説明

水力発電装置

【課題】川を堰き止めたり、大規模な建設工事を必要とせず、生態系をはじめとする自然環境や景観を破壊することがなく、しかも、発電効率の良い水力発電装置を提供する。
【解決手段】円盤状の回転ハブ13の回転軸10に連結された発電機11と、回転ハブ13の中心から放射状に配置された複数のフード可変水車9を備えた水車とを有し、フード可変水車9は、一対の受水保持板34を組み合わせて回転ハブ13に取り付けられたヒンジ15を中心に開閉自在に形成され、流水の受水時には拡開して流水を受け止め、回転後半にあっては閉じて回転方向から受ける水圧抵抗を削減するように形成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川をはじめ小川や用水路等の平坦に流れに水路に浮かべて発電を行う水力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大規模水力発電や小型のマイクロ発電装置の殆どが落差水エネルギを利用するものであった。例えば、河川が流れる渓谷の山と山の間を堰き止めて大規模なダムを建設することにより大量な水を堰き止め、十分に貯水した後に高い場所から大量の落差水を放流することにより大型タービン発電機を稼働させて電力エネルギの供給を行っている。また、小規模なマイクロ発電を行う場合にも山深い渓谷を流れる川を堰き止め、そして、山の傾斜を利用して長い距離の水圧差で落差水を作り、クロスフロー水車を回して発電を行っている。また、河川の護岸工事によって落差水を発生させてクロスフロー水力発電を行うことも行われている。
【0003】
従来のマイクロ水力発電は、山間部を流れる渓谷の川を堰き止め、そこに長い配水管を設置して山の傾斜角を利用して流れ出る落差水をクロスフロー水車で受水して発電を行うものであり、また、河川に分岐水門を設けて人工的に落差水を発生させてクロスフロー水車によって発電するものであった。
【0004】
ところが、このような山間部の渓谷を堰き止めたり、河川の護岸工事を行って水力発電を行う場合にはそこに生息する魚や貝などの生物の生態系を破壊することが指摘されている。また、水力発電設備は周辺の自然環境や景観が損なわれる等の問題も提起されている。さらに、水力発電設備の設置場所においては、例えば「文化財保護法」等の法令や、行政による各種の許認可が必要となり設置場所に大幅な制限が設けられている。そのため、上述したような従来工法による発電設備の普及はあまり進展していないのが現状である。
【0005】
しかしながら、2011年3月11日に発生した東日本大震災は原子力発電所の事故を誘発して電力不足を招いたことから、再生可能エネルギを利用した発電が注目され、マイクロ水力発電についても再確認がなされている。例えば特許文献1にはダム建設の必要がなく、生態系や自然環境及び景観を損なうことがない環境にやさしい発電装置が開示されている。具体的には、水車が所定の間隔を置いて略水平に一列に複数個設けられた水車モジュールと、水車の下側の羽にのみ河川水流があたるように、水車モジュールの設置高さを可変する昇降機構を有する構成としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−201949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1をはじめとする従来法における平板形状のクロスフローの固定式水車の場合、幅の広い水車で受水することにより大きな水圧で水車を回転させるが、回転する水車の反対側の全面にも水を掻き分ける時に発生する水圧抵抗がかるために水車の受水により発生した回転トルクが相殺されてしまい、効率が良くないという問題があった。特に、平坦に流れる河川では水車を回転させるためのエネルギの損失は十分な回転トルクを得るためにも避けたいところである。
【0008】
