説明

水浄化装置

【課題】 水中のウィルスなどの病原体を死滅させて、さらにアンモニア除去などをすることにより低コストで浄化する装置を提供することである。
【解決手段】 少なくとも上部が光触媒からなる浄化部材14と、浄化部材14上に浄化すべき水を導入する水導入部材16とを含み、太陽光が前記供給される水を介して浄化部材14に照射される第1光触媒槽を備える水浄化装置1による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を浄化する浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
養殖技術の発達により、河豚、鰻、アワビなどの魚介類の養殖が行われている。小割生簀方式などの海面養殖も行われているが、陸上に養殖場を設けてこの中で養殖を行う陸上養殖が、飼育水の水温を調節するなどの管理が可能であり成長速度を高めるなどの利点を有することからさかんに行われている。
【0003】
この陸上養殖においては、水を汲み上げて、そのまま、または浄化後、養殖場に取り入れ、養殖に使用した飼育水を川、海などに廃棄するいわゆる掛け流し方法と、水を汲み上げて、養殖場に取り入れ、養殖に使用した飼育水を浄化して再び養殖場に使用する閉鎖循環方法の2方法に大別される。これらの方法は、必ずしも一方の方法が固定的に用いられるものではなく、春、初夏などは掛け流し方法を用い、水温を調節しなければならない冬、夏などは、水温の調節に掛かるコストを節減するために閉鎖循環方法を用いる場合もある。
【0004】
これらの陸上養殖において、水の浄化は、養殖しようとする魚介類が病気になることを防ぐために不可欠である。この水の浄化に当って、単に養殖に用いる水などを濾過器で濾過しただけでは、ウィルス、細菌などの病原体を除去することができないため、これらの病原体を不活性化あるいは取り除く必要がある。飼育水に用いられる水には、養殖しようとする魚介類の種類に応じて、淡水、海水などがある。海水は、取り入れる海水の深度に応じて表層水、深層水などに区別される。特に、表層水には多くのウィルス、細菌およびプランクトンなどの病原体が含まれている。これらのウィルスなどの病原体を除去しなければ、魚介類が病気になるおそれがあるので、病原体を死滅ないしは不活性化させるために、紫外線殺菌装置を用いていたが、効果が充分でないことがあるので、紫外線殺菌装置に加えオゾン殺菌装置などを組み合わせて殺菌することが多い。
【0005】
また養殖に使用された飼育水を再び使用する閉鎖循環水方式で養殖する場合には、養殖する魚介類に与えた餌の食べ残しである残餌、魚介類の排泄物による汚染を除去する必要がある。魚介類の排泄物に含まれるアンモニアは、魚介類の生育の阻害要因となるので、取り除く必要がある。特にアワビなどの軟体動物を養殖する場合には、その軟体動物がアンモニアに非常に弱いことから、できるだけアンモニアを残存させないように除去しなければならない。アンモニアを除去するために、硝化細菌などを用いてアンモニアを硝酸イオンにする硝化槽を設けている。
【0006】
さらに養殖業においては、事業の性質上、経済性が強く要求されている。このため、設備に掛かるコストおよび維持管理費用の低減化が強く望まれている。
【0007】
そしてこの他、たとえば公園の池および溜池などの池の水、飲料用水、下水などの汚水などについても、その水に含まれる病原体などを死滅させ、アンモニアを除去することが求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
水中の病原体を紫外線殺菌装置およびオゾン殺菌装置の組み合わせによって死滅させる場合、水中にオゾンが残存することを防止するためのオゾン除去手段を設けなければならず、高価になりやすいという問題があった。
【0009】
また硝化槽によるアンモニア除去においては、硝化細菌の活性が不十分で硝化反応が十分に行われず、生育が阻害される問題があった。
【0010】
本発明の目的は、水中のウィルスなどの病原体を死滅させて、かつアンモニア除去などをすることができ、低コストで実現可能な水浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、少なくとも表面の一部が光触媒であり、太陽光が前記光触媒に照射可能に設けられる浄化部材を含む第1光触媒槽を備える光浄化部を有することを特徴とする水浄化装置である。
【0012】
また本発明は、第1光触媒槽の少なくとも一部を覆うように第1光触媒槽に近接して設けられ、第1光触媒槽に臨む表面部に光を反射する反射層が設けられ、反射層と反対側の表面部に光エネルギーを熱エネルギーに変換させて吸収する光吸収層が設けられる第1被覆手段を含むことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、光浄化部は、
光触媒を照射する光照射手段と、
少なくとも表面の一部が光触媒であり、光が前記光触媒に照射可能に設けられる浄化部材を含む第2光触媒槽と、
