説明

水底への自動砂撒布装置

【課題】 砂をトレミー管へ均一に供給し、海底の広い範囲にわたって砂を効率よく均等に撒布することができる海底等への自動砂撒布装置を提供する。
【解決手段】 砂を貯蔵する複数ホッパー2と、該ホッパーの排出口に設けられたスライドゲート21と、排出される砂を搬送するベルトコンベヤー3s、砂を海底に撒布するトレミー管4とを台船1に備え、ホッパー下部の排出口の下のベルトコンベヤーとの間に排出される砂をコンベヤー上へ略均等に落下させるガイド用フィーダ22を装備し、前記ベルトコンベヤー3の終端部に砂搬送量を検出するための砂量検出装置24を備え、さらに造成前の地盤の水深を検出する造成前地盤深度検出装置6と、砂撒布後の造成地盤の水深を測る造成地盤深度検出装置5とを備え、これら各検出装置による検出値によって、前記開閉手段の開度量、砂搬出量およびトレミー管4の移動速度等を制御し、水底地盤上への砂撒布量を制御するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水底への自動砂撒布装置に関し、より詳細には、海底、湖底および河川底等の地盤上に砂を所要の厚さに撒く自動砂撒布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水面下に垂下させたトレミー管を線状に傾斜させて吊り下げ、その先端部を上下方向及び水平方向に旋回自在とし、トレミー管の下端の撒布口の周囲に濁水吸入口を備え、該濁水吸入口にポンプを有する濁水循環路を連通させ、該濁水循環路に連通させて前記トレミー管内に、その長手方向に間隔を隔てた複数位置に循環水噴出ノズルを開口させ、各循環水噴出ノズルを、トレミー管の内周面にあってその傾斜した下側の面に設けて、その開口を下端側に向けて開口させるとともに、それぞれ流量調節バルブを備えて循環水噴出ノズル毎に噴出水量を調節自在にした水底覆土用の砂撒き装置が知られている(例えば、特公昭60−19371号公報参照)。
【0003】これにより、土砂の降下時の拡散や潮流により流出されるのを防ぎ、土砂中の微細浮遊土による汚濁を著しく減少させ、水底の軟弱土を投下砂によって掘り起こして拡散したり、砂が軟弱土中に必要以上にめり込んだりすることをなくし、良好な撒布状態を得ることができ、歩留りを向上することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような水底覆土用砂撒き装置においては、トレミー管から水底への撒布においては良好な撒布状態を得ることができるが、トレミー管への土砂の供給が不均一になったり、覆土の水深(砂厚)を知ることができず、均一に覆土できたのかどうかが分からなかった。また、撒布幅が狭く、広範囲の海底に撒布するには水深がばらつき、均一にするのが困難であった。さらに、ホッパーからの落下がばらついたりしてある時点での実際の撒布砂量がばらついても調整することができず、良好な撒布状態を得るのが困難であった。
【0005】そこで本発明は、上記問題点に鑑み、砂をトレミー管へ均一に供給し、水底の広い範囲にわたって砂を効率よく均等に撒布することができる水底の自動砂撒布装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の水底への自動砂撒布装置は、砂を貯蔵する複数のホッパーと、各ホッパーの下部の排出口に設けられて該排出口の開度量を調整できる開閉手段と、前記ホッパーから排出される砂を搬送するベルトコンベヤーと、該ベルトコンベヤーの終端位置において搬送されてくる砂を水底に撒布する上下動可能なトレミー管とを台船に備え、トレミー管を水底に対して平行移動させながら砂撒布を行なう自動砂撒布装置であって、前記各ホッパー下部の排出口と前記ベルトコンベヤーとの間に、排出される砂をコンベヤー上へ略均等に落下させるためのガイド用フィーダを装備し、前記ベルトコンベヤーの終端部にコンベヤー上の砂搬送量を検出するための砂量検出装置を備え、さらに造成前の地盤の水深を検出する造成前地盤深度検出装置と、砂撒布後の造成地盤の水深を測る造成地盤深度検出装置とを備え、これら各検出装置による検出値によって、前記開閉手段の開度量、砂搬出量およびトレミー管の移動速度等を制御し、水底地盤上への砂撒布量を制御するように構成したことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、前記の自動砂撒布装置において、前記トレミー管を上下動させる駆動装置と、トレミー管の下端の水深を検出するトレミー管深度検出装置とを備え、この検出値によって水底地盤からトレミー管の管端までの高さを一定に保持できるようにしたものである。
【0008】請求項3の発明は、前記の自動砂撒布装置において、前記台船におけるベルトコンベヤーの搬送方向後方側に、クリスマスツリー方式またはスパッド装置による船体スイング用の固定装置を設け、他端側にウィンチ方式等の船体スイング用駆動装置を設けたものである。
【0009】
【作用】本発明の自動砂撒布装置は、撒布する砂を複数のホッパーに貯蔵しておいて、該ホッパーの下部の排出口に設けられた開閉手段により開度量を調整しながら砂を排出する。この際、ホッパーから排出された砂はガイド用フィーダを介して、適当にならして略均等な量にしてベルトコンベヤー上に落下させる。この場合、砂は1つのホッパーから排出してもよいし、複数のホッパーから同時に排出してもよい。こうしてホッパーから排出した砂をベルトコンベヤーで略均等な量で連続してトレミー管に送り水底の地盤上に撒布する。ベルトコンベヤーの終端部には砂量検出装置が設けられており、この検出装置で砂量を検出して、砂搬出の状態を監視しており、検出される砂量に応じて所定の砂搬出量になるように開閉手段の開度量を調整し制御する。
【0010】またトレミー管から水底に撒布された砂の高さ、すなわち砂撒布量は、造成前の地盤の水深を検出する造成前地盤深度検出装置と、砂撒布後の造成地盤の水深を検出する造成地盤深度検出装置の、それぞれの検出値による深度から算出して求め、所要の砂撒布高さになるように、開閉手段の開度量やコンベヤーによる砂搬出量およびトレミー管の移動速度を調節し制御する。これにより砂は一定量が排出されるように制御され、トレミー管が一定の速度で移動しながら砂を撒布するので、効率よく、所定の厚さに撒布することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基いて具体的に説明する。
【0012】ここに、図1〜図2は本発明の一実施態様を示し、図1は本発明に係る水底、例えば海底への砂撒布装置を説明するための概略略示構成図、図2は船体スイング装置の機構を説明するための要部の略示平面図である。
【0013】本発明の水底への自動砂撒布装置は、台船(1)に、水底に撒布する砂を貯蔵する複数のホッパー(2)と、各ホッパー(2)から排出された砂を搬送するベルトコンベヤー(3)と、砂を水底に撒布するトレミー管(4)と、水底に撒いた砂の表面の水深を検出する造成地盤深度検出装置(5)と、造成前の地盤(E)の水深を検出する造成前地盤深度検出装置(6)と、トレミー管(4)の下端の水深を検出するトレミー管深度検出装置(7)と、トレミー管(4)の反対側を支点にスイングさせるように台船(1)を固定する船体スイング用の固定装置(8)と、台船(1)のトレミー管(4)側をスイングさせるための船体スイング用駆動装置(9)と、所定の設定値及び検出装置による検出値等に対応して駆動装置を制御する制御装置(10)等が設けられて概略構成されている。
【0014】ホッパー(2)は、その中央部において船首尾方向に複数並べて設け、水底に撒布する砂を貯蔵し、順次一つのホッパー(2)から個別に、又は複数のホッパー(2)から同時に砂を排出する。各ホッパー(2)の下部の排出口(2a)には開閉手段の1具体例としてのスライドゲート(21)を設け、排出口の開口面積つまり開度量を増減でき、砂の排出量を調整できるようにしている。前記スライドゲート(21)は、油圧シリンダー、エアシリンダー、モータ等により駆動して開度量を調整し制御できるようになっている。
