説明

油圧緩衝器

【課題】コストを低減可能な油圧緩衝器の提供。
【解決手段】シリンダ1の一端に配置される一側端部部材15と、シリンダ1の他端に配置される他側端部部材55とを有し、一側端部部材15および他側端部部材55のうちの少なくともいずれか一方が、間にガス室26,66を設ける隔壁部材22,62をシリンダ1とで挟持し、隔壁部材22,62に、シリンダ1内の室6,7に連通する連通穴25,65を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧緩衝器に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧緩衝器には、振動状態に応じて減衰力特性が可変となる油圧緩衝器がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−19642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、油圧緩衝器においては、コストを低減することが求められている。
【0005】
したがって、本発明は、コストを低減することが可能な油圧緩衝器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダの一端に配置される一側端部部材と、前記シリンダの他端に配置される他側端部部材とのうちの少なくともいずれか一方が、間にガス室を設ける隔壁部材を前記シリンダとで挟持し、前記隔壁部材に、前記シリンダ内の室に連通する連通穴を形成した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る第1実施形態の油圧緩衝器を示す断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の油圧緩衝器を示す上部の断面図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態の油圧緩衝器を示す下部の断面図である。
【図4】本発明に係る第1実施形態の油圧緩衝器のピストン変位に対する減衰力の特性線図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態の油圧緩衝器を示す上部の断面図である。
【図6】本発明に係る第3実施形態の油圧緩衝器を示す上部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「第1実施形態」
本発明に係る第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
第1実施形態の油圧緩衝器は、図1に示すように、いわゆる複筒式の油圧緩衝器で、円筒状のシリンダ1と、このシリンダ1よりも大径でシリンダ1を覆うように同心状に設けられる外筒2とを有し、これらシリンダ1と外筒2との間にリザーバ室3が形成されている。
【0010】
シリンダ1内には、ピストン5が摺動自在に嵌装されている。このピストン5は、シリンダ1内を上室6および下室7の2室に画成している。シリンダ1内の上室6および下室7内には油液が封入され、シリンダ1と外筒2との間のリザーバ室3内には、油液と高圧(20〜30気圧程度)のガスとが封入される。
【0011】
ピストン5は、ピストンロッド10の一端側にナット9で連結されており、ピストンロッド10の他端側はシリンダ1の外部へ延出されている。ピストンロッド10は、シリンダ1および外筒2の双方の一端開口部に配置されたロッドガイド11およびオイルシール12に挿通されてシリンダ1の外部へ延出されている。
【0012】
図2に示すように、ロッドガイド11は、円環状のロッドガイド部材(一側端部部材)15と、ロッドガイド部材15の内周部に固定されてピストンロッド10を案内する円筒状の摺動部材16とからなっている。ロッドガイド部材15の外周部には、軸方向一側から順に大径部17、中間径部18および小径部19が形成されており、大径部17には軸方向に貫通する貫通孔20が形成されている。
【0013】
ロッドガイド部材15の上室6側には、ロッド側隔壁部材22が配置されている。ロッド側隔壁部材22は、円筒状部23と、円筒状部23の軸方向の一側から径方向内側に延出する円板状部24とからなっており、円板状部24には軸方向に貫通する連通穴25が形成されている。
