説明

水蒸気切断装置用のカップリング装置

本発明は、水蒸気切断装置(1)のタンク(6)と液体充填カートリッジ(25)との間の流路を形成するために使用されるカップリング装置(24)に関し、前記カップリング装置(24)は、内部に収容領域(30)が形成され、カートリッジ(25)を上に搭載するために使用されるハウジング(29)と、カートリッジ(25)に流体的に接続可能な入口(40)及び、外部周囲領域、たとえば、タンク(6)に流体的に接続可能な出口(41)を設けた流路(39)とを備える。測定装置(38)がハウジング(29)内に配置され、カートリッジ(25)がハウジング(29)に搭載されず出口(41)が係止される係止位置を画定することができる。測定装置(38)は、特にハウジング(29)上にカートリッジ(25)を搭載することによって前記測定装置(38)が移動可能であり出口(41)が解放される解放位置も確定することができる。さらに、水蒸気切断装置(1)の制御方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気切断装置のタンクと液体充填カートリッジとの間の流路を生成するために使用されるカップリング装置に関し、前記カップリング装置は、前記カートリッジを搭載するために内部に収容領域を設けたハウジングと、前記カートリッジに流体的に接続可能な入口と外部周囲領域、たとえば、タンクに流体的に接続可能な出口とを設けた流路とを備える。
【0002】
さらに、本発明は、少なくとも1つの液体用タンクと、電流源と、制御装置と、ノズルから放出される切断ビームを生成し、供給ラインを介して前記タンクに接続される切断トーチとを設けた水蒸気切断装置に関する。
【0003】
さらに、本発明は、プロセスパラメータ及びプロセス手順の記憶素子を設けた水蒸気切断装置用制御装置に関し、該装置は、電流源と液体の供給装置、特に、前記水蒸気切断装置のポンプ又は係止素子及び/又は係止部材とに接続され、前記水蒸気切断装置には、液体を充填し得るタンクと、前記タンク及び前記電流源に接続される切断トーチとが設けられる。
【0004】
最後に、本発明は水蒸気切断装置を制御する方法に関し、該方法では、前記液体が、充填可能タンクから切断トーチに供給され、前記切断トーチが必要に応じて電流源から電力を供給されるように、信号を電流源及び液体供給装置に送信することによって制御装置により制御される。
【背景技術】
【0005】
特許文献1は、少なくとも1つの液体用容器、電流源、制御装置、及びノズルを介して放出される水蒸気プラズマビームを生成するために供給ラインを介して前記容器又はタンクに接続される切断トーチを設けた水蒸気切断装置を開示する。前記容器は、所定の内圧を有する交換可能なガスボトル又はガスカートリッジとして設計する、あるいはそのガスボトル又はガスカートリッジに接続され得る。かかる圧力容器によって、ポンプを必要とせずに前記容器から前記切断トーチに液体を供給することができる。たとえば、説明される実施形態では、ガスが前記ガスボトルから液体を保持する前記容器に流れ込み、圧力クッションを形成して、前記容器の出口開口部から前記液体を強制的に排出させる。
【0006】
ただし、特許文献1は、前記切断装置の前記タンクをどのようにしてカートリッジからの液体で満たすかを開示していない。1つの実施形態のみが、開放容器と充填口とを用いてこれを実行し得ることを示している。しかし、このことは、局所的に固定されたインフラ、たとえば、前記容器を満たすために、いったん充填されたら移動させることのできない配水管への接続部を必要とするため快適とは程遠いことが分かる。さらに、追加圧力が印加されないので前記液体は相当緩やかにしか前記タンク内に流れ込まないため、前記タンクを満たすには長時間かかる。したがって、できる限りどのインフラからも独立して前記液体が充填され得る水蒸気切断装置を有することが有益であろう。さらに、資源、特に水はできる限り効率的に使用されるべきである、すなわち、液体は、残留物を残さず、こぼれるリスクなく、できる限り迅速にタンクに移送されるべきである。
【0007】
上記の従来技術のシステムは、容器を後で再充填するため、容器内の液体を完全に使い尽くすことができないという欠点も有する。このため、切断プロセスの誤作動が生じることがある、あるいは、タンクが空のとき空気がライン又はタンクに吸い込まれる可能性があるため、トーチが損傷する場合があるので、システムはこれ以上適切な動作を保証できない。つまり、不都合なことに、液体資源が最適に使用できないということである。ただし、タンクが満たされた後、切断プロセスが適切に実行されるように、すなわち、水蒸気の生成を妨害し、切断プロセスに悪影響を及ぼす恐れのある気泡が切断トーチにつながる供給ラインに入らないように、確保すべきである。
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1050200号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述の従来技術の欠点を克服し、水蒸気切断装置の移動性と効率を向上させ、この目的の装置と方法を提供することである。特に、水蒸気切断装置の切断プロセスのために使用される液体資源は、より効率的に使用されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、測定装置がハウジング内に設けられるカップリング装置によって個々に実現され、前記測定装置は、カートリッジが前記ハウジングに搭載されておらず、出口が係止されている係止位置を画定し、前記測定装置は、特にハウジング上にカートリッジを搭載することによって前記測定装置が移動可能であり、出口が解放されている解放位置も画定する。カップリング装置の測定装置は、カートリッジが搭載されるときに機械的に開放される係止弁としても機能するため、本実施形態は有益である。逆止弁又は同様の弁を開放するのにカートリッジ内部の特定の最小圧力が必要とされる従来技術の実施形態とは異なり、本発明では、カップリング装置を係止位置から解放位置に至らせるために、カートリッジ内部に過剰な圧力が必要とされない。このことは、カートリッジが非常に大幅に空にされるときに都合がよい。なぜなら、ほぼ完全に空になったとき、カートリッジ内部の過剰な圧力が解放されて、残りの液体が略大気圧下でカートリッジから流出し得るからである。よって、液体資源をより完全に利用することができ、コスト低減及び資源節減を実現する。
