水中カメラ撮影装置
【技術課題】
有人ボートでは接近できない危険場所へも接近しながら水中撮影できる装置を提供する。
【解決手段】
リモコンボート1から水中カメラ取付枠20をウインチ2、ワイヤー9で降し、水流に対向するように水中カメラ取付枠20に取り付けられた水中カメラ28の向きを設定しながら水中撮影を行う。
水中カメラ28で撮影した映像信号は、ケーブル14からリモコンボート1上の映像信号送信手段6、アンテナ6aを介して地上のモニタ及び記録装置へ送り、地上において水中観察を行うことができるようにする。
有人ボートでは接近できない危険場所へも接近しながら水中撮影できる装置を提供する。
【解決手段】
リモコンボート1から水中カメラ取付枠20をウインチ2、ワイヤー9で降し、水流に対向するように水中カメラ取付枠20に取り付けられた水中カメラ28の向きを設定しながら水中撮影を行う。
水中カメラ28で撮影した映像信号は、ケーブル14からリモコンボート1上の映像信号送信手段6、アンテナ6aを介して地上のモニタ及び記録装置へ送り、地上において水中観察を行うことができるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海、川、ダム、湖等において、水中の生物あるいは水底の状況あるいは水中環境あるいは水中で行う養殖生物等の生育状況の調査に用いられる水中カメラ撮影装置に関し、更に詳しくは、リモコンボートから水中に降した水中カメラを用いて水中撮影を行い、この映像を地上においてモニターすることができる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中カメラを用いて水中生物の生態観察を行ったり、環境調査を行う装置として、特許文献1には、遠隔作業用水中ロボットに水中撮影用のカメラを搭載した内容のものが紹介されている。
【0003】
しかし、この装置の場合、水中ロボットに搭載しているため、この水中ロボットの製作にコストがかかるばかりでなく、水中あるいは水底に障害物としての水中植物や岩場が多い場合には、目的の撮影ポイントに接近することができなかったり、水中移動ができない場合がある。
【0004】
また、特許文献2には、水中可動式撮影・観測装置が紹介されている。
【0005】
この観測装置は、ロープ等に機器を取り付けて行う水中での長時間撮影・観測において複数の機器が多方位に向けた取付が可能であり、ロープ間を移動させること及び正確な水流方向を向くことができ、製作費が安く軽量且つ簡単な操作性が望める撮影・観測装置として、円筒状の本体パイプ1aに機器の方位や角度が変えられる複数の機器取付台座3、機器保持アーム6、水流板4、ストッパー2を取り付けた装置本体1に機器設置・曳航用ロープセット7のロープ7aを通し、装置本体1はロープ7a間の任意の位置でストッパー2により留めることが可能でありかつ水流を受けた水流板4の動作によりストッパー2を軸受けとしてロープ7aを中心に回転できる構造とした内容である。
【0006】
しかし、この観測装置の場合、水流板4を用いてカメラの方向を水流に対向させる工夫がなされているが、水流板4は受圧面が広いため、水中における微妙な水流の変化をそのまま受ける。この結果、水中カメラはこの微妙な水流の影響によりその向きが変動するため、映像にブレが発生して鮮明な映像での観察がしにくいという欠点がある。
【0007】
また、この観測装置の場合、装置はロープ7aに取り付けられているが、このロープ7aを船上から降したり、引き揚げる場合にどのような手段をとるのか、その手段が開示されておらず、特に水中カメラと船上を結ぶ通信ケーブルの処理が全く不明である。
【0008】
しかし、水中での撮影の場合、水中カメラを同一水深だけで撮影する場合は少く、水中カメラの位置を調整するためにロープやケーブルの巻き揚げや降下は必須であり、これを自動制御で出来るようにしないと、水中の状況に合わせた多角的な観察は不可能である。
【0009】
また、特許文献2の場合、水面のブイと水底の錘との間にはロープ7aを張る必要があるため、撮影準備に手間と時間がかかり、更に水中を移動しながら撮影できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−138824号公報
【特許文献2】特開2010−141623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題の第1は、危険で人が近づけない場所でも撮影可能な水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0012】
更に第2の課題は、水中カメラの位置を目標の水深に自動制御することができると共に水中の障害物に左右されることなく、岩の間や岩陰などをも自由に撮影することが可能な水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0013】
更に第3の課題は、水中における微妙な水の流れの影響を受けることなく、鮮明な映像を送信することができる水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0014】
更に第4の課題は、リモコンボート上に搭載した水中カメラ用ケーブルの捲き取り装置及び水中カメラ昇降装置を地上から遠隔操作したり、水中カメラで撮影した映像を無線通信回線を経由して地上のモニターあるいは映像記録装置に送信できる水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0015】
更に第5の課題は、リモコンボートにより水中カメラを水中で移動しながら撮影可能な水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0016】
