説明

気道確保チューブ用の湾曲装置

【課題】 気道確保チューブを患者の喉において湾曲させることにより、このチューブを円滑に気管に挿入できる装置を提供する。
【解決手段】
湾曲装置1は、細長い本体10と、本体10から前方に延びた挿入部材20と、本体10に設けられた牽引機構としてのレバー30と、ワイヤ40とを備えている。挿入部材20は、着脱可能に気道確保チューブ60に挿入され、少なくとも前側部分22が弾性変形可能である。ワイヤ40は、挿入部材20に沿って延び、前端が挿入部材20の前端またはその近傍に固定され、後端がレバー30に連結され、挿入部材20と一緒にチューブ60に挿入される。レバー30の操作によりワイヤ40が牽引された時、挿入部材20の前側部分22が湾曲され、ひいてはチューブ60が湾曲され、その先端が声門に近づく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の気道を確保するためのチューブを湾曲する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交通事故等で気道を塞がれた患者に対してチューブを気管に挿し込んで気道を確保し、必要に応じてチューブから酸素を供給することは知られている。
上記チューブを挿入する際に、特許文献1に開示されているような喉頭鏡が用いられる。この喉頭鏡はブレードとハンドルを備えており、ブレードを仰向けになった患者の喉から挿入し、ハンドルを操作することによりブレードの先端で喉頭蓋を抑えて声門を露出させる。なお、喉頭鏡には、特許文献1に示すように内視鏡を一体に装備したものもあるし、装備しないものもある。
【0003】
上記のようにブレードにより声門を露出させた後に、上記チューブをブレードの長手方向に沿って声門に通し気管に挿入する。上記チューブは湾曲形状をしており、スタイレットを挿入した状態でスタイレットと一緒に患者の喉から気管に挿入される。このスタイレットはアルミ等の金属で形成されており、形状を自在に変えることができるものであり、チューブの湾曲形状に合わせて湾曲させた状態でチューブに挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−109969公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記チューブは湾曲したブレードに沿って挿入されるが、その先端位置が声門から外れることがあった。この場合、術者が患者の体外においてチューブおよびスタイレットの後端部を動かしても、チューブの先端位置を調節することが難しく、無理に挿入すると患者を傷つけることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされてものであり、気道確保チューブ用の湾曲装置において、(ア)本体と、(イ)上記本体から前方に延び、着脱可能に気道確保チューブに挿入され、少なくとも前側部分が弾性変形可能な細長い挿入部材と、(ウ)上記本体に設けられた牽引機構と、(エ)上記挿入部材に沿って延び、前端が上記挿入部材の前端またはその近傍に固定され、後端が上記牽引機構に連結され、上記挿入部材と一緒に上記気道確保チューブに挿入された状態で上記牽引機構により牽引された時に、上記挿入部材の上記前側部分を湾曲させ、ひいては上記気道確保チューブを湾曲させるワイヤと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、湾曲装置の挿入部材とワイヤを気道確保チューブに挿入した状態で、牽引機構の操作によりワイヤを牽引すると、挿入部材の前半部分が湾曲し、ひいてはチューブが湾曲する。したがって、チューブを患者の喉に挿入した状態でその先端が声門から外れている時には、患者の体外に位置する牽引機構の操作によりチューブを湾曲させてチューブの先端を声門に位置させることができるので、チューブを声門から気管へと円滑に挿入することができ、ひいては患者を傷つけるのを回避することができる。
【0008】
好ましくは、上記挿入部材の上記前側部分が自然状態で湾曲形状をなしている。
この構成によれば、チューブの湾曲方向と前側部分の湾曲方向とを一致させて挿入部材をチューブに挿入することにより、ワイヤ牽引によるチューブの前側部分の湾曲量を小さくすることができ、ひいてはワイヤの牽引量を小さくすることができる。
