気管支鏡用アクセサリー・システム
【課題】気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに取り付けるためのシーリング及びロッキング・アダプターであって、ツールの挿入及びロックを可能にすると共に、不使用時にアクセス・ポートを密閉することが可能なアダプダーを得る。
【解決手段】このアダプターは、(a)気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに装着するように構成されたハウジング。(b)ハウジングに係合して、ハウジングを作用導管のアクセス・ポートに取り付けるように構成されたアタッチメント構造。(c)ハウジング内に配置され、弾力的に常閉状態へ付勢された弾性弁を含むシーリング・アレンジメント。この場合、弾性弁は、作用導管のアクセス・ポートを空気が通過することに抵抗するシーリング・アレンジメントの一部を形成し、弁を通して作用導管内へツールの挿入が可能なように構成されている。そして(d)ハウジング内に配置され、弾性締め付けブロック及び引き締め機構を含む締め付けアレンジメントから構成される。引き締め機構は、ハウジングを通して作用導管内へ挿入したツールをその位置でロックするために、弾性締め付けブロックを変形させるように手で操作することが可能である。
【解決手段】このアダプターは、(a)気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに装着するように構成されたハウジング。(b)ハウジングに係合して、ハウジングを作用導管のアクセス・ポートに取り付けるように構成されたアタッチメント構造。(c)ハウジング内に配置され、弾力的に常閉状態へ付勢された弾性弁を含むシーリング・アレンジメント。この場合、弾性弁は、作用導管のアクセス・ポートを空気が通過することに抵抗するシーリング・アレンジメントの一部を形成し、弁を通して作用導管内へツールの挿入が可能なように構成されている。そして(d)ハウジング内に配置され、弾性締め付けブロック及び引き締め機構を含む締め付けアレンジメントから構成される。引き締め機構は、ハウジングを通して作用導管内へ挿入したツールをその位置でロックするために、弾性締め付けブロックを変形させるように手で操作することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管支鏡検査法に関し、特に、気管支鏡を使用して外科的手技を行うときに用いるアクセサリー・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
肺医療の分野で最も一般的な介入処置(すなわち呼吸器系に関する医療)は、患者の鼻または口を通して気道へ気管支鏡を挿入する気管支鏡検査法である。この器具は、通常、次の三つの要素を含む、細長い柔軟なチューブからなる。外部光源に接続した光ファイバーを介して、気管支鏡の先端に対して遠位にある領域を照明する照明アレンジメント。気管支鏡の遠位端からビデオ画像をもたらす撮像アレンジメント。診断的な(例えば、生検ツール)、そして治療的な(例えば、レーザー、低温またはRF組織除去プローブ)性質の器具を挿入させる『作用導管』。気管支鏡の遠位端は、操縦可能であり、気管支鏡のハンドルに配置したレバーを回転させることによって、舵取機構を作動させて、二つの相反方向へ先端を偏向させることができる。
【0003】
気管支鏡検査法は、日常的に、例えば、肺癌、気道狭窄及び気腫等の病気の診断及び治療に用いられ、専門家である肺疾患学者、別名、気管支検査技師によって実行される。
【0004】
気管支鏡検査法は、少なくとも二人のスタッフ、気管支検査技師と、少なくとも一人のアシスタント、通常看護士とによって実行される。典型的手順においては、気管支検査技師は、一方の手で気管支鏡ハンドルを、そして他方で気管支鏡チューブを持ち、偏向レバーを回転させる、またチューブを押したり、引いたりすることによって、肺の中にある気管支鏡の遠位端を操作する。先端を標的に到達させたら、気管支鏡ツールを作用導管へ挿入して気管支鏡チューブの遠位端外方へ通して、内科的診断および/あるいは治療を行う。
【0005】
気管支鏡ツールの挿入及び操作の間、気管支鏡の遠位端を、標的に固定させて保持しなければならない。これらの仕事の全てを並行して実行するには、しばしば、三本から四本の手を必要とする。二本の手で適所に気管支鏡を固定し、もう一本あるいは二本の手で気管支鏡ツールを挿入して作動させる。そのような多人数による操作の複雑さは、医者とアシスタントとの間の難しい調整を必要とするため、しばしば、医学技法の精度を損なう。また、追加の手助けが必要であるため、しばしば、コスト増となる。
【0006】
本発明に特に関連するのは、参照によってここに完全に組み込む、ギルボア氏の、「内視鏡構造、そして枝分かれ構造内におけるナビゲーション技術」という名称を持つ、PCT特許出願公報第WO03/086498号に開示したデバイス及び方法である。この特許出願は、気管支鏡ツールを肺内の特定な位置へ操縦するために、シースで包んだ位置決めガイド(「LG」)を使用する方法及び装置を説明している。ガイドとシースとを組合せたものを、気管支鏡の作用導管を通して肺内へ挿入する。ガイドの先端を標的に位置させたら、シースが気管支鏡内で、あるいは外へすべることを防止するように、気管支鏡の作用導管の開口部(「連結ポート」)に配置したロックを操作する。それから、その必要な標的位置へツールを導くために、シースをその場に残して、ガイドをシースから抜く。
【0007】
他方、同じ気管支鏡を、気管支の調査のための主要な機能で使用する場合は、作用導管の開口部から離れた特別なコネクタに接続した真空ポンプを使用して、同じ作用導管を、気道から邪魔な粘液を除くために用いる。吸入が適切に作用するよう、吸入適用中は、作用導管の開口部を密閉しなければならない。
【0008】
続いて、処置中、医者は、通常、気管支鏡作用導管の連結ポートで、シール及びロックの、二つの異なるデバイスを切り換える必要がある。現在どちらの機能に気管支鏡を用いているかに応じて、これらを切り換えなければならない。
【0009】
位置決めガイドと他のツールとの切り換え中は、シースの自由近位端内へ、ガイドまたはツールを挿入する必要がある。このステップは、シースの端部が柔軟で結果的に機械的に不安定であることから、いくぶん「面倒」で、素早く達成するのは難しいことが分かっている。この問題は、一方の手でシース端部を、他方の手でツールを保持することによって、簡単に対処することができるが、この場合も、プロシージャの実行中に、もう一つの自由な手が必要となる。
【0010】
単独の開業医による、例えば前記出願に説明のシステムの操作を容易にするためには、開業医が、気管支鏡の作用導管を通して使用している第二のツールまたはデバイスから、一時的に手を離すことができることが好ましい。同時に、デバイスは、すぐにアクセス可能で使用可能な状態に留まり、ゆるく垂れることがないことが好ましい。
【0011】
したがって、単独の開業医による気管支鏡及び関連ツールの操作を容易にする、気管支鏡用アクセサリーが必要である。また、プロシージャ中にアタッチメントの取り替えを必要とせず、シーリング及びツール・ロック機能の両方を実行する、気管支鏡の作用導管の連結ポートのためのアダプターを提供することは、有利である。さらに、ガイド・シース内へのツールの挿入を容易にする、前記PCT特許公報の開示に従うアレンジメントを提供することは、有利である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、気管支鏡を使用して外科的手技を実行するときに用いる種々のアクセサリーに関する。
【0013】
本発明によれば、気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに取り付けるためのシーリング及びロッキング・アダプターが提供される。このアダプターは、ツールの挿入及びロックを可能にすると共に、不使用時にアクセス・ポートを密閉することが可能であり、次のものからなる。(a)気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに装着するように構成されたハウジング。(b)ハウジングに係合して、ハウジングを作用導管のアクセス・ポートに取り付けるように構成されたアタッチメント構造。(c)ハウジング内に配置され、弾力的に常閉状態へ付勢された弾性弁を含むシーリング・アレンジメント。この場合、弾性弁は、作用導管のアクセス・ポートを空気が通過することに抵抗するシーリング・アレンジメントの一部を形成し、弁を通して作用導管内へツールの挿入が可能なように構成されている。そして(d)ハウジング内に配置され、弾性締め付けブロック及び引き締め機構を含む締め付けアレンジメント。引き締め機構は、ハウジングを通して作用導管内へ挿入したツールをその位置でロックするために、弾性締め付けブロックを変形させるように手で操作することが可能である。
【0014】
本発明のもう一つの特徴によれば、弾性締め付けブロックは、ツールを通過させるための中央締め付け孔を持つ、実質的に円筒形状のカラーとして形成される。
【0015】
本発明のもう一つの特徴によれば、中央締め付け孔は、少なくとも一つの内方へ突出するリッジを持つ。
【0016】
本発明のもう一つの特徴によれば、実質的に円筒形状のカラーは少なくとも一つ円錐面部を持ち、引き締め機構は、中央締め付け孔上に内方ロック圧を加えるために、少なくとも一つ円錐面に係合するように配置した軸方向へ転位可能な要素を含む。
【0017】