更に、第6の課題は、養殖中の生物類を同時に多角的に撮影することにより生育状態を観察することができる水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0017】
更に、第7の課題は、誰にでも手軽に使用することができると共に安価な水中カメラ撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記した1〜7の課題を解決するために提供する本発明の構成は次のとおりである。
【0019】
先ず、請求項1に記載の発明は、a.地上からの無線通信手段によりボートの走行を制御する遠隔制御手段と、水中カメラ取付枠から延長されたワイヤーを介して前記水中カメラ取付枠に取り付けられた水中カメラを昇降させる水中カメラ自動昇降手段と、前記水中カメラから延長されたケーブルを2本の回転ドラム間に挟んで手繰り寄せ、かつこの手繰り寄せたケーブルを自然落下させることにより輪状に整えて収容するケーブル収容桶から成るケーブル自動捲き取り手段と、水中カメラで撮影された映像信号を地上のモニターへ送信する映像信号送信手段と、を搭載したリモコンボートと、
b.前記水中カメラ自動昇降手段から水中に垂下されたワイヤーの先端が垂直支軸の上端に繋がれていると共にこの垂直支軸に対して軸受環を介して回転自在に吊設された前記水中カメラ取付枠と、
c.前記水中カメラ取付枠の軸受環に基部が結ばれ、かつ水平方向に延長されていて、水流の抵抗を受けて水中カメラの向きを水流に対向する方向に制御する方向制御手段と、
d.前記水中カメラ取付枠に対して向き角度設定自在に取り付けられていると共に前記ケーブルを経由して制御信号を受信し、かつ撮影した映像信号を前記リモコンボートに搭載された映像信号送信手段により地上へ送信可能な水中カメラと、から成ることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水中カメラ撮影装置において、前記水中カメラ取付枠には、水流に流されるのを防ぐために錘が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の水中カメラ撮影装置において、前記水中カメラ取付枠には、増設水中カメラ取付枠が水平方向に向けて着脱自在に取り付けられていると共にこの増設水中カメラ取付枠には増設用の水中カメラが取り付けられていることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の水中カメラ撮影装置において、前記方向制御手段は、前記軸受環に直接その基部が固定された基桿と、この基桿の先端に結ばれた柔軟性を有する流し紐又はベルトとから成ることを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の水中カメラ撮影装置において、前記軸受環から後向きにケーブル支持バーを突設し、前記水中カメラから延長されたケーブルをこの支持バーの先端のガイド環を経由してリモコンボート上の前記映像信号送信手段に結び、水中でケーブルが絡み合わないように構成して成ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の効果は次のとおりである。
【0025】
1.請求項1に記載の発明によると、リモコンボートを地上で遠隔操作しながら水中カメラを任意のポイントへ移動しながら撮影を行い、この映像を地上に無線送信し、これを地上のモニターで観察したり、あるいは記録装置に記録することができる。
【0026】
2.また、請求項1の発明によると、リモコンボートには、水中カメラを水中に降下させることができる水中カメラ自動昇降手段と、カメラからのケーブルをリモコンボート上で自動的に捲き取る手段を搭載したことにより、水中カメラを任意の水深まで降下させて撮影ができると共に水中カメラを昇降させるワイヤーと通信用のケーブルをそれぞれ分離したことにより、ワイヤーの巻きとりとケーブルのたぐりよせをスムーズに行うことができる。
【0027】
3.また、請求項1に記載の発明によると、ケーブルは2本の回転ドラムにより挟んで手繰り寄せ、これをケーブル収容桶内に自然落下させるようにしたため、ケーブルはケーブル収容桶内において輪状(とぐろまき)の形態で収容されることから、次に水中カメラを水中に降下させる場合、輪状のケーブルはそのまま解けてスムーズに降下することから、無人のリモコンボート利用においてもケーブルの処理に支障がない。
【0028】
4.また、請求項1に記載の発明によると、カメラ取付枠は、方向制御手段により水中カメラを水流に対して対向する方向(上流方向)に制御するため、特に水流のある川での観察において、常に水中カメラを安定的に上流又は水中カメラの向きを後向きに調整して下流方向を撮影することができる。
【0029】
5.また、請求項1に記載の発明によると、水中カメラの向きを上下方向に設定したり、水中カメラ取付枠を回転させることにより水中カメラの向きを左右方向に調整したりして撮影を行うことができる。
【0030】
6.また、請求項2に記載の発明によると、水中カメラ取付枠には錘が取り付けられているため、水中で水中カメラ取付枠が踊ったりせず、水中カメラの向きを安定させることができる。
【0031】
7.また、請求項3に記載の発明によると、複数台の水中カメラを用いて同時に多角的な撮影が可能である。
【0032】
8.また、請求項4に記載の発明によると、流し紐により水中カメラの向きを水流方向に向けて合わせるようにしたため、前記特許文献2の水流板のように小さな水流の影響を受けにくい。
【0033】
