水密パッキン
【課題】簡素な形状にすると共に部品点数の増加を抑えてコストダウンを図ることができる水密パッキンを提供する。
【解決手段】表側外皮1と裏側外皮2との間に断熱材3を充填してパネル本体4が形成され、パネル本体4の上端部に設けた一対の凹部側壁7aの間で嵌合凹部7が形成されると共にパネル本体4の下端部に嵌合凸部8が形成された断熱パネルAに用いられる水密パッキンPであって、パネル本体4の上端部の表面に沿うように形成される表面覆い部P1と、表面覆い部P1の上方に延設されて凹部側壁7aの裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される裏面覆い部P3とを備えて長手方向の全長にわたって略一定の断面形状に形成される。
【解決手段】表側外皮1と裏側外皮2との間に断熱材3を充填してパネル本体4が形成され、パネル本体4の上端部に設けた一対の凹部側壁7aの間で嵌合凹部7が形成されると共にパネル本体4の下端部に嵌合凸部8が形成された断熱パネルAに用いられる水密パッキンPであって、パネル本体4の上端部の表面に沿うように形成される表面覆い部P1と、表面覆い部P1の上方に延設されて凹部側壁7aの裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される裏面覆い部P3とを備えて長手方向の全長にわたって略一定の断面形状に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装パネルなどを施工する際に用いられる水密パッキンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、図2(a)(b)に示すように、二枚の金属外皮の間に断熱材を充填した断熱パネルAが提供されている。このような断熱パネルAとしては、例えば、対向される表側外皮1と裏側外皮2との間に断熱材3を充填した断熱パネルAのパネル本体4の上端部と下端部との一方に嵌合凹部7を、他方に嵌合凸部8を形成し、断熱パネルAの両側端に目地形成用の側壁11及び縦目地片12を延出し、パネル本体4の上端部に表側外皮1を裏面側に折り曲げてパネル面に略直交する横目地側壁5を設けることによって形成されている(例えば、特許文献1参照)。符号16は釘やテクスやビスなどの固定具を打入するための固定溝である。また、符号41は嵌合凹部7に収容されるパッキンである。
【0003】
上記の断熱パネルAは上下左右に並設されて家屋の外壁等が形成される。この場合、図15に示すように、上下に隣接する断熱パネルAは嵌合凹部7と嵌合凸部8を嵌合して接続するものであり、この嵌合箇所には横目地側壁5により横目地13が形成されるものである。また、左右に隣接する断熱パネルAはパネル本体4の表面を略面一にして並置されるものであり、左右に隣接する縦目地片12の表面側に縦目地が形成されるものである。そして、このような横目地13及び縦目地にシーリング材を充填してシールを図るものである。符号66は固定溝16から壁下地に打入される固定具である。
【0004】
とろこで、シーリング材は経年変化で硬化して劣化することがあり、熱膨張による断熱パネルAの伸縮等で亀裂が生じて雨水が浸入するおそれがあった。また、凹凸嵌合箇所においては、熱膨張によって、嵌合箇所の内部が外部に比べて負圧になる傾向になり、凹凸嵌合箇所の内部に湿気が浸入しやすく、更に、断熱パネルAの側端面に沿って雨水が浸入しやすくなる傾向にあった。このため、内部の断熱材3を早期に劣化させる場合があった。特に、4枚の断熱パネルAのコーナー部が位置する接続箇所においては、4枚の断熱パネルAが個々に振動したり位置変更がなされるのであり、コーナー部におけるシーリング材に亀裂が入りやすく、破壊されやすく、コーナー部における水密性が損なわれやすくなるおそれがあった。そこで、図16に示すように、4枚の断熱パネルAが集まるコーナー部においては、その背面に水密パッキンPを配設して、コーナー部の水密性を維持するための施工をおこなっていた。尚、図16では、4枚の断熱パネルAのうちの一枚(右上の断熱パネル)を図示省略している。また、図において、符号14は縦目地、符号60は柱等の壁下地、符号61は捨板、符号62は縦ジョイント部材、符号64は耐火材、符号65は防水パッキン、符号67はバックアップ材、符号68はシーリング材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−181997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図17に示すように、水密パッキンPは形状が複雑であるため、射出成型注入法を用いてウレタンゴムやエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などを成型しなければならず、成形用金型のコストが必要であり、また、生産能力は成形用金型の数によって制約を受け、納期がかかる場合があった。さらに、水密パッキンPは断熱パネルAの左右に設けるため、図17(a)と(b)のように、線対称形状の二種類の水密パッキンPが必要であった。従って、製造にかかる手間や部品点数の増加によりコスト高になるおそれがあった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡素な形状にすると共に部品点数の増加を抑えてコストダウンを図ることができる水密パッキンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の水密パッキンPは、表側外皮1と裏側外皮2との間に断熱材3を充填してパネル本体4が形成され、パネル本体4の上端部に設けた一対の凹部側壁7aの間で嵌合凹部7が形成されると共にパネル本体4の下端部に嵌合凸部8が形成された断熱パネルAに用いられる水密パッキンPであって、パネル本体4の上端部の表面に沿うように形成される表面覆い部P1と、表面覆い部P1の上方に延設されて凹部側壁7aの裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される裏面覆い部P3とを備えて長手方向の全長にわたって略一定の断面形状に形成して成ることを特徴とするものである。
【0009】
本発明にあっては、断熱パネルAの側端面に沿うように折り曲げ可能に形成される側面覆い部P2が表面覆い部P1の側方に延設されるのが好ましい。
【0010】
また、本発明にあっては、パネル本体4の側端面と間隙sを介して対向する側壁11を設けることによって、断熱パネルAの側端面が側壁11の表面で形成され、側面覆い部P2の上方に延設されて側壁11の上端部の裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される側壁裏面覆い部P4とを備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水密パッキンPは、長手方向の全長にわたって略一定の断面形状を有するため、製造が容易であり、また、表面覆い部P1から裏面覆い部P3を折り曲げることによって断熱パネルAの形状に整合させて取り付けられるため、断熱パネルAの左右で異なる形状の水密パッキンPを用意する必要が無く、簡素な形状にすると共に部品点数の増加を抑えてコストダウンを図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明を取り付ける断熱パネルの一例を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図3】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図4】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図5】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図7】図6の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図8】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図9】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図10】本発明を設けた断熱パネルの取り付けを示す概略の断面図である。
