説明

水容器を用いた多目的冷暖房構造

【課題】 水容器を用いた冷暖房構造で熱媒体として用いている水を、緊急時に飲用、生活用水として利用するこを可能にする。
【解決手段】 水容器WBの注入部WBb先端に螺子部1Aを形成し、施工時はこの螺子部1Aを介して水道水等の水を水容器WB内に注入し、注入完了後螺子栓1Bをこの螺子部1Aに螺合して水容器WBを密閉し、床板(図示せず)を張って床暖房構造を構成する。地震等の緊急時には床板を外して注入部WBbを露出させ、螺子栓1Bを外して水容器WB内の水を螺子部1Aから直接に、或いは蛇口部材3を介して抽出し、飲用水、生活用水等として利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家屋等の建築構造物の床面或いは天井面を介して室内を冷暖房する構造に係り、特に水を充填した容器を用いて冷暖房を行う構造を、その冷暖房目的以外の目的にも利用可能に構成した多目的冷暖房構造に関する。
【背景技術】
【0002】
発明者等は水或いはこれに類する液体を充填した、例えば袋状の水容器を用いて床面或いは天井面を介して室内を冷暖房する構造を、以下に例示的に示す特許文献のように少なからず提案している。
【特許文献1】特開2005−273380
【特許文献2】特開2003−139451
【特許文献3】特開2002−088962
【特許文献4】特開2001−033053
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記文献に記載の冷暖房構造は、熱媒体(蓄熱材)として比熱が最も高い水或いはこれに不凍液等を添加した水に類似する液体を用いているため、水容器全体として非常に高い熱容量を有し、例えば暖房時において、水自体はさほど高い温度に加熱しなくても長時間室内を快適な温度に保持し、かつ床面に直接接触しても水が対流しているためこの接触部分が高温となることがなく、従って低温火傷等の心配もなく、かつ同様の理由により家具等を置いた床面が他の部分よりも高温となることもない。
【0004】
以上のように、上記特許文献に記載の冷暖房構造は室内の冷暖房構造として高い性能を有しており、実際に施工をした施主或いは使用者から高い評価を受けてる。
図10及び図11は発明者等が先に提案している水容器を用いた床冷暖房構造(以下実施例を含め、主として暖房時を例に説明する)を示している。
【0005】
先ず、図10において、根太と称される仕切材52により家屋等の構造物の床面の下部に区画形成された空間の各々には袋状の容器(以下「水容器」とする)WBがそれぞれ配置され、これら各水容器WBには水が充填されている。各水容器WBの下部には加熱手段として電気ヒータEHが配置され、この電気ヒータEHの熱は水容器WBに伝達される。
【0006】
伝達された熱により水容器WB内の水は循環流動し、図示の如く電気ヒータEHは水容器WBに比較して小面積のものであっても、水容器WB内の水は上記循環流動により均一に加熱される。また、電気ヒータEH等の人工的な加熱手段以外にも、床面に照射された太陽光等の熱源によっても水容器WB内の水は加熱可能であり、省エネルギー化の観点からもこの冷暖房構造は非常に有効である。
【0007】
図11は図10に示す床冷暖房構造施工の一例を示す。
各水容器WBは仕切材52で区画された各空間にそれぞれ配置され、この状態で水容器WB2で示すように水容器WB2の注入部WBbを介してホース53等の注水手段により、水容器WB2内に水WTを注入する。水WTが所定量注水されたならば、熱溶着等の手段により注入部WBbを密閉する。符号WBcはこの密閉部を示す。水の注入、密閉が完了したならば隣接の水容器WB1 と同様に注入部WBbを水容器WB2の本体側に折り返し、この折り返し部分を同様に粘着テープ等の固定手段54で固定する。
【0008】
このようにして、各水容器WBに対して注水、密閉をそれぞれ行い、全ての水容器WBに対してこの作業が完了したならば、各水容器WBの上部に床板を張って床面の形成を行う。
ここで、図10においては、水容器WBの構成を分かりやすくする為、仕切材52により仕切られた空間は4個とし、かつ各空間の全長も短く示してある。しかしながら、室内の面積にもよるが、実際には各空間の全長は1メートル程度から、体育館等の大型施設では100メートル以上にも及ぶ場合もある。なお、一般住宅においては根太の配置間隔の通常規格では30cm程度であり、各水容器WB内の水は水容器の投影面積で換算すると1平方メートル当たり35リットルから70リットルという大量の水を保有した水容器が配置されていることになる。
