水処理装置および水処理方法
【課題】
活性炭に付着した好気性微生物を利用して吸着物質およびケーキ層を容易に、かつ、少ないエネルギーで洗浄することができる水処理装置および水処理方法を提供する。
【解決手段】
活性炭槽に微生物を繁殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
一定時間の時間経過を検出する時間検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により一定時間の経過が検出されると、嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
活性炭に付着した好気性微生物を利用して吸着物質およびケーキ層を容易に、かつ、少ないエネルギーで洗浄することができる水処理装置および水処理方法を提供する。
【解決手段】
活性炭槽に微生物を繁殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
一定時間の時間経過を検出する時間検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により一定時間の経過が検出されると、嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水処理装置および水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物活性炭(BAC)処理による吸着・分解を利用した水処理を実施する場合、活性炭に懸濁物質や分解物質が次第に吸着・蓄積され、通水(ろ過)能力が低下する。通水能力を妨げる物質を取り除くため、通水(ろ過)処理時の水の流れに対して逆の方向から水あるいは空気によって洗浄(逆洗)を行い通水(ろ過)能力の回復をおこなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−145741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この洗浄(逆洗)を行うにあたり、活性炭にケーキ層などの形態で定着した吸着物質などの不純物除去のために多大なエネルギーが必要である。
【0005】
上記の事情に鑑み、活性炭層内に生息する好気性微生物を利用して吸着物質およびケーキ層を容易に、かつ、少ないエネルギーで洗浄することができる水処理装置および水処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、水処理装置は、
活性炭槽に微生物を繁殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
一定時間の時間経過を検出する時間検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により一定時間の経過が検出されると、嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を有する。
【0007】
また、本実施形態の水処理方法は、
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理方法であって、
一定時間の経過後、嫌気化処理を行い、次に前記生物活性炭槽内の洗浄を開始させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る水処理装置の形態を示す構成図。
【図2】第1の実施形態に係る水処理装置のろ過処理のフローを示す図。
【図3】第1の実施形態に係る生物活性炭槽30内の洗浄フローを示す図。
【図4】第1の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図5】初期状態の生物活性炭槽30内部を示す図。
【図6】目詰まり状態の生物活性炭槽30内部を示す図。
【図7】嫌気化処理中の生物活性炭槽30内部を示す図。
【図8】嫌気化処理後の生物活性炭槽30内部を示す図。
【図9】第2の実施形態に係る水処理装置の形態を示す構成図。
【図10】第2の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図11】第2の実施形態の変形例に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図12】第3の実施形態の水処理装置の形態を示す構成図。
【図13】第3の実施形態に係る嫌気化時間に決定に使用するグラフの例を示す図。
【図14】第3の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図15】第4の実施形態に係る水処理装置の形態を示す構成図。
【図16】第4の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図17】第5の実施形態に係る水処理装置の形態を示す構成図。
【図18】第5の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図19】第5の実施形態に係る水処理装置の変形例を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の水処理装置は、図1に示すように前処理プロセス10と、オゾン反応槽20と、オゾン発生器21と、生物活性炭槽30と、後処理プロセス40と、制御装置100と流入弁52、53と、流出弁54、55とを含む構成である。前処理プロセス10と、オゾン反応槽20と、生物活性炭槽30と、後処理プロセス40とは水などの液体を通す管で接続されている。
【0011】
前処理プロセス10は、供給された原水に対して不純物の凝集・沈殿・ろ過処理を行う。凝集・沈殿・ろ過処理などの前処理がなされた水は、オゾン反応槽20へ供給される。
【0012】
オゾン反応槽20は、前処理プロセス10から供給された水に対してオゾン処理を行う。オゾン処理では、異臭味やトリハロメタン前駆物質を酸化・分解するとともに難分解性有機物の分解やマンガンなどの重金属の酸化を促進する。オゾン処理がなされた水は、生物活性炭槽30へ供給される。
【0013】
生物活性炭槽30は、送られてきた水を複数の活性炭により構成される活性炭層31により、不純物を吸着させる吸着処理、好気性微生物による分解処理を行う。この吸着・分解処理がなされた水は、後処理プロセス40へ供給される。本実施形態では、生物活性炭槽30は一つのみ記載しているが、複数の生物活性炭槽30をオゾン反応槽20に接続する形態であってもよい。
【0014】
後処理プロセス40は、生物活性炭槽30から供給されてきた水に対して砂ろ過を行う。また、塩素注入による消毒を行う処理などの後処理を行う。
【0015】
流入弁52は、オゾン反応槽20から生物活性炭槽30への水の流入の制御を行う弁である。弁をあけることにより水の流入がなされ、閉じることにより水の流入をストップさせる。通常は「開」の状態で水を通し、生物活性炭槽30内を洗浄する際に弁を「閉」としオゾン反応槽20からの水の流入をストップさせる。
【0016】
流入弁53は、生物活性炭槽30内を洗浄するための逆洗水の流入を行う弁である。通常は「閉」の状態で水を通さず、洗浄時に弁を「開」とすることにより逆洗水の流入がなされる。
【0017】
流出弁54は、生物活性炭槽30から後処理プロセス40への水の流量の制御を行う弁である。弁を開けることにより生物活性炭槽30で処理された水が後処理プロセスへ流れ、閉じることにより後処理プロセス40への流出をストップさせる。通常、弁は「開」となっており、洗浄をする際に、「閉」とし後処理プロセス40への水の流出をストップさせる。
【0018】
流出弁55は、生物活性炭槽30内を洗浄した排水の流出を制御する弁である。弁をあけることにより生物活性炭槽30を洗浄した逆洗水の流出を行う。通常、弁は「閉」となっており、逆洗の際に「開」とし、逆洗水を排出させる。
【0019】
これら流入弁52、53、流出弁54、55は制御装置100からの制御信号により開閉が行われ、水の流れが制御される。
【0020】
制御装置100は、タイマおよび論理演算機能を有したプログラマブルコントローラまたはハードシーケンス回路(図示しない)によって構築される。前記タイマによって時間を管理しており、このタイマが一定時間の経過を観測すると流入弁52、53の開閉動作、流出弁54、55の開閉動作を行わせる電気信号を送る。
【0021】
