説明

油および水を乳化するための装置、システム、および方法

本発明は、紙またはボール紙を処理するのに使用される糊剤を乳化するように、油および水を乳化するためのデバイス、システム、および方法であって、ベンチュリデバイス(50)の連続相供給ノズル(66)を通して、加圧下で連続相を混合セクションに供給するステップを伴う、デバイス、システム、および方法に関する。分散相が、ベンチュリデバイスの混合セクション(80)中に加圧下で任意選択により供給される。混合セクション内で形成されたエマルジョンは、混合相用ノズル(60)を通ってベンチュリデバイスの外に排出される。ベンチュリデバイスの混合相用ノズル(60)の直径は、1:1超および4:1未満の比で、連続相用ノズル(66)の直径より大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙および板紙の内部サイジングもしくは表面サイジングのため、または紙および板紙を処理するのに使用される逆相エマルジョンポリマー生成物の転相のためのサイジング剤の水性エマルジョンを調製するのに特に有用な、油および水を乳化するための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水性浸透物質(aqueous penetrant)に対する耐性を付与するのに紙産業において使用される添加剤は、サイジング剤(sizing agents)と一般に呼ばれる。2つの最も一般的な合成サイジング剤は、アルキルケテン二量体(AKD)およびアルケニル無水コハク酸(ASA)である。
【0003】
AKDおよびASAは、疎水性、水不溶性の物質である。これらの物質は、シートが形成される前にパルプスラリーに添加することができ、内部サイジングとして知られ、または形成されたウェブの表面に塗布することができ、表面サイジングとして知られる。いずれの用途についても、サイジング剤は、有効であるために、水溶液系中で十分に分布しているべきである。この理由のために、これらの不水溶性添加剤は一般に、水性エマルジョン、水中油型エマルジョンの形態で添加される。
【0004】
サイジング剤の水性エマルジョンは、その形態で製紙工場に供給することができ、またはオンサイトで調製することができる。実際に、オンサイトで乳化されることが、合成のセルロース反応性サイジング剤のいくつかにとって有利である。例えば、ASAは、水で乳化した後の無水物官能基の不安定性のためにオンサイトで乳化される。
【0005】
現在のところ、2つのクラスの工場内乳化技術、すなわち、(1)高せん断、および(2)低せん断がこの産業において使用されている。高せん断乳化は、界面活性剤を添加して、または添加せずに、ASA(もしくは他のサイジング剤)、および保護コロイド、デンプン、または合成ポリマーを高せん断タービンポンプまたはホモジナイザーに通過させることを伴う。この手法の限界は、「特定の大きさの十分な安定エマルジョンを生成するために、乳化割合、温度などに関する厳格な手順と共に、高い均質化せん断および/または圧力を発揮することができる比較的複雑で、高価な重い装置」が必要であることである(米国特許第4,040,900号)。
【0006】
高せん断乳化の限界に対処するために、1977年のMazzarella(米国特許第4,040,900号明細書)に始まって、低せん断乳化手法が提案されており、Mazzarellaは、「混合弁または一般的なアスピレーターに通過させて単に撹拌することによって、高せん断力の非存在下および標準圧下で、水と容易に乳化可能な」3〜20重量部の界面活性添加剤(界面活性剤)とのASAの混合物を開示した。残念ながら、そのような低せん断乳化は、界面活性剤濃度の増大が、システム内に界面活性剤を蓄積させるので、気泡問題および芳しくないサイジング効率をもたらし得る(C. E. FarleyおよびR. B. Wasser、「Sizing with Alkenyl Succinic Anhydride」、The sizing of Paperの第3章、2版、W. F. Reynolds編、Tappi Press、1989、51〜62頁)。
【0007】
より最近では、Pawlowskaら(国際公開第2006/096216号パンフレット)は、「ウェットエンドで紙をサイジングし、ASA乳化のためにより単純で、より安価な低せん断装置を使用すると見込まれる改善された方法」を開示している。Pawlowskaらは、陽イオン性成分で後に希釈される、「アルケニル無水コハク酸成分を含む水性サイジングエマルジョンを高せん断力の非存在下で形成するステップ」を含むサイジングのための方法を開示している。PawlowskaとMazzarellaの間の主な差異は、保持力を増強するために陽イオン成分でエマルジョンを後に希釈することである。実施例は、陽イオンデンプンで後に希釈される低せん断ASAエマルジョンは、高せん断ASAエマルジョンより有効性が低いサイジング剤であることを一貫して実証しているが、低せん断ASAエマルジョンの乳化プロセスの単純性は、製紙業者に「操作上の便益および費用便益」を与えることが主張されている。
【0008】
他の特許には、低せん断乳化システムの性能を増強するために、加工デンプン(例えば、米国特許第6,210,475号明細書)またはポリマー(例えば、米国特許第6,444,024B1号明細書)の使用が開示されているが、どれも低せん断システムの特徴である基本性能および操業性の問題を解決していない。
【0009】
ASA乳化についての文献における「低せん断」条件対「高せん断」条件の定義は、定性的である傾向がある。一般に、キーワードに適合する、または適合しない一連の装置が使用される。「高せん断」システムは、「ワーリングブレンダー、タービンポンプ、または他の極めて高速の撹拌器などの中に存在し」、「ピストンまたは他の種類の均質化装置において見出される」(Mazzarella)。「低せん断」システムは、「混合弁もしくは一般的なアスピレーターに通過させて、または紙料調合システムにおいて存在する通常の撹拌(agitation)によって単に撹拌すること(stirring)」(Mazzarella)であり、あるいは「遠心力ポンプ、静的インラインミキサー、蠕動ポンプ、およびこれらの組合せの群から選択されるデバイスによって作り出される」せん断条件(Pawlowska)である。しかし、これらの定義は、工業用低圧ならびに高圧ユニット、例えば、「Cytec Industries, Inc.によって供給されるCytec低圧タービン乳化装置、Nalco高圧乳化装置システム、ならびにNational Starchタービンおよびベンチュリ乳化装置」などを含む市販の乳化装置のリストにおいて混乱しており、低せん断のカテゴリー内に適合するタービンポンプが存在することを示している。さらに、ワーリングブレンダーは、電圧を変更することによって、低エネルギーおよび高エネルギーASAエマルジョンの両方を生成するのに使用される(ChenおよびWoodward、Tappi J. Aug、1986、95頁)。したがって、「低せん断」および「高せん断」システムは、単に装置の種類によって定義することができない。
【0010】
「Principles of ASA Sizing」(CE Farley、1987 Tappi Sizing Short Course、89頁)において、「高せん断」および「低せん断」乳化システムのより定量的な定義が存在する:「高せん断乳化は、精密公差(close tolerance)タービンポンプを用いて行われる。ポンプによって行われる仕事は、ポンプ出口と入口の間の圧力差が約120〜140psi(8.3〜9.7バール)であるようになっている。ASAおよびデンプンは、タービンポンプの入口または入口付近で混合される」。「低せん断乳化では、ASA、デンプン、および界面活性剤が混合され、一連のベンチュリを通過する。デンプン:ASA:界面活性剤の一般的な比は、約2.5:1:0.05である。この方法の潜在的な不利点は、より高い濃度の界面活性剤が使用されることであり、これは、「デサイジング」、および芳しくないASA効率、および気泡問題を引き起こす場合がある」。したがって、高せん断と低せん断の間でFarleyが行う区別は、高せん断システムは、約120〜140psi(8.3〜9.7バール)の圧力差を有することである。
