説明

水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理

本発明の水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理は、表面上へインクを付着させる前に、記録メディアの表面に前処理を施すことからなる。この処理における前処理液は、多価金属塩そして有機膨潤剤及び融合剤の少なくとも一つを含む水溶液そして/あるいはアルコール溶液またはエマルションであり、ラビングモーションによって、記録メディアの全上面に約4μmの薄層の状態に適用される。膨潤剤そして/あるいは融合剤が上部3〜5μmを膨張させ、多価金属陽イオンが表面内へ組み込まれる。表面上に付着させたインク調合物は、組み込み陽イオンに反応して析出し、相互に作用して、機械的に安定したインク・ドットを提供する。インク・ドットは、乾燥による膨潤剤そして/あるいは融合剤の蒸発後、メディア表面内に組み込まれたままの状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録方法、特に、記録メディアへのインク付着前における、メディア表面の表面処理に関する。
【背景技術】
【0002】
水性インクを用いるプリント・アプリケーションは、インクジェット、フレキソ印刷、グラビア印刷及びスクリーン印刷を含む。これらの方法で用いるインク調合物は、水に溶かした水溶性染料を、あるいは水と有機溶剤または分散顔料との組み合わせを含む。
【0003】
インクは、染料あるいは顔料を用いて彩色してもよい。一般に、水溶性染料を含むインクを用いた画像は、耐水性及び耐光性に乏しいことが指摘される。しかし、着色剤として顔料を含むインクを用いた画像の場合、着色剤は、記録メディアの表面付近に留まる可能性が高い。着色剤として顔料を含むインクを用いた画像は、耐光性がある。記録メディア表面上への着色剤のこの不満足な定着は、画像をこすると記録メディアが顔料で汚れてしまうようなプリントを形成する。従来の技術による方法では、記録メディア上への着色剤の定着を改善するために、インク調合物に樹脂を付加することを提案している。樹脂は、記録メディア上に強く着色剤を定着させるための結合剤として機能する。例えば、日本特願開157668号は、従来の樹脂を含むインク調合物、例えば、不水溶性樹脂エマルション分散内に散らした着色剤からなるインクを開示している。
【0004】
インクジェット記録方法は、インク調合物の小滴を噴出させて記録メディア上に付着させる印刷方法である。この印刷方法は、高解像度で高品質の画像を、比較的安価な装置で高速に実現できるという特徴がある。
【0005】
米国特許第4,381,185号は、水溶性ポリマー染料を含む着色剤溶液を用いて紙面に耐水性プリントを得る単純な処理を開示している。これは、相当な陽イオン含有量、特に、例えば、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Zn2+、Al3+、Mg2+、Ca2+及びBa2+等の、相当な多価金属イオン含有量を持つ紙を用い、そして陰イオンのネット・チャージ、例えば、陰イオンのグループを持つ一つ以上のポリマー着色剤を含む溶液を適用することによって達成している。
【0006】
もう一つのインクジェット記録方法が、日本特願開202328号に提案されている。この方法は、記録メディアに多価の金属塩溶液を適用し、それから、少なくとも一つのカルボキシル基を持つ染料を含むインク調合物を適用する。この方法によれば、多価金属イオンが染料に結合して沈殿物を形成し、これが、水抵抗性がある高品質の画像を提供するため、色のにじみがない。
【0007】
第一の溶液、そしてJPアプリケーション202328等のインク調合物の、二つの溶液を印刷するステップからなる記録方法も、例えば、米国特許第5,948,512号に開示されている。第一の溶液は、多価金属塩そして/あるいはポリアリルアミンを含み、無機酸化コロイド、そしてオプションとしてエポキシ含有化合物を含むインク調合物との組み合わせで用いる。第一の溶液を記録メディア上に付着させ、それから、インク調合物をインクジェット印刷によって付着させて、色のにじみがない、深刻なフェザリングの全くない均等に印刷された画像を実現する。
【0008】
さらに、米国特許第6,084,619号は、記録メディア上に印刷するために反応溶液及びインク調合物を用いるインクジェット記録方法を提案している。反応溶液は多価金属塩からなり、インク調合物は顔料及び樹脂エマルションからなる。この方法は、品質の良い画像を提供することができる。
【0009】
二つの溶液で印刷するもう一つの例が、米国特許第6,086,197号に開示されている。これれは、記録メディア上に、反応溶液及びインク調合物を付着させるステップを含む、インクジェット記録方法を提案している。使用インク調合物は、着色剤、樹脂エマルション等を含み、そして反応溶液は、多価金属塩あるいはポリアリルアミン等の、着色剤そして/あるいは樹脂エマルションと反応する反応物を含み、凝集塊を生成する。反応溶液及びインク調合物は、各々、陰イオン界面活性剤の添加によって到達する、40mN/m以下の表面張力を持つ。
【0010】
さらに、もう一つの例は、2溶液インクジェット記録方法に用いるための反応溶液を開示する米国特許第6,080,229号である。反応溶液は、少なくとも多価金属塩、そして、少なくとも一つの窒素原子を含む5あるいは6員飽和または不飽和ヘテロ環式化合物、オプションとしてアルキルで置換したアミド誘導体、硫黄含有化合物、アミン及び陽イオン界面活性剤からなるグループから選択した成分からなる。改善された貯蔵安定性があるため、印刷安定性を改善でき、加えて、改善された品質の印刷画像を提供することができる。反応溶液及びインク調合物を用いる、上記の特許で説明したような2溶液印刷方法は、紙等の多孔物質上で達成する印刷品質に対して良い解決法を、そして機械的安定性に対する妥当な解決法を提供する。しかしながら、ビニール、陽極処理金属、種々のタイプのコート紙等の非あるいは低孔物質上での、画像の機械的安定性、例えば、摩滅抵抗及び引っかき抵抗等は、非常に低い。
【0011】
