説明

治療方法

本発明は、TNFα阻害剤、ならびにIAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストによる患者の治療を含む、アポトーシスを誘導するための方法を提供する。本方法は、望ましくない作用のリスクを和らげ、それにより、TRAIL受容体アゴニストと併用したIAP阻害剤の治療指数の改善をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は癌治療の分野にある。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アポトーシス阻害タンパク質(IAP)は、独特の機序を介してアポトーシスを抑制するタンパク質のファミリーである。例えば、X連鎖アポトーシス阻害タンパク質(XIAP)は、イニシエーターカスパーゼおよびエフェクターカスパーゼの両方を隔離してそれらの活性を遮断することにより、アポトーシスを防止する。カスパーゼは、アポトーシス過程の間に細胞の基質を切断するように働くシステイン依存性アスパルチル特異的プロテアーゼである。対照的に、細胞性アポトーシス阻害タンパク質1(cIAP1)および細胞性アポトーシス阻害タンパク質2(cIAP2)などのIAPファミリーの他のメンバーは、腫瘍壊死因子α(TNFα)、およびTNFα受容体1(TNFR1)シグナル伝達経路の活性化を通じて誘導されるアポトーシスを防止する。アポトーシスを遮断する独特な機序にもかかわらず、IAPメンバーはすべて、タンパク質-タンパク質相互作用および抗アポトーシス機能を媒介する1つまたは複数の亜鉛結合性のバキュロウイルス反復(BIR)ドメインを含む。
【0003】
ミトコンドリアタンパク質Smac(第2のミトコンドリア由来カスパーゼ活性化因子)は、IAPタンパク質の内因性調節因子であり、アポトーシスの間に細胞質中に放出される。SmacはcIAP1、cIAP2およびXIAPのBIR3ドメインと高い親和性で結合することができる。Smacのアポトーシス誘発活性は、その成熟タンパク質のN末端に位置する4アミノ酸のIAP結合モチーフに依存する。このモチーフAla-Val-Pro-Ileは、cIAP1、cIAP2およびXIAPのBIR3ドメインとの結合にとって十分であり、この部位でのカスパーゼ9の結合と競合する。Smac-IAP相互作用はその結果、IAPがカスパーゼ9を阻害することを防止する。
【0004】
IAP阻害剤を伴う癌治療は、当技術分野において引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、癌の治療を必要とする患者に対して、(a)TNFα阻害剤;(b)IAP阻害剤;および(c)TRAIL受容体アゴニストの治療的有効量を投与する段階を含む、癌を治療する方法を提供する。TNFα阻害剤は、IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストの投与の前に、TNFαの阻害を達成するのに十分な時間にわたって投与することができる。IAP阻害剤、TNFα阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストのそれぞれは低分子でありうるが、必ずしもそうでなくてもよい。「低分子」とは、本明細書で用いる場合、分子量が約2000ダルトン未満である合成性または半合成性の有機化合物のことである。
【0006】
IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストは、同時または逐次的に投与することができる。いくつかの態様において、癌は卵巣癌、乳癌または結腸癌である。
【0007】
いくつかの態様において、IAP阻害剤はSmac模倣物である。TNFα阻害剤は、例えば、インフリキシマブ(例えば、REMICADE(登録商標)インフリキシマブ)およびアダリムマブ(例えば、HUMIRA(登録商標)アダリムマブ)などの抗体であってもよく、またはエタネルセプト(例えば、ENBREL(登録商標)エタネルセプト)などの受容体-構築物融合タンパク質であってもよい。
【0008】
いくつかの態様において、TRAIL受容体アゴニストは、HGS-ETR1すなわち「メパツムマブ」およびHGS-ETR2すなわち「レクサツムマブ」(Human Genome Sciences; Georgakis et al., Br J Haematol. 2005 Aug;130(4):501-10)、HGS-TR2J(Human Genome Sciences)、アポマブ(Apomab)(Genentech; Adams et al., Cell Death Differ. 2008 Apr;15(4):751-61)、CS-1008(Daiichi Sankyo; see Yada et al., Ann Oncol. 2008 Jun;19(6):1060-7)、LBY135 (Novartis; Natoni et al., Br J Haematol. 2007 Nov;139(4):568-77)ならびにTRA-8(University of Alabama-Birmingham; Ichikawa et al., Nat Med. 2001 Aug;7(8):954-60)などの抗体である。抗体は、DR4抗体、DR5抗体、またはDR4およびDR5の両方と結合する抗体でありうる。他の態様において、TRAIL受容体アゴニストは組換えヒトTRAILである。他の態様において、TRAIL受容体アゴニストはペプチボディ(抗体Fcドメインに少なくとも1つのペプチドが結びついたものを含む分子)である。ペプチボディの作製については、2000年5月4日に公開されたPCT公報WO 00/24782号に全般的に記載されている。US 2008/0213277号を参照のこと。他の態様において、TRAIL受容体アゴニストはアビマー(avimer)である。US 2006/0286603号および同2006/0223114号を参照のこと。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】非担癌ヌードマウスにおける化合物X誘導性の血清カスパーゼ3/7活性が、TNFαの阻害によって低下することを示しているグラフ。X軸上の、各バーの下の「-」および「+」は、化合物Xが15mg/kgの投与量で添加されたか否かを表示している;各バーの下の数字はマウス群を表示している;数字の下の線は、マウスをその前治療別にグループ分けしている(略号については実施例1で説明している)。Y軸は、相対的光単位(RLU)として表したカスパーゼ3/7活性である。
