底壁から上側に向かって突出するように、回転軸38を介して、タンク34の底壁に回転可能に支持されている。
【0079】
モータ36は、タンク34の側方(紙面左側)に配置され、図示しないプーリ機構を介して、攪拌羽根35の回転軸38に駆動伝達可能に連結されている。
【0080】
給水部30は、タンク34の上端部において、タンク34の内外を連通するように設けられ、図示しない貯水タンクまたは水道管に接続されており、所定のタイミングで、タンク34内に水を供給する。
【0081】
排気部33は、造粒部32の上側に着脱可能に設けられており、排気ドラム41(通路の一例)と、気流調整部42と、吸引ライン43と、吸引ブロワ46(吸引装置の一例)とを備えている。
【0082】
排気ドラム41は、略二重筒形状に形成されている。詳しくは、外壁39と、外壁39内に設けられる内壁40とを備えている。
【0083】
外壁39は、上端部が閉鎖された略円筒形状に形成されている。
【0084】
内壁40は、外壁39よりも小径な有底略円筒形状に形成され、上端部が外壁39の上壁に接続されるように、外壁39内に設けられている。なお、内壁40と外壁39とは、互いに中心軸線を共有しており、それらの径方向において、互いに間隔を隔てて対向されている。
【0085】
気流調整部42は、外壁39の上端部の周側壁において、外壁39の径方向両端部に1つずつ設けられている。各気流調整部42は、排気管44(通路の一例)と制御弁45(気流制御手段の一例)とを備えている。
【0086】
各排気管44は、排気ドラム41の外壁39の周側壁から水平に延び、上側に向かって屈曲された略筒形状に形成されており、排気ドラム41内(内壁40と外壁39との間)を通過した気流を上側に向かって排気する。
【0087】
各制御弁45は、バタフライ弁などからなり、対応する排気管44の途中に設けられている。各制御弁45は、排気管44を遮蔽するように移動されることにより、排気管44内の気流を弱めるように規制する規制位置に配置され、排気管44を開放するように移動されることにより、排気管44内の気流の規制を解除する規制解除位置に配置される。
【0088】
吸引ライン43は、排気管44の上端部から排気された気流を、吸引ブロワ46へ排気するための配管である。吸引ライン43の排気方向上流側端部は、各排気管44に対応して2つに分岐されており、各排気管44の上端部にわずかに間隔を隔てて対向されている。また、吸引ライン43の排気方向下流側端部は、吸引ブロワ46に接続されている。なお、吸引ライン43の排気方向上流側端部には、それぞれ、各排気管44の上端部を上側から被覆するように、下側に向かって拡がる略円錐形状のフード47が形成されている。また、吸引ライン43の排気方向下流側端部には、吸引ライン43に吸引された破砕物を捕集するためのフィルタ49が設けられている。
【0089】
吸引ブロワ46は、吸引ライン43を介して、排気管44および排気ドラム41(内壁40と外壁39との間)内の気体を吸引し、タンク34から、排気ドラム41、各排気管44および吸引ライン43を順次介して、吸引ブロワ46へ向かう気流を発生させる。
【0090】
また、造粒装置31は、各制御弁45および吸引ブロワ46の動作を制御するCPU48(制御手段の一例)を備えている。CPU48は、各制御弁45および吸引ブロワ46に電気的に接続されている。
【0091】
次いで、造粒装置31による破砕物の造粒方法(気流制御方法の一例)について説明する。
【0092】
破砕物を造粒するには、まず、タンク34を加熱しながら、CPU48の制御により、制御弁45を規制解除位置に配置した状態で、吸引ブロワ46およびモータ36を作動させる。
【0093】
すると、タンク34内の破砕物が加熱されて溶融されるとともに、攪拌羽根35の回転によりせん断され、破砕物が互いに融着して粒状に成形される。
【0094】
次いで、給水部30からタンク34内に水を供給し、成形された破砕物を冷却する。
【0095】
すると、成形された破砕物に接触した水が、破砕物の熱により蒸発し、タンク34内に、大量の水蒸気が発生する。この水蒸気は、タンク34から吸引ブロワ46へ向かう気流により、排気ドラム41、各排気管44および吸引ライン43を順次通過して、フィルタ49に捕集される。
【0096】
このとき、水蒸気の発生により、タンク34内の破砕物(特に、十分に粒状に成形されなかった軽量の破砕物)が、タンク34内に巻き上げられる。すると、巻き上げられた破砕物が、上記した気流により、排気ドラム41および各排気管44内に、水蒸気とともに流入する場合がある。
【0097】
排気ドラム41および各排気管44内に流入された破砕物は、水蒸気が冷却されて水滴になることにより、その表面が湿潤され、排気ドラム41および各排気管44の内面に付着する場合がある。
【0098】
次いで、成形された破砕物が十分に冷却されて水蒸気の発生が収まった後、CPU48の制御により、吸引ブロワ46を作動させながら、各制御弁45を、一旦規制位置に配置させた後、規制位置から規制解除位置へ移動させる。詳しくは、各制御弁45を、同時に、規制位置と規制解除位置とに交互に移動させる。
【0099】
すると、タンク34から吸引ブロワ46へ向かう気流は、各制御弁45の規制位置への移動により、一旦減少した後、各制御弁45の規制位置から規制解除位置への移動により、増大される。
【0100】
詳しくは、吸引ブロワ46の作動中に、各制御弁45を、気流を弱めるように一旦規制位置に配置させることにより、排気ドラム41および各排気管44内の圧力をそれ以前の圧力より低下させ、その後、各制御弁45を、規制位置から規制解除位置へ戻すことにより、気流を増大させる。
【0101】
なお、このような各制御弁45の動作は、複数回、繰り返される。つまり、各制御弁45は、規制位置と規制解除位置とに交互に移動される。
【0102】
