説明

水溶性切削液

【課題】 硬脆材料の切削工程で使用される水溶性切削液中に発生する切粉が長時間安定に分散することができる水溶性切削液を提供する。
【解決手段】 数平均分子量500〜3,000のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物及び/又はその塩(A1)を含む切粉用分散剤(A)と水を含有してなる硬脆材料用の水溶性切削液であり、さらに、水溶性グリコール(B)、水溶性エーテル(C)、クエン酸(D)、pH調整剤(E)からなる群から選ばれる1種以上を含有し、水溶性切削液の1重量%水希釈液のpHが5〜9であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン、セラミックス又は水晶などの脆性材料を切削するときに使用する水溶性切削液に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン、セラミックス又は水晶などの硬脆材料を切削する際には通常は水溶性切削液が使用される。切削工程では水溶性切削液中に切粉が発生し、切粉を含んだ切削液から前記切粉をろ過装置や遠心分離装置などで分離除去して、再び切削工程に循環供給するようになっている。この種の切削液ろ過装置としては様々なものが提案され使用されている(例えば、特許文献−1及び特許文献−2)。しかしながら、切粉の不均一偏在や凝集などが起こると、濾過装置の目詰まりや、加工精度の低下や、加工効率の低下が起こりやすいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献−1】特開2003−275937号公報
【特許文献−2】特開2006−334716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、硬脆材料の切削工程で使用される水溶性切削液中に発生する切粉が長時間安定に分散することができる水溶性切削液を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の分散剤を切削液中に含有させることで、切粉の分散性が良好となり、切削液中での切粉の沈降速度を遅くさせることができることを見いだし、本発明に到達した。
即ち、本発明は数平均分子量500〜3,000のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を加工液中の切粉用の分散剤(A)として含むことを特徴とする硬脆材料用の水溶性切削液である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の硬脆材料用の水溶性切削液は、切粉の分散性に優れるため、切粉の凝集の発生を抑え、切削液中での切粉の沈降速度を遅くさせることができ、硬脆材料用の加工精度・加工効率を向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明におけるナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物及び/又はその塩(A1)の数平均分子量(以下、Mnと略称する。)は、通常500〜3,000、好ましくは800〜2,000である。500未満では切粉の沈降度が不十分であり、3,000を超えるとスラリーの粘度が高くなり、ポンプによる安定な送液ができなくなるという問題を生じる。
なお、Mnはポリスチレンスルホン酸ソーダを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定できる。
【0008】
本発明におけるナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物及び/又はその塩(A1)は、通常の方法、例えば、ナフタレンを硫酸でスルホン化した後、ホルムアルデヒドで縮合反応し、必要によりアルカリで中和して、粗生成物を精製する方法などで得られる。ナフタレン1モルに対する硫酸の仕込みモル数は通常1.2〜1.4モルであり、スルホン化物1モルに対するホルムアルデヒドの仕込みモル数は通常0.95〜0.99モルである。スルホン化の温度と時間は通常150〜165℃で2〜5時間である。スルホン化後の生成物に水を加えて希釈した後、ホルマリンを85〜95℃で、3〜6時間かけて滴下し、95〜105℃で縮合反応を行うことができる。精製は、粗生成物に水と中和剤(例えば炭酸カルシウム)と亜硫酸塩を加え、80〜95℃で中和工程を行うと共に未反応アルデヒドを水不溶解物とする。その後、定法により水不溶解物を除去し、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶性塩の水溶液が得られる。ナフタレンに対する硫酸の仕込み量の増加、ホルマリンの仕込み量の増加、縮合反応温度の上昇、又は縮合反応時間の増加により、(A1)の数平均分子量(Mn)を増加させることができる。また、市販品としては、「セルフロー120」(Mn=1700、第一工業製薬(株)製)、「ラベリンFH−45」(Mn=1200、第一工業製薬(株)製)、及び「DEHSCOFIX」(Mn=840、HUNTSMAN社製)等が挙げられる。
【0009】
