説明

油清浄装置及び油清浄方法

【課題】精密フィルタの長寿命化を図ることができる油清浄装置及び油清浄方法を提供する。
【解決手段】油清浄装置は、遠心分離機と、精密フィルタと、清浄化すべき油を貯留する主タンクと、遠心分離機、精密フィルタ及び主タンク間を少なくとも結ぶ配管と、配管に設けられた供給ポンプと、配管に設けられた開閉弁と、供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御する制御部とを備えており、制御部は、主タンク内の油を遠心分離機のみによって清浄して主タンクに戻す第1の清浄化段階を行うべく供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御し、第1の清浄化段階の後に、主タンク内の油を精密フィルタのみによって清浄して主タンクに戻す第2の清浄化段階を行うべく供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御し、第2の清浄化段階の後に、主タンク内の油を遠心分離機によって清浄した後、連続して精密フィルタによって清浄して主タンクに戻す第3の清浄化段階を行うべく供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、船舶用の主機関、発電機関、増速機、減速機及び油圧機器、自動車用機関、並びに建設機械等のシステム油や作動油である潤滑油を清浄化するための油清浄装置及び油清浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機関や機器等で使用した潤滑油に混入した不純物を取り除くための油清浄装置として、遠心分離機で処理した潤滑油を清浄油タンクから吐出ポンプで吐出し、耐圧性を備えた精密フィルタを通過させてさらに処理するとともに、精密フィルタの手前と清浄油タンクとを結ぶ配管に戻し弁を設けて、これを清浄油タンク内の液面の高さに応じて制御するようにした技術は公知である(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に記載された技術によれば、(1)潤滑油の温度が低く粘度が高い状態でも、耐圧の高い精密フィルタを採用しているので潤滑油を高い圧力のまま精密フィルタに供給できるから、従来はこの問題を回避するために必須であった潤滑油を加熱するためのヒータが不要になる、(2)耐圧の高い精密フィルタを採用しているので、フィルタの背圧による不都合が低減され、フィルタ通過後の潤滑油を直接機関等に返油することができる、(3)吐出ポンプ出口側から清浄油タンクに戻る配管を設けて液面制御部でタンク内の液面を一定に保持することができるので、吐出ポンプへの空気の吸入をなくし、精密フィルタに空気が溜まるのを防止できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−185090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の油清浄装置は、潤滑油中に含まれる不純物のうち、遠心分離機で除去できなかった不溶解分がそのまま精密フィルタに送り込まれるため、この精密フィルタの目詰まりが短期間で発生し、その寿命が短くなるという問題点を有していた。
【0006】
また、上述した従来の油清浄装置は、潤滑油中に含まれる不純物の状態に応じた自動的な清浄化制御ができないため、潤滑油の汚損状態に応じた最適の清浄化処理を行うことができなかった。
【0007】
従って本発明の目的は、精密フィルタの長寿命化を図ることができる油清浄装置及び油清浄方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、処理する油量及び油中の不純物の大きさに応じた最適な効率の良い制御を行うことができる油清浄装置及び油清浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、遠心分離機と、精密フィルタと、清浄化すべき油を貯留する主タンクと、遠心分離機、精密フィルタ及び主タンク間を少なくとも結ぶ配管と、配管に設けられた供給ポンプと、配管に設けられた開閉弁と、供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御する制御部とを備えており、制御部は、主タンク内の油を遠心分離機のみによって清浄して主タンクに戻す第1の清浄化段階を行うべく供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御し、第1の清浄化段階の後に、主タンク内の油を精密フィルタのみによって清浄して主タンクに戻す第2の清浄化段階を行うべく供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御し、第2の清浄化段階の後に、主タンク内の油を遠心分離機によって清浄した後、連続して精密フィルタによって清浄して主タンクに戻す第3の清浄化段階を行うべく供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御するように構成されている油清浄装置が提供される。
【0010】
第1の清浄化段階では遠心分離機のみによって清浄を行い、第2の清浄化段階では精密フィルタのみによって清浄を行い、第3の清浄化段階では遠心分離機によって清浄した後、連続して精密フィルタによって清浄を行う。このように3段階の清浄化処理を行うことにより、遠心分離機による清浄化処理の後に連続して精密フィルタによる清浄化処理を行う場合、遠心分離機で除去できなかった不溶解分がそのまま精密フィルタに送り込まれて精密フィルタの目詰まりが直ちに発生しその寿命が短くなるような不都合は生じず、精密フィルタの長寿命化を図ることができる。また、処理する油量及び油中の不純物の大きさに応じて、第1の清浄化段階及び第3の清浄化段階における遠心分離機による処理時間を制御すれば、最適な、効率の良い清浄化処理を行うことができる。