【0009】
上記した従来技術は、当然のことながらこの水を熱媒体としてのみ使用するよう構成されている。
ここで、昨今の地震や台風等の自然災害において、被災者が最も不自由を訴えるものの一つとして水がある。即ち、飲用として用いる水はもとより、身の回りを清潔に保持したり、洗濯、食器洗い、用便等の生活用水としても水は必要不可欠なものとなる。この場合、停電、水道管の破損等により水道水の供給が絶たれても、水が確保できていれば飲用或いは生活用水としての利用が可能となる。しかしながら現実問題としては、非常時に対応するために、常時は全く使い途のない大量の水を常時保管しておくことは、水容器の配置スペースの確保等を始めとして非常に困難である。
【0010】
振り返って、上述の特許文献の如く発明者等が提案している冷暖房構造における水を上記のような緊急事態の際に利用可能になれば、人命にも係わる事態をしのぐことが可能となり極めて有効である。
因みに、図10、11に示す水容器WBは合成樹脂とアルミニウムとの積層フィルムから構成されているため、極めて密閉性が高く、充填してある水が水道水であれば、生活用水として直接利用が可能であり、かつ煮沸或いは濾過によって、また場合によっては直接に飲用も可能である程度の鮮度が期待される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上述のように、水を用いた冷暖房構造において熱媒体として用いられている水を飲用等の他の用途にも利用可能に構成した冷暖房構造に関する。
即ち、本発明は熱媒体として水が充填されている水容器の一部に対して、内部の水を抽出することが可能な手段を設け、かつ最適には床面に対して開閉手段を設け、床面を開いた時に水容器の水抽出手段が室内側に露出するよう構成したことを特徴とする、水容器を用いた多目的冷暖房構造である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、冷暖房用の熱媒体として所定の機能を果たすべく充填されている大量の水を、緊急時に飲用水、生活用水として利用することが可能となる。
【0013】
また床面、或いは天井面の空間に配置した水容器内に充填された水を常時は冷暖房の機能用として使用しているため、水の量は非常に多量であるにも係わらず、非常用の水として特別の配置空間を設置する必要が全くない。
【0014】
更に、災害時等においては、ある程度の飲用水はペットボトルの配付、或いは被災者自身が確保しておいた飲用水の利用でも対処可能であることが多いが、生活用水としての水が大量に必要となり、この生活用水が大幅に不足することが経験的に知られている。本発明によればこのような生活用水としての利用であれば、煮沸、濾過等の処理を行うことなく直接に利用可能であり、災害時に極めて有効に大量の水を利用することが可能となる。
【0015】
また、これらに加えて熱により水容器内の水が放出可能に水容器を構成すれば、火事等の際に水容器内の水を自動的に散布して消火を行うことも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
床冷暖房構造を構成する水容器の少なくとも一端に、螺子栓等から成る開閉可能な水抽出部を形成し、かつ水容器を覆う床面のうちこの螺子栓のある部分の床面は、容易に開放できるよう構成し、必要時に床面を開放して、螺子栓を露出し、この螺子栓を開放して必要な容量の水を水容器から抽出できるようにする。
【実施例1】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1及び図2は第1の実施例を示す。
符号WBは水容器を示す。この水容器WBの構造は基本的には図10、11に示すものと同じであり、アルミニウムフィルム等の金属薄膜とポリエチレン等の合成樹脂フィルムを何層か積層した強度の高いフィルムにより構成されている。
【0018】
図1に示す状態は冷暖房構造施工時に、水容器WBに注水している状態を示す。水容器WBの注入部WBbの先端には螺子部1Aが形成され、この螺子部1Aには螺子栓1Bが螺合するようになっている。このような構成において、施工時には螺子栓1Bを螺子部1Aから外し、螺子部1Aの開口部にホース(図示せず)等を挿入して水WT(例えは水道水)を水容器WB内に注入する。注水に伴って水容器WBは体積が増大し、水容器WBの高さが仕切材52の高さHになるまで水WTを注入する。
【0019】
