説明

油圧モータ駆動装置

【課題】ドレン配管の圧力が上昇したときに、油圧モータを回転可能な状態としたままドレン配管の圧力が過度に上昇することによる油圧モータの破損を防止できる油圧モータ駆動装置を提供する。
【解決手段】エンジン32により駆動される油圧ポンプ33から供給される圧油によって油圧モータ23を駆動する油圧回路を備えた油圧モータ駆動装置において、前記油圧モータ23と並列にバイパス配管27を設けるとともに、該バイパス配管27に、前記油圧モータ23のドレン配管26内のドレンの圧力があらかじめ設定された規定値以下のときには閉弁状態となり、前記ドレン圧力が前記規定値を超えたときに開弁状態となるバイパス弁28を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧モータ駆動装置に関し、詳しくは、油圧ポンプから吐出される圧油によって油圧モータを駆動する油圧モータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ポンプから吐出される圧油によって油圧モータを駆動する油圧モータ駆動装置として、ドレン配管の接続不良などによってドレン配管の圧力が上昇したときに、油圧モータ駆動用油圧回路に設けた油圧切換弁を切り換えて油圧モータ側の油圧経路を遮断することにより油圧モータを停止させる保護回路を設けた油圧モータ駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−5122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された油圧モータ駆動装置は、クレーンの巻上ロープを巻回したウインチの巻上ドラムを駆動する油圧モータの保護を主たる目的としているため、ドレン配管の圧力が上昇した異常発生時に油圧モータの油圧経路を遮断し、油圧モータをロック状態としてウインチの巻上ドラムが回転しないようにすることで巻上ロープで吊り上げた物品が落下することを防止している。
【0005】
一方、基礎工事を行う全回転チュービング装置のケーシングチューブを駆動するための油圧モータや、杭打機のオーガ駆動装置におけるオーガ駆動用の油圧モータでは、異常発生時に油圧モータを急激に停止させると、大きな力で回転駆動されているケーシングチューブやオーガからの反力や慣性力が、油圧モータや駆動部の機器に加わった状態で停止してしまうため、これらの機器に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0006】
また、全回転チュービング装置は、油圧モータを備えたチュービング装置本体と、エンジン及び油圧ポンプを備えた油圧ユニットとを備えており、チュービング装置本体の油圧モータ側油圧回路と油圧ユニットの油圧ポンプ側油圧回路とはセルフシールカップリング(クイック継手)を備えた油圧ホースで接続するようにしている。このため、クレーンや杭打機に比べて油圧ホースの着脱を頻繁に行う必要があり、また、チュービング装置本体に各種センサを設けたものでは、油圧ユニットに設けられているバッテリーに電源供給用の配線を接続する必要もあり、油圧ホースや配線の状態を確認する作業に手間がかかっていた。
【0007】
そこで本発明は、ドレン配管の圧力が上昇したときに、油圧モータを回転可能な状態としたままドレン配管の圧力が過度に上昇することによる油圧モータの破損を防止できる油圧モータ駆動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の油圧モータ駆動装置は、エンジンにより駆動される油圧ポンプから供給される圧油によって油圧モータを駆動する油圧回路を備えた油圧モータ駆動装置において、前記油圧モータと並列にバイパス配管を設けるとともに、該バイパス配管に、前記油圧モータのドレン圧力があらかじめ設定された規定値以下のときには閉弁状態となり、前記ドレン圧力が前記規定値を超えたときに開弁状態となるバイパス弁を設けたことを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明の油圧モータ駆動装置は、前記油圧モータが全回転チュービング装置に設けられた油圧モータであり、前記油圧ポンプがエンジンにより油圧ポンプを駆動する油圧ユニットに設けられた油圧ポンプであり、全回転チュービング装置の油圧配管と油圧ユニットの油圧配管とは、セルフシールカップリングを備えた油圧ホースにて着脱可能に接続されることを特徴としている。
【0010】