【図2】化合物Xによる治療後の野生型マウスおよびTNF受容体ダブルノックアウトマウスにおける体重変化を示しているグラフ。X軸上の略号については実施例2で説明している。
【図3】化合物X誘導性の血清カスパーゼ-3レベルが、TNF受容体ダブルノックアウトマウスで低下していることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例2で説明している。Y軸は、1秒間当たりのRLUとして表した血清カスパーゼ3/7レベルを表示している。
【図4】化合物Xによって誘導される血小板数の減少が、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例2で説明している。Y軸上の数は、1μl当たりの血小板の数(×103個)である。
【図5】化合物Xによって誘導される網状赤血球数の減少が、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例2で説明している。Y軸上の数は、1μl当たりの網状赤血球の数(×109個)である。
【図6】化合物X誘導性の小腸腺窩細胞アポトーシスが、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例2で説明している。Y軸は、実施例2で説明したアポトーシスのグレード(0〜5)を表示している。
【図7】化合物X誘導性の小腸腺窩細胞アポトーシスが、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型で高度であることを示している、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色した組織切片。図7A、化合物X(実施例2を参照)による治療後の第5日の時点での野生型マウスの小腸の切片。図7B、化合物X(実施例2を参照)による治療後の第5日の時点でのTNF受容体ダブルノックアウトマウスの小腸の切片。
【図8】化合物X誘導性の表皮基底細胞アポトーシスが、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例2で説明している。Y軸は、実施例2で説明しているアポトーシスのグレード(0〜5)を表示している。
【図9】化合物X誘導性の表皮基底細胞アポトーシスが、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示している、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色した組織切片。図9A、軽度のアポトーシスを示している、化合物X(実施例2を参照)による治療後の第5日の時点での野生型マウスの皮膚の基底上皮細胞の切片。図9B、アポトーシスが全く存在しないことを示している、化合物X(実施例2を参照)による治療後の第5日の時点でのTNF受容体ダブルノックアウトマウスの皮膚の基底上皮細胞の切片。
【図10】化合物X誘導性の胸腺皮質萎縮が、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例2で説明している。Y軸は、実施例2で説明しているアポトーシスのグレード(0〜5)を表示している。
【図11】化合物X誘導性の胸腺皮質萎縮が、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示している、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色した組織切片。図11A、胸腺皮質萎縮を示している、化合物X(実施例2を参照)による治療後の第5日の時点での野生型マウスの胸腺。図11B、胸腺皮質が萎縮しておらず、外観が正常であることを示している、化合物X(実施例2を参照)による治療後の第5日の時点でのTNF受容体ダブルノックアウトマウスの胸腺。
【図12A】化合物Xによる治療後の野生型マウスおよびTNF受容体ダブルノックアウトマウスにおける体重変化を示しているグラフ。X軸上の略号については実施例3で説明している。
【図12B】化合物X誘導性の血清カスパーゼ-3レベルがTNF受容体ダブルノックアウトマウスで低下していることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例4で説明している。Y軸は、相対的光単位(RLU)として表した血清カスパーゼ3/7レベルを表示している。
【図13A】化合物Xによって誘導される網状赤血球数の減少が、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例4で説明している。Y軸上の数は、1μl当たりの網状赤血球の数(×109個)である。
【図13B】化合物Xによって誘導される血小板数の減少が、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例4で説明している。Y軸上の数は、1μl当たりの血小板の数(×103個)である。
【図13C】化合物Xによって誘導される白血球数の減少が、TNF受容体ダブルノックアウトマウスよりも野生型マウスで高度であることを示しているグラフ。赤血球数およびヘモグロビンレベルについては、野生型マウスとTNF受容体ダブルノックアウトマウスとの間で比較的変化がなかった。X軸上の略号については実施例4で説明している。Y軸上の数は、グラフの説明文に概要を述べた通りに測定した各マーカーの相対的計数値である。