本発明の水溶性切削液中の前記(A1)の含有量は、切削液の重量100重量%のうちの好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。0.01重量%以上であれば分散効果がさらに発揮されやすく、5重量%以下であれば切粉が凝集しにくい傾向にある。
【0010】
本発明の水溶性切削液中には、分散剤(A)として、前記(A1)以外に、更に、分散効果を発揮するその他の化合物(A2)を併用してもよい。
その他の化合物(A2)としては、ポリカルボン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリビニルスルホン酸塩、ポリアルキレングリコール硫酸エステル塩、ポリビニルアルコールリン酸エステル塩、メラミンスルホン酸塩及びリグニンスルホン酸塩などが挙げられる。
(A2)のうち好ましいものは、(A1)と併用して相乗効果を発揮するという観点からポリカルボン酸塩及びポリスチレンスルホン酸塩である。
【0011】
前記ポリカルボン酸塩としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム塩及びポリアクリル酸モノエタノールアミン塩等が挙げられる。前記ポリスチレンスルホン酸塩としては、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩及びポリスチレンスルホン酸のモノエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0012】
本発明の水溶性切削液中の分散剤(A)の含有量、即ち前記(A1)と前記その他の化合物(A2)の合計の含有量は、切削液の重量100重量%のうちの好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。0.01重量%以上であれば分散効果がさらに発揮されやすく、5重量%以下であれば切粉が凝集しにくい傾向にある。分散剤(A)として(A1)と(A2)を併用する場合の分散剤(A)中の(A2)の割合は、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。
【0013】
本発明の水溶性切削液は、更に、水溶性グリコール(B)、水溶性エーテル(C)、クエン酸(D)、pH調整剤(E)及び水からなる群から選ばれる1種以上を含有してもよい。
【0014】
前記水溶性グリコール(B)及び水溶性エーテル(C)において、水溶性とは、20℃において水100重量部に対し30重量部以上が均一透明に溶解するものを示し、好ましくは水に対し任意の割合で相溶するものである。
【0015】
前記水溶性グリコール(B)としては、アルキレン基の炭素数2〜4のアルキレングリコール及びポリアルキレングリコールからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
【0016】
水溶性グリコール(B)のうち、アルキレン基の炭素数2〜4のアルキレングリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール(以下、PGと略記する)、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール及び1,4−ブチレングリコールが挙げられる。
【0017】
また、水溶性グリコール(B)のうち、アルキレン基の炭素数2〜4のポリアルキレングリコールとしては、重合度が2〜10のポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール(ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールなど)、ポリ1,2−プロピレングリコール(ジ1,2−プロピレングリコールなど)、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリ1,2−ブチレングリコール、ポリ1,3−ブチレングリコール及びポリ1,4−ブチレングリコールが挙げられる。
【0018】
前記水溶性エーテル(C)としては、アルキレン基の炭素数2〜4のアルキレングリコールのモノもしくはジアルキルエーテル及びポリアルキレングリコールのモノもしくはジアルキルエーテルからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
【0019】
水溶性エーテル(C)のうち、アルキレン基の炭素数2〜4のアルキレングリコールのモノもしくはジアルキルエーテルとしては、前記アルキレン基の炭素数2〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4のアルキルエーテルが挙げられ、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテル及び1,2−プロピレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
【0020】