9.また、請求項5に記載の発明によると、ケーブル支持バーの作用で一台の水中カメラのときはケーブルとワイヤーが絡みつく心配がなく、また複数台の水中カメラのときは複数本のケーブルが互いに絡みつく心配がない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明装置の全体の構成を示す説明図。
【図2】図1を上方から見た説明図。
【図3】リモコンボート部分の説明図。
【図4】リモコンボート上のケーブル自動捲き取り手段の説明図。
【図5】ワイヤー自動捲き取り手段とワイヤー収容桶の説明図。
【図6】ケーブル捲取装置の説明図。
【図7】図6の平面図。
【図8】水中カメラ取付枠と水中カメラ及びケーブル支持バーの説明図。
【図9】水中カメラ取付枠に取り付けられた水中カメラ及び錘の説明図。
【図10】水中カメラ取付枠に更に2台の水中カメラを増設した状態の説明図。
【図11】水中カメラ取付枠に対する増設水中カメラ取付枠の取り付け部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明に係る水中カメラ撮影装置は、海、川、湖、ダム等において、水中あるいは水底の環境及び水中生物の生態等をカメラで撮影しながらモニタ観察する際に用いられる。
【0036】
特徴としては、水中カメラを小型のリモコンボート(ラジコンボート)により水中を移動させながら、あるいは撮影ポイントまで移動させて撮影するのに適した撮影装置である。
【0037】
また、この撮影装置は、有人ボートでは危険で近づけない水域まで入り込んだり、水中の岩陰等の狭い場所に入り込んで撮影が可能であると共に川のように水の流れがあったり、水中において水流が複雑に変化する領域においても水中カメラの向きを安定させて鮮明な映像を地上に送り届けることができる撮影装置である。
【0038】
装置としては小型に構成されていて、小型のリモコンボートに搭載して使用することができると共にその使用は素人でも可能であり、更に遠隔操作で水中カメラを任意の水深まで降下させたり、引き揚げたりすることができる点に特徴がある。
【実施例1】
【0039】
上記した特徴を有する本発明の実施例1を図1〜図9に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明の全体構成を示し、この図1において、符号の1はリモコンボートであって、このリモコンボート1は、電動モータで推進し、排煙や油流出、騒音のない環境対策型のものである。
【0041】
そして、リモコンボート1には、後述する水中カメラ取付枠を昇降する手段としてのウインチ2と、後述する水中カメラに結ばれた電源及び信号送信用のケーブル繰り寄せ用の2本の回転ドラム3、3aと、この回転ドラム3、3aで繰り寄せたケーブルを自然落下させて輪状に収容するケーブル収容桶4から成るケーブル自動捲き取り手段と、地上との送受信及びリモコンボート1の駆動モータ(図示せず)の運転及び前記ウインチ2、及び繰り寄せドラム3、3aの運転を制御する制御装置5及びアンテナ6a付の映像信号送信手段6が搭載されている。
【0042】
図1において、7はケーブルの昇降をガイドするガイドローラ、8はケーブルを回転ドラム3a側に押えてケーブルが走行中左右に踊るのを防ぐ押えローラである。
【0043】
更に詳しく前記したリモコンボート1に搭載されたウインチ2、回転ドラム3、3a、ケーブル収容桶4、制御装置5、映像信号送信手段6を図2〜7を用いて説明する。
【0044】
ウインチ2は、制御装置5からの信号を受けてモータ(図示せず)で駆動され、後述の水中カメラ取付枠20に先端(下端)10(図1参照)が結ばれたワイヤー9を捲き揚げてウインチ2の捲取ドラムに捲き取ったり、ワイヤー9を解いて水中カメラ取付枠20を水中に下降させることができる。
【0045】
回転ドラム3、3aは、図6、7に示すように、鼓状のドラムを対向させて組み合せ、中央に出来た挟み空間11内に上方からケーブル14を下向きに通し、モータ12、13の回転軸12a、13aを介して対向するように回転させてケーブル14を繰り寄せて自然落下させる構成である。
【0046】
また、上記回転ドラム3、3aの挟み空間11の真下には、上向きにケーブル収容桶15が配置されていて、回転ドラム3、3aにより繰り寄せられたケーブル14は自身の弾性の作用と自然落下の作用でケーブル収容桶15の底部にとぐろ巻き状態14aで収容される。
【0047】
上記ケーブル14の先端14bは映像信号送信手段6に結ばれ、水中カメラ28の映像は送受信アンテナ6aから地上のモニター及び記録装置へ送信される。
【0048】
上記ウインチ2のモータ(図示せず)及び回転ドラム3、3aのモータ12、13は、制御装置5によりワイヤー9とケーブル14が同一スピードで上昇又は下降するように同期運転される。
【0049】
16はケーブル収容桶15の蓋体であって、中央にケーブル落下穴16aが形成され、ケーブル14はこの落下穴16aから内部に自然落下する。
【0050】
図5において、17はバッテリー、18はリモコンボート1の推進モータ、19は運転制御装置である。
【0051】
なお、リモコンボート1には、幅500mm、長さ1500mm、重量15kgの大きさのものを使用した。
【0052】
次に、水中カメラ取付枠20の構成を図8、図9を用いて詳細に説明する。
【0053】
水中カメラ取付枠20は、上記したワイヤー9の先端10が結ばれた支軸21と、この支軸21に回転自在に外嵌された軸受環22と、この軸受環22から下向きに形成された二岐状のフレーム23、23aと、このフレーム23、23aの下端に取り付けられた錘24、24aから成り、この水中カメラ取付枠20は、軸受環22に対してビス25を介して抜け止めが図られている。
【0054】