【0011】
配管に設けられ、油を加熱する加熱手段をさらに備えており、制御部は、第1の清浄化段階の前に、主タンク内の油を加熱手段によって予備加熱して主タンクに戻す予備加熱段階を行うべく供給ポンプ、加熱手段及び開閉弁の作動を制御するように構成されていることが好ましい。
【0012】
配管に設けられ、油を加熱する加熱手段をさらに備えており、制御部は、第1の清浄化段階において最初に主タンク内の油を加熱手段によって加熱するべく加熱手段の作動を制御し、第2の清浄化段階において最初に主タンク内の油を加熱手段によって加熱するべく加熱手段の作動を制御し、第3の清浄化段階において最初に主タンク内の油を加熱手段によって加熱するべく加熱手段の作動を制御するように構成されていることも好ましい。
【0013】
配管に設けられ、油内の不溶解分の粒子径を測定する粒子径測定手段をさらに備えており、制御部は、第1の清浄化段階において、粒子径測定手段によって測定された、遠心分離機により清浄された油内の不溶解分の粒子径が所定径以下となった際に、精密フィルタのみによって清浄するべく開閉弁の作動を制御するように構成されていることも好ましい。
【0014】
配管に設けられ、油内の不溶解分の粒子径を測定する粒子径測定手段をさらに備えており、制御部は、第3の清浄化段階において、まず、主タンク内の油を遠心分離機によって清浄されて主タンクに戻す第3の清浄化段階の前段階を行い、次いで、主タンク内の油を遠心分離機によって清浄し連続して精密フィルタによって清浄して主タンクに戻す第3の清浄化段階の後段階を行うべく供給ポンプ及び開閉弁の作動を制御するように構成されており、粒子径測定手段によって測定された、遠心分離機により清浄された油内の不溶解分の粒子径が所定径以下となった際に、前段階から後段階に切り替えるべく開閉弁の作動を制御するように構成されていることも好ましい。
【0015】
本発明によれば、さらに、清浄化すべき油を遠心分離機のみによって清浄する第1の清浄化段階と、第1の清浄化段階の後に、油を精密フィルタのみによって清浄する第2の清浄化段階と、第2の清浄化段階の後に、油を遠心分離機によって清浄した後連続して精密フィルタによって清浄する第3の清浄化段階とを備えた油清浄方法が提供される。
【0016】
3段階の清浄化処理を行うことにより、遠心分離機による清浄化処理の後に連続して精密フィルタによる清浄化処理を行う場合、遠心分離機で除去できなかった不溶解分がそのまま精密フィルタに送り込まれて精密フィルタの目詰まりが直ちに発生しその寿命が短くなるような不都合は生じず、精密フィルタの長寿命化を図ることができる。また、処理する油量及び油中の不純物の大きさに応じて、第1の清浄化段階及び第3の清浄化段階における遠心分離機による処理時間を制御すれば、最適な、効率の良い清浄化処理を行うことができる。
【0017】
第1の清浄化段階の前に、油を予備加熱することが好ましい。
【0018】
第1の清浄化段階において最初に油を加熱し、第2の清浄化段階において最初に油を加熱し、第3の清浄化段階において最初に油を加熱することも好ましい。
【0019】
第1の清浄化段階において、遠心分離機により清浄された油内の不溶解分の粒子径が所定径以下となった際に、精密フィルタのみによって清浄することも好ましい。
【0020】
第3の清浄化段階において、まず、清浄化すべき油を遠心分離機のみによって清浄する前段階を行い、遠心分離機により清浄された油内の不溶解分の粒子径が所定径以下となった際に、油を遠心分離機によって清浄した後連続して精密フィルタによって清浄する後段階に切り替えることも好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、遠心分離機で除去できなかった不溶解分がそのまま精密フィルタに送り込まれて精密フィルタの目詰まりが直ちに発生しその寿命が短くなるような不都合は生じず、精密フィルタの長寿命化を図ることができる。また、処理する油量及び油中の不純物の大きさに応じて、遠心分離機による処理時間を制御すれば、最適な、効率の良い清浄化処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の油清浄装置の一実施形態における全体の構成を概略的に示す構成図である。
【図2】図1の油清浄装置における制御部の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1の油清浄装置における予備加熱段階の制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図4】図1の油清浄装置における第1の清浄化段階の制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図5】図1の油清浄装置における第2の清浄化段階の制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図6】図1の油清浄装置における第3の清浄化段階の制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図7】本発明の油清浄装置の他の実施形態における全体の構成を概略的に示す構成図である。
