説明

水素分離体及び水素分離装置

【課題】自立膜タイプの膜厚の薄い水素透過膜の変形を防いで損傷を防止することができ、水素の透過性に優れた水素分離体及び水素分離装置を提供すること。
【解決手段】金属又は合金製の水素透過膜と、該水素透過膜を両面から支持する一対の多孔質材から成る支持板を備え、上記一対の支持板の一方と他方とで機械的強度が異なる、水素分離体である。
また、上記水素分離体と、該水素分離体を間に挟んで、該水素分離体の両側にガス室を形成する一対の金属製の筺体部材を備え、上記水素分離体の接合部又は接合部材と、上記金属製の筺体部材の縁部を接合した水素分離装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素を含む混合ガスから水素ガスを取り出すのに用いられる水素透過膜を備えた水素分離体及び水素分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素透過膜は、水素ガス及び水素を含む混合ガスから水素ガスを選択的に取り出すために使用されている。水素透過膜としては、水素の吸着、解離、拡散、結合する能力を有するものが使用されており、代表的な水素透過膜として、例えば、パラジウム(Pd)系合金から成るものが挙げられる。このパラジウム(Pd)は貴金属であり、高価であるために、バナジウム(V)系やネオジム(Nd)系などの水素透過膜の研究も盛んに行われている。
【0003】
近年、地球環境問題への関心の高まりから、燃料電池の開発が盛んに行われており、液体燃料等から触媒等によって改質された水素を選択的に得るために、水素透過膜が必要となってきている。また、燃料電池に限らず、例えば、内燃機関等の水素を必要とする部位に水素を供給するために、水素透過膜の利用が検討されている。
例えば、燃料電池の車体への搭載を考慮した場合、燃料電池システム全体の体積(容積)は、可能な限り小さくすることが好ましい。燃料電池システムを小さくするためには、燃料源として水素ガスよりも液体燃料を用いることが望ましく、液体燃料を用いる場合は、該燃料から改質された水素を選択的に取り出すことのできる水素透過膜の機能が重要となる。
【0004】
従来、水素透過膜としては、多孔質支持体の表面に、Pd又はPd合金製の水素透過膜を、メッキ、CVD(気相化学反応)、スパッタリング、イオンプレーティング、蒸着などの方法によって成膜した成膜タイプのものが知られている(例えば、特許文献1)。
水素透過膜は、膜厚が薄いほど、水素の透過性を向上させることができる。水素透過膜の膜厚が薄ければ、多孔質支持体と水素透過膜を備えた水素分離体の体積(容積)も小さくすることができ、例えば、車体に搭載する燃料電池に用いる場合に好適である。
例えば、水素分離膜の膜厚を10分の1(1/10)にした場合、透過性は10倍になり、水素分離体の体積(容積)も10分の1(1/10)にすることが可能となる。また、この場合、水素分離膜を形成するために必要となるPdの使用量は、100分の1(1/100)となり、Pdの使用量を削減して、大幅にコストを低減することが可能となる。
【特許文献1】特開2002−336664号公報
【0005】
また、水素透過膜として、金属製又は合金製の自立膜タイプの水素透過膜も検討されている。自立膜タイプの水素透過膜は、上述の成膜タイプのように、多孔質支持体上に水素透過膜を成膜する必要がないため、より薄膜化することが可能となる。一方、水素透過膜を薄膜化したために、十分な強度を得ることができず、強度を補うために、水素透過膜を保持する構造が必要となる。
【0006】
このような自立膜タイプの水素透過膜を保持する構造として、水素透過膜を、多数の貫通孔を備えた一対の金属製のプレートで挟持する構造が提案されている(特許文献2)。
この構造では、一方と他方の金属製のプレートに形成された各々の貫通孔が、水素透過膜を介して連通するように形成されている。また、水素透過膜を支持する金属製のプレートには、貫通孔以外の水素透過膜と接触する接触面の端部に、水素透過膜との接触面に対する角度が鈍角になるように設定された鈍角面が形成されている。
【特許文献2】特開2003−165710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、かかる従来の技術において、例えば、上記特許文献1の成膜タイプの水素透過膜にあっては、水素透過膜を成膜する多孔質支持体の孔径が大きいと、ピンホール等が形成され易くなるという問題がある。この問題を避けるために、膜厚を厚くするか、多孔質支持体の孔径を小さくする必要があり、どちらの方法を採用しても、水素の透過性が低くなるという問題がある。
【0008】