従来の技術における特許は、この問題を扱っていない。反応溶液を非あるいは低孔物質上に付着させ、その後急速にインク調合物を付着させると、二つの溶液は、反応してすべてのインク固体を析出させることによって、インク・ドットを形成する。しかしながら、反応溶液には、インクと記録メディア表面との間に、液体境界面を形成する傾向があるため、この析出インク・ドットは、非あるいは低孔面に全く相互作用しない。このメカニズムは、画像の機械的安定性を損なうため、画像は容易に擦れ落ちる。
【0012】
記録媒体は、通常、耐熱性がなく、高温にさらされると変色する。さらに、2溶液印刷方法を用いる従来の技術による方法は、記録メディアの熱安定性を危うくする。すなわち、反応溶液で処理されて乾燥処理にさらされた記録メディアは、処理されないメディアよりも、かなり低温度で変色してしまうという傾向がある。メディアは、乾燥機温度、そして反応溶液内に含まれる多価金属に応じて、少しの赤味から茶黒色へと変色する。
【0013】
水性インクを用いるプリント・アプリケーションに対して、機械的そして化学的安定性が向上した高品質の印刷画像を提供する、そして記録メディアの真の色を維持する熱安定性を提供する、新しい表面処理を提供することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明の広い目的は、従来の技術の問題を克服し、改善した特性を持つ水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理を提供することである。
【0015】
本発明の一般的な目的は、良好な画像を実現可能な、水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理方法を提供することである。
【0016】
本発明のもう一つの目的は、水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理に用いる前処理液を提供することである。
【0017】
本発明のより特定な目的は、高多孔性あるいは非または低孔性の、低表面エネルギー・メディア上にインクで印刷することを伴う、水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理方法を提供することである。
【0018】
さらに、本発明のもう一つの目的は、高度に機械的に安定した画像が実現可能な、水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理方法を提供することである。
【0019】
さらに、本発明の目的は、高度に化学的に安定した画像が実現可能な、水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理方法を提供することである。
【0020】
さらに、本発明の目的は、熱安定性をもたらす水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理方法を提供することである。
【0021】
本発明の好適実施例によれば、次のステップからなる、水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための、印刷メディアの表面処理方法が提供される。
【0022】
前処理した記録メディアを提供するために、記録メディアの表面上に、多価金属塩、そしてポリマー膨潤剤及び融合剤の少なくとも一つからなる前処理液を適用するステップ。
【0023】
前処理液を半乾きの状態にさせるステップ。
【0024】
前処理した記録メディア上にインク調合物で印刷するステップ。
【0025】
そしてインク調合物を持つ前処理した記録メディアを高温で乾燥させるステップ。
【0026】
また、次のものからなる、水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための前処理液が提供される。多価金属塩、そしてポリマー膨潤剤及び融合剤の少なくとも一つ。
【0027】
本発明の水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理は、表面上にインクを付着させる前の、記録メディアの表面前処理からなる。この場合、前処理液は、多価金属塩、そして有機膨潤剤及び融合剤の少なくとも一つを含む、水溶液そして/あるいはアルコール溶液または水エマルション中の油である。前処理液は、ラビングモーションによって、記録メディアの全上面に約4μmの薄層で適用する。膨潤剤そして/あるいは融合剤が上部3〜5μmを膨張させ、そして多価金属陽イオンは表面内に組み込まれる。前処理したメディアを半乾きに乾燥させた後、インク調合物を表面に付着させて、画像を形成する。前処理で付着させた組み込み陽イオンに反応して、インク固体が析出する。そしてそれらがメディア表面の上及び下で相互に作用し、機械的に安定したインク・ドットを提供する。膨潤剤そして/あるいは融合剤を蒸発させるのに十分に高い温度で印刷後の乾燥を行うことで、インク・ドットは、メディア表面内に埋め込まれた状態になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1a〜dは、従来の技術による2溶液印刷方法を表す。さて、図1aは、二つの層から構成した標準の、非あるいは低孔性低表面エネルギー印刷メディア10を示す。上層12はビニールのような低表面エネルギー物質であり、下層14は、記録メディア10のバックボーンとして用いる紙である。記録メディア10は、従来の技術で説明されたもの等の、反応溶液で処理されている。図1bでは、印刷メディア10の上層12上に低表面張力インクジェット・インク16の一滴が配置されている。図1cは、上層12上に付着させた反応溶液とインクとの相互作用からドット18が形成されることを明示する。ドット18は上層12の表面上に生じる。図1dは、乾いた後の、印刷メディア10上層12の表面上に留まるインク・ドット18を示す。乾燥インク・ドット18と上層12表面との間の接触面だけに、相互作用及び接着力が生じるため、インク・ドット18は機械的安定性が乏しい。
【0029】
図2は、標準の、非あるいは低孔性低表面エネルギー印刷メディア10を示す。これは、本発明の前処理液で前処理されている。記録メディア上への前処理液の付着は、(湿った4μm以下の)薄層を適用することによって行ってもよい。このときラビングモーションを用いることが好ましい。本発明で用いる表面前処理液は、多価金属塩、水溶性ポリマー膨潤剤、そして融合剤からなり、溶液あるいはエマルションとして用いてもよい。