【0011】
同様に、Diltsら(米国特許出願公開第2008/0277084A1号明細書)は、低せん断を、50psi(3.4バール)以下の背圧でポンプによって液体をポンプ搬送する能力であると定義し、一方、高せん断は、液体をポンプ搬送するのに150〜300psi(10.3〜20.7バール)の背圧を必要とするように定義される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,040,900号明細書
【特許文献2】国際公開2006/096216号パンフレット
【特許文献3】米国特許6,210,475号明細書
【特許文献4】米国特許6,444,024B1号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0277084A1号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第0629741A1号明細書
【特許文献7】米国特許第5,685,815号明細書
【特許文献8】米国特許第5,846,663号明細書
【特許文献9】米国特許第5,725,731号明細書
【特許文献10】米国特許第5,766,417号明細書
【特許文献11】米国特許第5,879,814号明細書
【特許文献12】米国特許第4,240,935号明細書
【特許文献13】米国特許第4,243,481号明細書
【特許文献14】米国特許第4,279,794号明細書
【特許文献15】米国特許第4,295,931号明細書
【特許文献16】米国特許第4,317,756号明細書
【特許文献17】米国特許第4,522,686号明細書
【特許文献18】米国特許第2,961,366号明細書
【特許文献19】米国特許第5,853,542号明細書
【特許文献20】米国特許第7,270,727号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】C. E. FarleyおよびR. B. Wasser、「Sizing with Alkenyl Succinic Anhydride」、The sizing of Paperの第3章、2版、W. F. Reynolds編、Tappi Press、1989、51〜62頁
【非特許文献2】ChenおよびWoodward、Tappi J. Aug、1986、95頁
【非特許文献3】「Principles of ASA Sizing」、CE Farley、1987 Tappi Sizing Short Course、89頁
【非特許文献4】C. E. FarleyおよびR. B. Wasser、The Sizing of Paper、2版、W. F. Reynolds編、Tappi Press、1989、51〜62頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
抄紙機の操業性の問題(気泡、沈殿物)および/または高い界面活性剤負荷もしくは芳しくないエマルジョン品質による芳しくないサイジング効率を被らないASA乳化のためのより単純で、より費用のかからない装置についての必要性が、市場において依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
比較的高圧でベンチュリ装置によって水を供給し、ベンチュリの吸引入口でサイジング剤を導入することによって、良好な抄紙機操業性および良好なサイジング効率を伴って、水中でサイジング剤(ASAなど)の高品質で安定なエマルジョンを調製することが可能であることが発見された。このシステムは、今日使用されている従来の高せん断システムより、単純で、信頼ができ、エネルギー効率的で、費用がかからず、現在入手可能な低せん断、低エネルギーシステムより低い界面活性剤濃度を使用して、より良好な品質のエマルジョンをもたらす。さらに、このシステムは、他の製紙用添加剤の工場内乳化、または逆相エマルジョンポリマー生成物の転相に使用することができる。
【0016】
第1の態様では、水中で油、または油中で水を乳化するためのシステムは、ベンチュリ装置を含む。連続相が、加圧下でベンチュリ装置内に、次いで第1の直径の連続相ノズルを通って混合セクション内に導入される。分散相が、ベンチュリ装置の混合セクション内に導入されることによって、連続相中の分散相のエマルジョンが形成される。このエマルジョンは、第2の直径を有する混合相ノズルを通って、ベンチュリ装置の出口に向かって送られる。混合相ノズルの直径は、1:1超および4:1未満の比で連続相ノズルの直径より大きい。
【0017】
連続相は水を含むことが好ましく、これは、約10バール〜約50バールの圧力で導入され、流速は、約10〜100m/sの範囲である。分散相は、1つまたは複数のサイジング剤を含むことが好ましい。エマルジョンは、排出チャンバー内に排出されてもよく、ここで任意選択の添加剤をエマルジョン中に混合することができる。エマルジョンは、後に使用するために貯蔵することができ、あるいはエマルジョンを、ウェットエンド、または紙もしくは板紙製造システム用のサイズプレスもしくはコーターに添加される前に、水または他の水溶液で希釈してもよい。あるいは、エマルジョンは、ウェットエンド、または紙もしくは板紙製造システム用のサイズプレスもしくはコーターに直接添加することができる。
【0018】
分散相は、セルロース反応性紙サイジング化合物またはセルロース非反応性紙サイジング化合物の1つまたは混合物を含有することができる。例示的なセルロース反応性紙サイジング化合物として、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテン二量体(AKD)などのケテン二量体および多量体、約12〜22の炭素原子を含有する有機エポキシド、約12〜22の炭素原子を含有するハロゲン化アシル、約12〜22の炭素原子を含有する脂肪酸由来の脂肪酸無水物、ならびに約12〜22の炭素原子を含有する有機イソシアネートが挙げられる。
【0019】
分散相は、ベンチュリ装置の吸引入口で単に吸引によって導入されてもよく、または任意選択により、ポンプを用いて混合セクション内にポンプ搬送することができる。分散相は、これが混合セクション内に導入される前に濾過されることが好ましい。
【0020】
あるいは、連続相は水とすることができ、分散相は、製紙において一般に使用される逆相エマルジョンポリマーとすることができる。この場合、水相中にポリマーを含有する油中水型エマルジョンを、吸引入口を通してベンチュリ装置内に導入することができる。大量の希釈水の存在、およびエマルジョンを壊す混合セクションでの混合により、ポリマーが「活性化され」、油滴を含有する希薄なポリマー混合物が生成されよう。製紙において一般に使用される逆相エマルジョンポリマーの一例は、歩留向上剤(retention aid)および排水助剤(drainage aid)、例えば、PERFORM SP7200またはPERFORM PC8179 Retention and Drainage Aid(ケンタッキー州コビントンにあるAshland Inc.)である。
【0021】
第2の態様では、紙または板紙を処理するのに使用するためのサイジング剤を乳化するための方法は、以下のステップを有する。連続相が、加圧下でベンチュリ装置内に、次いで装置の混合セクション内に前記連続相を送る、第1の直径を有する連続相ノズルへと導入される。分散相が、ベンチュリ装置の混合セクション内に導入されることによって、連続相中の分散相のエマルジョンが形成される。このエマルジョンは、1:1超および4:1未満の比で連続相ノズルの直径d1より大きい第2の直径d2を有する混合相ノズルを通って送られる。好ましくは、連続相は、約10バール〜約50バールの圧力で導入され、約10〜100m/sの連続相ノズル内での流速を有する。
【0022】
