説明

油圧マニホールドアセンブリ

【課題】複数の流体ポートを含むブロックを持つ油圧マニホールドアセンブリであって、一組の油圧フィティングを提供する。
【解決手段】流体ポートがブロック24の表面に設けらる、アセンブリと一組の油圧フィティングで、各フィティングは前記ポートの既定の1つへ帰属される。各フィティングは、ホローボルト37A〜Dを含み、流体ポート内へ挿入可能であり、かつホローボルト37A〜Dを受け取る第1の孔部と第1の孔部と交差する第2の孔部を含むバンジョーブロックを含む。第2の孔部は、遠隔装置と接続される流体のための外部流体ポートを提供する。複数のバンジョーブロック38A〜Dは、隣接するブロック38A〜Dの対を含み、お互いに相補的外部形状を有し、既定の流体ポートへ接続される場合にそれらの間の相対的方向を制御する、隣接するバンジョーブロック38A〜Dの外部形状は誤アセンブリすることを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンチロックブレーキシステムのアンチロックブレーキユニット又は「油圧ユニット」へブレーキラインを接続するための手段に関する。
【背景技術】
【0002】
前記油圧ユニットは、少なくとも1つのモータ駆動ポンプ、前記ブレーキのホイールシリンダへ及び前記ブレーキのホイールシリンダから油圧流体のフローを制御するためのインレット及びアウトレットバルブ、及び(前記ABSシステムが油圧流体を1以上のホイールシリンダから前記油圧ユニットへ放出して戻すことでブレーキ力を緩和する場合に)アンチブレーキ操作の下で前記ホイールシリンダから放出される油圧流体を貯蔵するための少なくとも1つのアキュムレータとを含む。制御装置は、相対的ホイール速度などの自動車条件をモニタし、及び前記油圧ユニット内の前記バルブの状態及び前記ポンプの操作を制御するために設けられている。前記ポンプは、油圧流体を、前記油圧ユニットからユーザ操作アクチュエータ(例えばペダルやハンドレバー)と接続されているマスタシリンダへと戻すものである。
【0003】
前記ABS及び、前記自動車ブレークのマスタシリンダとホイールシリンダの両方との間の油圧接続は、ブレーキラインを前記ABS油圧ユニット上のポートへいわゆる「バンジョー」フィティングを用いて接続することで形成されている。前記用語「バンジョーフィティング」とは、ホローボルトとバンジョーブロックとの組み合わせを意味し、以下説明されるように使用されるものである。前記ボルトは、前記ヘッド部近くで前記ホロー部と接続される横方向孔部(孔部)を含む。前記バンジョーブロックは前記ホローボルトを受けるための開口部を含み、前記開口部は前記ボルトの前記横方向孔部と流体流通を確立するための内部チャンバを有する。前記バンジョーブロック内の横方向孔部は、前記チャンバと流体流通が可能であり、前記ブレーキラインと接続される前記チャンバから離れるように伸びる。大抵の場合、前記バンジョーブロックの外部は前記ボルト受け入れ孔部で丸められ、及び前記横方向孔部が、前記ボルト受け入れ孔部の前記軸に関して90度に設けられる(従って、楽器バンジョーに似たものとなる)。しかしバンジョーブロックは正確にこの形状及び方向になる必要はない。標準のバンジョーフィティングの例及びより最近の応用については、米国特許第7,226,088号明細書に記載されており、当該内容の全体は参照されて本明細書に援用される。
【0004】
前記ABSシステムの油圧ユニット内のバルブ、ポンプ及びアキュムレータの具体的な内部配置は、前記油圧ユニットのそれぞれの外部ポートが前記ブレーキラインと接続され、前記アンチロックブレーキシステムの適切な操作を保証するために特定の位置に設けられることが必要とされる。言い換えると、前記油圧ユニットと流体接続されている前記ブレーキシステムのそれぞれの離れたコンポーネントは、使用されるべき油圧ユニット上にそれ自体の既定のポートを有することが必要である、ということである。
【0005】
前記ABS油圧ユニット上の対応するポートに前記ブレーキラインの適切なアセンブリを補助するための知られた方法には、ラウンドバンジョーブロックのフィンガの使用、それぞれのブレーキラインの特定の位置への配置制御、及びまた、前記ブレーキラインのラベル又はタグの使用などが含まれる。従来技術のアセンブリ補助の一例が図9に示される。前記ABS油圧ユニット920には、ブロック924を含み、及び4つのブレーキライン932A〜Dが前記ブロック924の表面948上の4つのポートへ、4つのバンジョーフィティング936A〜Dを介して、接続される。それぞれのバンジョーフィティング936A〜Dには、ホローボルト937A〜D及びバンジョーブロック938A〜Dが含まれる。前記ブレーキラインの2つ932A、932Bは、1方側から前記表面948へ接近し、他の2つのブレーキライン932C、932Dは反対側から表面948へ接近するように配置されている。さらに、バンジョーブロックの2つ938A、938Dがベントフィンガ943の形状で突出させて設けられ、これらは、前記バンジョーフィティング926A〜Dが適切に前記ブロック924と組立てられる際に、前記ブロック924の表面948内に位置する凹部又は孔部943内に受け入れられるように設けられる。バンジョーブロック938A、938Dは、前記バンジョーフィティング936A〜Dを間違えて設定する恐れを避けるために設けられる(即ち、ユーザは、前記第1の側から近づく2つのブレーキライン932A、932Bのいずれがその側の2つのポートのいずれかと接続されるべきかを容易に認識することができ、かつ前記第2の側から近づく2つのブレーキライン932C、932Dのいずれがその側の2つのポートのいずれかと接続されるべきかを容易に認識することができる。)しかし、ブレーキライン及びフィンガは異なる方向に曲げられており、ラベルは無視されたり、損傷されたり又は失われている可能性がある。従って、上の記載の方法は有用な補助となり得るが、しかし不適切な最終アセンブリに対する保証とはなり得ない。
【0006】