【図13D】化合物Xによって誘導される好中球数の増加およびリンパ球数の減少が、野生型マウスおよびTNF受容体ダブルノックアウトマウスの両者において比較的同等であることを示しているグラフ。X軸上の略号については実施例4で説明している。Y軸上の数は、存在する各細胞種のパーセンテージ(%)である。
【図14】インビトロでの、IAP阻害剤(実施例1で示した「化合物X」)による処置後のHCT116結腸癌細胞(図14A、B)、A375黒色腫細胞(図14C、D)およびSKOV-3卵巣癌細胞(図14E、F)の生存度、ならびにTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)および化合物Xの相乗作用に対するTNFα阻害の影響を示しているグラフ。各グラフのX軸は、化合物XのnM単位での濃度である。Y軸は、対照(非処置)細胞と比較した生存細胞のパーセント(「POC」、対照に対するパーセント)である。TRAILの濃度は各グラフの右側に表示されている。
【図15】担癌マウスのさまざまな治療後の腫瘍カスパーゼ-3活性に対する影響を示しているグラフ。実施例5を参照のこと。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本出願者らは、TNFα阻害剤と、IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストの併用療法との組み合わせによる治療が、アポトーシスを効果的に誘導し、それと同時に望ましくない作用のリスクを短縮または減弱させることを発見した。本発明の方法は、例えば、IAP阻害剤に対して、より広範囲にわたる抗腫瘍活性、および治療指数の改善をもたらしうる。
【0011】
IAP阻害剤
本発明による「IAP阻害剤」とは、IAP BIRドメインと結合する薬剤のことである。IAP BIRドメインとの結合は、蛍光標識ペプチド-AbuRPF-K(5-Fam)-NH2を蛍光発生基質として用いて、実質的にはNikolovska-Coleska et al., Analytical Biochemistry 332, 261-73, 2004によって記載された通りに判定される。化合物の結合親和性はKD値(μm)として報告される。手短に述べると、100mg/mlのウシγ-グロブリンを含む100mLの0.1Mリン酸カリウム緩衝液、pH 7.5中にて、薬剤を、5nMの蛍光標識ペプチド(すなわち、突然変異したN末端Smacペプチド-AbuRPF-K(5-Fam)-NH2)および40nMの各々のBIRドメインと、室温で15分間にわたり混合する。インキュベーション後に、偏光値(mP)を、485nm励起フィルターおよび520nm発光フィルターを用いて測定する。10μMまたはそれ未満、好ましくは1mMまたはそれ未満のKdでIAP BIRドメインと結合する薬剤は、本発明によるIAP阻害剤である。
【0012】
IAP阻害剤は低分子であってもよく、またはペプチド、もしくはタンパク質を基にした分子であってもよい。いくつかの態様において、IAP阻害剤はSmac模倣物である。本発明において有用なIAP阻害剤の例には、US 2006/0128632号;US 2006/0052311号;US 2005/0234042号;WO 2006/133147号;WO 2008/045905号;WO 2008/016893号;US 2005/0261203号;US 2006/0014700号;US 2006/0167066号;WO 2006/014361号;WO 2005/094818号;WO 2007/106192号;US 2008/0146808号;US 2007/0299052号;米国特許第7,345,081号;米国特許第7,244,851号;US 2005/0261203号;US 2006/0167066号;US 2006/0014700号;US 2006/0025347号;US 2006/0194741号;US 2007/0042428号;WO 2006/091972号;WO 2007/021825号;US 2008/0021066号;US 2006/0194741号;US 2008/0020986号;WO 2005/069888号;WO 2005/069894号;WO 2006/010118号;WO 2007/130626号;WO 2006/017295号;WO 2006/128455号;WO 2006/020060号;WO 2007/136921号;US 2008/0171693号;米国特許第7,342,093号;US 2007/0032437号;US 2005/0227302号;US 2004/0171105号;US 2005/0233411号;US 2002/0132786号、US 2003/0073629号;およびUS 2005/0176649号に記載されたものが非限定的に含まれる。
【0013】
TRAIL受容体アゴニスト
TRAIL受容体アゴニストとは、TRAIL受容体、例えばTRAIL受容体1(TRAIL R1、「デス受容体4」またはDR4としても知られる)、TRAIL受容体2(TRAIL R2、「デス受容体5」またはDR5としても知られる)またはDR4およびDR5の両方などと結合し、生理的条件下でアポトーシスを誘導するのに有効な量で用いられた場合に少なくとも1つの哺乳動物(例えば、ヒト)細胞種(TRAIL感受性腫瘍細胞株など)においてアポトーシスを導く薬剤のことである。本発明によるTRAIL受容体アゴニストは、TRAILデコイ受容体とは結合しない。本発明によるTRAIL受容体アゴニストは、インビトロでのアポトーシス活性のために架橋を必要とする抗体を範囲に含む。
【0014】