本発明のもう一つの特徴によれば、弾性弁及び弾性締め付けブロックは、ハウジング内に配置される一体的弾性インサートとして具現される。
【0018】
本発明のもう一つの特徴によれば、弾性弁は、スリットを切り込んだ弾性膜として具現される。
【0019】
本発明によれば、また、気管支鏡のハンドルに対する所定の関係で、アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を一時的に保持するための、次のものからなるクリップが提供される。(a)気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも180°の範囲で囲うように構成された外側ブラケット。(b)外側ブラケット内に配置され、気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも180°の範囲で囲う柔軟な締め付け部分。(c)気管支鏡のハンドル上にクリップを固定するために、外側ブラケットに係合して、柔軟な締め付け部分の少なくとも一部を、外側ブラケットに対して内方へ曲げるように構成された引き締め機構。そして(d)外側ブラケット及び柔軟な締め付け部分の少なくとも一つに相互結合された一対の弾性ジョー。一対の弾性ジョーは、アクセサリーを掴むように構成される。
【0020】
本発明のもう一つの特徴によれば、また、締め付け部分内に配置される弾性インサートが提供される。
【0021】
本発明のもう一つの特徴によれば、一対の弾性ジョーは、柔軟な締め付け部分と一体的に形成される。
【0022】
本発明のもう一つの特徴によれば、一対の弾性ジョーは、気管支鏡ハンドルの長さ方向に対して実質的に垂直に、アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を掴むように構成される。
【0023】
本発明のもう一つの特徴によれば、柔軟な締め付け部分は、気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも約200°の範囲で囲う。
【0024】
本発明のもう一つの特徴によれば、柔軟な締め付け部分は、気管支鏡のハンドルの周りを約250°以下の範囲で囲う。
【0025】
本発明によれば、また、次のものからなる、気管支鏡ハンドル用の巻き付けハンドル・エクステンションが提供される。(a)気管支鏡ハンドルを保持するために、円錐スリーブを形成するように配置される、補完的な結合アレンジメントを備えた柔軟な巻き付けレイヤ。そして(b)ユーザの手から円錐スリーブを吊すことを可能にするために、柔軟な巻き付けレイヤに係合して、ユーザの手を受けるように構成されたハンド・ループ。
【0026】
本発明のもう一つの特徴によれば、補完的な結合アレンジメントは、ベルクロ結合アレンジメントの補完的な領域として具現される。
【0027】
本発明のもう一つの特徴によれば、また、柔軟な巻き付けレイヤに係合して、アクセサリーを円錐スリーブから吊着するように構成されたアクセサリー・サスペンション・ストラップが提供される。
【0028】
本発明のもう一つの特徴によれば、アクセサリー・サスペンション・ストラップは、解放可能なサスペンション・ループを形成するための、解放可能な結合構造を持つように構成される。
【0029】
本発明によれば、また、先に識別した位置にツールを導くために、気管支鏡の作用導管を通して配置するための、次のものからなるシースが提供される。(a)シースの全長の大部分に沿って延び、第一度の柔軟性を持つ主要シース部。そして(b)柔軟性を減少させた近位シース部。この場合、近位シース部及び主要シース部は一緒に、連続な内部管腔を区画形成し、近位シース部は、主要シース部よりも低度の柔軟性を持つ。
【0030】
本発明のもう一つの特徴によれば、主要シース部は、第一の材料から形成されるチューブとして具現され、近位シース部は、第二の材料の補強スリーブによって包囲した、第一の材料から形成されるチューブの延長として具現される。
【0031】
本発明のもう一つの特徴によれば、また、主要シース部と共に連続な内部管腔を形成する遠位シース部が提供される。遠位シース部は、主要シース部よりも高度の柔軟性を持つ。
【0032】
本発明のもう一つの特徴によれば、また、近位シース部の近位端に機械的に係合した近位端部が提供される。近位端部は、内部管腔内へツールを導くための円錐挿入ガイドを区画形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、気管支鏡を使用する外科的手技を実行する際に使用する、種々のアクセサリーに関する。
【0034】
本発明による気管支鏡アクセサリーの原理及び作用は、図面とその説明から、よく理解することができる。
【0035】
前置きとして、本発明がいくつかの異なる局面を含み、それらの各々が本来の権利として特許を受けることが可能なほどに重要であるという点に注意すべきである。具体的には、図1から図4を参照して、シーリング及びロッキング・アダプターを説明する。それから、図5を参照して、好ましいシース構造を説明する。それから、図6から図9を参照して、アクセサリー・ツールを保持するためのクリップ構造を説明する。最後に、図10から図13を参照して、巻き付けハンドル・エクステンション・アレンジメントを説明する。
【0036】
さて、図面を参照する。図1から図4は、本発明の第一の局面、すなわち、ツール(図示せず)の挿入及びロックを可能にするために、気管支鏡100の作用導管130のアクセス・ポート(「インターフェース」)110に取り付ける、そしてアクセス・ポート110の不使用中にそれを密閉するシーリング及びロッキング・アダプター200を図解する。概して、図4に最も良く示すように、アダプター200は、アクセス・ポート110に装着するように構成したハウジング13、そしてハウジング13に関連するアタッチメント構造を含み、ハウジング13を作用導管130のアクセス・ポート110へ取り付け可能に構成されている。アダプター200は、ハウジング13内に配置した、弾性力をもって常閉状態(図4)へ付勢された弾性弁20からなるシーリング・アレンジメントを含む。常閉状態において、弾性弁20は、作用導管130のアクセス・ポート110を空気が通過することに抵抗するシーリング・アレンジメントの一部を形成する。弾性弁20は、また、弁を通した作用導管内へのツール(図示せず)の挿入を可能にするように構成されている。また、ハウジング13内に配置した締め付けアレンジメントは、ハウジング13を通して作用導管130内へ挿入したツールをその位置にロックするために、弾性締め付けブロック11、そして弾性締め付けブロック11を変形させるように手で操作可能な引き締め機構を含む。
【0037】
現段階で、すぐに明らかなことは、アダプター200が、先行技術に勝る大きな利点を提供することである。具体的に、単一のアダプター内にシーリング・アレンジメント及びロッキング構造を提供することによって、外科的手技の異なる部分を実行中にアタッチメントを取り替える必要があるという前記問題に対処する。本発明のこの局面におけるこの利点、そして他の利点は、下記の詳細な説明からより明白になる。
【0038】
さて、特に図1を参照する。これは気管支鏡のハンドル100の略図である。作用導管130はハンドル100内に含まれている。ツールは、入力口125を通して作用導管内へ挿入する。作用導管は、気管支鏡の近位端部まで、全長に渡って組み入れられている。加えて、作用導管は、また、弁140を通して、そして第二のコネクタ160を通して、真空ポンプ(図示せず)または他の吸入源に接続される。弁が押し開かれると、ポンプは、作用導管の含有物を吸引する。吸入が適切に機能するためには、作用導管は密封されていなければならない。作用導管の入口には、ガスケット・フィティング120が組み入れられており、その上に、開口部(図示せず)を密封するために、ゴムガスケットを取り付けることができる。
【0039】
好適実施例においては、ガスケット・フィティング120に結合させて、作用導管インターフェース110上にアダプター200を取り付ける。図2A及び2Bは、アダプター200を作用導管インターフェース110へ接続するための、好適アタッチメント構造を示す。アダプター200は、フォーク状のキー14を側面スロット24内に受け入れる。フォーク状のキーは、フィティング120のアンダーカット側に係合することによって、アダプター200をインターフェースに取り付けた状態で保持する。装置のハウジング13の形状は、インターフェース110の形状に合致しており、気管支鏡ハンドルのボディーと協調してハウジング13の回転を防止するための溝またはチャンネル21を形成するように延びる側壁を含む。したがって、まず、インターフェース110を包むようにハウジング13を配置して、それから、アダプター200と作用導管開口部との間に接触圧を加えて維持するように、フォーク状のキー14をスロット24内へ挿入する。
【0040】
図3A及び3B、そして図4は、組み合わせたロッキング及びシーリング・アダプターを更に詳細に示す。その下面22は、作用導管上に配置されると、ガスケット・フィティング120に押しつけられて開口部125を密封する。管腔18は、スリットを入れた弾性膜として具現するのが好ましい弾性弁20によって遮断される。管腔が空のとき、スリットは常閉状態を取り、作用導管の開口を密封するため、インターフェース110での有意な漏れのない状態で、弁140を通して作用導管130へ吸引を適用することができる。管腔を通してツールを挿入すると、スリットは押し開かれて、ツールが膜を通って作用導管内へ滑り込むことが可能である。弁20の材料は、挿入ツールの周りにシールを形成するよう、十分に柔軟であることが好ましい。
【0041】