【図11】本発明を設けた断熱パネルの取り付けを示す概略の断面図である。
【図12】本発明を設けた断熱パネルの接続の一例を示す断面図である。
【図13】本発明を設けた断熱パネルの接続の他例を示す断面図である。
【図14】本発明を設けた断熱パネルの取り付けを示す正面図である。
【図15】従来の断熱パネルの接続を示す断面図である。
【図16】従来の断熱パネルの取り付けを示す斜視図である。
【図17】従来の水密パッキンを示し、(a)(b)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0014】
水密パッキンPは、ウレタンゴムやエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などの可撓性及び弾性を有する樹脂成形品等で形成されるものであって、長手方向の全長にわたって略一定の断面形状を有するものである。従って、水密パッキンPは、押出成形法などの成形方法で長尺に押し出して成型した後、必要な長さに切断して形成することができ、また製造時には略板状であって、複雑な形状に成型することがないため、製造を容易に行うことができる。尚、水密パッキンPの長さ寸法は断熱パネルAの厚みや形状、必要とする止水性能などによって適宜調整可能であるが、例えば、30〜50mmとすることができる。
【0015】
図1に示すように、水密パッキンPは、下部の突条防水部51と、突条防水部51の上に形成される上部の屈曲防水部52とで構成されている。突条防水部51の表面は屈曲防水部52の表面よりも外側(表面側)に突出している。また、突条防水部51の裏面は屈曲防水部52の裏面よりも外側(裏面側)に突出している。また、屈曲防水部52は屈曲しやすく、後述の断熱パネルAの嵌合部分のクリアランスに充満してフィットしやすいように、突条防水部51よりも薄く形成されている。
【0016】
そして、水密パッキンPは、図1の想像線で区分される四つの部位、すなわち、表面覆い部P1、側面覆い部P2、裏面覆い部P3及び側壁裏面覆い部P4の四つの部位に区分することができる。表面覆い部P1は水密パッキンPの長手方向の一端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の下側略半分と突条防水部51とから構成されている。側面覆い部P2は水密パッキンPの長手方向の他端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の下側略半分と突条防水部51とから構成されている。裏面覆い部P3は水密パッキンPの長手方向の一端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の上側略半分で構成されている。すなわち、裏面覆い部P3は表面覆い部P1より上側に位置する屈曲防水部52の上部分で形成することができる。側壁裏面覆い部P4は水密パッキンPの長手方向の他端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の上側略半分で構成されている。すなわち、側壁裏面覆い部P4は裏面覆い部P2より上側に位置する屈曲防水部52の上部分で形成することができる。尚、表面覆い部P1、側面覆い部P2、裏面覆い部P3及び側壁裏面覆い部P4の長手方向の寸法比率は、断熱パネルAの厚みや形状、必要とする止水性能などによって適宜調整可能である。また、断熱パネルAの右側の側端部に取り付ける水密パッキンPと左側の側端部に取り付ける水密パッキンPとは、共に同じ形状のものを用いるが、この場合、表面覆い部P1と側面覆い部P2の位置が左右逆になり、裏面覆い部P3と側壁裏面覆い部P4の位置が左右逆になる。
【0017】
本発明の水密パッキンPは図2に示すような断熱パネルAに適用することができる。断熱パネルAは、金属製の表側外皮1と裏側外皮2との間に断熱材3を充填してパネル本体4が形成され、パネル本体4の両側方に側壁11や縦目地片12を設けて形成されるものである。表側外皮1と裏側外皮2は鋼板等の金属板をロール成形やプレス成形などにより所望の形状に形成するものである。断熱材3としてはロックウールやグラスウールなどの無機繊維材、ウレタンフォームやフェノールフォームなどの樹脂発泡体などを用いることができる。また、断熱パネルAの上端部下端部においては、耐火性及び機械的強度の向上のために、珪酸カルシウムや硫酸カルシウム(石膏ボード)などで形成される無機硬質材を表側外皮1と裏側外皮2との間に設けることもできる。
【0018】
略平板状のパネル本体4の上端部には、表側外皮1を裏面側に直角に折り曲げてパネル本体4の表面に略直交する横目地側壁5が横方向の全長にわたって形成され、横目地側壁5に連ねてパネル本体4の表面に略平行となる横目地底壁6が横方向の全長にわたって形成され、横目地底壁6よりも上側において横目地底壁6よりも更に一段低く表側外皮1を裏面側に向かって凹ませた固定溝16が横方向の全長にわたって形成され、固定溝16よりも更に上側においてパネル本体4の上端部に凹部側壁7aが横方向の全長にわたって形成されている。凹部側壁7aは表側外皮1及び裏側外皮2の金属板の上端をそれぞれに裏面側に折り返し屈曲して形成することができ、パネル本体4の上端部に設けた一対の対向する凹部側壁7a、7aの間の空間で嵌合凹部7を形成することができる。また、符号41は嵌合凹部7に収容されるパッキンである。
【0019】
パネル本体4の表側外皮1の下端部には、横目地側壁5の高さに相当する厚さの横目地形成片10が垂下して横方向の全長にわたって形成され、横目地形成片10の下端面が上記横目地側壁5に対向する横目地形成壁9として形成されている。また、パネル本体4の下端部には横目地形成片10よりも裏面側において嵌合凸部8が横方向の全長にわたって形成されている。嵌合凸部8は上記嵌合凹部7に嵌合可能であり、横目地形成片10に延設される表側外皮1の金属板の一部で形成される凸部側壁8aと、裏側外皮2の金属板の一部で形成される凸部側壁8aとを対向配置し、一対の凸部側壁8a、8aの間に断熱材3を充填して形成することができる。
【0020】
断熱パネルAの左右側端部には、表側外皮1を裏面側に略直角に折り曲げてパネル本体4の断熱材3の側端面と対向するような側壁11が上下方向の全長にわたって形成され、側壁11にはパネル本体4の厚さ方向の略中間部から外側方(断熱材3と反対側)に縦目地片12が上下全長にわたって突出して延設されている。パネル本体4の側端面と、この側端面と対向する側壁11の裏面との間には間隙sが形成されている。また、断熱パネルAの側端面は側壁11の表面(外面)で形成されている。側壁11の上端部及び縦目地片12の上端部は裏面側に折り曲げて横目地側壁5と同一面上で横目地側壁5に連なる側壁段差部31aと縦目地段差部31bが形成されている。側壁段差部31aの先端には上側に連続させて横目地底壁6及び凹部側壁7aに連なる側部片32が形成され、縦目地段差部31bの先端には上側に連続させて側部片32に連なる側部底目地片33が形成されている。側部片32の上端部は嵌合凹部7の側端部開口の側方に所定の間隔を介して対向配置されている。側部片32及び側部底目地片33の表面には固定溝16とほぼ同じ深さで固定溝16に連なる凹所34が形成されている。