26は前記軸受環22から水平方向に突出させたケーブル支持バー(兼水流制御バー)であって、この支持バー26の先端に形成した環27を経由してケーブル14が次に説明する水中カメラ28に結ばれたケーブル14を水中カメラ取付枠20から離すことにより、ワイヤー9や水中カメラ取付枠20に絡み付くのを防止している。
【0055】
水中カメラ28は、フレーム23、23aによりその両サイドが胴体部29がクッション材付のバンド28cで上下方向に回転自在に取り付けられていて、固定ビス30、30aを締め付けることにより、水中カメラ28の向きを正面(水平)から上方に約75°、真下方向から反対後方に約75°その向きを変更して固定することができる。
【0056】
水中カメラ28は、平面中央に水中カメラ(テレビカメラ)31を置き、この周囲に照明ランプ32を配置した構成となっていて、水中カメラ31で撮影した映像信号は、ケーブル14を経由してリモコンボート1上の映像信号送信手段6から地上のモニタ及び記録装置へ送信される。
【実施例2】
【0057】
以上に説明した水中カメラ取付枠20は、水中カメラ28を一台取り付けたケースであるが、本実施例2では、請求項3に記載した2台の水中カメラ28a、28bを増設する発明の実施例を図10及び図11に基づいて詳細に説明する。
【0058】
図10、11において、増設した水中カメラ28a、28bは、水中カメラ28と同様にその向きをビス30、30aにより設定することができ、この水中カメラ28a、28bを取り付けた増設水中カメラ取付枠32は前記水中カメラ取付枠20に設けた増設水中カメラ取付枠32の取付部20aにボルトとナット33でその基部32aが着脱自在に取り付けられていて、水平バー35に増設水中カメラ28aは右向きに、増設水中テレビカメラ28bは左向きにフレーム31a、31b間にビス30、30aで取り付けられていることにより、水中カメラ28の正面に対して左右方向の撮影を同時に行うことができる。
【0059】
図10、11において、36は軸受環32から水平方向に突出させた丸鋼であって、この丸鋼36には柔軟な紐又はベルト37が結ばれていて、紐又はベルト37が水流に流されて水中カメラ取付枠20の向きを上流に向ける。
【0060】
なお、この水流方向へ向ける機能は、前記ケーブル支持バー26及びケーブル14も持っており、支持バー26とケーブル14は水流に流されるため、水中カメラ取付枠20を上流方向に向ける作用を助勢しており、この水中カメラ取付枠20(水中カメラ28、28a、28b)の向きを水中で決定する手段は、板状でない限り任意である。
【0061】
以上に説明した実施例の水中カメラ撮影装置は、地上において水中カメラ28、28a、28bの向きを設定し、ウインチ2及び回転ドラム3、3aを同時に駆動しながら水中カメラ取付枠20を水中に降し、リモコンボート1を遠隔操作しながら水中での撮影を行うもので、無人のリモコンボート1を使用しているため、有人では接近できない危険な場所へも接近しながら撮影を行うことができる。
【0062】
また、ケーブル14は、リモコンボート1上において回転ドラム3、3aにより繰り寄せ、ケーブル収容桶5内に輪状に収容することにより、再度水中カメラ取付枠20を水中に降す際に、ケーブル14はスムーズに解けて出て行く。
【符号の説明】
【0063】
1 リモコンボート
2 ウインチ
3、3a 回転ドラム
4 ケーブル収容桶
9 ワイヤー
14 ケーブル
20 水中カメラ取付枠
21 支軸
22 軸受環
23、23a フレーム
26 ケーブル支持バー
28 水中カメラ
28a、28b 増設水中カメラ
32 増設水中カメラ取付枠
【技術分野】
【0001】
本発明は、海、川、ダム、湖等において、水中の生物あるいは水底の状況あるいは水中環境あるいは水中で行う養殖生物等の生育状況の調査に用いられる水中カメラ撮影装置に関し、更に詳しくは、リモコンボートから水中に降した水中カメラを用いて水中撮影を行い、この映像を地上においてモニターすることができる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中カメラを用いて水中生物の生態観察を行ったり、環境調査を行う装置として、特許文献1には、遠隔作業用水中ロボットに水中撮影用のカメラを搭載した内容のものが紹介されている。
【0003】
しかし、この装置の場合、水中ロボットに搭載しているため、この水中ロボットの製作にコストがかかるばかりでなく、水中あるいは水底に障害物としての水中植物や岩場が多い場合には、目的の撮影ポイントに接近することができなかったり、水中移動ができない場合がある。
【0004】
また、特許文献2には、水中可動式撮影・観測装置が紹介されている。
【0005】
この観測装置は、ロープ等に機器を取り付けて行う水中での長時間撮影・観測において複数の機器が多方位に向けた取付が可能であり、ロープ間を移動させること及び正確な水流方向を向くことができ、製作費が安く軽量且つ簡単な操作性が望める撮影・観測装置として、円筒状の本体パイプ1aに機器の方位や角度が変えられる複数の機器取付台座3、機器保持アーム6、水流板4、ストッパー2を取り付けた装置本体1に機器設置・曳航用ロープセット7のロープ7aを通し、装置本体1はロープ7a間の任意の位置でストッパー2により留めることが可能でありかつ水流を受けた水流板4の動作によりストッパー2を軸受けとしてロープ7aを中心に回転できる構造とした内容である。
【0006】
しかし、この観測装置の場合、水流板4を用いてカメラの方向を水流に対向させる工夫がなされているが、水流板4は受圧面が広いため、水中における微妙な水流の変化をそのまま受ける。この結果、水中カメラはこの微妙な水流の影響によりその向きが変動するため、映像にブレが発生して鮮明な映像での観察がしにくいという欠点がある。
【0007】