【0015】ホッパー(2)の排出口からスライドゲート(21)を開いて排出された砂は、ベルトコンベヤー(3)上に落下して乗載し、船首方向に搬送される。各ホッパー(2)のスライドゲート(21)と、下方のベルトコンベヤー(3)との間には、ホッパー(2)から排出される砂の飛散を防止するとともに、ベルトコンベヤー(3)上へ砂を均等に流すためのガイド用フィーダ(22)が設けられている。このフィーダ(22)には振動等による送り機能を持たせてベルトコンベヤー(3)上へ砂をスムーズに落すようにする。このフィーダ(22)により、砂がベルトコンベヤー(3)上に略同じ厚みに広がって載り、その搬送方向先端のトレミー管(4)の部分に搬送されるとともに、トレミー管(4)から水底に撒布されるように構成されている。
【0016】前記ホッパー(2)のスライドゲート(21)のやや上方に監視用のTVカメラ(23)が設けられており、スライドゲート(21)の開閉状態すなわち砂の排出状態を監視できるようになっている。
【0017】ベルトコンベヤー(3)の終端部の手前側に、砂搬送量を検出する砂量検出装置(24)が設けられ、実際の砂撒布量を把握できるようにされている。この砂量検出装置(24)としては、重量を測定する方法、ベルトコンベヤー(3)上の砂の厚みを測定して体積を算出する方法等が用いられる。測定重量から体積(m3 /Hr)を算出するには、ベルトコンベヤー(3)上に載置されている砂重量(kg/m)を計測し、ベルトコンベヤー速度(m/Hr)と比重(kg/m3 )から単位時間に搬送する体積を算出する。ベルトコンベヤー(3)の終端部には監視用TVカメラ(25)が設けられ、土の供給が途切れていないか、高さが均一にされているかどうか、砂と水分の状態等を監視している。もし、不均一等が検知されたら、制御装置(10)に異常を出力し、制御装置(10)からホッパー(2)の排出口の開閉手段であるスライドゲート(21)を調節して砂排出量を制御して砂搬出量が均一になるようにする。
【0018】前記のスライドゲート(21)の初期開度は、過去の経験に基づいて所定の排出量となるように予め設定しておき、砂撒布を開始してスライドゲート開の信号が入ったなら、予め設定した初期開度まで自動的に開くようにしている。運転中に砂量の増/減を行ないたいときは、予め設定された砂の排出量となる開度位置になるように駆動手段が遠隔作動される。現在の排出量を基に増減の判断は、前記砂量検出装置(24)による検出値、必要な場合にはTVカメラ(25)による監視される状態が、所定の量と比べて少ないか/多いかの結果に基づいて行なわれる。
【0019】ベルトコンベヤー(3)の搬送方向先端部には、ベルトコンベヤー(3)により搬送されてくる砂を受けて、水底に案内するトレミー管(4)が配されている。トレミー管(4)は、従来公知のテレスコープ式の伸縮管が用いられ、トレミー管(4)の上下動のための駆動手段であるウィンチ(26)により伸縮され、水底の一定高さで砂を放出するようにしている。一定高さの制御は造成前地盤深度検出装置とトレミー管深度検出装置との深度差を演算してトレミー管を上下させて行なう。砂を水底の一定高さで放出することにより、砂の降下時の拡散や潮流により流出されるのを防ぎ、撒布範囲を一定にし、砂中の微細浮遊土による汚濁を著しく減少させ、水底の軟弱土を投下砂によって掘り起こして拡散したり、砂が軟弱土中に必要以上にめり込んだりすることをなくし、良好な撒布状態を得ることができ、歩留りを向上することができる。