【図8】図7の油清浄装置における予備加熱段階の制御処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は本発明の油清浄装置の一実施形態における全体の構成を概略的に示している。本実施形態は、船舶用機器の潤滑油を清浄化するための油清浄装置に関するものである。
【0024】
同図において、10は潤滑油が貯留される潤滑油主タンク(本発明の主タンクに対応する)、12は潤滑油主タンク10から熱交換器14までの配管11aの途中に設けられた逆止弁、13は同じく配管11aの途中に設けられた潤滑油供給ポンプ(本発明の供給ポンプに対応する)、14は潤滑油加熱用の熱交換器(本発明の加熱手段の一部に対応する)、15は熱交換器14に循環される熱媒油を電気的に加熱する電気ヒータ(本発明の加熱手段の一部に対応する)、16は熱媒油を循環させるための熱媒油循環ポンプ(本発明の加熱手段の一部に対応する)、17は自己回転型の遠心分離機、18は熱交換器14から遠心分離機17までの配管11bの途中に設けられた温度センサ、19は配管11bの途中に設けられた電磁開閉弁(定閉弁)(本発明の開閉弁に対応する)、20は熱交換器14から潤滑油主タンク10までの配管11cの途中に設けられた電磁開閉弁(定閉弁)(本発明の開閉弁に対応する)、21は配管11cの途中に設けられており、潤滑油内の不溶解分の粒子径を測定するパーティクルチェッカ(本発明の粒子径測定手段に対応する)、22は配管11cの途中に設けられた圧力計、23は遠心分離機17に一端が接続された配管11dの他端に接続された清浄油中間タンク、24は清浄油中間タンク23内の清浄油のレベルセンサ、25は清浄油中間タンク23から配管11cまでの配管11eの途中に設けられた清浄油供給ポンプ(本発明の供給ポンプに対応する)、26は配管11eの途中に設けられた電磁開閉弁(定閉弁)(本発明の開閉弁に対応する)、27はオリフィス、28は清浄油中間タンク23に連通するオリフィス27と配管11eとの間に設けられた電磁開閉弁(定閉弁)(本発明の開閉弁に対応する)、29は精密フィルタ、30は配管11cから精密フィルタ29までの配管11fの途中に設けられた電磁開閉弁(定閉弁)(本発明の開閉弁に対応する)、31は配管11eと配管11fとを連結する配管11gの途中に設けられた電磁開閉弁(定閉弁)(本発明の開閉弁に対応する)、32は精密フィルタ29から配管11cまでの配管11hの途中に設けられた流量計、33は配管11hの途中に設けられた電磁開閉弁(定閉弁)(本発明の開閉弁に対応する)、34は配管11cの電磁開閉弁20と並列に設けられた圧力調整弁、35は配管11cと配管11fとの間に設けられた圧力調整弁、36は制御部、37は油溜まり、38は油溜まり37のフロートスイッチをそれぞれ示している。
【0025】
遠心分離機17は、加圧された潤滑油を噴出ノズルから噴出させることにより、潤滑油の有する圧力エネルギを運動エネルギに変換し、発生するジェット推進力によって高速回転して強い遠心力を生み出す自己回転型の遠心分離機である。本実施形態で用いている遠心分離機17は、約10μm以上の粒径を有する不純物、不溶解分を除去することが可能である。また、この遠心分離機17によって除去した塵や不純物はこの遠心分離機17の内部に蓄積されるため、作動停止後、短時間(例えば約3分程度)で解放、除去及び復旧が可能である。
【0026】
精密フィルタ29は、本実施形態では、ポリプロピレン製のケース内に納められた特殊な4層構造の吸着体を有する精密フィルタエレメントを2つ設けて構成されている。加圧された潤滑油はエレメントケース上部よりエレメント内に入り、不溶解分が吸着捕捉濾過された後、エレメントの中心を貫通するパイプから排出されるように構成されている。本実施形態の精密フィルタ29は、使用目的に応じて選択される約3〜30μmのフィルタエレメントを採用しているため、その濾過精度に応じた径以上の粒径を有する不溶解分や場合によっては水分をも除去可能である。
【0027】
制御部36は、潤滑油供給ポンプ13、清浄油供給ポンプ25及び熱媒油循環ポンプ16の作動を制御すると共に、電気ヒータ15の作動を制御し、温度センサ18、パーティクルチェッカ21及びレベルセンサ24からの検出信号を受け取るように構成されており、さらに、電磁開閉弁19、20、26、28、30、31及び33の開閉作動を制御するように構成されている。この制御部36は、ディスクリート素子のハードウェアによるシーケンス回路か、デジタルコンピュータを用いたソフトウェアによるデジタル電子回路で構成可能である。
【0028】
図2は本実施形態の油正常装置における制御部36の電気的構成を概略的に示している。
【0029】
同図に示すように、本実施形態における制御部36は、例えばMPU、ROM、RAM、HDD及び入出力ポート等を有するデジタルコンピュータ36a、A/D変換器36b、操作盤36c並びに駆動回路36d等を備えたデジタル電子回路で構成されている。
【0030】
温度センサ18及びパーティクルチェッカ21の出力信号がA/D変換器36bに入力するように構成されており、レベルセンサ24の出力信号がデジタルコンピュータ36aの入出力ポートに直接印加されるように構成されている。
【0031】
駆動回路36cの出力信号が潤滑油供給ポンプ13、清浄油供給ポンプ25、熱媒油循環ポンプ16及び電気ヒータ15に印加されてこれらのオンオフ作動を制御するように構成されており、同じく駆動回路36cの出力信号が電磁開閉弁19、20、26、28、30、31及び33に印加されてこれらの開閉作動を制御するように構成されている。
【0032】