また、この観測装置の場合、装置はロープ7aに取り付けられているが、このロープ7aを船上から降したり、引き揚げる場合にどのような手段をとるのか、その手段が開示されておらず、特に水中カメラと船上を結ぶ通信ケーブルの処理が全く不明である。
【0008】
しかし、水中での撮影の場合、水中カメラを同一水深だけで撮影する場合は少く、水中カメラの位置を調整するためにロープやケーブルの巻き揚げや降下は必須であり、これを自動制御で出来るようにしないと、水中の状況に合わせた多角的な観察は不可能である。
【0009】
また、特許文献2の場合、水面のブイと水底の錘との間にはロープ7aを張る必要があるため、撮影準備に手間と時間がかかり、更に水中を移動しながら撮影できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−138824号公報
【特許文献2】特開2010−141623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題の第1は、危険で人が近づけない場所でも撮影可能な水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0012】
更に第2の課題は、水中カメラの位置を目標の水深に自動制御することができると共に水中の障害物に左右されることなく、岩の間や岩陰などをも自由に撮影することが可能な水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0013】
更に第3の課題は、水中における微妙な水の流れの影響を受けることなく、鮮明な映像を送信することができる水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0014】
更に第4の課題は、リモコンボート上に搭載した水中カメラ用ケーブルの捲き取り装置及び水中カメラ昇降装置を地上から遠隔操作したり、水中カメラで撮影した映像を無線通信回線を経由して地上のモニターあるいは映像記録装置に送信できる水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0015】
更に第5の課題は、リモコンボートにより水中カメラを水中で移動しながら撮影可能な水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0016】
更に、第6の課題は、養殖中の生物類を同時に多角的に撮影することにより生育状態を観察することができる水中カメラ撮影装置を提供することである。
【0017】
更に、第7の課題は、誰にでも手軽に使用することができると共に安価な水中カメラ撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記した1〜7の課題を解決するために提供する本発明の構成は次のとおりである。
【0019】
先ず、請求項1に記載の発明は、a.地上からの無線通信手段によりボートの走行を制御する遠隔制御手段と、水中カメラ取付枠から延長されたワイヤーを介して前記水中カメラ取付枠に取り付けられた水中カメラを昇降させる水中カメラ自動昇降手段と、前記水中カメラから延長されたケーブルを2本の回転ドラム間に挟んで手繰り寄せ、かつこの手繰り寄せたケーブルを自然落下させることにより輪状に整えて収容するケーブル収容桶から成るケーブル自動捲き取り手段と、水中カメラで撮影された映像信号を地上のモニターへ送信する映像信号送信手段と、を搭載したリモコンボートと、
b.前記水中カメラ自動昇降手段から水中に垂下されたワイヤーの先端が垂直支軸の上端に繋がれていると共にこの垂直支軸に対して軸受環を介して回転自在に吊設された前記水中カメラ取付枠と、
c.前記水中カメラ取付枠の軸受環に基部が結ばれ、かつ水平方向に延長されていて、水流の抵抗を受けて水中カメラの向きを水流に対向する方向に制御する方向制御手段と、
d.前記水中カメラ取付枠に対して向き角度設定自在に取り付けられていると共に前記ケーブルを経由して制御信号を受信し、かつ撮影した映像信号を前記リモコンボートに搭載された映像信号送信手段により地上へ送信可能な水中カメラと、から成ることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水中カメラ撮影装置において、前記水中カメラ取付枠には、水流に流されるのを防ぐために錘が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の水中カメラ撮影装置において、前記水中カメラ取付枠には、増設水中カメラ取付枠が水平方向に向けて着脱自在に取り付けられていると共にこの増設水中カメラ取付枠には増設用の水中カメラが取り付けられていることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の水中カメラ撮影装置において、前記方向制御手段は、前記軸受環に直接その基部が固定された基桿と、この基桿の先端に結ばれた柔軟性を有する流し紐又はベルトとから成ることを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の水中カメラ撮影装置において、前記軸受環から後向きにケーブル支持バーを突設し、前記水中カメラから延長されたケーブルをこの支持バーの先端のガイド環を経由してリモコンボート上の前記映像信号送信手段に結び、水中でケーブルが絡み合わないように構成して成ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の効果は次のとおりである。
【0025】
1.請求項1に記載の発明によると、リモコンボートを地上で遠隔操作しながら水中カメラを任意のポイントへ移動しながら撮影を行い、この映像を地上に無線送信し、これを地上のモニターで観察したり、あるいは記録装置に記録することができる。