そこで、本発明はかかる問題点に鑑みなされたもので、川を堰き止めたり、河川の護岸工事等の大規模な建設工事を必要とせず、また、魚や貝が生息する生態系をはじめとする自然環境や景観を破壊することがなく、しかも、発電効率の良い水力発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、河川や用水路等の流水上に浮かべた水車の回転によって発電機を駆動して発電する水力発電装置において、円盤状の回転ハブの回転軸に連結された発電機と、回転ハブの円周方向に沿って当該回転ハブの中心から放射状に配置された複数のフード可変水車を備えた水車とを有し、フード可変水車は、一対の受水保持板を組み合わせて回転ハブに取り付けられたヒンジを中心に開閉自在に形成され、流水の受水時には拡開して流水を受け止め、回転後半にあっては閉じて回転方向から受ける水圧抵抗を削減するように形成されたことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項2に記載の水力発電装置において、フード可変水車は、受水保持板の開閉を外側から規制する開放過剰防止板を備えていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、河川や用水路等の流水上に浮かべた水車の回転によって発電機を駆動して発電する水力発電装置において、二枚の円盤状の回転盤の間に設けられた回転ドラムの回転軸に連結された発電機と、回転ドラムの周面に沿って放射状に配置された複数の湾曲板を備えた水車とを有し、湾曲板は、基端側が回転盤に揺動可能に取り付けられると共に、回転盤に取り付けられた開放過剰防止ストッパ及び保持ストッパによって揺動が規制されるように形成され、流水の受水時には先端が開放過剰防止ストッパに当接するまで湾曲板が拡開して流水を受け止め、回転後半にあっては保持ストッパに当接して閉じて回転方向から受ける水圧抵抗を削減するように形成されたことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の水力発電装置において、水車の前方側の水中に位置するように配置された突起であって、流水面を隆起させて流水が当該突起を乗り越える際に大きな落差急流を発生させる波高発生突起と、水車の前方側の水中に位置するように配置された板状部材であって、流水を水車側に案内する幅寄せ波高板とをさらに備えていることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の水力発電装置において、水車及び発電機は、水面上に浮かぶフロートに設置され、フロートは、河川や用水路等の流路の両側に設置された柱の間に架け渡された固定ワイヤに取り付けられ、移動ワイヤによって移動可能とされた牽引移動滑車に連結され、流水上の定位置で留まって発電を行うようにしたことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の水力発電装置において、発電機によって発電した電力を柱を介して配線された配線ケーブルによって牽引移動滑車に配置された配電器具を中継させることにより陸上に設置された配電盤に供給するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る水力発電装置によれば、川を堰き止めたり、河川の護岸工事等の大規模な建設工事を必要とせず、また、魚や貝が生息する生態系をはじめとする自然環境や景観を破壊することがないという効果がある。
また、本発明に係る水力発電装置によれば、落差水工事も必要なく、また、水流があればどこにでも設置可能であり、昼夜を通して安定して流れる水流に浮かべて発電することができるので再生可能でクリーンなエネルギを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る水力発電装置の第一の実施形態の側面図である。
【図2】図1の水力発電装置の底面図である。
【図3】図1の水力発電装置を流水上に浮かべた状態を示す正面図である。
【図4】本発明に係る水力発電装置の第二の実施形態の側面図である。
【図5】図3の水力発電装置の底面図である。
【図6】図3の水力発電装置を流水上に浮かべた状態を示す正面図である。
【図7】回転盤に設置したフード可変水車を示す一部側面図である。
【図8】フード可変水車が矢印の方向からの水流で閉じた状態を示す側面図である。
【図9】フード可変水車が矢印の方向からの水流で開いた状態を示す側面図である。
【図10】フード可変水車が閉じた状態を示す斜視図である。
【図11】フード可変水車が開いた状態を示す斜視図である。
【図12】クロスフロー可変水車の斜視図である。
【図13】湾曲板の開平の繰り返しを示す側面図である。
