説明

水素水供給方法

【課題】 浴槽に水素水を供給するための水素水供給装置において、水素水循環運転を速やかに行なえるようにする。
【解決手段】 前回の運転時に水素ガスが充填された気液混合タンクに、吸込管から浴水を流し込んで水素ガスを溶解させ、水素ガスの溶解した浴水を供給管から浴槽に環流させる(水素溶解運転)。水素溶解運転が終了して気液混合タンク内に水素ガスがなくなったら、気液混合タンクと並行に設けられたバイパス管に浴水を通過させ、浴槽内の水素ガスを含んだ循環させて浴槽のバスアダプターから浴槽内へ吐出させる(水素水循環運転)。この水素水循環運転の終了後、もしくは水素水循環運転と並行して、電解槽で発生させた水素ガスを気液混合タンクへ移動させ、気液混合タンク内に水素ガスを充填させ(水素ガス充填運転)、次回の運転に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素水供給方法に係り、特に、浴槽内の浴水等を循環させて水素ガスを溶解させ、水素水を浴槽内に環流させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
水素ガスを溶解させた水素水は、雑菌繁殖防止効果があり、浴槽等のぬめり防止に効果的であり、また、SOD(活性酸素除去酵素)活性は、人の健康増進に寄与する。特に、活性水素を含む水は、還元性を示すと共に、SOD様活性を呈するので、過酸化脂質等(人が紫外線を浴びることで生成される。)の皮膚の老化促進物質を無害化し、また飲用しても万病に効果がある。従って、水素水を浴槽内に供給することにより、浴槽のぬめりを抑えると共に、入浴者の美容や健康増進に寄与することができる。
【0003】
浴槽内の湯に水素ガスを溶解させて水素水を浴槽内に環流させるようにした水素水供給装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この装置にあっては、浴槽に接続された浴水循環路に循環ポンプと気液混合タンクが設けられている。また、電解槽において水を電気分解することによって水素ガスを発生させ、その水素ガスを気液混合タンクに供給している。そして、循環ポンプを運転して浴槽内の浴水を循環させると共に、電解槽から供給された水素ガスを気液混合タンク内で浴水に溶解させ、水素ガスの溶け込んだ浴水を浴槽内に環流させている。
【0004】
このような水素水供給装置の運転方法としては、例えば本発明の出願人が特許出願したもの(特許文献2)がある。特許文献2に開示されている運転方法では、水素溶解運転スイッチがオンに投入されてから、気液混合タンク内に水を満水にし、電解槽で水素ガスを発生させ、気液混合タンク内の水を水素ガスに置換させて気液混合タンク内に水素ガスを充填した(これを水素ガス充填運転という。)後、浴水循環路に浴水を循環させて気液混合タンク内で浴水に水素ガスを溶解させ(これを水素溶解運転という。)、水素ガスが溶解した水素水を浴水循環路で循環させてバスアダプターから吐出させている(これを水素水循環運転という。)。そして、水素水循環運転が終了したら、気液混合タンク内に溜まった水を排水している。
【0005】
しかしながら、このような運転方法では、水素溶解運転スイッチがオンになってから水素ガスを溶解させ終わるまでの水素ガス充填運転及び水素溶解運転に時間が長く掛かり(例えば、水素ガス充填運転及び水素溶解運転に40分ぐらい掛かる。)、水素水循環運転を行なえるようになるまでの待ち時間が長かった。そのため、例えば自動で浴槽に湯を落とし込んで湯を張り、設定温度まで浴槽内の湯の追い焚きを行なう自動お湯張り運転の開始時に、同時に水素溶解運転スイッチをオンにしても、お湯張り運転終了までに水素水溶解運転が終わらない。そのため、お湯張り運転終了後も水素溶解運転が終了するまで入浴を待たなければならず、使い勝手が悪かった。
【0006】
よって、水素溶解運転スイッチをオンにしてから、水素水循環運転を行なえるようになるまでの時間を短縮することが望まれており、特にお湯張り運転の所要時間と同程度からそれよりも短くすることが望まれている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−66071号公報
【特許文献2】特願2004−311193(出願日:平成16年10月26日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特許文献2により提案した運転方法とは異なる運転方法を提案するものであって、水素水循環運転を速やかに行なえるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1にかかる水素水供給方法は、気液混合タンクに第1の水流路と第2の水流路のそれぞれの一方端部を接続し、水素ガスが充填された気液混合タンク内に第1の水流路から水を供給することによって水素ガスが溶解した水を生成し、水素ガスが溶解した水を第2の水流路を通じて送り出す第1の工程と、気液混合タンク内で水素ガスが水に溶解することによって気液混合タンク内の水素ガスの少なくとも一部が水と置換して第1の工程が終了した後、空気を遮断した状態で気液混合タンク内に水素ガスを供給すると共に気液混合タンク内の水を排出することにより、気液タンク内に水素ガスを充填させる第2の工程とを備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明の請求項1にかかる水素水供給方法にあっては、水素ガスを水に溶解させて水素水を生成する第1の工程の後で、気液混合タンクに水素ガスを充填させているので、次回運転開始時には気液混合タンクには既に水素ガスが充填されている。よって、直ちに水素ガスを水に溶解させて水素水を生成することができ、第1の工程(以下、水素溶解運転という)開始までの待ち時間を短くすることができる。