TRAIL受容体との結合は、フローサイトメトリーによって評価することができる。TRAIL受容体アゴニストの機能的活性は、標準的な細胞生存度アッセイおよびカスパーゼ活性化アッセイを用いる、Colo205細胞におけるアポトーシス誘導の測定によってモニターすることができる。いくつかの態様において、TRAIL受容体アゴニストは、フローサイトメトリーによる評価でDR4および/またはDR5と結合し、細胞生存度の60〜100%の低下およびカスパーゼ3活性の5〜12倍の上昇をもたらす。いくつかの態様において、TRAIL受容体アゴニストは可溶性TRAILポリペプチドである。
【0015】
フローサイトメトリー
薬剤とTRAIL受容体との結合は、フローサイトメトリーによって検出される。1つの態様においては、Colo205細胞をブロッキング緩衝液(10% FBS/5%ヤギ血清/FACS緩衝液)中でインキュベートし、FACS緩衝液(1% FBS/PBS)で洗浄して、10μg/mlの一次抗体(DR4抗体すなわちTRAIL-R1抗体、および/またはDR5抗体すなわちTRAIL-R2抗体。これらは例えば、eBiosciences, San Diego, CAから市販されている)またはアイソタイプ対照中に再懸濁させて4℃で45分間おく。洗浄後に、細胞を10μg/mlのビオチン化二次抗体中に再懸濁させて4℃で45分間おき、再び洗浄して、10μg/mlのストレプトアビジン-フィコエリトリン(BD Pharmingen、San Diego, CA)とともに4℃で45分間インキュベートする。続いて細胞をフローサイトメーターで分析する。また、TRAIL受容体アゴニストの結合を、(Pukac et al., Br. J. Cancer 92, 1430-41, 2005)に記載されたようなELISAを基にした方式を用いて、96ウェルプレート上に固定化したDR4(TRAIL-R1)タンパク質および/またはDR5タンパク質(TRAIL-R2)タンパク質の細胞外ドメインに対するアゴニストの結合親和性を測定することによって示すこともできる。
【0016】
アポトーシス誘導の測定
細胞生存度を測定するためには、Gliniak, Cancer Res. 59, 6153-58, 1999;Motoki et al., Clin. Cancer Res. 11, 3126-35, 2005;またはPukac et al., 2005に記載された通りに、Colo205細胞を2×104個/ウェルでプレーティングして、アゴニストの様式(抗体、組換えタンパク質)にとって妥当な範囲にある濃度のTRAIL受容体アゴニストで処置する。24〜48時間後に、ウェル中の死細胞のパーセンテージを検出することによって生存度を評価する。
【0017】
カスパーゼ3活性アッセイ
カスパーゼ3活性アッセイのためには、Gliniak, Cancer Res. 59, 6153-58, 1999;Motoki et al., Clin. Cancer Res. 11, 3126-35, 2005;またはPukac et al., 2005に記載された通りに、Colo205細胞を1.8×104個/ウェルでプレーティングし、アゴニストの様式(抗体、組換えタンパク質)にとって妥当な範囲にある濃度のTRAIL受容体アゴニストで処置する。5〜18時間後に、カスパーゼ3活性を測定する(例えば、カスパーゼGlo 3/7アッセイ(Promega, Madison, WI)を製造元のプロトコールに従って用いて)。
【0018】
TRAIL受容体アゴニストには、TRAILそれ自体(組換えTRAILを含む)のほか、抗体(特にアゴニスト性モノクローナル抗体)、ペプチドボディ、アビマー、ペプチド模倣化合物、低分子およびタンパク質が含まれる。モノクローナル抗体HGS-ETR1(「メパツムマブ」、DR4抗体)、HGS-ETR2(「レクサツムマブ」、DR5抗体)、HGS-TR2J(DR5抗体)、アポマブ(ヒトDR5抗体)、組換えヒトApo2L/TRAIL(DR4およびDR5の両方を活性化する)、CS-1008(ヒト化DR5抗体)、AMG 655(DR5抗体)、LBY135(DR5抗体)およびTR8(DR5抗体)は、TRAIL受容体アゴニストの例である。米国特許第7,115,717号;米国特許第7,361,341号;US 2007/0292411号;US 2005/0249729号;およびUS 2002/0155109号も参照されたい。
【0019】
TNFα阻害剤
本発明によるTNFα阻害剤は、TNFαが細胞を死滅させる能力を60〜100%低下させる薬剤のことであり、その能力はMohler et al., J Immunol. 1993 Aug 1;151(3):1548-61に記載された通りにアッセイすることができる。TNFα阻害剤は典型的には、TNFがTNF受容体と結合するのを防止する、細胞内プロセシングによるTNFαの産生を遮断する(例えば、転写、翻訳もしくは翻訳後修飾、細胞表面上での発現、分泌、またはTNFαの生物活性三量体の集成を遮断する)というように、TNFαの少なくとも1つの生物活性を阻害または遮断する。いくつかの態様において、TNFα阻害剤は、TNFα産生のアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションにかかわるもののような代謝経路の調節を誘導することによって作用する。他の態様において、TNFα阻害剤は、TNFαに対する細胞感受性を、そのような感受性を低下させることによってモジュレートする。
【0020】
TNFα阻害剤は、抗体、ペプチドボディ、アビマー、ペプチド模倣化合物、低分子またはタンパク質でありうる。TNFα阻害剤の阻害効果を判定するために用いうるスクリーニング方法には、インビトロアッセイおよびインビボアッセイが含まれる。インビトロアッセイには、TNFαとの接触による細胞死の減少を判定する、ラジオイムノアッセイなどのTNFα細胞傷害アッセイ;および、TNFαのサイトカイン誘導に関するアッセイが含まれる。細胞死は、細胞死の比率を50%低下させるTNFα阻害剤の濃度に相当するID50値を用いて判定することができる。
【0021】