具体的には、タイマにより一定時間T1の経過がカウントされると、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送る。生物活性炭槽30内の嫌気化の工程時間であるT2を超えた時間をタイマがカウントすると、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう信号を送る。
【0022】
次に、逆洗に必要な一定時間T3の経過をタイマがカウントすると、流入弁53および流出弁55を「閉」とした後、一定時間T4をタイマがカウントするまでの間、水処理装置の動作を休止させる。T4経過をタイマがカウントすると、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る。この「T4経過をタイマがカウントする」動作に代えて、「ろ過開始指令を制御装置100が検知するまで」としてもよい。ろ過制御指令は図示しない入力部より入力または外部から制御装置100になされる指令である。
【0023】
その後、さらにタイマにより新たに一定時間T1の経過が検出されるまでは、通常のろ過処理が行われる。
【0024】
T1乃至T4時間をカウントする一例を詳細に述べると、流入弁または流出弁の開閉指令のあと、アンサーバックを制御装置100がもらい、ここからカウントを開始する。このカウント値が予め定めたT1乃至T4を超えたら流入弁または流出弁の開閉指令を行い、アンサーバックにより確認を行う動作を行う。
【0025】
次に、本システムの動作について図1乃至図8を参照しながら説明する。
【0026】
図1、図3に示すように、水処理装置全体として、前処理プロセス10は、供給された原水に対して不純物の凝集・沈殿・ろ過処理を行う(ステップS101)。凝集・沈殿・ろ過処理がなされた水は、オゾン反応槽20へ供給され、オゾン反応槽20は、前処理プロセス10から供給された水に対してオゾン処理を行う。オゾン処理がなされた水は、生物活性炭槽30へ供給される(ステップS102)。生物活性炭槽30は、複数の活性炭により構成される活性炭層31により、不純物を吸着させる吸着処理、好気性微生物による分解処理を行う。(ステップS103)。後処理プロセス40は、供給された水に対して砂ろ過を行う(ステップS104)。
【0027】
このステップS103では活性炭層31に徐々に吸着物質が蓄積され、処理能力が十分な初期状態(図5)から、ケーキ層の形成によって初期状態より処理能力が低下した末期状態(図6)へ移行する。
【0028】
タイマにより一定時間T1の経過がカウントされていない場合は、ろ過処理を続ける(ステップS202−N)。
【0029】
図4に示すように制御装置100は、ろ過開始からタイマによる一定時間T1の経過をカウントすると、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送る(ステップS201、202―Y)。
【0030】
その後、さらに制御装置100により工程管理タイマT2の経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り、洗浄を開始させる指令を出力する。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経てから洗浄することより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする(ステップS203)。
【0031】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS204)。
【0032】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS205)。
【0033】
ステップS202において一定時間T1の経過が検出されない場合は、ろ過処理を続ける(ステップS202−NO)
このように、生物活性炭槽30内を洗浄前に一時的に嫌気化することにより好気性の微生物の移動を促し、活性炭層31に付着したケーキ層および吸着物質に割れ目や裂け目を生じさせ洗浄が容易に行えるようになる。洗浄が容易に行うことができ、洗浄に必要なエネルギーも減少させることができる。さらに、処理に必要なエネルギー(動力)を減らせるため活性炭同士のこすれによる損傷が少なくなり活性炭層31の取り換え寿命の長期化が可能となる。
【0034】
なお、本実施形態ではオゾン反応槽20を使用しているが、オゾン反応槽20を使用しなくてもよい。つまり、前処理プロセス10と生物活性炭槽30を直接接続する形態でもよい。また、本実施形態では水を使用しての洗浄について記載したが、空気洗浄と水による洗浄を組み合わせてもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図3、図5乃至図11を参照しながら説明する。
【0036】
本実施形態は第1の実施形態の変形例である。
【0037】
第1の実施形態との違いは、図9に示すように計測器61を新たに備える点である。また、計測器61の設置に伴い制御装置100の制御手段が異なる。
【0038】
計測器61は、生物活性炭槽30内の活性炭層31への水の流入と流出の圧力差(差圧)を計測し、活性炭層31の目詰まり状態を把握するために利用するろ過抵抗計である。
【0039】
制御装置100は、タイマおよび論理演算機能を有したプログラマブルコントローラまたはハードシーケンス回路によって構築される。計測器61から差圧の情報を収集し、収集した情報に基づいてと流入弁52、53の流入動作と、流出弁54、55の流出動作の制御を行う。
【0040】
活性炭層31の差圧が一定値以上になった場合は、流入弁52を「開」から「閉」とさせる。活性炭層31の目詰まりにより水の流れが悪くなっていると考えられるからである。
【0041】
水処理装置全体としては第1の実施形態と同様に、前処理プロセス10は、供給された原水に対して不純物の凝集・沈殿・ろ過処理を行う(ステップS101)。凝集・沈殿・ろ過処理がなされた水は、オゾン反応槽20へ供給され、オゾン反応槽20は、前処理プロセス10から供給された水に対してオゾン処理を行う。オゾン処理がなされた水は、生物活性炭槽30へ供給される(ステップS102)。生物活性炭槽30は、複数の活性炭により構成される活性炭層31により、不純物を吸着させる吸着処理、好気性微生物による分解処理を行う。(ステップS103)。後処理プロセス40は、供給された水に対して砂ろ過を行う(ステップS104)。
【0042】
このステップS103では活性炭層31に徐々に吸着物質が蓄積され、処理能力が十分な初期状態(図5)から、ケーキ層の形成によって初期状態より処理能力が低下した末期状態(図6)へ移行する。
【0043】
一方、図10に示すように制御装置100は、一定以上の差圧を検出すると、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送る(ステップS301、302―Y)。
【0044】
その後、制御装置100により工程管理タイマT2の経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り洗浄を開始させる指令を出力する。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経てから洗浄することにより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする(ステップS303)。
【0045】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS304)。
【0046】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS305)。
【0047】
タイマにより一定時間が経過されていない場合(ステップS302−N)は、ろ過処理を続ける。
【0048】
なお、図10に示したステップS301乃至ステップS302に代えて図11に示すステップS401乃至ステップS403に代えてもよい。
【0049】
すなわち、制御装置100は、一定以上の差圧または一定時間T1の経過を検出すると、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送る(ステップS401、ステップS402−Y、ステップS403−Y)。
【0050】
タイマにより一定時間が経過されていない場合は、ろ過処理を続ける(ステップS403−N)。