【0014】
ロッドガイド部材15は、その中間径部18において、ロッド側隔壁部材22の円筒状部23を介してシリンダ1の上端の内周部に嵌合し、大径部17において外筒2の上端の内周部に嵌合している。外筒2の上端部は、内側に加締められており、オイルシール12、ロッドガイド部材15およびロッド側隔壁部材22をシリンダ1とで挟持する。この状態で、ロッドガイド部材15は大径部17においてロッド側隔壁部材22の円筒状部23の端部をシリンダ1とで挟持することになる。
【0015】
ロッド側隔壁部材22とロッドガイド部材15との間に設けられた部分は、空気あるいは他のガスを保持するガス室26となっており、ロッド側隔壁部材22に形成された連通穴25は、このガス室26とシリンダ1内の上室6とに連通する。よって、連通穴25はガス室26と上室6とを連通させる。ロッドガイド部材15は、これとの間にガス室26を設けるロッド側隔壁部材22をシリンダ1とで挟持している。
【0016】
ロッドガイド11とオイルシール12との間には、ロッドガイド11の摺動部材16とピストンロッド10との隙間から上室6の油液が微量ながら漏れ出ることになり、この油液はロッドガイド11の貫通孔20を介してリザーバ室3に戻される。
【0017】
図1に示すように、ピストンロッド10は、シリンダ1内への挿入先端側に、ピストン5を取り付けるための取付軸部30が形成されており、他の部分が取付軸部30よりも大径の主軸部31となっている。取付軸部30の主軸部31側には、径方向外側に広がるリテーナ32が取り付けられており、リテーナ32には、ピストンロッド10の伸び切り時にロッドガイド11に当接する緩衝体33が装着されている。
【0018】
ピストン5には、上室6と下室7とを連通させ、ピストン5の上室6側への移動、つまり伸び行程において上室6から下室7に向けて油液が流れ出す複数(図1では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路40aと、ピストン5の下室7側への移動、つまり縮み行程において下室7から上室6に向けて油液が流れ出す複数(図1では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路40bとが設けられている。
【0019】
ピストン5には、通路40aを開閉する減衰バルブ41aが、軸方向の下室7側に配置されている。通路40aは、伸び行程において油液が通過する伸び側の通路を構成しており、これらに対して設けられた減衰バルブ41aは、伸び側の通路40aの油液の流動を規制して減衰力を発生させる伸び側の減衰バルブとなっている。減衰バルブ41aは、ピストンロッド10が伸び側に移動しピストン5が上室6側に移動して上室6の圧力が上昇すると、ピストン5から離座して流路40aを開く。
【0020】
また、ピストン5には、通路40bを開閉する減衰バルブ41bが、軸方向の上室6側に配置されている。通路40bは、縮み行程において油液が通過する縮み側の通路を構成しており、これらに対して設けられた減衰バルブ41bは、縮み側の通路40bの油液の流動を規制して減衰力を発生させる縮み側の減衰バルブとなっている。減衰バルブ41bは、ピストンロッド10が縮み側に移動しピストン5が下室7側に移動して下室7の圧力が上昇すると、ピストン5から離座して流路40bを開く。
【0021】
図3に示すように、外筒2は、円筒状部材47と、円筒状部材47の下端に嵌合してその下端の開口部を閉塞する底蓋部材48とからなっている。底蓋部材48は円筒部材47に溶接により密閉状態となるように固定されている。底蓋部材48の外側には、取付アイ49が溶接により固定されている。
【0022】
シリンダ1の下端部には、シリンダ1内の下室7と、上記したリザーバ室3とを画成するボトムバルブ53が設けられている。ボトムバルブ53には、伸び行程においてリザーバ室3から下室7内に実質的に減衰力を発生させずに油液を流すサクションバルブ51aと、縮み行程において下室7からリザーバ室3側に、減衰力を発生させながら油液を流す減衰バルブ51bとを有している。
【0023】
ボトムバルブ53は、シリンダ1の他端に配置されてシリンダ1内を下室7およびリザーバ室3の2室に仕切る略円板状のボトムバルブ部材(他側端部部材)55を有している。ボトムバルブ部材55の外周部には軸方向一側から順に大径部57、中間径部58および小径部59が形成されている。
