説明

水道メータ

【課題】
散水を行うにあたり、あらたな水道管の配管ならびに計量器の設置を行わずにすむ水道メータを提供する。
【解決手段】
水道メータ内に散水管120ならびに散水用水量を測定する計量部122を設け、散水する水量を測定することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被測定系の使用水量等を測定する水道メータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般家庭、事業所の使用水量を測定する水道メータが普及してきている。当該計量器は、被測定系の使用水量を測定する使用量検出手段と、使用量検出手段で検出した使用量をデータに編集する制御部と、制御部にて編集されたデータを表示する表示部とを具備している。(例えば特許文献1)
【特許文献1】実開平5−27625号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来より、一般家庭、事業所の使用水量を測定する水道メータが普及してきていることは前述のとおりである。
【0004】
一方、一般家庭においては、水道水を散水することが必要とされる場合があった。当該散水は例えば、真夏日等気温の高い日に水の気化熱で地表温度を下げるために行われる。
【0005】
散水を行うには水道メータを接続するものとは別に配管を行う必要があった。このため、散水のみに配管を行うことは工事をともない煩雑であるとともに費用がかかるという問題点があった。また、散水量を測定する場合は水道メータとは別の計量器を必要とし設置場所が必要になる、計量器の費用が余計にかかる等の問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明による水道メータは、被測定系の使用水量を測定する第一の計量手段と、水を散水する散水手段と、前記散水手段により散水した散水水量を測定する第二の計量手段と、前記散水手段に接続され水を遮断、流通させる遮断弁と
を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新たに配管を行うことなく散水を行うことができる水道メータを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
本発明による計量器の実施例1について図1を参照して説明する。
【0010】
図1において、100は水道メータ本体であり地中等に設置される。
【0011】
110は水路で、ステンレス等の金属からなるパイプ等により構成され、外部からの水を下流へ伝達する。
【0012】
111は計量部で水流に応じ回転する水車等により構成され、外部から供給される水量を羽根車の回転情報に変換する。
【0013】
120は散水管で、ステンレス等の金属からなるパイプ等により構成され、水路110から分岐した構造となっており散水用の水を流通させる。
【0014】
121は遮断弁で、ゴムパッキン等により密封性を持たせた弁により構成され、散水管120の水の遮断・流通を行う。
【0015】
122は計量部で水流に応じ回転する水車等により構成され、散水管120に供給される水量を羽根車の回転情報に変換する。
【0016】
123は散水口で、水が周囲に拡散させるようなプラスチック等からなるノズルにより構成されており、散水管120の端に取り付けられ散水用の水を拡散する。
【0017】
130は温度センサで、測温抵抗体等により構成され、地表温度を測定する。
【0018】
140は表示部で、液晶表示器等により構成されており、計量部111にて計量された計量値を表示する。
【0019】
150はタイマで、水晶振動子を用いた時計回路等から構成されており、時分秒を計数する。
【0020】
160は通信部で、有線または無線のインタフェース回路にて構成され、外部からの通信電文を受信する。
【0021】
170は制御部で、マイクロコンピュータ等により構成され、計量部111の検出信号を検出し表示を制御するとともに、タイマ150、温度センサ130、計量部122、通信部160からの信号を受け遮断弁121を制御する。
【0022】
次に、本実施例の動作について図2を参照しつつ説明する。図2は本実施例の散水動作部分のプログラムの流れを表わすフロー図である。本プログラムは制御部170内の図示しないプログラムメモリ内に記憶され、制御部170の動作を制御している。
【0023】
計量部111は水流の流量に正比例した回転数を示す水車等にて構成されており、水路110に流れる水量を検出して制御部170に伝達している。
【0024】
制御部170は常時、計量部111にて水路110に流れる水量を検出し、当該水量を使用量として表示部140に表示させる(図中不示)。
【0025】
散水動作は以下の手順にて行われる。
【0026】