【0021】
そして、上記の水密パッキンPを断熱パネルAに取り付けるにあたっては、次のようにして行う。まず、図3に示すように、断熱パネルAの側端部において、パネル本体4の上端部の表面に沿わせて表面覆い部P1を配置する。この場合、表面覆い部P1の裏面の略全面をパネル本体4の上端部の表面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、表面覆い部P1の突条防水部51は固定溝16の表面に密着して配置される。また、表面覆い部P1の屈曲防水部52の下側略半分は凹部側壁7aの表面に密着して配置される。
【0022】
次に、図4に示すように、パネル本体4の上端部の表面に設けた表面覆い部P1から側面覆い部P2を裏面側に略直角に折り曲げて断熱パネルAの側端面である側壁11の上端部(すなわち側片部32)の表面に沿って配置する。この場合、側面覆い部P2の裏面の略全面を側壁11の上端部の表面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、側面覆い部P2の突条防水部51は凹所34に挿入されてその表面に密着して配置される。また、側面覆い部P2の屈曲防水部52の下側略半分は凹所34の上側において側部片32の上部表面に密着して配置される。
【0023】
次に、図5に示すように、パネル本体4の上端部の表面に設けた表面覆い部P1から裏面覆い部P3を裏面側に折り返すように曲げて凹部側壁7aの裏面(一対の凹部側壁7a、7aの対向する面)に沿って配置する。この場合、裏面覆い部P3の裏面の略全面を凹部側壁7aの裏面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、裏面覆い部P3は屈曲防水部52の上側略半分であって、裏面覆い部P3は屈曲防水部52の下側略半分を密着した凹部側壁7aの上端を乗り越えるようにして折り曲げて凹部側壁7aの裏面に配置される。また、裏面覆い部P3の屈曲と共に、側壁11の上端部の表面に設けた側面覆い部P2から側壁裏面覆い部P4を裏面側に折り返すように曲げて側壁11の上端部(すなわち側片部32)の裏面に沿って配置する。この場合、側壁裏面覆い部P4の裏面の略全面を側壁11の上部の裏面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、側壁裏面覆い部P4は屈曲防水部52の上側略半分であって、側壁裏面覆い部P4は屈曲防水部52の下側略半分を密着した側壁11の上端を乗り越えるようにして折り曲げて側片部32の上端部の裏面に配置される。
【0024】
このようにして断熱パネルAの両方の側端部の上端部に水密パッキンPを設けることができる。尚、断熱パネルAに側壁11を設けない場合は、パネル本体4の側端面が断熱パネルAの側端面となり、側面覆い部P2と側壁裏面覆い部P4はパネル本体4の側端面に沿うように折り曲げて密着される。
【0025】
図6に水密パッキンPの他の実施の形態の一例を示す。この水密パッキンPは、下部の横走り防止部50と、横走り防止部50の上に形成される中間部の突条防水部51と、突条防水部51の上に形成される上部の屈曲防水部52とで構成されている。横走り防止部50の表面は突条防水部51の表面や屈曲防水部52の表面よりも外側(表面側)に突出している。また、突条防水部51の裏面は横走り防止部50の裏面や屈曲防水部52の裏面よりも外側(裏面側)に突出している。また、屈曲防水部52は屈曲しやすく、断熱パネルAの嵌合部分のクリアランスに充満してフィットしやすいように、横走り防止部50や突条防水部51よりも薄く形成されている。
【0026】
そして、水密パッキンPは、図6の想像線で区分される四つの部位、すなわち、表面覆い部P1、側面覆い部P2、裏面覆い部P3及び側壁裏面覆い部P4の四つの部位に区分することができる。表面覆い部P1は水密パッキンPの長手方向の一端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の下側略半分と横走り防止部50と突条防水部51とから構成されている。側面覆い部P2は水密パッキンPの長手方向の他端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の下側略半分と横走り防止部50と突条防水部51とから構成されている。裏面覆い部P3は水密パッキンPの長手方向の一端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の上側略半分で構成されている。すなわち、裏面覆い部P3は表面覆い部P1より上側に位置する屈曲防水部52の上部分で形成することができる。側壁裏面覆い部P4は水密パッキンPの長手方向の他端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の上側略半分で構成されている。すなわち、側壁裏面覆い部P4は裏面覆い部P2より上側に位置する屈曲防水部52の上部分で形成することができる。尚、表面覆い部P1、側面覆い部P2、裏面覆い部P3及び側壁裏面覆い部P4の長手方向の寸法比率は、断熱パネルAの厚みや形状、必要とする止水性能などによって適宜調整可能である。また、断熱パネルAの右側の側端部に取り付ける水密パッキンPと左側の側端部に取り付ける水密パッキンPとは、共に同じ形状のものを用いるが、この場合、表面覆い部P1と側面覆い部P2の位置が左右逆になり、裏面覆い部P3と側壁裏面覆い部P4の位置が左右逆になる。
【0027】
そして、図6に示す本発明の水密パッキンPを図2に示す断熱パネルAに取り付けるにあたっては、次のようにして行う。まず、図7に示すように、断熱パネルAの側端部において、パネル本体4の上端部の表面に沿わせて表面覆い部P1を配置する。この場合、表面覆い部P1の裏面の略全面をパネル本体4の上端部の表面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、表面覆い部P1の横走り防止部50はその下端が横目地側壁5の上面に密着され、裏面が横目地底壁6の表面に密着して配置される。また、表面覆い部P1の突条防水部51は固定溝16の表面に密着して配置される。また、表面覆い部P1の屈曲防水部52の下側略半分は凹部側壁7aの表面に密着して配置される。
【0028】
次に、図8に示すように、パネル本体4の上端部の表面に設けた表面覆い部P1から側面覆い部P2を裏面側に略直角に折り曲げて断熱パネルAの側端面である側壁11の上端部(すなわち側片部32)の表面に沿って配置する。この場合、側面覆い部P2の裏面の略全面を側壁11の上端部の表面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、側面覆い部P2の横走り防止部50はその下端が側壁段差部31aの上面に密着され、裏面が凹所34の下側において側部片32の下部表面に密着して配置される。また、側面覆い部P2の突条防水部51は凹所34に挿入されてその表面に密着して配置される。また、側面覆い部P2の屈曲防水部52の下側略半分は凹所34の上側において側部片32の上部表面に密着して配置される。
【0029】