【0030】
前処理液中の多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンと、多価金属イオンに結合した陰イオンからなり、水、アルコール、あるいは、それらの混合液内で溶解する。多価金属イオンの具体的な例としては、Ca2+、Zn2+、Ba2+、Mg2+等の、二価の金属イオン、そしてAl3+、Fe3+、Cr3+等の三価の金属イオンがある。陰イオンは、Cl-、I-、Br-、NO-、RCOO-(RはHあるいは炭化水素鎖)、そしてSO2-を含む。金属イオンZn2+及びCa2+からなる金属塩は、(色及びきめに関して)画像の機械的安定性に優れ、メディアの損傷が生じないため、特に好ましい結果を提供する。前処理液中の多価金属塩の濃度は、記録メディアに対する負の効果が全く生じず、良い印刷品質効果が得られるように適度に決定してもよい。しかしながら、重量で約0.1%から30%であることが好ましい。重量において、約2%から25%であればより好ましい。
【0031】
本発明によれば、多価金属塩陰イオンは、最適な熱安定性を得るために、塩化物(Cl-)あるいは酢酸塩(CH3COO-)であることが好ましい。
【0032】
本発明の第一の実施例によれば、ポリマー膨潤剤からなる前処理液が提供される。膨潤剤の存在は、多価金属塩がメディア表面内へ入り、その中に移植することを可能にする。膨潤剤の好適例としては、Nメチルピロリドン、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、エチルラクテート、ブチルラクテート等のエステル、アセトン及びメチルエチルケトン(MEK)等のケトン、そしてTHF等の環状エーテルがある。前処理液中の膨潤剤の濃度は、記録メディアに対する負の効果が全く生じず、高機械的安定性がある画像を得る良い印刷品質効果が得られるよう、適度に決定してもよい。しかしながら、重量において約0.1%から15%が好ましい。重量で約0.5%から7.5%であればより好ましい。
【0033】
本発明の第二の実施例によれば、前処理液は融合剤からなる。融合剤の存在は、薄膜特性の良い、安定したドットの形成を可能にする。この良好な薄膜特性は、ドットの機械的安定性を促進させるため、その結果、画像全体が安定する。融合剤の好適例は、ブチルグリコール、ブチルカルビトール、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DPM)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルである。前処理液中の融合剤の濃度は、記録メディアに対する負の効果が全く生じず、高機械的安定性がある画像を得る良い印刷品質効果が得られるよう、適度に決定してもよい。しかしながら、重量において約0.1%から15%が好ましい。重量で約0.5%から6%であればより好ましい。膨潤剤及び融合剤は一緒に用いてもよい。
【0034】
印刷メディア上面12の頂層3〜5μmは、前処理液によって膨張し、膨張面20が形成される。そして多価金属塩22が膨張面20内に組み込まれる。前処理液を適用した後、その面が少々乾くのを待つ。
【0035】
図3は、膨張面20を得るように処理してから半乾きの状態にしたメディア10上に配置した、低表面張力インクジェット・インク16の一滴を示す。インクジェット・インク16は着色剤及び樹脂からなる。印刷メディア上面12の頂層3〜5μmの膨張により、インク滴16は膨張面20へ部分的に浸透している。
【0036】
図4は、相分離メカニズムによるインク・ドット24形成を表す。ドット24は、インク中の樹脂及び着色剤からなり、インク液26がメディア10の表面上に留まっている間に、メディア10の膨張面20内へ移植される。膨張面20内に埋め込まれた融合剤及び多価金属塩22の存在によって、薄膜特性の良い安定したドットが形成される。
【0037】
図5は、乾燥した表面12上の印刷インク・ドット24を示す。ドット形成後、メディアを高温で乾燥させることによって、膨潤剤そして/あるいは融合剤を蒸発させ、上層12を基本的な固体状態に戻す。これによって、ドット24はレイヤ12内に移植され、インク・ドットの強い機械的安定性を得る。
【0038】
本発明の水性アプリケーションを用いる、プリント・アプリケーションのための表面処理によれば、インク調合物を付着させる前に、記録メディア表面に処理液を接触させることによって、機械的に、そして化学的に安定した上質プリントが実現できる。この場合、表面は、インク調合物の付着前に、全水分から少なくとも不十分に乾いた状態でなくてはならない。
【0039】
本発明を次の仮説に拘束することは意図しないが、本発明によって機械的に、そして化学的に高品質な画像が得られる理由は、次のように仮定できる。低エネルギー面が処理液へさらされると、膨潤剤が表面に相互作用して、印刷メディア上層12の頂層3〜5μmを膨張させる。局所的な膨張は、融合剤及び多価金属イオンが膨張面20内へ浸透して、その中に埋め込まれることを可能にする。インク調合物が、活性化した膨張面に接触すると、相分離が起こり、インクの着色剤及び樹脂の凝塊形成が生じる。融合剤の存在により、凝塊から、薄膜特性の良い明瞭なドット24が形成される。上層12が膨張状態にあるため、ドット24は、記録メディア10表面内に安定する。乾燥により、膨潤剤及び融合剤が表面から蒸発すると、表面は最初の状態に戻り、上層12内に画像が移植される。さらに、カラー画像における色のにじみ、すなわち、異なる色の境界線で混じるむらになる色も、効果的に阻止できる。
【0040】
表1に、壁装ビニールの分析結果を示す。処理したサンプルにおけるドット径は、首尾一貫して、未処理のサンプルのものよりも小さいことに注目すべきである。これは、インク・ドットの広がりがより少ないことを示している。これらは、下記の例1から16において行った試験結果である。同様に表2は、異なるきめ及び特質を持つ粘着ビニール上で行った試験の結果を示す。この場合も、処理サンプルについては、一貫して印刷品質が改善している。しばしばドット径が減少しており、また、光学濃度は、インクがその位置に保持されて広がらないことを示している。これらは、例17から58において行った試験の結果である。
【0041】
次に、個々の例について説明する。
【0042】
実施例1