【0011】
また、水素ガスの充填を水素溶解運転の前に行うようにすると、水素ガス充填時に気液混合タンク内に水素ガスと置換させるための水を溜めてこの水を排水しなければならず、水素溶解運転の後で気液混合タンク内に溜まった水も排水しなければならない。これに対し、本発明の場合には、水素溶解運転の後で水素ガスを気液混合タンクに充填しているので、水素溶解運転の結果気液混合タンク内に溜まった水を水素ガスと置換させるための水として使用でき、下水等に排水する水の量を減らすことができる。
【0012】
請求項2に記載の実施態様は、前記気液混合タンクに供給される水素ガスが、電解槽において水を電気分解することにより生成されることを特徴としている。電解槽で水を電気分解することにより水素ガスを発生させれば、水素ボンベ等を用いる場合よりも安全に水素ガスを供給することができる。一方、電解槽を用いると水素ガスを発生させるのに長い時間が掛かることになる。しかし、本発明によれば、水素溶解運転の後で予め水素ガスを発生させて気液混合タンク内に充填させておくことができるので、次回の水素溶解運転時には短い時間で水素溶解運転を開始させることができる。よって、本発明は、水素ガス発生手段として電解槽を用いる場合に特に効果が大きい。
【0013】
また、前回の運転時の最後に水素ガスを発生させて気液混合タンクに充填させるようにすれば、水素発生に要する時間が長くなっても水素溶解運転の前の準備時間は長くならない。そのため電解槽の単位時間あたりの水素発生量を減らすことができるので、電解槽を小さくでき、装置の小型化を図ることができる。
【0014】
請求項3に記載の実施態様は、電解槽の酸素発生側に開閉自在な酸素排気口を設け、電解槽の水素発生側と前記気液混合タンクとを水素ガス供給管によってつなぎ、前記水素ガス供給管に電解槽側から気液混合タンク側へのみ水素ガスが移動できるように逆止弁を設け、前記酸素排気口を閉じた状態で水を電気分解して電解槽から気液混合タンクへ水素ガスを供給させるようにしたことを特徴としている。かかる実施態様によれば、水素ガス発生時に酸素排気口を閉じているので、電解槽の内圧を高めた状態で水素ガスを発生させ、その内圧によって水素ガスを強制的に気液混合タンクへ送ることができる。したがって、電解槽から気液混合タンクへの水素ガスの供給時間を短くすることができる。
【0015】
請求項4に記載の実施態様は、前記気液混合タンクが、内部の水位を検出するための水位検出器を備え、前記水位検出器が所定水位以上の水位を検知したときに前記第1の工程が終了したと判断するようにしたことを特徴としている。水素溶解運転においては、気液混合タンクに水素ガスが充填されている場合には、気液混合タンク内の水位は低いが、気液混合タンク内の水素ガスが水に溶解するにつれて水位が高くなる。よって、本実施態様においては、水位が所定水位以上になったときに気液混合タンク内の水素ガスがほとんど水に溶解して第1の工程が終了したと判断することができる。
【0016】
請求項5に記載の実施態様は、タイマー手段を備え、第1の工程において第1の水流路から気液混合タンクへの給水時間を前記タイマー手段により計測し、前記タイマー手段で計測された給水時間が所定時間以上になったときに前記第1の工程が終了したと判断するようにしたことを特徴としている。本実施例では、タイマー手段で計測された給水時間が所定時間以上になれば、給水量が一定量以上になったと判断できるので、タイマー手段で計測された給水時間が所定時間以上になったときに第1の工程が終了したと判断することができる。
【0017】
請求項6に記載の水素水供給方法は、気液混合タンクに第1の水流路と第2の水流路のそれぞれの一方端部を接続し、前記第1の水流路と前記第2の水流路との間に前記気液混合タンクを迂回するようにしてバイパス管を設け、バイパス管の両端と前記第1の水流路及び前記第2の水流路とを三方弁によって接続し、水素ガスが充填された気液混合タンク内に第1の水流路から水を供給することによって水素ガスが溶解した水を生成し、水素ガスが溶解した水を第2の水流路を通じて送り出す第1の工程と、気液混合タンク内で水素ガスが水に溶解することによって気液混合タンク内の水素ガスの少なくとも一部が水と置換して第1の工程が終了した後、前記第1の水流路、前記バイパス管及び前記第2の水流路で水を循環させながら、空気を遮断した状態で気液混合タンク内に水素ガスを供給すると共に気液混合タンク内の水を排出することにより、気液タンク内に水素ガスを充填させる第2の工程とを備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項6の水素水供給方法にあっては、水素水溶解運転(第1の工程)が終了した後、三方弁をバイパス管側に切り替えることによって第1及び第2の水流路とバイパス管で水を循環させながら(水素水循環運転)気液混合タンク内に水素ガスを充填させることができる。よって、請求項5の水素水供給方法にあっては、水素ガスを水に溶解させて水素水を生成する第1の工程の後で、気液混合タンクに水素ガスを充填させているので、次回運転開始時には気液混合タンクには既に水素ガスが充填されている。よって、直ちに水素ガスを水に溶解させて水素水を生成することができ、水素溶解運転開始までの待ち時間を短くすることができる。