TNFα阻害剤には、広域免疫抑制薬(例えば、デキサメタゾンなどの合成グルココルチコイドを含むステロイド)、クルクミン、抗体および融合構築物が非限定的に含まれる。インフリキシマブ(REMICADE(登録商標)インフリキシマブ)、アダリムマブ(HUMIRA(登録商標)アダリムマブ)などの抗体、およびエタネルセプト(ENBREL(登録商標)エタネルセプト)などの受容体-構築物融合タンパク質は、TNFα阻害剤の例である。US 2008/0033149号;US 2008/0167223号;およびUS 2007/0141057号に開示されているTNFα阻害剤も参照のこと。TNFα阻害剤にはまた、TNF受容体と結合し、それによってTNFαの生物学的効果を阻害する抗体および他の薬剤も含まれる。
【0022】
低分子であるIAP阻害剤、TNFα阻害剤および/またはTRAIL受容体アゴニスト
低分子であるIAP阻害剤、TNFα阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストは、薬学的に許容される塩、エステル、アミドまたはプロドラッグとして投与することができる。
【0023】
「塩」という用語は、本発明の化合物の無機塩および有機塩のことを指す。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製の間にインサイチューで、またはその遊離塩基形態または遊離酸形態にある精製された化合物を適した有機塩または無機塩と別々に反応させ、そのようにして形成された塩を単離することによって調製することができる。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩およびラウリル硫酸塩などが含まれる。これらの塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属を基にした陽イオン、さらには、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを非限定的に含む無毒性アンモニウム陽イオン、第四級アンモニウム陽イオンおよびアミン陽イオンを含みうる。例えば、S. M. Berge, et al., "Pharmaceutical Salts," J Pharm Sci, 66: 1-19 (1977)を参照のこと。
【0024】
薬学的に許容されるエステルの例には、C1-C8アルキルエステルが含まれる。許容されるエステルにはまた、C5-C7シクロアルキルエステル、さらには、ベンジルなどのアリールアルキルエステルも含まれる。C1-C4アルキルエステルがよく用いられる。化合物のエステルは、当技術分野において周知である方法に従って調製しうる。
【0025】
薬学的に許容されるアミドの例には、アンモニア、第一級C1-C8アルキルアミンおよび第二級C1-C8ジアルキルアミンに由来するアミドが含まれる。第二級アミンの場合には、アミンは、少なくとも1つの窒素原子を含む五員または六員のヘテロシクロアルキル基の形態にあってよい。アンモニア、C1-C3第一級アルキルアミンおよびC1-C2ジアルキル第二級アミンに由来するアミドがよく用いられる。化合物のアミドは当業者に周知の方法に従って調製しうる。
【0026】
「プロドラッグ」という用語は、インビボで変換されて、IAP阻害剤、TNFα阻害剤またはTRAIL受容体アゴニストを生じる化合物のことを意味する。変換は、血液中での加水分解などを介する、さまざまな機序によって起こりうる。プロドラッグの使用に関する考察は、T. Higuchi and W. Stella, "Pro-drugs as Novel Delivery Systems," Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design, Edward B. Roche, ed., American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987によって提供されている。
【0027】
例を挙げると、化合物がカルボキシル付加官能基(carboxylic add functional group)を含む場合には、プロドラッグは、酸基の水素原子の、(C1-C8)アルキル、(C2-C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1-(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1-メチル-1-(アルカノイルオキシ)エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1-メチル-1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN-(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1-(N-(アルコキシカルボニル)アミノメチル、3-フタリジル、4-クロトノラクトニル、γ-ブチロラクトン-4-イル、ジ-N,N-(C1-C2)アルキルアミノ(C2-C3)アルキル(β-ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル-(C1-C2)アルキル、N,N-ジ(C1-C2)アルキルカルバモイル-(C1-C2)アルキル、およびピペリジノ-、ピロリジノ-またはモルホリノ(C2-C3)アルキルなどの基による置き換えによって形成されるエステルを含みうる。
【0028】
同様に、本発明の化合物がアルコール官能基を含む場合には、プロドラッグは、アルコール基の水素原子の、(C1-C6)アルカノイルオキシメチル、1-((C1-C6)アルカノイルオキシ)エチル、1-メチル-1-((C1-C6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1-C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N-(C1-C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、サクシノイル、(C1-C6)アルカノイル、α-アミノ(C1-C4)アルカノイル、アリールアシルおよびα-アミノアシル、またはα-アミノアシル-α-アミノアシルなどの基による置き換えによって形成させることができ、ここで各α-アミノアシル基は、天然に存在するL-アミノ酸、-P(O)(OH)2-、-P(O)(O(C1-C6)アルキル)2、またはグリコシル(ヘミアセタール型の糖質のヒドロキシル基の除去によって生じる基)から独立に選択される。