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl2 、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名SCL90/90SMW3で販売されている壁装ビニール上に4μm層の処理液を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それからXYベッド上に配置し、そこで、アプリオン(Aprion)に譲渡されたEP640481に説明されているインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。乾燥画像に対して、次の品質に関する、そして機械的な試験を実行した。グレタグ(GRETAG)の反射濃度計モデル D19C
を用いた光学濃度測定、ウォレス(Wallace)の摩擦テスターモデルA7を用いた摩擦抵抗(200rds/2Lbロード)、耐ひっかき性、耐水性、耐洗剤性、カートン(Carton)顕微鏡を用いたドット径、そして処理されて印刷されていない領域の変色。
【0043】
実施例2
商品名SCL90/90SMW3で販売されている非処理の壁装ビニールを、例1への対照標準として、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明されているインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0044】
実施例3
13.14%のZnAc、3.3%CaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名SCL90/90(182)で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明されているインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、品質及び機械的な試験を乾燥画像に実行した。
【0045】
実施例4
商品名SCL90/90(182)で販売されている非処理の壁装ビニールを、例3への対照標準として、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明されているインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0046】
実施例5
13.14%のZnAc、3.3 %CaCl2 、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商標SCL90/90XER3で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この処理ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0047】
実施例6
例5への対照として、商標名SCL90/90XER3で販売されている、非処理の壁装ビニールをXYベッド上に配置した。アプリオンに譲渡されたEP640481内に説明されているインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0048】
実施例7
13.14%のZnAc、3.3の%CaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名SCL80/90DT319で販売されている壁装ビニール上に4μmの塗布層を付着させた。塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481内に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、その画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0049】
実施例8
例7への対照として、商品名SCL80/90DT319で販売されている非処理の壁装ビニールを、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、品質及び機械的な試験を乾燥画像に実行した。
【0050】
実施例9
13.14%のZnAc、3.3の%CaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名SCL90/120LTE15で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0051】
実施例10
例9への対照として、商品名SCL90/120LTE15で販売されている非処理の壁装ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0052】
実施例11
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名チェンバリン90/90で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0053】
実施例12
例11への対照として、商品名チェンバリン90/90で販売されている非処理の壁装ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0054】
実施例13
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名フォルボ(Forbo)90/90で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0055】
実施例14
例13への対照として、商品名フォルボ90/90で販売されている非処理の壁装ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0056】
実施例15
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名ボラスタペテール(Borastapeter)4811で販売されている不織生地上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、XYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481内に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0057】