【0019】
また、水素ガスの充填を水素溶解運転の前に行うようにすると、水素ガス充填時に気液混合タンク内に水素ガスと置換させるための水を溜めてこの水を排水しなければならず、水素溶解運転の後で気液混合タンク内に溜まった水も排水しなければならない。これに対し、本発明の場合には、水素溶解運転の後で水素ガスを気液混合タンクに充填しているので、水素溶解運転の結果気液混合タンク内に溜まった水を水素ガスと置換させるための水として使用でき、下水等に排水する水の量を減らすことができる。
【0020】
請求項7に記載の実施態様は、前記第1の工程の最中にも、前記気液混合タンクに水素ガスを供給するようにしたことを特徴としている。請求項7に記載の実施態様は、第1の工程の終了後だけでなく、第1の工程の最中にも水素ガスを気液混合タンクに充填させることができる。よって、第1の工程中と第1の工程の終了後とに分けて水素ガスを充填させることができ、第2の工程の所要時間を短くできる。
【0021】
請求項8に記載の実施態様は、前記気液混合タンクが、第1の水流路及び第2の水流路によって浴槽と接続され、前記第1の水流路又は第2の水流路に循環ポンプが設けられており、前記循環ポンプを稼働させて浴槽内の浴水を前記気液混合タンクと前記浴槽との間で循環させるようにしたことを特徴としている。かかる実施態様においては、浴槽と気液混合タンクとの間で浴槽内の水が循環するので、気液混合タンク内で水素ガスを溶解された水が浴槽内に供給される。よって、浴槽内における雑菌繁殖防止、浴槽のぬめり防止に効果があり、また、SOD様活性により入浴者の健康増進に寄与することができる。特に、この実施態様では、水素ガスは空気や酸素と遮断された状態で気液混合タンク内に充填されているので、水素ガスを溶解した水には美容等に有害とされる酸素(活性酸素)が含まれにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでなく、用途等に応じて適宜設計変更することができる。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の一実施例による水素水供給装置11を示す概略断面図である。この水素水供給装置11は、水素や活性水素を溶解させた水などの水素水を浴槽内に供給するように構成されている。図1を参照して、当該水素水供給装置11の構造を説明する。
【0024】
気液混合タンク12は、水(浴水)と水素ガスを溜めておき、水に水素ガスを溶解させて水素水を生成するための装置である。気液混合タンク12と浴槽13に設けたバスアダプター14とは、吸込管15(第1の水流路)と供給管16(第2の水流路)とからなる浴水循環路によって繋がっている。吸込管15はバスアダプター14の吸込み口14aと気液混合タンク12の上面に設けられた給水ノズル17との間を結んでおり、吸込管15には循環判定スイッチ18、循環ポンプ19及び吸込管電動三方弁20が設けられている。供給管16はバスアダプター14の圧力解放ノズル14bと気液混合タンク12の底面との間を結んでおり、供給管16には供給管電動三方弁21が設けられている。また、吸込管電動三方弁20と供給管電動三方弁21との間には、気液混合タンク12を迂回するようにしてバイパス管22が接続されている。吸込管電動三方弁20は吸込み口14a側で常開となっており、他方は気液混合タンク12側とバイパス管22側とに切替え可能となっている。同様に、供給管電動三方弁21は圧力解放ノズル14b側で常開となっており、他方は気液混合タンク12側とバイパス管22側とに切替え可能となっている。
【0025】
気液混合タンク12は、タンク内の液面(水位)を検出するための液面検出器(水位電極)23を備えている。また、気液混合タンク12内の底面近傍には、タンク底面を覆うようにして邪魔板24が設けられており、給水ノズル17から供給された浴水が直ちに供給管16から排出されるのを防いでいる。さらに、気液混合タンク12の底面には、排水管25が接続されており、排水管25には排水電磁弁26が設けられている。
【0026】
電解槽27は、水を電気分解して水素ガスと酸素ガスを発生させるものである。電解槽27は、隔壁28によって左右に仕切られており、電解槽27内の左右両室は隔壁28の下の隙間を通じて互いに連通している。電解槽27の一方の室(以下、右室という。)には陰電極29aが設けられており、他方の室(以下、左室という。)には陽電極29bが設けられている。
【0027】
電解槽27の右室上面と気液混合タンク12内の上面とは、水素ガス供給管30によってつながっており、電解槽27の右室と気液混合タンク12内とは互いに連通している。水素ガス供給管30の途中にはガス供給側電動三方弁31が設けられており、ガス供給側電動三方弁31からは排気管32が分岐し、排気管32の先端にはエアベント33が設けられている。このガス供給側電動三方弁31は、気液混合タンク12側で常開となっており、電解槽27側が開成されエアベント33側が閉止された状態と、電解槽27側が閉止されエアベント33側が開成された状態と、電解槽27側及びエアベント33側の双方で閉止された状態とに切り替わる。また、電解槽27は、内部の水位を検出するための液面検出器(水位電極)34を備えている。
【0028】