以下、このデジタルコンピュータ36aによりソフトウェア制御される本実施形態における油清浄装置の処理動作を説明する。図3は予備加熱段階の制御処理の流れを示しており、図4は第1の清浄化段階の制御処理の流れを示しており、図5は第2の清浄化段階の制御処理の流れを示しており、図6は第3の清浄化段階の制御処理の流れを示している。
【0033】
オペレータが操作盤36cを操作することにより、まず、図3に示す予備加熱段階の制御処理が実行される。この潤滑油の予備加熱段階では、最初に、電磁開閉弁20に駆動信号を送ってこの電磁開閉弁20を開成する(ステップS1)。なお、全ての電磁開閉弁は定閉構成であり、駆動信号が印加された場合にのみ開き、印加されていない場合は閉成している。従って、このステップS1の段階では、電磁開閉弁20のみが開いている。
【0034】
次いで、潤滑油供給ポンプ13を起動して運転を開始する(ステップS2)。これにより、潤滑油主タンク10内の潤滑油は、配管11aを通って熱交換器14へ送油され、さらに、配管11b及び11c並びに電磁開閉弁20を通って潤滑油主タンク10へ戻る。
【0035】
さらに、熱媒体循環ポンプ16を起動して運転を開始し(ステップS3)、電気ヒータ15を駆動して循環される熱媒油を電気的に加熱することにより、熱交換器14の運転を開始する(ステップS4)。これにより、送油される潤滑油が加熱されることとなる。
【0036】
次いで、配管11bに設けられている温度センサ18によって検出される潤滑油の温度が設定温度に到達したか否かが判別され(ステップS5)、未だ到達していない場合(NOの場合)は、この判別が繰り返される。設定温度に到達したかそれ以上となった場合(YESの場合)は、後述する第1の段階フラグがオンであるかオフであるかにより第1の清浄化段階を実施するか否かが判別される(ステップS6)。
【0037】
第1の清浄化段階を実施する場合(YESの場合)は、図4に示す第1の清浄化段階の制御処理が実行される。第1の清浄化段階を実施しない場合(NOの場合)は、後述する第2の段階フラグがオンであるかオフであるかにより第2の清浄化段階を実施するか否かが判別される(ステップS7)。
【0038】
第2の清浄化段階を実施する場合(YESの場合)は、図5に示す第2の清浄化段階の制御処理が実行される。第2の清浄化段階を実施しない場合(NOの場合)は、後述する第3の段階フラグがオンであるかオフであるかにより第3の清浄化段階を実施するか否かが判別される(ステップS8)。
【0039】
第3の清浄化段階を実施する場合(YESの場合)は、図6に示す第3の清浄化段階の制御処理が実行される。第3の清浄化段階を実施しない場合(NOの場合)は、この油清浄の終了処理を行う。
【0040】
油清浄の終了処理は、熱媒体循環ポンプ16の運転を停止し(ステップS9)、電気ヒータ15の駆動を停止して熱交換器14の運転を停止し(ステップS10)、潤滑油供給ポンプ13の運転を停止し(ステップS11)、電磁開閉弁20への駆動信号を停止してこの電磁開閉弁20を閉成する(ステップS12)ものである。
【0041】
なお、第1の段階フラグ、第2の段階フラグ及び第3の段階フラグは、初期状態においては、オフとなっているものとする。
【0042】
図4に示す第1の清浄化段階では、遠心分離機17のみによる清浄化処理が主として行われる。最初に、電磁開閉弁19及び26に駆動信号を送ってこれら電磁開閉弁19及び26を開成すると共に電磁開閉弁20に送っていた駆動信号を停止してこの電磁開閉弁20を閉成する(ステップS21)。従って、このステップS21の段階では、電磁開閉弁19及び26のみが開いており、潤滑油主タンク10内の潤滑油は、潤滑油供給ポンプ13により配管11aを通って熱交換器14へ送油され、さらに、配管11b及び電磁開閉弁19を通って遠心分離機17へ供給される。これにより、自己回転型である遠心分離機17は潤滑油圧力によって起動されて回転を開始し、清浄された潤滑油(以下清浄油)は配管11dを通って清浄油中間タンク23へ通油される。
【0043】
また、清浄油供給ポンプ25が起動されて運転を開始している(ステップS22)ので、清浄油中間タンク23内の清浄油は、配管11e、パーティクルチェッカ21及び配管11cを通って潤滑油主タンク10へ戻る。
【0044】
清浄油中間タンク23内の油面レベルがレベルセンサ24の検出出力に基づいて、高位レベル(Hレベル)であるか否かを判別している(ステップS23)。油面レベルが高位レベルではない低位レベル(Lレベル)である場合(NOの場合)、電磁開閉弁28に駆動信号を送ってこの電磁開閉弁28を開成し(ステップS24)、清浄油をこの電磁開閉弁28及びオリフィス27経由で清浄油中間タンク23に戻す処理を行う。油面レベルが高位レベルである場合(YESの場合)、電磁開閉弁28の駆動信号を停止してこの電磁開閉弁28を閉成し(ステップS25)、これによって清浄油中間タンク23内の油面レベルを調整している。なお、図1、図2及び図4には表されていないが、清浄油中間タンク23内の油面レベルが高高位レベル(HHレベル)となった場合は、緊急停止機構(図示なし)が作動して油清浄動作が緊急停止すると共に警報(ブザー)が鳴るように構成されている。
【0045】
次いで、パーティクルチェッカ21により流動する清浄油中の不溶解分の粒子径を測定し、その測定結果から不溶解分の粒子径が規定値以下となったか否かを判別する(ステップS26)。この規定値としては、例えば10μmが設定される。
【0046】
