説明

水中構造物の仮締切工法及び仮締切用構造体

【課題】作業函の外形寸法を小さくして、外力の影響及び製作費を低減すると共に、再利用可能とする。
【解決手段】複数の補剛板構造耐圧ブロック12を予め組立て形成される環状鋼殻からなる作業函10を、その外周に着脱可能な浮力体40を装着して現地に浮遊曳航し、作業対象物8を囲うよう設置して浮力体の少なくとも一部を撤去した後、該作業函の内部を排水し、鋼殻内外の水圧差により作業対象物に固着すると共に作業空間を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中に建設された橋脚等の水中構造物の補修、補強作業において、乾式の作業空間を確保するための仮締切工法、及び、そのための仮締切用構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海中あるいは河川中に建設された橋脚等は、老朽化による補修や耐震設計基準の改訂により耐震補強等の必要性が増加している。このような水中構造物の補修、補強工事においては、品質及び安全性の確保の目的で、対象構造物の周辺を水の無い乾式の作業環境とすることが不可欠である。
【0003】
乾式作業を行なうための仮締切りには、鋼矢板や鋼管矢板を止水壁として周囲に打設する方法が用いられていたが、橋梁の橋脚等の上部空間の利用制限がある場合には、矢板打設が困難な上、工期的にも長くなるという大きな問題点が指摘されていた。
【0004】
この問題点を解決するため、特許文献1乃至6に代表されるように、浮遊曳航が可能な二重鋼殻からなる作業函を用い、作業対象(構造)物を囲うように設置した後、二重鋼殻内に注水し沈設すると共に、作業対象物と作業函底部あるいは底部側面に設けた止水治具を用いて止水し、水密構造化後に内部を排水して作業空間を得る方法が用いられている。
【0005】
【特許文献1】特許第3024932号公報
【特許文献2】特許第3065927号公報
【特許文献3】特許第3330018号公報
【特許文献4】特開2002−201649号公報
【特許文献5】特許第3379391号公報
【特許文献6】特許第3387436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来技術においては以下の課題があった。即ち、
(1)作業函自体を浮遊曳航用の浮力体とするため二重鋼殻構造とすることから、作業函の外形寸法が大きくなり、潮流力や波力の受圧面積が増大し、これに対応するための切梁材が増加する。あるいは、外径寸法を小さくすると内部の作業空間が狭くなり作業能率の低下を招く。
【0007】
(2)又、二重鋼殻構造のため製作工数が増加し、作業函の製作費が増加する。
【0008】
(3)底部の止水のため、橋脚フーチング等の作業対象物に水中で予め止水治具をある程度精度良く取り付ける必要があり、事前の水中作業が多い。
【0009】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、作業函の外形寸法を小さくして、外力の影響及び製作費を低減すると共に、再利用可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、外周に取り付けた受圧拡幅部を底部に有する環状鋼殻から成る作業函を、その外周に着脱可能な浮力体を装着して現地に浮遊曳航し、作業対象物を囲うよう設置して浮力体の少なくとも一部を撤去した後、該作業函の内部を排水し、受圧拡幅部の水圧差の鉛直成分により作業対象物に固着、止水することにより作業空間を形成するようにして、前記課題を解決したものである。
【0011】
又、前記作業函が、複数の補剛板構造耐圧ブロックを予め組立て形成される環状鋼殻、あるいは周方向に2分割以上の部分鋼殻からなるようにしたものである。
【0012】
又、前記受圧拡幅部が、底部止水用弾性シール材、あるいは、例えば弾性シール材を内面に膜状塗布した防水スカート、あるいは、その両者を有するようにして、事前の水中作業による作業対象物への止水治具の取付け作業を最小化したものである。前記弾性シール材あるいは弾性シール材を内面に膜状塗布した防水スカートは、作業函内を排水することにより、作業函内外の水圧の鉛直成分により作業対象物表面に密着、加圧され、作業函の外力に対する安定性と水密性を保持する。
【0013】
更に、前記受圧拡幅部が、交換可能な止水用函断面部材を含むようにして、作業函の再利用時に、その止水性能を容易に回復できるようにしたものである。
【0014】
又、前記浮力体が、没水部に設けられた二重鋼殻からなるフロート部と、その上部に設けられた複数の、例えば鋼管製の支柱と、その天端に設けられた、例えば鋼板あるいはエキスバンドメタル、グレーチング等からなる作業台を備えることにより、作業函の設置中の流れや波浪に対する作用力を低減したものである。
【0015】
又、前記浮力体は、2分割以上に分割可能な二重鋼殻からなるフローと部の天端に、作業函を作業対象物に設置、沈設するための巻き上げ、巻き下げ装置を搭載したものである。
【0016】
又、前記作業函及び浮力体を、複数のブロックを接合面に止水材を挿入して固着具にて緊結することにより、円形、小判形、矩形、多角形等の平面形状に形成可能としたものである。
【0017】
本発明は、又、複数の補剛板構造耐圧ブロックを予め組立て形成される環状鋼殻からなる作業函あるいは周方向に2分割以上の部分鋼殻からなる作業函と、その外周に着脱可能な、該作業函を曳航して設置するための浮力体と、を備えたことを特徴とする仮締切用構造体を提供するものである。
【0018】
又、前記作業函及び浮力体を、作業対象物近傍で浮遊状態で2分割以上のユニットに分割し、作業対象物に設置後、閉合可能な開閉機構(例えば浮力体に設けたヒンジ機構)を設けたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、補剛板構造耐圧ブロックを予め組立て形成される環状鋼殻からなる作業函と、浮遊曳航・現地設置用の浮力体を別構造とし、浮力体を作業函設置後、撤去することにより、従来技術による浮力体一体型作業函に比べ、作業函の外形寸法を小さくできることから、作業函に作用する外力の影響を最小化することが可能となる。更に、作業函の製作費を低減できる。
【0020】
又、浮力体を作業函と分離構造とすることにより、1基の作業函設置後再転用可能なことから、複数の作業函設置作業において経済的となる。
【0021】
特に、浮力体を半潜水型とし、上部に作業架台を搭載した場合には、作業函設置時の作業足場として使用できることから、現地での作業の施工性が向上する。
【0022】
又、作業函底部の拡幅部に予め取り付けた弾性シール材や防水スカートを用いた場合は、作業函内の排水による止水部内外部の圧力差の鉛直成分により作業函対象物間の止水が可能となるため、従来技術で必要であった事前の水中作業が大幅に低減される。
【0023】
又、補剛板耐圧ブロック及び浮力体として半円形断面部と直線部を使用した場合は、これを必要に応じて緊結することにより、多様な断面形状の作業対象物に容易に対応可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、作業対象物が円形断面の場合についての本発明の第1実施形態を、図面に沿って詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の作業函と浮力体の現地への曳航時の状態を示す正面図、図2は、作業函設置時の状態を示す(A)平面図及び(B)正面から見た半断面図である。図3〜図5は、作業函の陸上部での組立作業から現地設置までの施工手順を示す正面図、図6、図7は、作業函と作業対象物との止水のため、予め作業函の底部拡幅部に取り付けた止水用弾性シール及び弾性シールを膜状塗布した防水スカートによる止水方法を説明するための、正面から見た半断面図、図8は、止水用弾性シール及び防水スカートの作業函拡幅部への取り付け構造の詳細を示す拡大断面図である。
【0026】
本発明の仮締切に用いる作業函10は、複数の補剛板で構成される耐圧ブロック12(図2(B)参照)を、陸上(図3(A)参照)あるいは浮遊曳航・設置用の浮力体40の内側(図3(B)参照)で組立て、ブロック12間の接合面にゴムシート等の止水材13を挿入した後、ボルトで緊結された環状の鋼殻構造であり、図4(D)(E)に示すように現地へ浮遊曳航するため、図1に示す如く、着脱可能な浮力体40でその外周を水中で支持される。該作業函10及び浮力体40は、曳航時の安定確保のため現地到着までは、図3(C)に示す如く、環状に組立てられる。
【0027】
現地到着後、作業対象物8へ取り付けるため、図2に示す如く、浮力体40に装着されたヒンジ機構44により扇状に開口し(図4(F)参照)、作業対象物8を囲むよう設置後、再度ヒンジ機構44により閉合部15、45で閉合して環状構造とされる(図5(G)参照)。
【0028】