一方、上記特許文献2の自立膜タイプの水素透過膜にあっては、薄膜化された水素透過膜の変形が生じやすく、水素透過膜が損傷し易いという問題がある。水素透過膜は、供給側の水素分圧と抽出側の水素分圧との圧力差を利用して、水素を選択的に透過させているため、この圧力差によって、水素透過膜が変形し易く、この変形から損傷が生じ易い。また、水素透過膜は、水素の吸蔵による体積膨張や熱による熱膨張によっても、膜が変形し易く、この変形からも損傷が生じ易い。例えば、燃料電池に使用した水素透過膜に損傷が生じてしまうと、電極等に含まれる白金(Pt)等が被毒し、燃料電池の出力が低下してしまうという問題がある。
【0009】
また、上記特許文献2の水素分離装置は、水素透過膜を保持する金属製のプレートの接触面の端部に、該接触面に対する角度が鈍角になるように設定した鈍角面を形成して、供給側と抽出側の圧力差により水素透過膜が金属製のプレートから受ける応力を小さくしようとしている。しかし、貫通孔の孔径や圧力差の大きさなどによっては、プレートから受ける応力を小さくしても、水素透過膜の変形を防止することができず、水素透過膜の損傷が避けられない場合もある。
【0010】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自立膜タイプの水素透過膜の大きな変形を防いで損傷を防止することが可能な、水素の透過性に優れた水素分離体、及び、これを用いたものであって、簡易な構成でシール性に優れた水素分離装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、金属又は合金製の水素透過膜を、一対の多孔質材からなる支持板で両面から支持し、該一対の支持板の一方と他方とを有意に異ならせることなどによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明の水素分離体は、金属又は合金製の水素透過膜と、該水素透過膜を両面から支持する一対の多孔質材から成る支持板を備えたものであり、この一対の支持板は、一方と他方とで機械的強度が異なるものである。
【0013】
また、本発明の水素分離装置は、上記水素分離体と、該水素分離体を間に挟んで、該水素分離体の両側にガス室を形成する一対の金属製の筺体部材を備えたものであり、上記水素分離体の接合部又は接合部材と、上記金属製の筺体部材の縁部を接合して成るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金属又は合金製の水素透過膜を、一方と他方とで有意に異ならせるようにした一対の多孔質材から成る支持板で支持するようにしたので、水素透過膜が変形しにくく、水素透過膜の大きな変形に起因する損傷を防止することができ、水素の透過性に優れた水素分離体を提供することができる。
また、本発明によれば、上記水素分離体を、この水素分離体の両側にガス室を形成する一対の金属製の筺体部材で挟んで、この金属製の筺体部材の縁部と水素分離体の縁部周囲に形成された接合部又は接合部材とを接合するようにしたので、簡易な構造でシール性と水素の透過性に優れた水素分離装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の水素分離体につき詳細に説明する。
上述の如く、本発明の水素分離体は、金属又は合金製の水素透過膜と、該水素透過膜を両面から支持する一対の多孔質材から成る支持板を備え、上記一対の支持板の一方と他方とで機械的強度が異なるものである。
【0016】
水素透過膜としては、例えば、Pd製のものや、Pd系合金、V系合金、Nd系合金、Zr系合金のものが挙げられる。
水素透過膜は、その膜厚が薄いものほど、水素の透過性が向上されることから、好ましくは膜厚が5〜10μm、より好ましくは、大きな変形が生じにくい程度の厚さであって膜厚が5μm以下のものを使用する。
【0017】
水素透過膜を両面から支持する一対の多孔質材からなる支持板としては、一方と他方とで、例えば、材質、厚さ、空隙率、孔径等が異なることにより、機械的強度が異なるようにしたものであることが好ましい。
このように、水素透過膜を両面から支持する一対の支持板の一方と他方との機械的強度が異なるようにしたことによって、水素透過膜の変形を防止することができる。
次に、本発明の水素分離体の構成によって、水素透過膜の変形を防止することが可能となるメカニズムについて説明する。
【0018】
図1〜5は、水素透過膜の供給側と透過側のうち、透過側の面を多孔質材から成る支持板で支持した場合に、水素透過膜に変形(皺)が生じ、該変形(皺)に起因して、水素透過膜に損傷が生じる状態を示す説明図である。
図1〜3は、一方の面のみが支持板で支持された水素透過膜に変形が生じる状態を示す断面図であり、図4及び5は、皺及び損傷が生じた水素透過膜を説明する写真(平面図)である。
【0019】