【0029】
IAP阻害剤、TRAIL受容体アゴニストまたはTNFα阻害剤は不斉中心またはキラル中心を含んでもよく、このため複数の異なる立体異性形態として存在してもよい。そのような化合物の立体異性形態、さらにはラセミ混合物および非ラセミ性混合物を含むそれらの混合物はすべて、本発明に用いうると想定している。加えて、本発明は、すべての幾何異性体および位置異性体も想定している。例えば、化合物が二重結合を含む場合には、シス形態およびトランス形態(それぞれSおよびEと命名される)の両方、さらには混合物も想定している。
【0030】
立体異性体の混合物、例えばジアステレオマー混合物などは、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶法などの公知の方法により、それらの物理化学的な違いに基づいて個々の立体化学成分に分離することができる。また、エナンチオマーは、エナンチオマー混合物を適切な光学活性化合物(例えば、アルコール)との反応によってジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離した上で、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば、加水分解する)ことによって分離することができる。同じく、ある種の化合物は、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であってもよい。
【0031】
IAP阻害剤、TNFα阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストは、非溶媒和形態として存在してもよく、さらには水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒による溶媒和形態として存在してもよい。本発明は、溶媒和形態および非溶媒和形態の両方を想定し、範囲に含む。
【0032】
また、IAP阻害剤、TNFα阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストが、複数の異なる互換異性形態として存在することも可能である。イミダゾールモイエティの互換異性形態のすべて、およびそのような化合物のすべてのケト-エノール形態またはイミン-エナミン形態といった、そのような化合物のすべての互換異性体を想定している。
【0033】
本発明はまた、1つまたは複数の原子が、自然界で通常認められる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている、同位体で標識されたIAP阻害剤、TNFα阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストの使用も想定している。そのような化合物に組み入れることのできる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば2H、3H、13C、14C、15N、16O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clなどが含まれる。
【0034】
抗腫瘍治療
いくつかの態様においては、他の抗腫瘍薬または治療を、IAP阻害剤の代わりに用いることができる。他の態様においては、TNFα阻害剤、TRAIL受容体アゴニストおよびIAP阻害剤の組み合わせを、他の抗腫瘍薬および治療とともに用いることができる。そのような治療には、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、外科手術、免疫療法、生物学的抗腫瘍薬による治療法などが含まれる。
【0035】
抗腫瘍薬は、抗新生物薬、抗血管新生薬、化学療法薬およびペプチド性癌治療薬から選択することができる。さらに別の態様において、抗新生物薬は、抗生物質型薬剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ホルモン剤、免疫学的薬剤、インターフェロン型薬剤、キナーゼ阻害剤、多種多様な薬剤、およびそれらの組み合わせから選択される。そのような薬学的活性化合物/薬剤は、従来の低分子有機化合物であってもよく、またはタンパク質、抗体、ペプチドボディ、DNA、RNAのような高分子もしくはそのような高分子の断片であってもよい。
【0036】
癌の治療に用いることのできる、および本発明の方法と併用することのできる具体的な薬学的活性薬剤の例には、以下のものが含まれる:メトトレキサート;タモキシフェン;フルオロウラシル;5-フルオロウラシル;ヒドロキシ尿素;メルカプトプリン;シスプラチン;カルボプラチン;ダウノルビシン;ドキソルビシン;エトポシド;ビンブラスチン;ビンクリスチン;パクイタキセル(pacitaxel);チオグアニン;イダルビシン;ダクチノマイシン;イマチニブ;ゲムシタビン;アルトレタミン;アスパラギナーゼ;ブレオマイシン;カペシタビン;カルムスチン;クラドイブリン(cladibrine);シクロホスファミン(cyclophosphamine);シタラビン;デカルアジン(decarazine);ドセタキセル;イダルビシン;イホスファミド;イリノテカン;フルダラビン;マイトマイシン;ミトキサン;ミトキサントロン;トポテカン;ビノレルビン;アドリアマイシン;ミトラム(mithram);イミキモド;アレムツズマブ;エキセメスタン;ベバシズマブ;セツキシマブ;アザシチジン;クロファラビン;デシタビン;ダサチニブ;デクスラゾキサン;ドセタキセル;エピルビシン;オキサリプラチン;エルロチニブ;ラロキシフェン;フルベストラント;レトロゾール;ゲフィチニブ;ゲムツズマブ;トラスツズマブ;ゲフィチニブ;イクサベピロン;ラパチニブ;レナリドマイド;アミノレブリン酸;テモゾロミド;ネララビン;ソラフェニブ;ニロチニブ;ペグアスパルガーゼ;ペメトレキセド;リツキシマブ;ダサニチブ;サリドマイド;ベキサロテン;テムシロリムス;ボルテゾミブ;ボリノスタット;カペシタビン;ゾレドロン酸;アナストロゾール;スニチニブ;アプレピタントおよびネララビン、またはそれらの薬学的に許容される塩。