【0051】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント(ステップS402―Y、ステップS403−Y)後であって、工程管理タイマT2経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り洗浄を開始させる指令を出力する。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経ることにより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする。(ステップS404)。
【0052】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS405)。
【0053】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS406)。
【0054】
その他、計測器61により生物活性炭槽30内の活性炭層31を通過する前後の水の濁度を計測し、目詰まりの検出としてもよい。なお、本実施形態では生物活性炭槽30内を計測するように計測器61を設置しているが、流水弁52のすぐ後に設置するなど、設置場所を変更することができる。
【0055】
このように、生物活性炭槽30内を洗浄前に一時的に嫌気化することにより好気性の微生物の移動を促し、活性炭層31に付着したケーキ層および吸着物質に割れ目や裂け目を生じさせ洗浄が容易に行えるようになる。洗浄が容易に行うことができ、洗浄に必要なエネルギーも減少させることができる。さらに、処理に必要なエネルギー(動力)を減らせるため活性炭同士のこすれによる損傷が少なくなり活性炭層31の取り換え寿命の長期化が可能となる。
【0056】
なお、一定の差圧を第一次の判断基準と用いることでより洗浄処理が必要な時間帯に合わせて生物活性炭槽30内の洗浄処理を行うことができる。
【0057】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図2、図3、図5乃至図8、図12、図13、図14を参照しながら説明する。
【0058】
本実施形態と第2の実施形態との違いは、制御装置100により嫌気化時間T2の時間を変化させる点が異なる。また、計測器61に加えて計測器62が設置される点である。
【0059】
本実施形態の制御装置100は、計測器62で検出した値に応じて、一定時間T2を延長、維持、短縮に分ける制御を行う。例えば、一定時間T2を図13に示すように溶存酸素濃度の値によって決定する。この他、上記曲線に対応するような予め定められた溶存酸素濃度等の数値とT2時間との関係を表す数式や対応表から一定時間T2を求めてもよい。
【0060】
計測器62は、生物活性炭槽30に流入する水の溶存酸素濃度(DO)を計測する。その他の値を利用する場合は、水の濁度、PH、水温、アンモニア濃度の計測を行う計器に代えることもできる。
【0061】
これにより、より適切な時間の生物活性炭槽30内の嫌気化を行うことができる。
【0062】
第3の実施形態の動作について、図13、図14を参照しながら説明する。
【0063】
制御装置100は、ろ過処理を行いながら一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウントする(ステップS501、ステップS502、ステップS503)。
【0064】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント前はろ過処理を行う(ステップS502−NOかつステップS503−NO)。
【0065】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント後(ステップS502−YESまたはステップS503−YES)、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送り、計測器62で検出したから溶存酸素濃度から、嫌気化を行う時間T2を予め定められた方法で決定する(ステップS504)。
【0066】
ステップS504の後、制御装置100により工程管理タイマT2経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り、洗浄を開始させる指令を出力する(ステップS505)。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経てから洗浄を行うことより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする。
【0067】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS506)。
【0068】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS507)。
【0069】
本実施形態では溶存酸素濃度によりT2を決定したが、残留オゾン濃度に代えてもよい。
【0070】
このように、生物活性炭槽30内を洗浄前に一時的に嫌気化することにより好気性の微生物の移動を促し、活性炭層31に付着したケーキ層および吸着物質に割れ目や裂け目を生じさせ洗浄が容易に行えるようになる。洗浄が容易に行うことができ、洗浄に必要なエネルギーも減少させることができる。また、時間制御ではなく、実際の生物活性炭槽30内の溶存酸素濃度などの情報に基づき嫌気化処理、洗浄処理の開始・終了処理を制御することができるため、より処理時間の短縮化も図れ、十分な洗浄の効果を発揮させることができる。
【0071】
また、嫌気化工程の時間であるT2時間を制御することにより、より適切な時間嫌気化を行うことができる。
【0072】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図2、図3、図5乃至図8、図15、図16を参照しながら説明する。
【0073】
第3の実施形態との違いは、図15に示すように計測器62または63を備える点である。また、計測器62または63の設置に伴い制御装置100の制御手段が異なる。
【0074】
計測器62は、生物活性炭槽30に流入する水のPH、水温を計測する。その他の値を利用する場合は、水の濁度、溶存酸素濃度、アンモニア濃度の計測を行う計器に代えることもできる。
【0075】
計測器63は、生物活性炭槽30内に流入した水のPH、水温を計測する。その他の値を利用する場合は、水の濁度、溶存酸素濃度、アンモニア濃度の計測を行う計器に代えることもできる。
【0076】
本実施形態の制御装置100は、62または63で検出した値に応じて、一定時間T2を延長、維持、短縮する制御を行う。微生物はpHが小さい(酸性)と活動が鈍化し、温度(水温)が低い場合も活動が鈍化することを利用するものである。なお、全ての計測器を必ずしも利用する必要はなく例えば、計測器62で検出したPH値のみを利用してもよい。
【0077】
これにより、適切な時間を指定して生物活性炭槽30内の嫌気化を行うことができる。
【0078】
なお、本実施形態では、オゾン反応槽20と生物活性炭槽30の間の配管の途中に計測器を設置しているが、別途サンプル水を活性炭槽中から取り出し、各種値を検出してもよい。
【0079】
第4の実施形態の動作について、図16を参照しながら説明する。
【0080】
制御装置100は、ろ過処理を行いながら一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウントする(ステップS601、ステップS602、ステップS603)。
【0081】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント前はろ過処理を行う(ステップS602−NOかつステップS603−NO)。
【0082】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント後(ステップS602−YESまたはステップS603YES)、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送り、計測器62等で検出したからPHから、嫌気化時間T2を予め定められた方法で決定する(ステップS604)。
【0083】
ステップS604の後、制御装置100により工程管理タイマT2経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り、洗浄を開始させる指令を出力する(ステップS605)。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経てから洗浄することにより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする。