一方、電解槽27の左室上面には酸素排気口35が設けられており、酸素排気口35は大気中に開放されている。入水側が市水等につながった給水管36の先端(吐出口)は、ロート状に開いた酸素排気口35の垂直上方に位置しており、給水管36には上流側から順次、フィルタ37、イオン交換樹脂38及び補水電磁弁39が設けられており、給水管36から電解槽27には純水を供給できるようにしている。
【0029】
水素水供給装置11は屋外に設置されており、内蔵のコントローラ40(制御手段)によって運転制御される。リモコン41は、遠隔から水素水供給装置11を操作するものであり、水素溶解運転スイッチ42や運転取止めスイッチ43等を備えている。リモコン41とコントローラ40は、信号線44を通じて接続されている。また、電解槽27の両電極29a、29bには直流の電解用電源45が接続されている。電解用電源45とコントローラ40はコントロール線46によって結ばれており、電解用電源45はコントローラ40によりオン、オフ制御される。
【0030】
図2は水素水供給装置11における、コントローラ40を中心とする電気的な構成を示す機能ブロック図である。コントローラ40は、ROM、EEPROM等のメモリに格納されている運転処理のプログラムに従って水素水供給装置11をマイコン制御するものである。すなわち、図2に示すように、コントローラ40は、水素溶解運転スイッチ42、運転取止めスイッチ43、液面検出器23、液面検出器34及び循環判定スイッチ18からの信号を受け取り、それに応じて所定の手順で循環ポンプ19、吸込管電動三方弁20、供給管電動三方弁21、ガス供給側電動三方弁31、排水電磁弁26、補水電磁弁39、電解用電源45を制御することにより水素ガスを発生させ、水素ガスが溶解した浴水を浴槽13に環流させる。
【0031】
図3はコントローラ40による水素水供給装置11の制御動作を表わした概略フロー図である。また、図4、図5及び図6はコントローラ40による水素水供給装置11の制御動作を詳細に表わしたフロー図である。図3のフロー図に表わしたように、本発明の実施例1では、水素溶解運転スイッチ42をオンにして(ステップS1)運転開始すると、始めに気液混合タンク12内に充填されている水素ガスを浴水に溶解させる水素溶解運転(ステップS2)を行ない、ついで水素ガスを溶解された浴水(水素水)を循環させて圧力解放ノズル14bから浴槽13内に吐出させる水素水循環運転(ステップS3)を行ない、水素水循環運転終了後もしくは水素水循環運転と並行して気液混合タンク12内に水素ガスを充填する水素ガス充填運転(ステップS4)を行なうようにした点が特徴となっている。
【0032】
以下、図4〜図6に従って水素水供給装置11の運転開始から運転終了までの動作を詳細に説明する。なお、水素水供給装置11の運転開始前においては、循環ポンプ19は停止しており、気液混合タンク12内には水素ガスが充填されているものとする。
【0033】
リモコン41の水素溶解運転スイッチ42を押してオンにする(ステップS11)と、水素水供給装置11は、図4〜図6のフロー図に従って運転を開始する。水素水供給装置11の運転が開始すると、コントローラ40は、まずガス供給側電動三方弁31を、電解槽27側でもエアベント33側でも閉止状態となるように切り替え(ステップS12)、吸込管電動三方弁20をバイパス管22側に切り替えると共に供給管電動三方弁21もバイパス管22側に切り替える(ステップS13、S14)。なお、排水電磁弁26は閉じたままとなっている。
【0034】
ついで、循環ポンプ19を稼働させ(ステップS15)、循環判定スイッチ18により浴槽内にバスアダプターレベル(吸込み口14aの設けられている高さ)以上の湯があるかどうかを判定する(ステップS16)。すなわち、浴槽13内にバスアダプターレベルよりも上まで湯が張られている場合には、循環ポンプ19を稼働させると、図1に破線矢印で示したように、吸込み口14a→吸込管15→吸込管電動三方弁20→バイパス管22→供給管電動三方弁21→供給管16→圧力解放ノズル14bの経路で浴水が循環するので、循環判定スイッチ18が水の循環を検知してオンになる。これによってコントローラ40は、浴槽13内にバスアダプターレベル以上の浴水があると判断する。また、浴槽13内の水位がバスアダプター14の上端よりも下であれば、循環ポンプ19を稼働させても吸込管15に浴水の流れが生じないので、循環判定スイッチ18がオンにならないことにより浴槽13内にバスアダプターレベル以上の浴水がないと判断される。
【0035】
浴槽13内にバスアダプターレベル以上の浴水が無いと判断した場合(ステップS16でnoの場合)には、コントローラ40は循環ポンプ19を停止させ(ステップS17)、リモコン41にエラーメッセージを表示し(ステップS18)、水素水供給装置11の運転を停止する(ステップS19)。かかる処理によれば、浴槽13内にバスアダプターレベル以上の浴水が無い場合に、水素溶解運転を行って水素ガスが浴水に溶解することなくバスアダプター14から浴室内に放出されるのを防ぐことができる。
【0036】
浴槽13内にバスアダプターレベル以上の浴水が存在することが確認された場合(ステップS16でyesの場合)には、一旦循環ポンプ19を停止させ(ステップS20)、吸込管電動三方弁20を気液混合タンク12側に切り替えると共に供給管電動三方弁21も気液混合タンク12側に切り替える(ステップS21、S22)。
【0037】