不溶解分の粒子径が規定値以下ではないと判別した場合(NOの場合)、第1の清浄化段階を行うことを示す第1の段階フラグをオンとした後(ステップS27)、図3に示す予備加熱段階の制御処理に戻る。この場合、第1の段階フラグがオンであるため、予備加熱段階に続いて、図4に示す第1の清浄化段階が継続して実施される。不溶解分の粒子径が規定値以下であると判別した場合(YESの場合)、電磁開閉弁30及び33に駆動信号を送ってこれら電磁開閉弁30及び33を開成すると共に電磁開閉弁19に送っていた駆動信号を停止してこの電磁開閉弁19を閉成し(ステップS28)、さらに、清浄油供給ポンプ25の運転を停止し、電磁開閉弁26に送っていた駆動信号を停止してこの電磁開閉弁26を閉成する(ステップS29)。これにより、精密フィルタ29へ通油が行われる(ステップS30)。即ち、このステップS30の段階では、電磁開閉弁30及び33のみが開いており、潤滑油主タンク10内の潤滑油は、潤滑油供給ポンプ13によって配管11aを通って熱交換器14へ送油され、さらに、配管11b及び11c、電磁開閉弁30並びに配管11fを通って精密フィルタ29へ供給され、この精密フィルタ29から配管11h、電磁開閉弁33及び配管11cを通って潤滑油主タンク10内に戻される。これにより、精密フィルタ29のみによる潤滑油の清浄処理が行われる。
【0047】
次いで、この精密フィルタ29のみによる潤滑油の清浄処理が一定時間行われたかどうかその経過時間を判別し(ステップS31)、経過していないと判別した場合(NOの場合)は経過するまで待ち、経過したと判別した場合(YESの場合)のみ、第1の清浄化段階を行うことを示す第1の段階フラグをオフとし、第2の清浄化段階を行うことを示す第2の段階フラグをオンとした後(ステップS32)、図3に示す予備加熱段階の制御処理に戻る。これにより、予備加熱段階に続いて、次の第2の清浄化段階が実施される。
【0048】
図5に示す第2の清浄化段階では、精密フィルタ29のみによる清浄化処理が行われる。最初に、電磁開閉弁30及び33に駆動信号を送ってこれら電磁開閉弁30及び33を開成すると共に電磁開閉弁20に送っていた駆動信号を停止してこの電磁開閉弁20を閉成する(ステップS41)。これにより、精密フィルタ29へ通油が行われる(ステップS42)。即ち、このステップS42の段階では、電磁開閉弁30及び33のみが開いており、潤滑油主タンク10内の潤滑油は、潤滑油供給ポンプ13によって配管11aを通って熱交換器14へ送油され、さらに、配管11b及び11c、電磁開閉弁30並びに配管11fを通って精密フィルタ29へ供給され、この精密フィルタ29から配管11h、電磁開閉弁33及び配管11cを通って潤滑油主タンク10内に戻される。これにより、精密フィルタ29のみによる潤滑油主タンク10内の潤滑油の清浄処理が行われる。
【0049】
次いで、オペレータが操作盤36cを操作することによるこの精密フィルタ29のみによる潤滑油の清浄処理を停止する指示を行ったかどうかを判別し(ステップS43)、停止指示なしと判別した場合(NOの場合)は、指示があるまで待つ。停止指示ありと判別した場合(YESの場合)は、第2の清浄化段階を行うことを示す第2の段階フラグをオフとし、第3の清浄化段階を行うことを示す第3の段階フラグをオンとした後(ステップS44)、図3に示す予備加熱段階の制御処理に戻る。
【0050】
このように、第2の清浄化段階は、オペレータが手動にて停止指示を行わない限り実施され、停止指示を行うと、予備加熱段階に続いて次の第3の清浄化段階に移る。
【0051】
図6に示す第3の清浄化段階では、遠心分離機17に連続して精密フィルタ29による直列運転による清浄化処理が行われる。最初に、電磁開閉弁19及び26に駆動信号を送ってこれら電磁開閉弁19及び26を開成すると共に電磁開閉弁20に送っていた駆動信号を停止してこの電磁開閉弁20を閉成する(ステップS51)。従って、このステップS51の段階では、電磁開閉弁19及び26のみが開いており、潤滑油主タンク10内の潤滑油は、潤滑油供給ポンプ13によって配管11aを通って熱交換器14へ送油され、さらに、配管11b及び電磁開閉弁19を通って遠心分離機17へ供給される。これにより、自己回転型である遠心分離機17は潤滑油圧力によって起動されて回転を開始し、清浄油は配管11dを通って清浄油中間タンク23へ通油される。
【0052】
また、清浄油供給ポンプ25が起動されて運転を開始している(ステップS52)ので、清浄油中間タンク23内の清浄油は、配管11e、電磁開閉弁26、パーティクルチェッカ21及び配管11cを通って潤滑油主タンク10へ戻る。
【0053】
清浄油中間タンク23内の油面レベルがレベルセンサ24の検出出力に基づいて、高位レベル(Hレベル)であるか否かを判別している(ステップS53)。油面レベルが高位レベルではない低位レベル(Lレベル)である場合(NOの場合)、電磁開閉弁28に駆動信号を送ってこの電磁開閉弁28を開成し(ステップS54)、清浄油をこの電磁開閉弁28及びオリフィス27経由で清浄油中間タンク23に戻す処理を行う。油面レベルが高位レベルである場合(YESの場合)、電磁開閉弁28の駆動信号を停止してこの電磁開閉弁28を閉成し(ステップS55)、これによって清浄油中間タンク23内の油面レベルを調整している。なお、図1、図2及び図6には表されていないが、清浄油中間タンク23内の油面レベルが高高位レベル(HHレベル)となった場合は、緊急停止機構(図示なし)が作動して油清浄動作が緊急停止すると共に警報(ブザー)が鳴るように構成されている。
【0054】
次いで、パーティクルチェッカ21により流動する清浄油中の不溶解分の粒子径を測定し、その測定結果から不溶解分の粒子径が規定値以下となったか否かを判別する(ステップS56)。この規定値としては、例えば10μmが設定される。
