説明

水処理装置

【課題】投入口及びその周囲の外部露出を抑えて、添加剤の補給作業を簡便化することができる水処理装置を提供する。
【解決手段】この課題を解決するために、水処理装置は、外部から供給された水を浄化処理する本体1と、前記本体1で浄化した水を外部に吐出する吐出管3と、を備え、前記本体1が、前記浄化処理を行う浄水部8と、前記浄水部8で処理した浄水に添加剤を添加する添加部12と、前記浄水部8と前記添加部12を内部に備えた容器状の外殻2と、を備え、前記外殻2に上面から凹むと共に後方に開口した凹部20を設け、該凹部20が前記上面から凹んだ位置に底部21を有し、前記添加部12に前記添加剤を投入するための投入口15を、前記底部21に設け、前記本体1が、前記凹部20を覆うカバー30を備えたものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水等の原水を浄化処理して浄水を生成する水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、水を浄化処理する浄水部と、浄水部で処理した水に添加剤を添加する添加部と、を本体内部に備えた水処理装置がある(例えば、特許文献1等参照)。このものでは、添加剤の水への添加量を一定値以上に保つために、粉末や塊状の添加剤を添加部の補給用の投入口から添加部内に補給する補給作業を定期的に行う必要がある。
【0003】
該補給作業は、本体の外殻のうち、外面の略半分を形成する背面ケース2bを本体から取り外した後、投入口を閉塞する閉塞プラグを取り外すことで、投入口を外部に開放する。そして、開放した投入口から添加部内に添加剤を補給した後、閉塞プラグで投入口を閉塞し、更に背面ケース2bを本体に取り付けて、補給作業が完了となる。
【0004】
また、従来のものでは、本体外面に投入口を設けると共に、該投入口を閉塞プラグで閉塞することで、背面ケース2bの取外作業を省いたものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−83194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、投入口を背面ケース2bで覆った従来のものでは、背面ケース2bの取外作業用に、背面ケース2bを本体から離脱させるため等の作業空間が水処理装置の後方に必要となっている。そのため、背面ケース2bを壁等に当接して、水処理装置を配置していると、添加剤の補給作業の前後に、水処理装置を壁から移動させる等の予備作業を更に行うこととなり、補給作業の簡便化が望まれている。更に、背面ケース2bを壁等から離して水処理装置を配置していると、背面ケース2b取外作業を行わない水処理装置を正常に利用可能な期間中、該作業空間がデットスペースとなるため、好ましくないという問題もある。
【0007】
また、閉塞プラグを本体外面に露出させたものでは、長期の外部露出に伴い閉塞プラグの凹凸部分に塵や埃等が付着して、閉塞プラグの清掃作業等の手入れが煩雑になるという問題もある。そして、閉塞プラグが外部に突出しているため、不意の接触等で閉塞プラグが破損する恐れもある。
【0008】
そこで、これら事情を鑑み、投入口及びその周囲の外部露出を抑えて、添加剤の補給作業を簡便化した水処理装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の水処理装置は、外部から供給された水を浄化処理する本体と、前記本体で浄化した水を外部に吐出する吐出管と、を備え、前記本体が、前記浄化処理を行う浄水部と、前記浄水部で処理した浄水に添加剤を添加する添加部と、前記浄水部と前記添加部を内部に備えた容器状の外殻と、を備え、前記外殻に上面から凹むと共に後方に開口した凹部を設け、該凹部が前記上面から凹んだ位置に底部を有し、前記添加部に前記添加剤を投入するための投入口を、前記底部に設け、前記本体が、前記凹部を覆うカバーを備えたものであることを特徴とする。
【0010】
この水処理装置として、前記カバーが前記凹部被覆時に前記上面と面一に並ぶ上面部を備えたものであることが好ましい。
【0011】
この水処理装置として、前記カバーが両側方に夫々複数のリブを備え、前記凹部が、各側方の前記リブと対向した側面に、前記複数のリブの間に配置されるレール状の凸部を備えたものであることが好ましい。
【0012】
この水処理装置として、前記カバーが前記外殻に対して上下方向に回動して取り付けられ、前記外殻が、前記カバー取付時に前記カバーを当接して回動支点を形成する部位の下方に、前記凹部内に突出した突起を備え、前記カバーが、前記突起と対向した位置に、前記突起と嵌り合う係止部を備えたものであることが好ましい。
【0013】
この水処理装置として、前記カバーが前記凹部の後方側の開口を覆う背面部を備え、前記背面部が前記後方側の開口より内側に位置し、前記カバーが前記背面部の上部に後方に突出した指掛け部を有したものであることが好ましい。