水溶性エーテル(C)のうち、アルキレン基の炭素数2〜4のポリアルキレングリコールのモノもしくはジアルキルエーテルとしては、前記重合度が2〜10のポリアルキレングリコールの炭素数1〜4のアルキルエーテルが挙げられ、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル[ジエチレングリコールモノメチルエーテル(以下、DEGMEと略記する)及びトリエチレングリコールモノメチルエーテルなど]、ポリエチレングリコールジメチルエーテル[ジエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテルなど]及びポリ1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテル[ジ1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテルなど]などが挙げられる。
【0021】
水溶性グリコール(B)及び水溶性エーテル(C)のうち、好ましいのは、作業性の観点から、アルキレン基の炭素数2〜3のもの、さらに好ましいのは、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール並びにこれらのモノもしくはジメチルエーテルである。
【0022】
また、水溶性グリコール(B)及び水溶性エーテル(C)のうち好ましいのは作業性の観点から、25℃における粘度が40〜500mPa/sであるものである。本発明の切削液中の水溶性グリコール(B)及び水溶性エーテル(C)の合計の含有量は、切削液の重量100重量%のうち、好ましくは60〜80重量%、さらに好ましくは65〜75重量%である。また、水溶性グリコール(B)及び水溶性エーテル(C)を併用する場合の好ましい重量割合は、これらの合計100重量%のうちの水溶性エーテル(C)が50重量%以下である。
【0023】
クエン酸(D)は、切粉のハードケーキ防止性の向上のために用いてもよく、クエン酸(D)の含有量は、切削液の重量100重量%のうち、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。
【0024】
pH調整剤(E)としては、塩酸などの無機酸や水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。pH調製剤は、本発明の水溶性切削液を用いてスライシングされた被加工物を洗浄する際に、洗浄液が強酸または強アルカリ性を示さないように(好ましくは1重量%の水溶液とした際のpHが5〜9、さらに好ましくは5〜8になるように添加される。pH調整剤(E)の含有量は、切削液の重量100重量%のうち、好ましくは5重量%以下である。
【0025】
本発明の水溶性切削液中の水の量は、切削液の重量100重量%のうち、好ましくは18〜39重量%、さらに好ましくは24〜34重量%である。
【0026】
本発明の水溶性切削液中の水の一部は、水溶性有機溶剤に置換されていてもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。水のうちの水溶性有機溶剤の置換割合は、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下である。
【0027】
本発明の水溶性切削液の中のカルシウムイオンの含有量は、好ましくは10ppm以下である。カルシウムイオンの含有量を10ppm以下にするには、(A1)中のカルシウムイオンを少なくする、又はカルシウムイオンの含有量が少ない(A1)を選択することが好ましい。ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩はカルシウムイオンを多く含むものがあり、カルシウムイオン含量の少ないナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を選ぶことにより、さらに切削後の洗浄性が良好になる。カルシウムイオンの含有量は、誘導結合プラズマ発光分光(ICP−AES)で測定することができる。
【実施例】
【0028】
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0029】
実施例及び比較例で使用したナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩は下記のものである。
「DEHSCOFIX」;HUNTSMAN社製)(有効成分含量95%、Mn=840)
「ラベリンFH−45」;第一工業製薬(株)製(有効成分含量45%、Mn=1,200)
(A−1);下記製造例1で得られたもの(有効成分含量30%、Mn=2,700)
(X−1);下記比較製造例1で得られたもの(有効成分含量30%、Mn=470)
(X−2);下記比較製造例2で得られたもの(有効成分含量30%、Mn=3,600)
【0030】
製造例1:分散剤(A−1)の製造
攪拌機付き反応容器中にナフタレン1モルを仕込み、120℃に昇温し、攪拌しながら98%硫酸1.28モルを加えた。160℃に昇温し、4時間攪拌してナフタレンスルホン酸を得た。得られたナフタレンスルホン酸1モルと、縮合反応用の水2.2モルを反応容器に入れて90℃に昇温し、ホルムアルデヒドとして1.1モルに相当する量の37%ホルマリンを4時間かけて滴下した。縮合反応を進めるために触媒としてナフタレン1モルに対して硫酸を0.3モル%加えた。次いで105℃に昇温して100時間反応し、水酸化カルシウムで過剰の硫酸を中和し分別した後、炭酸ナトリウムでナトリウム塩とし中和した。有効成分含量30重量%になるように調整して、本発明の分散剤であるMn2,700のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩水溶液(A−1)を得た。