【0011】
別の有益な実施形態では、出口を有する流路は、長手中央軸の方向に移動可能となるように、ハウジング内に保持される中空ボルトに配置される。このような設計の測定装置によって、カップリング装置は複雑な構造を必要とせずに中空ボルトを移動させることによって、2つの位置、すなわち、係止位置と解放位置を取ることができる。
【0012】
出口は前記中空ボルトの端部領域に配置されるため、前記中空ボルトは有益なことに、ハウジング外の解放位置に出口を至らせるように長手方向に短距離だけ移動させればよい。
【0013】
さらに、有益なことに、少なくとも1つの穿孔が、前記長手中央軸に対して横方向に壁厚全体に延在する前記中空ボルトの端部領域に設けられる。よって、係止位置では、前記出口は前記ハウジング内に容易に設けることができ、前記出口は前記ハウジングの側壁で覆われる。
【0014】
係止位置で、前記出口が前記ハウジングの側壁で覆われる、あるいは係止される際、前記出口のために係止機構を別に設ける必要がなく、したがってカップリング装置を単純でコンパクトな構造にすることができる。
【0015】
この状況では、実際の実施形態では、解放位置にある前記出口は、画定された移動範囲全体で移動されることにより前記ハウジング外に設け得る。これにより、カートリッジ、特にディスペンサが適切な構造であるとき、前記出口を容易に移動させることができる。
【0016】
移動範囲を定める前記カートリッジのディスペンサ用の停止面を有する収容領域に測定装置を設けることは、前記カップリング装置上の搭載位置に前記カップリング装置上の前記カートリッジを位置決めする簡単で有効な方法である。
【0017】
特に有益な実施形態では、前記停止面は前記ハウジングの前記長手中央軸に対してある角度で傾斜し、前記角度は好ましくは、前記カートリッジがすべての空間方向で前記カップリング装置上での位置を取り得るように、前記カートリッジの停止面が傾斜する角度に相当する。さらに、前記カートリッジ又はハウジングの前記停止面は、移動範囲、すなわち、解放位置を画定する。この点に関し、内部チャンバ用の手動で動作停止される係止機構を有する特定の種類のカートリッジは、前記カップリング装置に搭載されたカートリッジ容器に力を加えることによって、この開放位置で容易に開放させられることも有益であり、これにより係止機構が前記カートリッジ内部のチャンバを解放して前記内部チャンバと流路間の流れ接続をもたらす。これは、タンクを満たす際に液体がこぼれるのを防ぐ。
【0018】
有益なことに、前記カートリッジのディスペンサが、トラニオン、特に中空シリンダとして成形されるトラニオン及び前記停止面により形成され、係止位置と解放位置との間の前記移動範囲は、前記トラニオンの長さによって決定される。よって、前記カップリング装置に搭載する際、前記ディスペンサの前記トラニオンは最初に前記中空ボルトに係合し、前記ディスペンサの前記停止面が前記ハウジング上で静止するまで該ボルトを移動させてよい。
【0019】
前記入口が設けられる端部領域では、前記中空ボルトには、前記カートリッジの前記ディスペンサの前記トラニオン用に停止面が設けられる。したがって、移動範囲はたとえば、前記トラニオンの長さを変動させることによって変動させ得る。
【0020】
さらなる有益な実施形態では、前記カートリッジの前記係止機構の孔が開放あるいは失活され、前記測定装置が解放位置に配置される充填位置では、前記カートリッジ内部のチャンバと前記流路との間の流れ接続がもたらされる。前記カップリング装置が解放位置にあるときに取られるかかる充填位置は、前記カートリッジからの液体が前記タンクのみに流れるように保証する。さらに、タンク充填プロセスはユーザによって制御してよく、任意で前記カートリッジの中身の一部のみを前記タンクに充填してよい。
【0021】
有益なことに、前記測定装置には、前記中空ボルト又は前記出口を係止位置に保持する弾性素子、特にバネ又は弾性クッションが設けられる。これにより、前記係止位置を容易に定めることができ、前記カップリング装置は上述したように、前記バネの力を克服することによって解放位置に容易に至らされる。
【0022】
好適には、前記ハウジングは管状、特に中空シリンダ状である。
【0023】
さらに、有益なことには、前記中空ボルトの端部領域には、係止位置で、前記ハウジングの前面に隣接する停止素子及び/又は封止素子が設けられる。よって、前記弾性素子によって予め応力をかけられる前記中空ボルトは、前記停止素子によって係止位置に配置され得る。さらに、前記入口及び出口を有する流路が設けられる前記ハウジング内部のチャンバは、流路出口領域で前記封止素子によって封止されてよい。したがって、前記カップリング装置の係止位置では、前記タンク内部の前記チャンバは、外部に対して厳重に密封される。前記カップリング装置が係止位置にあるとき、気体又は液体が前記カップリング装置の設けられる前記タンクから流路を通って漏れ出さないので、この封止は特に有益である。
【0024】
本発明の目的を達成する別の個別の方法は、タンクに請求項1〜14のいずれか1項に係る、すなわち上記説明に係るカップリング装置が設けられ、前記カップリング装置の解放位置において、前記タンク内部のチャンバが前記カップリング装置の前記流路の前記出口に流体的に接続される水蒸気切断装置に関する。液体カートリッジの使用を可能として、かかる水蒸気切断装置は非常に柔軟性及び可動性をもって使用することができ、液体資源の非常に効率的な使用をも可能にする。したがって、前記タンクはさほど頻繁に満たす必要がないため、結果的に保守要員にとっての保守要件が低減される。
【0025】
前記タンクには脱気装置が設けられるため、タンクを満たす際に液体によって移動させられる空気が脱出することによって、何の問題もなく前記タンクを迅速に充填することができる。
【0026】
切断トーチ又はラインに脱気装置が設けられる実施形態は、前記構成要素に存在する空気又は気体が脱出して、前記切断トーチに連続的に液体を供給することができるために有益である。
【0027】