この方法において、分散相は、セルロース反応性紙サイジング化合物またはセルロース非反応性紙サイジング化合物の1つまたは混合物を含有することができる。例示的なセルロース反応性紙サイジング化合物として、アルケニル無水コハク酸(ASA)、ケテン二量体および多量体、約12〜22の炭素原子を含有する有機エポキシド、約12〜22の炭素原子を含有するハロゲン化アシル、約12〜22の炭素原子を含有する脂肪酸由来の脂肪酸無水物、ならびに約12〜22の炭素原子を含有する有機イソシアネートが挙げられる。
【0023】
この方法において、分散相は、ベンチュリ装置の吸引入口で単に吸引によって導入されてもよく、または任意選択により、ポンプを用いて混合セクション内にポンプ搬送することができる。分散相は、これが混合セクションに導入される前に濾過されることが好ましい。
【0024】
得られるサイジング剤のエマルジョンは、エマルジョンがベンチュリ装置を出て約1〜約10分後以内のサンプルエマルジョンに対して光散乱技法によって測定した場合、約2ミクロン未満、好ましくは0.5〜1.5ミクロンの間、最も好ましくは約1ミクロン未満の平均粒径を有する。エマルジョンは、ウェットエンド、または紙もしくは板紙製造システム用のサイズプレスもしくはコーターに添加される。連続相が水である場合、エマルジョンは、水で後に希釈されることによって、約1〜約5wt.%の範囲の固体含量を生じることが好ましい。次いで、後に希釈されたエマルジョンは、これがウェットエンド、サイズプレス、またはコーターに添加される前に、天然または合成陽イオン性ポリマーの水溶液と混合されることが好ましい。
【0025】
別の態様では、ベンチュリ装置は、加圧下で第1の液体を混合セクションに送る、第1の直径の連続相ノズル、および第2の液体を混合セクションに送ることによって、その中でエマルジョンを形成するための入口を有する。ベンチュリ装置は、エマルジョンがベンチュリ装置から出口に向かって送られる、第2の直径を有する混合相ノズルをさらに有する。混合相ノズルの直径は、1:1超および4:1未満の比で連続相ノズルの直径より大きい。好ましくは、混合セクションは、円錐形であり、入口が混合セクションと合流する最も広い直径から、混合相ノズルが混合セクションと合流する最も狭い直径へと先細になっている。ベンチュリ装置は、混合相ノズルと流体連結して、ベンチュリ装置の出口において排出ディフューザーを含むことが好ましい。
【0026】
本発明の他の目的、有利な特徴、および可能な用途は、以下の図面を参照して、実施形態の以下の説明において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による、油および水を乳化するための例示的なシステムの模式図である。
【図2】本発明によるベンチュリ装置の出口端の立面図である。
【図3】図2の線3−3に沿って取得したベンチュリ装置の断面図である。
【図4】図3のベンチュリ装置の連続相ノズルおよび混合相ノズルを示す、ベンチュリ装置の分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願において、「エマルジョン」は、第2の液体中の1つの液体の粒子の混合物である。エマルジョンの2つの一般的な型は、水中油型および油中水型である。「油」は、水不溶性またはほぼ水不溶性の液体を表すことを一般に意図している。水中油型エマルジョンについて、水は「連続相」であり、油は不連続相である。油中水型エマルジョンについて、これは反対である。最終的なエマルジョンの連続相を形成する液体は、「連続相」と本明細書で呼ばれ、最終的なエマルジョンの不連続相を形成する他の液体は、「分散相」と呼ばれる。水中油型エマルジョンの場合では、水が連続相であり、油が分散相である。
【0029】
油および水を乳化するためのシステム10の概略図が図1に示されている。システム10は、水中でアルキルケテン二量体(AKD)またはアルケニル無水コハク酸(ASA)などのサイジング剤を乳化することに関して後で説明する。しかし、このシステムは、他の物質を乳化するのに使用することができ、連続相および分散相の選択は例示目的のためであり、本発明を限定することを意味しないことが理解される。
【0030】
図1を参照すると、それだけに限らないが、この実施形態では水などの「連続相」の供給物が、貯蔵タンクまたは供給リザーバ12からライン14およびフィルター16を通り、制御バルブ18および流量計20を通ってポンプ22に供給される。この実施形態に関して「連続相」と代わりに呼ばれる場合のある水の流量は、流量計20および制御バルブ18を有する制御ループを使用して特定の供給速度で制御される。流量制御の他の手段も、当業者に利用可能であるように可能である。ポンプ22は、多段遠心力ポンプまたは再生ポンプを含むいくつかの型のポンプのいずれであってもよく、該ポンプ22は、約30バールのフィード圧、または約10バール〜50バール、より好ましくは、約18〜35バールの範囲のフィード圧を出すことができる。圧力計40a、40b、40cが、それぞれ連続相、分散相、およびエマルジョンの圧力をモニターするために設けられている。連続相は、ベンチュリ装置50の第1の入口48(図3を参照)に送られる。
【0031】
それだけに限らないが、この実施形態では液体サイジング剤などの「分散相」は、貯蔵タンクまたは供給リザーバ32からライン34およびフィルター36を通り、流量計39および背圧レギュレータ42を通って、ベンチュリ装置50の吸引入口52(図3を参照)に供給(または任意選択のポンプ38によってポンプ搬送)される。フィルター36は、ベンチュリ装置50の混合相ノズル60の詰まりを回避するような大きさにされている。ベンチュリ装置50の詳細については図2〜4を参照。
【0032】
任意選択のポンプ38は、最大約5バール、好ましくは例えば、約3バールのフィード圧を出すことができる、いくつかの型のポンプのいずれであってもよい。この実施形態では「分散相」とも呼ばれる場合のあるサイジング剤の流量は、ポンプ38または制御ループを用いて制御することができる。ベンチュリ装置50に供給される連続相と分散相の比を設定するために代替の制御手段を設けることも可能である。ベンチュリ装置50に供給される連続相が、分散相の吸引入口52で真空を生じさせるので、ベンチュリ装置50に分散相を供給するのにポンプ38は必要でない。それにもかかわらず、ベンチュリ装置50に分散相を供給するのにポンプ38を使用することにより、より安定したフィード圧がもたらされ、エマルジョン形成プロセスにおいてより良好な制御が提供される。
【0033】
連続相および分散相は、ベンチュリ装置50内で混合し、チャンバー70に排出される。チャンバー70は、ベンチュリ装置50からの乳化された生成物の速度を低減するのに十分な直径のものである。添加剤を、チャンバー70内またはチャンバー70の下流において、乳化された生成物と混合することができる。
【0034】
混合相または乳化した生成物は、抄紙機に送ってもよく、圧力制御バルブ74を通して貯蔵タンク76または輸送用コンテナ(図示せず)に送ってもよい。連続相が水である場合、エマルジョンは、水で後に希釈されることによって、約1〜約5wt.%の範囲の固体含量を生じることが好ましい。次いで、後に希釈されたエマルジョンは、これが、抄紙機または板紙マシンのウェットエンド、サイズプレス、またはコーターに添加される前に、天然または合成陽イオン性ポリマーの水溶液と混合されることが好ましい。
【0035】
油および水を乳化するためのベンチュリ装置50の一実施形態が、図2〜4に示されている。図3は、ベンチュリ装置50の長手方向の断面図である。ベンチュリ装置50は、水などの連続相が導入される第1の入口48を有する。連続相は、矢印54の方向に、ベンチュリ装置50を通って流れる。連続相の流速は、第1の入口48からより小さい直径のチャネル56へと、次いで最小直径のノズルまたは連続相ノズル66に入る前に円錐形セクション58へと進むにつれて増大する。連続相フローチャネルの形状および寸法は変更することができる。
【0036】
ベンチュリ装置50は、それだけに限らないが、サイジング剤などの分散相が、矢印62の方向に、ベンチュリ装置50に入る吸引入口52を有する。連続相が連続相ノズル66を通って流れることによって、真空が吸引入口52において生じる。