【0031】
比較製造例1:分散剤(X−1)の製造
製造例1と同様にして得られたナフタレンスルホン酸の1モルと縮合反応用の水2.2モルを反応容器に入れて90℃に昇温し、ホルムアルデヒドとして0.97モルに相当する量の37%ホルマリンを4時間かけて滴下した。次いで105℃に昇温して10時間反応し、水酸化カルシウムで過剰の硫酸を中和し分別した後、炭酸ナトリウムでナトリウム塩とし中和した。有効成分含量が30重量%になるように調整して、比較例用の分散剤であるMn470のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩の水溶液(X−1)を得た。
【0032】
比較製造例2:分散剤(X−2)の製造
製造例1と同様にして得られたナフタレンスルホン酸の1モルと縮合反応用の水2.2モルを反応容器に入れ、90℃に昇温し、ホルムアルデヒドとして1.20モルに相当する量の37%ホルマリンを4時間かけて滴下した。縮合反応を進めるために触媒硫酸としてナフタレン1モルに対して硫酸を0.5モル%加えた。次いで105℃に昇温して150時間反応し、水酸化カルシウムで過剰の硫酸を中和し分別した後、炭酸ナトリウムでナトリウム塩とし中和した。有効成分含量30重量%になるように調整して、比較例用の分散剤であるMn3,600のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(X−2)を得た。
【0033】
実施例1〜4および比較例1〜2
表1に記載のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、水溶性グリコール(B)、水溶性エーテル(C)、クエン酸(D)、pH調整剤(E)及び水を、表1に記載の部数で配合して均一混合し、水溶性切削液を調製した。
なお、水溶性グリコール(B)として、1,2−プロピレングリコール(PG)、水溶性エーテル(C)として、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(DEGME)を使用した。
【0034】
得られた水溶性切削液について、下記の評価試験を行った。結果を表1に示す。
<分散安定性試験>
(1)沈降度(cm):
200ccのビーカーに水溶性切削液50gと切粉10gを秤量して均一になるように撹拌した後、このスラリーを円筒形ガラス製容器に液の高さを10cmとなるように入れ、これを25℃の恒温槽中に24時間静置させた。上澄みの液層の高さ(cm)を測定してこれを沈降度として評価した。
(2)スラリー粘度(mPa・s):
200ccのビーカーに、水溶性切削液100gと切粉100gを秤量し、均一になるように撹拌した後、B型回転粘度計(東京計器製)を用い、No.2のローターを用いて、25℃におけるスラリー粘度(mPa・s)を測定した。
【0035】
【表1】

【0036】
実施例1〜4はいずれも分散性に優れる。
一方、分散剤の分子量が500未満である比較例1は沈降度が不十分であり、分散剤の分子量が3000を超える比較例2は沈降度が不十分でスラリー粘度も高い。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の水溶性切削液は、シリコン、セラミックス又は水晶などの脆性材料を切削するときに使用する水溶性切削液として利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
数平均分子量500〜3,000のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物及び/又はその塩(A1)を含む切粉用分散剤(A)と水を含有してなる硬脆材料用の水溶性切削液。
【請求項2】
さらに、水溶性グリコール(B)および/または水溶性エーテル(C)、を含有する請求項1記載の水溶性切削液。
【請求項3】
さらに、クエン酸(D)および/またはpH調整剤(E)を含有し、水溶性切削液の1重量%水希釈液のpHが5〜9である請求項1または2記載の水溶性切削液。
【請求項4】
該水溶性グリコール(B)が、アルキレン基の炭素数2〜4のアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールである請求項2または3記載の水溶性切削液。
【請求項5】
該水溶性エーテル(C)が、該水溶性グリコール(B)のモノもしくはジアルキルエーテルである2〜4いずれか記載の水溶性切削液。

【公開番号】特開2010−275537(P2010−275537A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100698(P2010−100698)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】