【0020】砂を撒布して造成した後の地盤(E1 )の水深(h3 )を測る造成地盤深度検出装置(5)、及び造成前の地盤(E)の水深(h0 )を検出する造成前深度検出装置(6)、及びトレミー管(4)の下端の水深(h1 )を検出するトレミー管深度検出装置(7)は、いずれも水深に応じて加わる水圧を測定し、これを電気信号に置換して検出する装置、あるいは重錘を降下させて水底に着地した時のワイヤー長さ(重錘の移動量)を計測して水深を計測する装置が使用される。これらの検出装置(5)(6)(7)で測定された水深(h0 )(h1 )(h3 )は制御装置(10)に出力される。造成地盤深度検出装置(5)および造成前深度検出装置(6)による測定は常時行い、この水深の差によって得られる砂撒布量が求める量になるように砂量の制御をする。
【0021】砂量の制御は、ベルトコンベヤー(3)の終端部近くの砂量検出装置(24)により検出される砂重量(kg/m)とベルトコンベヤー(3)の速度(m/Hr)と砂比重(kg/m3 )から単位時間に搬送される砂量(m3 /Hr)を算出し、トレミー管の移動速度及びこれと前記水深の差に応じた必要な砂量とを比較して、砂搬送量が必要な砂量になるようにスライドゲート(21)を開閉して開度量、つまりはホッパー(2)からの砂排出量を調整し制御する。
【0022】トレミー管(4)を台船(1)とともに移動させるスイング用駆動装置(9)は、図2に示すように左右一対のスイングウインチ(31a)(31b)と、これにより巻込み可能なアンカーワイヤ(32a)(32b)と図示しないアンカー等とから構成されている。そして、図示しないアンカーをスイング運動範囲より充分遠くに固定したあと、一方のスイングウィンチ(31a)でアンカーワイヤ(32a)を巻き上げ、他方のスイングウィンチ(31b)でアンカーワイヤ(32b)を巻き出すことにより、台船(1)を前記支持ポスト(28)を支点にしてスイングさせる。
【0023】このスイング方法については、左から右への片スイング、右から左への片スイング、左からの往復スイング、右からの往復スイング等を予め定めておく。そしてトレミー管(4)が1行程進んだら、クリスマスツリー(27)のウィンチ(29)を駆動してワイヤ(30a)(30b)(30c)を巻き込んで、前記砂撒布幅分だけ台船(1)を移動させて、トレミー管(4)を前の行程で砂を撒布した場所に隣接した場所に移動し、同様にして砂を撒布する。
【0024】このスイング幅をB(m)、支持ポスト(28)とトレミー管(4)間の距離をL(m),回動角度を(2θ)とすると、これらの関係は、B=2L・sinθになる関係があるので、制御装置(10)によりスイング幅を一定になるようにスイングウィンチ(31a)(31b)の駆動を制御する。このスイング幅(B)は当初計画された一往復での作業範囲により決定され、所定の数値を制御装置(10)に入力することにより自動的に指定角度(2θ)までスイングウィンチ(31a)(31b)が作動する。この時の角度(船位)はGPS,ジャイロ等で計測された角度とする。
【0025】こうしてトレミー管(4)から砂を撒布しながら1行程の2θ分スイングしたら、クリスマスツリー(27)のウィンチ(29)を駆動してアンカーワイヤ(30a)(30b)(30c)を巻き込み、あるいは巻き出して、台船(1)を1行程の砂撒布幅に相当する距離だけ移動させる。そして、前記同様にスイング用固定装置(8)を固定し、スイング用駆動装置(9)を駆動してトレミー管(4)を前の行程で進行した部分に隣接させて移動させながら砂を撒布する。
【0026】トレミー管(4)の移動速度は、スイングウィンチ(31a)(31b)のアンカーワイヤ(32a)(32b)の巻き込み、撒き出しの速度、換言すれば、スイングウィンチ(31a)(31b)のドラムの回転速度を制御装置(10)で制御する。トレミー管(4)を移動させる速度は、水底への砂撒布量に対するベルトコンベヤー(3)の砂搬出量、台船(1)の移動に影響する潮流、風向、風速等の要素を制御装置で加味しながら自動運転するか、オペレータが経験に基づいて制御装置(10)に予め入力した要素に基づいて、制御装置(10)から出されるスピードになるように自動運転される。