前記切断トーチ又は前記ラインに制御装置に接続された係止部材が設けられる場合、液体は有益なことに、前記ライン及び前記切断トーチが前記液体で再充填されるとき、前記切断トーチから脱出不能である。任意で、いくらかの過剰な圧力が生成されてよいが、少なくとも前記液体は前記ライン又は切断トーチ内で気泡を発生させることなく分配される。
【0028】
本発明の目的を達成する別の個別の方法は、保守モード、特に充填モードを実行するための定義が記憶素子に記憶されて、前記水蒸気切断装置の操作性のチェック及び/又は復元を可能とし、始動素子が前記制御装置に連結され、前記始動素子は、前記始動素子が始動されるとき、あるいは充填事象が検知されるときに前記保守モードが開始されるように設計される制御装置に関する。
【0029】
動作素子である前記始動素子、特にキーの設計は、前記水蒸気切断トーチを調整する追加の機会をユーザに提供し、切断プロセスの向上に役立つ。
【0030】
スタッフによる操作の簡易化は、前記水蒸気切断装置の入力及び/又は出力装置を前記動作素子に設けることによって達成される。
【0031】
操作の簡易化のために、前記切断トーチに前記動作素子を配置することも好適である。
【0032】
さらに、前記始動素子は、前記タンクを監視するために設けられる検知手段、特にセンサによって形成してよい。つまり、前記制御装置は、前記タンクが満たされたか否かを検知してよく、自動的に、あるいはこの事象と連動して保守モードを開始させることができる。
【0033】
前記検知手段は、前記カップリング装置を監視するために、特に上述した特有の特徴を有する前記カップリング装置に連結されてよく、カートリッジが前記タンクに連結されているか否かを検知する。
【0034】
さらに、本発明の目的は、始動素子に応じて、保守手順、特に充填モードが制御装置によって呼び出され、そのモード又は手順中に、前記水蒸気切断装置の操作性、特にライン及び切断トーチ内の液体の存在又は分配がチェック及び/又は復元され、操作性を復元するために、前記切断トーチが切断プロセスを実行せずに、液体が前記切断トーチ、及び前記トーチにつながる前記ラインに供給される方法によって実現される。かかる実施形態又は方法によれば、有益なことにタンク内の液体をより効率的に使用できる。保守モードは、タンクが完全に又は大半が空になった後ですら、水蒸気切断トーチの操作性が復元されるように保証する。このため、切断トーチ及びライン内の液体の分配は通常レベルまで戻されて、封入された空気などを除去する。よって、保守モードの実行後、切断プロセスを適切に実行することが可能である。
【0035】
有益なことに、始動素子は、切断トーチを用いる切断プロセスを実行する前に、タンクが初めて充填された、あるいは再充填された後で始動されるか、あるいは特に上述の特有の特徴を有するカップリング装置を介して始動される。これは、後の切断プロセスを開始する前に実行しなければならないセキュリティ措置であって、全体的なプロセスの安全性を向上させる。
【0036】
好適には、保守手順を実行する関連パラメータが記憶素子から呼び出され、液体供給装置、特にポンプ、前記供給装置の係止素子、及び/又は切断トーチの領域内の係止部材がそれに従い制御される。なぜなら、従来技術の電子制御装置、特にマイクロプロセッサ制御装置の使用は、前記記憶素子に記憶されたプログラムルーチンに応じて各種構成要素の柔軟で調節可能な制御を可能にするからである。
【0037】
保守手順の間に、流れ制御装置又は圧力制御装置が、切断トーチ又は供給ラインに液体が供給されているか否かを、任意で前記ラインに最小限の圧力を印加することによってチェックする方法は、前記水蒸気切断装置の操作性が復元されたか否かの判定を可能にするので有益である。
【0038】
保守手順の間、ラインと切断トーチは特に脱気手段を介して脱気されるため、切断プロセスの誤作動を引き起こす可能性のある封入空気を除去し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明は、概略図である添付の図面を用いてより詳細に以下説明される。
【0040】
図1は、供給装置2を設けられた水蒸気切断プロセス用水蒸気切断装置1を示す。供給装置2は、電流源3と、制御装置4と、制御装置4に割り当てられた係止素子5と、タンク6とを備える。係止素子5が、タンク6と、供給ライン8を介して切断トーチ7によって形成されるツールとに接続されて、切断トーチ7がタンク6に備えられる液体9、特に水を供給される。切断トーチ7は、供給装置2からのライン10、11を介してエネルギー、特に電流及び電圧が供給される。
【0041】
冷却のために、切断トーチ7は、任意で流れ制御装置13が設けられる冷却回路12を介して、液体充填容器14に任意に接続される。切断トーチ7又は供給装置2が動作させられるとき、冷却回路12は制御装置4によって始動され、冷却回路12を介して切断トーチ7を冷却してよい。切断トーチ7は、冷却ライン15、16を介して液体充填容器14に接続され、冷却回路12を形成する。切断トーチ7はタンク6に備えられる、気化される液体9によって冷却されてもよく、該液体は供給ライン8を介して切断トーチ7に移送される。この場合、別個の冷却回路12は必要ない場合もある。
【0042】
さらに、供給装置2は、水蒸気切断装置1の各種パラメータ及び動作モードを設定及び/又は表示する入力及び/又は出力装置17を有する。入力及び/又は出力装置17を介して設定されるパラメータは、制御装置4に伝えられ、次いでそれに応じて個々の水蒸気切断装置1の構成要素を始動する。
【0043】
当然ながら、切断トーチ7は、本実施形態に示されるように、個々のライン8、10、11、15、16を介して供給装置2に必ずしも接続される必要はないが、少なくとも個々のライン8、10、11、15、16の少なくともいくつかは、連結素子、特に接続プラグを介して切断トーチ7及び供給装置2に接続されるホースアセンブリ(図示せず)にまとめてもよい。
【0044】
