説明

水供給循環配管

【課題】循環配管を施した常時一定の動力で水を供給する水供給設備において、各ユースポイントでの送水圧力を一定に保つ様にし、又水供給設備の系内に水処理機器が有る場合でも、水量が増えた時に水処理機器に処理能力以上の過負荷を掛ける事がないようにする。
【解決手段】循環配管を施した水供給設備において、ユースポイントでの水使用量の増減により、前記課題の状況が生じるので、その変動を自動制御システムにより制御し、送り側送水圧力と送水量を粗一定に保つ様に調節する事により、各ユースポイントでの圧力を一定に保ち、又水処理機器4に過負荷が掛らない様にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水供給設備において循環配管系内のユースポイント全体での水使用量が増減しても、送水圧力と流量が自動で一定になる水供給設備配管に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体等の電子部品製造工程の洗浄工程で使用される純水の供給設備に施工される循環配管は、予め全ユースポイントで、使用予定最大水量より多量(一般的に20%前後)に送水し、供給に必要な送り側圧力と水量及び、戻り側圧力と水量が調節できる一番適した点で送水側の供給出力を調節(1…供給ポンプ電動機の3…インバーター制御による出力調節、あるいはポンプ吐出側の2…出力調節弁の開度調節)し一定に保ち、循環配管の戻り側端末に15…戻り側圧力調節弁(PCV)を設けてユースポイントで必要とされる圧力調節を行い、各ユースポイントで使用される水量の増減に合わせて循環配管戻り側端末の15…戻り側圧力調節弁(PCV)の開度を調節して管内の圧力変動が小さくなる様に調節して、各ユースポイントでの供給圧力制御を行っていた。
【0003】
しかし、ユースポイントで使用される水量増加により、21…循環配管戻り側の流量が減りそれに伴い、21…循環配管戻り側の圧力損失が減少するので循環配管全体の圧力損失が減少する事になり、その為に図1の5…送り側配管A点の圧力が低下するだけでなく送水出力を一定にしている為に圧力が低下した分、流量が増加する事になり4…水処理機器部に設計値以上の処理負荷が掛り供給水の水質低下の原因にもなる欠点があった。
【0004】
この改善策として、送り側管内圧力測定機器と戻り側管内圧力測定機器、演算機(シーケンサー)、演算機への入出力信号変換機を設け、ユースポイントでの水使用量の増減に伴う、配管内圧力損失の増減による送り側の送水圧力と送水流量の変動を自動で一定に保ち、各ユースポイントで一度水量調節したらその後は安定した常態で水供給が出きる様にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2003−145148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、従来の循環配管の管内圧力制御方法では制御できていなかった所を、自動制御システム追加により循環配管のユースポイントでの、水使用量の増減変動に対してより安定した水質、水圧で水供給が出きる様にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図1は本発明の水供給設備と循環配管のフロー系統図を示す、この図に基づき説明します。全量リターン時(水量一定時)の送り側管内圧力〔P−A−1〕を配管に取り付けた6…送り側管内圧力測定センサー(PS−1)と7…送り側圧力指示調節計(PIC−1)により測定、戻り側管内圧力〔P−B−1〕を配管に取り付けた12…戻り側管内圧力測定センサー(PS−2)と13…戻り側圧力指示調節計(PIC−2)により測定し、全

水使用時(流量変動時)の送り側管内圧力〔P−A−2〕を6…送り側管内圧力測定センサー(PS−1)と7…送り側圧力指示調節計(PIC−1)により測定、戻り側管内圧力〔P−B−2〕を12…戻り側管内圧力測定センサー(PS−2)と13…戻り側圧力

演算値も含む専用の演算ソフトを打ち込んだ16…シーケンサー(PC)に各管内圧力測定のアナログ値を17…アナログ・デジタル信号変換機1(A/D−1)と18…アナログ・デジタル信号変換機2(A/D−2)を介して16…シーケンサー(PC)に取り込

要な14…戻り側配管B点での管内圧力値の13…戻り側圧力指示調節計(PIC−2)の圧力調節値セットポイント(SP)の圧力値〔P4〕に差圧〔P3〕をプラス演算した値〔P5〕を16…シーケンサー(PC)から19…デジタル・アナログ信号変換機1(D/A−1)を介して、13…戻り側圧力指示調節計(PIC−2)の圧力調節値セットポイント(PS)の値に、変動する〔P5〕の値を自動入力する事により、5…送り側配管A点の管内圧力と9…送り側流量計(FIQ−1)の値を粗一定に保ち、各ユースポイントでの供給状況を安定させ使用水量の変動があっても各ユースポイントでの供給水量を一定に保つ事が出来る。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水供給設備と循環配管の供給圧力制御方法により、各ユースポイント先に接続された精密機器製造装置等の水洗浄工程での異状発生が減り、生産効率が上り歩留まりも良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明の水供給設備と循環配管の圧力調節システムの制御機器を記したシステムフロー図である。
【図2】 高純度純水供給設備の実施例を示したシステムフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
既存する高純度純水設備の運転制御システムに一部の制御機器の追加と、電子式演算機〔シーケンサー(PC)〕に本発明の圧力調節システムの演算回路、及び遅延回路等のソフトを追加し、シーケンサー(PC)と自動圧力制御機器との制御入出力信号を遣り取りする事により実施できる。
【図面の符号説明】
【0011】
1…供給ポンプ、2…出力調節弁、3…インバーター(VVVF)、4…水処理機器、5…送り側配管A点、6…送り側管内圧力測定センサー(PS−1)、7…送り側圧力指示調節計(PIC−1)、8…送り側流量測定センサー(FS−1)、9…送り側流量指示計(FIQ−1)、10…戻り側流量測定センサー(FS−2)、11…戻り側流量指示計(FIQ−2)、12…戻り側管内圧力測定センサー(PS−2)、13…戻り側圧力指示調節計(PIC−2)、14…戻り側配管B点、15…戻り側圧力調節弁(PCV)、16…シーケンサー(PC)、17…アナログ・デジタル信号変換機1(A/D−1)、18…アナログ・デジタル信号変換機2(A/D−2)、19…デジタル・アナログ信号変換機1(D/A−1)、20…循環配管送り側、21…循環配管戻り側、22…貯水槽、23…貯水槽水位調節弁(LCV)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水供給設備において循環配管を施工し、配管系内のユースポイント全体での水使用量が増減しても、各ユースポイントの各供給圧を粗一定に保ち、各ユースポイント先の水使用設備の安定運転が出きる様に、送り側送水配管の送水圧力及び送水流量が自動で一定になる様な自動制御システムを備えた水供給設備と循環配管、及び施工方法。

【図1】
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【図2】
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