【0027】次に、上記のように構成してなる、自動砂撒布装置の操業方法について説明する。制御装置(10)には、ホッパー(2)からの砂の排出量とスライドゲート(21)の開度量を調節する駆動手段との関係、砂の増減量とスライドゲート(21)の開度量の変更量との関係、当初計画された一往復での作業範囲とトレミー管(4)のスイング角度、砂の排出量とトレミー管(4)の移動速度と砂撒布量(高さ)等との関係等の、制御のための操業プロセス、データ等が予め入力されている。
【0028】先ず、所要の初期設定を行い、固定装置であるクリスマスツリー(27)のアンカーワイヤ(30a)(30b)(30c)および(32a)(32b)を張り、台船(1)を固定する。土砂の撒布を開始するようにスイッチをオンしてスライドゲート(21)を初期設定の開度状態まで開いて砂をベルトコンベヤー(3)に排出する。この際、ホッパー(2)から排出される砂はガイド用フィーダ(22)によりほぼ均一厚みにされて、ベルトコンベヤー(3)上に載り、搬送される。砂搬送量はベルトコンベヤー(3)の終端部に設けられた砂量検出装置(24)に検出され、制御装置(10)に砂量に比例した検出信号が入力され、設定値と比較されると共に体積が算出される。砂の検出量が設定値から所定量以上離れたら、スライドゲート(21)の駆動手段を駆動して、設定値になるようにスライドゲート(21)を開度調節する。また一つのホッパー(2)の砂が完全に排出されてなくなった場合には、次のホッパー(2)が開いて、同様に砂排出を行なう。
【0029】ベルトコンベヤー(3)で搬送された砂は、トレミー管(4)に送られ、水底に撒布される。造成地盤の水深は造成地盤深度検出装置(5)により、また造成前の地盤の水深は造成前地盤深度検出装置(6)によりそれぞれ測定され、電気信号に変えられて制御装置(10)に入力されて水深に換算されて表示される。トレミー管(4)の下端は、トレミー管深度検出装置(7)により測定され、電気信号に変えられて制御装置10で水深に換算されて表示されると共に、設定値と比較される。トレミー管(4)の下端の水深が設定値と所定以上離れると、制御装置(10)からの制御信号によりトレミー管上下動用の駆動装置であるウィンチ(26)を駆動し、設定値になるように制御する。
【0030】また造成前の地盤(E)の水深と造成後の地盤(E1 )の水深とから砂撒布厚が算出されると共に、それが設定値になっているか否か比較される。砂の撒布厚が設定値からずれたなら、トレミー管(4)の移動速度、すなわち前記台船(1)のスイング速度を、スインング用駆動装置(9)のスイングウィンチ(31a)(31b)の速度を調節して設定撒布厚になるように調節する。この場合、トレミー管(4)の下端と地盤(E)との距離(k1 )はトレミー管(4)の下端の水深(h1 )と地盤(E)の水深(h0 )とから算出され、施工者により経験的に設定する。
【0031】上述したように、本発明の自動砂撒布装置は、土砂を一定量が取り出されるようにスライドゲートつまりは開閉手段が制御装置により制御されて開閉および開度量が調節され、またトレミー管の下端はトレミー管深度検出装置により測定され、トレミー管上下動ウィンチが制御されて、水底から所定の距離に維持され、さらにトレミー管の速度をスインングウィンチの速度調節により、撒布量に応じた移動速度に調整しながら砂を撒布するので、効率よく、所定の厚さに撒布することができる。
【0032】なお、本発明は上記の説明に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で変更実施することができる。因みに、上述においては、トレミー管の移動をスイングにより移動させる例で説明したが、この場合において往行程のみで砂を撒布し、復行程は戻しのみとしてもよい。また、台船をスイングさせるのでなく、前後方向に移動させることにより、トレミー管を前後方向に移動させても良いし、また左右方向へ移動させるようにしてもよい。