水WTの注入が完了したならば螺子栓1Bを螺子部1Aにしっかりと螺合して注入部WBbを閉止し、この状態の注入部WBbを図2に示すように本体側に折り返して注水作業を完了する。このようにして各水容器WBに注水し、各水容器WBに対する注水が完了したならば床張りを行い作業を完了する。
【0020】
以上の構成において、常時は各水容器WB内の水は床冷暖房構造における熱媒体として機能している。
地震等の災害が発生して水の必要が生じた時は、水容器WBが収納されている床面の一部、特に螺子栓1Bの位置する部分を開放する。この場合、例えば図7の如く床面3の一部を蝶番2等を用いて符号3Aの如く開閉可能に構成しておき、緊急時にはこの開閉部3Aを3A´のように開いて螺子栓1Bを露出させ、この螺子栓1Bを開いて内部の水WTを適宜抽出して利用する。
【0021】
なお、上記のような緊急時においては床面を破壊して螺子栓1Bを露出させるようにしてもよいが、バール等の床面を剥がす器具がこのような災害時に手元にあるか疑問であるため、できるだけ図7のような開閉部分を床面に設けておくことが望ましい。なお図7のような開閉手段の他、発明者等は床面下部の点検等のために、床板を順次取り外すことが可能な床構造も提案している(特願2005−053651)ので、この床構造を本願発明に用いるようにしてもよい。
【0022】
また水容器WB内の水WTは螺子栓1Bを取り外せば利用可能であるが、螺子部1Aから螺子栓1Bを取り外した後、図2の如く符号10で示す簡単な蛇口部材をこの螺子部1Aに螺合すれば、水の抽出がより容易となる。図示の蛇口部材3は最も簡単な構造のものであり、蛇口の先端のキャップ10aを着脱して蛇口の開閉を行うものであるが、螺子弁を用いて水道の蛇口に近い構成の蛇口部材であってももとより構わない。なお、蛇口部材10は各水容器WBの配置空間の内、少なくとも一部の空間に対して水容器WBと共に収納しておけば、緊急時に蛇口部材を探す必要がない。また後述するように簡便なポンプを収納しておけば水の抽出はより容易になり、かつ水容器WB内の水を残らず利用することができる。
【実施例2】
【0023】
図3及び4は第2の実施例を示す。
水容器WBの本体に対しては細口のチューブ状の注入部WBdが形成されいている。施工時はこの細口の注入部WBdにホース等を挿入して水WTを水容器WB内に注入し、所定量注入されたならばこの注入部WBdの所定の部分を熱圧着等の手段に閉止する。符号WBeはこの閉止部を示し、閉止作業が完了したならば符号WBd´で示すように注入部WBdを水容器WB本体側に折り畳み、粘着テープ(図示せず)等で折り畳まれた注入部WBdを本体に止め付けておく。以下は前記実施例と同様、この作業を各水容器WBに対して順次行い、最終的に床張りを行って作業を終了する。
【0024】
水容器WB内の水が必要となったときは、前記実施例の場合と同様、注入部WBdの部分の床面を開放し、注入部WBdを露出させ、ハサミ4等の切断手段により、閉止部WBeを取り去るように注入部WBdを切断し、水容器WB内の水WTを抽出可能にする。この場合、前記実施例と相違して螺子栓等の開閉手段はないので、注入部WBdに栓となるような適当な部材を挿入しておくか、或いは図4に示すようなポンプ5を挿入しておく。ポンプ5の場合には注水ホース部5aが挿入されている注入部WBdをゴムバンドで締めつける等して漏水を防ぐようにする。なおポンプ5は小型に形成すれば前記実施例の1の蛇口部材3と同様に、水容器WBと一緒に床面下部に収納しておくことが可能である。ポンプであれば、水容器WB内の水を吸引して外部に排出することが可能であるため、水容器WB内の水のほぼ全量を容易に抽出することが可能である。因みに、前記実施例の蛇口部材3の場合は、水がすくなくなったならば水容器WBを押さえつける等して水を抽出することになる。
【実施例3】
【0025】
図5は第3の実施例を示す。この実施例では、水容器WBの注入部WBdをクリップ11により閉止するよう構成している。即ち、水容器WBに対して水WTの注入が完了したならば注入部WBdをこのクリップ11により閉止する。なお図示の注入部は前記実施例2の細口のものを示しているが、実施例1に示す構成の注入部WBbであってもよい。クリップ11は注入部WBd(WBb)を確実に密閉できるものであればその構成を問うものではなが、例えば水枕の注水部を閉止するクリップと同様の構成のクリップは水漏れ防止の見地から好適である。
【実施例4】
【0026】