螺旋状に配置され第1光触媒槽から第2光触媒槽へ浄化すべき水を案内し、少なくとも表面の一部が光触媒であり、光が前記光触媒に照射可能に設けられる浄化部材を含む第1水案内体とを備えることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、第2光触媒槽の少なくとも一部を覆うように第2光触媒槽に近接して設けられ、第2光触媒槽に臨む表面部に光を反射する反射層が設けられ、反射層と反対側の表面部に光エネルギーを熱エネルギーに変換させて吸収する光吸収層が設けられる第2被覆手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、光浄化部から水が導かれ、硝化細菌を含む硝化槽を備えることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、浄化部材の光触媒が設けられる表面部が凹凸状に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光浄化部中の第1光触媒槽に含まれる浄化部材の表面に存在する光触媒上に、浄化されるべき水が導入され、太陽光が照射されることにより、前記水中に含まれるウィルスなどの病原体を死滅ないし不活性化させることができる。
【0018】
また、水に含まれる魚介類などにとって有毒なアンモニアなどを光触媒の酸化作用などにより魚介類にとって無毒な物質にすることができる。
【0019】
さらに、光触媒による酸化作用によれば、小さな分子量の有機物を分解することができるので、死滅したウィルスの残骸などを分解することができる。
【0020】
本発明によれば、第1被覆手段の第1光触媒槽に臨む表面部に光を反射する反射層が設けられることによってより多くの光を光触媒に照射することができ効率よく水中の病原体を死滅させることができる。
【0021】
また、第1被覆手段の第1光触媒槽に臨む表面部と反対側の表面部に光吸収層を設けることで太陽光が吸収されて第1被覆手段が発熱するため第1光触媒槽にその熱が輻射されるので浄化部材上の水の水温を昇温させることができ、たとえば、養殖に使用するために浄化すべき水として深層水を取り入れた場合のように水の水温が低い場合に、その水の水温を上昇させるための費用を低減することができる。
【0022】
本発明によれば、光浄化部における水案内体により第1光触媒槽からの水を第2光触媒槽にある第2の浄化部材に案内することができ、第2の浄化部材の表面にある光触媒に光照射手段からの光が照射されることによって、さらに水の中のウィルスなどの病原体を死滅させ、小さな有機物を分解し、アンモニアを無毒化することによって浄化することができる。
【0023】
また太陽光または光照射手段により照射される光のうち少なくとも1つを利用することができるので、曇りや雨などで充分な太陽光が得られないときでも良好に光触媒の浄化作用を利用することができる。
【0024】
たとえば、光照射手段に紫外線を発生する手段を用いて、紫外線に反応する光触媒を用いれば、紫外線照射によるウィルスなどの病原体の死滅ないしは不活性化効果がもたらされ、さらに、光触媒による病原体の残骸などの分解効果の相乗作用によって水がより綺麗に浄化される。
【0025】
さらに、光触媒槽間を接続する螺旋状の水路上に光触媒が設けられ、水が流される経路上の光触媒にも光が照射されることによって、水が光触媒に接触する時間および距離を長くすることができるので、表面反応を主とした光触媒の作用を効果的に利用することができる。
【0026】
本発明によれば、第2被覆手段の第2光触媒槽に臨む表面部に光を反射する反射層が設けられることによってより多くの光を光触媒に照射することができ効率よく水中の病原体を死滅ないし不活性化させることができる。
【0027】
また、第2被覆手段の第1光触媒槽に臨む表面部と反対側の表面部に光吸収層を設けることで太陽光が吸収されて第2被覆手段が発熱するため第2光触媒槽にその熱が輻射されるので浄化部材上の水の水温を昇温させることができ、たとえば、養殖に使用するために浄化すべき水として深層水を取り入れた場合のように水の水温が低い場合に、その水の水温を上昇させるための費用を低減することができる。
【0028】
本発明によれば、第1光触媒槽、第2光触媒槽などの光浄化部から硝化細菌が含まれた硝化槽に水が導かれることから、光浄化部によっても浄化されずに残ったアンモニアなどを、硝化細菌によって分解して亜硝酸または硝酸にすることにより有害なアンモニアを無毒化することができる。そして、光触媒には水を水素と酸素に分解する能力があることから前段の光浄化部によって水中には酸素が豊富になっているので、好気性である硝化細菌にとって好ましい環境を実現できる。
【0029】