【0024】
ボトムバルブ部材55の軸方向の下室7側には、ボトム側隔壁部材(隔壁部材)62が配置されている。ボトム側隔壁部材62は、円筒状部63と、円筒状部63の軸方向の一側から径方向内側に延出する円板状部64とからなっており、円筒状部63には径方向に貫通する連通穴65が形成されている。
【0025】
ボトムバルブ部材55は、中間径部58において、ボトム側隔壁部材62の円筒状部63を介してシリンダ1の下端の内周部に嵌合している。シリンダ1は、ボトム側隔壁部材62およびボトムバルブ部材55を、底蓋部材48とで挟持する。この状態で、ボトムバルブ部材55は大径部57においてボトム側隔壁部材62の円筒状部63の端部をシリンダ1とで挟持することになる。
【0026】
ボトム側隔壁部材62とボトムバルブ部材55との間に設けられた部分は、空気あるいは他のガスを保持するガス室66となっており、ボトム側隔壁部材62に形成された連通穴65は、このガス室66とシリンダ1内の下室7とに連通する。よって、連通穴65はガス室66と下室7とを連通させる。ボトムバルブ部材55は、これとの間にガス室66を設けるボトム側隔壁部材62をシリンダ1とで挟持している。
【0027】
ボトムバルブ部材55には、径方向の外側において軸方向に貫通する流路67aが周方向に間隔をあけて複数カ所形成されている。また、径方向の内側において軸方向に貫通する流路67bが、周方向に間隔をあけて複数カ所形成されている。これら流路67a,57bによって下室7とリザーバ室3との間で油液が流通可能となっている。
【0028】
ボトムバルブ53には、ボトムバルブ部材55の軸方向の下室7側に、外側の流路67aを開閉可能となるように上記したサクションバルブ51aが設けられており、ボトムバルブ部材76の軸方向の下室7とは反対側に、内側の流路67bを開閉可能となるように上記した減衰バルブ51bが設けられている。
【0029】
下室7側のサクションバルブ51aは、ピストンロッド10が伸び側に移動しピストン5が上室6側に移動して下室7の圧力が下降するとボトムバルブ部材55から離座して流路67aを開く。つまり、流路67aには、伸び行程において油液がリザーバ室3から下室7に向け流通することになる。なお、サクションバルブ51aは、ピストン5に設けられた伸び側の減衰バルブ41aとの関係から、主としてピストンロッド10のシリンダ1からの突出に伴う油液の不足分を補うようにリザーバ室3から下室7に油液を実質的に抵抗なく(減衰力が出ない程度に)流す機能を果たす。
【0030】
下室7とは反対側の減衰バルブ51bは、ピストンロッド10が縮み側に移動しピストン5が下室7側に移動して下室7の圧力が上昇すると、ボトムバルブ部材55から離座して内側の流路67bを開く。つまり、流路67bには、縮み行程において油液が下室7からリザーバ室3に向け流通することになり、減衰バルブ51bは、この流路67bを開閉し減衰力を発生する縮み側の減衰バルブとなっている。なお、減衰バルブ51bは、ピストン5に設けられた縮み側の減衰バルブ41bとの関係から、主としてピストンロッド10のシリンダ1への進入により生じる液の余剰分を排出するように下室7からリザーバ室3に液を流す機能を果たす。
【0031】
上述の油圧緩衝器は、例えば、ピストンロッド10にて車体側に連結され、取付アイ49にて車輪側に連結される。そして、車輪が走行に伴って振動すると該振動に伴ってシリンダ1とピストンロッド10との位置が相対的に変化し、この変化がピストン5に形成された通路40a,40bの減衰バルブ41a,41bによる流体抵抗により抑制される。
【0032】
図2に示すように、ロッド側隔壁部材22で上室6と仕切られたガス室26には、ピストン5が上室6を狭める伸び行程において、上室6の圧力が上昇することによって上室6の油液が連通穴25からガスを圧縮しつつ導入されることになり、伸び行程から縮み行程への行程反転時には油液が上室6に排出される。伸び行程において、ロッド側隔壁部材22、連通穴25およびガス室26は、ピストン5の周波数(振動状態)に応じて減衰力を可変とする。つまり、ロッド側隔壁部材22、連通穴25およびガス室26は、周波数(振動状態)により外部から制御されることなく減衰力を可変とする周波数感応部71を構成している。