図1に示すように、水素透過膜の水素の透過側の面が支持板2で支持された水素透過膜1は、熱膨張や水素による体積膨張により、水素透過膜1の一部が支持板2から浮き上がって、支持板2のない側(供給側)に突出するように変形(変形部1a)する(図2)。
水素透過膜1の供給側と透過側とでは、一般的に、供給側(燃料電池に用いる場合は、燃料の混合ガスを改質する改質側)の方が透過側より圧力が高いため、供給側に突出した水素透過膜は、供給側の圧力を受けて鋭角状に押し潰され、先端が尖った状態の大きな皺(変形部1a’)が形成される(図3及び図4)。
この大きな皺(変形部1a’)は、水素透過膜1の供給側と透過側の圧力差が緩和されたり、水素透過膜から水素が全て放出されたり、温度が下がると、再び、図2の過程を経て、図1の状態に戻ろうとする。
水素透過膜の使用条件によっては、図1の状態、図2の状態、図3の状態、再び、図2の状態と、水素透過膜の変形が繰り返され、最終的には、皺の頂部に亀裂が入り、水素透過膜が損傷する(図5)。
【0020】
上述のような大きな皺は、水素の供給側から受けた高い圧力によって、水素透過膜の膨張部分が集中して、生成されると考えられる。
一方、小さな皺の生成は、水素透過膜に大きな皺が生成されるのを防ぐため、小さな皺の生成に止めることができれば、水素透過膜の損傷につながりにくい。
【0021】
本発明の水素分離体は、圧力差が異なる水素透過膜の供給側と透過側に、圧力差に応じて各々機械的強度が異なる支持板を設け、この一対の支持板によって水素透過膜にかかる皺を作る応力を水素透過膜の両面に分散するようにしているので、大きな皺が生成されにくく、水素透過膜に変形が生じたとしても、小さな皺の生成に止まるので、水素透過膜の損傷を防ぐことができる。
一般的に、水素透過膜の供給側と透過側では、供給側の方が透過側よりも圧力が高いので、供給側の圧力を受ける透過側に、機械的強度の大きい支持板を設け、供給側に機械的強度の小さい支持板を設けることが好ましい。
【0022】
このように、本発明の水素分離体は、自立膜タイプの厚さの薄い水素透過膜を使用した場合であっても、水素透過膜の大きな変形を防ぎ、水素透過膜の損傷を防止することができるので、厚さの薄い自立膜タイプの水素透過膜を使用して、水素分離体又は水素分離装置を小型化(薄型化)することができる。
【0023】
例えば、一対の支持板の各々を異なる材質で形成することにより、一方と他方とで機械的強度を異なるようにすることができる。例えば、一方の供給側にセラミック製の支持板を設け、他方の透過側に金属製の支持板を設けることが好ましい。
【0024】
次に、本発明の水素分離体の実施形態の例(実施形態1〜14)を図面に基づき説明する。本発明の水素分離体は、図6〜21に示す実施形態に限定されるものではない。各図面に共通する部材には、同一の符号を付した。
【0025】
(実施形態1)
図6に示すように、本発明の実施形態1の水素分離体10は、水素透過膜1の供給側(改質側)に厚さの薄い支持板2aを設け、水素透過膜1の透過側に厚さの厚い支持板2bを設けている。なお、図6中、符号20は、支持板2a,2bを合金化して接合した接合部を示す。
このように、水素透過膜を両面から支持する支持板の一方と他方との厚さを変えることにより、機械的強度が異なるようにしてもよい。
この場合は、例えば、水素透過膜の供給側の支持板の厚さを薄くし、水素透過膜の透過側の支持板の厚さを厚くすることが好ましい。
【0026】
図7は、両面から機械的強度の異なる一対の支持板で支持された水素透過1に形成された変形(皺)の状態を示す写真(平面図)である。
図7に示すように、水素透過膜1は、両面から機械的強度の異なる一対の支持板で支持されることによって、水素透過膜1には、大きな変形(皺)が生じておらず、小さな変形(皺)の生成に止まっており、損傷が生じにくくなっていることが確認できる。
【0027】
一対の支持板のうち、水素透過膜の供給側に設ける支持板の厚さは、部材の通気率により異なるが0.5mm程度が好ましい。
【0028】
また、図示を省略したが、水素透過膜1の供給側(改質側)に空隙率の大きい支持板を設け、水素透過膜の透過側に空隙率の小さい支持板を設けて水素分離体1を形成してもよい。
このように、水素透過膜を両面から支持する支持板の一方と他方との空隙率を変えることにより、機械的強度が異なるようにしてもよい。
【0029】
一対の支持板のうち、水素透過膜の供給側に設ける支持板の空隙率は、水素透過膜表面への水素の到達を容易にするため、水素透過膜の透過側に設ける空隙率より高く設定する必要がある。各々の好ましい空隙率は多孔質体の素材により異なる。
【0030】
(実施形態2)
図8は、本発明の水素分離体の実施形態2を示し、水素分離体10は、水素透過膜1の供給側(改質側)に孔径の大きい支持板2cを備え、水素透過膜の透過側に孔径の小さい支持板2dを備えている。