【0014】
この水処理装置として、前記カバーが前記凹部の後方側の開口を覆う背面部を備え、前記背面部が前記後方側の開口と面一に並び、前記カバーが前記背面部の下部に前記凹部より後方に突出した指掛け部を有したものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
このような構成としたことで、投入口及びその周囲の外部露出を抑えて、添加剤の補給作業を簡便化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態の一例の水処理装置の投入口周辺の側断面図である。
【図2】水処理装置の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本体前面側を切り欠いた正面図である。
【図5】指掛け部を設けた一例の投入口周辺の側断面図である。
【図6】指掛け部を設けた他の一例の投入口周辺の側断面図である。
【図7】カバーにリブを設けた例の凹部周辺の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を例示して説明する。
【0018】
実施形態の一例の水処理装置は、図3乃至図4に示すように、外部から供給された水を浄化処理する本体1と、本体1で浄化した水をシンク等の外部に吐出する吐出管3と、を備えている。
【0019】
吐出管3は、螺旋管等の屈曲自在なホース状の円管部材と、円管部材の一端に設けられ本体1に接続される接続部4と、円管部材の他端に設けられ浄化した水(浄水)を外部に吐出する吐出口(特に図示しない)と、を備えている。そして、吐出管3は接続部4によって本体1に対して回動するものとなっている。
【0020】
また、本体1は、図2に示すように、平面視楕円の円筒形状の外殻2を有しており、円筒の下端には、図3に示すように、流し台等の載置対象に当接して本体1を設置対象に載置するための脚部を備えている。そして、円筒の上端には傾斜面を備えており、傾斜面は、楕円の短い側の直径方向(楕円の短軸方向)に沿って、短軸の一端から他端側に向かう程、円筒の下端に近づく向きに傾いている。
【0021】
以下の説明において、円筒の軸心に沿った向きを上下方向とすると共に、短軸方向を前後方向とし、上端の傾斜面のうち、下端に近い側(傾斜面の低い側)を前方とし、反対側(高い側)を後方とし、長い側の直径方向(楕円の長軸方向)を側方とする。
【0022】
また、本体1の外殻2は、円筒周面の前方側の略半周を形成する前面ケースと、周面の後方の略半周を形成する背面ケース2bと、下端を形成する下部ケースと、上面を形成する上面ケース2aと、で構成されている。そして、下部ケースと上面ケース2aは前面ケースに固定されており、背面ケース2bは前面ケースに脱着自在で取り付けられている。
【0023】
更に、外殻2は上面から下方に凹むと共に後方に開口した凹部20が設けられており、凹部20は、平面を有した底部21と、後方に開口した略U字の周面と、で主体が構成されている。該凹部20の周面は、対向する二つの側面23と、側面23の前端を結ぶU字の底に位置する平面視円弧状の前面22と、で構成されている。
【0024】
そして、凹部20は上面ケース2aに上方の開口縁が形成され、背面ケース2bに後方の開口縁と周面と底部21が形成されている。更に、凹部20は底部21に円形状の開口を有しており、該開口は添加剤を添加部12に配置する際に投入して補給するための投入口15となっている。なお、添加部12等の詳細な説明は後述する。
【0025】
また、外殻2には、凹部20を覆うカバー30が脱着自在で設けられており、カバー30は可撓性の樹脂で形成された側面視略L字状となっている。該カバー30は、L字の一辺が凹部20被覆時に上面と略面一に並ぶ表面を有した上面部31となっており、他辺が凹部20被覆時に背面と略面一に並ぶ表面を有した背面部32となっている。
【0026】
そして、カバー30は上面部31の下方に平面視U字状の補強部33を一体で備えており、補強部33は上面部31の下面から下方に延設されると共に、U字の端部が背面部32の前面に接続されている。そのため、補強部33は背面部32の前方側への湾曲変形及び上面部31の下方への湾曲変形を抑制しており、カバー30は補強部33によって補強されている。
【0027】
また、カバー30は外殻2(上面ケース2a)に対して上下方向に回動して脱着するものとなっており、カバー30は、取付時に上面部31の前端を凹部20の前面22の上端に当接することで、該当接部位を回動支点としている。そして、上面ケース2aは凹部20の前面22の回動支点より下方の位置に、後方に突出した突起24を備えており、カバー30は、突起24に対向する補強部33より前方の位置に、係止部34を備えている。
【0028】