米国特許第6,886,866号明細書には、油圧マニホールドへチューブを接続するための異なる長さのチューブナットの組みが開示されている。前記マニホールドに設けられるチューブナットは、長いチューブが接続されるべきポートへ短いチューブが間違ってアセンブルされることを防止する。しかし、この方法は前記油圧マニホールドへチューブナットストップの追加を必要とし、さらに前記長いチューブナットとチューブナットストップの比較的大きい突出部のために前記マニホールドの側に大きな空間が利用可能とされる必要がある。さらに、短いチューブが望まれるポートへ長いチューブをアセンブリすることは(アセンブリされた場合に、見苦しい外観を呈することにより)強く抑制されるが、実際にそれが防止されるというものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,886,866号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、アンチロックブレーキシステムのアンチロックブレーキユニット又は「油圧ユニット」へブレーキラインを接続するための手段に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの側面では、本発明は油圧マニホールドアセンブリを提供し、前記油圧マニホールドアセンブリはブロックを含み、前記ブロックは複数の流体ポートを含み、前記ブロックの共通の表面上に設けられ、かつ油圧フィティングを含む。前記組みのそれぞれのフィティングは前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つの帰属される。前記組みのそれぞれのフィティングは、前記既定の流体ポートに挿入可能なホローボルト、及び前記ホローボルトを受けるための第1の孔部と、前記第1の孔部と交差する第2の孔部を含むバンジョーブロックを含む。前記第2の孔部は、前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに遠隔装置を流体流通的に接続するための外部流体ポートを提供する。前記複数のバンジョーブロックは少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの対を含み、これはお互いにユニークであり、外部形状を有し、前記外部形状はお互いに相補的であり前記既定の流体ポートに接続される際にはそれらの間の相対的方向を制御する。前記バンジョーブロックの少なくとも1つの隣接する対の外部形状は、前記少なくとも1つの隣接する対の第1のバンジョーブロックを前記少なくとも1つの隣接する対の第2のバンジョーブロックの既定の流体ポートとアセンブリすることを、前記第2のバンジョーブロックが前記第1のバンジョーブロックの既定の流体ポートと接続される際にはお互いに干渉して防止する。
【0010】
他の側面においては、本発明は油圧マニホールドアセンブリを提供し、前記油圧マニホールドアセンブリはブロックを含み、前記ブロックは複数の流体ポートを有し前記ブロックの共通の表面上に設けられ、かつ1組の油圧フィティングを含む。前記組みのそれぞれのフィティングは前記ブロックの複数の流体ポートに帰属される。前記組みのそれぞれのフィティングは、前記既定の流通ポートに挿入可能なホローボルトと、前記ホローボルトを受ける第1の孔部と、前記第1の孔部と交差する第2の孔部とを含む。前記第2の孔部は、前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに遠隔装置を流体流通的に接続するための外部流体ポートを提供する。前記バンジョーブロックのそれぞれは外部形状を有し、少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの外部形状と相補的であり、前記バンジョーブロックが前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックと前記共通表面に対して、前記バンジョーブロックと少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックが前記既定の流体ポートと適合するように配置される場合に、サイドバイサイドで置くことを可能とする。前記複数のバンジョーブロックのそれぞれの外部形状はまた、前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの外部形状と共に、前記バンジョーブロックが前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックと前記共通表面に対してサイドバイサイドで置かれることを、前記バンジョーブロックの1つと前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックが既定されていない流体ポートと適合させるように配置される場合には、干渉して防止する。
【0011】
他の側面では、本発明はブロックを含む油圧マニホールドアセンブリを提供し、前記ブロックは複数の流体ポートを前記ブロックの共通表面上に設けられ、かつ1組の油圧フィティングを含む。それぞれのフィティングは前記ブロックの複数の流体ポートの1つの帰属される。前記組みのそれぞれのフィティングは、前記既定の流体ポート内に挿入可能なホローボルト、及び前記ホローボルトを受ける第1の孔部と、前記第1の孔部と交差する第2の孔部とを含むバンジョーブロックとを含む。前記第2の孔部は、前記ブロックの流体ポートの既定の1つに流体流通的に接続されるための外部流体ポートを提供する。前記複数のバンジョーブロックは外部形状を有し、前記外部形状は、全てのバンジョーブロックが前記複数の流体ポートに適合するように配置される場合には共に唯一の既定の方法で適合するものであり、従って前記ブロックへ完全な組みの油圧フィティングをアセンブリする唯一の方法は、全ての油圧フィティングがそれらの既定の流体ポートと対になる場合だけとなる。
【0012】
他の側面では、本発明は油圧マニホールドアセンブリのアセンブリ方法を提供する。前記油圧マニホールドアセンブリはブロックを含み、前記ブロックは複数の流体ポートを含みこれは前記ブロックの共通の表面上に設けられ、及び1組の油圧フィティングを含む。前記組みのそれぞれのフィティングは、前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに帰属され、前記組みのそれぞれのフィティングは対応する流体ポート内へ挿入可能なホローボルトと、前記ホローボルトを受ける第1の孔部と、前記第1の孔部と交差する第2の孔部を含むバンジョーブロックを含み、前記第2の孔部は前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに流体流通的に遠隔装置と接続するための外部流体ポートを提供する。前記方法は、前記複数のバンジョーブロックの少なくとも1つの隣接するユニークなバンジョーブロックの対を前記既定の流体ポートと接続することを含み、前記隣接する対の外部形状がお互いに相補的でありそれらの間の相対的方向を制御し、前記外部形状は、前記少なくとも1つの隣接する対の第1のバンジョーブロックを前記少なくとも1つの隣接する対の第2のバンジョーブロックの流体ポートとアセンブリすることを、前記第2のバンジョーブロックが前記第1のバンジョーブロックの既定の流体ポートと接続される場合に、お互いに協働して干渉して防止する。
【0013】
本発明のその他の側面は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照することで明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、ABS油圧ユニットの斜視図を示し、複数のブレーキラインが一組の第1の構成のバンジョーフィティングを介して前記ABS油圧ユニットへ接続されている。