【0084】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS606)。
【0085】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS607)。
【0086】
本実施形態ではPH値によりT2を決定したが、水温等に代えてもよい。
【0087】
なお、本実施形態では、水温、PH値を利用したが、計測器62を流水弁52と、オゾン反応槽20の間に設置し、これにより、T2時間の延長、維持、短縮を決定してもよい。
【0088】
このように、生物活性炭槽30内を洗浄前に一時的に嫌気化することにより好気性の微生物の移動を促し、活性炭層31に付着したケーキ層および吸着物質に割れ目や裂け目を生じさせ洗浄が容易に行えるようになる。洗浄が容易に行うことができ、洗浄に必要なエネルギーも減少させることができる。また、嫌気化する時間を制御することにより適切な嫌気化時間を確保することができる。
【0089】
(第5の実施形態)
第5の実施形態について図17、図19を参照しながら説明する。
【0090】
第5の実施形態は第3の実施形態の変形例である。
【0091】
第3の実施形態との違いは、流出弁56を備える点である。制御部100がオゾン発生器21からオゾン反応槽20へ供給されるオゾン量を制御する点である。
【0092】
オゾン発生器21は、制御部100からの指示に基づきオゾン反応槽20へのオゾンの流入の制御を行う。
【0093】
流出弁56は、オゾン発生量を減らしたことによりオゾン処理されていない処理水を廃棄する。
【0094】
制御装置100は、タイマおよび論理演算機能を有したプログラマブルコントローラまたはハードシーケンス回路によって構築される。タイマおよび論理演算機能を有したプログラマブルコントローラまたはハードシーケンス回路(図示しない)によって構築される。前記タイマによって時間を管理しており、このタイマが一定時間の経過を観測すると、流入弁52、53の流入動作と、流出弁54、55、56の流出動作を行わせる電気信号を送る。また、計測器62によるオゾン量からオゾン発生器21にオゾン発生量を増減の指示を行う。
【0095】
具体的には、タイマによる時間観測により一定時間T1の経過が検出されると、流出弁54を「閉」とする信号を送る。また、流出弁56を「開」とする信号を送る。
【0096】
これにより、流入弁52から流れてくる水は、流出弁56から排出されることとなる。一方、オゾン発生器21は、オゾン反応槽20へのオゾン流入量を減らす、またはオゾンの発生をとめる。
【0097】
その後、一定時間T2の経過を検出すると、流入弁52および流出弁56を「閉」とし、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送る。
【0098】
逆洗に必要な一定時間T3の経過を検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とした後、一定時間T4の間、水処理装置の動作を休止させる。T4経過を検出すると、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る。
【0099】
その後、さらにタイマにより新たに一定時間T1の経過が検出されるまでは、通常のろ過処理が行われる。
【0100】
本実施形態の動作について図18を参照しながら説明する。
【0101】
水処理装置全体としては、第2の実施形態と同様に前処理プロセス、オゾン処理、吸着処理、後処理プロセスを行う。
【0102】
制御装置100は、ろ過処理を行いながら一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウントする(ステップS701、ステップS702、ステップS703)。
【0103】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント前はろ過処理を行う(ステップS702−NOかつステップS703−NO)。
【0104】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント後(ステップS702−YESまたはステップS703−YES)、流出弁54を「閉」とする信号を送る。また、流出弁56を「開」とする信号を送る。または、オゾン発生器21にオゾン発生量の減少を指示し、オゾン反応槽20へのオゾン流入量を減らす。(ステップS704)。
【0105】
ステップS704の後、制御装置100により工程管理タイマT2経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とし流出弁56を「閉」とするよう電気信号を送り、洗浄を開始させる指令を出力する(ステップS705)。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経ることにより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする。
【0106】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS706)。
【0107】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS707)。
【0108】
なお、図19に示すように、活性炭層31内の微生物量などを検出する計測器64や、流出水の各種値を検出する計測器65や逆洗水の各種値を検出する計測器66を設けて、これらの値からフィードバックして、オゾン発生量を調節してもよい。
【0109】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
10 … 前処理プロセス
20 … オゾン反応槽
21 … オゾン発生器
30 … 生物活性炭槽
40 … 後処理プロセス
51、52、53 … 流入弁
54、55、56 … 流出弁
61、62、63、64、65、66 … 計測器
100 … 制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水処理装置および水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物活性炭(BAC)処理による吸着・分解を利用した水処理を実施する場合、活性炭に懸濁物質や分解物質が次第に吸着・蓄積され、通水(ろ過)能力が低下する。通水能力を妨げる物質を取り除くため、通水(ろ過)処理時の水の流れに対して逆の方向から水あるいは空気によって洗浄(逆洗)を行い通水(ろ過)能力の回復をおこなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−145741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この洗浄(逆洗)を行うにあたり、活性炭にケーキ層などの形態で定着した吸着物質などの不純物除去のために多大なエネルギーが必要である。
【0005】
上記の事情に鑑み、活性炭層内に生息する好気性微生物を利用して吸着物質およびケーキ層を容易に、かつ、少ないエネルギーで洗浄することができる水処理装置および水処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、水処理装置は、
活性炭槽に微生物を繁殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
一定時間の時間経過を検出する時間検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により一定時間の経過が検出されると、嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を有する。
【0007】
また、本実施形態の水処理方法は、
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理方法であって、
一定時間の経過後、嫌気化処理を行い、次に前記生物活性炭槽内の洗浄を開始させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る水処理装置の形態を示す構成図。
【図2】第1の実施形態に係る水処理装置のろ過処理のフローを示す図。
【図3】第1の実施形態に係る生物活性炭槽30内の洗浄フローを示す図。