実施例16
例15への対照として、商品名ボラスタペテール4811で販売されている非処理の不織生地をXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0058】
実施例17
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マルチフィクス・デジタルホワイト・プレミアムで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0059】
実施例18
XYベッド上に、例17への対照として、商品名マルチフィクス・デジタルホワイト・プレミアムで販売されている非処理の粘着ビニールを配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0060】
実施例19
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名MIIインターナショナル72Aプレミアムで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0061】
実施例20
例19への対照として、商品名MIIインターナショナル72Aプレミアムsで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッドの上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0062】
実施例21
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名BUSmarkFLXconで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0063】
実施例22
例21への対照として、商品名BUSmarkFLXconで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0064】
実施例23
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名JACSERILUX70100DURO−E110で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0065】
実施例24
例23への対照として、商品名JACSERILUX70100DURO−E110seで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0066】
実施例25
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名JACSERILUX72100DURO−E110で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0067】
実施例26
例25への対照として、商品名JACSERILUX72100DURO−E110で販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0068】
実施例27
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名JACサイン・インクジェット70102ノンパームA5(JAC SIGN INKJET 70102 NONPERM A5)で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0069】
実施例28
例27への対照として、商品名JACサイン・インクジェット70102ノンパームA5で販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0070】
実施例29
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタック・マックスクリーン8129(Mactac MACSCREEN 8129)で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0071】
実施例30
例29への対照として、商品名マックタック・マックスクリーン8129で販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0072】
実施例31
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタック・マックスクリーン8128で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0073】
実施例32
例31への対照として、商品名マックタック・マックスクリーン8128で販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0074】
実施例33
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタック・マッカル9829S(Mactac MACal 9829 S)で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0075】
実施例34
例33への対照として、商品名マックタック・マッカル9829で販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0076】
実施例35
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタック・マッカル8929Sで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0077】
実施例36
例35への対照として、商品名マックタック・マッカル8929Sで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0078】
実施例37