本発明によれば、浄化部材の光触媒が設けられる表面部が凹凸状であるので、光触媒の表面積を増大する効果を有するため、主として表面反応である光触媒の作用を効果的に利用できる。さらに、表面部が凹凸状であることによって光触媒に吸収されずに光触媒表面で反射された光が再び光触媒に入光することにより光触媒に入光する光の強度を上げることができる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、本実施形態の水浄化装置1を示す斜視図である。図2は、水浄化装置1を示す断面図である。水浄化装置1は、少なくとも表面の一部が光触媒12であり、太陽光が前記光触媒12に照射可能に設けられる浄化部材14を含む第1光触媒槽18を備える光浄化部を有する。この水浄化装置1には、第1光触媒槽18の少なくとも一部を覆うように第1光触媒槽18に近接して設けられ、第1光触媒槽18に臨む表面部に光を反射する反射層が設けられ、反射層と反対側の表面部に光エネルギーを熱エネルギーに変換させて吸収する光吸収層が設けられる第1被覆手段20を含む。この光浄化部には、光触媒12を照射する光照射手段28と、少なくとも表面の一部が光触媒12であり、光が前記光触媒12に照射可能に設けられる浄化部材14を含む第2光触媒槽24と、螺旋状に配置され第1光触媒槽18から第2光触媒槽24へ浄化すべき水を案内し、少なくとも表面の一部が光触媒12であり、光が前記光触媒12に照射可能に設けられる浄化部材14を含む第1水案内体26とを備える。
【0031】
また、第2光触媒槽24の少なくとも一部を覆うように第2光触媒槽24に近接して設けられ、第2光触媒槽24に臨む表面部に光を反射する反射層が設けられ、反射層と反対側の表面部に光エネルギーを熱エネルギーに変換させて吸収する光吸収層が設けられる第2被覆手段36を備える。そして、水浄化装置1には、光浄化部から水が導かれ、硝化細菌を含む硝化槽30を備える。浄化部材14の光触媒12が設けられる表面部は凹凸状に設ける。
【0032】
水浄化装置1は、たとえば下から硝化槽30、第2光触媒槽24、第1光触媒槽18を設け、各槽へ水を流すために螺旋形状の各水案内体26、32で接続し、全体を外方の複数の柱34で支える構造とする。硝化槽30、第2光触媒槽24、第1光触媒槽18の形状としては、特に限定されるものではないが、たとえば、各々有底短円筒状に形成する。さらに、各光触媒槽18、24には浄化部材が収容され、硝化槽30には硝化細菌を担持した硝化部材が収容され、各槽の開放端部が上方に開放される構造とする。そして、同軸上に各槽を積層し、各槽の外周面を含む仮想円筒面に内接する螺旋に沿って旋回される水案内体26、32を設ける。
【0033】
そして第1光触媒槽18の外方に第1被覆手段20を配置し、第2光触媒槽24の外方に第2被覆手段36を配置することができる。この被覆手段20、36の形状としては、特に限定されないが、たとえば、光触媒槽の有底短円筒形状を覆うように、短円筒の高さ方向中間を外方に膨らませた形状とすることができる。被覆手段20、36としては、光触媒槽の円筒の円周の半周を覆う2つの被覆手段を用いて合体させて使うことができる。この構成によれば、清掃が容易になるので好ましい。また、これらの被覆手段としては、第1被覆手段20および第2被覆手段36が一体となったものを使用しても良い。
【0034】
水浄化装置1の大きさは、特に限定されるものではないが、たとえば水浄化装置1全体の形状を円筒形状とした場合には、円柱の下面にある円の直径は、水浄化能力などの点から1m以上とし、製作の容易性などの点から5m以下とするのが好ましい。
【0035】
水浄化装置1は、上部の第1光触媒槽18に水を供給し、水導入部材16で浄化すべき水を光触媒槽中の少なくとも上部が光触媒12からなる浄化部材14上に導き入れ、この浄化部材14上に太陽光が照射されることにより浄化が行われ、螺旋形状の第1水案内体26を経由して、第2光触媒槽24に導かれ、光照射手段28による光が第2光触媒槽24中の浄化部材14上に照射されることによりさらに浄化され、螺旋形状の第2水案内体32を経由して硝化槽30で水にアンモニアが残存していればそれを硝酸などに変えて、外部に排出するものである。
【0036】
第1光触媒槽18および第2光触媒槽24の外周部に、第1被覆手段20および第2被覆手段36が配置される場合には、被覆手段20、36の内面に設けられた反射部材によって光を反射することにより、光触媒12に光をより多く照射されることができるようになり、外面で光を吸収することにより水浄化装置1内部の水を昇温させることができる。たとえば、これらの被覆手段20、36を、別々に設けても良いが、一体のものとして設けても好ましく使用できる。また、これらの被覆手段20、36としては、特に限定されるものではないが、たとえば、外面を黒く塗装し光吸収層を設け、内面に紫外線などの光を反射する塗料などを塗布することにより光を反射させる反射層を設けることにより製造することができる。外面を黒く塗装すれば、赤外線などの光を吸収して被覆手段20、36を発熱させることができるため、水浄化装置1内部の水を昇温させることができる。そして、被覆手段20、36の内面に、紫外線などの光を反射する鏡などを設けて反射層としても好ましく使用できる。特に、光照射手段28に紫外線を発生する手段を用いた場合には、水浄化装置1の外部に紫外線を漏らさない役割を第2被覆手段36は果たすことができるので好ましい。
