説明

水硬性粉体分散用重合体

【課題】 水硬性組成物に対して、優れた分散効果及び/又は粘性低減効果を付与できる水硬性組成物用分散剤として使用できる重合体を得る。
【解決手段】 ポリオキシアルキレン基を有する特定の単量体(イ)に由来する構成単位I、リン酸モノエステル系単量体(ロ)に由来する構成単位II、及びリン酸ジエステル系単量体(ハ)に由来する構成単位IIIを、特定比率で含む重合体を水硬性粉体分散剤として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水硬性粉体分散用重合体、それを含有する水硬性組成物用分散剤及びさらにそれを含有する水硬性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水硬性粉体分散用重合体の中で代表的なものに、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩(ナフタレン系)、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩(メラミン系)、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリカルボン酸系重合体等がある。
【0003】
近年、代表的な水硬性組成物であるコンクリートの高耐久化指向が強まってきており、例えば、コンクリートに使用される水量を低減して高強度化することが行われており、この傾向は今後も増加するものと予測される。コンクリートに使用される水量を低減するのに減水性と流動保持性に優れるポリカルボン酸系重合体を使用することが主流となっている。しかし、水量の低減に伴い、フレッシュ・コンクリート粘性(以下、コンクリート粘性ともいう)が増加し、ポンプ圧送、打ち込み、型枠への充填といった作業性、施工性が低下するという問題もある。この粘性増大の問題は、ポリカルボン酸系重合体でもまだ十分解決されておらず、よりコンクリート粘性低減効果の高い添加剤が望まれている。
【0004】
このような背景から、特許文献1には、高鎖長のオキシアルキレン基と特定の単量体を含むビニル共重合体を必須成分とするコンクリート混和剤が開示されている。また、特許文献2には、ポリアルキレングリコール鎖を有するモノエステル又はモノエーテルと、不飽和結合及び燐酸基を有する単量体との重合物を用いたセメント用分散剤が開示されている。
【特許文献1】特開2000−327386号公報
【特許文献2】特開平11−79811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、水硬性粉体を含む水硬性組成物に対して、優れた分散効果あるいは粘性低減効果、更にこれら両方の優れた効果を付与でき、性能の良好な水硬性組成物用分散剤に使用できる重合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記一般式(イ)で表される単量体由来の構成単位I、下記一般式(ロ)で表される単量体由来の構成単位II及び下記一般式(ハ)で表される単量体由来の構成単位IIIとを含む水硬性粉体分散用重合体であって、全構成単位中、構成単位I、II及びIIIの合計が95平均モル%以上、構成単位II及びIIIの合計が2〜70平均重量%且つ5〜95平均モル%であり、下記式(1)で表される流動指数(以下、F値)が0.1〜0.9である水硬性粉体分散用重合体に関する。
【0007】
【化7】

【0008】
〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は−COO(AO)nX、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、nはAOの全平均付加モル数であり、3〜200の数、Xは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
【0009】
【化8】

【0010】
〔式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜20の数を表す。〕
【0011】
【化9】

【0012】
〔式中、R6、R8は、それぞれ水素原子又はメチル基、R7、R9は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜20の数を表す。〕
【0013】
流動指数(F値)≡(WB+WC)/(MB+MC) (1)
〔式(1)中、
Bは、構成単位IIの酸型換算での重合体中の平均重量%、
Cは、構成単位IIIの酸型換算での重合体中の平均重量%、
Bは、構成単位IIの酸型換算での重合体中の平均モル%、
Cは、構成単位IIIの酸型換算での重合体中の平均モル%
である。〕
【0014】