【図14】流水が波高発生突起を乗り越える際に発生する落差急流によって水車が回転する状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る水力発電装置の好ましい一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第一の実施形態]
水力発電装置は、概略として、用水路、小川、河川等の流水上に浮かべる双胴フロート1に取り付けられた水車によって双胴フロート1に搭載された発電機11の図示しないロータを回転させることによって発電を行うものである。双胴フロート1は、左右にそれぞれフロートを配し、この左右のフロートを連結する前方渡し固定板3及び後方渡し固定板4によって一体に形成されている。そして、この双胴フロート1の一対のフロートの中央部分にベアリングホルダ5を備えた回転軸10が配置されている。また、双胴フロート1の前方渡し固定板3と後方渡し固定板4の間に複数のフード可変水車9を備えた水車が2列に配置されている。この水車は、リング状の外側フレームと回転中心から放射状に配置された放射フレーム14によって形成された回転ハブ13を備え、この回転ハブ13の回転軸10に発電機11の図示しないロータが連結されている。そして、発電機11は防水カバー12によって水の侵入が防止されている。尚、発電機11は、水車の回転を増幅してロータを回転させる図示しない回転増幅装置が設けられている。例えば、回転ハブ13が1回転するとロータを30〜60回転させるような回転増幅装置を介在させることにより発電効率を30〜60倍に高めることができる。
【0018】
回転ハブ13の回転部中心から放射状に延びる幅広の放射フレーム14の両面にはヒンジ機構15と開放過剰防止板16を備えた複数のフード可変水車9が取り付けられている。フード可変水車9は、図10及び図11に示すように、一対の受水保持板34,34を組み合わせると共に受水保持板34にフード可変水車9の開口幅を規制する開放過剰防止ストッパ38を設けることにより受水回転時には広く開口して流水を受け止め、さらに水車本体の強力な押圧の回転力を推進するために水中で開放していたフード可変水車が瞬時に水車前面に係る水圧で開口部を閉じるように可変するように形成されている。これにより、水車は水圧抵抗が軽減された状態で回転する。すなわち、回転ハブ13の上部から受水方向に向かって回転しながら下降する直前に全て閉じた状態であったフード可変水車9は受水保持板34,34の自重で広く開口し、その状態での受水を繰り返す。これにより、水圧抵抗を軽減させて水車を回転させるので効率的に発電が行なわれる。
【0019】
また、水車の前方側で双胴フロート1の喫水線の近くの適宜の箇所であって水面近くの水中に位置するようにして波高発生突起6が配置されている。また、波高発生突起6の左右の両端側には幅寄せ波高板7がそれぞれ配置され、水車に流れる波高水流を効果的に発生させるようになっている。流水が波高発生突起6の上を通過する際に流水面を隆起させ、流水が波高発生突起6を乗り越える際に大きな落差急流を発生させて水車を回転させる。また、波高発生突起6に向かって流水が流れ込むように案内する板状の幅寄せ波高板7,7がさらに設けられている。例えば、河川の流速1.2mのときに水圧8t前後の安定した水力エネルギを利用することができる。
【0020】
双胴フロート1には防水蓋付き収納ケース17が設置され、バッテリー等の収納に利用される。また、双胴フロート1の船底には車輪18,18が取り付けられており双胴フロート1を移動する際に利用される。さらに、双胴フロート1の先頭部に流くる落ち葉等の浮遊物を除去するためのゴミ除去バンパー19が取り付けられている。
【0021】
発電機11と水車を搭載した双胴フロート1は、河川等の流水上に浮かべられて発電に供されるが、双胴フロート1を流れの所定位置に留めるために、河川から離れた陸上の両岸に立設された図示しないアンカー鉄塔に架け渡された固定ワイヤ22に電動移動する配電器具付きの牽引移動滑車23を取り付けた安定維持装置を備えている。そして、双胴フロート1の左右のフロートに立設された柱21,21に取り付けられた図示しない防水ソケット介して発電機11によって発電された電力は配線20,20によって牽引移動滑車23内の配電器具に供給されるようになっている。そして、配電器具には配線ケーブル25が接続されており、電力は配線ケーブル25によって陸上に設置された配電盤に供給される。