さらに、切断トーチ7には、少なくとも1つの第1の動作素子18、特にプッシュボタン19を設けてよい。第1の動作素子18、特にプッシュボタン19から、ユーザは、動作素子18を始動及び/又は停止することによって、水蒸気切断プロセスを開始あるいは実行するように切断トーチ7から制御装置4に命じてよい。さらに、入力及び/又は出力装置17はたとえば、切断される材料、使用される液体、及びたとえば電流及び電圧特性を予め設定する、特に予め定義するために使用してよい。切断トーチ7には当然ながら、水蒸気切断装置1の1以上の動作パラメータを切断トーチ7から設定するさらなる動作素子を設けてよい。動作素子は、直接ラインを介して、あるいはバスシステムを介して供給装置2、特に制御装置4に接続してよい。
【0045】
第1の動作素子18が作動されると、制御装置4は水蒸気切断プロセスに必要な個々の構成要素を始動させる。たとえば、最初に、液体9用の給送装置20、特にポンプ21、遮断素子5、及び電流源3が始動されることによって、切断トーチ7への液体9及び電力の供給を開始する。次に、制御装置4は任意で冷却回路12を始動させることによって、切断トーチ7を冷却することができる。切断トーチ7に液体9及びエネルギー、特に電流及び電圧が供給されると、切断トーチ7中の液体9は高温気体22又は水蒸気に変換され、切断トーチ7を出る気体22がワーク23を切断するのに使用され得るように、プラズマ柱が生成される。液体9を気体22に変換する正確なプロセスは、本出願人によるAT 406 559 Bから知ることが可能である。
【0046】
図2は、タンク6の領域における水蒸気切断装置1の詳細図である。連結ないしカップリング装置24はタンク6上に設けられ、このカップリング装置上にカートリッジ25又は圧力ガスパックが搭載されてよい。カップリング装置24が、カートリッジ25内部のチャンバ26とタンク6内部のチャンバ27との間の接続を提供する役割を果たすことで、媒体がカートリッジ25内部のチャンバ26からタンク6に流れ込める。
【0047】
カートリッジ25は少なくとも液体9、特に水を含み、カートリッジ25内部のチャンバ26は好ましくは過剰な圧力下にあり、ディスペンサ28が開放されたときに液体9が高速で出る。かかるカートリッジ25は従来技術から公知であるので、過剰な圧力を生成する構造及び機能は本明細書ではこれ以上詳細に説明しない。有益なことに、本発明に係るカップリング装置24の構造は、過剰な圧力を持たない、すなわち大気圧を有するカートリッジ25又は容器の使用も許容する。
【0048】
カップリング装置24は、収容領域30が設けられるハウジング29を有する。収容領域30は、ディスペンサ28を有するカートリッジ25がハウジング29に搭載できるように設計される。図示される実施形態では、カートリッジ25のディスペンサ28は、前面領域32で出口33を有する円柱状のトラニオン31により形成される。前面領域32に対向するトラニオン31の端部領域34は、特にカートリッジ25の長手中央軸37に対して角度36で傾斜する停止面35を有する。
【0049】
さらに、カップリング装置24は、カートリッジ25によるタンク6の充填の制御を可能にする測定装置38を有する。この目的のため、流路39が測定装置38に割り当てられ、該流路は少なくとも1つの入口40と1つの出口41とを有する。入口40は、カートリッジ25の出口33に流体的に接続されてよく、測定装置38の出口41は外部に開放されてよく、特に、タンク6内部のチャンバ27に流体的に接続されてよい。
【0050】
測定装置38は、カップリング装置24が少なくとも1つの係止位置及び1つの解放位置を取り得るように形成される。測定装置38によって定められる係止位置では、流路39の出口41は閉鎖されるため、液体が流路39を通って脱出できない。解放位置では、流路39の出口41は開放され、外部からアクセス可能であるため、流路39内に存在する液体は出口41を通って脱出できる。
【0051】
通常状態では、すなわち測定装置38が外部の力を受けていないとき、カップリング装置24は係止位置にある。カップリング装置24を、測定装置38を用いて係止位置から解放位置に至らせてよい。好ましくは、これは、カートリッジ25をカップリング装置24の収容領域30に搭載することによって実行され、搭載により、出口41と流路39の移動が生ずる。
【0052】
これを発生させるため、本例では、流路39は、長手方向に移動可能になるようにハウジング29内部に保持される中空ボルト42内に設けられる。収容領域30では、前停止面43が中空ボルト42に設けられ、カートリッジ25がカップリング装置2に搭載されると、停止面43はカートリッジ25のトラニオン31の前面44に接触する。
【0053】
さらに、測定装置38には、圧力又は応力がかかっていないときに係止位置において中空ボルト又は出口を保持する弾性素子45、特にバネ46、弾性クッション、又はそれらに類似するものが設けられる。バネ46はたとえばハウジング29内部に設けられ、図2に示されるように、中空ボルト42の支持面47及びハウジング29の支持面48上で静止する。この場合、バネ46は、任意でハウジング29の凸部49に対して中空ボルト42を強制的に押し付けることによって、カップリング装置24の係止位置を画定できる圧力バネである。
【0054】
中空ボルト42は矢印50の方向に素子45のバネ力に対抗して作用する力を受けるとき、中空ボルト42は長手中央軸51の方向に移動させられ得る。この目的で、ハウジング29には、側壁53及び前壁54によって囲まれる内部中空空間52が設けられる。前壁には、中空ボルト42が解放位置において延在する空洞55が設けられる。
【0055】
カートリッジ25のための収容領域30における中空ボルト42の一端部領域56はたとえば凹部と凸部によって形成され、(図示されるように)凹部は内側でカートリッジ25のトラニオン31用の停止面43を形成し、凸部は外側でバネ46用の支持面47を形成する。好ましくは、搭載又は停止素子58、たとえば、ナット59及び封止素子60、特に封止リングは、中空ボルト42の別の端部領域57に設けられる。カップリング装置24の係止位置では、停止素子58と封止素子60はハウジング29の前壁54に隣接し、バネ46によって予め応力をかけられて、ハウジング29の中空空間52が係止位置において外側に対して封止される。図示される例では、カップリング装置24の係止位置は、前壁54に隣接する停止素子58又は封止素子60によって定められる。
【0056】