弾性弁20及び弾性締め付けブロックの両方は、ハウジング13内に配置した一体的弾性インサート11として具現することが好ましい。弾性材料は、例えば、ゴムまたはシリコン等の柔軟な物質であることが好ましい。インサート11は、ツールを挿入可能な中央管腔18を持つ。弾性締め付けブロックは、中央管腔の一部分の周りに、実質的に円筒形のカラー27として形成されることが好ましい。これによって、ツールを通過させるための、中央締め付け孔を区画形成する。カラー27は、締め付けを強化するために、中央締め付け孔内へ突き出す少なくとも一つの内方突出リッジ28を持つことが好ましい。
【0042】
カラー27は、その円周部の周りに、円錐面部分29(すなわち、傾斜ステップ)を持つことが好ましい。引き締め機構は、中央締め付け孔内でツールを締め付けるように内方へ加圧する、円錐面29に係合するように配置した少なくとも一つの、軸方向へ転位可能な要素を含むことが好ましい。
【0043】
図4に最も良く表す、ここに図解する実施例では、ハウジング13内に、柔軟なインサート11が、下側リング12と、軸方向へ転位可能な上側リング15との、二つのリングで保持されている。両リングは、円錐面29に係合するように配置されている。スクリュー・ナット16は、上側リングに係合し、それを軸方向下方へ移動させる。スクリュー・ナット16を締め付けることによって、リングを相互に対して押しつけることができる。下側リング12の下方への変位は、フィティング120との係合圧によって間接的に阻止される。リングの内面が斜面であるため、ネジを締め、リングがきつく閉まると、柔軟な部品11が押されて管腔18が強制的に狭くなる。管腔18を狭くすることによって、管腔内部に配置したツールをロックし、それが管腔内で、あるいは管腔外へスライドすることを防止する。ハウジング13の下部は、溝21が設けてあり、作用導管インターフェース110の形状に合致する。これは、スクリュー・ナット16を締め付けるときに装置が回転することを防止する。
【0044】
さて、図5を参照して図解する、本発明の第二の局面に注目する。これは、前記PCT特許公報第W003/086498号にさらに説明のある、ツールを目標点へ導く前述の機能のために用いるシースに関する。具体的には、近位部30、すなわち気管支鏡ハンドルから突出している部分が、主要シース部32に比べて、柔軟性が低いように形成されるシース構造に関する。これは、例えば、上記の位置決めガイドや種々のツールを交換するのに、種々のデバイスの挿入を容易にすることが分かっている。
【0045】
シース全長の大部分(通常は80%以上)に沿って延びる主要シース部32は、本技術で既知である、意図する機能に適切な第一度の柔軟性を持つ材料及び寸法を選択するによって構成する。具体的には、主要シース部は、肺気道の細かな分枝状構造を通るに十分に柔軟でなければならないが、また、気道を通して押し込むことが、そして管腔をつぶすことなく曲げることが可能なように十分に硬くなければならない。
【0046】
他方、柔軟性が低い近位シース部30は、例えば、支持点から任意の距離で管の片持ち部分に対して垂直に加えた力による屈曲度合いで測定した、より低度の柔軟性を持つ。実際的には、使用中、気管支鏡ハンドルから突出したシースの不支持部分は、比較的堅固で、主要シース部と同程度に柔軟であるならば振れるであろうほどには振れないことを確実にする。このことは、シース内へツール等を送り易くする。近位シース部及び主要シース部は、一緒に、連続した内部管腔を区画形成する。近位シース部30の近位端に機械的に係合する近位端部40は、内部管腔内へツールを導くための円錐挿入ガイドを区画形成するように成形することが最も好ましい。これによって、シース内へのツール等の挿入がさらに容易になる。
【0047】
最好適実施例では、シースは、また、挿入位置決めガイドを介するシースの操縦を容易にするよう、主要シース部よりもより高度な柔軟性を示す末端部34を持つ。その結果、本発明によるシースの好適実施例は、三つの異なるレベルの柔軟性を示す。
【0048】
構造的には、比較的に柔軟でない近位部は、シース構造へ外側スリーブ36を追加することによって具現することが好ましい。比較的に柔軟でないスリーブに対する適当な材料の一例は、ポリアミドである。ポリアミドは、シースの主要部分に典型的に使用する材料、例えば「PEBAX」のようなナイロンに基づく物質に、容易に溶接することはできないため、内部シース構造を覆う外側スリーブとして具現することが好ましい。下層にあるPEBAX構造38は、オプションとして、より薄くしてもよい。そうすれば、シース全体の厚みが、非柔軟部分で顕著に増加することはない。比較的より柔軟な末端部は、本技術で既知であるように、PEBAXチューブの太さおよび/あるいは成分を変えることによって具現してもよい。
【0049】
さて、本発明のもう一つの局面に注目する。図6から図9は、本発明によるクリップと、その使用法を図解する。このクリップは、ここに参照によって完全に組み入れた前記PCT特許公報第W003/086498号のシステムを限定せずに含む、気管支鏡アクセサリーのブラインド着脱を可能にするように設計されている。クリップは、アクセサリーのハンズフリー保持を提供するため、積極的に使用しないとき、開業医の手は自由になる。クリップは、また、保持位置から、アクセサリーの部分的な、あるいは完全な操作が可能であることが好ましい。クリップは、気管支鏡のシャフトに取り付ける(図8及び9)ため、気管支鏡の通常の操作を妨げることはない。
【0050】
構造的に、クリップの、気管支鏡に取り付く部分は、少なくとも180°、より好ましくは約200°から250°の範囲で気管支鏡の周りを包囲する、比較的堅固な外側ブラケット210を含む。外側ブラケット210内には、また典型的に、少なくとも180°、より好ましくは約200°から250°の範囲で気管支鏡の周りを包囲する、比較的柔軟な締め付け部分212が取り付けられている。締め付け部分212は、通常、「C」形の断面形状を持つ。すなわち、片側が開いた部分的シリンダである。締め付け部分212は、内視鏡の表面を保護すると共に、締め付け摩擦を強めるために、シリコーン等の物質からなる、弾力のあるライニングまたはインサート214を含むことが好ましい。締め付け部分212は、図示のように通常は引き締めボルト216の形態を採る引き締め機構によって、外側ブラケット210に対して内方へ閉じられる。オプションとして、外側ブラケット210と締め付け部分212とは、引き締め機構の遠隔側で、恒久的に相互に付着していても、あるいは一体的に形成されていてもよい。
【0051】
外側ブラケット210及び締め付け部分212の一方または両方には、アクセサリー・クリップを形成する一対の弾性ジョー218が取り付けられている、あるいは一体的に形成されている。ここに示す例では、弾性ジョーは、締め付け部分212に一体に形成されており、外側ブラケット210の両側から延びる。アクセサリー・クリップの形状は、アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を、気管支鏡ハンドルあるいはボディーの中心軸に対して実質的に垂直方向に固定するように構成することが最も好ましい。これによって、クリップに取り付けたアクセサリー・デバイスの操作が最も容易になる。
【0052】
外側ブラケット210、締め付け部分212及びアクセサリー・クリップは、いかなる適当な材料から形成してもよい。すべてを、同じ材料から、または異なる材料の組合せで形成してもよい。特に好ましい材料として、限定せずに、ステンレス鋼、アルミニウム及びプラスチックを選択することができる。
【0053】
さて、本発明の最終局面に注目する。図10から図13は、気管支鏡ハンドルと共に使用する、巻き付けハンドル・エクステンション220を図解する。概して、巻き付けハンドル・エクステンション220は、気管支検査技師が片手で、気管支鏡のハンドルと気管支鏡ツールのハンドルとを同時に保持し、それら二つを、相互妨害がないように操作することを支援する。このため、他方の手は自由になり、追加として必要となる動作に備えることができる。このために、ハンドル・エクステンション220は、図12及び13で示すように気管支鏡ハンドルを保持するために円錐スリーブ(図11)を形成する、補完的な結合アレンジメント224を備えた柔軟な巻き付けレイヤ228を含む。ハンドル・エクステンション220は、また、柔軟な巻き付けレイヤ228に係合したハンド・ループ222を含む。ハンド・ループは、ユーザが手で円錐スリーブを吊ることができるよう、ユーザの手を受容するように構成されている。
【0054】
ここに詳細に図解した例に示すように、柔軟な巻き付けレイヤ228は、柔らかい発泡プラスチックの薄層として具現することが好ましい。ハンド・ループ222は、通常、類似の気泡材から形成する。補完的な結合アレンジメント224は、ベルクロ結合アレンジメントからなる補完的な領域として具現することが好ましいが、ストラップまたはファスナーからなる他のアレンジメントを使用してもよい。
【0055】
巻き付けハンドル・エクステンション220は、また、柔軟な巻き付けレイヤ228に係合したアクセサリー・サスペンション・ストラップ226を含むことが好ましい。これは、アクセサリーを円錐スリーブから吊着するように構成される(図12を参照)。アクセサリー・サスペンション・ストラップ226は、解放可能なサスペンション・ループを形成するために、解放可能な結合構造(例えばベルクロ)を持つことが好ましい。ここに 図示する特定な好適実施例では、アクセサリー・サスペンション・ストラップ226は、結合アレンジメント224のベルクロ・ストラップの一つが延びるテールとして具現する。