【0037】
連続相(例えば、水)および分散相(例えば、サイジング剤)は、一般に円錐形チャンバー80内で混合し、混合相ノズル60に入る。本発明では、混合相ノズルの直径d2は、1:1超および4:1未満の比で連続相ノズルの直径d1より大きい。本発明の一実施形態では、図4を参照すると、混合相ノズル60は、連続相ノズル66の直径d1の2倍である直径d2を有する。連続相および分散相は、連続相ノズル66と混合相ノズル60の間の円錐形混合チャンバー80内の乱流によって混合することによって、エマルジョンまたは混合相を形成する。エマルジョンは、排出ディフューザー82を通って混合相ノズル60を出て、矢印84の方向でベンチュリ装置を出る。こうして形成されたエマルジョンは、チャンバー70内に排出される(図1を参照)。
【0038】
エマルジョンは、高圧で連続相ノズル66を通してエマルジョンの連続相を供給することによって、本発明において形成される。連続相ノズル66を通した連続相の流れは、ベンチュリ装置50への分散相の入口52で低圧の領域を作り出す。連続相および分散相は、ベンチュリ装置50の内部の略円錐形の混合チャンバー80内で混合され、連続相ノズル66の直径d1より大きい直径d2を有する混合相ノズル60へと供給される。2つの異なる直径の大きさd2、d1は、高速の2つの噴流層(jet layer)を作り出す。ベンチュリ装置50からの乳化した生成物は、チャンバー70内に排出され、そこで圧力および流体速度が低減される。チャンバー70またはチャンバー70から下流において、エマルジョン性能を増強するために追加の作用剤をエマルジョンに添加することができ、またはエマルジョンは、水および/もしくは陽イオン性ポリマー水溶液で希釈することができ、またはエマルジョンの他の改変も可能である。図1は、エマルジョンを貯めることができる任意選択のタンク76をさらに示す。
【0039】
1つの代表的なベンチュリ装置50は、以下の寸法を有する。図4を参照すると、混合相ノズル60は、約1.2mmの円直径d2を有し、連続相ノズル66は、約0.7mmの円直径d1を有する。代替の装置では、混合相ノズル60は、約1.8mmの円直径d2を有し、連続相ノズル66は、約1mmの円直径d1を有する。図4を参照すると、代表的なベンチュリ装置50は、約90mmの全長を有する。第1の入口48は、第1の入口48中に導入される連続相用のフィーダー管またはパイプ継手(図示せず)を受け入れるための約12.7mm(0.5インチ)のねじ式雌型円形開口部を有するように形成される。第1の入口48の長さは約20mmであり、より小さい直径のチャネル56の長さは約35mmであり、遠位末端は、連続相液体を連続相ノズル66に送るように円錐形テーパーを形成する。連続相ノズル66の長さは約4mmである。混合相ノズル60の長さは約15mmである。
【0040】
代表的なベンチュリ装置50内の吸引入口52は、約10mmの円直径および約10mmの長さを有する。吸引入口52は、連続相および分散相を一緒に混合することによって、エマルジョンまたは混合相を形成するための円錐形チャンバー80へと導く管に分散相物質を送る円錐形の遠位末端に向かって先細になっている。円錐形チャンバー80は、近位の円直径が約10mmであり、その遠位末端における混合相ノズル60に向かって先細になっている。
【0041】
本発明による代表的なベンチュリ装置50の遠位末端における排出ディフューザー82は、混合相(エマルジョン)がベンチュリ装置50から出るためのねじ式排出管またはパイプ継手(図示せず)に連結される、約12.7mm(0.5インチ)の外部からねじ込まれる外面を有するように形成される。排出ディフューザーは、約18mmの長さ、および直径が約15mmの外部円形開口部を有する。図2中の排出ディフューザー82から見たベンチュリ装置50の端面図は、ベンチュリ装置50が、全体が六角形または六面体の外面を有し、そのような外面の高さおよび幅が、約36mmであることを示す。
【0042】
2つの機械加工された部分から形成される代表的なベンチュリ装置50が図3に示されており、ベンチュリノズル66に導く第1の入口48が形成された第1の部分、および吸引入口52、円錐形チャンバー80、混合相ノズル60、およびディフューザー82が形成された第2の部分を有する。第1の部分は、第2の部分と噛み合い、第1の部分の外側上および第2の部分の内部に形成されたねじ筋77によってねじで接続される。第1の部分および第2の部分を流体密封するために、シールリング78が設けられる。
【0043】
エマルジョンの連続相は、水性であっても油性であってもよい。連続相が水性である場合、エマルジョンの分散相は、油性とすることができる。連続相が油性である場合、エマルジョンの分散相は、水性とすることができる。水性連続相の例には、それだけに限らないが、水、デンプン水溶液、およびポリマー溶液が含まれる。サイジング剤のエマルジョン中に一般に使用される追加の成分、例えば、それだけに限らないが、殺生物剤、ミョウバン、陽イオン性樹脂、界面活性剤などを、連続相供給物中に含めることができる。油分散相の例には、それだけに限らないが、ASA、AKD、およびポリマーが含まれる。界面活性剤などの添加剤を、任意選択により油相中に含めることができる。
【0044】
連続相のフィード圧は、約10バール〜50バールの間、好ましくは約18バール〜35バールの間である。混合相ノズルの大きさと連続相ノズルの大きさの比は、1:1超および4:1未満、好ましくは1.5:1〜2.5:1の間である。連続相ノズル(例えば、図3中のノズル66)の直径は、約10〜100m/s、好ましくは、約40〜60m/sの流速を得るように設定される。高速度は、瞬時にエマルジョンを形成する条件を作り出す。
【0045】
連続相と分散相の比は、粘度、安定性、および均一性についてのエマルジョンの要求を満たすように変更される。連続相中の分散相の濃度は、約2〜50重量%、好ましくは約4〜35重量%で変化する。ベンチュリ装置の排出部におけるチャンバー(例えば、図1中のチャンバー70)の直径は、ベンチュリ装置の連続相ノズル(例えば、図3中のノズル66)の直径の約5〜100倍、好ましくは連続相ノズル66の直径の約40〜80倍である。チャンバー(例えば、図1中のチャンバー70)内の圧力は、約1〜6.7バール、好ましくは約1.3〜5バールである。分散相のフィード圧は、約1.3〜6.7バール、好ましくは約3〜4.3バールである。
【0046】
本発明の分散相用の好適な紙サイジング化合物は、セルロース反応性紙サイジング化合物およびセルロース非反応性紙サイジング化合物からなる群から選択される。本発明の目的に関して、セルロース反応性サイズは、セルロースのヒドロキシル基と反応することによって共有結合性化学結合を形成することができるサイズとして定義され、セルロース非反応性サイズは、セルロースとこうした共有結合を形成しないものとして定義される。
【0047】
本発明において使用するのに好適なセルロース反応性サイズとして、アルケニル無水コハク酸(ASA)、ケテン二量体および多量体、約12〜22の炭素原子を含有する有機エポキシド、約12〜22の炭素原子を含有するハロゲン化アシル、約12〜22の炭素原子を含有する脂肪酸由来の脂肪酸無水物、ならびに約12〜22の炭素原子を含有する有機イソシアネートが挙げられる。反応性サイジング剤の混合物も使用することができる。
【0048】
アルケニル無水コハク酸(ASA)は、ペンダント無水コハク酸基を含有する不飽和炭化水素鎖から構成される。これらは、αオレフィンから開始する2ステッププロセスで通常作製される。オレフィンは、α位から二重結合をランダムに移動させることによって最初に異性化される。第2のステップにおいて、異性化されたオレフィンが、無水マレイン酸と反応することによって、一般式(1)(以下を参照)の最終的なASAを得る。無水マレイン酸との反応のために使用される一般的なオレフィンには、約8〜約22の炭素原子を含有するアルケニル、シクロアルケニル、およびアラルケニル化合物が含まれる。具体例は、イソオクタデセニル無水コハク酸、n−オクタデセニル無水コハク酸、n−ヘキサデセニル無水コハク酸、n−ドデシル無水コハク酸、i−ドデセニル無水コハク酸、n−デセニル無水コハク酸、およびn−オクテニル無水コハク酸である。