また、本発明は、上記一般式(イ)で表される単量体〔以下、単量体(イ)という〕由来の構成単位I、上記一般式(ロ)で表される単量体〔以下、単量体(ロ)という〕由来の構成単位II及び上記一般式(ハ)で表される単量体〔以下、単量体(ハ)という〕由来の構成単位IIIとを含む水硬性粉体分散用重合体であって、全構成単位中、構成単位I、II及びIIIの合計が95平均モル%以上、構成単位II及びIIIの合計が2〜70平均重量%且つ5〜95平均モル%であり、構成単位Iの全構成単位中の割合Z(平均モル%)が、200/n〜6500/n(nは構成単位I中の全AO平均付加モル数)である水硬性粉体分散用重合体に関する。
【0015】
また、本発明は、上記本発明の水硬性粉体分散用重合体を含有する水硬性組成物用分散剤に関する。更に、本発明は、水硬性粉体、水及び上記本発明の水硬性組成物用分散剤を含有する水硬性組成物に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の水硬性粉体分散用重合体によれば、低水量で水硬性粉体の多い高耐久高強度系の水硬性組成物であっても、従来のポリカルボン酸系減水剤と同等以上の流動性及び/又は低粘性を発現し、優れたポンプ圧送、打ち込み、型枠への充填等の作業性、施工性を付与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
従来のポリカルボン酸系重合体は、AO基を有する構成単位とカルボン酸基を有する(メタ)アクリル酸系単量体由来の構成単位を必須とし、これらに共重合可能な(メタ)アリルスルホン酸系単量体等由来の構成単位を任意成分としている。このうち、水硬性粉体表面への吸着機能を(メタ)アクリル酸系単量体由来の構成単位が担い、水硬性粉体間の凝集抑制機能をAO基含有構成単位が担うとされてきた。
【0018】
本発明者等は、水硬性粉体の表面吸着性を向上し、水硬性粉体間の凝集抑制機能を大幅に改善することで、低水量で高粉体量の水硬性組成物の流動性と粘性低減性を確保することを試みた。その結果、本発明者等は、(メタ)アクリル酸系単量体由来の構成単位を、一定の比率で一般式(ロ)で表される単量体由来の構成単位II及び一般式(ハ)で表される単量体由来の構成単位IIIで置換え、さらに、重合体中の構成単位I、II及びIIIを95平均モル%以上、好ましくは97平均モル%以上、より好ましくは98平均モル%以上、特に好ましくは100平均モル%にすることで、従来のポリカルボン酸系重合体に対して同等以上の流動性と、優れた低粘性を発現し得ることを見出した。
【0019】
即ち、本発明の重合体では、重合体中の構成単位I、II及びIIIが95平均モル%以上となる条件下で、同じ流動性を発現するのに、構成単位Iの平均モル%が一定の場合、構成単位I中のAO付加モル数が大きければ、構成単位II及びIIIは小さい平均重量%でなければならず、AO付加モル数が小さければ、構成単位II及びIIIは大きな平均重量%でなければならないことが判明し、これらの間に一定の関係がある場合に、極めて良好な流動性を発現することが見出された。
【0020】
具体的には、下記式(1)で表される流動指数(F値)が0.1〜0.9、好ましくは0.1〜0.8、より好ましくは0.1〜0.7であることによって、本発明の水硬性粉体分散用重合体は、ポリカルボン酸系重合体と同等以上の流動性を発現する。
流動指数(F値)≡(WB+WC)/(MB+MC) (1)
〔式(1)中、
Bは、構成単位IIの酸型換算での重合体中の平均重量%、
Cは、構成単位IIIの酸型換算での重合体中の平均重量%、
Bは、構成単位IIの酸型換算での重合体中の平均モル%、
Cは、構成単位IIIの酸型換算での重合体中の平均モル%
である。〕
【0021】
更に、本発明の重合体の粘性低減性は、重合体中の構成単位I、II及びIIIが90平均モル%以上となる条件下で、重合体の平均重量分子量と構成単位II及びIIIの平均重量%に支配され、下記式(2)で表されるD値が200〜12000、更に200〜10000、特に200〜7000であることによって、ポリカルボン酸系重合体よりも優れた粘性低減性を発現するため、好ましい。
粘性指数(D値)≡MW/(WB+WC) (2)
〔式(2)中、
Wは、水硬性粉体分散用重合体の重量平均分子量、
Bは、構成単位IIの酸型換算での重合体中の平均重量%、
Cは、構成単位IIIの酸型換算での重合体中の平均重量%
である。〕
【0022】
すなわち、本発明の重合体は、F値及びD値の両者が前記好適範囲にある場合、従来のポリカルボン酸系重合体よりも更に優れた流動性と粘性低減性を発現するため、更に好ましい。
【0023】
特に、本発明の重合体は、特に、F値及びD値の両者が前記好適範囲にあり、仕込み時の全構成単位中に占める構成単位II及びIIIの合計が5〜70平均重量%且つ10〜90平均モル%であるもの、更には5〜60平均重量%且つ15〜85平均モル%であるもの、特には7〜50平均重量%且つ20〜80平均モル%であるものは、従来のポリカルボン酸系重合体よりも優れた流動性と粘性低減性を発現する。この平均重量%及び平均モル%は、単量体の仕込み比率に基づくことができる。