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタックJT1629Pで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0079】
実施例38
例37への対照として、商品名マックタックJT1629Pで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0080】
実施例39
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタックJT1628Pで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0081】
実施例40
例39への対照として、商品名マックタックJT1628Pで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0082】
実施例41
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタックJT1828Rで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0083】
実施例42
例41への対照として、商品名マックタックJT1828Rで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0084】
実施例43
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタックJT1829Rで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0085】
実施例44
例43への対照として、商品名マックタックJT1829Rで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0086】
実施例45
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタックJT1820Pで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0087】
実施例46
例45への対照として、商品名マックタックJT1820Pで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0088】
実施例47
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名マックタックJT1028Pで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0089】
実施例48
例47への対照として、商品名マックタックJT1028Pで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0090】
実施例49
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名エイヴェリー・デニソン3112で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0091】
実施例50
例49への対照として、商品名エイヴェリー・デニソン3112で販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0092】
実施例51
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名エイヴェリー・デニソンIPMバナーADで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0093】
実施例52
例51への対照として、商品名エイヴェリー・デニソンIPMバナーADで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0094】
実施例53
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名エイヴェリー・デニソンMPI1003で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0095】
実施例54
例53への対照として、商品名エイヴェリー・デニソンMPI1003で販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0096】
実施例55
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名エイヴェリー・デニソンMPI2002ADで販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0097】
実施例56
例55への対照として、商品名エイヴェリー・デニソンMPI2002ADで販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0098】
実施例57
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名エイヴェリー・デニソンIPM2031で販売されている粘着ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0099】
実施例58
例57への対照として、商品名エイヴェリー・デニソンIPM2031で販売されている非処理の粘着ビニールをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0100】
実施例59
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名SCL90/90XER3で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0101】
実施例60