また、前記バイパス弁が、該バイパス弁が前記閉弁状態となる方向に付勢する付勢手段と、前記油圧モータのドレン配管から分岐したパイロット配管を介して流入する前記規定値を超えたドレンの圧力により前記バイパス弁を開弁状態とする開弁手段とを備え、前記油圧モータと前記パイロット配管との間の前記ドレン配管の前記油圧モータの近くには、該油圧モータから排出され、前記ドレン配管を通過して前記油圧ユニットに戻る方向の流れのみを許容するチェック弁が設けられていることを特徴としている。
【0011】
さらに、前記バイパス弁が、通電状態で閉弁状態を保持し、非通電状態で付勢手段の付勢力によって開弁状態となる電磁弁からなり、該電磁弁は、前記油圧モータのドレン配管から分岐したパイロット配管を介して流入する前記規定値を超えたドレンの圧力により前記電磁弁を非通電状態とする圧力スイッチを備え、前記油圧モータと前記パイロット配管との間の前記ドレン配管の前記油圧モータの近くには、該油圧モータから排出され、前記ドレン配管を通過して前記油圧ユニットに戻る方向の流れのみを許容するチェック弁が設けられていることを特徴とし、前記電磁弁の電源が前記エンジンに設けられているバッテリから供給されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の油圧モータ駆動装置によれば、ドレン圧力が上昇したときに油圧モータと並列に設けたバイパス配管のバイパス弁を開いて油圧ポンプから供給される圧油をバイパス配管に流すようにしているので、油圧モータが回転停止してドレン圧力が過度に上昇することを防止できるとともに、油圧モータとバイパス配管とが並列に接続されていることから、ドレン圧力が上昇してバイパス弁が開いたときに油圧モータの油圧回路が遮断されずにバイパス配管に連通した状態になるので、油圧モータは回転可能な状態となっている。したがって、油圧モータが急激に停止することはなく、反力や慣性力が低下したときに自動的に停止するので、油圧モータや、該油圧モータで駆動される機器に悪影響を及ぼすことがない。
【0013】
また、ドレン配管にチェック弁を設けておくことにより、ドレン圧力が上昇してバイパス弁が開いた状態を保持することができるので、ドレン圧力が上昇した原因を解消するまでは復帰することがなく、ドレン圧力が上下動してもバイパス弁が開閉作動することはなく、油圧モータに圧油が断続的に供給されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の油圧モータ駆動装置の第1形態例を示す油圧回路図である。
【図2】本発明の油圧モータ駆動装置の第2形態例を示す油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の油圧モータ駆動装置を、全回転チュービング装置におけるケーシングチューブを回転駆動するための油圧モータに適用した形態例を示すものである。全回転チュービング装置11は、地上に据え付けられるベースフレーム12に立設した昇降シリンダ13の伸縮によって上下に昇降する昇降フレーム14と、該昇降フレーム14に立設したチャックシリンダ15によって上下に昇降するチャックフレーム16と、昇降フレーム14の内側にベアリング17を介して回転可能に設けられたリング状の下部回転体18と、チャックフレーム16の内側にベアリング19を介して回転可能に設けられたリング状の上部回転体20と、上部回転体20に吊下げられたチャック21と、昇降フレーム14に設けられて前記下部回転体18を減速機22を介して回転駆動する油圧モータ23とを備えている。
【0016】
全回転チュービング装置11における油圧モータ23の油圧回路は、油圧モータ23の正転側ポートに接続した正転側配管24と、油圧モータ23の逆転側ポートに接続した逆転側配管25と、油圧モータ23のドレンポートに接続したドレン配管26とを備えるとともに、油圧モータ23と並列に設けられたバイパス配管27と、該バイパス配管27に設けられたバイパス弁28と、前記ドレン配管26からバイパス弁28に向けて分岐したパイロット配管29と、油圧モータ23のドレンポートとパイロット配管29との間でドレンポートの近くの前記ドレン配管26に設けられて油圧モータ23からドレン配管26を通過し、油圧ユニット31に戻る方向の流れのみを許容するチェックバルブ30とを備えている。
【0017】
前記バイパス弁28は、該バイパス弁28を閉弁状態とする方向に付勢する付勢手段28aと、パイロット配管29からの圧力でバイパス弁28を開弁状態とする開弁手段とを備えており、前記パイロット配管29を介して流入するドレンの圧力があらかじめ設定された規定値以下のときには付勢手段28aの付勢力によってバイパス弁28は閉状態に保持され、ドレン配管26のドレンの圧力が前記規定値を超えたときにはパイロット配管29を介して流入するドレンの圧力で開弁手段が作動してバイパス弁28を開弁状態にするように形成されている。