【0026】
2.また、請求項1の発明によると、リモコンボートには、水中カメラを水中に降下させることができる水中カメラ自動昇降手段と、カメラからのケーブルをリモコンボート上で自動的に捲き取る手段を搭載したことにより、水中カメラを任意の水深まで降下させて撮影ができると共に水中カメラを昇降させるワイヤーと通信用のケーブルをそれぞれ分離したことにより、ワイヤーの巻きとりとケーブルのたぐりよせをスムーズに行うことができる。
【0027】
3.また、請求項1に記載の発明によると、ケーブルは2本の回転ドラムにより挟んで手繰り寄せ、これをケーブル収容桶内に自然落下させるようにしたため、ケーブルはケーブル収容桶内において輪状(とぐろまき)の形態で収容されることから、次に水中カメラを水中に降下させる場合、輪状のケーブルはそのまま解けてスムーズに降下することから、無人のリモコンボート利用においてもケーブルの処理に支障がない。
【0028】
4.また、請求項1に記載の発明によると、カメラ取付枠は、方向制御手段により水中カメラを水流に対して対向する方向(上流方向)に制御するため、特に水流のある川での観察において、常に水中カメラを安定的に上流又は水中カメラの向きを後向きに調整して下流方向を撮影することができる。
【0029】
5.また、請求項1に記載の発明によると、水中カメラの向きを上下方向に設定したり、水中カメラ取付枠を回転させることにより水中カメラの向きを左右方向に調整したりして撮影を行うことができる。
【0030】
6.また、請求項2に記載の発明によると、水中カメラ取付枠には錘が取り付けられているため、水中で水中カメラ取付枠が踊ったりせず、水中カメラの向きを安定させることができる。
【0031】
7.また、請求項3に記載の発明によると、複数台の水中カメラを用いて同時に多角的な撮影が可能である。
【0032】
8.また、請求項4に記載の発明によると、流し紐により水中カメラの向きを水流方向に向けて合わせるようにしたため、前記特許文献2の水流板のように小さな水流の影響を受けにくい。
【0033】
9.また、請求項5に記載の発明によると、ケーブル支持バーの作用で一台の水中カメラのときはケーブルとワイヤーが絡みつく心配がなく、また複数台の水中カメラのときは複数本のケーブルが互いに絡みつく心配がない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明装置の全体の構成を示す説明図。
【図2】図1を上方から見た説明図。
【図3】リモコンボート部分の説明図。
【図4】リモコンボート上のケーブル自動捲き取り手段の説明図。
【図5】ワイヤー自動捲き取り手段とワイヤー収容桶の説明図。
【図6】ケーブル捲取装置の説明図。
【図7】図6の平面図。
【図8】水中カメラ取付枠と水中カメラ及びケーブル支持バーの説明図。
【図9】水中カメラ取付枠に取り付けられた水中カメラ及び錘の説明図。
【図10】水中カメラ取付枠に更に2台の水中カメラを増設した状態の説明図。
【図11】水中カメラ取付枠に対する増設水中カメラ取付枠の取り付け部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明に係る水中カメラ撮影装置は、海、川、湖、ダム等において、水中あるいは水底の環境及び水中生物の生態等をカメラで撮影しながらモニタ観察する際に用いられる。
【0036】
特徴としては、水中カメラを小型のリモコンボート(ラジコンボート)により水中を移動させながら、あるいは撮影ポイントまで移動させて撮影するのに適した撮影装置である。
【0037】
また、この撮影装置は、有人ボートでは危険で近づけない水域まで入り込んだり、水中の岩陰等の狭い場所に入り込んで撮影が可能であると共に川のように水の流れがあったり、水中において水流が複雑に変化する領域においても水中カメラの向きを安定させて鮮明な映像を地上に送り届けることができる撮影装置である。
【0038】
装置としては小型に構成されていて、小型のリモコンボートに搭載して使用することができると共にその使用は素人でも可能であり、更に遠隔操作で水中カメラを任意の水深まで降下させたり、引き揚げたりすることができる点に特徴がある。
【実施例1】
【0039】
上記した特徴を有する本発明の実施例1を図1〜図9に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明の全体構成を示し、この図1において、符号の1はリモコンボートであって、このリモコンボート1は、電動モータで推進し、排煙や油流出、騒音のない環境対策型のものである。
【0041】
そして、リモコンボート1には、後述する水中カメラ取付枠を昇降する手段としてのウインチ2と、後述する水中カメラに結ばれた電源及び信号送信用のケーブル繰り寄せ用の2本の回転ドラム3、3aと、この回転ドラム3、3aで繰り寄せたケーブルを自然落下させて輪状に収容するケーブル収容桶4から成るケーブル自動捲き取り手段と、地上との送受信及びリモコンボート1の駆動モータ(図示せず)の運転及び前記ウインチ2、及び繰り寄せドラム3、3aの運転を制御する制御装置5及びアンテナ6a付の映像信号送信手段6が搭載されている。
【0042】
図1において、7はケーブルの昇降をガイドするガイドローラ、8はケーブルを回転ドラム3a側に押えてケーブルが走行中左右に踊るのを防ぐ押えローラである。
【0043】
更に詳しく前記したリモコンボート1に搭載されたウインチ2、回転ドラム3、3a、ケーブル収容桶4、制御装置5、映像信号送信手段6を図2〜7を用いて説明する。
【0044】
ウインチ2は、制御装置5からの信号を受けてモータ(図示せず)で駆動され、後述の水中カメラ取付枠20に先端(下端)10(図1参照)が結ばれたワイヤー9を捲き揚げてウインチ2の捲取ドラムに捲き取ったり、ワイヤー9を解いて水中カメラ取付枠20を水中に下降させることができる。