【0024】
ここに、F値及びD値を算出する場合の重合体の構造因子は、以下に記載する方法で得ることができる(後述の実施例でもこれらの方法を用いた)。
【0025】
《重合体中の構成単位Iの平均付加モル数nの測定方法》
水に溶解した重合体を窒素雰囲気中で減圧乾燥したものを、3〜4重量%の濃度で重水に溶解し、1H−NMRを測定する。アルコキシ基(この場合はメトキシ基)のピークの積分値とアルキレンオキサイド基(この場合はエチレンオキサイド基)のピークの積分値とから、エチレンオキサイド基のHの総数を求め、エチレンオキサイド基1個に含まれる水素原子の数で除した値を重合体のnとする。なお、1H−NMRの測定は、Varian社製「UNITY−INOVA500」(500MHz)を用い、データポイント数64000、測定範囲10000.0Hz、パルス幅(45°パルス)60μsec、パルス遅延時間30sec、測定温度25.0の条件で行った。
【0026】
《重合体中の構成単位I、II及びIIIの平均モル%及び平均重量%の測定方法》
重合体中の構成単位I、II及びIIIの平均モル%を1H−NMRにより求め、構成単位II及びIIIは、全重合体から構成単位Iを差し引いた値を構成単位II換算値として求める。
【0027】
《重合体の重量平均分子量の測定方法》
この重量平均分子量は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されたものである。
・GPC条件
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
【0028】
また、上記条件でのGPC法で得られる分子量分布を示すチャートのパターンにおいて、分子量10万以上の面積が当該チャート全体の面積の5%以下であることが、分散性(必要添加量低減)や粘性低減効果の点でより好ましい。
【0029】
一方、本発明の重合体としては、全構成単位中、構成単位I、II及びIIIの合計が95平均モル%以上、構成単位II及びIIIの合計が2〜70平均重量%且つ5〜95平均モル%であるという条件を満たし、且つ、構成単位Iの全構成単位中の割合Z(平均モル%)が、200/n〜6500/n(nは構成単位I中の全AO平均付加モル数)であるもの、言い換えると、構成単位Iの全構成単位中の割合Zと構成単位I中の全AO平均付加モル数nとの積(Z×n)が200〜6500(単位なしとする)、好ましくは250〜6000、より好ましくは300〜5500であるものも、水硬性粉体の分散用として好適である。この積は、本発明の重合体の親水性度であると考えられるため、フレッシュコンクリートのような高塩濃度下での溶解性の尺度となる。この積が200〜6500であるものは、耐塩性があり、且つ水硬性粉体への吸着性を確保できるため、水硬性粉体の分散性や粘性低減、特に分散性に優れた効果を奏するものと思われる。
【0030】
本発明の水硬性粉体分散用重合体のさらに好ましい態様を説明する。
【0031】
《構成単位I》
一般式(イ)中のR3は水素原子が好ましく、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基が好ましく、エチレンオキシ基(以下、EO基)を含むことがより好ましく、EO基が70モル%以上、更に80モル%以上、更に90モル%以上、特に全AOがEO基であることが好ましい。また、Xは水素原子又は炭素数1〜18、更に1〜12、更に1〜4、更に1、2のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。具体的には、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステル、ω−メトキシポリオキシアルキレンアクリル酸エステル等を挙げることができ、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステルがより好ましい。ここで、(イ)式中のnは、重合体の水硬性組成物に対する分散性と粘性付与効果の点で、3〜200であり、好ましくは4〜120である。また、平均n個の繰り返し単位中にAOが異なるもので、ランダム付加又はブロック付加又はこれらの混在を含むものであっても良い。AOは、EO基以外にもプロピレンオキシ基等を含むこともできるが、EO基のみであることが好ましい。
【0032】
《構成単位II》
構成単位IIの由来となる単量体(ロ)としては、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリルエステル、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)アクリルエステル、ポリアルキレレングリコールモノ(メタ)アクリレートアシッドリン酸エステル等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリルエステルが好ましい。