【0049】
【化1】

【0050】
アルケニル無水コハク酸は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,040,900号において、ならびにThe Sizing of Paper、2版、W. F. Reynolds編、Tappi Press、1989、51〜62頁におけるC. E. FarleyおよびR. B. Wasserによって開示されている。様々なアルケニル無水コハク酸が、ロサンゼルスのデナムスプリングスにあるBercen, Inc.から市販されている。本発明において使用するためのアルケニル無水コハク酸は、25℃の液体であることが好ましい。より好ましくは、これらは、20℃の液体である。
【0051】
好適なケテン二量体および多量体は、式(2)(以下を参照)の物質であり、式中、nは、0〜約20の整数であり、RおよびR’’は、同じであっても、異なっていてもよく、6〜24の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分岐のアルキルまたはアルケニル基であり、R’は、約2〜約40の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分岐のアルキレン基である。
【0052】
【化2】

【0053】
本発明のプロセスにおいて分散相として使用するためのケテン二量体は、n=0であり、RおよびR’’基が、同じであっても、異なっていてもよい炭化水素基である式(2)の構造を有する。好ましくは、RおよびR’’基は、6〜24の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキルまたはアルケニル基、少なくとも6の炭素原子を有するシクロアルキル基、少なくとも6の炭素原子を有するアリール基、少なくとも7の炭素原子を有するアラルキル基、少なくとも7の炭素原子を有するアルカリール基、およびこれらの混合物である。最も好ましくは、ケテン二量体は、(a)オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、フェニル、ベンジル、β−ナフチル、およびシクロヘキシルケテン二量体、ならびに(b)モンタン酸、ナフテン酸、9,10−デシレン酸、9,10−ドデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、エレオステアリン酸や、ヤシ油、ババス油、パーム核油、パーム油、オリーブ油、ラッカセイ油、セイヨウアブラナ油、牛脂、ラード、鯨の皮下脂肪中に見出される脂肪酸の天然に存在する混合物、および上記名称の脂肪酸のいずれかの互いの混合物からなる群から選択される有機酸から調製されるケテン二量体からなる群から選択される。最も好ましくは、ケテン二量体は、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、フェニル、ベンジル、β−ナフチル、およびシクロヘキシルケテン二量体からなる群から選択される。
【0054】
アルキルケテン二量体は、何年もの間商業的に使用されており、飽和直鎖脂肪酸塩化物から作製されるアルキルケテンの二量体化によって調製され、パルミチン酸および/またはステアリン酸から調製されるものが最も広く使用される。純粋なアルキルケテン二量体は、デラウェア州ウィルミントンにあるAshland Hercules Water Technologies, Ashland IncからAQUAPEL 364サイジング剤として入手可能である。
【0055】
本発明のプロセスにおいて分散相として使用するのに好適なケテン多量体は、式(2)を有し、式中、nは、少なくとも1の整数であり、RおよびR’’は、同じであっても、異なっていてもよく、6〜24の炭素原子、好ましくは10〜20の炭素原子、より好ましくは14〜16の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分岐のアルキルまたはアルケニル基であり、R’は、2〜40の炭素原子、好ましくは4〜8、または28〜40の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分岐のアルキレン基である。
【0056】
好適なケテン多量体は、欧州特許出願公開第0 629 741 A1号、ならびに米国特許第5,685,815号および同第5,846,663号に記載されており、その両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0057】
本発明において分散相として使用するのに好適なケテン二量体および多量体の中では、25℃で固体でないものである(実質的に結晶性、半結晶性、またはワックス状の固体でない、すなわち、これらは、融解熱を伴わずに、加熱すると流れる)。25℃で固体でないケテン二量体および多量体は、米国特許第5,685,815号、同第5,846,663号、同第5,725,731号、同第5,766,417号、および同第5,879,814号に開示されており、そのすべては、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。25℃で固体でないケテン二量体は、デラウェア州ウィルミントンにあるAshland Hercules Water TechnologiesからPREQUELおよびPRECISサイジング剤として入手可能である。
【0058】
本発明において分散相として使用するのに好適な他のセルロース反応性サイズは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,766,417号に開示されているような、ケテン二量体または多量体のアルケニル無水コハク酸との混合物である。
【0059】
本発明において分散相として使用するためのセルロース非反応性サイズは、温度95℃未満、好ましくは70℃未満で自由に流れる疎水性物質を含むことが好ましく、例えば、ワックス、ロジンエステル、炭化水素またはテルペン樹脂、およびポリマーのサイジング剤である。
【0060】
本発明のサイジングエマルジョンはまた、適切には、水中でのその乳化を促進するための少なくとも1つの界面活性剤を含有することができ、そのような物質は、当技術分野で周知である。界面活性剤成分は、エマルジョンが作製される際に、サイジング剤の水成分との乳化を促進する。一般に、界面活性剤は、陰イオン性もしくは非イオン性であり、または陽イオン性であってもよく、広範囲のHLB値を有することができる。
【0061】
適当な界面活性剤として、それだけに限らないが、アルキル、アリール、アラルキル、またはアルケニル炭化水素置換基を含有することができるリン酸化エトキシレート(phosphated ethoxylate)、スルホン化脂肪アルコールまたは芳香族脂肪アルコールから得られるものなどのスルホン化生成物、ノニルフェノキシポリエトキシエタノールおよびオクチルフェノキシポリエトキシエタノールなどのエトキシ化アルキルフェノール、PEG 400モノオレエートおよびPEG 600ジラウレートなどのポリエチレングリコール、エトキシ化リン酸エステル、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムなどのスルホコハク酸ジアルキル、ポリオキシアルキレンアルキルもしくはポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、または対応するモノエステルもしくはジエステル、ならびにトリアルキルアミンならびにその酸および4級塩、ならびにオレイルジメチルアミンおよびステアリルジメチルアミンなどのアミン水和物が挙げられる。
【0062】