【0037】
太陽光を第1光触媒槽18の浄化部材14上の光触媒12に照射するために、たとえば、水浄化装置1の上面に設けられる蓋体38をガラス、透光性を有する合成樹脂などの光触媒12が反応する波長の光を透過する材料を用いて構成する。光触媒12にアナターゼ型の二酸化チタンを用いる場合、特に限定されるものではないが、たとえば、石英ガラス、高シリカガラス、ホウケイ酸ガラスおよびソーダ石灰ガラスが挙げられ好ましく使用できるが、紫外線を透過し、かつ、経年変化を起こし難い点からは石英ガラスを用いるのがさらに好ましい。この水浄化装置1の上面に設けられる蓋体38は、降雪対策などからある傾斜角αに傾斜させておくのが好ましい。傾斜角αは、特に限定されないが、1°以上40°以下が好ましい。1°以下であると効果が得られにくく、40°以上であると水浄化装置1の設置の安定性を欠くおそれがあるからである。
【0038】
水浄化装置1の取水口40は、たとえば、第1光触媒槽18の周壁部に管を貫通させることにより設けられる。水浄化装置1の上部にあるので、たとえば、外部のポンプ42などにより水を汲み上げて水浄化装置1に供給することができる。外部のポンプ42ないしは取水口40に取り付けられるバルブなどを制御して、水浄化装置1に取り入れる水量を調節することができる。
【0039】
第1光触媒槽18には、少なくとも表面の一部が光触媒12からなる浄化部材14が収容され、浄化部材14上に浄化すべき水を導入する水導入手段16が設けられる。
【0040】
図3は、表面に光触媒12が設けられた浄化部材14を示す斜視図である。図4は、浄化部材14の構造を示すA−A断面図である。
【0041】
浄化部材14は、少なくとも表面の一部が光触媒12からなる部材である。したがって、特に限定されないが、たとえば、光触媒12そのものを用いて浄化部材14を形成しても良く、また、担体13の表面に光触媒12からなる層を設けることにより浄化部材14を形成しても良い。この光触媒12の浄化作用は、その表面における作用であるので、浄化すべき水と光触媒12の接触面積が大きく、さらに接触時間が長いことが水の浄化作用にとって好ましい。したがって光触媒12が存在する浄化部材14の表面にある光触媒12の形状としては、特に限定されるものではないが、たとえば凹凸状に設けることとすれば、光触媒12の表面積を増大させる効果および吸収されずに反射した光が再び光触媒12に入光することによる効果があるので好ましい。凹凸状としては、特に限定されるものではないが、たとえば、半球状に窪んだ形状、半球状に膨らんだ形状などとすることができる。そして浄化部材14は、特に限定されるものではないが、たとえば、浄化すべき水が流れるように水平面に対して傾斜を設けて光触媒槽内に収容して設置することができる。
【0042】
光触媒12としては、特に限定されるものではないが、半導体光触媒を好ましく使用できる。半導体光触媒としては、たとえば、TiO、CdS、CdSe、WO、Fe、SrTiO、KNbO、ZnOなどを挙げることができる。これらのうち、TiOは、ほとんどの酸、塩基、有機溶媒に侵されず化学的に安定であること、また中毒を起こすことがなく、発ガン性もないことが動物実験などから確認されている点から、本実施の形態の水浄化装置1に好ましく使用できる。さらにTiOには、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが知られており、それぞれ好ましく使用できるが、これらのうち、アナターゼ型の二酸化チタンが、光触媒12として工業的によく使用される点などから、さらに好ましく使用できる。
【0043】
この光触媒12の酸化作用により魚介類などにとって有毒な水中のアンモニアなどを硝酸塩などに変化させることによって無毒化することができる。
【0044】
また、水中において光触媒12に光が照射されると、水を酸素と水素に分解して、活性酸素を発生させる。この活性酸素には、ウィルス、細菌などの病原体を死滅ないしは不活性化させる効果がある。たとえば、アワビなどを養殖する場合においては、飼育水中で筋萎縮症をひき起こすウィルスが増殖する問題が発生することがあるが、光触媒12の上面に飼育水を流して光を照射すると、このウィルスを不活性化させることができる。また、光触媒12は、小さな分子量の有機物を分解することができる。小さな分子量の有機物としては、たとえば、タンパク質、アミノ酸、ブドウ糖が挙げられる。したがってウィルス、細菌などの病原体を死滅ないし不活性化させることができるだけではなく、死滅ないしは不活性化したウィルス、細菌など病原体の残骸までも分解することができるのでさらに効果的に水を浄化することができる。
【0045】