【0033】さらに、撒布した砂の高さをトレミー管の移動速度で調節する例で説明したが、土砂の撒布量を増減して調節しても良いし、移動速度と土砂の撒布量とを併せて調節するようにしてもよい。ホッパーの排出口の開閉手段としてはスライドゲートのほか、ダンパー方式とすることも可能である。
【0034】
【発明の効果】上記したような本発明の自動砂撒布装置を使用した場合には、砂は一定量が排出されるように制御され、また砂撒布前後の地盤深度を検出して撒布量を求めながら、移動速度や砂搬出量を制御しながら撒布するので、効率よく、所定の厚さに撒布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動砂撒布装置の一実施形態を説明するための概略構成図である。
【図2】回動機構を説明するための要部を示す略示平面図である。
【符号の説明】
(1) 台船
(2) ホッパー
(3) ベルトコンベヤー
(4) トレミー管
(5) 造成地盤深度検出装置
(6) 造成前地盤深度検出装置
(7) トレミー管深度検出装置
(8) スイング用固定装置
(9) スイング用駆動装置
(10) 制御装置
(21) スライドゲート
(22) ガイド用フィーダ
(23) 監視用TVカメラ
(24) 砂量検出装置
(25) 監視用TVカメラ
(26) トレミー管の上下動用駆動装置
(27) クリスマスツリー
(28) 支持ポスト
(29) ウィンチ
(31a)(31b) スイングウィンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】砂を貯蔵する複数のホッパーと、各ホッパーの下部の排出口に設けられて該排出口の開度量を調整できる開閉手段と、前記ホッパーから排出される砂を搬送するベルトコンベヤーと、該ベルトコンベヤーの終端位置において搬送されてくる砂を水底に撒布する上下動可能なトレミー管とを台船に備え、トレミー管を水底に対して平行移動させながら砂撒布を行なう自動砂撒布装置であって、前記各ホッパー下部の排出口と前記ベルトコンベヤーとの間に、排出される砂をコンベヤー上へ略均等に落下させるためのガイド用フィーダを装備し、前記ベルトコンベヤーの終端部に砂搬送量を検出するための砂量検出装置を備え、さらに造成前の地盤の水深を検出する造成前地盤深度検出装置と、砂撒布後の造成地盤の水深を測る造成地盤深度検出装置とを備え、これら各検出装置による検出値によって、前記開閉手段の開度量、砂搬出量およびトレミー管の移動速度等を制御し、水底地盤上への砂撒布量を制御するように構成したことを特徴とする水底への自動砂撒布装置。
【請求項2】前記トレミー管を上下動させる駆動装置と、トレミー管の下端の水深を検出するトレミー管深度検出装置とを備え、この検出値によって水底地盤からトレミー管の管端までの高さを一定に保持できるようにした請求項1に記載の水底への自動砂撒布装置。
【請求項3】前記台船において、ベルトコンベヤーの搬送方向後方側に、クリスマスツリー方式またはスパッド装置による船体スイング用の固定装置を設け、他端側にウィンチ方式等の船体スイング用駆動装置を設けた請求項1または2に記載の水底への自動砂撒布装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【公開番号】特開2000−45279(P2000−45279A)
【公開日】平成12年2月15日(2000.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−212699
【出願日】平成10年7月28日(1998.7.28)
【出願人】(390001993)三井不動産建設株式会社 (26)
【出願人】(598076502)サンエイエンジニアリング株式会社 (8)
【出願人】(592236382)株式会社アイ・エイチ・アイ・アムテック (9)
【Fターム(参考)】