図6は、第4の実施例を示し、螺子部1Aが水容器WBの端部ではなく、水容器WBの上面部に配置された構成となっている。このように構成すると、螺子部1の上端部分は水容器WBを強く押さない限り水容器WB内の水WTの水面よりも上になり、ホース、蛇口、ポンプ等を使って水WTを抽出する際に水のこぼれを防止或いは少なくすることができる。因みに前記各実施例のように、水容器WBの端部に水の抽出部が形成される場合には、ものに立てかける等してこの端部を水容器WBの水面よりも高く保持しておく必要がある。なお、通常の使用において水容器WBが床板の下に配置されている場合には、図示のように水容器WBから突出した螺子部1A及び螺子部1Aに螺合した螺子栓1Bの部分は床板に押されて水容器WB側に押し込まれた状態となっている。
【実施例5】
【0027】
前記各実施例がいずれも、水容器内の水を飲料水或いは生活用水として利用することを目的として構成されているのに対して、この実施例はこれらの機能に加えて、或いはこれらの機能に代えて、消火目的に利用可能なよう構成されている。
【0028】
先ず図8(A)はこの実施例に用いられる水容器用の袋の構造を示す。この水容器用袋は、2枚の水容器構成用フィルムWB1とWB2を熱圧着等の手段に貼り合わせることにより構成されている。符号6a、6bはこの貼り合わせ部を示す。また各フィルムWB1、WB2は例えばアルミフィルムと合成樹脂フィルムとを積層した構成としてある。
【0029】
この構成の水袋同図(B)のように貼り合わせ部6aと6bが水容器WBのほぼ中央部で上下に位置するよう仕切り材52、52で仕切られた空間に配置される。なおこの空間は2階以上の上部の階の床部に形成された空間であって、従ってこの空間の下面部を形成する仕切7は、下の階の天井面を形成する仕切となっている。
【0030】
各水容器WBが配置されている空間部において、仕切7にはそれぞれスリット7aが形成され、このスリット7aに水容器WBの一方の貼り合わせ部6bが位置し、この貼り合わせ部6bの端縁部はスリット7aを介して下の階の空間部に露出している。なお、図示していないがこれらの水容器WBに対して前記1乃至3の実施例にあるような水の抽出手段を設けることももとより可能である。
【0031】
以上の構成において、例えば下の階(以下1階とする)で火災が発生すると、その熱H或いは炎が1階の天井面である仕切7側に至る。この熱により水容器WBの貼り合わせ部6bのうち特に樹脂部分が軟化、或いは溶融して貼り合わせ部6bの強度が、受ける熱量の増加に比例して低下する。このため、貼り合わせ部6bの強度が水容器WB内の水WTの水圧に耐え切れなくなると、内部の水WTはこの貼り合わせ部6bから1階空間に放出され、自動的に消火作業が行われることになる。つまり、この実施例では熱に対する貼り合わせ部6b強度低下を予め適切に設定しておけば、特別なセンサ等を設けることなく所定の温度で水容器WB内の水を自動的に放出することが可能となり、極めて有効な消火(防火)手段とすることができる。
【0032】
同図(C)は別の構成例を示す。
この例では、前記貼り合わせ部6bは仕切7のスリット7a内に位置しており、1階空間部側の開口部はシール材8で塞がれた構成となっている。シール材は薄い合成樹脂、或いは熱伝達性の高い金属箔等にからなり、1階天井部の見栄えを良くしている。シール材8は前述のように熱伝導性が高い材料から構成されているため、火事等の場合にも(B)の構成とほぼ同様の効果が期待できる。水容器WB内の水WTが放出されるとシール材8は容易に剥がれ、1階の空間部にこの水WTが放出される。
【0033】
図9に示す構成は前記実施例5の変形例となるものであって、前記実施例においては水容器を構成する袋をフィルムWB1、WB2の2枚から構成しているのに対して、本実施例は一枚のフィルム(符号WB1で示す)を曲げてその端部を貼り合わせることにより構成している。このため貼り合わせ部は符号6bで示す一か所だけとなり、この貼り合わせ部6bを同図(B)に示すように仕切7のスリット7aに配置している。なお、貼り合わせ部6bの配置状態を図8(C)の如く、シール材8で覆うようにすることももとより可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は個人の家屋等において当然実施可能であるが、体育館、学校、病院、その他行政施設等の大型施設の床暖房構造とすれば、災害時に大量の水の確保が可能となり公益性の高い発明として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施例を示す水容器の断面部分図である。