この後、循環ポンプ19を再稼働させる(ステップS23)と、図1に実線矢印で示したように、吸込み口14a→吸込管15→気液混合タンク12→供給管16→圧力解放ノズル14bの経路で浴水が流れ、気液混合タンク12と浴槽13との間で浴水が循環し、水素ガスが溶解した水素水が浴槽13に環流される(水素溶解運転)。すなわち、循環ポンプ19が稼働されると、浴槽13内の浴水はバスアダプター14の吸込み口14aから吸込管15に吸い込まれ、給水ノズル17から気液混合タンク12内に落とし込まれる。気液混合タンク12内には水素ガスが充填されているので、このとき気液混合タンク12内の水素ガスが浴水内に溶解され、水素ガスを溶解した浴水が気液混合タンク12内に溜まる。一方、気液混合タンク12内に溜まっている水素ガスを溶解した浴水は、供給管16から浴槽13へ送り出され、バスアダプター14の圧力解放ノズル14bから浴槽13内に吐出される。
【0038】
なお、この水素溶解運転中においても、電解槽27から気液混合タンク12へ水素ガスを供給するようにしてもよい。
【0039】
こうして気液混合タンク12内の水素ガスが浴水に溶解すると、気液混合タンク12内の水素ガスが消費されて気液混合タンク12内の水位が上昇する。コントローラ40は、水素溶解運転を行いながら、液面検出器23によって気液混合タンク12内の水位を検知し気液混合タンク12内が満水になったか否かを監視している(ステップS24)。
【0040】
ここで気液混合タンク12が満水にならないうち(すなわち、気液混合タンク12内に水素ガスが残っているうち)に、入浴者が運転取止めスイッチ43をオンにした場合(ステップS25でyesの場合)には、ガス供給側電動三方弁31がエアベント33側で開くように切り替えられる。ガス供給側電動三方弁31がエアベント33側で開成されると、給水ノズル17から浴水が注入されるに従って気液混合タンク12内の水素ガスがエアベント33から大気中に放出されるので、バスアダプター14から水素水が吐出されなくなり、次第に気液混合タンク12内の水位が上昇する。
【0041】
こうして気液混合タンク12内の水素ガスが無くなって気液混合タンク12内が満水になり(ステップS24でyesの場合)、水素溶解運転が終了すると、水素ガスを溶解された浴水が吸込み口14a→吸込管15→バイパス管22→供給管16→圧力解放ノズル14bの経路で循環させられ、水素ガスを溶解した浴水が圧力解放ノズル14bから浴槽13内に吐出される(水素水循環運転)と共に、一方で気液混合タンク12内に水素ガスが充填される(水素ガス充填運転)。また、運転取止めスイッチ43がオンになった後では、循環ポンプ19が停止されて水素水循環運転が終了し、水素ガス充填運転だけが行われ、水素ガス充填運転も終了すると、水素水供給装置11の運転が終了する。以下、気液混合タンク12が満水になったとき、運転取止めスイッチ43がまだオンになっていない場合の処理を図5に従って説明する。また、気液混合タンク12が満水になったとき、あるいはそれ以前に運転取止めスイッチ43がオンになっている場合の処理を図6に従って説明する。
【0042】
気液混合タンク12が満水になったとき、運転取止めスイッチ43がまだオンになっていない場合(ステップS27でnoの場合)には、吸込管電動三方弁20をバイパス管22側に切り替えると共に供給管電動三方弁21をバイパス管22側に切り替える(ステップS28、S29)。この結果、気液混合タンク12を通過して循環していた浴水は、バイパス管22を通過するように切り替わり、浴槽13内の浴水は吸込み口14a→吸込管電動三方弁20→バイパス管22→供給管電動三方弁21→圧力解放ノズル14bという経路で循環して圧力解放ノズル14bから浴槽13内に吐出される(水素水循環運転)。
【0043】
ついで、ガス供給側電動三方弁31は電解槽27側に切替えられ、エアベント33側は閉じられる(ステップS30)。コントローラ40は、電解用電源45をオンにして電解槽27の陰電極29aと陽電極29bとの間に直流電圧を印加して通電させる(ステップS31)。ただし、液面検出器34により電解槽27内の水位が下限水位以下であることを検知した場合には、補水電磁弁39を開いて給水管36から電解槽27内に補水させ、電解槽27内に所定水位以上の水が供給されたら補水電磁弁39を閉じる。
【0044】
電解槽27の両電極29a、32b間に通電すると、電解槽27内の水が電気分解されて水素ガスと酸素ガスが発生し、発生した水素ガスと酸素ガスは、隔壁28によって右室と左室に分離される。左室で発生した酸素ガスは酸素排気口35から外部へ逃げ大気中に放出される。
【0045】
電解槽27の右室では水素ガスが発生するが、このときまだ吸込管電動三方弁20と供給管電動三方弁21が気液混合タンク12側で閉じていて排水管25も閉じているので、満水の気液混合タンク12内に水素ガスを供給することはできない。従って、電解槽27の両電極29a、29bに通電した後、排水電磁弁26を開く(ステップS32)。ただし、排水電磁弁26は開き放しにすると、排水電磁弁26から流れ出る浴水の流れによって気液混合タンク12内が負圧になり、電解槽27内の電解液が気液混合タンク12側へ吸い出される恐れがあるので、実際には液面検出器34によって電解槽27内の電解液の水位を監視しながら排水電磁弁26の開閉を制御し、電解液が気液混合タンク12側へ吸い出されないようにしている。
【0046】
気液混合タンク12は水素ガス供給管30と排水電磁弁26以外は閉じているので、排水電磁弁26が開いても直ちに気液混合タンク12内の水が排水されてしまうことはなく、水素ガス供給管30を通じて電解槽27から水素ガスが供給された分だけ気液混合タンク12内の水が排水管25から下水道に排水される。
【0047】