供給装置2、特にタンク6上でのカップリング装置24の位置は、固定手段61、特にネジによって固定され、カップリング装置24の長手中央軸51は好ましくは供給装置2の水平固定面に対して略垂直である。タンク6とハウジング29との間の封止素子は、タンク6内部のチャンバ27を封止する役割を果たしてよい。封止素子は詳細に説明しないが、図2に示される。
【0057】
カートリッジ25用のハウジング29の収容領域30には、カップリング装置24に搭載する際にカートリッジ25の端部位置を画定する停止面62が設けられる。この目的で、ディスペンサ28の停止面35は、収容領域30の停止面62に接触する。好ましくは、停止面62は、長手中央軸51に対して角度63で傾斜し、その角度はディスペンサ28の停止面35の角度36に相当する。
【0058】
好ましくは、測定装置38の出口41は、入口40に対向する中空ボルト42の端部領域57に設けられる。特に、中空ボルト42には、長手中央軸51に対して横方向に中空ボルト42の壁65の厚さを介して延在する少なくとも1つの貫通孔64(図2では2つの穿孔)が設けられる。
【0059】
かかる実施形態では、カップリング装置24の係止位置において、穿孔64はハウジング29の中空空間52内部に配置され、閉鎖されるか、外部からはアクセス不能の状態にある。カップリング装置24の係止位置では、流路39は、側壁53、前壁54、及び封止素子60によりタンク6内部のチャンバ27から封止される。
【0060】
カップリング装置24は中空ボルト42の停止面43に矢印50の方向で力を印加することにより、係止位置から解放位置に移され、この力は、逆方向に働く素子45のバネ力よりも強い。これが当てはまる場合、中空ボルト42は、図3に示されるように、移動範囲66に達するまで矢印50の方向に移動される。中空ボルト42の調整範囲は、いかなる動作素子の運動も制限するハウジング29上の止めにより移動範囲66に制限される。本例では、止めは、ハウジング29の収容領域30で停止面62により形成され、カップリング装置24に搭載する際に長手中央軸51の方向にカートリッジ25のディスペンサ28を位置決めする。カップリング装置24の最終解放位置にある間、ディスペンサ28の停止面35はハウジング29の停止面62上で静止し、トラニオン31の前面44は最初に中空ボルト42の停止面43に接触するので、トラニオン31が矢印50の方向に移動するとき、中空ボルト42は、ディスペンサ28が停止面62上で静止して移動範囲66に達するまで、ハウジング29に対して移動させられる。
【0061】
移動範囲66は、ディスペンサ28の構造上の実施形態によっても決定される。本例では、移動範囲はおよそ、トラニオンの長さ67から凸部49の幅68を引いたものとなる。
【0062】
図3は、解放位置におけるカップリング装置24を示す。同図が示すように、流路39の出口41は現在ハウジング29外に配置されており、流れ接続はタンク6内部のチャンバ27とカップリング装置24内の流路39との間に確立される。
【0063】
カートリッジ25が開放され(図4に示されるように)たので、内部チャンバ26内に存在する液体9は流路39の入口40に、及び流路39を介してタンク6に流れ込める。使用されるカートリッジの種類に応じて、カートリッジ25を開放するのに追加のステップが必要とされるかもしれないことに注意すべきである。
【0064】
本例では、係止機構69を有するカートリッジ25が使用され、図3及び4に示されるように、カップリング装置24の解放位置において動作停止させるようにしなければならない。係止機構69の動作停止は、ディスペンサ28をカートリッジ25の残りの容器70に対して二重矢印71の方向に相対移動させることにより実行される。よって、係止機構69は、容器70内部のチャンバ26を解放し、液体9はディスペンサ28の出口33から流出する。ディスペンサ28とカートリッジ25の容器70間の相対運動は、ディスペンサ28がカップリング装置24の収容領域30に位置する間、容器70に力を印加することにより容易に実行される。図3及び4では、これは、容器70が最終位置(図4)に達するまでにディスペンサ28の方向に移動する距離72によって表される。トラニオン31と停止面35を有する止めとを備えるディスペンサ28は好ましくはプラスチック製で、たとえば弾性クッション73を介して容器70に対して移動可能であるように配置される。図4は、タンク6を液体9で満たすための、カップリング装置24及びカートリッジ25の充填位置を示し、弾性クッション73はそれに応じて圧縮されている。
【0065】
本発明によると、弾性クッション73は停止面35が支持面62に接触した後に圧力を印加するとき、横方向に拡大し、図4に示されるように、収容領域30、特にカップリング装置24の側面及び/又は前面及び/又は停止面35に適合する。有益なことに、これによって、カートリッジ25を出る液体9が後ろに脱出しない、すなわち、カップリング装置24の後ろ部分が封止されているため、圧力下の液体9が穿孔64を介してのみ脱出するような封止機能が提供される。
【0066】
当然、従来技術から公知の他の係止機構69を有するカートリッジ25を使用できることも指摘できる。該カートリッジは、任意で各種混和剤を含んでよい水で満たされてよい。さらに、カートリッジには、部分的に圧縮ガスを充填するか、あるいは容器70内に過剰な圧力を生成するために任意の圧力生成装置を設けてよい。
【0067】
カップリング装置24に関して、ハウジング29の外側74に操作領域75を有してよいことにも留意すべきであり、カップリング装置24を操作及び搭載し易いように、該操作領域はたとえば構造化されるか又は浮彫り(76)されてよい。当然ながら、凹部又は凸部、粗面、ゴム素子、ノブ等を、同じ目的で操作領域75に設けてよい。
【0068】
さらに、充填位置では、カートリッジ25が自動的に開放状態のままにされて空にされ得るように、ディスペンサ28とカップリング装置24との間にロックを設けてよいことに留意すべきである。図5は、かかる係止機構77の例を示す。係止機構77は、ハウジング29の収容領域30のネジ78とディスペンサ28上のネジ79により形成される。上述したように、カートリッジ25がカップリング装置24に搭載され、その後、ネジ78、79が係合するようにカートリッジ25がねじられると、開放位置でカートリッジ25をカップリング装置24に固定することが可能である。さらに、係止機構77は、カートリッジ25の固定とは別に、カートリッジ25を開放させることが可能であるが、これは詳細には示さない。