【0033】
図3に示すように、ボトム側隔壁部材62で下室7と仕切られたガス室66には、ピストン5が下室7を狭める縮み行程において、下室7の圧力が上昇することによって下室7の油液が連通穴65からガスを圧縮しつつ導入されることになり、縮み行程から伸び行程への行程反転時には油液が下室7に排出される。縮み行程において、ボトム側隔壁部材62、連通穴65およびガス室66は、ピストン5の周波数(振動状態)に応じて減衰力を可変とする。つまり、ボトム側隔壁部材62、連通穴65およびガス室66は、周波数(振動状態)により外部から制御されることなく減衰力を可変とする周波数感応部72を構成している。
【0034】
ピストン5の速度が一定速度で周波数が高いとき、その伸び行程では、図2に示す上室6の圧力が高くなって、ピストン5の移動とともに周波数感応部71のオリフィスとしての連通穴25を介してガス室26に上室6から油液が導入される。このようにガス室26に上室6から油液を導入することによって、上室6から図1に示す通路40aに導入され減衰バルブ41aを通過して下室7に流れる油液の流量が減ることになる。これにより、減衰力が下がる。
【0035】
また、ピストン5の速度が上記と同じ一定速度で周波数が高いとき、縮み行程では、図3に示す下室7の圧力が高くなって、ピストン5の移動とともに周波数感応部72のオリフィスとしての連通穴65を介してガス室66に下室7から油液が導入される。このようにガス室66に下室7から油液を導入することによって、下室7から図1に示す通路40bに導入され減衰バルブ41bを通過して上室6に流れる油液の流量が減ることになる。これにより、減衰力が下がる。
【0036】
他方で、ピストン5の速度が上記と同じ一定速度で周波数が低いとき、ピストン5の周波数が低いと、伸び行程の初期に、図2に示す上室6からガス室26に連通穴25を介して一旦油液が流れるものの、すぐにガス室26を満たすことになり、その後は上室6からガス室26に油液が流れなくなるため、上室6から図1に示す通路40aに導入され減衰バルブ41aを通過して下室7に流れる油液の流量が減らない状態となり、減衰力が高くなる。
【0037】
ピストン5の速度が上記と同じ一定速度で周波数が低いとき、縮み行程でも、その初期に、図3に示す下室7からガス室66に連通穴65を介して一旦油液が流れるものの、すぐにガス室66を満たすことになり、その後は下室7からガス室66に油液が流れなくなるため、下室7から図1に示す通路40bに導入され減衰バルブ41bを通過して上室6に流れる油液の流量が減らない状態となり、減衰力が高くなる。
【0038】
以上の油圧緩衝器のピストン5の周波数毎の変位と減衰力との関係は、図4に示すようになっている。図4においては、特性線A、特性線B、特性線C、特性線Dの順に周波数が低くなっている。この図からも明らかなように、ピストン5の速度が一定速度であるとき、周波数が高いほど減衰力が低くソフトになり、周波数が低いほど減衰力が高くハードになる。
【0039】
以上に述べた第1実施形態によれば、オリフィスとしての連通穴25を有するロッド側隔壁部材22を、ロッドガイド部材15との間にガス室26を設けるように配置して、周波数感応部71を構成し、オリフィスとしての連通穴65を有するボトム側隔壁部材62を、ボトムバルブ部材55との間にガス室66を設けるように配置して、周波数感応部72を構成したため、振動状態に応じて減衰力特性を可変とする上で、コストおよび部品点数を低減することができ、軸方向長さの拡大を抑制できる。
【0040】
なお、周波数感応部71および周波数感応部72は、いずれか一方のみを設けても良い。つまり、ロッドガイド部材15およびボトムバルブ部材55のうちの少なくともいずれか一方が、間にガス室を設ける隔壁部材をシリンダ1とで挟持する構成であれば良い。
【0041】
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
【0042】
第2実施形態においては、図5に示すように、第1実施形態に対し部分的変更を行った周波数感応部71が用いられている。
【0043】