【図2】図2は、図1のABS油圧ユニットの第2の斜視図である。
【図3】図3は、図1、2のABS油圧ユニットの上面図である。
【図4】図4は、他のABS油圧ユニットの斜視図であり、複数のブレーキラインが一組の第2の構成のバンジョーフィティングを介して接続されている。
【図5】図5は、図4の油圧ユニットの上面図である。
【図6】図6は、他のABS油圧ユニットの斜視図であり、複数のブレーキラインが一組の第3の構成のバンジョーフィティングを介して接続されている。
【図7】図7は、図6のABS油圧ユニットの上面図である。
【図8】図8は、図6及び7に記載の類似の一組のバンジョーフィティングを持つABS油圧ユニットの斜視図であり、ブレーキラインの変更構成が設けられている。
【図9】図9は、従来技術のABS油圧ユニットの斜視図であり、複数のブレーキラインが1組のバンジョーフィティングを介してABS油圧ユニットへ接続されており、いくつかはアセンブリ補助としてフィンガを位置づけするために使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を詳細に説明する前に、理解されるべきことは、本発明は以下の記載又は添付の図面に示される詳細な構成及び配置にのみ適用されるものではない、ということである。本発明はその他の実施態様であり得るし、かつ他の種々の方法で実施又は遂行され得るものである。
【0016】
図1はアンチロックブレーキシステム(ABS)の油圧ユニット20を示す。油圧ユニット20は、ブロック24、モータ26及び電子制御ユニット28を含む。図示されていないが、ブロック24はポンプ(前記モータ26で駆動される)、バルブ及びアキュムレータを内蔵する。ブロック24は、アクチュエータ(例えばフットペダル又はハンドレバー駆動マスタシリンダ)から油圧流体を受け取り、1以上の自動車ブレーキの1以上のホイールシリンダへ油圧流体を輸送し、かつ電子制御ユニット28により制御されるように前記ホイールシリンダから油圧流体を放出することでブレーク力を低減させることでアンチロック機能を実行させるように構成される。制御ユニット28はホイール速度センサからシグナルを受け取り、前記シグナルは制御ユニット28で分析され、前記ドライバにより供されたブレーキ力がトラクションリミットを超えると判断された場合には前記ブロック24内のバルブを開く。複数のブレーキライン32A〜Dが、対応する油圧フィティング(「バンジョー」フィティング)36A〜Dの組みによりブロック24に接続されており、それぞれのバンジョーフィティング36A〜Dはホローボルト37A〜Dとバンジョーブロック38A〜Dを含む。ホローボルト37A〜Dはそれぞれのバンジョーブロック38A〜D内の軸方向孔部又はボア40A〜D(図2及び3)を通ってブロック24へ伸び、ブロック24とブレーキライン32A〜Dとの流体流通をバンジョーフィティング36A〜Dを通じて確立する。図示された構成では、4つのブレーキラインが示されるが、他の構成では、2、3又は4以上のブレーキラインも設けることができる。また、図示される構成では、2つのブレーキライン32A、と32Bはブロック24の1つの側上にあり、対応するバンジョーフィティング36A、36Bから第1の方向(矢印A)へ伸びており、さらに2つのブレーキライン32C、と32Dはブロック24の他の側上にあり、対応するバンジョーフィティング36C、36Dから第1の方向とは逆の方向(矢印B)へ伸びている。しかしブレーキラインのその他の方向も、具体的な応用に応じて選択可能である。
【0017】
留意すべきことは、全てのバンジョーフィティング36A〜Dはブロック24の共通する表面上でポート44A〜Dへ接続される(図3)、ということである。さらに、フィティング36A〜Dのボルト37A〜Dがブロック24に締められると、全てのバンジョーブロック38A〜Dは表面48で隣接してお互いが共平面となるように位置づけされる。以下さらに詳細に説明されるように、それぞれのバンジョーブロック38A〜Dは、少なくとも1つのユニークな隣接するバンジョーブロック38A〜Dと協働して、その他のフィティング36A〜Dに相対して正しい方向だけでなく、前記正しいポート44A〜Dと正しい方向を持ってアセンブリされることを保証する。例えば図1及び3(図2の右側)の左側の2つのバンジョーブロック38A、38Bはお互いにユニークであり、協働する相補的に傾斜付けされた側壁表面52A、52Bを持つ。第1のバンジョーブロック38Aは通常は角が切欠られた(トランケートされた)長方形プリズム形状として形成され、バンジョーブロック38Aの角を切り欠くことで設けられる傾斜付けられた側壁表面52Aを持つ。横方向孔部又はポート56Aは、バンジョーブロック38A内のボルト受け入れボア40Aと交差してブレーキライン32Aを受け、バンジョーブロック38Aの1つの側の中心(その軸がボルト37Aの軸と交差する)に方向付けられ、前記傾斜付けられた側壁表面52Aから離れている。横向きポート56Aは、矢印A)の方向に面し、この方向はブレーキライン32Aの、前記フィティング36Aから伸びる方向である。第2のバンジョーブロック38Bは通常は角が切欠られた(トランケートされた)長方形プリズム形状として形成され、バンジョーブロック38Bの角を切り欠くことで設けられる傾斜付された側壁表面52Bを持つ。横方向孔部又はポート56Bは、バンジョーブロック38B内のボルト受け入れボア40Bと交差してブレーキライン32Bを受け、バンジョーブロック38Bの1つの側の中心(その軸がボルト37Bの軸と交差する)に方向付けられ、前記傾斜付された側壁表面52Bに隣接する。横方向ポート56Bは矢印Aの方向に面しており、これはフィティング36Bからブレーキライン32Bの伸びる方向である。2つの隣接するバンジョーブロック38A、38Bのいくつかのユニークな側面が上で説明されたが、理解されるべきことは、バンジョーブロック内の孔部の外部形状、サイズ及び方向での全ての相違が他のバンジョーブロックからユニークとなることができるものである、ということである。
【0018】