【0056】
上述のように、巻き付けレイヤ228は、気管支鏡240のハンドルに巻きついて適合するように設計した円錐スリーブを形成する。気管支鏡をナビゲーションに使用するとき、気管支鏡ツール242は、図12で示すようにループ226状に吊られたように着けられる。これは、気管支検査技師が、気管支鏡ツールから負担を受けることなく、そのツールをも保持しながら、両手で気管支鏡を操作することを可能にする。気管支鏡の先端が標的に到達すると、気管支検査技師は、手のひらをハンドル222内に入れる。このため、気管支鏡は、手の裏に掛かる、すなわち載置される。その後、気管支検査技師は、図13に示すように、自由な指を用いて気管支鏡ツール242を操作できる。
【0057】
ここに図解する実施例は、一度だけ使用する使い捨てのアクセサリーであることが好ましい。本発明の範囲は、気管支鏡ハンドルに気管支鏡ツールを取り付ける、異なる材料及び異なる技術を使用する他の類似の実施例も含む。各ケースにおいて、ハンドル・エクステンションは、医者が肺内ナビゲーションのために気管支鏡を使用することを妨害しない位置、そして標的に到達後、医者が、気管支鏡のハンドルを保持しながら、同じ手で気管支鏡ツールを操作可能な位置にツールのハンドルを吊着する類似の原理を採用する。
【0058】
本発明の上記局面を、気管支鏡及び気管支鏡ツールの文脈で説明したが、本発明の範囲は、また、同時にツールと内視鏡ハンドルとを保持する必要がある他の種類の内視鏡及び内視鏡ツールを使用する他の応用をも含むことは明らかである。
【0059】
上記の説明は、例示することのみを意図していることは明らかであり、多くの他の実施例も、添付の請求項で定義する本発明の範囲内で可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
本発明を、次の添付図面を参照しながら実施例によって説明する。
【0061】
【図1】本発明によって構成されて作用可能な、気管支鏡のハンドルの一部を示す概略等角投影図であり、シーリング及びロッキング・アダプターを適合させた作用導管を示す。
【図2A】気管支鏡のハンドルに取り付ける前の、図1のアダプターを示す拡大概略等角投影図である。
【図2B】気管支鏡のハンドルに取り付けた、図1のアダプターを示す拡大概略等角投影図である。
【図3A】図1のアダプターの構成要素を図解する分解等角図である。
【図3B】組立後の、図1のアダプターの等角投影図である。
【図4】図1のアダプターを通る軸方向断面図である。
【図5】本発明によって構成されて作用可能な可変柔軟性シースを通る、長手方向概略断面図である。
【図6】本発明によって構成されて作用可能な、気管支鏡アクセサリー・クリップの等角投影図である。
【図7】組み立て手順を示す、図6のクリップの分解図である。
【図8】図6のクリップを気管支鏡に取り付けるところを図解する。
【図9】気管支鏡アクセサリーを保持するために使用中である、図6のクリップを図解する。
【図10】本発明によって構成されて作用可能な、平らな状態にある、巻きつけハンドル・エクステンションの側面図である。
【図11】気管支鏡ハンドルを保持するように円錐スリーブを形成する装備状態にある、図10の巻き付けハンドル・エクステンションを示す側面図である。
【図12】プロシージャの第一のステージ中に、図10の巻き付けハンドル・エクステンションを、気管支鏡及びアクセサリーと共に使用しているところを図解する側面図である。
【図13】プロシージャの第二のステージ中に、図10の巻きつけハンドル・エクステンションを、気管支鏡及びアクセサリーと共に使用しているところを図解する側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管支鏡検査法に関し、特に、気管支鏡を使用して外科的手技を行うときに用いるアクセサリー・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
肺医療の分野で最も一般的な介入処置(すなわち呼吸器系に関する医療)は、患者の鼻または口を通して気道へ気管支鏡を挿入する気管支鏡検査法である。この器具は、通常、次の三つの要素を含む、細長い柔軟なチューブからなる。外部光源に接続した光ファイバーを介して、気管支鏡の先端に対して遠位にある領域を照明する照明アレンジメント。気管支鏡の遠位端からビデオ画像をもたらす撮像アレンジメント。診断的な(例えば、生検ツール)、そして治療的な(例えば、レーザー、低温またはRF組織除去プローブ)性質の器具を挿入させる『作用導管』。気管支鏡の遠位端は、操縦可能であり、気管支鏡のハンドルに配置したレバーを回転させることによって、舵取機構を作動させて、二つの相反方向へ先端を偏向させることができる。
【0003】
気管支鏡検査法は、日常的に、例えば、肺癌、気道狭窄及び気腫等の病気の診断及び治療に用いられ、専門家である肺疾患学者、別名、気管支検査技師によって実行される。
【0004】
気管支鏡検査法は、少なくとも二人のスタッフ、気管支検査技師と、少なくとも一人のアシスタント、通常看護士とによって実行される。典型的手順においては、気管支検査技師は、一方の手で気管支鏡ハンドルを、そして他方で気管支鏡チューブを持ち、偏向レバーを回転させる、またチューブを押したり、引いたりすることによって、肺の中にある気管支鏡の遠位端を操作する。先端を標的に到達させたら、気管支鏡ツールを作用導管へ挿入して気管支鏡チューブの遠位端外方へ通して、内科的診断および/あるいは治療を行う。
【0005】
気管支鏡ツールの挿入及び操作の間、気管支鏡の遠位端を、標的に固定させて保持しなければならない。これらの仕事の全てを並行して実行するには、しばしば、三本から四本の手を必要とする。二本の手で適所に気管支鏡を固定し、もう一本あるいは二本の手で気管支鏡ツールを挿入して作動させる。そのような多人数による操作の複雑さは、医者とアシスタントとの間の難しい調整を必要とするため、しばしば、医学技法の精度を損なう。また、追加の手助けが必要であるため、しばしば、コスト増となる。
【0006】
本発明に特に関連するのは、参照によってここに完全に組み込む、ギルボア氏の、「内視鏡構造、そして枝分かれ構造内におけるナビゲーション技術」という名称を持つ、PCT特許出願公報第WO03/086498号に開示したデバイス及び方法である。この特許出願は、気管支鏡ツールを肺内の特定な位置へ操縦するために、シースで包んだ位置決めガイド(「LG」)を使用する方法及び装置を説明している。ガイドとシースとを組合せたものを、気管支鏡の作用導管を通して肺内へ挿入する。ガイドの先端を標的に位置させたら、シースが気管支鏡内で、あるいは外へすべることを防止するように、気管支鏡の作用導管の開口部(「連結ポート」)に配置したロックを操作する。それから、その必要な標的位置へツールを導くために、シースをその場に残して、ガイドをシースから抜く。
【0007】
他方、同じ気管支鏡を、気管支の調査のための主要な機能で使用する場合は、作用導管の開口部から離れた特別なコネクタに接続した真空ポンプを使用して、同じ作用導管を、気道から邪魔な粘液を除くために用いる。吸入が適切に作用するよう、吸入適用中は、作用導管の開口部を密閉しなければならない。
【0008】
続いて、処置中、医者は、通常、気管支鏡作用導管の連結ポートで、シール及びロックの、二つの異なるデバイスを切り換える必要がある。現在どちらの機能に気管支鏡を用いているかに応じて、これらを切り換えなければならない。
【0009】
位置決めガイドと他のツールとの切り換え中は、シースの自由近位端内へ、ガイドまたはツールを挿入する必要がある。このステップは、シースの端部が柔軟で結果的に機械的に不安定であることから、いくぶん「面倒」で、素早く達成するのは難しいことが分かっている。この問題は、一方の手でシース端部を、他方の手でツールを保持することによって、簡単に対処することができるが、この場合も、プロシージャの実行中に、もう一つの自由な手が必要となる。
【0010】
単独の開業医による、例えば前記出願に説明のシステムの操作を容易にするためには、開業医が、気管支鏡の作用導管を通して使用している第二のツールまたはデバイスから、一時的に手を離すことができることが好ましい。同時に、デバイスは、すぐにアクセス可能で使用可能な状態に留まり、ゆるく垂れることがないことが好ましい。
【0011】
したがって、単独の開業医による気管支鏡及び関連ツールの操作を容易にする、気管支鏡用アクセサリーが必要である。また、プロシージャ中にアタッチメントの取り替えを必要とせず、シーリング及びツール・ロック機能の両方を実行する、気管支鏡の作用導管の連結ポートのためのアダプターを提供することは、有利である。さらに、ガイド・シース内へのツールの挿入を容易にする、前記PCT特許公報の開示に従うアレンジメントを提供することは、有利である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、気管支鏡を使用して外科的手技を実行するときに用いる種々のアクセサリーに関する。
【0013】