【0069】
図6は、カップリング装置24の一例の上面図である。同図が示すように、ハウジング29及び中空ボルト42は略円柱状である。係止機構77の任意の素子は破線で示される。
【0070】
図2及び7にさらに示すように、好ましくは脱気装置80がタンク6に割り当てられる。脱気装置80はたとえば、タンク6が液体9で満たされるときに発生し得るタンク6内の過剰圧力が解放され得るように、圧力制御弁81で形成される。液体9によって移動されるタンク6内の空気は、脱気装置80の開口部82を通って脱出する。好ましくは、脱気装置80は、図2のバネ素子83によって表されるように自動的に係止する。
【0071】
さらに、図7に示すように、係止部材84を供給ライン8又は切断トーチ1内に設けてよく、この部材は必要に応じて切断トーチ7への液体供給を遮断してよい。係止部材84が始動されている場合、供給ライン8を介して切断トーチ7に供給された液体9は切断トーチ7から出ることができない。よって、供給ライン8及び切断トーチ7に液体9を供給するか、あるいは液体9にさらさせてよく、一方、任意で所定の圧力が給送装置20を介して供給ライン8で生成されてよい。さらに、タンク6が空だったとき給送装置20により吸い取られた、供給ライン8又は切断トーチ7内に存在する気体、特に空気を脱出させることができるように、脱気装置85を切断トーチ7及び/又は供給ライン8に割り当ててよい。よって、切断プロセスが問題なく開始され得るようにタンク6が再充填された後、切断トーチ7への液体の供給に際して気体の包含を避けてよい。
【0072】
個々の実施形態では、本発明はさらに、水蒸気切断装置1用の制御装置4と、水蒸気切断装置1の制御方法に関する。
【0073】
図7は、水蒸気切断装置4の実施形態を示す。制御装置4は、好ましくはデジタル形式でプロセスパラメータ及びプロセス手順を記憶する記憶素子86を有する。水蒸気切断装置1の構成要素は、各種プロセス手順の記憶されたパフォーマンス定義に従い制御してよい。制御装置4には、デジタル信号及びデータを処理するマイクロプロセッサ制御装置を設けてよい。制御装置4は、信号線、たとえばデータバスを介して、制御される構成要素に接続してよい。このような種類の、特にデジタル制御システムは当該技術において公知であるため、本明細書ではより詳細に開示も説明もしない。
【0074】
切断トーチ7が切断ビームを放出してワーク23を加工する切断プロセスを実行するプロセス手順に加えて、記憶素子86は、保守モード又は保守手順、特にいわゆる充填モードを実行するプロセス手順も含む。保守モードでは、水蒸気切断装置1が保守された後に、水蒸気切断装置1の操作性がチェックされる、及び/又は復元される。たとえば、保守モードは、切断プロセスを適切に実行するために供給ライン8及び切断トーチ7内に十分な液体9が確実にあるように、タンク6が充填又は再充填された後に行ってよい。保守モードでは、液体9が切断トーチ7にトーチにつながる供給ライン8を介して供給されるように、制御装置4が液体9用の給送装置20と接触する。
【0075】
制御装置4は、保守モードを始動させる、あるいは保守モードを開始するように作動される始動素子87に連結される。始動素子87は好ましくは、動作素子88、特にキー89により形成される。動作素子88は、供給装置2上の入力及び/又は出力装置17に割り当てられてよく、あるいは、個々の素子として切断トーチ7上に設けるかあるいは動作素子18と組み合わせてよい。保守手順を実行する際、関連プロセスパラメータが記憶素子から呼び出され、液体9用の給送装置20、特にポンプ21、及び係止素子5及び/又は係止部材84がそれに応じて制御される。好ましくは、保守モードでは、電気エネルギーが切断トーチ7に送られてアークを生成することはなく、制御装置4はそれに応じて電流源3を制御する。
【0076】
任意で、水蒸気切断装置1には、切断トーチ7及び供給ライン8内の液体の分配検知のために制御装置4に連結された流れ制御装置又は圧力制御装置が設けられる。たとえば、保守手順の間、流れ制御装置又は圧力制御装置は、切断トーチ7又は供給ライン8が液体9を十分に供給されているか、あるいはライン7内に所定の最小限の圧力があるかをチェックする。流れ制御装置又は圧力制御装置が、液体が適切に分配されていることを検知すると、保守モードが停止される。
【0077】
始動素子87が動作素子88により形成される場合、保守モードは、動作素子82を始動してタンク6を満たした後に、保守要員によって手動で開始させてよい。
【0078】
任意で、検知器又はセンサとして設計される始動素子87(図7では破線で示される)をタンク6又はカップリング装置24に割り当ててよく、該始動素子は、タンク6が満たされたか否か、すなわち、カートリッジ25がカップリング装置に連結されたか否かを制御装置4に自動的に通知する。これにより、確実にタンク6が充填された後にだけ保守モードが実行され、保守モードは制御装置24によって任意に呼び出されてもよい。さらに、制御装置4は、保守モードが実行されるまで、切断トーチ7によって切断プロセスを遮断してよい。
【0079】
別の可能な実施形態では、検知器により検知された状態に従い動作素子88を介して手動で保守モードを開始させることができるように、動作素子88及び検知器が設けられる。さらに、動作素子82が作動される、あるいは切断プロセスが開始されるたびに保守モードを実行することができ、切断装置1の操作性をセキュリティ措置としてチェックすることが可能である。
【0080】
図1〜7に示される個々の実施形態は、本発明に係る個々の解決策の主題であり得る。本発明に係るこのようなタスク及び解決策は、図面の詳細な説明から導き出してよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】水蒸気切断装置の実施形態の側面図である。
【図2】係止位置における図1に係る水蒸気切断装置のタンクのカップリング装置の断面図である。
【図3】液体カートリッジが閉鎖された、解放位置における図2に係るカップリング装置を示す。