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5%のジ(エチレングリコール)ブチルエーテル(DEGBE)、そして73.56%の脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名SCL90/90XER3で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を付着させた。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた。それから、それをXYベッド上に配置し、アプリオンに譲渡されたEP640481に説明があるインクジェット印刷ヘッドを用いて画像印刷した(600dpiの画像)。印刷後、この画像を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、乾燥画像に対して品質及び機械的な試験を実行した。
【0102】
実施例61
商品名SCL90/90XER3で販売されている壁装ビニールを、表3に説明する、異なる表面前処理液でバフ磨きした。12μmRKロッドによって、この処理表面にインクを付着させた。それから、この薄膜を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、この乾燥薄膜に対して機械的な試験を実行した。表4は、表3に従って実行した試験の結果を要約する。
【0103】
実施例62
商品名SCL90/90XER3で販売されている壁装ビニールを、表5に説明する、異なる表面前処理液でバフ磨きした。12μmRKロッドによって、この処理表面にインクを付着させた。それから、この薄膜を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、この乾燥薄膜に対して機械的な試験を実行した。表6は、表5に従って実行した試験の結果を要約する。
【0104】
実施例63
商品名SCL90/90XER3で販売されている壁装ビニールを、表7に説明する、異なる表面前処理液でバフ磨きした。12μmRKロッドによって、この処理表面にインクを付着させた。それから、この薄膜を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、この乾燥薄膜に対して機械的な試験を実行した。表8は、表7に従って実行した試験の結果を要約する。
【0105】
実施例64
13.14%のZnAc、3.3%のCaCl、5%のツイン20(HLB16.7)、10%のブチルラクテート、そして68.56%の脱イオン水からなる表面前処理エマルションを、次の手法に従って準備した。ツイン20(HLB16.7)によって安定させた水中でブチルラクテートのエマルションを形成し、それから、塩を添加して、塩水溶液中にブチルラクテート・エマルションを形成する。RKロッドを用いて、商品名SCL90/90XER3で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を塗布した。この塗布ビニールを10秒間45℃で乾燥させた後、12μmRKロッドによって、この処理表面にインクを付着させた。それから、この薄膜を15秒間150℃から170℃で乾燥させた。例1で説明したように、この乾燥薄膜に対して機械的な試験を実行した。表9は、例64の結果を要約する。
【0106】
実施例65
0.8MのZnAc塩、あるいはZnCl塩、あるいはCaCl塩、そして脱イオン水からなる表面前処理液を準備した。RKロッドを用いて、商品名SCL90/90SMW3で販売されている壁装ビニール上に処理液の4μm層を塗布した。対照をオーブン内に入れずに、塗布ビニールの各々を170℃で1分間オーブン内に配置した。これらの試料を取り出した後、基体の変色を対照に比較した。表10は、記録メディア内の変色を要約する。
【0107】
実施例66
1:1の水:エタノール溶液中に7.5%のCaCl及び2%のZnClからなる表面前処理液を、コート段ボール上に手でこすりつけた。この段ボールを、ボブスト(Bobst)によるマスター・フレックス・モデル160FTプリンター上に配置した。未処理のコート段ボールを、同じ条件下で印刷した。フレキソ印刷の結果を、表11に説明する。
【0108】
特定な実施例に関して本発明を説明したが、上記説明は限定することを意図していない。同業者には修正が可能であるが、そのような修正は、添付の請求項の範囲内に含まれることを理解すべきである。
【0109】
本発明の他の特徴及び利点に関しては、次の図面及び説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
本発明のより良い理解のために、実施例に関して添付図面を参照するが、同番号は、全図面を通じて、対応する要素あるいは部分を示す。
図1a〜dは、従来の技術における2溶液印刷処理の方法を示す。
【図1a】非あるいは低孔性低表面エネルギー印刷メディアの断面図である。
【図1b】上記印刷メディア表面上に配置した低表面張力インクジェット・インクの一滴を示す。
【図1c】上記インクが、上記印刷表面上に配置された反応溶液に反応した後の、相分離メカニズムによるインク・ドット形成を表す。
【図1d】上記印刷メディアの表面上で乾燥したインク・ドットを示す。 図2から図5は、本発明のインクジェット印刷アプリケーションのための、新しい表面処理を示す。
【図2】本発明の表面前処理液で処理した、非あるいは低孔性低表面エネルギー印刷メディアの断面図である。
【図3】前処理した印刷メディア表面上に配置した低表面張力インクジェット・インクの一滴を表す。
【図4】相分離メカニズムによるインク・ドット形成を表す。
【図5】乾燥した印刷メディア表面上の印刷インク・ドットを表す。
【0111】
表1は、壁装ビニール上で行った試験の、試験結果を要約する。
表2は、粘着ビニール上で行った試験の、試験結果を要約する。
表3は、例61で用いた異なる表面前処理液の説明である。
表4は、表3に応じて実行した試験の結果を要約する。
表5は、例62で用いた異なる表面前処理液の説明である。
表6は、表5に応じて実行した試験の結果を要約する。
表7は、例63で用いた異なる表面前処理液の説明である。
表8は、表7に応じて実行した試験の結果を要約する。
表9は例64の結果を要約する。
表10は、記録メディア内の変色を要約する。
表11は、フレキソ印刷結果の説明である。
【0112】
【表1】

【0113】
【表2】

【0114】
【表3】

【0115】
【表4】

【0116】
【表5】

【0117】
【表6】

【0118】
【表7】

【0119】
【表8】

【0120】