水導入部材16は、浄化部材14上に浄化すべき水を導入する手段である。水導入部材16としては、特に限定されるものではないが、たとえば、水浄化装置1に浄化すべき水を取り入れるために設けた第1光触媒槽18の周壁部を挿通する管の光触媒槽内側の端を浄化部材14上に設けることによって水導入部材16とすることにより水を浄化部材14上に流すことができるので好ましく使用できる。
【0046】
図5は、浄化部材14および水導入部材16の他の実施の形態を示す図である。
水導入部材16として、特に限定されないが、たとえば、浄化部材14に均等に水を散布する点から、複数の孔17が形成された管、シャワーヘッドなどを好ましく用いることができる。また、浄化部材14を中心部を高くしてその回りを低くすることにより、流れを作り出して浄化部材14に設けられた凹部に水が停滞することがないようにすることができ、浄化部材14の回りに排水溝84を設けることによって水を集め、第1水案内体26に水を誘導することができる。排水溝の側部86を第1光触媒槽18と接して配置することができ、排水溝の底部88に流れ出た水を第1水案内体26に、直接ないしは、連絡するための連絡管などを用いて導いて第2光触媒槽24に水を案内することができる。前記排水溝84は、浄化部材14と分離して設けてもよく、一体として設けてもよい。
【0047】
図6は、浄化部材14および水導入部材16のさらに他の実施の形態を示す図である。図6中の矢印は水の流れ95を概略的に示すものである。図7は、図6の浄化部材14を示す断面図である。
【0048】
浄化部材14の中心部を低くして周部を高くし、水導入部材16として用いた管を浄化部材14の周部に周方向に平行に設置することによって、水導入部材16から導入された水が浄化部材14の表面を渦を描きながら中心部にある浄化排水口94に集まり、排水パイプ98を経て第1水案内体26に水を誘導することができる。
【0049】
水浄化装置1には、上方からの第1光触媒槽18からの水を下方の第2光触媒槽24に案内する第1水案内体26と、第2光触媒槽24と、光照射手段28とを含んで構成することができる。
【0050】
第1光触媒槽18中の浄化部材14からの水を浄化部材14と第1水案内体26を連絡する第1連絡管80を通して、あるいは、直接に第1水案内体26に導くことができる。
【0051】
第1水案内体26は、上方からの第1光触媒槽18からの水を下方の第2光触媒槽24に案内する。水路を螺旋状にすることにより、水をそのまま直接第1光触媒槽18から第2光触媒槽24に案内するよりも、上方から下方へ向けてゆっくりと水が流れるため好ましい。この螺旋水路の底面と地上面との角度は、特に限定されるものではないが、予め定める角度βをなして形成することにより、遠心力などとの釣り合いにより底に設けられた浄化部材14の表面の光触媒12に一様に水を接触させることができるので好ましい。この角度βとしては、特に限定されるものではないが、1°以上30°以下が好ましい。1°以下であると遠心力との釣り合い効果が得られないおそれがあるからである。また、30°以上であると水量の変化によっては、螺旋水路から水が溢れるおそれがあるからである。
【0052】
第2光触媒槽24は、浄化部材14を含んで構成される。この浄化部材14としては、前述の第1光触媒槽18で使用する浄化部材14と同様の構成とすることができるが、必ずしも第1光触媒槽18と同じで構成でなければならないとするものではなく、別の形態であってもよい。すなわち、たとえば、第1光触媒槽18には、図5に示す浄化部材14を用い、第2光触媒槽24には、図6に示す浄化部材14を用いることもできる。
【0053】
また、浄化部材14の表面に使用される光触媒12についても、前述の第1光触媒槽18で使用する浄化部材14中の光触媒12と同様の材料とすることができるが、必ずしも第1光触媒槽18と同じで材料でなければならないとするものではなく、別の材料であってもよい。たとえば第1光触媒槽18の浄化部材14には、アナターゼ型のTiOを表面に塗布し、第2光触媒槽24の浄化部材14には、ブルッカイト型のTiOを表面に塗布してもよい。
【0054】
光照射手段28は、光を浄化部材14に向けて照射する手段である。この光照射手段28は、光が照射される浄化部材14の表面の光触媒12が反応する波長に応じた光を照射できるものである必要がある。たとえば、光触媒12にアナターゼ型のTiOを用いた場合には、380nm以下の波長の光で光励起されることから、光照射手段28としては380nm以下の波長の光を発生できるものを用いるのが好ましい。このような光を発生するものとしては、特に限定されるものではないが、たとえば紫外線を発生する蛍光ランプ、発光ダイオード、レーザーを好ましく使用することができる。紫外線を発生する光照射手段28を用いれば、紫外線によるウィルス、細菌などの病原体の死滅ないしは不活性化効果をも併有することから好ましい.また、光照射手段28の光量を調節することにより、光触媒12による浄化作用を調節することができる。たとえば、活性酸素が必要量以上に発生している場合などにおいては、光量を制限することにより活性酸素の発生を抑制することができる。