【0055】
不溶解分の粒子径が規定値以下ではないと判別した場合(NOの場合)、図3に示す予備加熱段階の制御処理に戻る。この場合、第3の段階フラグがオンであるため、予備加熱段階に続いて、図6に示す第3の清浄化段階が継続して実施される。不溶解分の粒子径が規定値以下であると判別した場合(YESの場合)、電磁開閉弁31及び33に駆動信号を送ってこれら電磁開閉弁31及び33を開成すると共に電磁開閉弁26に送っていた駆動信号を停止してこの電磁開閉弁26を閉成する(ステップS57)。これにより、精密フィルタ29へ通油が行われる(ステップS58)。即ち、このステップS58の段階では、電磁開閉弁19、31及び33のみが開いており、潤滑油主タンク10内の潤滑油は、潤滑油供給ポンプ13によって配管11aを通って熱交換器14へ送油され、さらに、配管11bを通って遠心分離機17へ供給され、これによって清浄された清浄油は配管11dを通って清浄油中間タンク23へ通油される。そして、清浄油中間タンク23内の清浄油は、清浄油供給ポンプ25により、配管11e及び11g、電磁開閉弁31並びに配管11fを通って精密フィルタ29へ供給され、この精密フィルタ29から配管11h、電磁開閉弁33及び配管11cを通って潤滑油主タンク10内に戻される。以上の制御処理により、遠心分離機17による浄化処理と精密フィルタ29による浄化処理とが直列的に連続実施される潤滑油清浄処理が行われる。
【0056】
次いで、オペレータが操作盤36cを操作することによるこの遠心分離機17及び精密フィルタ29の直列した潤滑油清浄処理を停止する指示を行ったかどうかを判別し(ステップS59)、停止指示なしと判別した場合(NOの場合)は、指示があるまで待つ。停止指示ありと判別した場合(YESの場合)は、第3の清浄化段階を行うことを示す第3の段階フラグをオフとした後(ステップS60)、図3に示す予備加熱段階におけるステップS9へ進む。これにより、図3に示す予備加熱段階では油清浄化処理が終了する。
【0057】
このように、第3の清浄化段階は、オペレータが手動にて停止指示を行わない限り実施され、停止指示を行うと、清浄化処理を終了する。
【0058】
なお、図1に示す油溜まり37に漏洩油が多量に溜まり、フロートスイッチ38が作動すると、緊急停止機構(図示なし)が作動して油清浄動作が緊急停止すると共に警報(ブザー)が鳴るように構成されている。同様に、電気ヒータ15が加熱した場合、潤滑油供給ポンプ13、清浄油供給ポンプ25及び熱媒油循環ポンプ16のいずれかが過負荷となった場合、並びに電磁開閉弁19、20、26、28、30、31及び33のいずれかが故障した場合にも、緊急停止機構(図示なし)が作動して油清浄動作が緊急停止すると共に警報(ブザー)が鳴るように構成されている。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の清浄化段階では主として遠心分離機17のみによって清浄を行い、第2の清浄化段階では精密フィルタ29のみによって清浄を行い、第3の清浄化段階では遠心分離機17によって清浄した後、連続して精密フィルタ29によって清浄を行うという、3段階の清浄化処理を行うことにより、遠心分離機17で除去できなかった不溶解分がそのまま精密フィルタ29に送り込まれて精密フィルタ29の目詰まりが直ちに発生しその寿命が短くなるような不都合は生じず、精密フィルタ29の長寿命化を図ることができる。また、処理する潤滑油中の不溶解分の粒径が規定値以下となるまで第1の清浄化段階及び第3の清浄化段階における遠心分離機17の処理を行っているので、その潤滑油の汚れの程度や不溶解分の量に応じた最適な効率の良い清浄化処理を行うことができる。
【0060】
実際に、遠心分離機17による4パスの浄化処理により、粒径10μm以上の粒子を50%以上の除去率で分離できることが実験的に確認されている。また、精密フィルタ29による1パスの浄化処理により、粒径5μm以上10μm未満の粒子において97%程度の除去率で分離でき、粒径10μm以上の粒子について92%程度の除去率で分離できることが実験的に確認されている。これは、本実施形態のように、遠心分離機17で粗大径雑物を除去した後に精密フィルタ29を用いる3段階の清浄処理を行うことで、この精密フィルタ29が短時間で閉塞し機能低下に陥るのを効果的に防止できることをも意味している。
【0061】
本実施形態における油清浄装置によって清浄された潤滑油の清浄前後の性状分析結果が表1に、油中標準粒子除去試験結果が表2に示されている。ただし、清浄に用いた潤滑油は4.08kl、遠心分離機17の総運転時間は191時間、精密フィルタ29の総運転時間は97時間である。これらの表より、夾雑物が大きく除去され、また、全ての粒子径の粒子が高い捕捉率で除去されていることが分かる。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
図7は本発明の油清浄装置の他の実施形態における全体の構成を概略的に示している。本実施形態も、船舶用機器の潤滑油を清浄化するための油清浄装置に関するものであるが、図1の実施形態においては熱交換器14が電気ヒータ15によって加熱された熱媒油を用いるタイプであるのに対し、本実施形態では電気ヒータによって直接加熱される熱交換器14′(本発明の加熱手段に対応する)を用いている。本実施形態におけるその他の構成は図1の実施形態における構成と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態において、図1の実施形態の場合と同一の構成要素については、同一の参照番号を使用する。