次に、図9に示すように、パネル本体4の上端部の表面に設けた表面覆い部P1から裏面覆い部P3を裏面側に折り返すように曲げて凹部側壁7aの裏面(一対の凹部側壁7a、7aの対向する面)に沿って配置する。この場合、裏面覆い部P3の裏面の略全面を凹部側壁7aの裏面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、裏面覆い部P3は屈曲防水部52の上側略半分であって、裏面覆い部P3は屈曲防水部52の下側略半分を密着した凹部側壁7aの上端を乗り越えるようにして折り曲げて凹部側壁7aの裏面に配置される。また、裏面覆い部P3の屈曲と共に、側壁11の上端部の表面に設けた側面覆い部P2から側壁裏面覆い部P4を裏面側に折り返すように曲げて側壁11の上端部(すなわち側片部32)の裏面に沿って配置する。この場合、側壁裏面覆い部P4の裏面の略全面を側壁11の上部の裏面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、側壁裏面覆い部P4は屈曲防水部52の上側略半分であって、側壁裏面覆い部P4は屈曲防水部52の下側略半分を密着した側壁11の上端を乗り越えるようにして折り曲げて側片部32の上端部の裏面に配置される。
【0030】
このようにして断熱パネルAの両方の側端部の上端部に水密パッキンPを設けることができる。尚、断熱パネルAに側壁11を設けない場合は、パネル本体4の側端面が断熱パネルAの側端面となり、側面覆い部P2と側壁裏面覆い部P4はパネル本体4の側端面に沿うように折り曲げて密着される。
【0031】
水密パッキンPを設けた断熱パネルAは、柱などの壁下地に固定して施工される。この場合、図10に示すように、鉄骨等で形成される壁下地(柱)60のパネル取付面(例えば、屋外側面)に鋼板等で形成される捨板61を設け、捨板61の表面に断面コ字状の縦ジョイント部材62を設けることができる。捨板61及び縦ジョイント部材62は壁下地60の上下方向の全長にわたって設けることができ、ドリルビスなどの固定具63で壁下地60に固定することができる。また、縦ジョイント部材62の内側にはセラミックファイバー等の耐火材64を充填することができる。
【0032】
次に、水密パッキンPを設けた断熱パネルAを壁下地60に近づけて捨板61の表面側に配置する。このとき、断熱パネルAには断熱材3の側端面と側壁11との間の空間に防水パッキン65が充填されており、防水パッキン65を縦ジョイント部材62の一方の先端に差し込むようにする。防水パッキン65は水密パッキンPと同様の材質で形成されており、断熱パネルAの上下方向の全長にわたって設けることができる。
【0033】
この後、固定溝16に表面側からテクスなどの固定具66を打入し、断熱パネルA及び捨板61を貫通して壁下地60にまで固定具66を打ち込む。このようにして断熱パネルAを壁下地60に取り付けて固定することができる。
【0034】
また、複数枚の断熱パネルAを横方向に並べて施工することができる。この場合、各断熱パネルAは上記と同様にして壁下地60に取り付けられるが、図11に示すように、左右に隣接する断熱パネルA、Aは側壁11、11同士が対向して配置されると共に縦目地片12、12の先端面同士が対向して配置されるものであり、縦目地片12、12と側壁11、11とで囲まれる空間が縦目地14として形成されるものである。縦目地14には上下方向の全長にわたってバックアップ材67が充填され、バックアップ材67の表面側にはシーリング材68が上下方向の全長にわたって充填される。
【0035】
また、複数枚の断熱パネルAを縦方向に並べて施工することができる。この場合、各断熱パネルAは上記と同様にして壁下地60に取り付けられるが、上下に隣接する断熱パネルA、Aは、下側の断熱パネルAの嵌合凹部7に上側の断熱パネルAの嵌合凸部8を差し込んで嵌合させて接続すると共に、下側の断熱パネルAの横目地側壁5に、上側の断熱パネルAの横目地形成壁9を対向させて横目地13を形成する。この場合、嵌合凹部7にはパッキン41が配され、凹凸嵌合箇所及びその近傍部の水密シール性を高めることができる。
【0036】
このように、嵌合凹部7と嵌合凸部8とを上下に凹凸嵌合させると、図12、13に示すように、下側の断熱パネルAの側端部の上部に設けた水密パッキンPは、上側の断熱パネルAの側端部の下部に密着するのであり、断熱パネルA,Aを上下方向に凹凸嵌合させる凹凸嵌合箇所の側方に水密パッキンPを配置して水密性を高めることができる。具体的には、下側の断熱パネルAに設けた水密パッキンPの表面覆い部P1の表面が、上側の断熱パネルAの目地形成片10の裏面に密着する。また、下側の断熱パネルAに設けた水密パッキンPの側面覆い部P2の表面が、上側の断熱パネルAの側壁11の下端部の裏面に密着する。また、下側の断熱パネルAに設けた水密パッキンPの裏面覆い部P3の表面が、上側の断熱パネルAの嵌合凸部8の表面に密着する。さらに、下側の断熱パネルAに設けた水密パッキンPの側壁裏面覆い部P4の表面が、上側の断熱パネルAの嵌合凸部8の側端面に密着乃至近接する。そして、図12に示すように図1の水密パッキンPでは、特に、表面覆い部P1の突条防水部51で固定溝16における雨水等の流通を防止し、防水性を高めることができる。また、図13に示すように図6の水密パッキンPでは、図1のものが奏する効果に加えて、表面覆い部P1の横走り防止部50で横目地13における雨水等の流通を防止し、防水性を高めることができる。
【0037】
また、図14に示すように、横目地13にはシーリング材69を充填することができる。このシーリング材69は縦目地14に充填したシーリング材68と同様のものであり、横目地13の縦目地14と連通する端部から10〜30mmの範囲でシーリング材69を充填することができる。よって、四枚の断熱パネルAが隣接する箇所では縦目地14と横目地13がクロス目地となって、シーリング材68とシーリング材69は十字状に配設されるものである。そして、シーリング材68とシーリング材69により隣接する断熱パネルAの接続部分の防水性をさらに高めることができるものである。
【0038】
本発明の水密パッキンPを用いた上記のような断熱パネルAの接続構造では、シーリング材68の一部が破断した場合(例えば、クロス目地の部分でシーリング材68が縦方向に110mm程度切除された場合など)であっても、動風圧水密試験(JIS A1414)の全試験工程(平均圧力540〜2200Pa)において、漏水が抑制され、防水性能が高いものであった。
【符号の説明】
【0039】
A 断熱パネル
P 水密パッキン
P1 表面覆い部
P2 側面覆い部
P3 裏面覆い部
P4 側壁裏面覆い部
1 表側外皮
2 裏側外皮
3 断熱材
4 パネル本体
7 嵌合凹部
7a 凹部側壁
8 嵌合凸部
11 側壁
S 間隙
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装パネルなどを施工する際に用いられる水密パッキンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、図2(a)(b)に示すように、二枚の金属外皮の間に断熱材を充填した断熱パネルAが提供されている。このような断熱パネルAとしては、例えば、対向される表側外皮1と裏側外皮2との間に断熱材3を充填した断熱パネルAのパネル本体4の上端部と下端部との一方に嵌合凹部7を、他方に嵌合凸部8を形成し、断熱パネルAの両側端に目地形成用の側壁11及び縦目地片12を延出し、パネル本体4の上端部に表側外皮1を裏面側に折り曲げてパネル面に略直交する横目地側壁5を設けることによって形成されている(例えば、特許文献1参照)。符号16は釘やテクスやビスなどの固定具を打入するための固定溝である。また、符号41は嵌合凹部7に収容されるパッキンである。