好適な界面活性剤は、サイジング剤を乳化して最小中央値のエマルジョン液滴直径または粒径を与えるものである。そのようなエマルジョンは、約2ミクロン以下、好ましくは0.5〜1.5ミクロンの間、最も好ましくは約1ミクロン以下の中央値エマルジョン液滴直径または粒径を有することができる。液滴の大きさは、任意の数の周知の粒径測定技法、例えば、顕微鏡観察、古典的光散乱および準弾性光散乱、沈降、ディスク遠心分離、エレクトロゾーンセンシング(electrozone sensing)、沈降場流動分画、ならびにクロマトグラフィー法によって好都合なことには測定することができる。好都合なことには、液滴の大きさは、HORIBA LA−300粒径分析器などの計測器を使用して光散乱法によって推定することができる。
【0063】
界面活性剤の量はもちろん、当業者に周知であるように、使用される特定の界面活性剤または界面活性剤ブレンドに応じて変更することができる。本発明のサイジング組成物中に存在する界面活性剤の量は、得られるエマルジョン中で、2ミクロン以下、好ましくは0.5〜1.5ミクロンの間、最も好ましくは約1ミクロン以下の中央粒径を実現するのに必要とされる最小量を超えるべきでない。より多い量は、低品質エマルジョンの結果である、粒径の劣化および装置の操業性問題をもたらす場合がある。存在するサイジング剤の全重量に基づいて、約0.01重量%〜約10重量%の界面活性剤を使用することができる。好ましくは、サイジング組成物中に存在する界面活性剤の量は、約0.1重量%〜約5重量%である。最も好ましくは、サイジング組成物中に存在する界面活性剤の量は、約1.0重量%未満である。少なくとも1つのサイジング剤および少なくとも1つの界面活性剤を含む市販の混合物、例えば、デラウェア州ウィルミントンにあるAshland Inc.から入手可能なPREQUEL 20FまたはPREQUEL 90Fサイジング剤などを、好都合なことには、本発明のサイジングエマルジョンを形成するのに使用することができる。
【0064】
サイジング剤のエマルジョンなどの水中油型エマルジョンについて、連続相は、水または天然もしくは合成ポリマーの水溶液とすることができる。水が好適である。連続相が水である場合、所望の固体含量に到達するように水でエマルジョンを後に希釈し、その後、天然または合成ポリマーの水溶液でさらに希釈することが推奨される。サイジング剤の水中油型エマルジョンの形成において使用するのに適した陽イオン性ポリマーには、エマルジョンの分散相の粒子に正の表面電荷を付与する、任意の水溶性窒素含有陽イオン性ポリマーが含まれる。そのような陽イオン性ポリマーは一般に、四級アンモニウム化合物;エチレン的に不飽和のアミンのホモポリマーまたはコポリマー;エピハロヒドリン、およびポリアミノポリアミド、アルキレンポリアミン、ポリ(ジアリルアミン)、ビスアミノプロピルピペラジン、ジシアンジアミド(またはシアナミド)−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ジシアンジアミド(またはシアナミド)−ホルムアルデヒド縮合物、およびジシアンジアミド(またはシアナミド)−ビス−アミノプロピルピペラジン縮合物の樹脂性反応生成物;ならびに陽イオンデンプンである。陽イオンデンプンは、デンプンを、全体として、セルロース直接付着性(cellulose substantive)にするための十分なアミノ基、四級アンモニウム、または他の陽イオン性基を含有する水溶性デンプンである。陽イオンデンプンが好適である。非陽イオン性ポリマーも使用することができる。
【0065】
サイジング組成物中に陽イオン性ポリマーを使用することは一般に、すべてDumasの米国特許第4,240,935号明細書、米国特許第4,243,481号明細書、米国特許第4,279,794号明細書、米国特許第4,295,931号明細書、米国特許第4,317,756号明細書、米国特許第4,522,686号明細書、Weisgerberの米国特許第2,961,366号明細書、および米国特許第5,853,542号明細書(Bottorff)に記載されている。米国特許第7,270,727号明細書(Varnell)に開示されているものなどの両性ポリマーも使用することができる。これらの特許のそれぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0066】
使用される陽イオン性ポリマーの最小量は、分散物を陽イオン性にするのに十分にするべきである。使用される量は、使用される特定のポリマーの水溶性およびカチオン強度、ならびに水質などの他の変数に応じて変化することになろう。
【0067】
天然または合成ポリマーの量は、使用されるセルロース反応性サイズの重量の百分率として表すことができる。好ましくは、ポリマーは、セルロース反応性サイズの重量の約0.1〜約400wt%、より好ましくはセルロース反応性サイズの重量の約2〜約100wt%、最も好ましくはセルロース反応性サイズの重量の約10〜約30wt%である。この量は、特定の紙生産用途のための必要量に依存することになろう。
【0068】
後に希釈するのに使用される水溶液の温度は一般に、約50℃未満であるが、用途に応じてより高くてもよい。水溶液のpHは、用途に応じて様々である。pHは、約4〜8の範囲とすることができる。後の希釈は一般に、低せん断条件、例えば、遠心力ポンプ、静的インラインミキサー、蠕動ポンプ、オーバーヘッド撹拌機、またはこれらの組合せなどのデバイスによって作り出されるせん断条件下で実施される。
【0069】
本発明によって調製されるサイジング剤エマルジョンは、サイジングエマルジョンが、紙製造プロセスのウェットエンドにおいてパルプスラリーに添加される、紙または板紙の内部サイジング、またはサイジング分散物がサイズプレスまたはコーターに適用される、紙または板紙の表面サイジングにおいて使用することができる。本発明はまた、2パートサイジングシステムの1つまたは両方のパートにおいて使用することができる。例えば、1つのパートは、木材パルプと内部で混合することができ、第2のパートは、サイズプレスにおいて適用することができ、これは、製紙における一般的な実施法である。
【0070】
紙料に添加され、または表面サイズとして適用されるサイジング剤の量は、紙料、すなわち、繊維および任意選択の充填剤の乾燥含量に基づいて約0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%であり、この場合投与量は、サイジングされるパルプまたは紙の品質、使用されるサイジング化合物、および望まれるサイジングのレベルに主に依存する。
【0071】
紙または板紙の生産において紙料に慣例的に添加される化学物質、例えば、加工助剤(例えば、歩留向上剤、排水助剤、汚染物質制御添加剤など)、または他の機能的な添加剤(例えば、湿潤添加剤もしくは乾燥強度添加剤、色素、蛍光増白剤など)などを、本発明のサイジング剤と組み合わせて使用することができる。
【0072】
本発明を、サイジング剤を含むことができる分散相に関してこれまで説明してきた。あるいは、本発明のベンチュリ装置50は、製紙プロセスにおいて一般に使用される逆相エマルジョンポリマーをメイクダウンする(make−down)のにも使用することができる。逆相エマルジョンポリマーは、より一般に界面活性剤として知られる表面活性剤を使用して調製および安定化される。利用される界面活性剤は、重合の前に油相中で水溶性モノマーを乳化することを可能にし、生成するエマルジョンポリマーに安定性をもたらすであろう。重合プロセスの間の安定なエマルジョンの必要性は言うまでもなく、耐沈降性、経時的粘度の最小限の変化および尚早な転相を含めた安定性には、ロバストなエマルジョン安定化パッケージ(emulsion stabilization package)が必要である。
【0073】
エマルジョンの転相は、相同士が逆転し、不連続相からポリマーが放出される、使用前のプロセスを指す。大量の水溶液が添加されることによって水性(水)連続相が作り出され、この場合、以前に分散していた水相の合体により、溶液中にポリマーが分散し、溶液が粘性化(viscosification)する。転相は、「ブレーカー界面活性剤」と呼ばれる界面活性剤をエマルジョンに添加して、あるレベルの撹拌またはせん断を使用して、相対的に大量の水が油中水型エマルジョンと合わされる際に、元のエマルジョン安定化システムを破壊するのを助長することによって補助される。これは、エマルジョンの転相または相逆転をもたらす、これらの3つの要因、すなわち、大量の分散相、せん断力、およびブレーカー界面活性剤の共同作用である。さらに、ポリマーは、この時点で他の水相物質と相互作用するのに利用可能である。相対的により少量の量の油(元のエマルジョンの20〜40重量%)は、水相中で分散した状態になり、この場合、大量の水溶液の添加のために、油は、マイナーな成分である。