【0018】
前記油圧モータ23は、全回転チュービング装置11とは別に形成された油圧ユニット31から供給される圧油によって駆動される。油圧ユニット31は、エンジン32と、該エンジン32によって駆動される油圧ポンプ33と、該油圧ポンプ33で昇圧された圧油の流路を油圧モータ23の正転側流路34と逆転側流路35とに切り換える方向切換弁36と、該方向切換弁36を操作するための信号線37と、油圧モータ23からのドレンをタンク38に回収するドレン回収配管39と、油圧ポンプ33の吐出圧の過度の上昇を防止するためのリリーフバルブ33aとを備えている。また、方向切換弁36の中立位置Nでは、正転側流路34、逆転側流路35、ポンプ側流路P及びタンク側流路Tが全て連通した状態となっている。
【0019】
全回転チュービング装置11で施工を行う際には、全回転チュービング装置11の油圧回路と油圧ユニット31の油圧回路とは、正転側、逆転側及びドレンの3本の油圧ホース41によりそれぞれ接続される。各油圧ホース41の両端と各油圧回路のホース接続口とにはセルフシールカップリング(クイック継手)42がそれぞれ設けられており、全回転チュービング装置11及び油圧ユニット31を移動させる際の油圧ホース41の着脱を容易に行えるようにしている。
【0020】
全回転チュービング装置11を使用したオールケーシング工法では、下部回転体18、上部回転体20及びチャック21の内側にケーシングチューブ43が挿入された状態で、チャックシリンダ15でチャックフレーム16を下降させて下部回転体18とケーシングチューブ43との間にチャック21を嵌入させることにより、ケーシングチューブ43を下部回転体18、上部回転体20及びチャック21の内側に把持した状態とした後、この状態で、昇降シリンダ13を作動させて昇降フレーム14を下降させるとともに、操作レバーなどを操作して信号線37から方向切換弁36のソレノイドに作動信号を送り、方向切換弁36を正転位置Aに切り換えて油圧ユニット31から油圧モータ23の正転側配管24に圧油を供給して油圧モータ23を正転させ、下部回転体18を介してケーシングチューブ43を回転させながらケーシングチューブ43を地中に圧入していく。
【0021】
施工終了後に方向切換弁36を正転位置Aから中立位置Nに戻すと、正転側流路34、逆転側流路35、ポンプ側流路P及びタンク側流路Tが全て連通した状態になるので、油圧モータ23は自由回転可能な状態となり、ケーシングチューブ43からの反力が無くなった位置で油圧モータ23が停止状態となる。
【0022】
ケーシングチューブ43の施工中は、油圧ユニット31から油圧モータ23へは、正転側流路34から正転側の油圧ホース41aを通って正転側配管24に圧油が供給され、油圧モータ23を正方向に回転駆動した後の戻り油は、逆転側配管25から逆転側の油圧ホース41bを通り、タンク側流路Tを経てタンク38に回収される。また、油圧モータ23からのドレンは、前記ドレン配管26からドレン回収用の油圧ホース41cを通ってドレン回収配管39によりタンク38に回収される。この通常の施工中の状態におけるドレン配管26内の圧力は、タンク38側の終端が大気圧に開放された状態になっているので、大気圧(約100kPa)乃至大気圧より僅かに高い圧力となっている。
【0023】
したがって、パイロット配管29を介してバイパス弁28に作用する圧力も、油圧モータ23の耐圧などの条件に応じてあらかじめ設定された規定値、例えば150kPa以下の圧力になっているので、バイパス弁28は、付勢手段28aに付勢されて閉弁状態となっている。これにより、バイパス配管27が遮断された状態になっているので、バイパス配管27内を、正転側配管24から逆転側配管25へ向かって圧油が流れることはなく、供給された圧油は、すべてが油圧モータ23の正転側ポートに流入して油圧モータ23を駆動するために用いられる。
【0024】
一方、ドレン回収用の油圧ホース41cの接続を忘れたり、接続が不十分だったりした場合には、油圧モータ23からチェックバルブ30を通過してドレン配管26に流入したドレンをタンク38に逃がすことができず、ドレン配管26のドレンの圧力、即ちドレン圧力が上昇し、同時にパイロット配管29の圧力も上昇する。このようにしてパイロット配管29の圧力があらかじめ設定された前記規定値を超えた圧力に上昇すると、通常のリリーフバルブと同様にしてパイロット配管29からの圧力でバイパス弁28が開弁状態となり、バイパス配管27が連通状態となる。バイパス配管27が連通すると、正転側配管24に供給された圧油は、流れ抵抗が小さいバイパス配管27を流れて逆転側配管25に流入し、逆転側の油圧ホース41bを通ってタンク38に戻る。
【0025】