第2実施形態の周波数感応部71は、ガス室26を形成する弾性膜80が設けられている。弾性膜80はシール性を有するもので、筒状をなしている。弾性膜80は、ロッド側隔壁部材22の円筒状部23と、ロッドガイド部材15の中間径部18の小径部19側の端面との間に一端縁部が挟持され、ロッド側隔壁部材22の円板状部24と、ロッドガイド部材15の小径部19の中間径部18とは反対側の端面との間に他端縁部が挟持されている。これにより、弾性膜80はロッドガイド部材15との間にガス室26を形成する一方、ロッド側隔壁部材22との間に連通穴25に連通する液室81を形成する。伸び行程にて上室6から連通穴25を介して液室81に油液が導入されると、弾性膜80が変形してガス室26を縮小しつつ液室81を拡大して油液の導入を許容する。
【0044】
以上に述べた第2実施形態によれば、ガス室26を弾性膜80で画成するため、ガス室26のガスが上室6に漏れ出ることがなくなる。また、弾性膜80とロッドガイド部材15との間のガス室26に低圧ガスを封入することにより、ガス室26の体積を減らすことができ、さらなる小型化が図れる。
【0045】
なお、弾性膜を、ボトム側隔壁部材62とボトムバルブ部材55との間に設けて、これらの間に、ボトムバルブ部材55側のガス室66と、連通穴65に連通するボトム側隔壁部材62側の液室とを画成するようにしても良い。
【0046】
「第3実施形態」
次に、第3実施形態を主に図6に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
【0047】
第3実施形態においては、図6に示すように、第1実施形態に対し部分的変更を行った周波数感応部71が用いられている。
【0048】
第3実施形態の周波数感応部71は、ガス室26を形成する弾性管体90が、ロッド側隔壁部材22とロッドガイド部材15との間に設けられている。弾性管体90はシール性を有するもので、無端筒状をなしており、その内部が、ガスが封入されたガス室26となっている。弾性管体90は、ロッド側隔壁部材22およびロッドガイド部材15との間に連通穴25に連通する液室81を形成する。伸び行程にて上室6から連通穴25を介して液室81に油液が導入されると、弾性管体90が変形してガス室26を縮小しつつ液室81を拡大して油液の導入を許容する。
【0049】
以上に述べた第3実施形態によれば、ガス室26を弾性管体90内に密封して形成するため、ガス室26のガスが漏れ出ることがなくなる。よって、取り扱いが容易となる。また、弾性管体90内のガス室26に低圧ガスを封入することにより、ガス室26の体積を減らすことができ、さらなる小型化が図れる。
【0050】
なお、弾性管体を、ボトム側隔壁部材62とボトムバルブ部材55との間に設けて、この弾性管体内にガス室66を形成し、弾性管体外に連通穴65に連通する液室を形成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0051】
1 シリンダ
3 リザーバ室
5 ピストン
6 上室
7 下室
10 ピストンロッド
15 ロッドガイド部材(一側端部部材)
22 ロッド側隔壁部材(隔壁部材)
25,65 連通穴
26,66 ガス室
55 ボトムバルブ部材(他側端部部材)
62 ボトム側隔壁部材(隔壁部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油液が封入されるシリンダと、
該シリンダ内に摺動自在に設けられ前記シリンダ内を2室に画成するピストンと、
一端側が該ピストンに連結され他端側が前記シリンダの外部へ延出されるピストンロッドと、
前記シリンダの一端に配置される一側端部部材と、
前記シリンダの他端に配置される他側端部部材とからなる油圧緩衝器において、
前記一側端部部材および前記他側端部部材のうちの少なくともいずれか一方が、間にガス室を設ける隔壁部材を前記シリンダとで挟持し、
前記隔壁部材に、前記シリンダ内の室に連通する連通穴が形成されていることを特徴とする油圧緩衝器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−64479(P2013−64479A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204598(P2011−204598)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】