【0022】
また、牽引移動滑車23の下部から延びる2本の牽引ワイヤ26,26が双胴フロート1に取り付けられた左右の懸架金具8,8と連結されており、これによって双胴フロート1は河川等の流水上に浮かべられた所定位置に留まるようになっている。また、牽引移動滑車23の左右の牽引フックには牽引ワイヤ26が取り付けられており、これによって牽引移動滑車23を両岸のうちのいずれかに引き寄せることができるようになっている。これにより、双胴フロート1は、台風等によって河川が増水するような場合には陸地の安全な場所に引き上げることができる。また、河川の上流で降った雨等で増水した場合や、長い間の晴天が続き河川が渇水して水位が下がった場合であっても双胴フロート1は着水位置の調整を行うことができる。
【0023】
[第二の実施形態]
次に、図4に示すのは本発明に係る水力発電装置の第二の実施形態の側面図である。図示された水力発電装置は、概略として、フロート29に搭載した発電機11のロータに水車の回転軸を連結すると共に、用水路27の両岸に立設したアンカー鉄柱28,28から延びる牽引ワイヤ26によってフロート29に取り付けられた懸架金具8,8と連結されて構成されている。また、2本のアンカー鉄柱28,28の間には固定ワイヤ22が架け渡されている。図6に水力発電装置を用水路27に浮かべた状態を示す。ここで、アンカー鉄柱28,28としては、本発明者が発明した特許第2911391号、特許第2950403号、特許第3137243号、特許第4005871号等の土木工事用杭を用いることができる。
【0024】
フロート29の中央部には発電機11が搭載され、その両側に2つの水車が配置されている。水車は、上述した第一の実施形態とほぼ同様の構成を備えているが、本実施形態ではフレーム状の回転ハブ13の代わりに円盤状の回転盤33を備えており、この回転盤33に一対の受水保持板34,34によって形成されるフード可変水車9が放射状に取り付けられている。尚、フード可変水車9の動作及び機能は第一の実施形態の場合と同じである。
【0025】
フロート29とその左右に配置された水車を取り囲むようにして保護用のバンパー33が配置されている。また、このバンパー33の所定位置には側面車輪31を備えており、用水路27の護岸との接触等による水車の破損防止が図られている。また、発電機11によって発電された電力は配線26を介してアンカー鉄柱28に設けられた配電盤32に送られるようになっている。尚、いうまでもないが波高発生突起6及び幅寄せ波高板7も設けられている。
【0026】
[第三の実施形態]
次に、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態における水力発電装置は、フード可変水車9に代えて、図12及び図13に示すクロスフロー可変水車を用いて構成されている。それ以外の構成は上述した第一及び第二の実施形態とほぼ同様である。クロスフロー可変水車は、二枚の円盤状の回転盤の間に円筒状の回転ドラム37を挟み、回転ドラム37の回転軸に発電機11の図示しないロータと連結されている。そして、回転ドラム37の周面に沿って放射状に湾曲板36,36が複数配置されている。湾曲板36は、基端側がヒンジ機構により回転盤に揺動可能に取り付けられており、回転盤には湾曲版36の揺動を規制する開放過剰防止ストッパ38及び保持ストッパ39が各湾曲板36に対応して複数取り付けられている。これによって湾曲板36の揺動が規制されるようになっている。すなわち、湾曲板36が流水を受水する際には先端が開放過剰防止ストッパ38に当接するまで拡開して流水を受け止め、回転後半にあっては湾曲板36が保持ストッパ39に当接して閉じて回転方向から受ける水圧抵抗を削減するようになっている。尚、このクロスフロー可変水車は第一の実施形態の双胴フロート1及び第二の実施形態のフロート29のいずれの水力発電装置にも用いることができる。
【0027】
上記構成により、平坦な流水上に浮かべた水力発電装置は波高三角突起6と幅寄せ波高板7によって水流が波高三角突起6を乗り越える際に水面が盛り上がって生じる落差急流によりクロスフロー可変水車が回転して効率的な発電が行なわれる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の水力発電装置は平坦な流れの河川や小川、用水路等に浮かべて効率的な発電ができるので、広い耕作地の未電化地域に多く点在するビニールハウスの夜間照明やビニールハウスによるLED電照栽培の電力として利用することができる。しかも、この電力はクリーンな再生可能エネルギである。