【0037】
癌の治療に用いることのできる、および本発明の1つまたは複数の方法と併用することのできるそのほかの薬学的活性薬剤には、以下のものが含まれる:エポエチンアルファ;ダルベポエチンアルファ;パニツムマブ;ペグフィルグラスチム;パリフェルミン;フィルグラスチム;デノスマブ;アンセスチム;AMG 102;AMG 386;AMG 479;AMG 655;AMG 745;AMG 951;およびAMG 706、またはそれらの薬学的に許容される塩。
【0038】
加えて、本発明の物質を、以下のもののような、癌を治療するために用いうる他の薬剤と併用することもできる:アセマンナン;アクラルビシン;アルデスロイキン;アルデスロイキン;アミホスチン;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アルグラビン;三酸化ヒ素;BAM 002(Novelos);ビカルタミド;ブロクスウリジン;セルモロイキン;セトロレリクス;クラドリビン;クロトリマゾール;DA 3030(Dong-A);ダクリズマブ;デニロイキンジフチトクス;デスロレリン;ジラゼプ;ドコサノール;ドキセルカルシフェロール;ドキシフルリジン;ブロモクリプチン;シタラビン;HITジクロフェナク;インターフェロンα;トレチノイン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エミテフル;エピルビシン;エポエチンβ;リン酸エトポシド;エクシスリンド;ファドロゾール;フィナステリド;リン酸フルダラビン;ホルメスタン;ホテムスチン;硝酸ガリウム;ゲムツズマブゾガミシン(gemtuzumab zogamicin);ギメラシル/オテラシル/テガフル配合剤;グリコピン;ゴセレリン;ヘプタプラチン;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;ヒト胎児αフェトプロテイン;イバンドロン酸;インターフェロンα;天然インターフェロンα;インターフェロンα-2;インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-N1;インターフェロンα-n3;インターフェロンアルファコン-1;天然インターフェロンα;インターフェロンβ;インターフェロンβ-1a;インターフェロンβ-1b;インターフェロンγ;天然インターフェロンγ-1a;インターフェロンγ-1b;インターロイキン-1β;ヨーベングアン;イリノテカン;イルソグラジン;ランレオチド;LC 9018(Yakult);レフルノミド;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レトロゾール;白血球αインターフェロン;リュープロレリン;レバミソール+フルオロウラシル;リアロゾール;ロバプラチン;ロニダミン;ロバスタチン;マソプロコール;メラルソプロール;メトクロプラミド;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトキサントロン;モルグラモスチム;ナファレリン;ナロキソン+ペンタゾシン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ニルタミド;ノスカピン;新規赤血球生成促進タンパク質;NSC 631570オクトレオチド;オプレルベキン;オサテロン;パクリタキセル;パミドロン酸;ペグインターフェロンα-2b;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ピシバニール;ピラルビシン;ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体;ポリエチレングリコールインターフェロンα-2a;ポルフィマーナトリウム;ラルチトレキセド;ラスブリカーゼ;エチドロン酸レニウムRe 186;RIIレチナミド;ロムルチド;サマリウム(153 Sm)レキシドロナム;サルグラモスチム;シゾフィラン;ソブゾキサン;ソネルミン;塩化ストロンチウム-89;スラミン;タソネルミン;タザロテン;テガフール;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;チマルファシン;チロトロピンα;トレミフェン;トシツモマブ-ヨウ素131;トレオスルファン;トレチノイン;トリロスタン;トリメトレキサート;トリプトレリン;天然腫瘍壊死因子α;ウベニメクス;膀胱癌ワクチン;丸山ワクチン;黒色腫溶解物ワクチン;バルルビシン;ベルテポルフィン;ビルリジン;ジノスタチンスチマラマー;アバレリックス;AE 941(Aeterna);アンバムスチン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;bcl-2(Genta);APC 8015(Dendreon);デクスアミノグルテチミド(dexaminoglutethimide);ジアジクオン;EL 532(Elan);EM 800(Endorecherche);エニルウラシル;エタニダゾール;フェンレチニド;フィルグラスチムSD01(Amgen);フルベストラント;ガロシタビン;ガストリン17免疫原;HLA-B7遺伝子治療(Vical);顆粒球マクロファージコロニー刺激因子;二塩酸ヒスタミン;イブリツモマブチウキセタン;イロマスタット;IM 862(Cytran);インターロイキン-2;イプロキシフェン;LDI 