【0033】
《構成単位III》
構成単位IIIの由来となる単量体(ハ)としては、リン酸ジ−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルエステル、リン酸ジ(2−ヒドロキシエチル)アクリルエステル等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸ジ−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルエステルが好ましい。
【0034】
単量体(ロ)、(ハ)の何れも、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
【0035】
また、単量体(ロ)、(ハ)としては、モノエステル体とジエステル体とを含む市販品を使用することができ、例えば、ホスマーM、ホスマーPE、ホスマーP(ユニケミカル)、JAMP514、JAMP514P、JMP100(何れも城北化学)、ライトエステルP−1M、ライトアクリレートP−1A(いずれも共栄社化学)、MR200(大八化学)、カヤマー(日本化薬)などとして入手できる。
【0036】
《構成単位II及びIIIの構成比》
工業的には、通常、リン酸エステル単量体は、モノエステル体(単量体(ロ))とジエステル体(単量体(ハ))を含む混合物として入手される。このうち、ジエステル体は架橋により高分子量化(ゲル化)しやすいため、その性質を利用した分野、例えば増粘剤、接着剤、被覆剤等の用途では、このような混合物を製造上の制限をあまり受けることなく好適に使用できる。一方、水硬性組成物用の混和剤(分散剤、減水剤等)では、リン酸基を含む重合体は水硬性物質に対する吸着力に優れるため好ましいが、高分子量化すると分散性や粘性低減化効果が低下し、取り扱い性の点でも好ましくない。しかしながら、水硬性組成物の用途や経済的な性質からして、かかるリン酸エステルの混合物からモノエステル体とジエステル体とを分離して原料とすることは工業的に不利である。
【0037】
流動性及び粘性低減性の観点からは、モノエステル体を多く含有している方が良好であるが、ジエステル体を多く含有する場合でも、単量体(イ)との共重合モル比を制御することで、流動性や粘性低減性を調整することができる。
【0038】
また、本発明では、反応に用いる全単量体中、構成単位IIIの由来となる単量体(ハ)の比率を1〜60平均モル%、更に1〜30平均モル%とすることが好ましい。また、構成単位IIと構成単位IIIのモル比を、構成単位II/構成単位III=99/1〜4/96、更に99/1〜5/95とすることが好ましく、これは仕込み時の単量体(ロ)/単量体(ハ)のモル比をこの範囲とすればよい。このような範囲で構成単位IIIの由来となる単量体(ハ)を含有する単量体原料は、一般にゲル化が著しいと予想されるため、通常は水硬性組成物用分散剤のための重合体の製造原料としては用いられていない。しかし、本発明では、単量体(ロ)及び/又は単量体(ハ)を含む単量体溶液のpHを、好ましくは7以下で反応に用いることで、ゲル化が抑制され、水硬性組成物用分散剤として好適な重合体を工業的に実用性のあるレベルで製造することができる。
【0039】
《任意成分》
本発明に係る重合体の製造においては、上記単量体(イ)〜(ハ)の他に、共重合可能なその他の単量体を用いることもできる。共重合可能な他の単量体としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、これら何れかのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩を挙げることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などのアクリル酸系単量体を挙げることができ、またこれらの何れか1種以上のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、メチルエステル、エチルエステルや無水マレイン酸などの無水化合物であっても良い。更に、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メタスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−エタンスルホン酸 、2−(メタ)アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸などが挙げられる。
【0040】
《重量平均分子量》
本発明の重合体の重量平均分子量は、分散性(必要添加量低減)や粘性低減効果の点で、5,000〜500,000、更に5,000〜100,000、特に10,000〜80,000が好ましい。
【0041】
《製造方法》