2つの隣接するバンジョーブロック38A、38Bの傾斜付けられた側壁表面52A、52Bは、バンジョーブロック38A、38B及びそれらの関連するブレーキライン32A、32Bがブロック24の表面48のそれぞれのポート44A、44Bと正しくアセンブリされる場合に、お互いに向きあって平行の関係で及びお互いに接触するかお互いに既定距離(例えば、図3で示されるようにブロック表面48に垂直に見て表面52A、52Bの重なり幅W1の10%以下)隔てて空間的に配置されるように設計される。前記協働的傾斜付けられた側壁表面52A、52Bは、前記ユニット20をアセンブリする人に、ブレーキライン32A、32Bをどのようにポート44A、32B、44Bと接続するかを指示し、かつまたバンジョーブロック38A、38Bのいずれかが前記ブロック24に関して回転することを阻止又は防止する。さらに、ユニット20をアセンブリする人がフィティング36A、36Bを(フィティング36Aをポート44Bへ、かつフィティング36Bをポート44Aへ接続するために)交換しようとすると、このアセンブリは、2つのバンジョーブロック38A、38Bのユニーク性により物理的に防止されることとなる。1つだけ角に切り欠きを持つそれぞれのバンジョーブロック38A、38Bを設けることで、2つのブロック38A、38Bは2つのポート44A、44Bに適合させてお互いの方向に配置され得る(即ち、ボルト受け取りボア40A、Bがポート44A、44Bと配列される)。バンジョーブロック38A、38Bの角の間の干渉により、フィティング36A、36Bの1つが、フィティング36A36Bの他の1つが間違ったポート44A、44Bに接続された場合には、間違ったポート44A、44Bへアセンブリされることが防止される。さらに、前記第1のバンジョーブロック38Aと接続されるブレーキライン32Aの配置は、前記第1のフィティング36Aが間違って前記第2のポート44Bと接続される場合には、前記第2のフィティング36Bが前記第1のポート44Aと接続されることを防止するであろう。ブレーキライン32C、32Dをポート44C、44Dと接続するために使用される第2のフィティング36C、36Dの組みは、類似の構成を有しポート44C、44Dと正しくアセンブリされることを保証する。バンジョーブロック38C、38Dの、傾斜付けられた側壁表面52C、52D及び横方向ポート56C、56Dは、フィティング36C、36D両方とブロック24とのアセンブリを、それらがそれぞれの既定のポート44C、44Dと接続されない限り、防止する。従って、バンジョーブロック38A〜Dそれ自体がお互いに協働して、バンジョーフィティング36A〜Dを既定のポート44Aの〜Dとアセンブリするための本質的なポカヨケ(即ち、操作者の行程中での間違いを積極的に防止するメカニズム)を提供するものである。
【0019】
留意すべきことは、ブレーキライン32A〜Dの種々の経路が製造者の望むように設けられ得る、ということである。例えば、図2及び3は、図1で示されるものから(共通の矢印Aの方向に最初の伸びを越えた)2つのブレーキライン32A、32Bの種々の経路が示される。ブレーキライン経路が異なる理由には、可動部分の適切なクリアランスを与えることと、修理物へのアクセスを提供すること、必要なチューブ及び油圧流体を限定することなどが含まれる。図3で示される2つの選択肢に加えて、他の無数の選択肢が可能であり、これには、全てのバンジョーフィティングから全てのブレーキラインが1つの方向に伸びるもの、及び2組のブレーキラインが、とりわけお互いに90度の方向に伸びるもの、が含まれる。さらに、以下説明されるように、2組以上の協働バンジョーブロックがABSユニットのブロックに設けられ、前記バンジョーブロックの1以上が複数の隣接するバンジョーブロックと協働し得る。また相補的な傾斜付けられた側壁表面の代わりに又は加えて、隣接するバンジョーブロックの組みがお互いにノッチ内コーナー配置又は凹部内凸部配置を含む相補的オスメス部分により協働し得る。
【0020】
図4及び5は、他の構成にアンチロックブレーキシステム油圧ユニット120を示す。ABS油圧ユニット120は図1からのABS油圧ユニット20と実質的に類似し、前記説明は共通の構成及び操作について参照される。従って、モータ126を含むABS油圧ユニット20の一般的使用及び操作については繰り返さない。図1のABS油圧ユニット20とは対照的に、図4及び5のABS油圧ユニット120は、5つのブレーキライン132A〜Eをブロック124の表面148に設けられる5つの対応する流体ポート144A〜Eへ接続するための1組の5つの油圧フィティング(「バンジョー」フィティング)を含む。図4及び5に示されないが、理解されるべきことは、それぞれのバンジョーフィティングはバンジョーブロック138A〜Eに加えてホローボルトを含む、ということである。前記ホローボルトは、前記軸方向の孔部又はボア140A〜Eを通って伸び、それぞれのポート144A〜Eに嵌合してそれらの間の流体流通を確立し、さらにそれぞれのバンジョーブロック138A〜Eをブロック124の表面148に対して機械的に締める。流体経路はそれにより、流体ポート144A〜E及び前記バンジョーフィティングを通る対応するブレーキライン132A〜E間に確立され、それぞれのブレーキライン132A〜Eは横方向ポート156A〜Eと接続され、この横方向ポート156A〜Eは、対応するボルト受け取りボア140A〜Eと交差するようにバンジョーブロック138A〜Eに形成される。図4及び5のバンジョーブロックの組み138A〜Eは図1〜3のものとは異なって構成されているが、これらは同じ目的を持つものであり、ABS油圧ユニット120をアセンブリする人がブレーキライン132A〜Eをブロック124の正しくないポート144A〜Eとアセンブリすることを防止するように構成されるものである。というのはそれぞれのブレーキライン132A〜E(及びそれによりABS油圧ユニット120と接続される遠隔装置)は、前記ブレーキシステムの正しい操作で使用されることが意図される既定のポート144A〜Eを有するからである。
【0021】
バンジョーブロック138Aの〜Eは、流体ポート144A〜Eと適合する配置では互い違い(スタッガード)に配置される。行のそれぞれの端では2つのバンジョーブロック138A、138Eは、図1〜3の隣接するバンジョーブロックの組みと類似して、最隣接バンジョーブロック138B、138Dと協働するように構成される。内側の3つのバンジョーブロック138B〜Dは、それぞれ2つの隣接するバンジョーブロックと協働するように構成され、1つは第1の側及びその他は第2の側である。以下説明するように、バンジョーブロックの端部組み(138Aと138B及び138Dと138E)は、相補的な傾斜付られた側壁表面152A、152B、152D、152Eを持つ。角を切り取った長方形プリズム形状ブロックとして形成される前記傾斜付られた側壁表面152A、152B、152Cは、バンジョーブロック132A、132B、132D、132Eがそれぞれの流体ポート144A、144B、144D、144Eで位置づけされる場合に、お互いに隣接するか又はそれらの間に既定クリアランス(例えば図5で示されるようにブロック表面148に垂直に見て、表面152A、152B、152D、152E重なり幅W2の10%以下)を持つように構成される。バンジョーブロックの端部の組みは、相補的な傾斜付られた表面152A、152B、152D、152Eを持って形成されるが、お互いに隣接するバンジョーブロック対はユニークであり、流体ポート144A、144B、144D、144Eと接続される際にそれらの間の相対的方向が制御され、かつ前記隣接する対の第1のバンジョーブロックの正しくないアセンブリは、それに続く隣接する第2のバンジョーブロックの正しくないアセンブリを、両方のバンジョーブロックをブロック124の表面148に対して正しくない流体ポートに適合させようと試みる際に、物理的干渉により防止することになる。