【0009】
好ましくは、上記挿入部材の上記前側部分が弾性材料の板からなり、この板の横断面形状が直線状をなす。
この構成によれば、挿入部材の前側部分の湾曲を安定して行うことができる。
【0010】
好ましくは、上記挿入部材の上記前側部分の板の幅は、前端に向かって徐々に狭くなっている。
この構成によれば、前側部分は前端に近いほど湾曲量が多くなるので、チューブの先端を効率良く湾曲させることができる。
【0011】
好ましくは、上記挿入部材が弾性材料の板からなり、上記前側部分の横断面形状が直線状をなし、他の部位の横断面形状がV字形をなしていて上記前側部分より曲げ剛性が高いとともに本体から直線的に延びている。
この構成では、湾曲形状の曲げ易い前側部分と真直な曲げにくい他の部分とを有する挿入部材を1つの細長い板材により構成するので、コストを低減することができる。
【0012】
好ましくは、上記本体が直線状に細長く形成され、上記挿入部がこの本体の前端から本体の軸方向に延びており、さらに、上記気道確保チューブの後端を位置決めするための筒状のストッパを備え、このストッパに上記本体が挿通されることにより、ストッパが本体に対して軸方向位置を調節可能にして設けられ、このストッパ内を上記ワイヤが通っている。
この構成によれば、ストッパによりチューブの位置決めを行うことができる。しかもチューブの長さに応じてストッパを位置調節するので、チューブを挿入部材に対して最適位置にすることができる。また、ワイヤをストッパに挿通させるため、ワイヤを安定して支持することができる。
【0013】
好ましくは、上記本体が直線状に細長く形成され、上記挿入部がこの本体の前端から本体の軸方向に延びており、上記牽引機構は、長い操作部と短い作動部とを含むレバーからなり、このレバーは、上記操作部と作動部との間で上記本体の後端に揺動可能に支持され、上記作動部に上記ワイヤの後端が連結され、上記操作部が上記本体との間の角度を減少させるように操作された時に、上記作動部が後方に変位してワイヤを牽引する。
この構成によれば、本体とレバーの操作部を一方の手で握ってレバーを本体に近づけるように操作することにより、チューブを湾曲させることができる。この本体とレバーの握り方は、他方の手による喉頭鏡のハンドルの握り方と同様であるので、操作しやすい。
【0014】
好ましくは、上記ワイヤの後端には、その長手方向に間隔をおいて複数の係止部が形成され、上記レバーの作動部には、上記ワイヤを着脱可能に収容するスリットが形成され、この作動部に上記複数の係止部の1つが選択的に係止される。
この構成によれば、チューブの径の相違に応じてワイヤの実質的な長さを変えることができるので、チューブの湾曲を円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の湾曲装置によれば、気道確保チューブを湾曲させて、このチューブの先端を患者の声門に位置させることができるので、チューブを声門から気管へと円滑に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施態様に係わる気道確保チューブ用の湾曲装置を、一部断面にして示す側面図である。
【図2】同湾曲装置の平面図である。
【図3】同湾曲装置の本体およびその近傍を拡大して示す縦断面図である。
【図4】図3においてA−A線に沿う拡大横断面図
【図5】図3においてB方向から見たレバーの拡大正面図である。
【図6】気道確保チューブを装着した上記湾曲装置の、湾曲前の状態を一部断面にして示す側面図である。
【図7】気道確保チューブを装着した上記湾曲装置の、湾曲後の状態を一部断面にして示す側面図である。
【図8】喉頭鏡を患者の喉に挿入して喉頭蓋を抑えることにより、声門を露出させた状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係わる気道確保チューブ用の湾曲装置を、図面を参照しながら説明する。図1、図2に示すように、湾曲装置1は、本体10と、この本体10の前端から延びる細長い挿入部材20と、本体10の後端に設けられた牽引機構30と、牽引機構30に牽引される1本のワイヤ40と、本体10に設けられたストッパ50とを主な構成要素として備えている。
【0018】
上記本体10は金属製でロッド形状をなし、横断面円形をなして直線状に延びた主部11と、この主部11の後端に形成された断面長方形の支持部12とを有している。