【0065】
以下、制御部36のデジタルコンピュータ36aによって制御される本実施形態における油清浄装置の処理動作を説明する。図8は予備加熱段階の制御処理の流れを示している。本実施形態における第1〜第3の清浄化段階の制御処理は図1の実施形態の場合と同様であるため、以下、本実施形態における予備加熱段階の制御処理のみを説明する。
【0066】
オペレータが操作盤36cを操作することにより、まず、図8に示す予備加熱段階の制御処理が実行される。この潤滑油の予備加熱段階では、最初に、電磁開閉弁20に駆動信号を送ってこの電磁開閉弁20を開成する(ステップS1)。なお、全ての電磁開閉弁は定閉構成であり、駆動信号が印加された場合にのみ開き、印加されていない場合は閉成している。従って、このステップS1の段階では、電磁開閉弁20のみが開いている。
【0067】
次いで、潤滑油供給ポンプ13を起動して運転を開始する(ステップS2)。これにより、潤滑油主タンク10内の潤滑油は、配管11aを通って熱交換器14′へ送油され、さらに、配管11b及び11c並びに電磁開閉弁20を通って潤滑油主タンク10へ戻る。
【0068】
次いで、電気ヒータを駆動して熱交換器14′の運転を開始する(ステップS4)。これにより、送油されている潤滑油が加熱されることとなる。
【0069】
配管11bに設けられている温度センサ18によって検出される潤滑油の温度が設定温度に到達したか否かが判別され(ステップS5)、未だ到達していない場合(NOの場合)はこの判別が繰り返される。設定温度に到達したかそれ以上となった場合(YESの場合)は、後述する第1の段階フラグがオンであるかオフであるかにより第1の清浄化段階を実施するか否かが判別される(ステップS6)。
【0070】
第1の清浄化段階を実施する場合(YESの場合)は、図4に示す第1の清浄化段階の制御処理が実行される。第1の清浄化段階を実施しない場合(NOの場合)は、後述する第2の段階フラグがオンであるかオフであるかにより第2の清浄化段階を実施するか否かが判別される(ステップS7)。
【0071】
第2の清浄化段階を実施する場合(YESの場合)は、図5に示す第2の清浄化段階の制御処理が実行される。第2の清浄化段階を実施しない場合(NOの場合)は、後述する第3の段階フラグがオンであるかオフであるかにより第3の清浄化段階を実施するか否かが判別される(ステップS8)。
【0072】
第3の清浄化段階を実施する場合(YESの場合)は、図6に示す第3の清浄化段階の制御処理が実行される。第3の清浄化段階を実施しない場合(NOの場合)は、この油清浄の終了処理を行う。
【0073】
油清浄の終了処理は、電気ヒータの駆動を停止して熱交換器14′の運転を停止し(ステップS10)、潤滑油供給ポンプ13の運転を停止し(ステップS11)、電磁開閉弁20への駆動信号を停止してこの電磁開閉弁20を閉成する(ステップS12)ものである。
【0074】
なお、第1の段階フラグ、第2の段階フラグ及び第3の段階フラグは、初期状態においては、オフとなっているものとする。
【0075】
本実施形態における作用効果も図1の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
上述した実施形態においては、予備加熱段階、第1の清浄化段階、第2の清浄化段階及び第3の清浄化段階が自動的に連続して実施されるように構成されているが、これら予備加熱段階、第1の清浄化段階、第2の清浄化段階及び第3の清浄化段階を、オペレータが操作盤を操作することにより、手動で別個に実施するように構成しても良い。
【0077】
上述した実施形態においては、遠心分離機17が自己回転型であるが、自己回転型に代えて電動型遠心分離機を用いても良いことは明らかである。
【0078】
上述した実施形態においては、精密フィルタ29が2つの精密フィルタエレメントから構成されているが、この精密フィルタエレメントの数は、2つに限定されることなく、単数であっても3以上の複数であっても良い。
【0079】
また、上述した実施形態においては、清浄処理する油が、船舶用機器の潤滑油であるとしているが、本発明の清浄対象となる油は、船舶用の主機関、発電機関、増速機、減速機及び油圧機器、自動車用機関、並びに建設機械等に用いられるシステム油や作動油である潤滑油であっても良いし、その他の油であっても良い。これらの油を、使用後にオフラインで浄化しても良いし、使用中にオンラインで浄化しても良い。
【0080】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【符号の説明】
【0081】
10 潤滑油主タンク
11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h 配管
12 逆止弁
13 潤滑油供給ポンプ
14、14′ 熱交換器
15 電気ヒータ
16 熱媒油循環ポンプ
17 遠心分離機
18 温度センサ
19、20、26、28、30、31、33 電磁開閉弁
21 パーティクルチェッカ
22 圧力計
23 清浄油中間タンク
24 レベルセンサ
25 清浄油供給ポンプ
27 オリフィス
29 精密フィルタ
32 流量計
34、35 圧力調整弁
36 制御部
36a デジタルコンピュータ
36b A/D変換器
36c 操作盤
36d 駆動回路
37 油溜まり