【図4】液体カートリッジが水蒸気切断装置のタンクを満たすために開放された、図3に係るカップリング装置を示す。
【図5】液体カートリッジを有するカップリング装置の別の実施形態の詳細図である。
【図6】図2〜5に係るカップリング装置の上面図である。
【図7】水蒸気切断装置の別の実施形態の機能図である。
【符号の説明】
【0082】
1 水蒸気切断装置
2 供給装置
3 電流源
4 制御装置
5 係止素子
6 タンク
7 切断トーチ
24 カップリング装置
25 カートリッジ
28 ディスペンサ
29 ハウジング
31 トラニオン
38 測定装置
40 入口
41 出口
42 中空ボルト
53 側壁
57 端部領域
62 停止面
64 貫通孔
65 壁
66 移動範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水蒸気切断装置(1)のタンク(6)と液体が充填されるカートリッジ(25)との間の流路を形成するために使用され、前記カートリッジ(25)を搭載するために内部に収容領域(30)が形成されるハウジング(29)と、前記カートリッジ(25)に流体的に接続可能な入口(40)及び、外部周囲領域、たとえば、前記タンク(6)に流体的に接続可能な出口(41)を設けた流路(39)とを備えるカップリング装置(24)であって、測定装置(38)が前記ハウジング(29)内に配置され、前記測定装置(38)は、カートリッジ(25)が前記ハウジング(29)に搭載されず前記出口(41)が係止される係止位置と、特に前記ハウジング(29)にカートリッジ(25)を搭載することによって前記測定装置(38)が移動され前記出口(41)が解放される解放位置とを画定することを特徴とするカップリング装置(24)。
【請求項2】
前記出口(41)を有する前記流路(39)は、長手中央軸(51)の方向に移動可能であるように、前記ハウジング(29)に保持される中空ボルト(42)内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のカップリング装置。
【請求項3】
前記出口(41)は、前記中空ボルト(42)の端部領域(57)に設けられることを特徴とする、請求項2に記載のカップリング装置。
【請求項4】
前記中空ボルト(42)の端部領域(57)では、少なくとも1つの穿孔(64)が、前記長手中央軸(51)に対して横方向に壁(65)の厚さ全体に延在して設けられることを特徴とする、請求項3に記載のカップリング装置。
【請求項5】
係止位置では、前記出口(41)が、前記ハウジング(29)の側壁(53)により覆われるか、あるいは係止されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカップリング装置。
【請求項6】
解放位置では、前記出口(41)は所定の移動範囲(66)を経て移動させることにより、前記ハウジング(29)外に設けられ得ることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカップリング装置。
【請求項7】
前記測定装置(38)の収容領域(30)に、前記カートリッジ(25)用、特にディスペンサ(28)用の停止面(62)が設けられ、前記面が前記移動範囲66を画定することを特徴とする、請求項6に記載のカップリング装置。
【請求項8】
前記停止面(62)は前記ハウジング(29)の前記長手中央軸(51)に対して角度(63)で傾斜し、前記角度(63)は好ましくは、前記カートリッジ(25)の停止面(35)が傾斜する角度(36)に相当することを特徴とする、請求項7に記載のカップリング装置。
【請求項9】
前記カートリッジ(25)の前記ディスペンサ(28)は、特に中空シリンダ状に成形されるトラニオン(31)及び前記トラニオン(31)の端部領域(34)に設けられる停止面(35)により形成され、係止位置と解放位置との間の前記移動範囲(66)は前記トラニオン(31)の長さ(67)により決定されることを特徴とする、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のカップリング装置。
【請求項10】
前記入口(40)が設けられる端部領域(56)では、前記中空ボルト(42)に、前記カートリッジ(25)の前記ディスペンサ(28)の前記トラニオン(31)用の停止面(43)が設けられることを特徴とする、請求項9に記載のカップリング装置。
【請求項11】
前記カートリッジ(25)の出口(33)が内部チャンバ(26)の方向に開放され、前記測定装置(38)が解放位置にある充填位置では、流れ接続が前記内部チャンバ(26)、前記カートリッジ(25)、及び前記流路(39)の間に提供されることを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のカップリング装置。
【請求項12】
前記測定装置(38)には、係止位置において前記中空ボルト(42)又は前記出口(41)を保持する弾性素子(45)、特にバネ(46)又は弾性クッションが設けられることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のカップリング装置。
【請求項13】
前記ハウジング(29)は管状、特に中空シリンダ状に成形されることを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のカップリング装置。
【請求項14】
前記中空ボルト(42)の端部領域(57)には、係止位置において前記ハウジング(29)の前面(54)に隣接する停止素子(58)及び/又は封止素子(60)が設けられることを特徴とする、請求項2から請求項13のいずれか1項に記載のカップリング装置。
【請求項15】
液体(9)用の少なくとも1つのタンク(6)と、電流源(3)と、制御装置(4)と、ノズルから出射する切断ビームを生成し、供給ライン(8)を介して前記タンク(6)に接続される切断トーチ(7)とが設けられた水蒸気切断装置(1)であって、前記タンク(6)に請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のカップリング装置が設けられ、前記カップリング装置(24)の解放位置において、前記タンク(6)内部のチャンバ(27)が前記カップリング装置(24)の前記流路(39)の前記出口(41)に流体的に接続されることを特徴とする水蒸気切断装置(1)。