前記浮力体40は、曳航時の安定性確保と潮位差の影響を最小化するため、フロート部42を没水させることが可能な半潜水型であり、フロート42の上部には、例えば鋼管支柱46を支柱として、天端に例えばエキスパンドメタルあるいはグレーチング等の水圧を受け難い構造の作業台48を設置し、現地での作業函設置作業を容易にしている。
【0029】
図3〜図5は、作業函10の組立てから現地での設置までの施工工程を示したものである。図3(A)では、作業函10の陸上部での組立てを耐圧ブロック12の1段目のみとし、環状に組立てた後、図3(B)に示す如く、岸壁に係留された浮力体40の内部空間に逐次挿入し、水上で大組する工程を示している。これは、陸上部で作業函10の大組をすると重量が大きくなり、大きな揚重機60を必要とするためであるが、揚重機60の揚程や容量に余裕があれば、全体を陸上で大組し、一括吊り上げにて浮力体40に搭載することも可能である。
【0030】
現地までの曳航中は安定性確保のため、図3(C)、図4(D)に示すように、作業函10及び浮力体40は環状に組立てられ、曳航台船62にて浮遊曳航される。
【0031】
作業函10及び浮力体40が現地到着後、図4(E)に示す如く、作業函10及び浮力体40を曳航台船62の先端に固定し直した状態にて、図4(F)に示すように、浮力体40に設けたヒンジ機構44を用いて開口し、作業対象物8の回りを囲うように設置した後、再度閉合し、作業函閉合部15に止水ゴムを挿入、ボルトにて緊結し、図5(G)に示すような環状構造とする。
【0032】
作業函10及び浮力体40を作業対象物8を囲うように設置後、図6(A)に詳細に示す如く、浮力体40のフロート部42に水6を注水し、図5(H)に示すように、作業対象物8の底部に到達するまで沈設する。ここで、作業対象物8の作業函10の接触面9(図2(B)参照)は、底部止水が完全に行なわれるように、予め堆積土砂などの清掃を行なっておく。
【0033】
図6(B)に示す如く、所定位置への沈設確認後、作業函10内に注水した水6のの排水を行ない、図7(C)に示す如く、底部拡幅部16に生じる作業函10の内外の水圧差により、該拡幅部16に取り付けられた弾性シール材18あるいは防水スカート20を圧縮して止水効果を高める。
【0034】
図8には、作業函底部の拡幅部16の構造並びに該拡幅部16への弾性シール材18及び防水スカート20の取付方法の詳細を示す。本実施形態では、作業函底部に沿って箱断面状の突出部11を予め設けておき、その先端に別途弾性シール材18及び防水スカート20を取り付けるための、下部が開口した環状の止水用函断面部材22をボルト24にて接合している。本方法を用いることにより、作業函10を繰り返し使用する場合には、該止水用函断面部材22のみを交換することで、作業函10の止水性能を回復できることになる。
【0035】
前記弾性シール材18は、図8(A)に詳細に示すように、止水用函断面部材22の下部開口部に、所定の弾性シール材高さが確保できるよう弾性シール材成形用バックアップ材26を取り付けた後、該止水用函断面部材22の上部開口部23より弾性シール材18を注入し、固化後バックアップ材26を撤去すると共に、図8(B)に示す如く、弾性シール材18の上部空間にモルタル28を充填して弾性シール材18を固定する。
【0036】
又、前記防水スカート20は、図8(B)に詳細に示す如く、止水用函断面部材22の側面に、取付板32を介してボルト34にて緊結する。該防水スカート20の内面には、図9に詳細に示す如く、弾性シール材36が膜状に塗布されている。
【0037】
なお、図8では、弾性シール材18と防水スカート20の両者の併用時の状況を示しているが、作業対象物8の表面状態が良ければ、いずれか一方のみの使用で十分止水効果は得られる。
【0038】
なお、前記説明では、作業対象物8の断面が円形であったが、作業対象物8の断面が小判状や長方形の場合には、図10乃至図11に示す第2実施形態のように、前記円形断面用作業函10の半円部の間に直線状の作業函耐圧ブロック70を挿入すると共に、浮力函30にも直線状浮力体72を挿入し、連結部71,73で、それぞれボルトにて緊結することにより容易に対応が可能である。
【0039】
上記実施形態では、作業函を予め環状鋼殻に組立て、作業対象物近傍に曳航後浮遊状態で2分割のユニットに分割し、作業対象物に設置後、開閉機構を用いて閉合する方法を示したが、本方法は浮遊状態での作業函及び浮力体の開閉合作業となるため、比較的小型の作業函の施工に効果がある。作業函寸法が大きい場合、浮遊状態での開閉合においては水の抵抗による開閉荷重が大きくなり大規模な開閉機構が必要となるうえ、施工中の該構造体の安定性確保に特別の配慮が必要となるなどの課題が生じ、発明の効果が低下する。
【0040】
作業函寸法が大きい場合の本発明の実施形態を、矩形断面作業函の場合について以下に説明する。
【0041】
図13、図14は大寸法矩形断面に対応可能な作業函10及び浮力体40’の第3、第4実施形態を示す。図13に示す第3実施形態では、浮力体40’は作業函10と同一位置15、45で2分割構造となっている。
【0042】
浮力函と作業函を分離構造とした本発明においては、従来技術における作業函と浮力函一体型構造と異なり、浮力函は連続構造である必要が無くなることから、作業函の浮遊曳航に必要な最小の浮力を与える寸法形状でよく、図14に示す第4実施形態の如く、陸上運搬や進水時に作業性の良い大きさの複数の浮力体とすることが可能となる。なお、図14において、作業函10内部に設置された部材90は、浮力函を分割構造としたため、曳航時の作業函の強度を補強することが必要となるため追加した補強部材であり、作業対象物に設置後も内部の切梁材として機能するものである。
【0043】
当該ケースでは、作業函の沈設を複数浮力体の内部に同時に同期して注水、喫水調整を行うことが必要となり、洋上での作業性、安全性を損なうことになる。本実施形態では、ウィンチ80を浮力体天端に搭載し、該ウィンチのワイヤロープ81をローラー83を介して作業函最下段に取り付けた吊金具82と連結し、ウィンチの巻き上げ、巻き下げにより作業函の上下方向の位置調整を行うことにより、安全に沈設作業の施工速度を上げることを可能としている。
【0044】
図15は、上記大寸法矩形断面作業函を用いた第4実施形態の作業手順を示す。作業函寸法が大きくなると、耐圧ブロックの寸法も大きくなり1ブロックの重量が増加することから、可能な限り大組立する大きさを小さくし、陸上作業に必要な揚重機の必要容量を小さく抑えることが経済的な施工となる。本実施形態では、図15(A)に示す如く浮遊曳航の作業函及び浮力体を2分割体とし、最下段の底部に止水材17を埋め込んだ後、高さ方向に1層ずつ耐圧ブロック12を組み立てる。1層のブロック12の組立終了毎に、揚重機60により岸壁に係留した半断面浮力体40’天端に装置されたウィンチ80に巻きつけたワイヤロープ81に懸架した状態にて浮力体40’に搭載し、岸壁前の洋上で作業函の半周分を組み立てる。この時、全体の安定性を確保するため曳航用台船62により側面を支持しておくことが望ましい。
【0045】
図16(C)は、作業函ブロック12の半断面の大組立終了後、一体化された作業函半断面10と浮力体半断面40’を台船62の先端に固着し、浮遊状態にて作業対象物近傍まで浮遊曳航する状況を示す。残り半断面の作業函についても、前記手順により大組立を行った後、別の台船により現地に浮遊曳航する。
【0046】
図16(D)は、半断面ずつ組立てられ現地に浮遊曳航された作業函10と浮力函40’を作業対象物8を挟んで対向させた状態を示す。作業函の取り付け位置の平面的位置決めを行った後、図16(E)に示す如く、対向させた半断面づつの作業函10及び浮力函40’を台船62により作業対象物8を囲うように浮遊状態で作業函閉合面15に止水シール材を挿入した後、ボルト等により緊結、一体化し環状作業函を形成する。
【0047】
図17(F)は、作業函を閉合し環状に一体化した後、浮力体天端に設置したウィンチ80を巻き下げ、作業函10最下段に先端を結合されたワイヤロープ81を鉛直下方に伸長させることにより、作業函10の底部止水シール材18乃至止水スカート20を作業対象物8のフーチング9上に設置した状態を示す。
【0048】
図17(G)は、作業函10がフーチング9に着底したことを確認後、作業函内部を排水し、作業函内外の水圧差により止水シール材乃至止水スカートを押圧することにより底部止水を確実にし、作業函内部での作業が可能となった状態を示す。この段階では、浮力函40’は作業函10より離脱し、回航してもよいが、図17(G)に示す如く、一部の浮力体40”は作業函10に残置し、作業台あるいは浮桟橋として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態の作業函と浮力体の現地への曳航時の状態を示す正面図
【図2】同じく作業函設置時の状態を示す(A)平面図及び(B)正面から見た半断面図
【図3】同じく作業函の陸上部での組立作業から現地設置までの施工手順の一部を示す正面図
【図4】同じく作業函の陸上部での組立作業から現地設置までの施工手順の他の一部を示す正面図
【図5】同じく作業函の陸上部での組立作業から現地設置までの施工手順の残部を示す正面図
【図6】同じく作業函と作業対象物との止水方法を説明するための、正面から見た半断面図
【図7】同じく作業函と作業対象物との止水方法を説明するための、正面から見た半断面図
【図8】同じく止水用弾性シール及び防水スカートの作業函拡幅部への取り付け構造の詳細を示す拡大断面図
【図9】同じく防水スカートの構成を示す断面図
【図10】作業対象物が小判状や長方形の断面の場合の本発明の第2実施形態を示す、正面から見た半断面図
【図11】同じく平面図
【図12】同じく側面図
【図13】大寸法矩形断面に対応可能な本発明の第3実施形態を示す(A)正面図、(B)平面図及び(C)側面図
【図14】同じく第4実施形態を示す(A)正面図、(B)平面図及び(C)側面図
【図15】同じく第4実施形態の施工手順の一部を示す正面図
【図16】同じく第4実施形態の施工手順の他の一部を示す正面図
【図17】同じく第4実施形態の施工手順の残部を示す正面図
【符号の説明】
【0050】
8…作業対象物
10、70…作業函
12…耐圧ブロック
13…止水材
15、45…閉合部
16…拡幅部
17…止水材
18、36…弾性シール材
20…防水スカート
22…止水用函断面部材
40、40’、40”、72…浮力体
42…フロート部
44…ヒンジ機構
46…鋼管支柱
48…作業台
60…揚重機
62…曳航台船
71、73…連結部
80…ウィンチ
81…ワイヤロープ
82…吊金具
83…ローラー
90…補強部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に取り付けた受圧拡幅部を底部に有する環状鋼殻から成る作業函を、その外周に着脱可能な浮力体を装着して現地に浮遊曳航し、作業対象物を囲うよう設置して浮力体の少なくとも一部を撤去した後、該作業函の内部を排水し、受圧拡幅部の水圧差の鉛直成分により作業対象物に固着、止水することにより作業空間を形成することを特徴とする水中構造物の仮締切工法。
【請求項2】
前記作業函は、複数の補剛板構造耐圧ブロックを予め組立て形成される環状鋼殻、あるいは周方向に2分割以上の部分鋼殻からなることを特徴とする請求項1に記載の仮締切工法。
【請求項3】
前記受圧拡幅部は、底部止水用弾性シール材あるいは防水スカートの少なくともいずれか一方を有することを特徴とする請求項1に記載の仮締切工法。
【請求項4】
前記受圧拡幅部が、交換可能な止水用函断面部材を含むことを特徴とする請求項1又は3に記載の仮締切工法。
【請求項5】
前記浮力体は、没水部に設けられた二重鋼殻からなるフロート部と、その上部に設けられた複数の支柱と、その天端に設けられた作業台を備え、作業函の設置中の流れや波浪に対する作用力を低減したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の仮締切工法。
【請求項6】
前記浮力体は、2分割以上に分割可能な二重鋼殻からなるフローと部の天端に、作業函を作業対象物に設置、沈設するための巻き上げ、巻き下げ装置を搭載したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の仮締切工法。
【請求項7】
前記作業函及び浮力体は、複数のブロックを接合面に止水材を挿入して固着具にて緊結することにより、円形、小判形、矩形、多角形等の平面形状に形成可能なことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかにに記載の仮締切工法。
【請求項8】
複数の補剛板構造耐圧ブロックを予め組立て形成される環状鋼殻からなる作業函あるいは周方向に2分割以上の部分鋼殻からなる作業函と、
その外周に着脱可能な、該作業函を曳航して設置するための浮力体と、
を備えたことを特徴とする仮締切用構造体。
【請求項9】
前記作業函及び浮力体は、作業対象物近傍で浮遊状態で2分割以上のユニットに分割され、作業対象物に設置後、閉合可能な開閉機構が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の仮締切用構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−249685(P2006−249685A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63992(P2005−63992)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】