【0003】
上記の断熱パネルAは上下左右に並設されて家屋の外壁等が形成される。この場合、図15に示すように、上下に隣接する断熱パネルAは嵌合凹部7と嵌合凸部8を嵌合して接続するものであり、この嵌合箇所には横目地側壁5により横目地13が形成されるものである。また、左右に隣接する断熱パネルAはパネル本体4の表面を略面一にして並置されるものであり、左右に隣接する縦目地片12の表面側に縦目地が形成されるものである。そして、このような横目地13及び縦目地にシーリング材を充填してシールを図るものである。符号66は固定溝16から壁下地に打入される固定具である。
【0004】
とろこで、シーリング材は経年変化で硬化して劣化することがあり、熱膨張による断熱パネルAの伸縮等で亀裂が生じて雨水が浸入するおそれがあった。また、凹凸嵌合箇所においては、熱膨張によって、嵌合箇所の内部が外部に比べて負圧になる傾向になり、凹凸嵌合箇所の内部に湿気が浸入しやすく、更に、断熱パネルAの側端面に沿って雨水が浸入しやすくなる傾向にあった。このため、内部の断熱材3を早期に劣化させる場合があった。特に、4枚の断熱パネルAのコーナー部が位置する接続箇所においては、4枚の断熱パネルAが個々に振動したり位置変更がなされるのであり、コーナー部におけるシーリング材に亀裂が入りやすく、破壊されやすく、コーナー部における水密性が損なわれやすくなるおそれがあった。そこで、図16に示すように、4枚の断熱パネルAが集まるコーナー部においては、その背面に水密パッキンPを配設して、コーナー部の水密性を維持するための施工をおこなっていた。尚、図16では、4枚の断熱パネルAのうちの一枚(右上の断熱パネル)を図示省略している。また、図において、符号14は縦目地、符号60は柱等の壁下地、符号61は捨板、符号62は縦ジョイント部材、符号64は耐火材、符号65は防水パッキン、符号67はバックアップ材、符号68はシーリング材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−181997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図17に示すように、水密パッキンPは形状が複雑であるため、射出成型注入法を用いてウレタンゴムやエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などを成型しなければならず、成形用金型のコストが必要であり、また、生産能力は成形用金型の数によって制約を受け、納期がかかる場合があった。さらに、水密パッキンPは断熱パネルAの左右に設けるため、図17(a)と(b)のように、線対称形状の二種類の水密パッキンPが必要であった。従って、製造にかかる手間や部品点数の増加によりコスト高になるおそれがあった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡素な形状にすると共に部品点数の増加を抑えてコストダウンを図ることができる水密パッキンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の水密パッキンPは、表側外皮1と裏側外皮2との間に断熱材3を充填してパネル本体4が形成され、パネル本体4の上端部に設けた一対の凹部側壁7aの間で嵌合凹部7が形成されると共にパネル本体4の下端部に嵌合凸部8が形成された断熱パネルAに用いられる水密パッキンPであって、パネル本体4の上端部の表面に沿うように形成される表面覆い部P1と、表面覆い部P1の上方に延設されて凹部側壁7aの裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される裏面覆い部P3とを備えて長手方向の全長にわたって略一定の断面形状に形成して成ることを特徴とするものである。
【0009】
本発明にあっては、断熱パネルAの側端面に沿うように折り曲げ可能に形成される側面覆い部P2が表面覆い部P1の側方に延設されるのが好ましい。
【0010】
また、本発明にあっては、パネル本体4の側端面と間隙sを介して対向する側壁11を設けることによって、断熱パネルAの側端面が側壁11の表面で形成され、側面覆い部P2の上方に延設されて側壁11の上端部の裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される側壁裏面覆い部P4とを備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水密パッキンPは、長手方向の全長にわたって略一定の断面形状を有するため、製造が容易であり、また、表面覆い部P1から裏面覆い部P3を折り曲げることによって断熱パネルAの形状に整合させて取り付けられるため、断熱パネルAの左右で異なる形状の水密パッキンPを用意する必要が無く、簡素な形状にすると共に部品点数の増加を抑えてコストダウンを図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明を取り付ける断熱パネルの一例を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図3】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図4】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図5】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図7】図6の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図8】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図9】図1の水密パッキンの取付手順を示す斜視図である。
【図10】本発明を設けた断熱パネルの取り付けを示す概略の断面図である。
【図11】本発明を設けた断熱パネルの取り付けを示す概略の断面図である。
【図12】本発明を設けた断熱パネルの接続の一例を示す断面図である。
【図13】本発明を設けた断熱パネルの接続の他例を示す断面図である。
【図14】本発明を設けた断熱パネルの取り付けを示す正面図である。
【図15】従来の断熱パネルの接続を示す断面図である。
【図16】従来の断熱パネルの取り付けを示す斜視図である。
【図17】従来の水密パッキンを示し、(a)(b)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0014】
水密パッキンPは、ウレタンゴムやエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などの可撓性及び弾性を有する樹脂成形品等で形成されるものであって、長手方向の全長にわたって略一定の断面形状を有するものである。従って、水密パッキンPは、押出成形法などの成形方法で長尺に押し出して成型した後、必要な長さに切断して形成することができ、また製造時には略板状であって、複雑な形状に成型することがないため、製造を容易に行うことができる。尚、水密パッキンPの長さ寸法は断熱パネルAの厚みや形状、必要とする止水性能などによって適宜調整可能であるが、例えば、30〜50mmとすることができる。
【0015】