【図2】図1に示す構成の水容器の配置状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す水容器の斜視部分図である。
【図4】図3に示す水容器の利用状態を一例を示す水容器断面部分図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示す水容器の斜視部分図である。
【図6】本発明の第4の実施例を示す水容器の断面部分図である。
【図7】図1及び図2に示す水容器が床面下部に収納された状態の床面下部断面部分図である。
【図8】本発明の第5の実施例を示し、図(A)は本実施例に用いる水容器用袋の断面図、(B)は図(A)の袋を水容器として床面下部に配置した状態の断面図、図(C)は図(B)の構成の変形例を示す貼り合わせ部を拡大した部分図である。
【図9】図8に示す構成の変形例を示し、(A)は水容器用袋の断面図、(B)は図(A)に示す袋を水容器として床面下部に配置した状態の断面図である。
【図10】床面下部における水容器の配置状態を示す床面下部の平面図でる。
【図11】床冷暖房構造に用いる水容器の配置状態を示す床面下部の斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1A 螺子部
1B 螺子栓
2 蝶番
3 床面
3A (床面の)開閉部
4 はさみ
5 ポンプ
6a、6b 貼り合わせ部
7 仕切
7a スリット
8 シール材
10 蛇口部材
11 クリップ
10a キャップ
52 仕切り材
WB 水容器
WB1、WB2 (水容器用の袋構成用の)フィルム
WBb 注入部
WBd (細口の)注入部
WBe 閉止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面の下部に形成された空間部に対して1以上配置された水容器の水を熱媒体として床面或いは下の階の天井面を介して空間部を暖房あるいは冷房する冷暖房構造において、水容器に対しては、常時は水容器を密閉し必要に応じてこの密閉状態を開放することが可能な水抽出手段が設けられ、この水抽出手段を介して抽出した水容器内の水を生活用水等熱媒体以外の目的に使用することを可能にしたことを特徴とする水容器を用いた多目的冷暖房構造。
【請求項2】
床面の下部に形成された空間部に対して1以上配置された水容器の水を熱媒体として床面或いは下の階の天井面を介して空間部を暖房あるいは冷房する冷暖房構造において、水容器はフィルム材により袋状に形成され、当該袋は1以上のフィルム材の貼り合わせ部を有し、この貼り合わせ部は水容器が配置されている仕切に形成されたスリット内に位置し、仕切下部の空間が火災等により一定温度以上となった場合、当該仕切部の貼り合わせ強度が低下し、水容器内の水が当該貼り合わせ部を介して下階の空間部に放出されるよう構成したことを特徴とする水容器を用いた多目的冷暖房装置。
【請求項3】
前記水抽出手段は水容器の注入部端部に形成した螺子部とこの螺子部に螺合する螺子栓とからなることを特徴とする請求項1または2記載の水容器を用いた多目的冷暖房構造。
【請求項4】
前記水抽出手段は水容器の注入部とこの注入部に対して着脱可能に取り付けた水容器密閉用のクリップとから成ることを特徴とする請求項1又は2記載の水容器を用いた多目的冷暖房構造。
【請求項5】
床面の下部に形成された空間部に配置された水容器の近傍に、水抽出部と接続するポンプ又は蛇口を収納配置し、この状態で床面が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の水容器を用いた多目的冷暖房構造。
【請求項6】
水容器を収納した床面のうち、水容器の少なくとも水抽出手段が位置する部分の床面を開放可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の水容器を用いた多目的冷暖房構造。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−170691(P2007−170691A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364652(P2005−364652)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(593107937)株式会社イゼナ (7)
【Fターム(参考)】