一対の支持板の各々の孔径が異なることにより、一方と他方とで機械的強度が異なるようにすることができる。
例えば、供給側の支持体2cの平均細孔径Aと、透過側の支持体2dの平均細孔径Bを、A>Bにし、供給側の支持体2cの平均細孔径Aを、透過側の支持体2dの平均細孔径Bよりも疎にして、透過側の支持体2dの機械的強度を向上させてもよい。このように、透過側の支持板2dの機械的強度が大きいと、供給側から透過側にかかる大きな圧力により変形を生じることなく、水素透過膜1の膨張による変形を分散させ、水素透過膜1に大きな変形(皺)が生成されるのを防止することができる。
【0031】
水素透過膜の透過側に設ける支持板の平均細孔径は、少なくとも0.5μm程度の大きさが必要である。一方、水素透過膜の供給側に設ける支持板の平均細孔径は、水素透過膜表面への水素の到達を容易にするため、透過側に設ける支持板の平均細孔径よりかなり大きな孔径が必要である。水素透過膜の供給側に設ける支持板の平均細孔径は、通気率を顧慮して定める必要がある。
【0032】
(実施形態3)
図9は、本発明の水素分離体の実施形態3を示す。本例の水素分離体は、一対の支持板の一方と他方とで孔径を変える手段として、例えば、供給側に、金属製の網状体を支持板2eとして備え、透過側に、金属製の多孔質材から成る板状体を支持板2fとして備えている。
水素透過膜1の供給側に網状体である支持板2eを設けた場合(図10(a)参照)、熱と水素の透過により網状体である支持板2eが変形し、この変形に伴って水素透過膜1も変形するが、網状体である支持板2eによって、水素透過膜1の局所的な大きな変形が防止され、水素透過膜1の変形が分散されて、一定の間隔で小さく変形するので、水素透過膜1の損傷を防ぐことができる(図10(b)参照)。
なお、金属製の網状体を支持板として用いる場合は、水素透過膜と接触側の面に、後述する合金化阻止部を形成することが好ましい。
【0033】
(実施形態4)
図11(a)及び(b)は、本発明の水素分離体の実施形態4を示す。本例の水素分離体10は、水素分離体10を構成する一対の支持板2g,2hのうち、少なくとも一方の支持板2gが、水素透過膜1の対向面から裏面に連通する連通孔3aを有するものである。 支持板2gが連通孔3aを有することにより、一対の支持板2g,2hの一方と他方とで機械的強度を異ならせるようにすることができる。
図11(a)及び(b)に示すように、支持板2gは、水素透過膜1の対向面から裏面に連通する連通孔3aを有することによって、供給側で改質された水素ガスの水素透過膜1への供給量を増大することができ、水素透過膜1を通して、水素ガスを透過側に多量に供給することができるようになる。
【0034】
(実施形態5)
また、図12は、本発明の水素分離体の実施形態5を示し、本例のように、水素分離体の支持板2gに形成する連通孔3bは、水素透過膜の対向面と裏面とで孔径が異なるように形成してもよい。例えば、支持板の裏面(水素透過膜と接触しない面、即ち、供給側の面)の孔径を大きくし、その一方で、支持板の水素透過膜との対向面(水素透過膜側の面)の孔径を小さく形成することによって、供給側で改質された水素ガスの水素透過膜への供給量を増大することができる。
【0035】
(実施形態6)
図13は、本発明の水素分離体の実施形態6を示す。図13に示すように、水素分離体10は、一対の支持板2i,2jのうち、少なくとも一方の支持板2iに、例えば、水素を選択的に透過させる、分子ふるいの機能を有する選択機能層4を設けた例を示す。この選択機能層4は、例えば、水素透過膜1の供給側に設ける支持板2iの水素透過膜1との対向面に設けることが好ましい。
例えば、本発明の水素分離体10を燃料電池に用いた場合、供給側の混合ガス中に、一酸化炭素や二酸化炭素、水、メタン等が含まれている場合、水素以外の水素透過を阻害する物質が水素透過膜に流通すると水素の透過が阻害される。このため、支持板2iに、例えば、水素を選択的に透過させる、分子ふるいの機能を有する選択機能層4を設けることによって、供給側の混合ガス中に含まれている水素以外の一酸化炭素等の膜への接近を阻止したり、一酸化炭素よりも透過妨害性能がより小さい二酸化炭素は透過させるようにして、水素透過膜の透過性をより向上させることができる。
【0036】
選択機能層としては、例えば、多孔質材からなる支持板の一方の表面にCVD法やゾルゲル法により形成した、分子ふるい機能を有するシリカ層や、CVD法により成膜したAl等から成る、分子ふるい機能を有するセラミック層等が挙げられる。
【0037】
(実施形態7)
図14は、本発明の水素分離体の実施形態7を示す。図14に示すように、水素分離体10は、一対の支持板2c,2dのうち、少なくとも一方の支持板2iには、例えば、燃料の改質を行う触媒層5を設けたものであってもよい。この触媒層5は、例えば、水素透過膜1の供給側の支持板2cの混合ガスと接触し易い外側(水素透過膜1と接触する側の反対側)に設けることが好ましい。