タイマ部150は、時分秒を計数しており、現在時刻を制御部170に知らせている。制御部170は、あらかじめ設定された設定時刻になったと判断した場合(ステップ201)、地表温度が設定温度以上であるかの判断を行う(ステップ202)。設定時刻にならない場合、待機状態となる。温度センサ130は測温抵抗体等で構成されており、常時、制御部170に対し温度情報を伝達している。地表温度が設定値以上であると判断した制御部170は遮断弁121を開放し散水動作を行う(ステップ203)。水は遮断弁121が開放されると水路110、計量部122を介し、散水管120に流れ込みその水圧にて散水口123より散水される。一方、制御部170が地表温度は設定値未満であると判断した場合は、地表温度を下げる必要が無いため、散水動作は行われない。計量部122は水流の流量に正比例した回転数を示す水車等にて構成されており、散水管120を介し散水される水量を検出し、制御部170に伝達している。制御部170は計量部122からの水量データをもとに設定水量に達したかの判断を行う(ステップ204)。散水量が設定値に達した場合、制御部170は遮断弁170を閉塞し散水動作を停止し(ステップ205)散水動作を終了する。一方、制御部170が散水量は設定値未満であると判断した場合は、散水動作を継続する(ステップ203)。
【0027】
なお当該設定時刻、設定温度ならびに設定水量はプログラムに初期設定、もしくは通信部160を介し制御部170内の記憶部(図中不示)に設定されるものとする。
【0028】
このようにすれば、一定時刻の一定温度以上の場合、散水することができるので地表温度を下げることができ、需要者は涼しく過ごす事ができる。例えば、設定時刻を13:00としておき、設定温度を30℃とし設定水量を20Lとしておけば13:00に30℃以上の日は20Lの散水を自動にて行うことができる。
【0029】
また、散水動作は通信機能を有するパソコン等外部の機器から、電文にて通信部160を介し制御部170に命令して行うことも可能である。つまり、パソコン等外部機器から遮断弁を開放する命令を受けた制御部170は散水管120へ水を流通させるように遮断弁121を開放し散水動作を行う(図中不示)。また、パソコン等外部機器から遮断弁を閉塞する命令を受けた制御部170は散水管120への水の供給を遮断するように遮断弁121を閉塞し散水動作を終了する(図中不示)。
【0030】
このようにすれば、設定時刻以外に散水したい場合遠隔通信にて散水することが可能となる。
【0031】
以上のように、本実施例を用いれば、一定時刻の一定温度以上の場合、一定水量を散水することができる。また、設定時刻以外に散水したい場合遠隔通信にて散水することが可能となる。本実施例を用いれば、散水のために別の配管を行う必要がない、工事費用のかからない、散水量を測定する別の計量器を必要としない水道メータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による計量器の実施例1の構成を示す内部構成図
【図2】本発明による計量器にかかる電波送受式記憶装置の構成を示す内部構成図
【符号の説明】
【0033】
100 水道メータ本体
110 水路
111 計量部
120 散水管
121 遮断弁
122 計量部
123 散水口
130 温度センサ
140 表示部
150 タイマ部
160 通信部
170 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定系の使用水量を測定する第一の計量手段と、
水を散水する散水手段と、
前記散水手段により散水した散水水量を測定する第二の計量手段と、
前記散水手段に接続され水を遮断、流通させる遮断弁と
を具備したことを特徴とする水道メータ。
【請求項2】
被測定系の使用水量を測定する第一の計量手段と、
水を散水する散水手段と、
前記散水手段により散水する散水水量を測定する第二の計量手段と、
前記散水手段に接続され水を遮断、流通させる遮断弁と、
時刻を計時するタイマと、
前記タイマが設定時刻となった場合に、前記散水手段へ水を流通させるように前記遮断弁を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする水道メータ。
【請求項3】
被測定系の使用水量を測定する第一の計量手段と、
水を散水する散水手段と、
前記散水手段により散水する散水水量を測定する第二の計量手段と、
前記散水手段に接続され水を遮断、流通させる遮断弁と、
前記第二の計量手段により測定された散水水量が設定した水量に達した場合に前記散水手段への水の供給を遮断するように前記遮断弁を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする水道メータ。
【請求項4】
地表温度を測定する温度センサを有し、
前記温度センサの検知温度が設定温度以上となった場合に前記散水手段へ水を流通させるように前記遮断弁を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の水道メータ。
【請求項5】
外部からの電文を受信する通信部を有し、
前記通信部が遮断弁を開放する命令を受信したときは、前記散水手段へ水を流通させるように、前記通信部が遮断弁を閉塞する命令を受信したときは、前記散水手段への水の供給を遮断するように前記遮断弁を制御する制御手段を具備したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の水道メータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate