説明

水中養殖用浮子、その浮力調節方法、及びそれを利用した深海養殖場活用方法

【課題】本発明は、養殖場自体を所定の水深下に配置するために、潜水時に水圧の変化による変化がない、水中養殖用浮子を提供することを目的とする。また、浮子が所定の水深下で所定の水圧下で所定の浮力を維持することができるようにする、浮力調節方法を提供することを目的とする。また、これを利用して、海上の自然災害を避けて所定の水深下に養殖場を設置して、これを活用することができる、深海養殖場活用方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、所定の水深下に垂直に維持されて、自動的に浮力を調節することができる水中養殖用浮子において、上下部が開放された第1管型部、前記第1管型部の上部に密着結合される密閉部、前記密閉部の下部に第1浮力室を形成して、水中でだけ空気を発生させる空気発生部、前記第1管型部の下部に前記空気発生部の下部を覆うように配置されて、空気の発生時に第2浮力室を形成する第2管型部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中養殖用浮子(以下、水中養殖とは、養殖場全体が水中に浸かっている形態を意味する)、その浮力調節方法、及びそれを利用した深海養殖場活用方法に関する。より詳しくは、所定の水深で所定の水圧に耐えて浮力を維持することができる、水中養殖用浮子、その浮力調節方法、及びそれを利用した深海養殖場活用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、海上の表層は大きい波力を受けるようになるので、養殖施設が波浪の衝撃によって容易に破損するだけでなく、養殖施設には赤潮及び油類汚染などによる生物被害も発生している。また、エルニーニョ現象などによって年毎に海水面の温度が上昇しているので、高水温による被害も次第に増加している傾向にある。
【0003】
したがって、安定した養殖産業及び漁村の活性化のためには、波浪災害または高水温による被害を受けず、また、海洋汚染物質から安全な養殖施設の開発及び普及が要望されている。
【0004】
その一例として、浮子を水面に浮かせておいて、その水面下の海底面の固定体に固定ロープを連結することによって養殖場を設置する方法が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の養殖場においては、浮子が海波の影響を受けて浮子を連結する連結ロープが切れて養殖場が破損したり、比重が重い各種固着海洋生物が固着成長したりすることによって養殖場自体が破損及び沈んでしまうなどの問題がある。
【0006】
また、その解決方法として、浮子を多く使用することができるが、この場合には、海波による被害が増加して、養殖施設の費用増加及び海水面の環境が大きく汚染されるなどの問題がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、このような問題を解決するためのものであって、養殖場自体を所定の水深下に配置するために、潜水時に水圧の変化による変化がない、水中養殖用浮子を提供することにある。
【0008】
また、所定の水深下で所定の水圧下で浮子が所定の浮力を維持することができるようにする、浮力調節方法を提供することにある。
【0009】
また、上記水中養殖用浮子を利用して、海上の自然災害を避けて所定の水深下に養殖場を設置して、これを活用することができる、深海養殖場活用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明による水中養殖用浮子は、上下部が開放された第1管型部、前記第1管型部の上部に密着結合される密閉部、前記密閉部の下部に第1浮力室を形成して、水中でだけ空気を発生させる空気発生部、及び前記第1管型部の下部に前記空気発生部の下部を覆うように配置されて、空気の発生時に第2浮力室を形成する第2管型部を含み、水面を基準にして所定の水深下で所定の浮力を維持する、浮子を提供することができる。
【0011】
本発明による浮力調節方法は、前記浮子に固定錘を付けて所定の深さに潜水させる段階、前記第1管型部の貫通ホール及び下部開放を通じて水が流入して、前記空気発生部が破裂する段階、前記空気発生部の空気発生源が水に露出される段階、前記空気発生部が前記第2管型部と共に前記第1管型部の下方に移動する段階、前記空気発生部及び前記第2管型部が前記第1管型部の下部に固定される段階を含み、養殖場を海上で発生する自然災害及び油類などの汚染物質から保護することができ、固着海洋生物が固着成長したりしても前記空気発生部によって養殖場が海底に沈んで養殖物が廃死するのを防止することができる。
【0012】
本発明による水中養殖用浮子を利用した深海漁場活用方法は、前記浮子を連結ロープに連結して養殖場を形成して、固定錘をその重心に付けて潜水させることによって所定の水深下に養殖場を配置する段階、前記浮子及び前記固定錘の間を垂直下方に連結する連結金具に養殖物を配置する段階、前記浮子を前記固定錘から分離することによって、前記浮子を少なくとも前記第1浮力室によって上方に移動させる段階、前記浮子が水面に浮き上がった時にその下部に付いている養殖物を採取する段階を含み、海を立体的に利用することができて、最適な環境で養殖物を所定の水深に配置することができ、高温環境を避けて冷温環境で養殖することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、海面に浮子を配置しなくてもよいので、海波の影響によって浮子及び連結ロープが切れて漁場が破損されたり沈んで養殖が不可能になったりすることを心配しなくてもよい。
【0014】
また、浮力を大きくするために多数の浮子を形成しなくてもよいので、設備費用を節約することができて、海面を効率的に利用することができる。
【0015】
また、高水温期にも養殖場が冷温領域にあるので、高水温による養殖物の集団廃死を防止することができる。
【0016】
また、海波や潮流、環境的なストレスをあまり受けないので、養殖物の成長が旺盛になる。
【0017】
さらに、所定の水深下では浮子が海波などの影響をあまり受けないので、養殖場の管理が容易である。
【0018】
また、固着性微生物の除去などに費やされる労働力を節減することができる。
【0019】
さらに、観光資源として海岸眺望権を維持することができ、海面を効率的に利用することができて、スチロポール(登録商標)片などによる環境汚染の被害を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
しかし、本発明は多様な相異した形態で実現でき、ここで説明する実施の形態に限定されない。
【0022】
図面では、本発明を明確に説明するために、説明上不必要な部分は省略した。
【0023】
明細書全体にわたって類似した部分には、同一な図面符号を付けた。
【0024】
図1は本発明の一実施の形態に係る水中養殖用浮子を利用した深海養殖場活用方法を示した斜視図である。
【0025】
図1に示すように、海波の影響は水深が深いほど少なくなるので、水粒子の円軌跡運動がほとんどない波長の1/2の深さの水深下に養殖場全体を配置した。水中養殖用浮子1は、碁盤の目形態に連結ロープによって連結されて、これらの連結体が固定ロープ3によって固定体5に固定されている。前記浮子1に下部で連結された連結金具13には養殖物9が配置される。この時、前記浮子1は、振動なく上方に向かってほぼ垂直に配置される。また、前記連結ロープの間の前記固定体5及び浮子1の間において海波による力が減少して、連結ロープが切れたり養殖場が海底に沈むのを防止することができる。
【0026】
このような深海養殖場を形成するためには、前記水中養殖用浮子1の重心に浮子の浮力より重い固定錘6をぶら下げて所定の水深下に潜水させればよい。この時、前記浮子1の間を連結ロープで連結して前記浮子及び前記固定錘の間の連結金具に養殖物を配置して共に潜水させれば、固定錘6の重量を減少させながら一度に大型養殖場を設置することもできる。養殖物9に応じて、所定の養殖期間が経過した後に前記連結金具を前記固定錘から分離することによって、前記浮子が浮力によって上方に移動する時に表層に浮き上がった浮子の下部に付いている養殖物を採取することができる。前記養殖物9は、養殖物9が成長するのに最適な環境を考慮して、延長された連結金具13または前記水中養殖用浮子1の外周面に胞子縄を巻きつけて配置することもできる。したがって、深海養殖場を立体的に利用することができ、赤潮、油類汚染、高温環境などに影響を受けずに安定的に養殖業を行うことができる。
【0027】
次に、図2乃至図4を参照して、本発明の一実施の形態に係る水中養殖用浮子の構成及び作用について説明する。
【0028】
図2は本発明の一実施の形態に係る水中養殖用浮子を示した斜視図であり、図3は図2のIII−III線に沿う縦断面図であり、図4は本発明の一実施の形態に係る水中養殖用浮子の内部構造関係を示した斜視図である。
【0029】
まず、図面を参照すれば、本発明による水中養殖用浮子1は、第1管型部7、密閉部14、第2管型部17、空気発生部20、連結金具8、13、及びこれらの締結手段18、19を含む。
【0030】
前記第1管型部7は、上下部が開放されていて、上下先端には凹凸部1cが所定の間隔をおいて円周方向に沿って形成されている。この凹凸部1cは、胞子縄を所定の間隔で引っ掛けるためのものである。
【0031】
一方、前記第1管型部7は、耐久性が優れている高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルコロライド、ナイロン、及びABS樹脂などから選択された熱可塑性樹脂を圧出成形して形成される。したがって、水中養殖用浮子1は、従来のスチロポールなどの発泡体からなる浮子に比べて長期間使用することができ、破損などによって水面を汚染しない。
【0032】
前記第1管型部7は、円軌跡運動の影響を少なく受けるようにシリンダー形態に形成されて、その長さ(L)及び直径は予備浮力を考慮して水深によって決定される。また、前記第1管型部7には、以下で説明する前記空気発生部20が水と接触することができるように、貫通ホール1bが少なくとも2つ以上形成される。
【0033】
この貫通ホール1bのうちの少なくとも1つは、前記第2管型部17と連通している。したがって、この貫通ホール1bは、前記空気発生部20から発生する空気及び反応熱が流動することができる通路としての役割を果たす。結果的に、貫通ホール1bは内部の空気圧を所定程度に調節して放熱する役割を果たす。
【0034】
前記密閉部14は、上下部14a、14bが開放されていて、その内部中央に密閉板14cが形成される。前記密閉部14は、前記第1管型部7と同一な材料からなり、特に、前記密閉板14cは、耐久性を向上させるために所定の厚さを有する。前記密閉部14は、前記第1管型部7の内径より多少小さい外径を有する。したがって、前記密閉部14は、前記第1管型部7の上端を通じて嵌合結合されて、その外周面に接着剤などの結合手段によってさらに固定されることもできる。
【0035】
前記密閉板14cは、前記第1管型部7から空気が上方に流出しないようにする。
【0036】
前記空気発生部20は、対角線方向に幅(R)を有する四角形のカプセル形態に形成される。この時、四角の対角部の幅及び前記密閉部14の直径(R)がほぼ同一であるため、前記空気発生部20は前記密閉部14の下部14bに嵌合される。また、前記空気発生部20は、前記第1管型部7及び密閉部14の材料より破裂性が優れている材質からなる。具体的に、前記空気発生部20は、第1浮力室10を形成する胴部25、空気発生源16を収容する肩部21、及び開閉可能な栓が形成された首部23からなる。
【0037】
前記空気発生部20は、図4に示されているように、前記肩部21が第2管型部17に嵌合されて保護される。
【0038】
前記第2管型部17は、前記第1管型部7と同一な材料からなり、前記空気発生部20から発生した空気が調節されるように貫通ホール1bがさらに形成されて、前記空気発生部20から発生した熱を放熱することができるようにより厚く製造されることもできる。
【0039】
前記第2管型部17は、前記第1管型部7が水圧で破損しないように補強する役割を果たすので、その長さ(l)は浮子が配置される水深及び前記空気発生部20によって決定される。ただし、前記第2管型部17は、前記空気発生部20が所定の水圧で破裂するように、前記胴部25全体を覆わないようにするのが好ましい。
【0040】
ここで、前記空気発生部20の内部に収容された空気発生源16について説明すると、前記空気発生源は、多孔性物質、例えば石灰を含み、前記空気発生部20の首部23を通じて収納することもでき、前記空気発生部20の下部24を開放して収納することもできる。
【0041】
前記空気発生源16は、前記空気発生部20の重心に集まって水中養殖用浮子1の固定錘の役割をさらに果たすこともできる。
【0042】
前記空気発生源16は、以下の化学式に示すように、水を化学的に分解して水素を発生させることができる金属(AまたはB)、好ましくはカドミウムなどでコーティングされる。
【0043】
A+HO→AO+H(g)(4−1)
AO→A+1/2O(g)(4−2)
または、B+HO→BH+1/2O(g)(4−3)
BH→B+H(g)(4−4)
したがって、前記空気発生源16は、所定の圧力及び所定の温度だけでは空気を別途に発生させずに水中でだけ空気を発生させて、前記水中養殖用浮子1の減少した浮力を増加させることができる。
【0044】
前記空気発生源16によって発生する空気量は、コーティングされた金属量によって化学量的に決定されて、空気量の増加によって金属量が減少する。
【0045】
しかし、その時には、空気量の増加によって前記第1管型部7の内部の空気圧が増加して水圧と平衡をなすため、水が下部開口を密閉する役割を果たして、空気がそれ以上漏洩しない。この時、石灰または金属などが溶解してなくなる分だけ浮子の下部の養殖物の重量によって所定の位置に維持されることができる。
【0046】
前記第1管型部7は、その上下部に各々固定ボルト19が貫通する貫通ホール18が形成されて、前記貫通ホール18を貫通した固定ボルト19の先端に固定ナット19が装着される。これら固定ボルトの重心から下方に少なくとも1つ以上の連結金具8、13が連結される。
【0047】
前記上端部の連結金具8は、養殖期間が終了した後に前記浮子1が表層に浮き上がってこれらを採取する時に鉤などで引っ掛けて引き上げるための役割を果たして、前記下端部の連結金具13は、養殖物9をぶら下げる役割を果たす。これを容易にするために、前記連結金具8、13には、開放及び閉鎖されることができるように、一端部に雌螺子部、及びこれに対応する他端部に雄螺子部が形成されることもできる。
【0048】
次に、このような構成による水中養殖用浮子の浮力調節方法及びその作用効果について説明する。
【0049】
まず、前記空気発生源16を前記空気発生部20に収納して前記空気発生部20に圧縮空気を注入することによって、第1浮力室10を形成する。次に、前記水中養殖用浮子1の内部に形成された第1浮力室10の浮力よりは重い固定錘6を連結金具13に連結して潜水させる。
【0050】
潜水時に、前記第1管型部7の下部開口15及び貫通ホール1bを通じて水が流入して、水圧によって前記空気発生部20が破裂する。
【0051】
この時、前記空気発生源16が水に露出されて空気を発生させ、この空気は、密閉部14の密閉板14cによって上方に行けずに推進力を発生させる。この推進力は、前記第2管型部17と共に前記空気発生部20の一部を前記第1管型部7の下方に向かって移動させることができる。前記第1管型部7の下部内周面に沿って突起部1aを形成することによって、前記空気発生部20から分離された一部及び前記第2管型部17が外部に流出されないようにした。このように前記第2管型部17が前記第1管型部7の下方に移動することによって、第2浮力室11が形成される。
【0052】
この第2浮力室11は、所定以上の気体によって満たされると、第1管型部7の下部に流入する水と平衡をなして、前記浮子1は所定の浮力を維持する。
【0053】
この時、前記第2管型部17は、貫通ホール1bが形成され、前記空気発生部20から発生した熱を外部に放熱して、外部で前記空気発生源16が水と接触するようにする。
【0054】
また、前記第2管型部17は、所定以上の厚さを有して、前記空気発生部20が破裂してもその衝撃が前記第1管型部7に伝達されないようにする。
【0055】
一方、第1浮力室10の大きさは、前記水中養殖用浮子1の全長及び水深によって決定されて、浮子1が流失されても回収しやすくしたり、または重心を下方に集中させて作業性を向上させる。
【0056】
前記浮子1の下部に結合された連結金具13、固定錘6の他に、前記空気発生源16が重心を捉えて垂直に潜水するようにして、前記空気発生源16が分解されてなくなっても所定の養殖期間が経過した後には養殖物が垂直に重心を捉える。
【0057】
水面に浮上させる時には、上部にある連結金具8にロープを連結してウィンチなどで引き上げたり、または下部開口15を通じて空気をさらに注入することによって前記浮子1が水面上にきちんと浮かび上がるようにして、作業を容易にすることができる。この時にも、前記空気発生源16が全て消耗して錘の役割を果たさなくても、養殖物が下方で重心を捉えているので、安定的に上昇することができる。
【0058】
次に、図5(A)及び図5(B)を参照して、本発明による変形例を説明する。
【0059】
図5(A)及び図5(B)は本発明の変形例による図2のIII−III線に沿う縦断面図、及び本発明の一変形例に係る水中養殖用浮子に使用された空気発生部の斜視図である。
【0060】
これを見てみると、第1管型部7´には所定の間隔をおいて複数列の長さ方向に沿って凹凸部7a´が形成されている。このような凹凸部7a´は、第2管型部17´の外周部に所定の間隔をおいて複数列の長さ方向に沿って形成された凹凸部17a´と対応する。したがって、この凹凸部7a´,17a´が互いに係合して前記第2管型部17´が前記第1管型部7´の内部で自由にスライディングすることができる。
【0061】
また、このような凹凸部7a´に沿って胞子縄を配置することによって、養殖物が所定の間隔をおいて配置されて、ストレスをあまり受けず、浮子1´の外部にも養殖物が配置される。
【0062】
一方、本変形例では、前記第2管型部17´が空気発生源16´を含んでいて、空気発生部20´の栓の役割を果たす。前記空気発生部20´は、スリーブ形態に簡単に製造されて、密閉部14´に嵌合されるような直径(R)を有する。
【0063】
所定の水圧下で、前記空気発生部20´は、第1浮力室10´の位置から推進されて第2浮力室11´の位置に前記第1管型部7´の内周面に形成された突起部1a´によって固定される。
【0064】
その他の締結手段18´、19´、連結金具8´、13´、突起部1a´、貫通ホール1b´、下部開口15´などは、上記本発明の実施の形態と同一に構成されて同一に作用するので、説明を省略する。
【0065】
以上で、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施の形態に係る水中養殖用浮子を利用した深海養殖場活用方法を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の形態に係る水中養殖用浮子を示した斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う縦断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る水中養殖用浮子の内部構造関係を示した斜視図である。
【図5】本発明の変形例に係る水中養殖浮子を示す図であり、(A)は図2のIII−III線に沿う縦断面図であり、(B)は水中養殖用浮子に使用された空気発生部の斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1 水中養殖用浮子
7 第1管型部
8,13 連結金具
10 第1浮力室
11 第2浮力室
14 密閉部
15 下部開口
16 空気発生源
17 第2管型部
20 空気発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の水深下に垂直に維持されて、自動的に浮力を調節することができる水中養殖用浮子において、
上下部が開放された第1管型部、前記第1管型部の上部に密着結合される密閉部、前記密閉部の下部に第1浮力室を形成して、水中でだけ空気を発生させる空気発生部、及び前記第1管型部の下部に前記空気発生部の下部を覆うように配置されて、空気の発生時に第2浮力室を形成する第2管型部を含むことを特徴とする水中養殖用浮子。
【請求項2】
前記第1管型部、第2管型部、及び密閉部は、各々耐久性が優れている高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルコロライド、ナイロン、及びABS樹脂などから選択された熱可塑性樹脂を管形態に圧出成形したものであることを特徴とする請求項1に記載の水中養殖用浮子。
【請求項3】
前記第1管型部及び第2管型部の長さは、浮子が設置される水深によって決定されて、前記第1管型部より前記第2管型部が厚く形成されることを特徴とする請求項1に記載の水中養殖用浮子。
【請求項4】
前記第1管型部には少なくとも2つ以上の貫通ホールが形成されて、少なくとも1つ以上の貫通ホールは、前記第2管型部に形成された貫通ホールと連通して、前記第1管型部の下部内周面に沿って突起部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の水中養殖用浮子。
【請求項5】
前記第1管型部の上下部に、締結ホール、前記締結ホールを貫通する固定ボルト、前記締結ホールを貫通した固定ボルトに結合される固定ナット、前記固定ボルトに結合されて、開放及び閉鎖されるように、一端部に雌螺子部が形成され、これに対応する他端部に雄螺子部が形成された複数の連結金具を含むことを特徴とする請求項1に記載の水中養殖用浮子。
【請求項6】
前記第1管型部の上下先端には所定の間隔をおいて凹凸部が形成されることを特徴とする請求項5に記載の水中養殖用浮子。
【請求項7】
前記密閉部は、その内部中央に所定の厚さを有する密閉板が形成されて、前記密閉部の下部及び前記空気発生部が嵌合されて結合されることを特徴とする請求項1に記載の水中養殖用浮子。
【請求項8】
前記空気発生部は、カプセル形態からなって、第1浮力室を形成する胴部、空気発生源を収容する肩部、及び開閉可能な栓が形成された首部を含ことを特徴とする請求項1に記載の水中養殖用浮子。
【請求項9】
前記空気発生部は、前記第1管型部、密閉部、及び前記第2管型部より耐久性が低いプラスチック材質からなることを特徴とする請求項8に記載の水中養殖用浮子。
【請求項10】
前記空気発生源は多孔性物質からなることを特徴とする請求項9に記載の水中養殖用浮子。
【請求項11】
前記多孔性物質は石灰であり、前記空気発生源は、水と反応する金属でコーティングされ、前記コーティングされた金属量によって発生する空気量が化学量的に決定されて、空気量の増加によって金属量が減少することを特徴とする請求項1に記載の水中養殖用浮子。
【請求項12】
前記金属はカドミウムであることを特徴とする請求項11に記載の水中養殖用浮子。
【請求項13】
前記空気発生部の長さは、前記第1管型部の長さ及び海水面からの深さによって決定されることを特徴とする請求項11に記載の水中養殖用浮子。
【請求項14】
上下部が開放された第1管型部、前記第1管型部の上部に密着結合される密閉部、前記密閉部の下部に第1浮力室を形成して、水中でだけ空気を発生させる空気発生部、及び前記第1管型部の下部に前記空気発生部の下部を覆うように配置されて、空気の発生時に第2浮力室を形成する第2管型部を含む水中養殖用浮子を、所定の水深下に垂直に維持するための浮力調節方法において、
前記浮子に固定錘を付けて所定の深さに潜水させるステップ、
前記第1管型部の貫通ホール及び下部開口を通じて水が流入して、前記空気発生部が破裂するステップ、
前記空気発生部の空気発生源が水に露出されるステップ、
前記空気発生部が前記第2管型部と共に前記第1管型部の下方に移動するステップ、及び
前記空気発生部及び前記第2管型部が前記第1管型部の下部に固定されるステップを含むことを特徴とする浮力調節方法。
【請求項15】
前記浮子及び前記固定錘の間の連結金具に養殖物が配置されることを特徴とする請求項14に記載の浮力調節方法。
【請求項16】
前記空気発生部の重量は養殖物の成長重量によって決定されることを特徴とする請求項14に記載の浮力調節方法。
【請求項17】
上下部が開放された第1管型部、前記第1管型部の上部に密着結合される密閉部、前記密閉部の下部に第1浮力室を形成して、水中でだけ空気を発生させる空気発生部、及び前記第1管型部の下部に前記空気発生部の下部を覆うように配置されて、空気の発生時に第2浮力室を形成する第2管型部を含む水中養殖用浮子を利用した、深海漁場活用方法において、
前記浮子を連結ロープに連結して養殖場を形成して、固定錘をその重心に付けて所定の水深下に養殖場を配置するステップ、
前記浮子及び前記固定錘の間を垂直下方に連結する連結金具に養殖物を配置するステップ、
前記浮子を前記固定錘から分離することによって、前記浮子を少なくとも前記第1浮力室によって上方に移動させるステップ、
前記浮子が水面上に浮き上がった時にその下部に付いている養殖物を採取するステップを含むことを特徴とする深海漁場活用方法。
【請求項18】
前記連結金具の個数は、養殖物の習性環境または養殖物の種類によって決定されることを特徴とする請求項17に記載の深海漁場活用方法。
【請求項19】
前記水中養殖用浮子の外周面に沿って胞子縄を巻き付けることを特徴とする請求項17に記載の深海漁場活用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−29078(P2007−29078A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−53624(P2006−53624)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(506070545)
【氏名又は名称原語表記】SEO, Sang−Min
【Fターム(参考)】