本発明によれば、気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに取り付けるためのシーリング及びロッキング・アダプターが提供される。このアダプターは、ツールの挿入及びロックを可能にすると共に、不使用時にアクセス・ポートを密閉することが可能であり、次のものからなる。(a)気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに装着するように構成されたハウジング。(b)ハウジングに係合して、ハウジングを作用導管のアクセス・ポートに取り付けるように構成されたアタッチメント構造。(c)ハウジング内に配置され、弾力的に常閉状態へ付勢された弾性弁を含むシーリング・アレンジメント。この場合、弾性弁は、作用導管のアクセス・ポートを空気が通過することに抵抗するシーリング・アレンジメントの一部を形成し、弁を通して作用導管内へツールの挿入が可能なように構成されている。そして(d)ハウジング内に配置され、弾性締め付けブロック及び引き締め機構を含む締め付けアレンジメント。引き締め機構は、ハウジングを通して作用導管内へ挿入したツールをその位置でロックするために、弾性締め付けブロックを変形させるように手で操作することが可能である。
【0014】
本発明のもう一つの特徴によれば、弾性締め付けブロックは、ツールを通過させるための中央締め付け孔を持つ、実質的に円筒形状のカラーとして形成される。
【0015】
本発明のもう一つの特徴によれば、中央締め付け孔は、少なくとも一つの内方へ突出するリッジを持つ。
【0016】
本発明のもう一つの特徴によれば、実質的に円筒形状のカラーは少なくとも一つ円錐面部を持ち、引き締め機構は、中央締め付け孔上に内方ロック圧を加えるために、少なくとも一つ円錐面に係合するように配置した軸方向へ転位可能な要素を含む。
【0017】
本発明のもう一つの特徴によれば、弾性弁及び弾性締め付けブロックは、ハウジング内に配置される一体的弾性インサートとして具現される。
【0018】
本発明のもう一つの特徴によれば、弾性弁は、スリットを切り込んだ弾性膜として具現される。
【0019】
本発明によれば、また、気管支鏡のハンドルに対する所定の関係で、アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を一時的に保持するための、次のものからなるクリップが提供される。(a)気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも180°の範囲で囲うように構成された外側ブラケット。(b)外側ブラケット内に配置され、気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも180°の範囲で囲う柔軟な締め付け部分。(c)気管支鏡のハンドル上にクリップを固定するために、外側ブラケットに係合して、柔軟な締め付け部分の少なくとも一部を、外側ブラケットに対して内方へ曲げるように構成された引き締め機構。そして(d)外側ブラケット及び柔軟な締め付け部分の少なくとも一つに相互結合された一対の弾性ジョー。一対の弾性ジョーは、アクセサリーを掴むように構成される。
【0020】
本発明のもう一つの特徴によれば、また、締め付け部分内に配置される弾性インサートが提供される。
【0021】
本発明のもう一つの特徴によれば、一対の弾性ジョーは、柔軟な締め付け部分と一体的に形成される。
【0022】
本発明のもう一つの特徴によれば、一対の弾性ジョーは、気管支鏡ハンドルの長さ方向に対して実質的に垂直に、アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を掴むように構成される。
【0023】
本発明のもう一つの特徴によれば、柔軟な締め付け部分は、気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも約200°の範囲で囲う。
【0024】
本発明のもう一つの特徴によれば、柔軟な締め付け部分は、気管支鏡のハンドルの周りを約250°以下の範囲で囲う。
【0025】
本発明によれば、また、次のものからなる、気管支鏡ハンドル用の巻き付けハンドル・エクステンションが提供される。(a)気管支鏡ハンドルを保持するために、円錐スリーブを形成するように配置される、補完的な結合アレンジメントを備えた柔軟な巻き付けレイヤ。そして(b)ユーザの手から円錐スリーブを吊すことを可能にするために、柔軟な巻き付けレイヤに係合して、ユーザの手を受けるように構成されたハンド・ループ。
【0026】
本発明のもう一つの特徴によれば、補完的な結合アレンジメントは、ベルクロ結合アレンジメントの補完的な領域として具現される。
【0027】
本発明のもう一つの特徴によれば、また、柔軟な巻き付けレイヤに係合して、アクセサリーを円錐スリーブから吊着するように構成されたアクセサリー・サスペンション・ストラップが提供される。
【0028】
本発明のもう一つの特徴によれば、アクセサリー・サスペンション・ストラップは、解放可能なサスペンション・ループを形成するための、解放可能な結合構造を持つように構成される。
【0029】
本発明によれば、また、先に識別した位置にツールを導くために、気管支鏡の作用導管を通して配置するための、次のものからなるシースが提供される。(a)シースの全長の大部分に沿って延び、第一度の柔軟性を持つ主要シース部。そして(b)柔軟性を減少させた近位シース部。この場合、近位シース部及び主要シース部は一緒に、連続な内部管腔を区画形成し、近位シース部は、主要シース部よりも低度の柔軟性を持つ。
【0030】
本発明のもう一つの特徴によれば、主要シース部は、第一の材料から形成されるチューブとして具現され、近位シース部は、第二の材料の補強スリーブによって包囲した、第一の材料から形成されるチューブの延長として具現される。
【0031】
本発明のもう一つの特徴によれば、また、主要シース部と共に連続な内部管腔を形成する遠位シース部が提供される。遠位シース部は、主要シース部よりも高度の柔軟性を持つ。
【0032】
本発明のもう一つの特徴によれば、また、近位シース部の近位端に機械的に係合した近位端部が提供される。近位端部は、内部管腔内へツールを導くための円錐挿入ガイドを区画形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、気管支鏡を使用する外科的手技を実行する際に使用する、種々のアクセサリーに関する。
【0034】
本発明による気管支鏡アクセサリーの原理及び作用は、図面とその説明から、よく理解することができる。
【0035】
前置きとして、本発明がいくつかの異なる局面を含み、それらの各々が本来の権利として特許を受けることが可能なほどに重要であるという点に注意すべきである。具体的には、図1から図4を参照して、シーリング及びロッキング・アダプターを説明する。それから、図5を参照して、好ましいシース構造を説明する。それから、図6から図9を参照して、アクセサリー・ツールを保持するためのクリップ構造を説明する。最後に、図10から図13を参照して、巻き付けハンドル・エクステンション・アレンジメントを説明する。
【0036】
さて、図面を参照する。図1から図4は、本発明の第一の局面、すなわち、ツール(図示せず)の挿入及びロックを可能にするために、気管支鏡100の作用導管130のアクセス・ポート(「インターフェース」)110に取り付ける、そしてアクセス・ポート110の不使用中にそれを密閉するシーリング及びロッキング・アダプター200を図解する。概して、図4に最も良く示すように、アダプター200は、アクセス・ポート110に装着するように構成したハウジング13、そしてハウジング13に関連するアタッチメント構造を含み、ハウジング13を作用導管130のアクセス・ポート110へ取り付け可能に構成されている。アダプター200は、ハウジング13内に配置した、弾性力をもって常閉状態(図4)へ付勢された弾性弁20からなるシーリング・アレンジメントを含む。常閉状態において、弾性弁20は、作用導管130のアクセス・ポート110を空気が通過することに抵抗するシーリング・アレンジメントの一部を形成する。弾性弁20は、また、弁を通した作用導管内へのツール(図示せず)の挿入を可能にするように構成されている。また、ハウジング13内に配置した締め付けアレンジメントは、ハウジング13を通して作用導管130内へ挿入したツールをその位置にロックするために、弾性締め付けブロック11、そして弾性締め付けブロック11を変形させるように手で操作可能な引き締め機構を含む。
【0037】
現段階で、すぐに明らかなことは、アダプター200が、先行技術に勝る大きな利点を提供することである。具体的に、単一のアダプター内にシーリング・アレンジメント及びロッキング構造を提供することによって、外科的手技の異なる部分を実行中にアタッチメントを取り替える必要があるという前記問題に対処する。本発明のこの局面におけるこの利点、そして他の利点は、下記の詳細な説明からより明白になる。
【0038】
さて、特に図1を参照する。これは気管支鏡のハンドル100の略図である。作用導管130はハンドル100内に含まれている。ツールは、入力口125を通して作用導管内へ挿入する。作用導管は、気管支鏡の近位端部まで、全長に渡って組み入れられている。加えて、作用導管は、また、弁140を通して、そして第二のコネクタ160を通して、真空ポンプ(図示せず)または他の吸入源に接続される。弁が押し開かれると、ポンプは、作用導管の含有物を吸引する。吸入が適切に機能するためには、作用導管は密封されていなければならない。作用導管の入口には、ガスケット・フィティング120が組み入れられており、その上に、開口部(図示せず)を密封するために、ゴムガスケットを取り付けることができる。
【0039】