【0019】
上記挿入部材20は、1本の細長い板材からなり、この板材は金属等の弾性材料、例えばばね鋼により形成されている。
挿入部材20は、横断面がV字形をなすとともに直線状に延びる後側部分21と、横断面が直線状をなすとともに自然状態で湾曲している前側部分22とを有している。このような断面形状の相違により、後側部分21の曲げ剛性は前側部分22より大きい。後側部分21は前側部分22より長い。
挿入部材20の前側部分22は、前端に向かって幅が徐々に狭くなっている。これにより、前端に向かうにしたがって曲げ剛性が小さくなっている(すなわち曲げ易くなっている)。
【0020】
上記挿入部材20は、本体10の軸方向に延びるようにして本体10に固定されている。詳述すると、図3、図4に示すように、本体10の主部11には、その前端面に開口する軸穴13が形成されている。この軸穴13は、前側の大径部と後側の小径部とを有し、両者の間に環状の段差13aが形成されている。挿入部材20の後側部分21の端部は、段差13aに当たるまで、軸穴13の大径部に差し込まれている。さらに軸穴13の大径部には円柱形状のスペーサ14が挿入されており、この大径部に充填された接着材により、挿入部材20の後側部分21の端部が本体10とほぼ同軸をなして固定されている。
【0021】
上記挿入部材20において、前側部分22と後側部分21の延長線とのなす角度は、前端に向かって徐々に大きくなっており、前側部分22の前端と後側部分21の延長線とのなす角度は、15〜40°の範囲で選択される。
【0022】
挿入部材20の前端にはガイド部材25が固定されている。このガイド部材25の前端部は丸められており、挿入部材20が後述する気道確保チューブ60内を進む際に、チューブ60に引っ掛からないようになっている。
【0023】
次に上記牽引機構30について説明する。図1、図2に示すように、この牽引機構30は、単一部材すなわち一定幅の金属製の細長い板材を加工することにより得られたレバーからなる。以下、「レバー」に符号30を付して説明する。レバー30は、平坦な支持部31と、この支持部31の一端に連なり支持部31と鈍角をなして交わる長い操作部32と、この支持部31の他端に連なり支持部31と鈍角をなして交わる短い作動部33とを有している。
【0024】
図3、図5に最も良く示すように、上記支持部31には長穴31aが形成されており、この長穴31aに上記本体10の支持部12が挿入されることにより、上記レバー30が揺動可能に支持されている。上記レバー30の作動部33の端部は後方に折り返されており、この折り返し部には後述するワイヤ40を連結するためのスリット33aが形成されている。
【0025】
次に、上記ワイヤ40について詳述する。本実施形態のワイヤ40は金属の単線からなり、本体10および挿入部材20に沿って延び、その前端が挿入部材20の前端またはその近傍に固定され、後端がレバー30の作動部33に連結されている。ワイヤ40の後端には、複数例えば2つのボール41(係止部)が長手方向に間隔をおいて固定されている。このワイヤ40の後端を上記レバー30の作動部33のスリット33aに挿入し、選択された1つのボール41を作動部33の折り返し部に係止させることにより、ワイヤ40の後端がレバー30の作動部33に着脱可能に連結されている。
【0026】
上記ストッパ50は後述する気道確保チューブ60を位置決めするためのものであり、筒形状をなしている。このストッパ50に上記本体10の主部11が緩く挿入されている。これによりストッパ50は本体10に対してスライド可能かつ位置調節可能に支持されている。
【0027】
上記ストッパ50の軸方向中間部の外周には係止鍔51が形成されている。ストッパ50において係止鍔51より前側の筒部52が後述する気道確保チューブ60の後端に挿入される。
上記ストッパ50において係止鍔51より後側の筒部53には、ねじ54がねじ込まれている。このねじ54が本体10の主部11の外周に強く当たることにより、ストッパ50が所望位置で本体10に固定されるようになっている。
【0028】
上記ワイヤ40は、上記ストッパ50内を通っている。本実施形態では図3、図4に示すように、本体10の主部11の外周に、軸方向に延びる溝11aが形成されており、この溝11aにワイヤ40が収容されている。