【0074】
ポリマーは、転相されて水溶液中に移り、その結果、活性ポリマーの結果として生じる濃度は一般に、約0.1重量%〜約1.5重量%の範囲である。利用される濃度は、それだけに限らないが、水の化学的性質および温度、溶液の粘度、供給速度、装置の大きさ、ならびに流量を含めて、多数の要因に依存する。
【0075】
エマルジョンポリマーは、水と所望の濃度の純粋エマルジョンとの収束流を、ベンチュリ装置50を通して送ることによって、水溶液中に転相することができる。転相において、連続相は水であり、これはベンチュリ装置50の第1の入口48を通って導入され、分散相はエマルジョンポリマーまたは純粋エマルジョンであり、これは、ベンチュリ装置50の吸引入口52を通って導入される。連続相の圧力は、約10〜40バール、好ましくは約15〜25バールの範囲とすることができ、連続相の流速は、約10〜50m/s、好ましくは約25〜35m/sとすることができる。次いで、結果として生じる混合物は、静的ミキサーまたは機械式ポンプなどの混合ステージを通され、ここで混合作用により、転相プロセスが増強される。次いで水溶液は、一般にタンクに移され、ここでこれは、均質になるまで混合される。連続システムでは、タンクに移すステップは排除される。
【0076】
追加の希釈水が、ポリマーの分散を助長するプロセスへの導入直前に、転相したポリマー溶液に一般に添加される。
【0077】
(実施例)
(実施例1)
150l/hの水を、図2〜4に示したものなどのベンチュリ装置の第1の入口内に連続相として供給した。水のフィード圧は30バールであった。連続相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル66の直径)は1mmであった。PREQUEL 20Fサイジング剤(ASA)分散相を、ベンチュリ装置の吸引入口に、15kg/hで真空によって供給した。混合相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル60の直径)は2mmであった。ベンチュリ速度(venturi velocity)は、連続相ノズル内で53m/sであった。エマルジョンは、中央粒径が0.67ミクロンであった。
【0078】
(実施例2)
170l/hの水を、図2〜4に示したものなどのベンチュリ装置の第1の入口内に連続相として供給した。水のフィード圧は30バールであった。連続相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル66の直径)は1mmであった。PREQUEL 20Fサイジング剤(ASA)分散相を、ベンチュリ装置の吸引入口に、27kg/hで真空によって供給した。混合相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル60の直径)は2mmであった。ベンチュリ速度は、連続相ノズル内で60m/sであった。エマルジョンは、中央粒径が0.67ミクロンであった。
【0079】
(実施例3)
80l/hの水を、図2〜4に示したものなどのベンチュリ装置の第1の入口内に連続相として供給した。水のフィード圧は31バールであった。連続相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル66の直径)は0.8mmであった。PREQUEL 20Fサイジング剤(ASA)分散相を、ベンチュリ装置の吸引入口に、8kg/hで真空によって供給した。混合相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル60の直径)は1.6mmであった。ベンチュリ速度は、連続相ノズル内で44m/sであった。エマルジョンは、中央粒径が0.82ミクロンであった。
【0080】
(実施例4)
(比較)
180l/hの水を、図2〜4に示したものなどのベンチュリ装置の第1の入口内に連続相として供給した。水のフィード圧は32バールであった。連続相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル66の直径)は1mmであった。PREQUEL 20Fサイジング剤(ASA)分散相を、ベンチュリ装置の吸引入口に、15kg/hで真空によって供給した。混合相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル60の直径)は1mmであった(連続相ノズルおよび混合相ノズルについて同じ直径)。ベンチュリ速度は、混合相ノズル内で63m/sであった。エマルジョンは、別個の相、すなわち水およびASA液滴中にほとんど直ちに分散した。粒径分布は測定不可能であった。
【0081】
(実施例5)
160l/hの水を、図2〜4に示したものなどのベンチュリ装置の第1の入口内に連続相として供給した。水のフィード圧は30バールであった。連続相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル66の直径)は1mmであった。PREQUEL 90Fサイジング剤(デラウェア州ウィルミントンにあるAshland Hercules Water Technologiesから入手可能なAnKD)分散相を、ベンチュリ装置の吸引入口に、30kg/hで真空によって供給した。混合相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル60の直径)は2mmであった。ベンチュリ速度は、連続相ノズル内で53m/sであった。エマルジョンは安定であり、中央粒径は0.8ミクロンであった。
【0082】
(実施例6)
90l/hの水を、図2〜4に示したものなどのベンチュリ装置の第1の入口内に連続相として供給した。水のフィード圧は30バールであった。連続相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル66の直径)は0.8mmであった。PREQUEL 20Fサイジング剤(ASA)分散相を、ベンチュリ装置の吸引入口に、30kg/hで真空によって供給した。混合相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル60の直径)は2.4mmであった。ベンチュリ速度は、連続相ノズル内で44m/sであった。エマルジョンは安定であり、中央粒径は1.15ミクロンであった。
【0083】
(実施例7)
180l/hの水を、図2〜4に示したものなどのベンチュリ装置の第1の入口内に連続相として供給した。水のフィード圧は30バールであった。連続相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル66の直径)は1.2mmであった。PREQUEL 20Fサイジング剤(ASA)分散相を、ベンチュリ装置の吸引入口に、30kg/hで真空によって供給した。混合相ノズルの直径(例えば、図3中のノズル60の直径)は1.6mmであった。ベンチュリ速度は、連続相ノズル内で53m/sであった。エマルジョンは安定であり、中央粒径は0.8ミクロンであった。
【0084】
本発明を、その特定の実施形態に関して説明してきたが、多数の他の形態および改変が当業者に明白となることは明らかである。添付の特許請求の範囲および本発明は一般に、本発明の真の範囲内である、すべてのそのような明白な形態および改変に及ぶと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0085】
10 システム
12 貯蔵タンクまたは供給リザーバ
14 ライン
16 フィルター
18 制御バルブ
20 流量計
22 ポンプ
32 貯蔵タンクまたは供給リザーバ
34 ライン
36 フィルター
38 任意選択のポンプ
39 流量計
40a 圧力計
40b 圧力計
40c 圧力計
42 背圧レギュレータ
48 第1の入口
50 ベンチュリ装置
52 吸引入口
54 矢印
56 より小さい直径のチャネル
58 円錐形セクション
60 混合相ノズル
66 最小直径のノズルまたは連続相ノズル
70 チャンバー
74 圧力制御バルブ
76 貯蔵タンク
77 ねじ筋
78 シールリング
80 円錐形チャンバー
82 排出ディフューザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中の油、または油中の水を乳化するためのシステムであって
連続相ノズル(66)および分散相入口(52)を有するベンチュリ装置(50)を備え、
前記連続相ノズルは、連続相ストリームをベンチュリ装置の混合セクション(80)内に送る第1の直径(d1)を有し、前記分散相入口は、前記混合セクション内に分散相を導入することによって分散相と連続相のエマルジョンを形成し、前記ベンチュリ装置は、エマルジョンを前記混合セクションから前記ベンチュリ装置の出口に向かって送る、第2の直径(d2)を有する混合相ノズル(60)を有する、水中の油、または油中の水を乳化するためのシステムにおいて、
前記ベンチュリ装置(50)の前記第2の直径(d2)が、1:1超および4:1未満の比で前記第1の直径(d1)より大きいことを特徴とするシステム。
【請求項2】
連続相が、約10バール〜約50バールの圧力で導入される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
連続相をベンチュリ装置(50)内にポンプ搬送するためのポンプ(22)をさらに備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
連続相が、連続相ノズルを通過する約10〜100m/sの範囲の速度を有する、請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
連続相が、水、またはデンプンの水溶液、またはポリマー溶液を含む、請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
分散相が1つまたは複数の逆相エマルジョンを含む、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
分散相が、1つまたは複数のセルロース非反応性紙サイジング化合物、またはセルロース反応性紙サイジング化合物、例えば、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテン二量体(AKD)、ケテン二量体、ケテン多量体、約12〜22の炭素原子を含有する有機エポキシド、約12〜22の炭素原子を含有するハロゲン化アシル、約12〜22の炭素原子を含有する脂肪酸由来の脂肪酸無水物、もしくは約12〜22の炭素原子を含有する有機イソシアネートなどを含む、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
紙または板紙を処理するために使用するサイジング剤を乳化するための方法であって、
水を含有する連続相を、前記連続相を混合セクション(80)内に送る第1の直径(d1)の連続相ノズル(66)を有するベンチュリ装置(50)内に加圧下で導入するステップと、
少なくとも1つのサイジング剤を含有する分散相を、前記ベンチュリ装置の混合セクション(80)内に導入することによって、前記分散相と前記連続相のエマルジョンを形成するステップと、
前記ベンチュリ装置内の第2の直径(d2)を有する混合相ノズル(60)を通して前記エマルジョンを送るステップと
を含む、方法において、 前記ベンチュリ装置の前記混合相ノズルの直径(d2)が、1:1超および4:1未満の比で前記連続相ノズルの直径(d1)より大きいことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記連続相が、約10バール〜約50バールの圧力で導入される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記連続相が、連続相ノズルを通過する約10〜100m/sの速度を有する、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記連続相が、水、またはデンプンの水溶液、またはポリマー溶液を含む、請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記分散相が、セルロース非反応性紙サイジング化合物、またはセルロース反応性紙サイジング化合物、例えば、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテン二量体(AKD)、ケテン二量体、ケテン多量体、約12〜22の炭素原子を含有する有機エポキシド、約12〜22の炭素原子を含有するハロゲン化アシル、約12〜22の炭素原子を含有する脂肪酸由来の脂肪酸無水物、もしくは約12〜22の炭素原子を含有する有機イソシアネートなどを含む、請求項8から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記分散相が、前記分散相の0.1重量%〜約5重量%の量で1つまたは複数の界面活性剤をさらに含む、請求項8から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記エマルジョンが2ミクロン未満の平均粒径を有する、請求項8から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記エマルジョンが、2〜50重量パーセントの、連続相中の分散相の濃度を有する、請求項8から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記エマルジョンを後に希釈するステップと、後に希釈されたエマルジョンを、ウェットエンド、または紙もしくは板紙製造システム用のサイズプレスもしくはコーターに添加するステップとをさらに含む、請求項8から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
逆相エマルジョンを逆転させるための方法であって、
水を含有する連続相を、前記連続相を混合セクション(80)内に送る第1の直径(d1)の連続相ノズル(66)を有するベンチュリ装置(50)内に加圧下で導入するステップと、
少なくとも1つの逆相エマルジョンを含有する分散相を、前記ベンチュリ装置の前期混合セクション(80)内に導入することによって、前記分散相と前記連続相のエマルジョンを形成するステップと、
前記ベンチュリ装置内の第2の直径(d2)を有する混合ノズル(60)を通してエマルジョンを送るステップと
を含む、方法において、
前記ベンチュリ装置の前記混合相ノズルの直径(d2)が、1:1超および4:1未満の比で前記連続相ノズルの直径(d1)より大きいことを特徴とする方法。
【請求項18】
逆相エマルジョンが、紙または板紙製造システムにおいて使用するための1つまたは複数の歩留向上剤および排水助剤を含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−501164(P2013−501164A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523359(P2012−523359)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000976
【国際公開番号】WO2011/015715
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(591020249)ハーキュリーズ・インコーポレーテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】HERCULES INCORPORATED
【Fターム(参考)】