【図4】第1の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図5】初期状態の生物活性炭槽30内部を示す図。
【図6】目詰まり状態の生物活性炭槽30内部を示す図。
【図7】嫌気化処理中の生物活性炭槽30内部を示す図。
【図8】嫌気化処理後の生物活性炭槽30内部を示す図。
【図9】第2の実施形態に係る水処理装置の形態を示す構成図。
【図10】第2の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図11】第2の実施形態の変形例に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図12】第3の実施形態の水処理装置の形態を示す構成図。
【図13】第3の実施形態に係る嫌気化時間に決定に使用するグラフの例を示す図。
【図14】第3の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図15】第4の実施形態に係る水処理装置の形態を示す構成図。
【図16】第4の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図17】第5の実施形態に係る水処理装置の形態を示す構成図。
【図18】第5の実施形態に係る制御装置100の制御フローを示す図。
【図19】第5の実施形態に係る水処理装置の変形例を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の水処理装置は、図1に示すように前処理プロセス10と、オゾン反応槽20と、オゾン発生器21と、生物活性炭槽30と、後処理プロセス40と、制御装置100と流入弁52、53と、流出弁54、55とを含む構成である。前処理プロセス10と、オゾン反応槽20と、生物活性炭槽30と、後処理プロセス40とは水などの液体を通す管で接続されている。
【0011】
前処理プロセス10は、供給された原水に対して不純物の凝集・沈殿・ろ過処理を行う。凝集・沈殿・ろ過処理などの前処理がなされた水は、オゾン反応槽20へ供給される。
【0012】
オゾン反応槽20は、前処理プロセス10から供給された水に対してオゾン処理を行う。オゾン処理では、異臭味やトリハロメタン前駆物質を酸化・分解するとともに難分解性有機物の分解やマンガンなどの重金属の酸化を促進する。オゾン処理がなされた水は、生物活性炭槽30へ供給される。
【0013】
生物活性炭槽30は、送られてきた水を複数の活性炭により構成される活性炭層31により、不純物を吸着させる吸着処理、好気性微生物による分解処理を行う。この吸着・分解処理がなされた水は、後処理プロセス40へ供給される。本実施形態では、生物活性炭槽30は一つのみ記載しているが、複数の生物活性炭槽30をオゾン反応槽20に接続する形態であってもよい。
【0014】
後処理プロセス40は、生物活性炭槽30から供給されてきた水に対して砂ろ過を行う。また、塩素注入による消毒を行う処理などの後処理を行う。
【0015】
流入弁52は、オゾン反応槽20から生物活性炭槽30への水の流入の制御を行う弁である。弁をあけることにより水の流入がなされ、閉じることにより水の流入をストップさせる。通常は「開」の状態で水を通し、生物活性炭槽30内を洗浄する際に弁を「閉」としオゾン反応槽20からの水の流入をストップさせる。
【0016】
流入弁53は、生物活性炭槽30内を洗浄するための逆洗水の流入を行う弁である。通常は「閉」の状態で水を通さず、洗浄時に弁を「開」とすることにより逆洗水の流入がなされる。
【0017】
流出弁54は、生物活性炭槽30から後処理プロセス40への水の流量の制御を行う弁である。弁を開けることにより生物活性炭槽30で処理された水が後処理プロセスへ流れ、閉じることにより後処理プロセス40への流出をストップさせる。通常、弁は「開」となっており、洗浄をする際に、「閉」とし後処理プロセス40への水の流出をストップさせる。
【0018】
流出弁55は、生物活性炭槽30内を洗浄した排水の流出を制御する弁である。弁をあけることにより生物活性炭槽30を洗浄した逆洗水の流出を行う。通常、弁は「閉」となっており、逆洗の際に「開」とし、逆洗水を排出させる。
【0019】
これら流入弁52、53、流出弁54、55は制御装置100からの制御信号により開閉が行われ、水の流れが制御される。
【0020】
制御装置100は、タイマおよび論理演算機能を有したプログラマブルコントローラまたはハードシーケンス回路(図示しない)によって構築される。前記タイマによって時間を管理しており、このタイマが一定時間の経過を観測すると流入弁52、53の開閉動作、流出弁54、55の開閉動作を行わせる電気信号を送る。
【0021】
具体的には、タイマにより一定時間T1の経過がカウントされると、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送る。生物活性炭槽30内の嫌気化の工程時間であるT2を超えた時間をタイマがカウントすると、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう信号を送る。
【0022】
次に、逆洗に必要な一定時間T3の経過をタイマがカウントすると、流入弁53および流出弁55を「閉」とした後、一定時間T4をタイマがカウントするまでの間、水処理装置の動作を休止させる。T4経過をタイマがカウントすると、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る。この「T4経過をタイマがカウントする」動作に代えて、「ろ過開始指令を制御装置100が検知するまで」としてもよい。ろ過制御指令は図示しない入力部より入力または外部から制御装置100になされる指令である。
【0023】
その後、さらにタイマにより新たに一定時間T1の経過が検出されるまでは、通常のろ過処理が行われる。
【0024】
T1乃至T4時間をカウントする一例を詳細に述べると、流入弁または流出弁の開閉指令のあと、アンサーバックを制御装置100がもらい、ここからカウントを開始する。このカウント値が予め定めたT1乃至T4を超えたら流入弁または流出弁の開閉指令を行い、アンサーバックにより確認を行う動作を行う。
【0025】
次に、本システムの動作について図1乃至図8を参照しながら説明する。
【0026】
図1、図3に示すように、水処理装置全体として、前処理プロセス10は、供給された原水に対して不純物の凝集・沈殿・ろ過処理を行う(ステップS101)。凝集・沈殿・ろ過処理がなされた水は、オゾン反応槽20へ供給され、オゾン反応槽20は、前処理プロセス10から供給された水に対してオゾン処理を行う。オゾン処理がなされた水は、生物活性炭槽30へ供給される(ステップS102)。生物活性炭槽30は、複数の活性炭により構成される活性炭層31により、不純物を吸着させる吸着処理、好気性微生物による分解処理を行う。(ステップS103)。後処理プロセス40は、供給された水に対して砂ろ過を行う(ステップS104)。
【0027】
このステップS103では活性炭層31に徐々に吸着物質が蓄積され、処理能力が十分な初期状態(図5)から、ケーキ層の形成によって初期状態より処理能力が低下した末期状態(図6)へ移行する。
【0028】
タイマにより一定時間T1の経過がカウントされていない場合は、ろ過処理を続ける(ステップS202−N)。
【0029】
図4に示すように制御装置100は、ろ過開始からタイマによる一定時間T1の経過をカウントすると、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送る(ステップS201、202―Y)。
【0030】
その後、さらに制御装置100により工程管理タイマT2の経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り、洗浄を開始させる指令を出力する。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経てから洗浄することより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする(ステップS203)。
【0031】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS204)。
【0032】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS205)。
【0033】