【0022】
外部端部バンジョーブロック138A、138Eと相互作用する内部バンジョーブロック138B、138Dのそれぞれはまた、図示された構成において中心バンジョーブロック138Cと協働するように構成される。中心バンジョーブロック138C、中心バンジョーブロック138Cと隣接する138Dは、一般的には長方形プリズム形状である。中心バンジョーブロック138C、中心バンジョーブロック138Cと隣接する138Dは、ノッチ160B、160Dを持ち、これらは、これら3つのバンジョーブロック138B〜Dが既定の流体ポート144B〜Dに位置される場合に、中心バンジョーブロック138Cの対応するコーナー162を受けるように構成される。ノッチ160B、160D及びコーナー162は、隣接する表面又は、それぞれのバンジョーブロック138B〜Dの間の相対的方向が制御されるようにそれらの間に既定のクリアランスを持って提供される。3つの内部バンジョーブロック138B〜Dの1つを間違えてアセンブリすることは、複数の隣接するバンジョーブロックがブロック124の表面148に対して正しくない流体ポートに適合させることを物理的干渉を生じさせることで、隣接するバンジョーブロックを間違えてアセンブリすることを防止する。種々の傾斜付けられた側壁表面152A、152B、152D、152E及びインターフィティングノッチ160B、160D及びコーナー162に加えて、4つのバンジョーブロック138A、4つのバンジョーブロック138A、138B、138D、138Eは細長い形状であり正しくないアセンブリに際して干渉することを保証する。2つの端部バンジョーブロック138A、138Eは、ボルト受け入れボア140A、140E周りに非対称的に矢印Aの方向に細長く、前記ボア140A、140Eの1つの側と平行(矢印Aと反対方向)に、前記ボア140A、140Eの反対側(矢印の方向)によりも実質的により大きい伸びが設けられる。同様に、バンジョーブロック138B、138Dは前記端部バンジョーブロック138A、138Eに直隣接し、矢印Aと垂直な方向に細長く、前記軸性ボア140Bの1つの側で反対側よりも実質的により大きい伸びが設けられる。バンジョーブロックの組み138A〜Eは、全てのバンジョーブロック138A〜Eが複数のポート144A〜Eと適合して位置づけされる際に唯一の既定の方法で一緒にフィットする外部形状を有し、ブロック124へ完全なバンジョーフィットの組みをアセンブリする唯一の方法は、全てのバンジョーブロック138A〜Eがそれぞれの既定の流体ポート144A〜Eと対になる場合となる。従って、バンジョーブロック138A〜E自体は、お互いに協働して、前記既定の流体ポート144A〜Eへバンジョーフィティングのアセンブリのための本質的なポカヨケ(操作する人の行程中の失敗を積極的に防止するメカニズム)を提供する。
【0023】
留意すべきことは、全ての5つのブレーキライン132A〜Eがバンジョーブロック138A〜Eから単一の方向(矢印A)に経路付されているが、ブレーキライン132A〜Eの種々の経路付が、製造者の望みにより適用され得る、ということである。さらに、5以上又は以下の協働するバンジョーブロックが、ABSユニット120のブロック124に設けられ得る。かつ偶数のバンジョーブロックが設けられる場合には、複数のバンジョーブロックと協働することは必要ではない。また種々の相補的構成及び形状が、隣接するバンジョーブロックの間に設けられ、方向制御の確立及び全てのバンジョーブロック138A〜Eと既定の流体ポート144A〜Eとの正しい接続を保証する。
【0024】
図6及び7は、他の構成のアンチロックブレーキシステム油圧ユニット220を示す。ABS油圧ユニット220は実質的に図1〜3及び図4〜5の油圧ユニット20、220と類似し、これまでの説明はそれぞれ共通する構成及び操作に参照される。従って、モータ226及び制御装置228を含むABS及び油圧ユニット220の一般的使用及び操作については繰り返さない。図4、5のABS油圧ユニット120と同様に、図6,7のABS油圧ユニット220には、5つの油圧フィティング(「バンジョー」フィティング)236A〜Eの組みを含み、これにより5つのブレーキライン232A〜Eをブロック224の表面248に設けられる5つの対応する流体ポートへ接続する。バンジョーブロック232A〜Eのバンジョーフィティングのそれぞれはホローボルト237A〜E及びバンジョーブロック238A〜Eを含む。ホローボルト237A〜Eは、バンジョーブロック238A〜Eの軸性孔部又はボア(図示されていない)を通じて伸び、ブロック224のそれぞれの流体ポートに勘合してそれと流体流通を確立し、かつまたブロック224の表面248に対してそれぞれのバンジョーブロック238A〜Eを機械的に締める。流体経路はそれにより、前記流体ポートと対応するブレーキライン232A〜Eとの間でバンジョーフィティング236A〜Eを通じて確立され、それぞれのブレーキライン232A〜Eは、対応するボルト受けボアと交差するようにバンジョーブロック238A〜E内に形成される横方向ポート256A〜Eと接続される。図6と7のバンジョーブロックの組み238A〜Eは図1〜3及び図4,5とは異なる構成ではあるが、同様の目的、即ちABS油圧ユニト220をアセンブリする人が、ブレーキライン232A〜Eをブロック224の正しくない流体ポートへ接続されることを防止するという目的を達成するように構成されるものである。というのは、それぞれのブレーキライン232A〜E(及びそれによりABS油圧ユニット220に接続される遠隔装置)は、前記ブレーキシステムの正しい操作のために使用することが意図される既定のポートを持つからである。
【0025】
バンジョーブロック238A〜Eは、ブロック224の流体ポートが適合するように位置づけされると互い違いの行に配列される。前記行のそれぞれの端部で2つのバンジョーブロック238A、238Eはノッチ260A、260Eを有し、これらは最隣接バンジョーブロック238B、238Dとその隣接するコーナー262B、262Dを受け取ることで協働するように構成される。ノッチ260A、260E及びコーナー262B、262Dのそれぞれの対応する組みは、それらの表面が隣接するか又は適切に空間的に離れて(例えばブロック表面248から垂直に見てそれぞれの対のノッチ及びコーナーの重なる周辺長さの10%以下)持ち、それぞれの流体ポートと接続される際にそれらの間の相対的方向を制御するように構成される。バンジョーブロックのこれらの隣接する対のユニークな形状はまた、2つの隣接するバンジョーブロックをブロック224の表面248に対して、バンジョーブロックの1つが正しくない流体ポートへ接続される場合に、正しくない流体ポートに適合させるように配置しようと試みる際に、物理的干渉を表す。中心バンジョーブロック238Cは、2つの隣接するバンジョーブロック238B、238Dと協働するように構成される複数の異なるタイプの構成が設けられる。