図1に示すように、水密パッキンPは、下部の突条防水部51と、突条防水部51の上に形成される上部の屈曲防水部52とで構成されている。突条防水部51の表面は屈曲防水部52の表面よりも外側(表面側)に突出している。また、突条防水部51の裏面は屈曲防水部52の裏面よりも外側(裏面側)に突出している。また、屈曲防水部52は屈曲しやすく、後述の断熱パネルAの嵌合部分のクリアランスに充満してフィットしやすいように、突条防水部51よりも薄く形成されている。
【0016】
そして、水密パッキンPは、図1の想像線で区分される四つの部位、すなわち、表面覆い部P1、側面覆い部P2、裏面覆い部P3及び側壁裏面覆い部P4の四つの部位に区分することができる。表面覆い部P1は水密パッキンPの長手方向の一端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の下側略半分と突条防水部51とから構成されている。側面覆い部P2は水密パッキンPの長手方向の他端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の下側略半分と突条防水部51とから構成されている。裏面覆い部P3は水密パッキンPの長手方向の一端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の上側略半分で構成されている。すなわち、裏面覆い部P3は表面覆い部P1より上側に位置する屈曲防水部52の上部分で形成することができる。側壁裏面覆い部P4は水密パッキンPの長手方向の他端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の上側略半分で構成されている。すなわち、側壁裏面覆い部P4は裏面覆い部P2より上側に位置する屈曲防水部52の上部分で形成することができる。尚、表面覆い部P1、側面覆い部P2、裏面覆い部P3及び側壁裏面覆い部P4の長手方向の寸法比率は、断熱パネルAの厚みや形状、必要とする止水性能などによって適宜調整可能である。また、断熱パネルAの右側の側端部に取り付ける水密パッキンPと左側の側端部に取り付ける水密パッキンPとは、共に同じ形状のものを用いるが、この場合、表面覆い部P1と側面覆い部P2の位置が左右逆になり、裏面覆い部P3と側壁裏面覆い部P4の位置が左右逆になる。
【0017】
本発明の水密パッキンPは図2に示すような断熱パネルAに適用することができる。断熱パネルAは、金属製の表側外皮1と裏側外皮2との間に断熱材3を充填してパネル本体4が形成され、パネル本体4の両側方に側壁11や縦目地片12を設けて形成されるものである。表側外皮1と裏側外皮2は鋼板等の金属板をロール成形やプレス成形などにより所望の形状に形成するものである。断熱材3としてはロックウールやグラスウールなどの無機繊維材、ウレタンフォームやフェノールフォームなどの樹脂発泡体などを用いることができる。また、断熱パネルAの上端部下端部においては、耐火性及び機械的強度の向上のために、珪酸カルシウムや硫酸カルシウム(石膏ボード)などで形成される無機硬質材を表側外皮1と裏側外皮2との間に設けることもできる。
【0018】
略平板状のパネル本体4の上端部には、表側外皮1を裏面側に直角に折り曲げてパネル本体4の表面に略直交する横目地側壁5が横方向の全長にわたって形成され、横目地側壁5に連ねてパネル本体4の表面に略平行となる横目地底壁6が横方向の全長にわたって形成され、横目地底壁6よりも上側において横目地底壁6よりも更に一段低く表側外皮1を裏面側に向かって凹ませた固定溝16が横方向の全長にわたって形成され、固定溝16よりも更に上側においてパネル本体4の上端部に凹部側壁7aが横方向の全長にわたって形成されている。凹部側壁7aは表側外皮1及び裏側外皮2の金属板の上端をそれぞれに裏面側に折り返し屈曲して形成することができ、パネル本体4の上端部に設けた一対の対向する凹部側壁7a、7aの間の空間で嵌合凹部7を形成することができる。また、符号41は嵌合凹部7に収容されるパッキンである。
【0019】
パネル本体4の表側外皮1の下端部には、横目地側壁5の高さに相当する厚さの横目地形成片10が垂下して横方向の全長にわたって形成され、横目地形成片10の下端面が上記横目地側壁5に対向する横目地形成壁9として形成されている。また、パネル本体4の下端部には横目地形成片10よりも裏面側において嵌合凸部8が横方向の全長にわたって形成されている。嵌合凸部8は上記嵌合凹部7に嵌合可能であり、横目地形成片10に延設される表側外皮1の金属板の一部で形成される凸部側壁8aと、裏側外皮2の金属板の一部で形成される凸部側壁8aとを対向配置し、一対の凸部側壁8a、8aの間に断熱材3を充填して形成することができる。
【0020】
断熱パネルAの左右側端部には、表側外皮1を裏面側に略直角に折り曲げてパネル本体4の断熱材3の側端面と対向するような側壁11が上下方向の全長にわたって形成され、側壁11にはパネル本体4の厚さ方向の略中間部から外側方(断熱材3と反対側)に縦目地片12が上下全長にわたって突出して延設されている。パネル本体4の側端面と、この側端面と対向する側壁11の裏面との間には間隙sが形成されている。また、断熱パネルAの側端面は側壁11の表面(外面)で形成されている。側壁11の上端部及び縦目地片12の上端部は裏面側に折り曲げて横目地側壁5と同一面上で横目地側壁5に連なる側壁段差部31aと縦目地段差部31bが形成されている。側壁段差部31aの先端には上側に連続させて横目地底壁6及び凹部側壁7aに連なる側部片32が形成され、縦目地段差部31bの先端には上側に連続させて側部片32に連なる側部底目地片33が形成されている。側部片32の上端部は嵌合凹部7の側端部開口の側方に所定の間隔を介して対向配置されている。側部片32及び側部底目地片33の表面には固定溝16とほぼ同じ深さで固定溝16に連なる凹所34が形成されている。
【0021】
そして、上記の水密パッキンPを断熱パネルAに取り付けるにあたっては、次のようにして行う。まず、図3に示すように、断熱パネルAの側端部において、パネル本体4の上端部の表面に沿わせて表面覆い部P1を配置する。この場合、表面覆い部P1の裏面の略全面をパネル本体4の上端部の表面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、表面覆い部P1の突条防水部51は固定溝16の表面に密着して配置される。また、表面覆い部P1の屈曲防水部52の下側略半分は凹部側壁7aの表面に密着して配置される。
【0022】
次に、図4に示すように、パネル本体4の上端部の表面に設けた表面覆い部P1から側面覆い部P2を裏面側に略直角に折り曲げて断熱パネルAの側端面である側壁11の上端部(すなわち側片部32)の表面に沿って配置する。この場合、側面覆い部P2の裏面の略全面を側壁11の上端部の表面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、側面覆い部P2の突条防水部51は凹所34に挿入されてその表面に密着して配置される。また、側面覆い部P2の屈曲防水部52の下側略半分は凹所34の上側において側部片32の上部表面に密着して配置される。
【0023】