すると、増大された気流によって、排気ドラム41および各排気管44の内面に付着している破砕物が、排気ドラム41および各排気管44の内面から剥離される。
【0103】
その後、剥離された破砕物は、自重により、排気ドラム41からタンク34内に落下するか、気流により、吸引ライン43を介して、フィルタ49に捕集される。
【0104】
この造粒装置31および造粒方法によれば、排気ドラム41および各排気管44を介して吸引ブロワ46に吸引される気流によって、タンク34内の破砕物が排気ドラム41および各排気管44内に流入し、流入した破砕物が排気ドラム41および各排気管44の内面に付着した場合でも、CPU48が、吸引ブロワ46を作動させながら、各制御弁45を、規制位置から規制解除位置へ移動させる。
【0105】
そのため、各制御弁45が規制位置から規制解除位置に移動されたときには、吸引ブロワ46に吸引される気流が、各制御弁45が規制位置に配置されているときよりも、増大される。
【0106】
その結果、簡易な構成で、増大された気流により、排気ドラム41および各排気管44の内面に付着した破砕物を剥離させて、排気ドラム41および各排気管44内から除去することができる。
【0107】
また、この造粒装置31によれば、CPU48によって、各制御弁45を、規制位置と規制解除位置とに交互に移動させることができる。
【0108】
そのため、各排気管44および排気ドラム41において、気流の脈動により、排気ドラム41および各排気管44内に付着した破砕物を剥離させて、排気ドラム41および各排気管44から除去することができる。
【0109】
上記した第2実施形態では、各制御弁45を、同時に、規制位置と規制解除位置とに交互に移動させたが、各制御弁45を移動させるタイミングは、特に限定されず、例えば、一方の制御弁45を規制位置に配置させるタイミングで、他方の制御弁45を規制解除位置に配置させるように制御することもできる。
【0110】
また、各制御弁45をすべて移動させる必要もなく、例えば、各制御弁45のうち、いずれか1つを、規制位置と規制解除位置とに移動させることもできる。
【0111】
これらの変形例においても、上記した第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0112】
1 輸送システム(気流制御装置の一例)
2 貯留ホッパ(容器の一例)
4 第1輸送ライン(通路の一例)
5 第2輸送ライン(通路の一例)
7 吸引ブロワ(吸引装置の一例)
8 制御バルブ(気流制御手段の一例)
9 開閉バルブ(開閉部材の一例)
10 CPU(制御手段の一例)
31 造粒装置(気流制御装置の一例)
34 タンク(容器の一例)
41 排気ドラム(通路の一例)
44 排気管(通路の一例)
45 制御弁(気流制御手段の一例)
46 吸引ブロワ(吸引装置の一例)
48 CPU(制御装置の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
前記容器内に収容される収容物が流入するように、前記容器に連続される通路と、
前記通路を介して前記容器内の気体を吸引し、前記通路内に気流を発生させる吸引装置と、
前記吸引装置に吸引される気流を遮断ないし弱めるように規制する規制位置と、前記吸引装置に吸引される気流の規制を解除する規制解除位置とに移動される気流制御手段と、
前記吸引装置を作動させながら、前記気流制御手段を前記規制位置から前記規制解除位置へ移動させて、前記吸引装置に吸引される気流を増大させる制御手段と
を備えていることを特徴とする、気流制御装置。
【請求項2】
前記容器内の収容物は、前記通路内に発生される気流により、前記通路内を輸送され、
前記気流制御手段は、前記規制位置において、前記通路を遮断することを特徴とする、請求項1に記載の気流制御装置。
【請求項3】
前記吸引装置は、前記通路の一方側端部に接続され、
前記気流制御手段は、前記吸引装置の他方側に間隔を隔てて、前記通路に設けられており、
前記吸引装置と前記気流制御手段との間において、複数の容器が並列に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の気流制御装置。
【請求項4】
各前記容器と前記通路との間に介在され、それぞれ、各前記容器と前記通路との連通を開放する開位置と、各前記容器と前記通路との連通を閉鎖する閉位置とに移動される開閉部材を備え、
前記制御手段は、各前記開閉部材が閉位置に配置された後に、前記気流制御手段を前記規制位置と前記規制解除位置とに交互に移動させることを特徴とする、請求項3に記載の気流制御装置。
【請求項5】
前記通路は、複数設けられ、
前記気流制御手段は、前記通路毎にそれぞれ設けられ、
前記制御手段は、各前記気流制御手段のうち、少なくとも1つの前記気流制御手段を、前記規制位置と前記規制解除位置とに交互に移動させることを特徴とする、請求項1に記載の気流制御装置。
【請求項6】
容器内に収容される収容物が流入するように前記容器に連続される通路内の気流を制御する気流制御方法であって、
前記通路を介して前記容器内の気体を吸引する吸引装置を用いて、前記通路内に、前記吸引装置に吸引される気流を発生させながら、
前記吸引装置に吸引される気流を遮断ないし弱めるように規制する規制位置と、前記吸引装置に吸引される気流の規制を解除する規制解除位置とに移動可能な気流制御手段を、前記規制位置から前記規制解除位置へ移動させて、前記吸引装置に吸引される気流を増大させることを特徴とする、気流制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−171709(P2012−171709A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32351(P2011−32351)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】