【0055】
また第1光触媒槽18の下面に光反射加工を施すことにより、第2光触媒槽24および第1水案内体26の光触媒12に照射される光の強度を増すことができる。
【0056】
上記のように、第1光触媒槽18の下部に第2光触媒槽24を設けるだけでなく、さらにその下部に第3、第4というように光触媒槽を重ねてそれらを螺旋状の水路で繋いだ構造とした水浄化装置1についてもさらに水を浄化する効果が増すので良好に使用することができる。そして追加された光触媒槽の外周に、光触媒槽を覆う被覆手段をそれぞれあるいは一体的に設けて、その外面に設けた光吸収層によって浄化すべき水の温度を上昇させることができ、また、その内面に設けられた反射層によって光触媒12に光をより多く照射することができる。
【0057】
第2光触媒槽24中の浄化部材14からの水を浄化部材14と第2水案内体32を連絡する第2連絡管82を通して、あるいは、直接に第2水案内体32に導くことができる。
【0058】
第2水案内体32は、上方からの第2光触媒槽24からの水を下方の硝化槽30に案内する。水路を螺旋にすることにより上方から下方へ向けてゆっくりと水が流れるため好ましい。この螺旋水路の底面と地上面との角度は、特に限定されるものではないが、予め定める角度βをなして形成することにより、遠心力などとの釣り合いにより底に設けられた硝化細菌を有する硝化部材に一様に水を接触させることができるので好ましい。この硝化部材としては、特に限定されるものではなく、たとえば、自然界に存在する砂など硝化槽に用いることのできる硝化部材を好ましく使用することができる。また、角度βとしては、特に限定されるものではないが、1°以上30°以下が好ましい。1°以下であると遠心力との釣り合い効果が得られないおそれがあるからである。また、30°以上であると水量の変化によっては、螺旋水路から水が溢れるおそれがあるからである。
【0059】
硝化槽30は、硝化細菌を有する硝化部材を充填させることによりその能力を発揮させることができる。硝化細菌とは、アンモニアを亜硝酸に変換する細菌、亜硝酸を硝酸に変換する細菌を総称したものである。硝化細菌としては、たとえば、アンモニアを亜硝酸に変換する細菌としてニトロソモナス硝化細菌(Nitrosomonas Bacteria)があり、亜硝酸を硝酸に変換する細菌としてニトロバクター硝化細菌(Nitrobacter Bacteria)が挙げられる。
【0060】
硝化槽30に充填する硝化部材としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、海岸の砂浜から採取した砂、硝化細菌を担持した担体などを用いることができる。
【0061】
海岸の砂浜から採取した砂にも、硝化細菌は含まれており、この砂を硝化槽30に充填することによって、アンモニアを亜硝酸あるいは硝酸に変化させる能力を発揮させることができので好ましく使用することができる。
【0062】
硝化細菌を担持する担体としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用できるが、細い孔を有することが好ましく、たとえば、ゲル状担体、プラスチック担体および繊維状担体などの公知の担体を使用することができる。そのゲル状担体の素材としては、特に限定されないが、たとえば、ゲル内に多量の水を含有することができ、網目状の構造である点で、ポリビニルアルコール系含水ゲルを好ましく使用することができる。このうち、ホルマール化ポリビニルアルコール系含水ゲルやアセタール化ポリビニルアルコール系含水ゲルをさらに好ましく使用することができる。その他、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、寒天、アルギン酸塩、K−カラギーナンおよび光硬化性樹脂などの担体を好ましく使用することができる。プラスチック担体および繊維状担体の形状として、特に限定されるものではないが、たとえば網目状の形状とすると硝化細菌が固定化しやすいため好ましく使用することができる。
そして硝化部材としてこれらの組合せを用いても好ましく使用することができる。
【0063】
浄化すべき水は、取水口に取り入れられ、水導入手段16によって第1光触媒槽18の浄化部材上にその水が導かれる。第1光触媒槽18の浄化部材14の表面に存在する光触媒12上を流れる水に太陽光が照射されて浄化作用が発揮される。光触媒12によるアンモニア濃度の低下、水中のウィルスおよび細菌などの病原体の死滅ないしは不活性化、小さな分子量の有機物の分解などの浄化作用がある。このようにして第1光触媒槽18で浄化された水は、第1光触媒槽18から第1水案内体26を経由して第2光触媒槽24へ流れる。
【0064】