次に、図5に示すように、パネル本体4の上端部の表面に設けた表面覆い部P1から裏面覆い部P3を裏面側に折り返すように曲げて凹部側壁7aの裏面(一対の凹部側壁7a、7aの対向する面)に沿って配置する。この場合、裏面覆い部P3の裏面の略全面を凹部側壁7aの裏面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、裏面覆い部P3は屈曲防水部52の上側略半分であって、裏面覆い部P3は屈曲防水部52の下側略半分を密着した凹部側壁7aの上端を乗り越えるようにして折り曲げて凹部側壁7aの裏面に配置される。また、裏面覆い部P3の屈曲と共に、側壁11の上端部の表面に設けた側面覆い部P2から側壁裏面覆い部P4を裏面側に折り返すように曲げて側壁11の上端部(すなわち側片部32)の裏面に沿って配置する。この場合、側壁裏面覆い部P4の裏面の略全面を側壁11の上部の裏面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、側壁裏面覆い部P4は屈曲防水部52の上側略半分であって、側壁裏面覆い部P4は屈曲防水部52の下側略半分を密着した側壁11の上端を乗り越えるようにして折り曲げて側片部32の上端部の裏面に配置される。
【0024】
このようにして断熱パネルAの両方の側端部の上端部に水密パッキンPを設けることができる。尚、断熱パネルAに側壁11を設けない場合は、パネル本体4の側端面が断熱パネルAの側端面となり、側面覆い部P2と側壁裏面覆い部P4はパネル本体4の側端面に沿うように折り曲げて密着される。
【0025】
図6に水密パッキンPの他の実施の形態の一例を示す。この水密パッキンPは、下部の横走り防止部50と、横走り防止部50の上に形成される中間部の突条防水部51と、突条防水部51の上に形成される上部の屈曲防水部52とで構成されている。横走り防止部50の表面は突条防水部51の表面や屈曲防水部52の表面よりも外側(表面側)に突出している。また、突条防水部51の裏面は横走り防止部50の裏面や屈曲防水部52の裏面よりも外側(裏面側)に突出している。また、屈曲防水部52は屈曲しやすく、断熱パネルAの嵌合部分のクリアランスに充満してフィットしやすいように、横走り防止部50や突条防水部51よりも薄く形成されている。
【0026】
そして、水密パッキンPは、図6の想像線で区分される四つの部位、すなわち、表面覆い部P1、側面覆い部P2、裏面覆い部P3及び側壁裏面覆い部P4の四つの部位に区分することができる。表面覆い部P1は水密パッキンPの長手方向の一端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の下側略半分と横走り防止部50と突条防水部51とから構成されている。側面覆い部P2は水密パッキンPの長手方向の他端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の下側略半分と横走り防止部50と突条防水部51とから構成されている。裏面覆い部P3は水密パッキンPの長手方向の一端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の上側略半分で構成されている。すなわち、裏面覆い部P3は表面覆い部P1より上側に位置する屈曲防水部52の上部分で形成することができる。側壁裏面覆い部P4は水密パッキンPの長手方向の他端から1/3〜2/3程度の寸法を有し、屈曲防水部52の上側略半分で構成されている。すなわち、側壁裏面覆い部P4は裏面覆い部P2より上側に位置する屈曲防水部52の上部分で形成することができる。尚、表面覆い部P1、側面覆い部P2、裏面覆い部P3及び側壁裏面覆い部P4の長手方向の寸法比率は、断熱パネルAの厚みや形状、必要とする止水性能などによって適宜調整可能である。また、断熱パネルAの右側の側端部に取り付ける水密パッキンPと左側の側端部に取り付ける水密パッキンPとは、共に同じ形状のものを用いるが、この場合、表面覆い部P1と側面覆い部P2の位置が左右逆になり、裏面覆い部P3と側壁裏面覆い部P4の位置が左右逆になる。
【0027】
そして、図6に示す本発明の水密パッキンPを図2に示す断熱パネルAに取り付けるにあたっては、次のようにして行う。まず、図7に示すように、断熱パネルAの側端部において、パネル本体4の上端部の表面に沿わせて表面覆い部P1を配置する。この場合、表面覆い部P1の裏面の略全面をパネル本体4の上端部の表面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、表面覆い部P1の横走り防止部50はその下端が横目地側壁5の上面に密着され、裏面が横目地底壁6の表面に密着して配置される。また、表面覆い部P1の突条防水部51は固定溝16の表面に密着して配置される。また、表面覆い部P1の屈曲防水部52の下側略半分は凹部側壁7aの表面に密着して配置される。
【0028】
次に、図8に示すように、パネル本体4の上端部の表面に設けた表面覆い部P1から側面覆い部P2を裏面側に略直角に折り曲げて断熱パネルAの側端面である側壁11の上端部(すなわち側片部32)の表面に沿って配置する。この場合、側面覆い部P2の裏面の略全面を側壁11の上端部の表面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、側面覆い部P2の横走り防止部50はその下端が側壁段差部31aの上面に密着され、裏面が凹所34の下側において側部片32の下部表面に密着して配置される。また、側面覆い部P2の突条防水部51は凹所34に挿入されてその表面に密着して配置される。また、側面覆い部P2の屈曲防水部52の下側略半分は凹所34の上側において側部片32の上部表面に密着して配置される。
【0029】
次に、図9に示すように、パネル本体4の上端部の表面に設けた表面覆い部P1から裏面覆い部P3を裏面側に折り返すように曲げて凹部側壁7aの裏面(一対の凹部側壁7a、7aの対向する面)に沿って配置する。この場合、裏面覆い部P3の裏面の略全面を凹部側壁7aの裏面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、裏面覆い部P3は屈曲防水部52の上側略半分であって、裏面覆い部P3は屈曲防水部52の下側略半分を密着した凹部側壁7aの上端を乗り越えるようにして折り曲げて凹部側壁7aの裏面に配置される。また、裏面覆い部P3の屈曲と共に、側壁11の上端部の表面に設けた側面覆い部P2から側壁裏面覆い部P4を裏面側に折り返すように曲げて側壁11の上端部(すなわち側片部32)の裏面に沿って配置する。この場合、側壁裏面覆い部P4の裏面の略全面を側壁11の上部の裏面に接着剤で接着したり両面テープで貼り付けたりすることができる。また、側壁裏面覆い部P4は屈曲防水部52の上側略半分であって、側壁裏面覆い部P4は屈曲防水部52の下側略半分を密着した側壁11の上端を乗り越えるようにして折り曲げて側片部32の上端部の裏面に配置される。
【0030】
このようにして断熱パネルAの両方の側端部の上端部に水密パッキンPを設けることができる。尚、断熱パネルAに側壁11を設けない場合は、パネル本体4の側端面が断熱パネルAの側端面となり、側面覆い部P2と側壁裏面覆い部P4はパネル本体4の側端面に沿うように折り曲げて密着される。
【0031】
水密パッキンPを設けた断熱パネルAは、柱などの壁下地に固定して施工される。この場合、図10に示すように、鉄骨等で形成される壁下地(柱)60のパネル取付面(例えば、屋外側面)に鋼板等で形成される捨板61を設け、捨板61の表面に断面コ字状の縦ジョイント部材62を設けることができる。捨板61及び縦ジョイント部材62は壁下地60の上下方向の全長にわたって設けることができ、ドリルビスなどの固定具63で壁下地60に固定することができる。また、縦ジョイント部材62の内側にはセラミックファイバー等の耐火材64を充填することができる。
【0032】
次に、水密パッキンPを設けた断熱パネルAを壁下地60に近づけて捨板61の表面側に配置する。このとき、断熱パネルAには断熱材3の側端面と側壁11との間の空間に防水パッキン65が充填されており、防水パッキン65を縦ジョイント部材62の一方の先端に差し込むようにする。防水パッキン65は水密パッキンPと同様の材質で形成されており、断熱パネルAの上下方向の全長にわたって設けることができる。