38 フロートスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機と、精密フィルタと、清浄化すべき油を貯留する主タンクと、前記遠心分離機、前記精密フィルタ及び前記主タンク間を少なくとも結ぶ配管と、該配管に設けられた供給ポンプと、該配管に設けられた開閉弁と、前記供給ポンプ及び前記開閉弁の作動を制御する制御部とを備えており、
前記制御部は、前記主タンク内の油を前記遠心分離機のみによって清浄して該主タンクに戻す第1の清浄化段階を行うべく前記供給ポンプ及び前記開閉弁の作動を制御し、該第1の清浄化段階の後に、前記主タンク内の油を前記精密フィルタのみによって清浄して該主タンクに戻す第2の清浄化段階を行うべく前記供給ポンプ及び前記開閉弁の作動を制御し、該第2の清浄化段階の後に、前記主タンク内の油を前記遠心分離機によって清浄した後、連続して前記精密フィルタによって清浄して該主タンクに戻す第3の清浄化段階を行うべく前記供給ポンプ及び前記開閉弁の作動を制御するように構成されていることを特徴とする油清浄装置。
【請求項2】
前記配管に設けられ、油を加熱する加熱手段をさらに備えており、
前記制御部は、前記第1の清浄化段階の前に、前記主タンク内の油を前記加熱手段によって予備加熱して該主タンクに戻す予備加熱段階を行うべく前記供給ポンプ、前記加熱手段及び前記開閉弁の作動を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の油清浄装置。
【請求項3】
前記配管に設けられ、油を加熱する加熱手段をさらに備えており、
前記制御部は、前記第1の清浄化段階において最初に前記主タンク内の油を前記加熱手段によって加熱するべく前記加熱手段の作動を制御し、前記第2の清浄化段階において最初に前記主タンク内の油を前記加熱手段によって加熱するべく前記加熱手段の作動を制御し、前記第3の清浄化段階において最初に前記主タンク内の油を前記加熱手段によって加熱するべく前記加熱手段の作動を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の油清浄装置。
【請求項4】
前記配管に設けられ、油内の不溶解分の粒子径を測定する粒子径測定手段をさらに備えており、
前記制御部は、前記第1の清浄化段階において、前記粒子径測定手段によって測定された、前記遠心分離機により清浄された油内の不溶解分の粒子径が所定径以下となった際に、前記精密フィルタのみによって清浄するべく前記開閉弁の作動を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の油清浄装置。
【請求項5】
前記配管に設けられ、油内の不溶解分の粒子径を測定する粒子径測定手段をさらに備えており、
前記制御部は、前記第3の清浄化段階において、まず、前記主タンク内の油を前記遠心分離機によって清浄されて該主タンクに戻す前記第3の清浄化段階の前段階を行い、次いで、前記主タンク内の油を前記遠心分離機によって清浄し連続して前記精密フィルタによって清浄して該主タンクに戻す前記第3の清浄化段階の後段階を行うべく前記供給ポンプ及び前記開閉弁の作動を制御するように構成されており、
前記粒子径測定手段によって測定された、前記遠心分離機により清浄された油内の不溶解分の粒子径が所定径以下となった際に、前記前段階から前記後段階に切り替えるべく前記開閉弁の作動を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の油清浄装置。
【請求項6】
清浄化すべき油を遠心分離機のみによって清浄する第1の清浄化段階と、該第1の清浄化段階の後に、該油を精密フィルタのみによって清浄する第2の清浄化段階と、該第2の清浄化段階の後に、該油を前記遠心分離機によって清浄した後連続して前記精密フィルタによって清浄する第3の清浄化段階とを備えたことを特徴とする油清浄方法。
【請求項7】
前記第1の清浄化段階の前に、前記油を予備加熱することを特徴とする請求項6に記載の油清浄方法。
【請求項8】
前記第1の清浄化段階において最初に前記油を加熱し、前記第2の清浄化段階において最初に前記油を加熱し、前記第3の清浄化段階において最初に前記油を加熱することを特徴とする請求項6又は7に記載の油清浄方法。
【請求項9】
前記第1の清浄化段階において、前記遠心分離機により清浄された油内の不溶解分の粒子径が所定径以下となった際に、前記精密フィルタのみによって清浄することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の油清浄方法。
【請求項10】
前記第3の清浄化段階において、まず、清浄化すべき油を遠心分離機のみによって清浄する前段階を行い、該遠心分離機により清浄された油内の不溶解分の粒子径が所定径以下となった際に、該油を前記遠心分離機によって清浄した後連続して前記精密フィルタによって清浄する後段階に切り替えることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の油清浄方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−81446(P2012−81446A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231598(P2010−231598)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000205535)株式会社 商船三井 (21)
【出願人】(510273710)MOLエンジニアリング株式会社 (1)
【出願人】(300022319)日本濾過工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】