係止部34は、上面部31の下面の前端近傍から下方に突出した基部35と、基部35の下端から前方に突出した係止突起36と、を有しており、基部35と突起24の前後方向の間に隙間が形成されている。そして、係止部34は、カバー30取付時に、基部35が後方に撓み、係止突起36が突起24を乗り越えることで、係止突起36が突起24の下方に位置して突起24に当接される。そのため、カバー30取付時(装着時)に、突起24と係止部34の当接によりカバー30が外殻2に位置決め保持されている。
【0029】
また、本体1は、外部から原水が流入される給水部と、給水部を介して供給された原水を処理する水処理部と、水処理部で処理した水を本体1外に流出させる流出部と、水処理部を制御する制御部と、を内部に備えている。そして、本体1は上面の前方側に、利用者に操作される操作部5と、操作部5の操作結果や水処理部の動作状況を表示する表示部6と、を備えている。
【0030】
給水部は筒状の給水ホース7で主体が構成されており、給水ホース7は一端が本体1内部で水処理部に接続されており、他端側が本体1から外方に突出すると共に、他端が外部の給水源に接続されている。そのため、給水ホース7は給水源から原水が流入されることで、該原水を水処理部に供給している。
【0031】
水処理部は、図4に示すように、給水部から原水が供給されると共に原水を浄化処理する浄水部8と、浄水部8で処理した水を電解処理する電解部9と、電解部9内の水の一部が流入されて該水に添加剤を添加する添加部12と、を備えている。
【0032】
浄水部8は原水を濾過して浄化処理しており、濾過用の浄水カートリッジを着脱自在で内部に備えており、浄水カートリッジは、活性炭と、中空糸膜モジュールと、を濾過材として有している。そして、浄化部は濾過材内に原水を流通させることで、原水を濾過して浄化処理を行い、浄水(浄化された水)を生成している。更に、浄水部8は生成した浄水を電解部9に供給している。なお、浄水カートリッジは活性炭と中空糸膜モジュールの一方を備えたものであってもよく、濾過材は原水を濾過して浄化処理可能なものであれば、活性炭や中空糸膜モジュールに限らない。
【0033】
電解部9は、浄水が流入される電解槽と、電解槽内に配置され対をなす極性に帯電する二枚の電極板と、を備えている。そして、対をなす電極板の帯電によって、電解槽内の浄水を電解処理して、アルカリ性イオン水と、酸性イオン水とを生成すると共に、夫々のイオン水を流出部に供給している。
【0034】
流出部は、接続部4を介して吐出管3に一方のイオン水(例えば、アルカリ性イオン水)を供給する連通部10と、排水口等の外部の排出部に他方のイオン水(例えば、酸性イオン水)を排出する排水部11と、を有している。そして、排水部11は本体1から外方に突出して、突出先端が外部の排出部に臨んでおり、排水部11は、他方のイオン水を外部の排出部に排出している。そのため、連通部10を介して吐出管3に供給された一方のイオン水が、水処理装置の利用者に取水される浄水となっている。
【0035】
また、添加部12は、図3に示すように、有底筒状の添加用筒部13と、添加用筒部13内に配置され添加剤を貯留する剤ホルダー14と、添加用筒部13の開口端を閉塞する閉塞プラグ16と、を備えている。そして、添加用筒部13は周面に筒内と電解槽内を連通させる連通孔を有しており、該連通孔を介して電解槽内の水の一部が添加用筒部13内に流入されている。更に、添加用筒部13は上端の内周に閉塞プラグ16と脱着自在に嵌り合う取付部を備えている。
【0036】
閉塞プラグ16は、図1に示すように、添加用筒部13の上端に挿入される円筒部と、円筒部の外周に設けられ取付部と嵌り合う被取付部と、円筒部の上端に設けられた円板状の上蓋部と、上蓋部から上方に突出した摘み部と、を備えている。そして、円筒部の被取付部より下方の外周面と添加用筒部13の内周面の間には、パッキン17が配置されて、水密にシールされている。
【0037】
更に、閉塞プラグ16は円筒部と被取付部と上蓋部と摘み部が一体に形成されており、被取付部を取付部に嵌め合わせることで取り付けられている。該嵌り合いは、例えば、取付部に雄ねじを備え、被取付部に雌ねじを備え、ねじ山を用いた螺合構造となっている。そのため、摘み部を円筒部の軸心の軸回りに回転させることで、閉塞プラグ16を添加用筒部13から着脱するものとなっている。なお、嵌め合わせる構造は、被取付部が複数の爪を備え、取付部が爪を掛けるストッパーを備えた所謂バヨネット構造と呼ばれるもの等であってもよい。
【0038】
また、剤ホルダー14は添加用筒部13より小径の有底円筒状のホルダー部で主体が構成されており、ホルダー部は開口側の端部に環状のフランジ部を備え、内周側に粉状或いは塊状の添加剤が貯留されている。そして、剤ホルダー14は開口側の端部を上方に向けて添加用筒部13の取付部より下方の内周側に略同心で配置されると共に、フランジ部の外周の略全体が添加用筒部13の内周面に当接されている。