【0033】
この後、固定溝16に表面側からテクスなどの固定具66を打入し、断熱パネルA及び捨板61を貫通して壁下地60にまで固定具66を打ち込む。このようにして断熱パネルAを壁下地60に取り付けて固定することができる。
【0034】
また、複数枚の断熱パネルAを横方向に並べて施工することができる。この場合、各断熱パネルAは上記と同様にして壁下地60に取り付けられるが、図11に示すように、左右に隣接する断熱パネルA、Aは側壁11、11同士が対向して配置されると共に縦目地片12、12の先端面同士が対向して配置されるものであり、縦目地片12、12と側壁11、11とで囲まれる空間が縦目地14として形成されるものである。縦目地14には上下方向の全長にわたってバックアップ材67が充填され、バックアップ材67の表面側にはシーリング材68が上下方向の全長にわたって充填される。
【0035】
また、複数枚の断熱パネルAを縦方向に並べて施工することができる。この場合、各断熱パネルAは上記と同様にして壁下地60に取り付けられるが、上下に隣接する断熱パネルA、Aは、下側の断熱パネルAの嵌合凹部7に上側の断熱パネルAの嵌合凸部8を差し込んで嵌合させて接続すると共に、下側の断熱パネルAの横目地側壁5に、上側の断熱パネルAの横目地形成壁9を対向させて横目地13を形成する。この場合、嵌合凹部7にはパッキン41が配され、凹凸嵌合箇所及びその近傍部の水密シール性を高めることができる。
【0036】
このように、嵌合凹部7と嵌合凸部8とを上下に凹凸嵌合させると、図12、13に示すように、下側の断熱パネルAの側端部の上部に設けた水密パッキンPは、上側の断熱パネルAの側端部の下部に密着するのであり、断熱パネルA,Aを上下方向に凹凸嵌合させる凹凸嵌合箇所の側方に水密パッキンPを配置して水密性を高めることができる。具体的には、下側の断熱パネルAに設けた水密パッキンPの表面覆い部P1の表面が、上側の断熱パネルAの目地形成片10の裏面に密着する。また、下側の断熱パネルAに設けた水密パッキンPの側面覆い部P2の表面が、上側の断熱パネルAの側壁11の下端部の裏面に密着する。また、下側の断熱パネルAに設けた水密パッキンPの裏面覆い部P3の表面が、上側の断熱パネルAの嵌合凸部8の表面に密着する。さらに、下側の断熱パネルAに設けた水密パッキンPの側壁裏面覆い部P4の表面が、上側の断熱パネルAの嵌合凸部8の側端面に密着乃至近接する。そして、図12に示すように図1の水密パッキンPでは、特に、表面覆い部P1の突条防水部51で固定溝16における雨水等の流通を防止し、防水性を高めることができる。また、図13に示すように図6の水密パッキンPでは、図1のものが奏する効果に加えて、表面覆い部P1の横走り防止部50で横目地13における雨水等の流通を防止し、防水性を高めることができる。
【0037】
また、図14に示すように、横目地13にはシーリング材69を充填することができる。このシーリング材69は縦目地14に充填したシーリング材68と同様のものであり、横目地13の縦目地14と連通する端部から10〜30mmの範囲でシーリング材69を充填することができる。よって、四枚の断熱パネルAが隣接する箇所では縦目地14と横目地13がクロス目地となって、シーリング材68とシーリング材69は十字状に配設されるものである。そして、シーリング材68とシーリング材69により隣接する断熱パネルAの接続部分の防水性をさらに高めることができるものである。
【0038】
本発明の水密パッキンPを用いた上記のような断熱パネルAの接続構造では、シーリング材68の一部が破断した場合(例えば、クロス目地の部分でシーリング材68が縦方向に110mm程度切除された場合など)であっても、動風圧水密試験(JIS A1414)の全試験工程(平均圧力540〜2200Pa)において、漏水が抑制され、防水性能が高いものであった。
【符号の説明】
【0039】
A 断熱パネル
P 水密パッキン
P1 表面覆い部
P2 側面覆い部
P3 裏面覆い部
P4 側壁裏面覆い部
1 表側外皮
2 裏側外皮
3 断熱材
4 パネル本体
7 嵌合凹部
7a 凹部側壁
8 嵌合凸部
11 側壁
S 間隙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側外皮と裏側外皮との間に断熱材を充填してパネル本体が形成され、パネル本体の上端部に設けた一対の凹部側壁の間で嵌合凹部が形成されると共にパネル本体の下端部に嵌合凸部が形成された断熱パネルに用いられる水密パッキンであって、パネル本体の上端部の表面に沿うように形成される表面覆い部と、表面覆い部の上方に延設されて凹部側壁の裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される裏面覆い部とを備えて長手方向の全長にわたって略一定の断面形状に形成して成ることを特徴とする水密パッキン。
【請求項2】
断熱パネルの側端面に沿うように折り曲げ可能に形成される側面覆い部が表面覆い部の側方に延設されて成ることを特徴とする請求項1に記載に記載の水密パッキン。
【請求項3】
パネル本体の側端面と間隙を介して対向する側壁を設けることによって、断熱パネルの側端面が側壁の表面で形成され、側面覆い部の上方に延設されて側壁の上端部の裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される側壁裏面覆い部とを備えて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の水密パッキン。
【請求項1】
表側外皮と裏側外皮との間に断熱材を充填してパネル本体が形成され、パネル本体の上端部に設けた一対の凹部側壁の間で嵌合凹部が形成されると共にパネル本体の下端部に嵌合凸部が形成された断熱パネルに用いられる水密パッキンであって、パネル本体の上端部の表面に沿うように形成される表面覆い部と、表面覆い部の上方に延設されて凹部側壁の裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される裏面覆い部とを備えて長手方向の全長にわたって略一定の断面形状に形成して成ることを特徴とする水密パッキン。
【請求項2】
断熱パネルの側端面に沿うように折り曲げ可能に形成される側面覆い部が表面覆い部の側方に延設されて成ることを特徴とする請求項1に記載に記載の水密パッキン。
【請求項3】
パネル本体の側端面と間隙を介して対向する側壁を設けることによって、断熱パネルの側端面が側壁の表面で形成され、側面覆い部の上方に延設されて側壁の上端部の裏面に沿うように折り曲げ可能に形成される側壁裏面覆い部とを備えて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の水密パッキン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−12859(P2012−12859A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151335(P2010−151335)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000207436)日鉄住金鋼板株式会社 (178)
【Fターム(参考)】
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