ステップS202において一定時間T1の経過が検出されない場合は、ろ過処理を続ける(ステップS202−NO)
このように、生物活性炭槽30内を洗浄前に一時的に嫌気化することにより好気性の微生物の移動を促し、活性炭層31に付着したケーキ層および吸着物質に割れ目や裂け目を生じさせ洗浄が容易に行えるようになる。洗浄が容易に行うことができ、洗浄に必要なエネルギーも減少させることができる。さらに、処理に必要なエネルギー(動力)を減らせるため活性炭同士のこすれによる損傷が少なくなり活性炭層31の取り換え寿命の長期化が可能となる。
【0034】
なお、本実施形態ではオゾン反応槽20を使用しているが、オゾン反応槽20を使用しなくてもよい。つまり、前処理プロセス10と生物活性炭槽30を直接接続する形態でもよい。また、本実施形態では水を使用しての洗浄について記載したが、空気洗浄と水による洗浄を組み合わせてもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図3、図5乃至図11を参照しながら説明する。
【0036】
本実施形態は第1の実施形態の変形例である。
【0037】
第1の実施形態との違いは、図9に示すように計測器61を新たに備える点である。また、計測器61の設置に伴い制御装置100の制御手段が異なる。
【0038】
計測器61は、生物活性炭槽30内の活性炭層31への水の流入と流出の圧力差(差圧)を計測し、活性炭層31の目詰まり状態を把握するために利用するろ過抵抗計である。
【0039】
制御装置100は、タイマおよび論理演算機能を有したプログラマブルコントローラまたはハードシーケンス回路によって構築される。計測器61から差圧の情報を収集し、収集した情報に基づいてと流入弁52、53の流入動作と、流出弁54、55の流出動作の制御を行う。
【0040】
活性炭層31の差圧が一定値以上になった場合は、流入弁52を「開」から「閉」とさせる。活性炭層31の目詰まりにより水の流れが悪くなっていると考えられるからである。
【0041】
水処理装置全体としては第1の実施形態と同様に、前処理プロセス10は、供給された原水に対して不純物の凝集・沈殿・ろ過処理を行う(ステップS101)。凝集・沈殿・ろ過処理がなされた水は、オゾン反応槽20へ供給され、オゾン反応槽20は、前処理プロセス10から供給された水に対してオゾン処理を行う。オゾン処理がなされた水は、生物活性炭槽30へ供給される(ステップS102)。生物活性炭槽30は、複数の活性炭により構成される活性炭層31により、不純物を吸着させる吸着処理、好気性微生物による分解処理を行う。(ステップS103)。後処理プロセス40は、供給された水に対して砂ろ過を行う(ステップS104)。
【0042】
このステップS103では活性炭層31に徐々に吸着物質が蓄積され、処理能力が十分な初期状態(図5)から、ケーキ層の形成によって初期状態より処理能力が低下した末期状態(図6)へ移行する。
【0043】
一方、図10に示すように制御装置100は、一定以上の差圧を検出すると、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送る(ステップS301、302―Y)。
【0044】
その後、制御装置100により工程管理タイマT2の経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り洗浄を開始させる指令を出力する。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経てから洗浄することにより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする(ステップS303)。
【0045】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS304)。
【0046】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS305)。
【0047】
タイマにより一定時間が経過されていない場合(ステップS302−N)は、ろ過処理を続ける。
【0048】
なお、図10に示したステップS301乃至ステップS302に代えて図11に示すステップS401乃至ステップS403に代えてもよい。
【0049】
すなわち、制御装置100は、一定以上の差圧または一定時間T1の経過を検出すると、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送る(ステップS401、ステップS402−Y、ステップS403−Y)。
【0050】
タイマにより一定時間が経過されていない場合は、ろ過処理を続ける(ステップS403−N)。
【0051】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント(ステップS402―Y、ステップS403−Y)後であって、工程管理タイマT2経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り洗浄を開始させる指令を出力する。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経ることにより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする。(ステップS404)。
【0052】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS405)。
【0053】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS406)。
【0054】
その他、計測器61により生物活性炭槽30内の活性炭層31を通過する前後の水の濁度を計測し、目詰まりの検出としてもよい。なお、本実施形態では生物活性炭槽30内を計測するように計測器61を設置しているが、流水弁52のすぐ後に設置するなど、設置場所を変更することができる。
【0055】
このように、生物活性炭槽30内を洗浄前に一時的に嫌気化することにより好気性の微生物の移動を促し、活性炭層31に付着したケーキ層および吸着物質に割れ目や裂け目を生じさせ洗浄が容易に行えるようになる。洗浄が容易に行うことができ、洗浄に必要なエネルギーも減少させることができる。さらに、処理に必要なエネルギー(動力)を減らせるため活性炭同士のこすれによる損傷が少なくなり活性炭層31の取り換え寿命の長期化が可能となる。
【0056】
なお、一定の差圧を第一次の判断基準と用いることでより洗浄処理が必要な時間帯に合わせて生物活性炭槽30内の洗浄処理を行うことができる。
【0057】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図2、図3、図5乃至図8、図12、図13、図14を参照しながら説明する。
【0058】
本実施形態と第2の実施形態との違いは、制御装置100により嫌気化時間T2の時間を変化させる点が異なる。また、計測器61に加えて計測器62が設置される点である。
【0059】
本実施形態の制御装置100は、計測器62で検出した値に応じて、一定時間T2を延長、維持、短縮に分ける制御を行う。例えば、一定時間T2を図13に示すように溶存酸素濃度の値によって決定する。この他、上記曲線に対応するような予め定められた溶存酸素濃度等の数値とT2時間との関係を表す数式や対応表から一定時間T2を求めてもよい。
【0060】
計測器62は、生物活性炭槽30に流入する水の溶存酸素濃度(DO)を計測する。その他の値を利用する場合は、水の濁度、PH、水温、アンモニア濃度の計測を行う計器に代えることもできる。
【0061】
これにより、より適切な時間の生物活性炭槽30内の嫌気化を行うことができる。
【0062】
第3の実施形態の動作について、図13、図14を参照しながら説明する。
【0063】
制御装置100は、ろ過処理を行いながら一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウントする(ステップS501、ステップS502、ステップS503)。
【0064】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント前はろ過処理を行う(ステップS502−NOかつステップS503−NO)。
【0065】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント後(ステップS502−YESまたはステップS503−YES)、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送り、計測器62で検出したから溶存酸素濃度から、嫌気化を行う時間T2を予め定められた方法で決定する(ステップS504)。