【0039】
更に、剤ホルダー14は筒の周面の一部或いは全体に通水可能な通水部を有しており、剤ホルダー14内の添加剤が通水部を介して添加用筒部13内の水に溶解されており、添加剤の溶解した水は電解槽内の水と交じり合う。
【0040】
剤ホルダー14に貯留される添加剤は、例えば、浄水に溶解することで電解部9での浄水の電解処理を補助するカルシウム製剤等の電解補助剤となっている。そのため、添加剤が添加部12で浄水に溶解することで、電解槽内の水が添加剤を含み、該添加剤含有に伴い電解槽内の水が電解処理され易くなる。
【0041】
なお、通水部は、添加剤が粉末状であれば通水部をメッシュ状にする等で、溶解前に電解槽に流動することを抑制することが好ましい。そして、通水部の形状や数等は、添加剤の形状や種類等に応じて適宜設定すればよい。更に、添加剤は、電解補助剤に限らない。
【0042】
また、添加部12は添加用筒部13の開口が凹部20の底部21に位置しており、閉塞プラグ16の上蓋及び摘み部が凹部20内に位置しており、閉塞プラグ16はカバー30に被覆されている。そのため、閉塞プラグ16は、カバー30を凹部20から取り外した後に脱着作業が行われると共に、閉塞プラグ16の脱着作業は凹部20に手を差し入れて行われるものとなっている。
【0043】
このように、外殻2の上部後方に、背面ケース2bより小さいカバー30で被覆された凹部20を設けると共に、該凹部20に添加剤の投入口15を設けたものとなっている。そして、投入口15をカバー30で覆ったため、背面ケース2bを取り外すものに比べて、添加剤補給時に、投入口15を外部に開放する予備作業を容易に行うことができる。
【0044】
また、凹部20をカバー30で被覆しているため、凹部20内に塵や埃等が付着し難くなり、投入口15や閉塞プラグ16への塵等の付着を抑制することができる。そして、上面部31の表面が外殻2の上面と略面一で並ぶため、上面部31に塵等が付着した際には、上面部31の表面を清掃することで、容易に塵等を除去することができる。
【0045】
更に、回動支点の下方に係止部34を設けたことで、ねじ等の固定具で保持しなくてもカバー30を凹部20に保持することができて、ドライバーやレンチ等の固定具解除用工具を用いずに、カバー30を容易に着脱させることができる。そのため、添加剤補給の予備作業を容易に行うことができる。
【0046】
また、カバー30は、背面部32に後方に突出した指掛け部37を設けて、カバー30取外時に、指掛け部37に指を掛けて回動させることで、カバー30の取り外し時に、カバー30に力を加え易くしてもよい。
【0047】
このものとして、例えば、図5に示すものでは、背面部32の下端に後方に突出して指掛け部37が設けられており、カバー30脱着時に、指掛け部37に指を引っ掛ける或いは指掛け部37を指で摘むことで、作業者にカバー30が保持される。
【0048】
そのため、作業者は指掛け部37を指で保持することで、カバー30の回動時に、指掛け部37を介して容易にカバー30に力を加えることができて、カバー30を上下に回動させ易くなっている。そして、指掛け部37を背面部32から突出して設けたことで、カバー30と底部21の間に指等を差し入れなくても、突出した指掛け部37を介して、作業者が容易にカバー30を保持することができる。
【0049】
このように、背面部32に指掛け部37を設けたことで、カバー30の脱着作業を簡便化することができて、添加剤の補給作業をより簡便化することができる。そして、指掛け部37でカバー30を保持可能としたことで、脱着作業時にカバー30と底部21の間に指が挟まれ難くすることができて、脱着作業の安全性を向上することができる。
【0050】
そして、本体1後方に、指掛け部37を把持可能な程度の隙間を形成することで、指掛け部37を把持して容易にカバー30を取り外すことができるため、カバー30取外時に、水処理装置を前方に移動させる量を抑えることができる。そのため、背面ケース2bを取り外すものに比べて、補給作業の前後に生じる予備作業を行い易く(容易に)することができる。更に、予め指掛け部37を把持可能な程度の隙間を設けて水処理装置を配置しても、背面ケース2b取外用に隙間を設けたものに比べて、水処理装置の後方に生じるデットスペースを削減することができる。
【0051】
また、背面部32は、凹部20被覆時に、凹部20の後方開口より内側(前方側)に位置して、本体1の背面と面一で並ばないものであってもよい。このものとして、例えば、図6に示すものでは、背面部32と上面部31の接合箇所である背面部32の上端に、後方に突出した指掛け部37が設けられている。そして、該指掛け部37は、平面視において、後端が本体1の背面より前方に位置している。
【0052】