この触媒層5としては、例えば、燃料を改質して水素を発生させる触媒と同じものを用いることができる。支持板2cに触媒層5を設けた場合は、水素透過膜1を透過させる前に燃料の改質を行う触媒層を増大させて、改質の効率を向上させることができるので、好ましい。
【0038】
本発明の水素分離体として、金属又は合金製の水素透過膜と、金属又は合金製の一対の支持板を用いた場合は、これらの水素透過膜と支持板とを合金化することによって、一体化することができる(図6、図8、図10、図11及び図14等参照)。
【0039】
(実施形態8)
上述のように、金属又は合金製の水素透過膜と、金属又は合金製の一対の支持板を合金化して接合する場合は、図15に示す実施形態8のように、支持板2k,2lの水素透過膜1との対向面の少なくとも一部、好ましくは支持板2k,2lの水素透過膜1と対向面の縁部全周を除く残部の全てに合金化を阻止する合金化阻止部6を設けることが好ましい(図中、矢印は、支持板2k,2lの接合方向を示す。)。合金化阻止部を設けていない縁部全周は、合金化促進部20’として機能し、この合金化促進部が接合して接合部20となる。なお、図示を省略したが、他の例においても、支持板として、金属又は合金製の支持板を用いる場合は、水素透過膜との対向面に、合金化阻止部を設けた支持板を用いることが好ましい。
この合金化阻止部6を設けることによって、支持板2k,2lの縁部全周と水素透過膜とを合金化して一体化させる際に、合金化によって水素透過膜1の水素の透過が阻止されることなく、水素透過膜1と支持板2k,2lとを一体化することができる。
【0040】
合金化阻止部としては、支持板の表面に形成したSiO、Al及びZrO等の耐熱性無機酸化物製の膜が挙げられる。この膜は、めっきなどのCVD法、さらに、真空蒸着やスパッタリングなどのPVD法、塗布などにより形成することができる。
【0041】
(実施形態9)
図16は、本発明の水素分離体10の実施形態9を示す。図16に示すように、例えば、水素分離体10の支持板2m,2nとしてセラミック製のものを用いた場合は、金属製の支持板と比較して、支持板2m,2nの剛性が小さいので、これらの支持板2m,2nの水素透過膜1との対向面の裏面側に、更に多孔質材又は複数の通孔を有する第2の支持板として、サポート部材7a,7bを設けてもよい。
また、図16に示すように、第2の支持板であるサポート部材7a,7bが、金属製の多孔質材から成るものである場合は、供給側に設けるサポート部材7aと、透過側に設けるサポート部材7bとでは、各々のサポート部材7a,7bに形成される平均孔径等が異なるものであってもよい。
【0042】
サポート部材7は、水素透過膜の一方の支持板のみを支持するように設けてもよく、図16に示すように、両方の支持板を支持するように設けてもよい。
一対の支持板として、セラミック製の支持板を設け、該一対の支持板の水素透過膜との対向面の裏面に、更に、一対の金属製の板状のサポート部材を設けた場合は、この金属製のサポート部材の縁部全周を合金化して接合し、一体化して水素分離体を形成してもよい。
【0043】
(実施形態10)
図17は、本発明の水素分離体10の実施形態10を示し、図17に示すように、水素分離体10として、例えば、一対の支持体2o,2pのうち、一方の支持板2pの厚さを大きくしても水素透過膜1の変形を防止できない場合も、支持板2pの水素透過膜1との対向面の裏面に、更に、第2の支持板として、サポート部材7cを設けてもよい。なお、図17には、選択機能層4を有する支持板2oを用いた例を示す。
例えば、水素透過膜1の供給側の圧力が数百kPaと高い場合は、水素透過膜1の透過側の支持板2pの厚さを大きくしただけでは、水素透過膜1及び支持板2pの変形を防止できない場合がある。この場合には、水素透過膜1の透過側の支持板2pを更に支持する第2の支持板であるサポート部材7cを設けて、透過側の部材の剛性を大きくすることで、水素透過膜1の大きな変形を防止することができる。
この場合は、サポート部材7cに多数の通孔8を形成し、透過側の支持板2pから透過してきた水素ガスが透過側に抜け易い構造にすることが好ましい。
【0044】
次に、水素透過膜と一対の支持板とを一体化させた水素分離体の実施形態の例(実施形態11〜14)、及び、その製造方法を図面に基づき説明する。図18〜21は、水素分離体の製造方法の例を示す説明図である。
【0045】
本発明の水素分離体10として、金属又は合金製の水素透過膜1と、金属又は合金製の支持板(例えば、支持板2a,2b)を用いた場合は、水素透過膜と一対の支持板との縁部全周を合金化することによって接合し、該合金化した部分を接合部20として、一体化して水素分離体を製造することができる(図6、図8、図10、図11及び図14等参照)。