【0045】
回転ドラム3、3aは、図6、7に示すように、鼓状のドラムを対向させて組み合せ、中央に出来た挟み空間11内に上方からケーブル14を下向きに通し、モータ12、13の回転軸12a、13aを介して対向するように回転させてケーブル14を繰り寄せて自然落下させる構成である。
【0046】
また、上記回転ドラム3、3aの挟み空間11の真下には、上向きにケーブル収容桶15が配置されていて、回転ドラム3、3aにより繰り寄せられたケーブル14は自身の弾性の作用と自然落下の作用でケーブル収容桶15の底部にとぐろ巻き状態14aで収容される。
【0047】
上記ケーブル14の先端14bは映像信号送信手段6に結ばれ、水中カメラ28の映像は送受信アンテナ6aから地上のモニター及び記録装置へ送信される。
【0048】
上記ウインチ2のモータ(図示せず)及び回転ドラム3、3aのモータ12、13は、制御装置5によりワイヤー9とケーブル14が同一スピードで上昇又は下降するように同期運転される。
【0049】
16はケーブル収容桶15の蓋体であって、中央にケーブル落下穴16aが形成され、ケーブル14はこの落下穴16aから内部に自然落下する。
【0050】
図5において、17はバッテリー、18はリモコンボート1の推進モータ、19は運転制御装置である。
【0051】
なお、リモコンボート1には、幅500mm、長さ1500mm、重量15kgの大きさのものを使用した。
【0052】
次に、水中カメラ取付枠20の構成を図8、図9を用いて詳細に説明する。
【0053】
水中カメラ取付枠20は、上記したワイヤー9の先端10が結ばれた支軸21と、この支軸21に回転自在に外嵌された軸受環22と、この軸受環22から下向きに形成された二岐状のフレーム23、23aと、このフレーム23、23aの下端に取り付けられた錘24、24aから成り、この水中カメラ取付枠20は、軸受環22に対してビス25を介して抜け止めが図られている。
【0054】
26は前記軸受環22から水平方向に突出させたケーブル支持バー(兼水流制御バー)であって、この支持バー26の先端に形成した環27を経由してケーブル14が次に説明する水中カメラ28に結ばれたケーブル14を水中カメラ取付枠20から離すことにより、ワイヤー9や水中カメラ取付枠20に絡み付くのを防止している。
【0055】
水中カメラ28は、フレーム23、23aによりその両サイドが胴体部29がクッション材付のバンド28cで上下方向に回転自在に取り付けられていて、固定ビス30、30aを締め付けることにより、水中カメラ28の向きを正面(水平)から上方に約75°、真下方向から反対後方に約75°その向きを変更して固定することができる。
【0056】
水中カメラ28は、平面中央に水中カメラ(テレビカメラ)31を置き、この周囲に照明ランプ32を配置した構成となっていて、水中カメラ31で撮影した映像信号は、ケーブル14を経由してリモコンボート1上の映像信号送信手段6から地上のモニタ及び記録装置へ送信される。
【実施例2】
【0057】
以上に説明した水中カメラ取付枠20は、水中カメラ28を一台取り付けたケースであるが、本実施例2では、請求項3に記載した2台の水中カメラ28a、28bを増設する発明の実施例を図10及び図11に基づいて詳細に説明する。
【0058】
図10、11において、増設した水中カメラ28a、28bは、水中カメラ28と同様にその向きをビス30、30aにより設定することができ、この水中カメラ28a、28bを取り付けた増設水中カメラ取付枠32は前記水中カメラ取付枠20に設けた増設水中カメラ取付枠32の取付部20aにボルトとナット33でその基部32aが着脱自在に取り付けられていて、水平バー35に増設水中カメラ28aは右向きに、増設水中テレビカメラ28bは左向きにフレーム31a、31b間にビス30、30aで取り付けられていることにより、水中カメラ28の正面に対して左右方向の撮影を同時に行うことができる。
【0059】
図10、11において、36は軸受環32から水平方向に突出させた丸鋼であって、この丸鋼36には柔軟な紐又はベルト37が結ばれていて、紐又はベルト37が水流に流されて水中カメラ取付枠20の向きを上流に向ける。
【0060】
なお、この水流方向へ向ける機能は、前記ケーブル支持バー26及びケーブル14も持っており、支持バー26とケーブル14は水流に流されるため、水中カメラ取付枠20を上流方向に向ける作用を助勢しており、この水中カメラ取付枠20(水中カメラ28、28a、28b)の向きを水中で決定する手段は、板状でない限り任意である。
【0061】
以上に説明した実施例の水中カメラ撮影装置は、地上において水中カメラ28、28a、28bの向きを設定し、ウインチ2及び回転ドラム3、3aを同時に駆動しながら水中カメラ取付枠20を水中に降し、リモコンボート1を遠隔操作しながら水中での撮影を行うもので、無人のリモコンボート1を使用しているため、有人では接近できない危険な場所へも接近しながら撮影を行うことができる。
【0062】
また、ケーブル14は、リモコンボート1上において回転ドラム3、3aにより繰り寄せ、ケーブル収容桶5内に輪状に収容することにより、再度水中カメラ取付枠20を水中に降す際に、ケーブル14はスムーズに解けて出て行く。
【符号の説明】
【0063】
1 リモコンボート
2 ウインチ
3、3a 回転ドラム
4 ケーブル収容桶
9 ワイヤー
14 ケーブル
20 水中カメラ取付枠
21 支軸
22 軸受環
23、23a フレーム
26 ケーブル支持バー
28 水中カメラ
28a、28b 増設水中カメラ
32 増設水中カメラ取付枠