こうして気液混合タンク12内の水は、次第に電解槽27で発生した水素ガスに置換されていき、気液混合タンク12内の水は排水管25から排水されて水位が下がっていく(水素ガス充填運転)。この間、コントローラ40は、運転取止めスイッチ43が入浴者によってオンにされたかどうかを監視している(ステップS33)。また、液面検出器23により気液混合タンク12内の水位を監視し、気液混合タンク12内への水素ガスの充填が終了して気液混合タンク12内の水位が底面近くの所定水位まで下がったか否かを監視している(ステップS35)。そして、水素ガスの充填が終了する前に運転取止めスイッチ43がオンになったと判断した場合には、循環ポンプ19を停止させ(ステップS34)、浴水の循環を停止させた状態で気液混合タンク12内への水素ガスの供給を継続する。
【0048】
気液混合タンク12内の水位が所定水位まで下がって水素ガスの気液混合タンク12への充填が終了したと判断した場合には、電解用電源45をオフにして水素ガスの発生を止め、電解槽27から気液混合タンク12への水素ガスの供給を停止させる(ステップS36)。
【0049】
水素ガス供給を停止したとき、まだ運転取止めスイッチ43がオンにされていない場合(ステップS38でnoの場合)には、運転取止めスイッチ43がオンになるまで循環ポンプ19を運転し続けて浴水を循環させ、運転取止めスイッチ43がオンになったら(ステップS38でyesの場合)、循環ポンプ19を停止させて(ステップS39)水素水供給装置11の運転を終了する。
【0050】
また、図4のステップS27で、気液混合タンク12が満水になったとき、あるいはそれ以前に運転取止めスイッチ43が押されてオンになっている場合の処理を図6に従って説明する。ステップS27で運転取止めスイッチ43がオンになっている場合には、循環ポンプ19を停止させて浴水の循環を停止させた(ステップS40)後、吸込管電動三方弁20をバイパス管22側に切り替えて気液混合タンク12側で閉じると共に供給管電動三方弁21をバイパス管22側に切り替えて気液混合タンク12側で閉じる(ステップS41、S42)。ついで、ガス供給側電動三方弁31は電解槽27側に切替えられ、エアベント33側は閉じられる(ステップS43)。
【0051】
コントローラ40は、電解用電源45をオンにして電解槽27の陰電極29aと陽電極29bとの間に直流電圧を印加して通電させる(ステップS44)。電解槽27の両電極29a、29b間に通電すると、電解槽27内の水が電気分解されて水素ガスと酸素ガスが発生し、発生した水素ガスと酸素ガスは、隔壁28によって右室と左室に分離される。左室で発生した酸素ガスは酸素排気口35から外部へ逃げ大気中に放出される。
【0052】
電解槽27の右室では水素ガスが発生するが、このときまだ吸込管電動三方弁20と供給管電動三方弁21は気液混合タンク12側で閉じており、排水管25も閉じているので、満水の気液混合タンク12内に水素ガスを供給することはできない。従って、電解槽27の両電極29a、29bに通電した後、排水電磁弁26を開く(ステップS45)。
【0053】
気液混合タンク12は水素ガス供給管30と排水電磁弁26以外は閉じているので、排水電磁弁26が開いても直ちに気液混合タンク12内の水が排水されてしまうことはなく、水素ガス供給管30を通じて電解槽27から水素ガスが供給された分だけ気液混合タンク12内の水が排水管25から下水道に排水される。
【0054】
こうして気液混合タンク12内の水は、次第に電解槽27で発生した水素ガスに置換されていき、気液混合タンク12内の水は排水管25から排水されて水位が下がっていく(水素ガス充填運転)。この間、コントローラ40は、液面検出器23により気液混合タンク12内の水位を監視し、気液混合タンク12内への水素ガスの充填が終了して気液混合タンク12内の水位が底面近くの所定水位まで下がったか否かを監視している(ステップS46)。そして、気液混合タンク12内の水位が所定水位まで下がって水素ガスの気液混合タンク12への充填が終了したと判断した場合には、電解用電源45をオフにして水素ガスの発生を止め、電解槽27から気液混合タンク12への水素ガスの供給を停止させ(ステップS47)、水素水供給装置11の運転を終了する。
【0055】
なお、上記実施例のフローでは、気液混合タンク12内が満水にならないうちに運転取止めスイッチ43が押された場合(ステップS25でyesの場合)には、ガス供給側電動三方弁31をエアベント33側で開いて気液混合タンク12内を満水にさせるようにした。気液混合タンク12内が満水にならないうちに運転取止めスイッチ43が押された場合の異なる処理方法としては、ただちに循環ポンプ19を停止させ、残った水素ガスをそのままにして気液混合タンク12内に水素ガスを補充させるようにしてもよい。その場合には、ステップS25でyesの場合には、ステップ16に代えて図6に示したステップS40〜S50の処理を実行するようにすればよい。
【0056】
本実施例の水素水供給装置11においては、水素溶解運転が終了した後で水素ガス充填運転を行なっているので、運転終了時もしくは次回の運転開始時には既に気液混合タンク12内に水素ガスが充填された状態となっている。従って、水素水供給装置11の運転開始時には、循環ポンプ19を循環させて短時間で水素溶解運転を開始させることができ、水素溶解運転までの待ち時間を短くすることができる。よって、水素水供給装置11の使い勝手が良好となる。特に、水素ガス供給手段として電解槽を用いる場合には、必要量の水素ガスを発生させるのに時間が掛かるが、この水素水供給装置11では、水素ガス充填運転を最後に行なうようにすることで不便さを回避することができる。