【請求項16】
前記タンク(6)に脱気装置(80)が設けられることを特徴とする、請求項15に記載の切断装置。
【請求項17】
前記切断トーチ(7)及び/又は前記供給ライン(8)に脱気装置(85)が設けられることを特徴とする、請求項15又は請求項16に記載の切断装置。
【請求項18】
前記切断トーチ(7)及び/又は前記供給ライン(8)は、前記制御装置(4)に接続される係止部材(84)を有することを特徴とする、請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の切断装置。
【請求項19】
プロセスパラメータ及びプロセス手順用の記憶素子(86)を有し、電流源(3)及び液体(9)用給送装置(20)、特にポンプ(21)、及び任意で水蒸気切断装置(1)の係止素子(5)及び/又は係止部材(84)に接続される、水蒸気切断装置(1)用の制御装置(4)であって、前記水蒸気切断装置(1)は液体(9)が充填されるタンク(6)と、前記タンク及び前記電流源(3)に接続される切断トーチ(7)とを有し、保守モード、特に充填モードを実行するための定義が前記記憶素子(86)に記憶されて、前記水蒸気切断装置(1)の操作性のチェック及び/又は復元を可能とし、始動素子(87)が前記制御装置(4)と連結され、前記始動素子(87)は、前記始動素子が手動で作動されるか、あるいは所定の事象が自動的に検知されると、該保守モードが開始されるように設計されることを特徴とする制御装置(4)。
【請求項20】
前記始動素子(87)は動作素子(88)、特にキー(89)により形成されることを特徴とする、請求項19に記載の制御装置。
【請求項21】
前記動作素子(88)は前記水蒸気切断装置(1)の入力及び/又は出力装置(17)により形成されることを特徴とする、請求項20に記載の制御装置。
【請求項22】
前記動作素子(88)は前記切断トーチ(7)に配置されることを特徴とする、請求項20又は請求項21に記載の制御装置。
【請求項23】
前記始動素子(87)は、前記タンク(6)を監視するために設けられた検知手段、特にセンサにより形成されることを特徴とする、請求項19に記載の制御装置。
【請求項24】
前記検知手段は前記カップリング装置を監視するために、特に請求項1〜14のいずれか1項に従い設計されたカップリング装置(24)に連結され、前記検知手段はカートリッジ(25)が前記タンク(6)に連結されているか否かを検知することを特徴とする、請求項19又は請求項23に記載の制御装置。
【請求項25】
前記水蒸気切断装置(1)の動作モードが、電流源(2)、液体用の給送装置(20)、及び任意で係止素子(5)及び/又は係止部材(84)に信号を送信することにより制御装置(4)によって制御されることで、液体(9)が充填可能なタンク(6)から切断トーチ(7)に供給され、前記切断トーチ(7)に必要に応じて前記電流源(3)から電力が提供される水蒸気切断装置(1)の制御方法であって、始動素子(87)に応じて、保守手順、特に充填モードが前記制御装置(4)によって呼び出され、その手順又はモードの間に、前記水蒸気切断装置(1)の操作性、特に前記供給ライン(8)及び前記切断トーチ(7)内の液体の存在又は分配がチェックされ及び/又は復元され、操作性を復元するために、前記切断トーチ(7)が切断プロセスを実行せずに、液体(9)が前記切断トーチ(7)と前記トーチにつながる前記供給ライン(8)とに供給されることを特徴とする方法。
【請求項26】
切断プロセスが前記切断トーチ(7)により実行される前に、前記始動素子(87)が、前記タンク(6)が最初に充填されたあるいは再充填された後、作動されるか、あるいは特に請求項1から請求項14のいずれか1項に従い設計されたカップリング装置(24)を介して始動されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
手動で作動される動作素子(88)、特にキー(89)が前記始動素子(87)として使用されることを特徴とする、請求項25又は請求項26に記載の方法。
【請求項28】
保守手順を実行するために、関連パラメータが記憶素子(86)から呼び出され、液体用の前記給送装置(20)、特にポンプ(21)、前記供給装置(2)の前記係止素子(5)、及び/又は前記切断トーチ(7)の領域内の前記係止部材(84)がそれに応じて制御されることを特徴とする、請求項25から請求項27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
保守手順の間、流れ制御装置又は圧力制御装置は、前記切断トーチ(7)及び前記供給ライン(8)が、任意で前記供給ライン(8)に最小限の圧力を印加することにより液体(9)を供給されるか否かをチェックすることを特徴とする、請求項25から請求項28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記保守手順の間、前記供給ライン(8)と前記切断トーチ(7)は、特に脱気手段(85)を介して脱気されることを特徴とする、請求項25から請求項29のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−507348(P2009−507348A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529413(P2008−529413)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【国際出願番号】PCT/AT2006/000367
【国際公開番号】WO2007/028184
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(504380611)フロニウス・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (65)
【氏名又は名称原語表記】FRONIUS INTERNATIONAL GMBH
【Fターム(参考)】