本発明の重合体は、適当な溶媒により調製した上記単量体(イ)及び/又は単量体(ロ)及び/又は単量体(ハ)を含有する単量体溶液を、好ましくは所定量の連鎖移動剤の存在下で、他の単量体と、好ましくはpH7以下で共重合させることにより得ることができる。また、共重合可能な他の単量体や重合開始剤等を用いても良い。その際、本発明では、(I)反応開始前の反応系の20℃でのpH、(II)反応途中で採取した反応液の20℃でのpHを、反応中のpHとする。通常は、反応中のpHが7以下となることが明らかな条件(単量体比率、溶媒、その他の成分等)で反応を開始すればよい。また、単量体(イ)〜(ハ)の反応温度は、40〜100℃、更に60〜90℃が好ましく、反応圧力はゲージ圧で101.3〜111.5kPa(1〜1.1atm)、更に101.3〜106.4kPa(1〜1.05atm)が好ましい。
【0042】
具体的には、以下の方法が挙げられる。
(i)単量体(イ)〜(ハ)を含む単量体溶液のpHを7以下に調整して共重合反応を開始する。
(ii)単量体(イ)〜(ハ)を含む単量体溶液(pHは任意であるが7以下が好ましい。)を、反応系に滴下する。
(iii)単量体(イ)を含む単量体溶液(pHは任意であるが7以下が好ましい。)と、単量体(ロ)を含む単量体溶液(pHは任意であるが7以下が好ましい。)と、単量体(ハ)を含む単量体溶液(pHは任意であるが7以下が好ましい。)を、別々に反応系に滴下する。
(iv)上記を適宜組み合わせて反応を行う。例えば、単量体(イ)〜(ハ)を含む単量体溶液(pHは任意であるが7以下が好ましい。)の一部を反応系に仕込んでおき、残りの単量体溶液を反応系に滴下する。
【0043】
上記、(iii)及び(iv)では、設定した単量体モル比から逸脱せぬよう、滴下する単量体溶液の滴下条件を制御する必要がある。また、上記(ii)〜(iv)では、滴下した単量体(イ)〜(ハ)を含む反応系のpHが7以下、更に4以下となるよう、その他の反応条件を考慮することが好ましい。また、単量体(ロ)を含む単量体溶液及び単量体(ハ)を含む単量体溶液及び単量体(ロ)と単量体(ハ)を含む単量体溶液は、単量体成分として、単量体(ロ)のみ、あるいは単量体(ハ)のみ、あるいは単量体(ロ)と単量体(ハ)のみを含むことが好ましい。
【0044】
単量体(イ)〜(ハ)の反応には、チオール系連鎖移動剤、ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤等が挙げられ、チオール系連鎖移動剤等の連鎖移動剤を使用することが好ましい。また、過硫酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩あるいは過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等の水溶性アゾ化合物のような重合開始剤を使用することが好ましい。本発明の重合体の製造方法は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールアセトン、メチルエチルケトン等の水溶性有機溶媒を用いた溶媒重合法で実施することができる。
【0045】
本発明の重合体の製造方法の一例を示す。反応容器に所定量の水を仕込み、窒素等の不活性気体で雰囲気を置換し昇温する。予め単量体(イ)、単量体(ロ)、単量体(ハ)、連鎖移動剤を水に混合溶解したものと、重合開始剤を水に溶解したものとを用意し、0.5〜5時間かけて反応容器に滴下する。その際、各単量体、連鎖移動剤及び重合開始剤を別々に滴下してもよく、また、単量体の混合溶液を予め反応容器に仕込み、重合開始剤のみを滴下することも可能である。すなわち、連鎖移動剤、重合開始剤、その他の添加剤は、単量体溶液とは別に添加剤溶液として添加しても良いし、単量体溶液に配合して添加してもよいが、重合の安定性の観点からは、単量体溶液とは別に添加剤溶液として反応系に供給することが好ましい。何れの方法でも、仕込み原料の合計濃度が、水を含む重合系において、15〜50重量%、更に20〜40重量%となるようにすることが好ましい。また、何れの場合も、単量体(ロ)及び/又は単量体(ハ)を含有する溶液はpH7以下が好ましい。また、アルカリ剤等により、pHを7以下に維持して共重合反応を行い、好ましくは所定時間の熟成を行う。なお、重合開始剤は、全量を単量体と同時に滴下しても良いし、分割して添加しても良いが、分割して添加することが未反応単量体の低減の点では好ましい。例えば、最終的に使用する重合開始剤の全量中、1/2〜2/3の重合開始剤を単量体と同時に添加し、残部を単量体滴下終了後1〜2時間熟成した後、添加することが好ましい。必要に応じ、熟成終了後に更にアルカリ剤(水酸化ナトリウム等)で中和し、本発明に係るリン酸エステル系ポリマーを得る。本発明では、単量体(イ)と単量体(ロ)と単量体(ハ)とを、pH7以下で共重合することが好ましい。また、単量体(ロ)及び単量体(ハ)の両方を含む単量体溶液のpHが7以下であることが好ましい。
【0046】
《水硬性組成物用分散剤》