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.地上からの無線通信手段によりボートの走行を制御する遠隔制御手段と、水中カメラ取付枠から延長されたワイヤーを介して前記水中カメラ取付枠に取り付けられた水中カメラを昇降させる水中カメラ自動昇降手段と、前記水中カメラから延長されたケーブルを2本の回転ドラム間に挟んで手繰り寄せ、かつこの手繰り寄せたケーブルを自然落下させることにより輪状に整えて収容するケーブル収容桶から成るケーブル自動捲き取り手段と、水中カメラで撮影された映像信号を地上のモニターへ送信する映像信号送信手段と、を搭載したリモコンボートと、
b.前記水中カメラ自動昇降手段から水中に垂下されたワイヤーの先端が垂直支軸の上端に繋がれていると共にこの垂直支軸に対して軸受環を介して回転自在に吊設された前記水中カメラ取付枠と、
c.前記水中カメラ取付枠の軸受環に基部が結ばれ、かつ水平方向に延長されていて、水流の抵抗を受けて水中カメラの向きを水流に対向する方向に制御する方向制御手段と、
d.前記水中カメラ取付枠に対して向き角度設定自在に取り付けられていると共に前記ケーブルを経由して制御信号を受信し、かつ撮影した映像信号を前記リモコンボートに搭載された映像信号送信手段により地上へ送信可能な水中カメラと、
e.から成る水中カメラ撮影装置。
【請求項2】
前記水中カメラ取付枠には、水流に流されるのを防ぐために錘が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の水中カメラ撮影装置。
【請求項3】
前記水中カメラ取付枠には、増設水中カメラ取付枠が水平方向に向けて着脱自在に取り付けられていると共にこの増設水中カメラ取付枠には増設用の水中カメラが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の水中カメラ撮影装置。
【請求項4】
前記方向制御手段は、前記軸受環に直接その基部が固定された基桿と、この基桿の先端に結ばれた柔軟性を有する流し紐又はベルトとから成ることを特徴とする請求項1に記載の水中カメラ撮影装置。
【請求項5】
前記軸受環から後向きにケーブル支持バーを突設し、前記水中カメラから延長されたケーブルをこの支持バーの先端のガイド環を経由してリモコンボート上の前記映像信号送信手段に結び、水中でケーブルが絡み合わないように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の水中カメラ撮影装置。
【請求項1】
a.地上からの無線通信手段によりボートの走行を制御する遠隔制御手段と、水中カメラ取付枠から延長されたワイヤーを介して前記水中カメラ取付枠に取り付けられた水中カメラを昇降させる水中カメラ自動昇降手段と、前記水中カメラから延長されたケーブルを2本の回転ドラム間に挟んで手繰り寄せ、かつこの手繰り寄せたケーブルを自然落下させることにより輪状に整えて収容するケーブル収容桶から成るケーブル自動捲き取り手段と、水中カメラで撮影された映像信号を地上のモニターへ送信する映像信号送信手段と、を搭載したリモコンボートと、
b.前記水中カメラ自動昇降手段から水中に垂下されたワイヤーの先端が垂直支軸の上端に繋がれていると共にこの垂直支軸に対して軸受環を介して回転自在に吊設された前記水中カメラ取付枠と、
c.前記水中カメラ取付枠の軸受環に基部が結ばれ、かつ水平方向に延長されていて、水流の抵抗を受けて水中カメラの向きを水流に対向する方向に制御する方向制御手段と、
d.前記水中カメラ取付枠に対して向き角度設定自在に取り付けられていると共に前記ケーブルを経由して制御信号を受信し、かつ撮影した映像信号を前記リモコンボートに搭載された映像信号送信手段により地上へ送信可能な水中カメラと、
e.から成る水中カメラ撮影装置。
【請求項2】
前記水中カメラ取付枠には、水流に流されるのを防ぐために錘が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の水中カメラ撮影装置。
【請求項3】
前記水中カメラ取付枠には、増設水中カメラ取付枠が水平方向に向けて着脱自在に取り付けられていると共にこの増設水中カメラ取付枠には増設用の水中カメラが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の水中カメラ撮影装置。
【請求項4】
前記方向制御手段は、前記軸受環に直接その基部が固定された基桿と、この基桿の先端に結ばれた柔軟性を有する流し紐又はベルトとから成ることを特徴とする請求項1に記載の水中カメラ撮影装置。
【請求項5】
前記軸受環から後向きにケーブル支持バーを突設し、前記水中カメラから延長されたケーブルをこの支持バーの先端のガイド環を経由してリモコンボート上の前記映像信号送信手段に結び、水中でケーブルが絡み合わないように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の水中カメラ撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−98412(P2012−98412A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244516(P2010−244516)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(510288910)株式会社エスアイ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(510288910)株式会社エスアイ (3)
【Fターム(参考)】
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