好適実施例においては、ガスケット・フィティング120に結合させて、作用導管インターフェース110上にアダプター200を取り付ける。図2A及び2Bは、アダプター200を作用導管インターフェース110へ接続するための、好適アタッチメント構造を示す。アダプター200は、フォーク状のキー14を側面スロット24内に受け入れる。フォーク状のキーは、フィティング120のアンダーカット側に係合することによって、アダプター200をインターフェースに取り付けた状態で保持する。装置のハウジング13の形状は、インターフェース110の形状に合致しており、気管支鏡ハンドルのボディーと協調してハウジング13の回転を防止するための溝またはチャンネル21を形成するように延びる側壁を含む。したがって、まず、インターフェース110を包むようにハウジング13を配置して、それから、アダプター200と作用導管開口部との間に接触圧を加えて維持するように、フォーク状のキー14をスロット24内へ挿入する。
【0040】
図3A及び3B、そして図4は、組み合わせたロッキング及びシーリング・アダプターを更に詳細に示す。その下面22は、作用導管上に配置されると、ガスケット・フィティング120に押しつけられて開口部125を密封する。管腔18は、スリットを入れた弾性膜として具現するのが好ましい弾性弁20によって遮断される。管腔が空のとき、スリットは常閉状態を取り、作用導管の開口を密封するため、インターフェース110での有意な漏れのない状態で、弁140を通して作用導管130へ吸引を適用することができる。管腔を通してツールを挿入すると、スリットは押し開かれて、ツールが膜を通って作用導管内へ滑り込むことが可能である。弁20の材料は、挿入ツールの周りにシールを形成するよう、十分に柔軟であることが好ましい。
【0041】
弾性弁20及び弾性締め付けブロックの両方は、ハウジング13内に配置した一体的弾性インサート11として具現することが好ましい。弾性材料は、例えば、ゴムまたはシリコン等の柔軟な物質であることが好ましい。インサート11は、ツールを挿入可能な中央管腔18を持つ。弾性締め付けブロックは、中央管腔の一部分の周りに、実質的に円筒形のカラー27として形成されることが好ましい。これによって、ツールを通過させるための、中央締め付け孔を区画形成する。カラー27は、締め付けを強化するために、中央締め付け孔内へ突き出す少なくとも一つの内方突出リッジ28を持つことが好ましい。
【0042】
カラー27は、その円周部の周りに、円錐面部分29(すなわち、傾斜ステップ)を持つことが好ましい。引き締め機構は、中央締め付け孔内でツールを締め付けるように内方へ加圧する、円錐面29に係合するように配置した少なくとも一つの、軸方向へ転位可能な要素を含むことが好ましい。
【0043】
図4に最も良く表す、ここに図解する実施例では、ハウジング13内に、柔軟なインサート11が、下側リング12と、軸方向へ転位可能な上側リング15との、二つのリングで保持されている。両リングは、円錐面29に係合するように配置されている。スクリュー・ナット16は、上側リングに係合し、それを軸方向下方へ移動させる。スクリュー・ナット16を締め付けることによって、リングを相互に対して押しつけることができる。下側リング12の下方への変位は、フィティング120との係合圧によって間接的に阻止される。リングの内面が斜面であるため、ネジを締め、リングがきつく閉まると、柔軟な部品11が押されて管腔18が強制的に狭くなる。管腔18を狭くすることによって、管腔内部に配置したツールをロックし、それが管腔内で、あるいは管腔外へスライドすることを防止する。ハウジング13の下部は、溝21が設けてあり、作用導管インターフェース110の形状に合致する。これは、スクリュー・ナット16を締め付けるときに装置が回転することを防止する。
【0044】
さて、図5を参照して図解する、本発明の第二の局面に注目する。これは、前記PCT特許公報第W003/086498号にさらに説明のある、ツールを目標点へ導く前述の機能のために用いるシースに関する。具体的には、近位部30、すなわち気管支鏡ハンドルから突出している部分が、主要シース部32に比べて、柔軟性が低いように形成されるシース構造に関する。これは、例えば、上記の位置決めガイドや種々のツールを交換するのに、種々のデバイスの挿入を容易にすることが分かっている。
【0045】
シース全長の大部分(通常は80%以上)に沿って延びる主要シース部32は、本技術で既知である、意図する機能に適切な第一度の柔軟性を持つ材料及び寸法を選択するによって構成する。具体的には、主要シース部は、肺気道の細かな分枝状構造を通るに十分に柔軟でなければならないが、また、気道を通して押し込むことが、そして管腔をつぶすことなく曲げることが可能なように十分に硬くなければならない。
【0046】
他方、柔軟性が低い近位シース部30は、例えば、支持点から任意の距離で管の片持ち部分に対して垂直に加えた力による屈曲度合いで測定した、より低度の柔軟性を持つ。実際的には、使用中、気管支鏡ハンドルから突出したシースの不支持部分は、比較的堅固で、主要シース部と同程度に柔軟であるならば振れるであろうほどには振れないことを確実にする。このことは、シース内へツール等を送り易くする。近位シース部及び主要シース部は、一緒に、連続した内部管腔を区画形成する。近位シース部30の近位端に機械的に係合する近位端部40は、内部管腔内へツールを導くための円錐挿入ガイドを区画形成するように成形することが最も好ましい。これによって、シース内へのツール等の挿入がさらに容易になる。
【0047】
最好適実施例では、シースは、また、挿入位置決めガイドを介するシースの操縦を容易にするよう、主要シース部よりもより高度な柔軟性を示す末端部34を持つ。その結果、本発明によるシースの好適実施例は、三つの異なるレベルの柔軟性を示す。
【0048】
構造的には、比較的に柔軟でない近位部は、シース構造へ外側スリーブ36を追加することによって具現することが好ましい。比較的に柔軟でないスリーブに対する適当な材料の一例は、ポリアミドである。ポリアミドは、シースの主要部分に典型的に使用する材料、例えば「PEBAX」のようなナイロンに基づく物質に、容易に溶接することはできないため、内部シース構造を覆う外側スリーブとして具現することが好ましい。下層にあるPEBAX構造38は、オプションとして、より薄くしてもよい。そうすれば、シース全体の厚みが、非柔軟部分で顕著に増加することはない。比較的より柔軟な末端部は、本技術で既知であるように、PEBAXチューブの太さおよび/あるいは成分を変えることによって具現してもよい。
【0049】
さて、本発明のもう一つの局面に注目する。図6から図9は、本発明によるクリップと、その使用法を図解する。このクリップは、ここに参照によって完全に組み入れた前記PCT特許公報第W003/086498号のシステムを限定せずに含む、気管支鏡アクセサリーのブラインド着脱を可能にするように設計されている。クリップは、アクセサリーのハンズフリー保持を提供するため、積極的に使用しないとき、開業医の手は自由になる。クリップは、また、保持位置から、アクセサリーの部分的な、あるいは完全な操作が可能であることが好ましい。クリップは、気管支鏡のシャフトに取り付ける(図8及び9)ため、気管支鏡の通常の操作を妨げることはない。
【0050】
構造的に、クリップの、気管支鏡に取り付く部分は、少なくとも180°、より好ましくは約200°から250°の範囲で気管支鏡の周りを包囲する、比較的堅固な外側ブラケット210を含む。外側ブラケット210内には、また典型的に、少なくとも180°、より好ましくは約200°から250°の範囲で気管支鏡の周りを包囲する、比較的柔軟な締め付け部分212が取り付けられている。締め付け部分212は、通常、「C」形の断面形状を持つ。すなわち、片側が開いた部分的シリンダである。締め付け部分212は、内視鏡の表面を保護すると共に、締め付け摩擦を強めるために、シリコーン等の物質からなる、弾力のあるライニングまたはインサート214を含むことが好ましい。締め付け部分212は、図示のように通常は引き締めボルト216の形態を採る引き締め機構によって、外側ブラケット210に対して内方へ閉じられる。オプションとして、外側ブラケット210と締め付け部分212とは、引き締め機構の遠隔側で、恒久的に相互に付着していても、あるいは一体的に形成されていてもよい。
【0051】
外側ブラケット210及び締め付け部分212の一方または両方には、アクセサリー・クリップを形成する一対の弾性ジョー218が取り付けられている、あるいは一体的に形成されている。ここに示す例では、弾性ジョーは、締め付け部分212に一体に形成されており、外側ブラケット210の両側から延びる。アクセサリー・クリップの形状は、アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を、気管支鏡ハンドルあるいはボディーの中心軸に対して実質的に垂直方向に固定するように構成することが最も好ましい。これによって、クリップに取り付けたアクセサリー・デバイスの操作が最も容易になる。
【0052】
外側ブラケット210、締め付け部分212及びアクセサリー・クリップは、いかなる適当な材料から形成してもよい。すべてを、同じ材料から、または異なる材料の組合せで形成してもよい。特に好ましい材料として、限定せずに、ステンレス鋼、アルミニウム及びプラスチックを選択することができる。
【0053】
さて、本発明の最終局面に注目する。図10から図13は、気管支鏡ハンドルと共に使用する、巻き付けハンドル・エクステンション220を図解する。概して、巻き付けハンドル・エクステンション220は、気管支検査技師が片手で、気管支鏡のハンドルと気管支鏡ツールのハンドルとを同時に保持し、それら二つを、相互妨害がないように操作することを支援する。このため、他方の手は自由になり、追加として必要となる動作に備えることができる。このために、ハンドル・エクステンション220は、図12及び13で示すように気管支鏡ハンドルを保持するために円錐スリーブ(図11)を形成する、補完的な結合アレンジメント224を備えた柔軟な巻き付けレイヤ228を含む。ハンドル・エクステンション220は、また、柔軟な巻き付けレイヤ228に係合したハンド・ループ222を含む。ハンド・ループは、ユーザが手で円錐スリーブを吊ることができるよう、ユーザの手を受容するように構成されている。