本発明の重合体は、水硬性組成物用分散剤として、各種セメントを始めとし、水和反応によって硬化性を示すあらゆる無機系の水硬性粉体に使用することができる。本発明の重合体を含有する水硬性組成物用分散剤は粉末状でも液体状でもよい。液体状の場合は、作業性、環境負荷低減の観点から、水を溶媒ないし分散媒とするもの(水溶液等)が好ましい。本発明の分散剤中、本発明の重合体の含有量は、固形分中、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは15〜100重量%、更に好ましくは20〜100重量%である。また、液体状の場合、固形分濃度は、製造容易性、作業性の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは20〜35重量%である。また、本発明の分散剤は、水硬性粉体100重量部に対し、重合体の固形分濃度で0.02〜1重量部、0.04〜0.4重量部の比率で用いられることが、分散効果の点で好ましい。
【0047】
本発明の水硬性組成物用分散剤は、その他の添加剤(材)を含有することもできる。例えば、樹脂石鹸、飽和もしくは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)、アルカンスルホネート、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル(塩)、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル(塩)、蛋白質材料、アルケニルコハク酸、α−オレフィンスルホネート等のAE剤;グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸等のオキシカルボン酸系、デキストリン、単糖類、オリゴ糖類、多糖類等の糖系、糖アルコール系等の遅延剤;起泡剤;増粘剤;珪砂;AE減水剤;塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、沃化カルシウム等の可溶性カルシウム塩、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物等、硫酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸塩、チオ硫酸塩、蟻酸(塩)、アルカノールアミン等の早強剤又は促進剤;発泡剤;樹脂酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス等の防水剤;高炉スラグ;流動化剤;ジメチルポリシロキサン系、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル系、鉱油系、油脂系、オキシアルキレン系、アルコール系、アミド系等の消泡剤;防泡剤;フライアッシュ;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系、ポリマレイン酸系等の高性能減水剤;シリカヒューム;亜硝酸塩、燐酸塩、酸化亜鉛等の防錆剤;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、β−1,3−グルカン、キサンタンガム等の天然物系、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、オレイルアルコールのエチレンオキシド付加物もしくはこれとビニルシクロヘキセンジエポキシドとの反応物等の合成系等の水溶性高分子;(メタ)アクリル酸アルキル等の高分子エマルジョンが挙げられる。
【0048】
また、本発明の水硬性組成物用分散剤は、生コンクリート、コンクリート振動製品分野の外、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、石膏スラリー用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、グラウト用、寒中用等の種々のコンクリートの何れの分野においても有用である。
【0049】
《水硬性組成物》
また、本発明の分散剤の対象となる水硬性組成物は、水/水硬性粉体比〔水硬性組成物中の水と水硬性粉体の重量百分率(重量%)、以下、W/Pと表記する。〕が65%以下、更に10〜60%、より更に12〜57%、特に15〜55%、更に20〜55%であってもよい。
【0050】
以上説明した本発明によれば、上記一般式(イ)で表される単量体、上記一般式(ロ)で表される単量体及び上記一般式(ハ)で表される単量体を、全単量体中、一般式(イ)で表される単量体、一般式(ロ)で表される単量体及び一般式(ハ)で表される単量体の合計が95モル%以上、一般式(ロ)で表される単量体と一般式(ハ)で表される単量体の合計が2〜70重量%且つ5〜95モル%、一般式(ハ)で表される単量体の比率が1〜60モル%の条件で、連鎖移動剤の存在下で共重合してなり、前記式(1)で表される流動指数(F値)が0.1〜0.9である水硬性粉体分散用重合体が提供される。