中心バンジョーブロック238Cは、相補的な傾斜付られた側壁表面252B、252Cを介して第1の側で隣接するバンジョーブロック238Bと協働する。その他は長方形プリズム形状ブロック238B、238Cの角が切り取られて形成された傾斜付けられた側壁表面252B、252Cは、バンジョーブロック238B、238Cがそのそれぞれの流体ポートに位置付される際に、隣接するか又はその間に既定のクリアランス(ブロック表面248の垂直から見て表面252B、252Cの重なる幅の10%以下)を持つように構成される。傾斜付けられた側壁表面252Cに加えて、中心バンジョーブロック238Cは、第2の隣接するバンジョーブロック238Dのコーナー262Dを受けるように構成されるノッチ260Cを含む。ノッチ260C及びコーナー262Dのインターフィティング表面は、隣接するか又はその間に既定のクリアランス(ブロック表面248の垂直から見てノッチ260C及びコーナー262Dの重なる周辺長さの10%以下)を持つように構成される。バンジョーブロック238A〜Eのそれぞれのユニークな隣接する対の相補的外部形状は、前記流体ポートへ接続される際にそれらの間の相対的方向を制御し、かつそれぞれの対の第1のバンジョーブロックの正しくないアセンブリは、続く前記対の第2のバンジョーブロックの正しくないアセンブリを、両方のバンジョーブロックをブロック224の表面248に対して正しくない流体ポートに合わせて配置するように試みる際には物理的干渉により防止する。
【0026】
種々の傾斜付けられた側壁表面252B、252C及びインターフィティングノッチ260A、260C、260E及びコーナー262B、262D、その他の全てのバンジョーブロック(例えば2つの端部バンジョーブロック238A、238E及び中心バンジョーブロック238C)は細長くされ、正しくないアセンブリの際の干渉を保証する。3つ全ての細長いバンジョーブロック238A、238C、238Eはそれぞれのボルト237A、237C、237E及びボルト受け取りボアの軸回りに矢印Aに平行方向に非対称的に、ボルト受け取りボアの1つの側(矢印Aと反対方向)で、ボルト受け取りボアの反対側(矢印Aの方向)よりもより大きく実質的に伸びることで、細長くされる。バンジョーブロック238A〜Eの組みは、全てのバンジョーブロック238A〜Eが複数の流体ポートと適合するように位置づけされる場合に唯一の既定の方法で共にフィットする外部形状を有し、それにより、全てのバンジョーブロック238A〜Eの組みをアセンブリする唯一の方法が、全てのバンジョーブロック238A〜Eがその既定の流体ポートと対になる場合となる。従ってバンジョーブロック238A〜E自体は、お互いに協働して、既定のポートにバンジョーフィティング236A〜Eのアセンブリのために本質的にポカヨケ(即ち操作者が行程中で間違うことを積極的に防止するメカニズム)を提供する。
【0027】
留意すべきことは、5つ全てのブレーキライン232A〜Eがバンジョーブロック238A〜Eから単一の方向(矢印A)に経路付されているが、ブレーキライン232A〜Eの種々の経路が製造者の望みにより提供される。さらに5以上又は以下の協働するバンジョーブロックがABSユニット220のブロック224上に設けられ得る。さらに偶数のバンジョーブロックが設けられる場合には、複数の隣接するバンジョーブロックと協働する必要はない。また、相補的構成及び形状の種々の組み合わせが隣接するバンジョーブロック間に設けられて方向制御を確立し、かつ全てのバンジョーブロック238A〜Eを既定の流体ポートと正しく接続することを保証する。
【0028】
図8は、図6と7のABS油圧ユニット220であって、バンジョーブロック組みの変形例が示される。2つの変形バンジョーブロック338A、338Bは前記最初のバンジョーブロック238A、238B(隣接する端部の対)の位置に設けられる。残るバンジョー部238C〜Eは図6と7に示されるものと同一である。変形及び変形されないバンジョーブロックについて、それぞれの隣接するバンジョーブロック対の協働的相補的外部構成は上で説明され図6と7で示されたものと同じである。変形バンジョーブロック338A、338B及び図6と7の対応するバンジョーブロック238A、238Bとの間の唯一の違いは、図8のバンジョーブロック338A、338Bが横方向のボア356A、356Bと共に設けられており、これらは図6と7で示されるものから90度の方向である、ということである。従って、バンジョーブロック338A、338Bと合致するブレーキライン332A、332Bは、矢印Bの方向に伸び、この方向は、残るブレーキライン232C〜D(これは矢印Aと平行)と90度の角度である。図6と7の構成は、正しくないアセンブリを防止するために等しく適したものではあるが、1つの組み内で種々のバンジョーブロックから伸びるブレーキラインの複数の異なる方向を持つことはさらに、それぞれのバンジョーブロックのユニーク性を加えるものであり、ABS油圧ユニット220をアセンブリする人が全てのバンジョーブロックの正しい位置を同定することを容易にする。図8の構成は、垂直のブレーキライン方向の非限定的な例として表されており、当業者であれば、開示された実施態様又はそれらの再構成が種々の方法で適用され得ることは理解されるべきである。
【0029】
明らかなことは、前記バンジョーブロックのそれぞれの組みの種々のバンジョーブロックの形状は、既定されたものではない流体ポートと間違ってアセンブリすることを防止するポカヨケとして作用するだけでなく、また前記ブロックとフィティングをアセンブリする人に正しいアセンブリを可視的に指示する。というのは既定の流体ポートと正しくアセンブリされる場合に、種々のバンジョーブロックの形状は、正しく配置される一致の外観又はジグソーパズルの隣接ピースの相互連結の外観を伝える。このことは特に、図4〜8に示される構成についても妥当であり、全ての隣接するバンジョーブロック対が共に一致し、かつオスメス関係が設けられる。
【0030】
本発明の全ての側面がABS油圧ユニット及びブレーキラインに限定されるものではない。油圧装置のアセンブリ、ライン及び/又は前記マニホールドブロック上の具体的なポートへのフィティングが重要である場合には常に、マルチポートマニホールドブロックを有する油圧マニホールドアセンブリの他のタイプは本発明の側面から有利である。
【0031】
本発明の種々の構成及び利点が以下の特許請求の範囲に示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧マニホールドアセンブリであり、前記油圧マニホールドアセンブリは:
ブロックを含み、前記ブロックの共通表面上に複数の流体ポートを含み;及び