【0057】
また、この本発明の水素水供給装置11によれば、電解槽27で発生した水素ガスが空気や酸素と触れることなく気液混合タンク12内に充填され、気液混合タンク12内で浴水に溶解されるので、水素ガスが酸素と反応して燃焼したり小爆発したりする恐れが無く、水素水供給装置11の安全性を高めることができる。また、浴水に酸素(特に、活性酸素)が混じることも防止することができる。さらには、水素ガスと置換させるための浴水として、水素溶解運転の結果気液混合タンク12内に充満した浴水を利用することができるようになるので、下水などに排水する浴水の排水量を少なくすることができる。
【0058】
また、本発明の水素水供給装置11によれば、気液混合タンク12内に充満させた浴水と水素ガスを置換させることによって気液混合タンク12内に水素ガスを溜めているので、気液混合タンク12内の水位を検出するという簡単な方法で気液混合タンク12内の水素ガス量を検出することができる。
【0059】
以上好ましい実施例1について説明したが、この実施例は適宜変形することができる。例えば、図4〜図6の処理を単純にしたい場合には、ステップS24でyesの場合に直ちに図5のステップS28〜S39を実行するようにしてもよい。このようにすれば、運転取止めスイッチ43がオフかオンかによって図5のような処理と図6のような処理とに分ける必要が無くなり、処理を簡単にすることができる。このようにしても、運転取止めスイッチ43がオンの場合でも、循環ポンプ19を停止させるタイミングが若干ずれるだけである。
【0060】
また、上記実施例のステップS24では、液面検出器23によって気液混合タンク12内が満水になったか否かを判定したが、別な方法としては、気液混合タンク12内に一定流量で浴水が供給されるようにし、またコントローラ40に予め気液混合タンク12の容量を入力しておき、コントローラ40のタイマー機能を利用して給水時間を計ることによって気液混合タンク12内を満水にしてもよい。
【0061】
また、上記実施例では、気液混合タンク12内に水素ガスが無くなって水素溶解運転が終了した後も、運転取止めスイッチ43がオンになるまでは循環ポンプ19の運転を継続して水素水循環運転を行なっているが、この水素水循環運転は図7に示すフロー図のように省略してもよい。図7において示す各ステップは、図4〜図6に表わした対応する各ステップと同じ処理を表わしているので、その説明は省略する。図7に示した変形例においては、ステップS24及びS40〜S48に示すように、気液混合タンク内に水素ガスが無くなって水素溶解運転が終了したら循環ポンプ19を停止させ、水素ガス充填運転だけを行なわせるようにしている。よって、この変形例では運転取止めスイッチ43は省くことが可能になる。また、ステップS13、S14の循環判定スイッチ18による循環判定も、気液混合タンク12に浴水を通過させて行なうことが可能であり、またステップS41、S42の処理では気液混合タンク12側で吸込管15及び供給管16が閉じていれば足りるので、この変形例ではバイパス管22を無くすことも可能になる。
【実施例2】
【0062】
図8は本発明の異なる実施例による水素水供給装置11の一部を示す概略断面図である。図8では電解槽27と気液混合タンク12の部分だけを示しているが、これ以外の部分の構造は実施例1と同様である。この実施例においては、図8に示すように、電解槽27の酸素排気口35に開閉電磁弁47を設けている。また、水素ガス供給管30には、電解槽27側から気液混合タンク12側へのみ水素ガスを通過させるように逆止弁48を設けている。
【0063】
この実施例は、以下に説明するように、水素ガスを電解槽27から気液混合タンク12へ供給する水素ガス充填運転に特徴を有している。水素ガス充填運転においては、酸素排気口35の開閉電磁弁47を閉止した状態で電解用電源45をオンにして陰電極29a、29bに通電し、水を電気分解して水素ガスと酸素ガスを発生させる。ガスの発生量が増加するに従って水素ガスと酸素ガスの圧力が高くなり、電解槽27内の圧力が上昇する。そして、電解槽27内の圧力が気液混合タンク12内の圧力を超えると逆止弁48が開き、水素ガスが電解槽27から気液混合タンク12側へ移動する。このとき開閉電磁弁47は閉じた切りにするのでなく、電解槽27内の電解液の偏りをなくすため、水素ガスの移動量とのバランスを取りながら適当なタイミングで開成または閉成する。このようにして水素ガスを供給すれば、水素ガスの発生圧を利用して水素ガスを気液混合タンク12へ移動させることができるので、水素側充填運転の時間を短縮させることができる。
【0064】
水素ガス発生初期には、電解槽27内の圧力を速やかに上昇させるために陰電極29a及び陽電極29bの通電電流を通常よりも増大させ、水素ガスの発生量を大きくしてもよい。また、水素ガス発生初期にも、陰電極29a及び陽電極29bの通電電流を調整して水素ガスの発生量を変化させ、開閉電磁弁47の開閉制御と併せて電解槽27内の水位や気液混合タンク12における水素ガスの溶解量を調整するようにしてもよい。
【0065】
また、上記実施例では、水素水供給装置を浴槽と組み合わせた場合について説明したが、本発明の用途は風呂システムに限られるものではなく、水素ガスを溶解させた液体や、水素水を製造する装置一般に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施例であって、浴槽用の水素水供給装置を示す概略断面図である。