これにより、圧油が油圧モータ23に流入することがなくなり、油圧モータ23の回転が停止し、ドレン圧力が上昇することを防止する。このとき、油圧モータ23の正転側ポートと逆転側ポートとは、バイパス配管27を介して連通した状態になっているので、施工終了後に方向切換弁36を正転位置Aから中立位置Nに戻したときと同様に、油圧モータ23は自由回転可能な状態となり、ケーシングチューブ43からの反力が無くなった位置で油圧モータ23が停止状態となる。したがって、大きな反力を受けた状態で油圧モータ23が停止状態になることがなく、油圧モータ23や減速機22だけでなく、チャック21などの機器を保護することができる。
【0026】
また、油圧モータ23の近くのドレン配管26上に、油圧モータ23側への流れを防止するチェックバルブ30を設けることにより、油圧モータ23が回転停止し、ドレン圧力が低下してもパイロット配管29の圧力が低下することはなく、開弁状態となったバイパス弁28の開弁状態を保持することができるので、油圧モータ23の作動・停止によるドレン圧力の変化、すなわちパイロット配管29の圧力の上下変動によってバイパス弁28が開閉を繰り返すことがなくなり、油圧モータ23にビビリ振動が発生することを防止できる。
【0027】
バイパス弁28が開いて油圧モータ23が停止したときには、方向切換弁36を中立位置Nに戻した後、ドレン回収用の油圧ホース41cの接続状態を確認し、油圧ホース41cを確実に接続することにより、ドレン配管26内の圧力上昇したドレンを油圧ホース41cからタンク38に放出することができ、ドレン配管26内の圧力が低下するのに伴ってパイロット配管29の圧力も低下するので、バイパス弁28が付勢手段28aに付勢されて閉弁状態に復帰し、通常の運転状態となる。
【0028】
図2に示す第2形態例は、前記バイパス弁として電磁弁を用いた例を示している。なお、前記第1形態例に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0029】
本形態例で前記バイパス配管27に設けられたバイパス弁51は、ソレノイド51aが通電状態のときに閉弁状態を保持し、ソレノイド51aへの通電が断たれると付勢手段51bの付勢力によって開弁状態となる、いわゆるシャットオフ電磁弁からなるものであって、ソレノイド51aへの通電制御は、前記パイロット配管29の圧力が前記規定値以下の通常時にはON状態を保持し、パイロット配管29の圧力が既定値を超えたときにOFFとなる常閉接点タイプの圧力スイッチ52によって行われる。また、圧力スイッチ52を介してバイパス弁51のソレノイド51aに供給する作動用電源は、油圧ユニット31のエンジン32に設けられているバッテリ53から配線54を介して供給するようにしている。
【0030】
本形態例では、3本の油圧ホース41と配線54とを確実に接続することにより、圧力スイッチ52がONとなってソレノイド51aが作動し、バイパス弁51が閉弁状態となってバイパス配管27が遮断されることで前記同様のケーシングチューブ43の施工が可能な状態となる。
【0031】
ドレン回収用の油圧ホース41cの接続を忘れたりした場合は、前記同様に、ドレン配管26及びパイロット配管29のドレン圧力が上昇し、パイロット配管29の圧力が前記既定値を超えたときに圧力スイッチ52がOFFとなり、ソレノイド51aが非通電状態になることから付勢手段51bの付勢力によってバイパス弁51が開弁状態となり、バイパス配管27が連通状態になる。これにより、前記同様に、正転側配管24に供給された圧油は、バイパス配管27を通って逆転側配管25から油圧ホース41bを経てタンク38に戻るので、油圧モータ23が停止状態となるとともに、油圧モータ23のドレン圧力が上昇することを防止する。この場合も、ドレン配管26にチェックバルブ30を設けておくことにより、油圧モータ23のドレン圧力の変化でバイパス弁28が開閉を繰り返すことを防止できる。
【0032】
また、配線54の接続を忘れると、ソレノイド51aが非通電状態になることから付勢手段51bの付勢力によってバイパス弁51が開弁状態となり、前記同様に、バイパス配管27が連通状態になって正転側配管24に供給された圧油が油圧モータ23に流入することがなくなり、油圧モータ23が停止するとともにドレン圧力の上昇が防止される。このように配線54が確実に接続されたときに施工可能な状態とすることにより、全回転チュービング装置11に設けた各種センサや各種電装品へも確実に給電した状態で施工することができ、ドレン圧力が上昇したときに通電状態となってバイパス弁51を開く電磁弁に比べて安全性などを向上させることができる。
【0033】