【0066】
ステップS504の後、制御装置100により工程管理タイマT2経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り、洗浄を開始させる指令を出力する(ステップS505)。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経てから洗浄を行うことより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする。
【0067】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS506)。
【0068】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS507)。
【0069】
本実施形態では溶存酸素濃度によりT2を決定したが、残留オゾン濃度に代えてもよい。
【0070】
このように、生物活性炭槽30内を洗浄前に一時的に嫌気化することにより好気性の微生物の移動を促し、活性炭層31に付着したケーキ層および吸着物質に割れ目や裂け目を生じさせ洗浄が容易に行えるようになる。洗浄が容易に行うことができ、洗浄に必要なエネルギーも減少させることができる。また、時間制御ではなく、実際の生物活性炭槽30内の溶存酸素濃度などの情報に基づき嫌気化処理、洗浄処理の開始・終了処理を制御することができるため、より処理時間の短縮化も図れ、十分な洗浄の効果を発揮させることができる。
【0071】
また、嫌気化工程の時間であるT2時間を制御することにより、より適切な時間嫌気化を行うことができる。
【0072】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図2、図3、図5乃至図8、図15、図16を参照しながら説明する。
【0073】
第3の実施形態との違いは、図15に示すように計測器62または63を備える点である。また、計測器62または63の設置に伴い制御装置100の制御手段が異なる。
【0074】
計測器62は、生物活性炭槽30に流入する水のPH、水温を計測する。その他の値を利用する場合は、水の濁度、溶存酸素濃度、アンモニア濃度の計測を行う計器に代えることもできる。
【0075】
計測器63は、生物活性炭槽30内に流入した水のPH、水温を計測する。その他の値を利用する場合は、水の濁度、溶存酸素濃度、アンモニア濃度の計測を行う計器に代えることもできる。
【0076】
本実施形態の制御装置100は、62または63で検出した値に応じて、一定時間T2を延長、維持、短縮する制御を行う。微生物はpHが小さい(酸性)と活動が鈍化し、温度(水温)が低い場合も活動が鈍化することを利用するものである。なお、全ての計測器を必ずしも利用する必要はなく例えば、計測器62で検出したPH値のみを利用してもよい。
【0077】
これにより、適切な時間を指定して生物活性炭槽30内の嫌気化を行うことができる。
【0078】
なお、本実施形態では、オゾン反応槽20と生物活性炭槽30の間の配管の途中に計測器を設置しているが、別途サンプル水を活性炭槽中から取り出し、各種値を検出してもよい。
【0079】
第4の実施形態の動作について、図16を参照しながら説明する。
【0080】
制御装置100は、ろ過処理を行いながら一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウントする(ステップS601、ステップS602、ステップS603)。
【0081】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント前はろ過処理を行う(ステップS602−NOかつステップS603−NO)。
【0082】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント後(ステップS602−YESまたはステップS603YES)、ろ過処理を停止するため流入弁52および流出弁54を「閉」とする信号を送り、計測器62等で検出したからPHから、嫌気化時間T2を予め定められた方法で決定する(ステップS604)。
【0083】
ステップS604の後、制御装置100により工程管理タイマT2経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送り、洗浄を開始させる指令を出力する(ステップS605)。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経てから洗浄することにより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする。
【0084】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS606)。
【0085】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS607)。
【0086】
本実施形態ではPH値によりT2を決定したが、水温等に代えてもよい。
【0087】
なお、本実施形態では、水温、PH値を利用したが、計測器62を流水弁52と、オゾン反応槽20の間に設置し、これにより、T2時間の延長、維持、短縮を決定してもよい。
【0088】
このように、生物活性炭槽30内を洗浄前に一時的に嫌気化することにより好気性の微生物の移動を促し、活性炭層31に付着したケーキ層および吸着物質に割れ目や裂け目を生じさせ洗浄が容易に行えるようになる。洗浄が容易に行うことができ、洗浄に必要なエネルギーも減少させることができる。また、嫌気化する時間を制御することにより適切な嫌気化時間を確保することができる。
【0089】
(第5の実施形態)
第5の実施形態について図17、図19を参照しながら説明する。
【0090】
第5の実施形態は第3の実施形態の変形例である。
【0091】
第3の実施形態との違いは、流出弁56を備える点である。制御部100がオゾン発生器21からオゾン反応槽20へ供給されるオゾン量を制御する点である。
【0092】
オゾン発生器21は、制御部100からの指示に基づきオゾン反応槽20へのオゾンの流入の制御を行う。
【0093】
流出弁56は、オゾン発生量を減らしたことによりオゾン処理されていない処理水を廃棄する。
【0094】
制御装置100は、タイマおよび論理演算機能を有したプログラマブルコントローラまたはハードシーケンス回路によって構築される。タイマおよび論理演算機能を有したプログラマブルコントローラまたはハードシーケンス回路(図示しない)によって構築される。前記タイマによって時間を管理しており、このタイマが一定時間の経過を観測すると、流入弁52、53の流入動作と、流出弁54、55、56の流出動作を行わせる電気信号を送る。また、計測器62によるオゾン量からオゾン発生器21にオゾン発生量を増減の指示を行う。
【0095】
具体的には、タイマによる時間観測により一定時間T1の経過が検出されると、流出弁54を「閉」とする信号を送る。また、流出弁56を「開」とする信号を送る。
【0096】
これにより、流入弁52から流れてくる水は、流出弁56から排出されることとなる。一方、オゾン発生器21は、オゾン反応槽20へのオゾン流入量を減らす、またはオゾンの発生をとめる。
【0097】
その後、一定時間T2の経過を検出すると、流入弁52および流出弁56を「閉」とし、流入弁53および流出弁55を「開」とするよう電気信号を送る。
【0098】
逆洗に必要な一定時間T3の経過を検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とした後、一定時間T4の間、水処理装置の動作を休止させる。T4経過を検出すると、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る。
【0099】
その後、さらにタイマにより新たに一定時間T1の経過が検出されるまでは、通常のろ過処理が行われる。
【0100】
本実施形態の動作について図18を参照しながら説明する。
【0101】
水処理装置全体としては、第2の実施形態と同様に前処理プロセス、オゾン処理、吸着処理、後処理プロセスを行う。
【0102】
制御装置100は、ろ過処理を行いながら一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウントする(ステップS701、ステップS702、ステップS703)。