【図2】同上の水素水供給装置のコントローラの働きを説明するための機能ブロック図である。
【図3】本発明の水素水供給装置を用いて水素水を製造し、供給する工程を説明する概略フロー図である。
【図4】本発明の水素水供給装置を用いて水素水を製造し、供給する工程を説明する詳細なフロー図である。
【図5】図4のフロー図の一部である。
【図6】図4のフロー図の一部である。
【図7】実施例1の変形例におけるフロー図である。
【図8】本発明の別な実施例による水素水供給装置の一部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0067】
11 水素水供給装置
12 気液混合タンク
13 浴槽
14 バスアダプター
15 吸込管
16 供給管
17 給水ノズル
18 循環判定スイッチ
19 循環ポンプ
20 吸込管電動三方弁
21 供給管電動三方弁
22 バイパス管
23 液面検出器
25 排水管
26 排水電磁弁
27 電解槽
29a 陰電極
29b 陽電極
30 水素ガス供給管
31 ガス供給側電動三方弁
32 排気管
33 エアベント
34 液面検出器
35 酸素排気口
40 コントローラ
41 リモコン
42 水素溶解運転スイッチ
43 運転取止めスイッチ
47 開閉電磁弁
48 逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液混合タンクに第1の水流路と第2の水流路のそれぞれの一方端部を接続し、
水素ガスが充填された気液混合タンク内に第1の水流路から水を供給することによって水素ガスが溶解した水を生成し、水素ガスが溶解した水を第2の水流路を通じて送り出す第1の工程と、
気液混合タンク内で水素ガスが水に溶解することによって気液混合タンク内の水素ガスの少なくとも一部が水と置換して第1の工程が終了した後、空気を遮断した状態で気液混合タンク内に水素ガスを供給すると共に気液混合タンク内の水を排出することにより、気液タンク内に水素ガスを充填させる第2の工程と、を備えた水素水供給方法。
【請求項2】
前記気液混合タンクに供給される水素ガスは、電解槽において水を電気分解することにより生成されることを特徴とする、請求項1に記載の水素水供給方法。
【請求項3】
電解槽の酸素発生側に開閉自在な酸素排気口を設け、電解槽の水素発生側と前記気液混合タンクとを水素ガス供給管によってつなぎ、前記水素ガス供給管に電解槽側から気液混合タンク側へのみ水素ガスが移動できるように逆止弁を設け、 前記酸素排気口を閉じた状態で水を電気分解して電解槽から気液混合タンクへ水素ガスを供給させるようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の水素水供給方法。
【請求項4】
前記気液混合タンクは、内部の水位を検出するための水位検出器を備え、前記水位検出器が所定水位以上の水位を検知したときに前記第1の工程が終了したと判断するようにしたことを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の水素水供給方法。
【請求項5】
タイマー手段を備え、第1の工程において第1の水流路から気液混合タンクへの給水時間を前記タイマー手段により計測し、前記タイマー手段で計測された給水時間が所定時間以上になったときに前記第1の工程が終了したと判断するようにしたことを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の水素水供給方法。
【請求項6】
気液混合タンクに第1の水流路と第2の水流路のそれぞれの一方端部を接続し、前記第1の水流路と前記第2の水流路との間に前記気液混合タンクを迂回するようにしてバイパス管を設け、バイパス管の両端と前記第1の水流路及び前記第2の水流路とを三方弁によって接続し、
水素ガスが充填された気液混合タンク内に第1の水流路から水を供給することによって水素ガスが溶解した水を生成し、水素ガスが溶解した水を第2の水流路を通じて送り出す第1の工程と、
気液混合タンク内で水素ガスが水に溶解することによって気液混合タンク内の水素ガスの少なくとも一部が水と置換して第1の工程が終了した後、前記第1の水流路、前記バイパス管及び前記第2の水流路で水を循環させながら、空気を遮断した状態で気液混合タンク内に水素ガスを供給すると共に気液混合タンク内の水を排出することにより、気液タンク内に水素ガスを充填させる第2の工程と、を備えた水素水供給方法。
【請求項7】
前記第1の工程の最中にも、前記気液混合タンクに水素ガスを供給するようにしたことを特徴とする、請求項1〜6に記載の水素水供給方法。
【請求項8】
前記気液混合タンクが、第1の水流路及び第2の水流路によって浴槽と接続され、前記第1の水流路又は第2の水流路に循環ポンプが設けられており、前記循環ポンプを稼働させて浴槽内の浴水を前記気液混合タンクと前記浴槽との間で循環させるようにしたことを特徴とする、請求項1〜7に記載の水素水供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−167684(P2006−167684A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367384(P2004−367384)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】