【0051】
また、本発明によれば、上記一般式(イ)で表される単量体、上記一般式(ロ)で表される単量体及び上記一般式(ハ)で表される単量体を、全単量体中、一般式(イ)で表される単量体、一般式(ロ)で表される単量体及び一般式(ハ)で表される単量体の合計が95モル%以上、一般式(ロ)で表される単量体と一般式(ハ)で表される単量体の合計が2〜70重量%且つ5〜95モル%、一般式(ハ)で表される単量体の比率が1〜60モル%の条件で、連鎖移動剤の存在下で共重合してなり、一般式(イ)で表される単量体に由来する構成単位Iの全構成単位中の割合Z(モル%)と構成単位I中の全平均付加モル数nとの積が200〜6500である水硬性粉体分散用重合体が提供される。
【0052】
また、本発明によれば、上記一般式(イ)で表される単量体、上記一般式(ロ)で表される単量体及び上記一般式(ハ)で表される単量体を、全単量体中、一般式(イ)で表される単量体、一般式(ロ)で表される単量体及び一般式(ハ)で表される単量体の合計が95モル%以上、一般式(ロ)で表される単量体と一般式(ハ)で表される単量体の合計が2〜70重量%且つ5〜95モル%、一般式(ハ)で表される単量体の比率が1〜60モル%の条件で、前記式(1)で表される流動指数(F値)が0.1〜0.9となるように、連鎖移動剤の存在下で共重合する水硬性粉体分散用重合体の製造方法が提供される。
【0053】
また、本発明によれば、上記一般式(イ)で表される単量体、上記一般式(ロ)で表される単量体及び上記一般式(ハ)で表される単量体を、全単量体中、一般式(イ)で表される単量体、一般式(ロ)で表される単量体及び一般式(ハ)で表される単量体の合計が95モル%以上、一般式(ロ)で表される単量体と一般式(ハ)で表される単量体の合計が2〜70重量%且つ5〜95モル%、一般式(ハ)で表される単量体の比率が1〜60モル%の条件で、一般式(イ)で表される単量体に由来する構成単位Iの全構成単位中の割合Z(モル%)と構成単位I中の全平均付加モル数nとの積が200〜6500となるように、連鎖移動剤の存在下で共重合する水硬性粉体分散用重合体の製造方法が提供される。
【実施例】
【0054】
表2、3に示す仕込み比率で単量体を共重合して得られた表2、3の重合体を用いて、表1の配合のモルタルに対する試験を行った。結果を表4に示す。評価は、分散性及び粘性を、以下の方法で行った。
【0055】
(1)モルタル配合
【表1】

【0056】
表1中の使用材料は以下のものである。
C:普通セメント(太平洋/住友大阪セメント2社混合)
W:イオン交換水
S:千葉県君津産山砂(3.5mm通過品)
【0057】
(2)モルタルの調製
容器(1Lステンレスビーカー)に、表1の配合成分を投入し、撹拌機としてEYELA製Z−2310(東京理化器械、撹拌棒高さ50mm×6本/長さ110mm)を用い、200rpmで3分間混練し、モルタルを調製した。なお、必要に応じて消泡剤を添加し、連行空気量が2%以下となるように調整した。
【0058】
(3)評価
(3−1)分散性
上部開口径が70mm、下部開口径が100mm、高さ60mmのコーンを使用し、モルタルフロー値が200mmとなるのに必要な重合体の添加量(対セメント有効分重量%、表中は%で示す)により分散性を評価した。なお、このモルタルフロー値の200mmは、モルタルフロー値の最大値と、該最大値を与える線分の1/2の長さで直交する方向で測定したモルタルフロー値との平均値である。添加量が小さい程、分散性が強いことを現す。この評価では、添加量が0.3%以下であることが望ましい。
【0059】
(3−2)粘性
図1に示すトルク試験機に記録計を接続し、モルタルのトルクを測定する。予め、図2に示すポリエチレングリコール(重量平均分子量20,000)で作成したトルク−粘度の関係式より、モルタルのトルクから粘性を算出した。ポリエチレングリコールのトルク−粘度関係式作成時に、モニター出力60W、出力信号DC0−5Vにより、記録計からトルク出力電圧値(mV)が記録される。この評価では、モルタル粘性が4200mPa・s以下であることが望ましい。
【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
【表4】

【0063】
*1:比較例1は、その他の単量体として、メタリルスルホン酸ナトリウムを用いた。
*2:比較例8は、その他の単量体として、メタクリル酸を用いた。
*3:実施例23は、実施例2の共重合体と実施例5の共重合体を、実施例2/実施例5=50/50の重量比で用いた。
*4:実施例24は、実施例7の共重合体と実施例11の共重合体を、実施例2/実施例5=50/50の重量比で用いた。
また、表中の記号は以下のものである。
・MEPEG−E:ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