【表9】

【0121】
【表10】

【0122】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための表面処理の方法であって、
前処理された記録メディアを提供するために、多価金属塩、そしてポリマー膨潤剤及び融合剤の少なくとも一つからなる前処理液を、記録メディアの表面上に適用するステップ、
前記前処理液を半乾きの状態にさせるステップ、
前記前処理した記録メディア上にインク調合物で印刷するステップ、そして
インク調合物が載った前記前処理した記録メディアを高温で乾燥させるステップからなる方法。
【請求項2】
前記適用ステップが、ラビングモーションで前記前処理液を適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記適用ステップが、湿っている状態で最高約10μmの厚さの層を適用する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記記録メディアが無孔性である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記記録メディアがビニールである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記記録メディアが低多孔性である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記記録メディアがコート紙である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記インク調合物が着色剤及び樹脂からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記樹脂が、少なくとも一つの酸性基からなるアクリル樹脂である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記樹脂が水性エマルション中に存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記樹脂が水溶液中に存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
水性インクを用いるプリント・アプリケーションのための前処理液であって、多価金属塩、そしてポリマー膨潤剤及び融合剤の少なくとも一つからなる前処理液。
【請求項13】
前記液が溶液である、請求項12に記載の前処理液。
【請求項14】
前記ポリマー膨潤剤が水中の有機相エマルションであり、前記膨潤剤及び前記融合剤の少なくとも一つが、前記多価金属塩を含む水中に乳化した前記有機相内にある、請求項12に記載の前処理液。
【請求項15】
前記多価金属塩が、二価の、そして三価の金属陽イオンの少なくとも一つを含む、請求項12に記載の前処理液。
【請求項16】
前記金属陽イオンが、Ca2+、Zn2+、Ba2+、Mg2+、Al3+、Fe3+及びCr3+からなるグループから選択される、請求項12に記載の前処理液。
【請求項17】
前記金属陽イオンが、Ca2+及びZn2+からなるグループから選択される、請求項12に記載の前処理液。
【請求項18】
前記カルシウム陽イオンが、前記前処理液の約2%から約25%を占める、請求項17に記載の前処理液。
【請求項19】
前記カルシウム陽イオンが、前記前処理液の約3%から約20%を占める、請求項17に記載の前処理液。
【請求項20】
前記亜鉛陽イオンが、前記前処理液の約5%から約20%を占める、請求項17に記載の前処理液。
【請求項21】
前記亜鉛陽イオンが、前記前処理液の約10%から約17%を占める、請求項17に記載の前処理液。
【請求項22】
前記多価金属塩が、Cl- 、I- 、Br- 、NO-、RCOO- 及びSO2-のグループからの陰イオンからなる、請求項12に記載の前処理液。
【請求項23】
前記多価金属塩が、Cl- 及びCHCOO- のグループから陰イオンからなる、請求項12に記載の前処理液。
【請求項24】
前記ポリマー膨潤剤が、Nーメチルピロリドン、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、エチルラクテート、ブチルラクテートを含む有機酸エステル、アセトン及びメチルエチルケトンを含むケトン、そしてテトラヒドロフランを含む環状エーテルからなるグループから選択される、請求項12に記載の前処理液。
【請求項25】
前記ポリマー膨潤剤が、重量で、前記前処理液の約0.1%から約15%を占める、請求項12に記載の前処理液。
【請求項26】
前記ポリマー膨潤剤が、重量で、前記前処理液の約0.5%から約7.5%を占める、請求項12に記載の前処理液。
【請求項27】
前記融合剤が、ブチルグリコール、ブチルカルビトール、そしてジ(プロピレングリコール)メチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル及びジプロピレングリコールジメチルエーテルを含むグリコールエーテルからなるグループから選択される、請求項12に記載の前処理液。
【請求項28】
前記融合剤が、重量で、前記前処理液の約0.1%から約15%を占める、請求項12に記載の前処理液。
【請求項29】
前記融合剤が、重量で、前記前処理液の約0.5%から約6%を占める、請求項12に記載の前処理液。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−507159(P2006−507159A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554881(P2004−554881)
【出願日】平成14年11月25日(2002.11.25)
【国際出願番号】PCT/IL2002/000944
【国際公開番号】WO2004/048114
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505190699)アプリオン デジタル エルティーディー (1)
【氏名又は名称原語表記】APRION DIGITAL LTD.
【住所又は居所原語表記】Hazoran Street 5c,New Industrial Area,42505 Netanya ISRAEL
【Fターム(参考)】