【0054】
ここに詳細に図解した例に示すように、柔軟な巻き付けレイヤ228は、柔らかい発泡プラスチックの薄層として具現することが好ましい。ハンド・ループ222は、通常、類似の気泡材から形成する。補完的な結合アレンジメント224は、ベルクロ結合アレンジメントからなる補完的な領域として具現することが好ましいが、ストラップまたはファスナーからなる他のアレンジメントを使用してもよい。
【0055】
巻き付けハンドル・エクステンション220は、また、柔軟な巻き付けレイヤ228に係合したアクセサリー・サスペンション・ストラップ226を含むことが好ましい。これは、アクセサリーを円錐スリーブから吊着するように構成される(図12を参照)。アクセサリー・サスペンション・ストラップ226は、解放可能なサスペンション・ループを形成するために、解放可能な結合構造(例えばベルクロ)を持つことが好ましい。ここに 図示する特定な好適実施例では、アクセサリー・サスペンション・ストラップ226は、結合アレンジメント224のベルクロ・ストラップの一つが延びるテールとして具現する。
【0056】
上述のように、巻き付けレイヤ228は、気管支鏡240のハンドルに巻きついて適合するように設計した円錐スリーブを形成する。気管支鏡をナビゲーションに使用するとき、気管支鏡ツール242は、図12で示すようにループ226状に吊られたように着けられる。これは、気管支検査技師が、気管支鏡ツールから負担を受けることなく、そのツールをも保持しながら、両手で気管支鏡を操作することを可能にする。気管支鏡の先端が標的に到達すると、気管支検査技師は、手のひらをハンドル222内に入れる。このため、気管支鏡は、手の裏に掛かる、すなわち載置される。その後、気管支検査技師は、図13に示すように、自由な指を用いて気管支鏡ツール242を操作できる。
【0057】
ここに図解する実施例は、一度だけ使用する使い捨てのアクセサリーであることが好ましい。本発明の範囲は、気管支鏡ハンドルに気管支鏡ツールを取り付ける、異なる材料及び異なる技術を使用する他の類似の実施例も含む。各ケースにおいて、ハンドル・エクステンションは、医者が肺内ナビゲーションのために気管支鏡を使用することを妨害しない位置、そして標的に到達後、医者が、気管支鏡のハンドルを保持しながら、同じ手で気管支鏡ツールを操作可能な位置にツールのハンドルを吊着する類似の原理を採用する。
【0058】
本発明の上記局面を、気管支鏡及び気管支鏡ツールの文脈で説明したが、本発明の範囲は、また、同時にツールと内視鏡ハンドルとを保持する必要がある他の種類の内視鏡及び内視鏡ツールを使用する他の応用をも含むことは明らかである。
【0059】
上記の説明は、例示することのみを意図していることは明らかであり、多くの他の実施例も、添付の請求項で定義する本発明の範囲内で可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
本発明を、次の添付図面を参照しながら実施例によって説明する。
【0061】
【図1】本発明によって構成されて作用可能な、気管支鏡のハンドルの一部を示す概略等角投影図であり、シーリング及びロッキング・アダプターを適合させた作用導管を示す。
【図2A】気管支鏡のハンドルに取り付ける前の、図1のアダプターを示す拡大概略等角投影図である。
【図2B】気管支鏡のハンドルに取り付けた、図1のアダプターを示す拡大概略等角投影図である。
【図3A】図1のアダプターの構成要素を図解する分解等角図である。
【図3B】組立後の、図1のアダプターの等角投影図である。
【図4】図1のアダプターを通る軸方向断面図である。
【図5】本発明によって構成されて作用可能な可変柔軟性シースを通る、長手方向概略断面図である。
【図6】本発明によって構成されて作用可能な、気管支鏡アクセサリー・クリップの等角投影図である。
【図7】組み立て手順を示す、図6のクリップの分解図である。
【図8】図6のクリップを気管支鏡に取り付けるところを図解する。
【図9】気管支鏡アクセサリーを保持するために使用中である、図6のクリップを図解する。
【図10】本発明によって構成されて作用可能な、平らな状態にある、巻きつけハンドル・エクステンションの側面図である。
【図11】気管支鏡ハンドルを保持するように円錐スリーブを形成する装備状態にある、図10の巻き付けハンドル・エクステンションを示す側面図である。
【図12】プロシージャの第一のステージ中に、図10の巻き付けハンドル・エクステンションを、気管支鏡及びアクセサリーと共に使用しているところを図解する側面図である。
【図13】プロシージャの第二のステージ中に、図10の巻きつけハンドル・エクステンションを、気管支鏡及びアクセサリーと共に使用しているところを図解する側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツールの挿入及びロックを可能にするよう、気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに取り付けるための、そして不使用時にアクセス・ポートを密閉するためのシーリング及びロッキング・アダプターであって、
(a)前記気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに装着するように構成されたハウジング、
(b)前記ハウジングに係合して、前記ハウジングを前記作用導管のアクセス・ポートに取り付けるように構成されたアタッチメント構造、
(c)前記ハウジング内に配置され、弾力的に常閉状態へ付勢された弾性弁を含むシーリング・アレンジメント、なお、前記弾性弁は、前記作用導管のアクセス・ポートを空気が通過することに抵抗する前記シーリング・アレンジメントの一部を構成し、前記弁を通して前記作用導管内へツールを挿入することを可能にするように構成されている、そして
(d)前記ハウジング内に配置した、弾性締め付けブロックと引き締め機構とを含む締め付けアレンジメントからなり、前記引き締め機構は、前記ハウジングを通して前記作用導管内へ挿入したツールをその位置でロックするため、前記弾性締め付けブロックを変形させるように手で操作可能であることを特徴とする、シーリング及びロッキング・アダプター。
【請求項2】
前記弾性締め付けブロックが、ツールを通過させるための中央締め付け孔を持つ、実質的に円筒形状のカラーとして形成される、請求項1のアダプター。
【請求項3】
前記中央締め付け孔が、少なくとも一つの内方へ突出するリッジを持つ、請求項2のアダプター。
【請求項4】
前記実質的に円筒形状のカラーが、少なくとも一つの円錐面部を持ち、前記引き締め機構は、前記中央締め付け孔に内方ロック圧を加えるために、前記少なくとも一つの円錐面部に係合するように配置した軸方向へ転位可能な要素を含む、請求項2のアダプター。
【請求項5】
前記弾性弁及び前記弾性締め付けブロックが、前記ハウジング内に配置した一体的弾性インサートとして具現される、請求項1のアダプター。
【請求項6】
前記弾性弁が、スリットを切り込んだ弾性膜として具現される、請求項1のアダプター。
【請求項7】
気管支鏡のハンドルに対して所定の関係で、アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を一時的に保持するためのクリップであって、
(a)前記気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも180°の範囲で囲うように構成された外側ブラケット、
(b)前記外側ブラケット内に配置され、前記気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも180°の範囲で囲う柔軟な締め付け部分、
(c)前記クリップを前記気管支鏡のハンドル上に固定するために、前記外側ブラケットに係合して、前記柔軟な締め付け部分の少なくとも一部を前記外側ブラケットに対して内方へ曲げるように構成された引き締め機構、そして
(d)前記外側ブラケット及び前記柔軟な締め付け部分の少なくとも一つに相互結合され、アクセサリーを掴むように構成された一対の弾性ジョーからなる、クリップ。
【請求項8】
さらに、前記締め付け部分内に配置した弾性インサートからなる、請求項7のクリップ。
【請求項9】
前記一対の弾性ジョーが、前記柔軟な締め付け部分と一体的に形成されている、請求項7のクリップ。
【請求項10】
前記一対の弾性ジョーが、前記気管支鏡のハンドルの長さ方向に対して実質的に垂直に、前記アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を掴むように構成される、請求項7のクリップ。
【請求項11】
前記柔軟な締め付け部分が、前記気管支鏡のハンドルの周りを、少なくとも約200°の範囲で囲う、請求項7のクリップ。
【請求項12】
前記柔軟な締め付け部分が、前記気管支鏡のハンドルの周りを、約250°以下の範囲で囲う、請求項7のクリップ。
【請求項13】
気管支鏡ハンドル用の巻き付けハンドル・エクステンションであって、
(a)前記気管支鏡ハンドルを保持するための円錐スリーブを形成するように配置される、補完的な結合アレンジメントを備えた柔軟な巻き付けレイヤ、そして
(b)ユーザの手から前記円錐スリーブを吊り下げることを可能にするために、ユーザの手を受けるように構成され、前記柔軟な巻き付けレイヤに係合したハンド・ループからなる、ハンドル・エクステンション。