このように、本体1の背面を壁等に当接して配置することができると共に、指掛け部37の後端と壁等の間に隙間を形成することができて、水処理装置を移動させなくても、該隙間を介して指掛け部37を把持してカバー30を取り外すことができる。そのため、添加剤の補給時に予備作業を容易に行うことができて、補給作業を簡便化することができると共に、本体1後方のデットスペースを解消することができる。
【0053】
また、図7に示すように、カバー30の両側方に夫々前後に対をなす複数のリブ38を設けると共に、凹部20の各側方のリブ38と対向した側面23にレール状の凸部25を設けてもよい。そして、凹部20被覆時には、対をなすリブ38の前後の間に、凸部25が配置される。
【0054】
更に、前後に対をなすリブ38のうち、前方のリブ38が後方に突出した爪39を下端に備えており、凹部20被覆時に、該爪39が、一対のリブ38の前後の間に配置された凸部25に、弾性的に当接される。そして、後方のリブ38を背面部32の側端が兼ねており、凹部20被覆時に、背面部32の側端の前面が凸部25に当接される。
【0055】
そのため、前後一対のリブ38は凹部20被覆時に凸部25を弾性的に挟持して、カバー30を凹所内で前後に位置決め保持している。更に、背面部32が後方のリブ38を兼ねたことで、後方側のリブ38の強度を向上させることができると共に、カバー30の形状を簡素に抑えられて、カバー30の生産費用を安価にすることができる。
【0056】
なお、後方のリブ38を背面部32と別に設けたものや、爪39を後方のリブ38に設けて前方のリブ38の背面を凸部25に当接するもの等であってもよい。もちろん、凸部25は上下方向に沿ったものに限らず、カバー30の回動時の動きに対応させて湾曲させたもの等であってもよい。そして、対をなすリブ38は、凸部25を前後に挟持するものであれば、前方のリブ38と後方のリブ38の上下位置がずれていてもよい。
【0057】
また、水処理装置は、イオン水を吐出するものに限らず、浄水を吐出するものや、イオン水と浄水を選択的に吐出可能なもの等の、少なくとも浄化部での浄化処理後の水(浄水)を吐出可能なものであればよい。
【符号の説明】
【0058】
1 本体
2 外殻
3 吐出管
8 浄水部
12 添加部
15 投入口
20 凹部
21 底部
30 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給された水を浄化処理する本体と、前記本体で浄化した水を外部に吐出する吐出管と、を備え、
前記本体が、前記浄化処理を行う浄水部と、前記浄水部で処理した浄水に添加剤を添加する添加部と、前記浄水部と前記添加部を内部に備えた容器状の外殻と、を備え、
前記外殻に上面から凹むと共に後方に開口した凹部を設け、
該凹部が前記上面から凹んだ位置に底部を有し、
前記添加部に前記添加剤を投入するための投入口を、前記底部に設け、
前記本体が、前記凹部を覆うカバーを備えたものであることを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記カバーが前記凹部被覆時に前記上面と面一に並ぶ上面部を備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記カバーが両側方に夫々複数のリブを備え、
前記凹部が、各側方の前記リブと対向した側面に、前記複数のリブの間に配置されるレール状の凸部を備えたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記カバーが前記外殻に対して上下方向に回動して取り付けられ、
前記外殻が、前記カバー取付時に前記カバーを当接して回動支点を形成する部位の下方に、前記凹部内に突出した突起を備え、
前記カバーが、前記突起と対向した位置に、前記突起と嵌り合う係止部を備えたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項5】
前記カバーが前記凹部の後方側の開口を覆う背面部を備え、
前記背面部が前記後方側の開口より内側に位置し、
前記カバーが前記背面部の上部に後方に突出した指掛け部を有したものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記カバーが前記凹部の後方側の開口を覆う背面部を備え、
前記背面部が前記後方側の開口と面一に並び、
前記カバーが前記背面部の下部に前記凹部より後方に突出した指掛け部を有したものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−143681(P2012−143681A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2339(P2011−2339)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】