さらに、前記バイパス弁51のソレノイド51aは、通常の施工状態では常時通電状態となっているため、ソレノイド51aを作動させる電源としてエンジン32に設けられて、エンジン32が回転中に充電されるバッテリ53から電源を供給することにより、施工中におけるソレノイド51aへの電源供給を確実に行うことができる。
【0034】
なお、油圧モータを正回転させるときだけでなく、逆回転させる場合も同様であり、複数の油圧モータを駆動する場合も同様である。また、本発明の油圧モータ駆動装置は、全回転チュービング装置に限らず、杭打機のオーガ駆動装置など、ドレン圧力上昇時に油圧モータを停止させる際に、油圧モータを自由回転状態とすることが好ましい各種機器の油圧モータ駆動用として利用することができる。また、バイパス弁51として電磁弁を用いたときの電源は、商用電源などの他の電源を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0035】
11…全回転チュービング装置、12…ベースフレーム、13…昇降シリンダ、14…昇降フレーム、15…チャックシリンダ、16…チャックフレーム、17…ベアリング、18…下部回転体、19…ベアリング、20…上部回転体、21…チャック、22…減速機、23…油圧モータ、24…正転側配管、25…逆転側配管、26…ドレン配管、27…バイパス配管、28…バイパス弁、28a…付勢手段、29…パイロット配管、30…チェックバルブ、31…油圧ユニット、32…エンジン、33…油圧ポンプ、33a…リリーフバルブ、34…正転側流路、35…逆転側流路、36…方向切換弁、37…信号線、38…タンク、39…ドレン回収配管、41…油圧ホース、42…セルフシールカップリング、43…ケーシングチューブ、51…バイパス弁、51a…ソレノイド、51b…付勢手段、52…圧力スイッチ、53…バッテリ、54…配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンにより駆動される油圧ポンプから供給される圧油によって油圧モータを駆動する油圧回路を備えた油圧モータ駆動装置において、前記油圧モータと並列にバイパス配管を設け、該バイパス配管に、前記油圧モータのドレン圧力があらかじめ設定された規定値以下のときには閉弁状態となり、前記ドレン圧力が前記規定値を超えたときに開弁状態となるバイパス弁を設けたことを特徴とする油圧モータ駆動装置。
【請求項2】
前記油圧モータが全回転チュービング装置に設けられた油圧モータであり、前記油圧ポンプがエンジンにより油圧ポンプを駆動する油圧ユニットに設けられた油圧ポンプであり、全回転チュービング装置の油圧配管と油圧ユニットの油圧配管とは、セルフシールカップリングを備えた油圧ホースにて着脱可能に接続されることを特徴とする請求項1記載の油圧モータ駆動装置。
【請求項3】
前記バイパス弁は、該バイパス弁が前記閉弁状態となる方向に付勢する付勢手段と、前記油圧モータのドレン配管から分岐したパイロット配管を介して流入する前記規定値を超えたドレンの圧力により前記バイパス弁を開弁状態とする開弁手段とを備え、前記油圧モータと前記パイロット配管との間の前記ドレン配管の前記油圧モータの近くには、該油圧モータから排出され、前記ドレン配管を通過して前記油圧ユニットに戻る方向の流れのみを許容するチェック弁が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の油圧モータ駆動装置。
【請求項4】
前記バイパス弁は、通電状態で閉弁状態を保持し、非通電状態で付勢手段の付勢力によって開弁状態となる電磁弁からなり、該電磁弁は、前記油圧モータのドレン配管から分岐したパイロット配管を介して流入する前記規定値を超えたドレンの圧力により前記電磁弁を非通電状態とする圧力スイッチを備え、前記油圧モータと前記パイロット配管との間の前記ドレン配管の前記油圧モータの近くには、該油圧モータから排出され、前記ドレン配管を通過して前記油圧ユニットに戻る方向の流れのみを許容するチェック弁が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の油圧モータ駆動装置。
【請求項5】
前記電磁弁の電源は、前記エンジンに設けられているバッテリから供給されることを特徴とする請求項4記載の油圧モータ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−179603(P2011−179603A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44974(P2010−44974)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】