第1水案内体26は螺旋状に配置されているので、水は第1光触媒槽18から第2光触媒槽24に到達するまで長い距離で長時間第1水案内体に設けられた光触媒12に接触し、第1光触媒槽18と第2光触媒槽24の間に設けられた紫外線ランプなどの光照射手段28により、光触媒12に光が照射されることによって、前述の浄化作用に加えさらに紫外線による滅菌作用が発揮され浄化される。
【0065】
そして、第2光触媒槽24に収容された浄化部材14の表面の光触媒12で、さらに浄化される。光触媒槽18、24の周りに設けられる被覆手段20、36により光の強度が増すことによって浄化作用が増す。さらに被覆手段20、36の水浄化装置1の外面側と同じ側に設けられた光吸収層に太陽光が吸収されることによって被覆手段20、36が熱せられ光浄化部内の水にこの熱が輻射されることにより水温が上昇するので、深層水などの低温の水を養殖に用いるときに使用する際には最適である。
【0066】
第1および第2光触媒槽24などの光浄化部によって浄化された水は、さらに、光浄化部から第2水案内体32を経由して硝化槽30へ水は流れる。このとき、この第2水案内体32は螺旋状に配置されているので、水は第2光触媒槽24から硝化槽30に到達するまで長い距離で長時間第2水案内体32に設けられた硝化細菌に接触するため、光浄化部で浄化された水に残留するアンモニアが硝化細菌によって硝化イオンなどに変化することによりアンモニアの濃度が低下する。第2水案内体32を経て硝化槽30に到達した水はさらにその硝化槽30に含まれる硝化細菌によって残留するアンモニアが硝化イオンなどにより変化することによってアンモニアの濃度が低下する。そして、硝化槽30の周壁に挿通された管を経て水浄化装置1の外部に、浄化された水が排出される。
【0067】
水浄化装置1は、特に限定されることなく、水の浄化一般に使用することができるが、たとえば動植物の飼育に用いる飼育水、公園の池および溜池などの池の水、飲料用水、下水などの汚水などの浄化を好ましくすることができ、動植物の飼育に用いる飼育水の浄化にさらに好ましく用いることができ、アンモニアおよび病原体となるウィルスなどを効果的に死滅させることができる点から魚介類の養殖に用いる飼育水の浄化に一層に好ましく用いることができ、特にアンモニアおよび筋萎縮症の原因となるウィルスを効果的に無害化できる点からアワビなどの養殖により一層好ましく使用できる。
【0068】
また殺菌装置にオゾン発生装置を用いる場合と異なり、有害なオゾンを取り除くための設備を要しないことから、低コストで水を浄化することができるので好ましい。
【0069】
本発明の水浄化装置1は、掛け流し方式および閉鎖循環方式の養殖システム110、120のいずれについても良好に使用することができる。図8は、本実施形態の水浄化装置1を掛け流し方式の養殖システム110に利用する場合の水の流れについて示すブロック図である。図9は、本実施形態の水浄化装置1を閉鎖循環方式の養殖システム120に利用する場合の水の流れについて示すブロック図である。
【0070】
掛け流し方式の養殖システム110における本実施形態の水浄化装置1の使用方法としては、特に限定されるわけではないが、海、川などから取水管52を経てポンプ42を駆動して汲み上げ管54を通して本実施形態の水浄化装置1の取水口に汲み上げた水を、水浄化装置1によって浄化し養殖場連絡管56を経て養殖場48に供給し、使用した飼育水を海、川などに排水管58を経て排水することにより好ましく使用することができる。海、川などから水を汲み上げる場合、取水場所などによっては、たとえば大阪湾、東京湾などの一部では、アンモニアなどの有害物質が多く含まれる場合がある。本実施形態の水浄化装置1を利用すれば、これらを無毒化することができ、さらには、ウィルスなどの病原体を死滅させることができる。また、汲み上げる水が深層水など温度の低い水であるときは、水浄化装置1に設けられる被覆手段20、36の外面に光吸収層を設けることにより光を吸収して水を昇温させることができるので、昇温のためのコストを低減させることができる。
【0071】
閉鎖循環方式の養殖システム120における本実施形態の水浄化装置1の使用方法としては、特に限定されるわけではないが、養殖場48で用いた飼育水を濾過装置連絡管62を通して、餌などの残渣、糞などを取り除くために濾過装置50で濾過して、水浄化装置取水管64を経てポンプ42を駆動して汲み上げ管54を通して本実施形態の水浄化装置1を用いて浄化し主循環管60を通して養殖場48に戻して循環させる。このとき、硝酸が多い場合など必要があれば主循環管60を流れる飼育水を脱窒装置取水管66に分岐させて脱窒装置46で嫌気性条件において脱窒菌を作用させることにより硝酸態窒素を窒素ガスとして水中から系外部に放出して再び脱窒装置排水管68を経て再びポンプ40で汲み上げて本実施形態の水浄化装置1で浄化し、再び養殖場48に供給することにより、好ましく使用することができる。閉鎖循環方式の養殖システム120で使用する際には、必ずしも、光触媒槽18、24を覆う被覆手段の外面に光吸収層を設ける必要はない。水を循環して用いるため、水温を上昇させる必要がない場合が多いからである。本実施形態の水浄化装置1を利用すれば、養殖される魚介類の糞などから排出されるアンモニアなどの有害物質を無毒化することができ、ウィルスなどの病原体を不活性化ないしは死滅させることができ、さらには、病原体などの残骸を分解することもできるので好ましい。そして本実施形態の水浄化装置1によれば、大幅に汲み上げる水量を減らすことができるので、低コストで養殖を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態の水浄化装置1を示す斜視図である。