【0029】
ここで、各構成要素の位置関係について、図1の紙面を仮想平面と定義して説明する。上記本体10と挿入部材20とワイヤ40は、上記レバー30の支持部31、操作部32、作動部33とともに、この仮想平面上に配置されている。上記本体10の溝11aもこの仮想平面上に配置されている。挿入部材20の前側部分22の板面は、この仮想平面と直交している。挿入部材20とワイヤ40は、その長手方向と直交する方向に互いに離れている。
【0030】
上記構成をなす湾曲装置1の作用を説明する。この湾曲装置1にディスポーザルの気道確保チューブ60が装着される。
図6に示すように、気道確保チューブ60は、軟質樹脂製のチューブ本体61と、硬質樹脂製のアタッチメント62により構成されている。チューブ本体61は図示のように自然状態で緩やかに湾曲している。アタッチメント62は、小径の筒部62aと大径の筒部62bとを有しており、小径の筒部62aがチューブ本体61の後端に圧入されることにより、チューブ本体61とアタッチメント62とが連結されている。
【0031】
上記湾曲装置1の挿入部材20が上記チューブ60に挿入される。挿入部材20の前側部分22の湾曲形状とチューブ60の湾曲形状は必ずしも一致しないが、湾曲方向を同じにした状態で挿入される。
【0032】
上記ストッパ50の前側の筒部52が上記チューブ60のアタッチメント62の筒部62bに緩く入り込み、ストッパ50の係止鍔51が筒部62bの後端に当たることにより、チューブ60の位置決めがなされる。最適の位置決め状態では、挿入部材20の先端のガイド部材25は、チューブ60の先端近傍に位置しこの先端より少し引っ込んでいる。
【0033】
チューブ60の長さおよび径は、患者に応じて選択される。チューブ60の長さに応じてストッパ50の位置を調節する。すなわち、チューブ60が長い時にはストッパ50を後退させ、チューブ60が短い時にはストッパ50を前進させる。
また、チューブ60の径に応じて、レバー30の作動部33に係止されるべきワイヤ40のボール41を選択する。すなわち、チューブ60の径が小さい場合には、後側のボール41を作動部33に係止させ、チューブ60の径が大きい場合には前側のボール41を作動部33に係止させる。
【0034】
次に、患者の気道を確保する作業について説明する。まず、図8に示すように患者を仰向けにした状態で、術者は喉頭鏡70のハンドル71を手で持ち、ブレード72を患者の口100から挿入して喉101に通し、ブレード72の先端部を喉頭蓋102に位置させる。次に、ブレード72の後端部を上顎103に当て、ハンドル71を操作してブレード72を回動させることにより、ブレード72の先端部で喉頭蓋102を上方へ抑え付け、声門104を露出させる。なお、喉頭鏡70の照明手段および観察手段の図示および説明は省く。
【0035】
次に、上記湾曲装置1に装着された気道確保チューブ60を、図8の矢印Cで示すようにブレード72に沿って挿入する。この際、喉頭蓋102がブレード72に抑えられていて声門104が露出しているので、チューブ60は声門104を通って気管105にまで挿入することができる。
【0036】
上記チューブ60を挿入する際、その先端の位置が声門104と一致しないこともある。この場合には、図7に示すようにレバー30の操作部32を本体10に近づける方向に移動させて、レバー30の作動部33を後方へ変位させることにより、ワイヤ40を引っ張る。この操作は、本体10とレバー30の操作部32を一方の手で握って行う。より具体的には人指し指から小指を本体10に掛け、親指の根元を操作部32に当てた状態で行う。この本体10とレバー30の握り方は、他方の手による喉頭鏡70のハンドル71の握り方と同様であるので、操作しやすい。
【0037】
上記ワイヤ40がチューブ60の内壁に当たり長手方向と直交する方向の変位が禁じられるので、上記のようにワイヤ40が引っ張られると、挿入部材20の前側部分22が湾曲され、その前端が後方へ変位される。その結果、挿入部材20の前端に固定されたガイド部材25がチューブ60の内壁を押してチューブ60を湾曲させ、チューブ60の先端を声門104に近づけることができる。その後で、チューブ60を声門104に通し、気管105に挿入する。
【0038】