・HEMA−MPE:2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノリン酸エステル
・HEMA−DPE:2−ヒドロキシエチルメタクリレートジリン酸エステル
・Mw:重量平均分子量
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例、比較例で粘性の測定に用いたトルク試験機と記録計の概略図
【図2】実施例、比較例で粘性の算出に用いたポリエチレングリコール(重量平均分子量20,000)によるトルク−粘度の関係式

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(イ)で表される単量体由来の構成単位I、下記一般式(ロ)で表される単量体由来の構成単位II及び下記一般式(ハ)で表される単量体由来の構成単位IIIとを含む水硬性粉体分散用重合体であって、全構成単位中、構成単位I、II及びIIIの合計が95平均モル%以上、構成単位II及びIIIの合計が2〜70平均重量%且つ5〜95平均モル%であり、下記式(1)で表される流動指数(以下、F値)が0.1〜0.9である水硬性粉体分散用重合体。
【化1】


〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は−COO(AO)nX、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、nはAOの全平均付加モル数であり、3〜200の数、Xは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
【化2】


〔式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜20の数を表す。〕
【化3】


〔式中、R6、R8は、それぞれ水素原子又はメチル基、R7、R9は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜20の数を表す。〕
流動指数(F値)≡(WB+WC)/(MB+MC) (1)
〔式(1)中、
Bは、構成単位IIの酸型換算での重合体中の平均重量%、
Cは、構成単位IIIの酸型換算での重合体中の平均重量%、
Bは、構成単位IIの酸型換算での重合体中の平均モル%、
Cは、構成単位IIIの酸型換算での重合体中の平均モル%
である。〕
【請求項2】
下記式(2)で表される粘性指数(以下、D値)が200〜12000である請求項1記載の水硬性粉体分散用重合体。
粘性指数(D値)≡MW/(WB+WC) (2)
〔式(2)中、
Wは、水硬性粉体分散用重合体の重量平均分子量、
Bは、構成単位IIの酸型換算での重合体中の平均重量%、
Cは、構成単位IIIの酸型換算での重合体中の平均重量%
である。〕
【請求項3】
下記一般式(イ)で表される単量体由来の構成単位I、下記一般式(ロ)で表される単量体由来の構成単位II及び下記一般式(ハ)で表される単量体由来の構成単位IIIとを含む水硬性粉体分散用重合体であって、全構成単位中、構成単位I、II及びIIIの合計が95平均モル%以上、構成単位II及びIIIの合計が2〜70平均重量%且つ5〜95平均モル%であり、構成単位Iの全構成単位中の割合Z(平均モル%)が、200/n〜6500/n(nは構成単位I中の全AO平均付加モル数)である水硬性粉体分散用重合体。
【化4】


〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は−COO(AO)nX、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、nはAOの全平均付加モル数であり、3〜200の数、Xは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
【化5】


〔式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜20の数を表す。〕
【化6】


〔式中、R6、R8は、それぞれ水素原子又はメチル基、R7、R9は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜20の数を表す。〕
【請求項4】
請求項1〜3いずれか記載の水硬性粉体分散用重合体を含有する水硬性組成物用分散剤。
【請求項5】
水硬性粉体、水及び請求項4記載の水硬性組成物用分散剤を含有する水硬性組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−137627(P2006−137627A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327242(P2004−327242)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】