【0046】
(実施形態11)
図18は、本発明の水素分離体の実施形態11を示す。図18に示すように、水素分離体10として、水素透過膜1と、該水素透過膜1を両面から支持する支持板2a,2bの外縁部に、水素透過膜1及び支持板2a,2bの外縁部全体を囲繞する枠状体から成る接合部材21を設け、この接合部材21に、一対の支持板2a,2bの端縁部の一部又は全部を溶接し一体化して、水素分離体10を製造してもよい。なお、図18中、2a’及び2b’は溶接部分を示し、6は合金化阻止部を示す。
例えば、支持板2a,2bがステンレス製である場合は、接合部材21として、ステンレス製のものを用いれば、支持板2a,2bと接合部材21との溶接が容易であり、組み立て作業性を向上させることができる。
【0047】
(実施形態12)
図19は、本発明の水素分離体の実施形態12を示す。図19に示すように、水素分離体10として、水素透過膜1と、該水素透過膜を両面から支持する支持板2a,2bの外縁部に、この外縁部の一部又は外縁部の全体を囲繞して、例えば、600℃以下の温度で、水素透過膜1及び一対の支持板2a,2bを、積層方向にカシメて固定する接合部材22を設けてもよい。この接合部材22を用いて、水素透過膜1と一対の支持板2a,2bを積層方向に押圧し、気密に一体化して、水素分離体10を製造する。図19中、矢印は接合部材22のカシメる方向を示し、6は合金化阻止部を示す。
なお、接合部材を用いて、水素透過膜及び一対の支持板を積層方向にカシメて固定する場合は、溶接して固定する場合のように、局所的な温度上昇によって、水素透過膜や支持板がアッセンブリ(組み付け)後にひずみを生じることがないという利点を有する。
【0048】
(実施形態13)
図20は、本発明の水素分離体の実施形態13を示す。図20に示すように、水素分離体10は、支持板2a,2bの接合部20又は接合部材の部分を外方側から圧縮加工してもよい。接合部20又は接合部材の部分を外方側から圧縮加工することによって、支持板2a,2b及び/又はサポート部材の空隙を潰して密度を大きくすることができ、水素分離体を装置に組み付ける際に、供給側から透過側へのガス漏れを防止することができる。
なお、図20中、矢印は、支持板2a,2bの接合部20又は接合部材の部分を圧縮する方向を示している。
水素分離体の接合部又は接合部材を圧縮加工する場合は、接合部又は接合部材を予め厚く形成しておき、圧縮加工後に、圧縮加工した部分と圧縮加工していない部分が同一の厚さになるようにしておくことにより、水素分離体の装置への組み付けを容易にすることができる。
【0049】
(実施形態14)
図21は、本発明の水素分離体の実施形態14を示す。図21に示すように、本例の水素分離体10は、水素透過膜1の支持板2m,2nとしてセラミック製のものを用い、このセラミック製の支持板2m,2nを更に支持する第2の支持板として、一対の金属製のサポート部材7a,7bを用いている。
図21に示すように、水素分離体10は、第2の支持板である金属製のサポート部材7a,7bの縁部の一部又は全周に、水素透過膜1、支持板2m,2n、第2の支持板であるサポート部材7a,7bを積層方向にカシメて固定する多孔質体から成る接合部材22を設け、この接合部材22の外周に、更に金属製の多孔質体からなる保持枠23を設け、接合部材22と保持枠23を溶接し、強固な構造としている。
【0050】
図21に示す水素分離体10は、水素透過膜1の外縁が、支持板2m,2n及びサポート部材7a,7bからはみ出すようにし、はみ出した水素透過膜1を、接合部材22の内面に接するように折り曲げて(折曲部1b)組み立てることが好ましい。水素分離体10は、水素透過膜1が折り曲げられた(折曲部1b)側が、供給側となるように配置することにより、供給側(改質側)で改質された水素以外の成分が透過側に漏れることがないという利点を有する。
【0051】
次に、本発明の水素分離体を用いた水素分離装置及びその製造方法を図面に基づき説明する。図22は、本発明の水素分離体を用いた水素分離装置の実施形態の例(実施形態15)を説明する分解斜視図であり、図23は、本発明の水素分離体を用いた水素分離装置の実施形態の他の例(実施形態16)を説明する断面図である。なお、本発明の水素分離装置は、図22及び23に示す実施形態に限られるものではない。
【0052】
(実施形態15)
図22に示すように、水素分離装置100は、水素透過膜1と、一対の支持板2a,2bとを備えた水素分離体10と、該水素分離体10を間に挟んで、水素分離体10の両側にガス室を形成する一対の金属製の筐体部材30,30を備え、水素分離体10の接合部又は接合部材(図示略)と、一対の金属製の筐体部材30,30とを接合している。水素分離体10の接合部又は接合部材と筐体部材30,30との接合は、合金化してもよく、溶接してもよい。なお、図22中、6は合金化阻止部を示す。
水素分離装置100は、水素分離体10の接合部又は接合部材と、一対の筐体部材30,30の枠部縁部とを合金化又は溶接して接合していることにより、良好な気密性を有する。
【0053】
また、図22に示すように、水素分離装置100は、一方の筐体部材30の枠部内側に水素分離体10の厚さに対応した段差部31を形成し、この段差部31に水素分離体10を嵌合させ、この筐体部材30の枠部内側に水素分離体10を溶接した後、他方の筐体部材30を一方の筐体部材30と合金化又は溶接して形成してもよい。
【0054】
(実施形態16)
また、図23に示すように、水素分離装置100は、水素分離体10と、一対の筐体部材30,30との間に触媒部材40,40を設けてもよい。
図23に示す水素分離装置100は、2つの水素分離体10,10と、この2つの水素分離体10,10を間に挟んで、一方側と他方側に、混合ガスの改質を行う改質触媒加熱部41と改質触媒部42を備えた一対の改質触媒部材40,40を備え、更にこの改質触媒部材40,40を挟んで、一対の筐体部材30,30を備えている。
本例において、水素分離装置100は、水素分離体10の接合部材22と、改質触媒部材40,40の縁部全周に位置する固定部43,43が合金化又は溶接により接合され、更に、改質触媒部材40,40の固定部43,43と、筐体部材30,30の縁部全周が合金化又は溶接により接合されて成るものである。
【0055】
以上のように、本発明の範囲に属する上記実施形態の水素分離体及び水素分離装置は、水素透過膜の大きな変形を防いで、水素透過膜の損傷を防止できるので、厚さの薄い自立膜タイプの水素透過膜を使用することができ、小型化(薄型化)することができる。よって、これらの実施形態の水素分離体及び水素分離装置は、燃料電池又は内燃機関に好適に用いることができる。
また、上記実施形態の水素分離体及び水素分離装置は、小型化(薄型化)することができるので、起動時に必要な熱量を減らすことができ、例えば、燃料電池システムの効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】水素透過膜の供給側と透過側のうち、透過側の面を支持板で支持した場合に、水素透過膜に変形(皺)が生じる前の状態を説明する断面図である。
【図2】図1に示す水素透過膜に変形(皺)が生じた状態を説明する断面図である。
【図3】図2に示す変形(皺)が生じた水素透過膜に更に変形が生じた状態を説明する断面図である。
【図4】大きな変形(皺)が生じた水素透過膜を説明する写真(平面図)である。
【図5】大きな変形(皺)から損傷が生じた水素透過膜を説明する写真(平面図)である。
【図6】本発明の水素分離体の実施形態の例を説明する断面図である。
【図7】本発明の水素分離体によって、水素透過に形成された変形(皺)の状態を示す写真(平面図)である。
【図8】本発明の水素分離体の実施形態の例を説明する断面図である。
【図9】本発明の水素分離体の実施形態の例を説明する分解斜視図である。
【図10】図9に示す水素分離体の水素透過膜に皺ができる前(a)と、後(b)の状態を説明する断面図である。
【図11】(a)は本発明の水素分離体の実施形態の例を示す断面図であり、(b)は、水素分離体の支持体の一部を示す拡大断面図である。
【図12】本発明の水素分離体の実施形態の例を示し、水素分離体を構成する支持体の一部を示す拡大断面図である。
【図13】本発明の水素分離体の実施形態の例を説明する断面図である。
【図14】本発明の水素分離体の実施形態の例を説明する断面図である。
【図15】本発明の水素分離体の実施形態の例を説明する分解断面図である。
【図16】本発明の水素分離体の実施形態の例を説明する断面図である。
【図17】本発明の水素分離体の実施形態の例を説明する断面図である。
【図18】本発明の水素分離体の製造方法の例を説明する一部断面図である。
【図19】本発明の水素分離体の製造方法の例を説明する一部断面図である。
【図20】本発明の水素分離体の製造方法の例を説明する一部断面図である。
【図21】本発明の水素分離体の製造方法の例を説明する一部断面図である。
【図22】本発明の水素分離装置の実施形態の例を示す分解斜視図である。
【図23】本発明の水素分離装置の実施形態の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 水素透過膜
1a 変形部
1a’ 皺
1b 折曲部
2a〜2p 支持体
3a,3b 連通孔
4 選択機能層
5 触媒層
6 合金化阻止部
7a〜7c サポート部材
8 通孔
10 水素分離体