チューブ60を気管105に挿入した後、喉頭鏡70のブレード72を患者から抜き取り、さらに湾曲装置1の挿入部材20をチューブ60から抜き取る。このようにしてチューブ60により気道を確保する。また、必要に応じてチューブ60から酸素を供給する。
上記湾曲装置1は消毒後、他の患者に対して再使用可能であるが、チューブ60は使用後に廃棄される。
【0039】
本発明は、上記実施例に制約されず、種々の態様を採用することができる。例えば、挿入部材は、前側部分を含めその全長にわたって自然状態で直線状であってもよい。
挿入部材の前側部分を上記実施形態と同様に板で形成し、後側部分を棒状またはパイプにより真直ぐに形成するとともに、曲げ剛性を高くしてもよい。
挿入部材は全長にわたって弾性変形可能であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、患者の気道を確保するためのチューブを湾曲するために適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 本体
20 挿入部材
21 後側部分
22 前側部分
30 レバー(牽引機構)
32 操作部
33 作動部
33a スリット
40 ワイヤ
41 ボール(係止部)
50 ストッパ
60 気道確保チューブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(ア)本体と、
(イ)上記本体から前方に延び、着脱可能に気道確保チューブに挿入され、少なくとも前側部分が弾性変形可能な細長い挿入部材と、
(ウ)上記本体に設けられた牽引機構と、
(エ)上記挿入部材に沿って延び、前端が上記挿入部材の前端またはその近傍に固定され、後端が上記牽引機構に連結され、上記挿入部材と一緒に上記気道確保チューブに挿入された状態で上記牽引機構により牽引された時に、上記挿入部材の上記前側部分を湾曲させ、ひいては上記気道確保チューブを湾曲させるワイヤと、
を備えたことを特徴とする気道確保チューブ用の湾曲装置。
【請求項2】
上記挿入部材の上記前側部分が自然状態で湾曲形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の気道確保チューブ用の湾曲装置。
【請求項3】
上記挿入部材の上記前側部分が弾性材料の板からなり、この板の横断面形状が直線状をなすことを特徴とする請求項1または2に記載の気道確保チューブ用の湾曲装置。
【請求項4】
上記挿入部材の上記前側部分の板の幅は、前端に向かって徐々に狭くなっていることを特徴とする請求項3に記載の気道確保チューブ用の湾曲装置。
【請求項5】
上記挿入部材が弾性材料の板からなり、上記前側部分の横断面形状が直線状をなし、他の部位の横断面形状がV字形をなしていて上記前側部分より曲げ剛性が高いとともに本体から直線的に延びていることを特徴とする請求項2に記載の気道確保チューブ用の湾曲装置。
【請求項6】
上記本体が直線状に細長く形成され、上記挿入部がこの本体の前端から本体の軸方向に延びており、
さらに、上記気道確保チューブの後端を位置決めするための筒状のストッパを備え、このストッパに上記本体が挿通されることにより、ストッパが本体に対して軸方向位置を調節可能にして設けられ、このストッパ内を上記ワイヤが通っていることを特徴とする請求項1に記載の気道確保チューブ用の湾曲装置。
【請求項7】
上記本体が直線状に細長く形成され、上記挿入部がこの本体の前端から本体の軸方向に延びており、
上記牽引機構は、長い操作部と短い作動部とを含むレバーからなり、このレバーは、上記操作部と作動部との間で上記本体の後端に揺動可能に支持され、上記作動部に上記ワイヤの後端が連結され、
上記操作部が上記本体との間の角度を減少させるように操作された時に、上記作動部が後方に変位してワイヤを牽引することを特徴とする請求項1に記載の気道確保チューブ用の湾曲装置。
【請求項8】
上記ワイヤの後端には、その長手方向に間隔をおいて複数の係止部が形成され、上記レバーの作動部には、上記ワイヤを着脱可能に収容するスリットが形成され、この作動部に上記複数の係止部の1つが選択的に係止されることを特徴とする請求項7に記載の気道確保チューブ用の湾曲装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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