【請求項14】
前記補完的な結合アレンジメントが、ベルクロ結合アレンジメントの補完的な領域として具現される、請求項13のハンドル・エクステンション。
【請求項15】
さらに、前記円錐スリーブからアクセサリーを吊着するように構成され、前記柔軟な巻き付けレイヤに係合したアクセサリー・サスペンション・ストラップからなる、請求項13のハンドル・エクステンション。
【請求項16】
前記アクセサリー・サスペンション・ストラップが、解放可能なサスペンション・ループを形成するために、解放可能な結合構造を持つように構成される、請求項15のハンドル・エクステンション。
【請求項17】
先に識別した位置にツールを導くために、気管支鏡の作用導管を通して配備するためのシースであって、
(a)前記シースの全長の大部分に沿って延び、第一度の柔軟性を持つ主要シース部、そして
(b)柔軟性のより少ない近位シース部からなり、前記近位シース部及び前記主要シース部が一緒に、連続な内部管腔を区画形成し、前記近位シース部が前記主要シース部よりも低度の柔軟性を持つ、シース。
【請求項18】
前記主要シース部が、第一の材料から形成されるチューブとして具現され、前記近位シース部が、第二の材料の補強スリーブによって包囲した、前記第一の材料から形成した前記チューブの延長として具現される、請求項17のシース。
【請求項19】
さらに、前記主要シース部と共に連続な内部管腔を形成し、前記主要シース部よりも高度の柔軟性を持つ遠位シース部からなる、請求項17のシース。
【請求項20】
さらに、前記内部管腔内へツールを導くために円錐挿入ガイドを区画形成する、前記近位シース部の近位端に機械的に係合した近位端部からなる、請求項17のシース。
【請求項1】
ツールの挿入及びロックを可能にするよう、気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに取り付けるための、そして不使用時にアクセス・ポートを密閉するためのシーリング及びロッキング・アダプターであって、
(a)前記気管支鏡の作用導管のアクセス・ポートに装着するように構成されたハウジング、
(b)前記ハウジングに係合して、前記ハウジングを前記作用導管のアクセス・ポートに取り付けるように構成されたアタッチメント構造、
(c)前記ハウジング内に配置され、弾力的に常閉状態へ付勢された弾性弁を含むシーリング・アレンジメント、なお、前記弾性弁は、前記作用導管のアクセス・ポートを空気が通過することに抵抗する前記シーリング・アレンジメントの一部を構成し、前記弁を通して前記作用導管内へツールを挿入することを可能にするように構成されている、そして
(d)前記ハウジング内に配置した、弾性締め付けブロックと引き締め機構とを含む締め付けアレンジメントからなり、前記引き締め機構は、前記ハウジングを通して前記作用導管内へ挿入したツールをその位置でロックするため、前記弾性締め付けブロックを変形させるように手で操作可能であることを特徴とする、シーリング及びロッキング・アダプター。
【請求項2】
前記弾性締め付けブロックが、ツールを通過させるための中央締め付け孔を持つ、実質的に円筒形状のカラーとして形成される、請求項1のアダプター。
【請求項3】
前記中央締め付け孔が、少なくとも一つの内方へ突出するリッジを持つ、請求項2のアダプター。
【請求項4】
前記実質的に円筒形状のカラーが、少なくとも一つの円錐面部を持ち、前記引き締め機構は、前記中央締め付け孔に内方ロック圧を加えるために、前記少なくとも一つの円錐面部に係合するように配置した軸方向へ転位可能な要素を含む、請求項2のアダプター。
【請求項5】
前記弾性弁及び前記弾性締め付けブロックが、前記ハウジング内に配置した一体的弾性インサートとして具現される、請求項1のアダプター。
【請求項6】
前記弾性弁が、スリットを切り込んだ弾性膜として具現される、請求項1のアダプター。
【請求項7】
気管支鏡のハンドルに対して所定の関係で、アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を一時的に保持するためのクリップであって、
(a)前記気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも180°の範囲で囲うように構成された外側ブラケット、
(b)前記外側ブラケット内に配置され、前記気管支鏡のハンドルの周りを少なくとも180°の範囲で囲う柔軟な締め付け部分、
(c)前記クリップを前記気管支鏡のハンドル上に固定するために、前記外側ブラケットに係合して、前記柔軟な締め付け部分の少なくとも一部を前記外側ブラケットに対して内方へ曲げるように構成された引き締め機構、そして
(d)前記外側ブラケット及び前記柔軟な締め付け部分の少なくとも一つに相互結合され、アクセサリーを掴むように構成された一対の弾性ジョーからなる、クリップ。
【請求項8】
さらに、前記締め付け部分内に配置した弾性インサートからなる、請求項7のクリップ。
【請求項9】
前記一対の弾性ジョーが、前記柔軟な締め付け部分と一体的に形成されている、請求項7のクリップ。
【請求項10】
前記一対の弾性ジョーが、前記気管支鏡のハンドルの長さ方向に対して実質的に垂直に、前記アクセサリーの実質的に円筒形状のボディ部分を掴むように構成される、請求項7のクリップ。
【請求項11】
前記柔軟な締め付け部分が、前記気管支鏡のハンドルの周りを、少なくとも約200°の範囲で囲う、請求項7のクリップ。
【請求項12】
前記柔軟な締め付け部分が、前記気管支鏡のハンドルの周りを、約250°以下の範囲で囲う、請求項7のクリップ。
【請求項13】
気管支鏡ハンドル用の巻き付けハンドル・エクステンションであって、
(a)前記気管支鏡ハンドルを保持するための円錐スリーブを形成するように配置される、補完的な結合アレンジメントを備えた柔軟な巻き付けレイヤ、そして
(b)ユーザの手から前記円錐スリーブを吊り下げることを可能にするために、ユーザの手を受けるように構成され、前記柔軟な巻き付けレイヤに係合したハンド・ループからなる、ハンドル・エクステンション。
【請求項14】
前記補完的な結合アレンジメントが、ベルクロ結合アレンジメントの補完的な領域として具現される、請求項13のハンドル・エクステンション。
【請求項15】
さらに、前記円錐スリーブからアクセサリーを吊着するように構成され、前記柔軟な巻き付けレイヤに係合したアクセサリー・サスペンション・ストラップからなる、請求項13のハンドル・エクステンション。
【請求項16】
前記アクセサリー・サスペンション・ストラップが、解放可能なサスペンション・ループを形成するために、解放可能な結合構造を持つように構成される、請求項15のハンドル・エクステンション。
【請求項17】
先に識別した位置にツールを導くために、気管支鏡の作用導管を通して配備するためのシースであって、
(a)前記シースの全長の大部分に沿って延び、第一度の柔軟性を持つ主要シース部、そして
(b)柔軟性のより少ない近位シース部からなり、前記近位シース部及び前記主要シース部が一緒に、連続な内部管腔を区画形成し、前記近位シース部が前記主要シース部よりも低度の柔軟性を持つ、シース。
【請求項18】
前記主要シース部が、第一の材料から形成されるチューブとして具現され、前記近位シース部が、第二の材料の補強スリーブによって包囲した、前記第一の材料から形成した前記チューブの延長として具現される、請求項17のシース。
【請求項19】
さらに、前記主要シース部と共に連続な内部管腔を形成し、前記主要シース部よりも高度の柔軟性を持つ遠位シース部からなる、請求項17のシース。
【請求項20】
さらに、前記内部管腔内へツールを導くために円錐挿入ガイドを区画形成する、前記近位シース部の近位端に機械的に係合した近位端部からなる、請求項17のシース。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−519425(P2007−519425A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526007(P2006−526007)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000843
【国際公開番号】WO2005/025635
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(504386059)スーパー ディメンション リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SUPER DIMENSION LTD.
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 2045,46120 Herzelia,Israel
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000843
【国際公開番号】WO2005/025635
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(504386059)スーパー ディメンション リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SUPER DIMENSION LTD.
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 2045,46120 Herzelia,Israel
【Fターム(参考)】
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