【0103】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント前はろ過処理を行う(ステップS702−NOかつステップS703−NO)。
【0104】
一定以上の差圧または一定時間T1の経過カウント後(ステップS702−YESまたはステップS703−YES)、流出弁54を「閉」とする信号を送る。また、流出弁56を「開」とする信号を送る。または、オゾン発生器21にオゾン発生量の減少を指示し、オゾン反応槽20へのオゾン流入量を減らす。(ステップS704)。
【0105】
ステップS704の後、制御装置100により工程管理タイマT2経過が検出された際、流入弁53および流出弁55を「開」とし流出弁56を「閉」とするよう電気信号を送り、洗浄を開始させる指令を出力する(ステップS705)。このように一定時間生物活性炭槽30内への酸素供給量を減らすプロセスを経ることにより生物活性層30内の嫌気化を行い、好気性微生物が積極的に好気な場所へ移動し、図7に示すように、ケーキ層や吸着物質に亀裂が生じ洗浄しやすい状態とする。
【0106】
次に、逆洗工程(逆洗、表洗、排水)が完了、つまりT3の経過をタイマが検出すると、流入弁53および流出弁55を「閉」とする(ステップS706)。
【0107】
さらに、必要な場合は、T4経過後、流入弁52および流出弁54を「開」とする電気信号を送る(ステップS707)。
【0108】
なお、図19に示すように、活性炭層31内の微生物量などを検出する計測器64や、流出水の各種値を検出する計測器65や逆洗水の各種値を検出する計測器66を設けて、これらの値からフィードバックして、オゾン発生量を調節してもよい。
【0109】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
10 … 前処理プロセス
20 … オゾン反応槽
21 … オゾン発生器
30 … 生物活性炭槽
40 … 後処理プロセス
51、52、53 … 流入弁
54、55、56 … 流出弁
61、62、63、64、65、66 … 計測器
100 … 制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性炭槽に微生物を繁殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
一定時間の時間経過を検出する時間検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により一定時間の経過が検出されると、嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項2】
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
前記生物活性炭槽内の目詰まりを検出する目詰検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により目詰まりが検出されると、嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項3】
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
前記生物活性炭槽内の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記溶存酸素濃度検出手段により検出された溶存酸素濃度に基づいて、嫌気化処理時間を調節し、前記嫌気化処理時間、嫌気化処理を行った次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項4】
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
前記生物活性炭槽内の水温またはPH値を検出する検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により検出された水温またはPH値に基づいて、嫌気化処理時間を調節し、前記嫌気化処理時間、嫌気化処理を行った次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項5】
オゾンを供給するオゾン反応槽と、活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽とを有する水処理装置であって、
一定時間の時間経過を検出する時間検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により一定時間の経過が検出されると、前記オゾン反応槽におけるオゾン供給量を減らす嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項6】
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理方法であって、
一定時間の経過後、嫌気化処理を行い、次に前記生物活性炭槽内の洗浄を開始させる、
水処理方法。
【請求項1】
活性炭槽に微生物を繁殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
一定時間の時間経過を検出する時間検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により一定時間の経過が検出されると、嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項2】
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
前記生物活性炭槽内の目詰まりを検出する目詰検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により目詰まりが検出されると、嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項3】
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
前記生物活性炭槽内の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記溶存酸素濃度検出手段により検出された溶存酸素濃度に基づいて、嫌気化処理時間を調節し、前記嫌気化処理時間、嫌気化処理を行った次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項4】
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理装置であって、
前記生物活性炭槽内の水温またはPH値を検出する検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により検出された水温またはPH値に基づいて、嫌気化処理時間を調節し、前記嫌気化処理時間、嫌気化処理を行った次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項5】
オゾンを供給するオゾン反応槽と、活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽とを有する水処理装置であって、
一定時間の時間経過を検出する時間検出手段と
前記生物活性炭槽を洗浄する洗浄手段と、
前記検出手段により一定時間の経過が検出されると、前記オゾン反応槽におけるオゾン供給量を減らす嫌気化処理を行い、次に前記洗浄手段による洗浄を開始させる制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項6】
活性炭槽に微生物を増殖させた生物活性炭槽を有する水処理方法であって、
一定時間の経過後、嫌気化処理を行い、次に前記生物活性炭槽内の洗浄を開始させる、
水処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−76014(P2012−76014A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223201(P2010−223201)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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