一組の油圧フィティングを含み、前記組みのそれぞれのフィティングが前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに帰属され、前記組みのそれぞれのフィティングが前記既定の流体ポート内に挿入可能なホローボルトと、前記ホローボルトを受け入れるための第1の孔部と前記第1の孔部と交差する第2の孔部とを有するバンジョーブロックを含み、前記第2の孔部は、前記ブロックの複数の流体ポートの前記既定の1つへ遠隔装置を流体接続されるための外部流体ポートを提供し、
前記複数のバンジョーブロックが少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの対を含み、前記バンジョーブロックがお互いにユニークであり、お互いに相補的な外部形状を含み、前記既定のポートに接続される場合にそれらの間の相対的な方向を制御し、及び前記バンジョーブロックはお互いに協働して、前記少なくとも隣接する対の第1のバンジョーブロックが前記少なくとも1つの対の第2のバンジョーブロックの既定の流体ポートとアセンブリすることを、前記第2のバンジョーブロックが前記第1のバンジョーブロックの前記既定の流体ポートと接続される場合に、防止するように干渉する、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記バンジョーブロックの少なくとも1つの隣接する対の前記相補的外部形状は、相補的に傾斜付けられた側壁表面を含む、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記バンジョーブロックの少なくとも1つの隣接する対の相補的外部形状がオスメスインタフェースを提供する、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、少なくとも1組のバンジョーブロックの隣接する対の前記相補的外部形状が、前記第1のバンジョーブロックの1つにノッチを含み、及び前記第2のバンジョーブロックが前記第1バンジョーブロックと第2のバンジョーブロックのその他のコーナーを受けるように形状化されている、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記バンジョーブロックの少なくとも1つの隣接する対が、前記第1及び第2のバンジョーブロックにより設けられる第1の対と、前記第2のバンジョーブロックと第3のバンジョーブロックにより設けられる第2の対とを含み、前記第2のバンジョーブロックが前記第1の対と第2の対の間に前記第1及び第3のバンジョーブロックと協働することにより共有される、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記第2のバンジョーブロックが前記第1のバンジョーブロックと相補的に傾斜付けられた側壁表面を介して協働し、かつ前記第2のバンジョー部と、ノッチを介して協働し、前記ノッチは前記第2及び第3のバンジョーブロックの1つにあり、前記第2及び第3のバンジョーブロックはその他のバンジョーブロックのコーナーを受けるように形状化されている、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記複数のバンジョーブロックの全ての外部流体ポートが、前記油圧フィティングの組みがそれらの既定のポートに接続される際に、1つの方向に面している、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記油圧フィティングの組みが既定の流体ポートと接続される際に、前記複数のバンジョーブロックの少なくとも1つの外部流体ポートが第1の方向に面し、前記複数のバンジョーブロック少なくとも1つの他の外部流体ポートが第2の方向に面し、これが前記第1の方向と逆方向か垂直方向の少なくともいずれかである、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記複数の流体ポートが、前記ブロックの前記共通表面上に非直線空間配列で設けられる、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記複数のバンジョーブロックの少なくとも1つが、その中の前記第1の孔部の回りに非対称的に細長い、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項11】
油圧マニホールドアセンブリであり、前記油圧マニホールドアセンブリは:
ブロックを含み、複数の流体ポートを前記ブロックの共通表面上に含み;及び
一組の油圧フィティングを含み、前記組みのそれぞれのフィティングが前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに帰属され、前記組みのそれぞれのフィティングが前記既定の流体ポート内に挿入可能なホローボルトと、前記ホローボルトを受け入れるための第1の孔部と前記第1の孔部と交差する第2の孔部とを有するバンジョーブロックを含み、前記第2の孔部は、前記ブロックの複数の流体ポートの前記既定の1つへ遠隔装置を流体接続されるための外部流体ポートを提供し、
前記複数のバンジョーブロックのそれぞれは外部形状を有し、前記外部形状は、少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの外部形状と相補的であり、前記バンジョーブロックと前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックが前記既定の流体ポートに適合させるように配置される際に、前記バンジョーブロックが前記隣接する少なくとも1つのバンジョーブロックと前記共通表面に対してサイドバイサイドで置くことができ、かつ前記バンジョーブロックと前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックが前記既定の流体ポートに適合させるように配置される際に、前記バンジョーブロックが前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックを前記共通表面に対してサイドバイサイドで置くことを、前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの前記外部経常により干渉する、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの外部形状が、相補的に傾斜付けられた側壁表面を含む、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項13】
請求項11に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの外部形状が、相補的なメスオス部を含む、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの外部形状が、前記バンジョーブロックの1つにノッチを含み、前記ノッチは前記バンジョーブの他のコーナーを受けるように形状化されている、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項15】