20 接合部
20’ 合金化促進部
21,22 接合部材
23 保持枠
30 筐体部材
31 段差部
40 触媒部材
41 改質触媒加熱部
42 改質触媒層
43 固定部
100 水素分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属又は合金製の水素透過膜と、該水素透過膜を両面から支持する一対の多孔質材から成る支持板を備え、上記一対の支持板の一方と他方とで機械的強度が異なることを特徴とする水素分離体。
【請求項2】
上記一対の支持板の一方と他方とで材質が異なることを特徴とする請求項1に記載の水素分離体。
【請求項3】
上記一対の支持板の一方と他方とで厚さが異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素分離体。
【請求項4】
上記一対の支持板の一方と他方とで空隙率が異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項5】
上記一対の支持板の一方と他方とで孔径が異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項6】
上記一対の支持板の少なくとも一方が、上記水素透過膜との対向面から裏面に連通する連通孔を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項7】
上記連通孔は、上記支持板の水素透過膜との対向面と裏面とで孔径が異なることを特徴とする請求項6に記載の水素分離体。
【請求項8】
少なくとも一方の上記支持板に、水素を含む混合ガスの改質を行う触媒層を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項9】
少なくとも一方の上記支持板に、水素を選択的に透過させる選択機能層を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項10】
上記一対の支持板の少なくとも一方が金属製のものであり、該支持板と水素透過膜を合金化し接合して成ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項11】
上記支持板の上記水素透過膜との対向面の少なくとも一部に、上記水素透過膜との合金化を阻止する合金化阻止部を設けたことを特徴とする請求項10に記載の水素分離体。
【請求項12】
上記支持板の上記水素透過膜との対向面の少なくとも一部に、上記水素透過膜との合金化を促進する合金化促進部を設けたことを特徴とする請求項10又は11に記載の水素分離体。
【請求項13】
上記一対の支持板の少なくとも一方を、上記水素透過膜との対向面の裏面から支持する第2の支持板であるサポート部材を設けたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項14】
上記一対の支持板が金属製のものであり、該一対の支持板及び水素透過膜の縁部全周を合金化して接合した接合部を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項15】
上記水素透過膜及び支持板の縁部全周に、該水素透過膜及び支持板を積層方向に押圧してカシメ固定する接合部材を設けたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項16】
上記水素透過膜及び支持板の縁部全周に、上記水素透過膜及び金属製の支持板を溶接して接合する金属製の接合部材を設けたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つの項に記載の水素分離体。
【請求項17】
上記請求項1〜16のいずれか1つの項に記載の水素分離体と、該水素分離体を間に挟んで、該水素分離体の両側にガス室を形成する一対の金属製の筺体部材を備え、上記水素分離体の接合部又は接合部材と、上記筺体部材の縁部を接合したことを特徴とする水素分離装置。
【請求項18】
上記水素分離体と上記筺体部材との間に、水素を含む混合ガスの改質を行う触媒部と、縁部全周に固定部とを備えた触媒部材を設け、上記水素分離体の接合部又は接合部材と触媒部材の固定部、及び、上記筺体部材の縁部と触媒部材の固定部を接合したことを特徴とする請求項17に記載の水素分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−106794(P2009−106794A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278767(P2007−278767)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】