【図2】水浄化装置1を示す断面図である。
【図3】表面に光触媒12を備えた浄化部材14を示す斜視図である。
【図4】図3のA−A面から見た浄化部材14の構造を示す断面図である。
【図5】浄化部材14と水導入部材16の他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】浄化部材14と水導入部材16のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6の浄化部材14を示す断面図である。
【図8】水浄化装置1を掛け流し方式の養殖システム110に利用する場合の水の流れについて示すブロック図である。
【図9】水浄化装置1を閉鎖循環方式の養殖システム120に利用する場合の水の流れについて示すブロック図である。
【符号の説明】
【0073】
1 水浄化装置
12 光触媒
13 担体
14 浄化部材
16 水導入部材
17 孔
18 第1光触媒槽
20 第1被覆手段
24 第2光触媒槽
26 第1水案内体
28 光照射手段
30 硝化槽
32 第2水案内体
34 柱
36 第2被覆手段
38 蓋体
40 取水口
42 ポンプ
44 排水口
46 脱窒装置
48 養殖場
50 濾過装置
52 取水管
54 汲み上げ管
56 養殖場連絡管
58 排水管
60 主循環管
62 濾過装置連絡管
64 水浄化装置取水管
66 脱窒装置取水管
68 脱窒装置排水管
80 第1連絡管
82 第2連絡管
84 排水溝
86 排水溝側部
88 排水溝底部
94 浄化排水口
95 水の流れ
98 排水パイプ
110 掛け流し方式の養殖システム
120 閉鎖循環方式の養殖システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表面の一部が光触媒であり、太陽光が前記光触媒に照射可能に設けられる浄化部材を含む第1光触媒槽を備える光浄化部を有することを特徴とする水浄化装置。
【請求項2】
第1光触媒槽の少なくとも一部を覆うように第1光触媒槽に近接して設けられ、第1光触媒槽に臨む表面部に光を反射する反射層が設けられ、反射層と反対側の表面部に光エネルギーを熱エネルギーに変換させて吸収する光吸収層が設けられる第1被覆手段を含むことを特徴とする請求項1記載の水浄化装置。
【請求項3】
光浄化部は、
光触媒を照射する光照射手段と、
少なくとも表面の一部が光触媒であり、光が前記光触媒に照射可能に設けられる浄化部材を含む第2光触媒槽と、
螺旋状に配置され第1光触媒槽から第2光触媒槽へ浄化すべき水を案内し、少なくとも表面の一部が光触媒であり、光が前記光触媒に照射可能に設けられる浄化部材を含む第1水案内体とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の水浄化装置。
【請求項4】
第2光触媒槽の少なくとも一部を覆うように第2光触媒槽に近接して設けられ、第2光触媒槽に臨む表面部に光を反射する反射層が設けられ、反射層と反対側の表面部に光エネルギーを熱エネルギーに変換させて吸収する光吸収層が設けられる第2被覆手段を備えることを特徴とする請求項3記載の水浄化装置。
【請求項5】
光浄化部から水が導かれ、硝化細菌を含む硝化槽を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の水浄化装置。
【請求項6】
浄化部材の光触媒が設けられる表面部が凹凸状に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の水浄化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−21174(P2006−21174A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203865(P2004−203865)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(504266692)
【出願人】(504266762)
【出願人】(592002950)
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【Fターム(参考)】