請求項11に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記複数のバンジョーブロックが、第1及び第2のバンジョーブロックにより設けられる第1の隣接する対と、前記第2及び第3のバンジョーブロックにより設けられる第2の隣接する対とを含み、前記第2のバンジョーブロックが、前記第1の隣接する対と第2の隣接する対との間で、前記第1及び第3のバンジョーブロックの両方と協働することで共有される、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項16】
請求項15に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記第2のバンジョーブロックが前記第1のバンジョーブロックと、相補的傾斜付けられた側壁表面を介して協働し、及び前記第2のバンジョーブロックと、前記第2及び第3のバンジョーブロックが1つのノッチを介して協働し、前記ノッチは前記第2及び第3のバンジョーブロックの他のコーナーを受けるように形状化されている、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項17】
請求項11に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記複数のバンジョーブロックの全ての外部流体ポートとが、前記油圧フィティングがそれらの既定の流体ポートに接続される際に、1つの方向に面する、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項18】
請求項11に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記油圧フィティングの組みが既定の流体ポートに接続される際に、前記複数のバンジョーブロックの少なくとも1つの外部形状が第1の方向に面し、前記複数のバンジョーブロックの少なくとも1つの他のバンジョーブロックが第2の方向に面し、前記第2の方向は前記第1の方向と逆方向及び垂直方向の1つの方向である、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項19】
請求項11に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記複数の流体ポートが、前記ブロックの前記共通表面上に非直線的空間配列で設けられる、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項20】
請求項11に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記複数のバンジョーブロックの少なくとも1つが、その中の前記第1の孔部の回りに非対称的に細長い、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項21】
請求項11に記載の油圧マニホールドアセンブリであり、前記それぞれのバンジョーブロック及び少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックの相補的外部形状が、前記バンジョーブロック及び前記少なくとも1つの隣接するバンジョーブロックが、前記既定の流体ポートに接続される際に、回転することを防止する、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項22】
油圧マニホールドアセンブリであり、前記油圧マニホールドアセンブリは:
ブロックを含み、複数の流体ポートを前記ブロックの共通表面上に含み;及び
一組の油圧フィティングを含み、前記組みのそれぞれのフィティングが前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに帰属され、前記組みのそれぞれのフィティングが前記既定の流体ポート内に挿入可能なホローボルトと、前記ホローボルトを受け入れるための第1の孔部と前記第1の孔部と交差する第2の孔部とを有するバンジョーブロックを含み、前記第2の孔部は、前記ブロックの複数の流体ポートの前記既定の1つへ遠隔装置を流体接続されるための外部流体ポートを提供し、
前記複数のバンジョーブロックが外部形状を有し、前記外部形状は、全てのバンジョーブロックが前記複数の流体ポートに適合する位置に配置される際に、唯一の既定の方法で一緒に適合するものであり、従って前記ブロックに油圧フィティングの完全な組みをアセンブリする唯一の方法が、全ての油圧フィティングがそれらの既定の流体ポートと対となる場合だけとなる、油圧マニホールドアセンブリ。
【請求項23】
油圧マニホールドアセンブリをアセンブリする方法であり、前記油圧マニホールドアセンブリはブロックを含み、前記ブロックは前記ブロック上の共通表面上に設けられる複数の流体ポート、及び1組の油圧フィティングを含み、前記組みのそれぞれのフィティングは前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに帰属され、それぞれのフィティングは、前記対応する流体ポート内に挿入可能なホローボルトと、前記ホローボルトを受け取る第1の孔部と前記第1の孔部と交差する第2の孔部とを有するバンジョーブロックを含み、前記第2の孔部は前記ブロックの複数の流体ポートの既定の1つに遠隔装置を流体流通的に接続するための外部流体ポートを提供し、前記方法は:
前記複数のバンジョーブロックの少なくとも1つのユニークな対を、前記隣接する対の外部形状がお互いに相補的でありそれらの間の相対的方向を制御するように、前記既定の流体ポートに接続することを含み、前記外部形状は、前記第2のバンジョーブロックが前記第1のバンジョーブロックの既定の流体ポートと接続される場合には、少なくとも1つの隣接する対の第1のバンジョーブロックが前記少なくとも1つの隣接する対の第2のバンジョーブロックの既定の流体ポートとアセンブリすることを防止するためにお互いに干渉するように協働する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15220(P2013−15220A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−147251(P2012−147251)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(595179505)ハーレー−ダビッドソン・モーター・カンパニー・グループ・エルエルシー (43)
【住所又は居所原語表記】3700 West Juneau Avenue,Milwaukee,Wisconsin 53208,United States of America
【Fターム(参考)】