【符号の説明】
【0029】
1 双胴フロート
2 方向舵
3 前渡し固定板
4 後渡し固定板
5 ベアリングホルダ
6 波高発生突起
7 幅寄せ波高板
8 懸架金具
9 フード可変水車
10 回転軸
11 発電機
12 防止カバー
13 回転ハブ
14 放射フレーム
15 ヒンジ機構
16 開放過剰防止板
17 防水蓋付き収納ケース
18 車輪
19 ゴミ除去バンパー
20 配線
21 柱
22 固定ワイヤ
23 牽引移動滑車
24 吊り具
25 配線ケーブル
26 牽引ワイヤ
27 用水路
28 アンカー鉄柱
29 フロート
30 バンパー
31 側面車輪
32 配電盤
33 平板の回転盤
34 受水保持板
35 リングフライホイール
36 ヒンジ機構付き湾曲幅広水車
37 回転ドラム
38 開放過剰防止ストッパ
39 保持ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川や用水路等の流水上に浮かべた水車の回転によって発電機を駆動して発電する水力発電装置において、
円盤状の回転ハブの回転軸に連結された発電機と、
前記回転ハブの円周方向に沿って当該回転ハブの中心から放射状に配置された複数のフード可変水車を備えた水車と、
を有し、
前記フード可変水車は、一対の受水保持板を組み合わせて前記回転ハブに取り付けられたヒンジを中心に開閉自在に形成され、流水の受水時には拡開して流水を受け止め、回転後半にあっては閉じて回転方向から受ける水圧抵抗を削減するように形成されたことを特徴とする水力発電装置。
【請求項2】
請求項2に記載の水力発電装置において、
前記フード可変水車は、前記受水保持板の開閉を外側から規制する開放過剰防止板を備えていることを特徴とする水力発電装置。
【請求項3】
河川や用水路等の流水上に浮かべた水車の回転によって発電機を駆動して発電する水力発電装置において、
二枚の円盤状の回転盤の間に設けられた回転ドラムの回転軸に連結された発電機と、
前記回転ドラムの周面に沿って放射状に配置された複数の湾曲板を備えた水車と、
を有し、
前記湾曲板は、基端側が前記回転盤に揺動可能に取り付けられると共に、前記回転盤に取り付けられた開放過剰防止ストッパ及び保持ストッパによって揺動が規制されるように形成され、流水の受水時には先端が前記開放過剰防止ストッパに当接するまで前記湾曲板が拡開して流水を受け止め、回転後半にあっては前記保持ストッパに当接して閉じて回転方向から受ける水圧抵抗を削減するように形成されたことを特徴とする水力発電装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の水力発電装置において、
前記水車の前方側の水中に位置するように配置された突起であって、流水面を隆起させて流水が当該突起を乗り越える際に大きな落差急流を発生させる波高発生突起と、
前記水車の前方側の水中に位置するように配置された板状部材であって、流水を前記水車側に案内する幅寄せ波高板と、
をさらに備えていることを特徴とする水力発電装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の水力発電装置において、
前記水車及び前記発電機は、水面上に浮かぶフロートに設置され、
前記フロートは、河川や用水路等の流路の両側に設置された柱の間に架け渡された固定ワイヤに取り付けられ、移動ワイヤによって移動可能とされた牽引移動滑車に連結され、前記流水上の定位置で留まって発電を行うようにしたことを特徴とする水力発電装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の水力発電装置において、
前記発電機によって発電した電力を前記柱を介して配線された配線ケーブルによって前記牽引移動滑車に配置された配電器具を中継させることにより陸上に設置された配電盤に供給するようにしたことを特徴とする水力発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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