200(Milkhaus);レリジスチム;リンツズマブ;CA 125モノクローナル抗体(MAb)(Biomira);癌MAb(Japan Pharmaceutical Development);HER-2およびFc MAb(Medarex);イディオタイプ105AD7 MAb(CRC Technology);イディオタイプCEA MAb(Trilex);LYM-1-ヨウ素131 MAb(Techniclone);多形上皮ムチン-イットリウム90 MAb(Antisoma);マリマスタット;メノガリル;ミツモマブ(mitumomab);モテクサフィンガドリニウム;MX 6(Galderma);ノラトレキシド;P30タンパク質;ペグビソマント;ポルフィロマイシン;プリノマスタット;RL 0903(Shire);ルビテカン;サトラプラチン;フェニル酢酸ナトリウム;スパルホス酸;SRL 172(SR Pharma);SU 5416(SUGEN);TA 077(Tanabe);テトラチオモリブデート;タリブラスチン;トロンボポエチン;エチルエチオプルプリンスズ;チラパザミン;癌ワクチン(Biomira);黒色腫ワクチン(New York University);黒色腫ワクチン(Sloan Kettering Institute);黒色腫腫瘍崩壊産物ワクチン(New York Medical College);ウイルス性黒色腫細胞溶解物ワクチン(Royal Newcastle Hospital);またはバルスポダール(valspodar)。以上に列挙した薬剤は、適宜、薬学的に許容される塩として投与してもよい。
【0039】
医薬品製剤および投与方法
上記の薬剤の医薬品製剤は、典型的には、個別の投与方法にとって適切な、薬学的に許容される担体または希釈剤を含む。「薬学的に許容される」という用語は、参照された薬学的活性物質または特定の添加剤(excipent)が、患者に対する投与に適することを意味する。患者には、動物、特にイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジおよびヒトなどの哺乳動物が含まれる。
【0040】
非経口的投与のために適した組成物は、本発明の化合物または組成物の無菌性の水性調製物を含むことが好都合であり、これはレシピエントの血液と等張であることが好ましい。この水性調製物は、適した分散剤または湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤を用いて公知の方法に従って製剤化することができる。さまざまな抗菌薬および抗真菌薬、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールおよびソルビン酸を含めてもよい。無菌性の注射可能な製剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中にある無菌性の注射用溶液または懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール中にある溶液であってもよい。用いうる許容される媒体および溶媒には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌性の固定油も、溶媒または懸濁化媒質として従来より用いられている。この目的には、合成モノ-またはジ-グリセリドを含む、任意の無刺激性固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸を注射液の調製に用いてもよい。注射用剤形の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によって生じさせることができる。皮下、静脈内、筋肉内などの投与用に適した担体製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAに記載されている。
【0041】
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤および顆粒剤が含まれる。そのような固形剤形において、化合物または化合物の混合物は、少なくとも1つの薬学的に許容される不活性添加剤と混合される。「添加剤」という用語は、患者に対する製剤化および投与のために典型的に含められる、医薬品有効成分(API)以外の、薬学的に許容される任意の添加物、担体、希釈剤、補助剤または他の成分のことを意味する。適した添加剤には、(a)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アリグネート(alignate)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴムなど、(c)保湿剤、例えばグリセロールなど、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカのデンプン、アルギン酸、ある種の複合シリケートおよび炭酸ナトリウムなど、(e)溶解遅延剤(solution retarder)、例えばパラフィンなど;(f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物など;(g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど;(h)吸着剤、例えばカオリンおよびベントナイトなど;ならびに(i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど、またはそれらの混合物が含まれる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合には、剤形が緩衝剤を含んでもよい。錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤などの固体剤形を、当技術分野で周知の腸溶コーティングおよび他のものといったコーティングおよび外殻(shell)を伴って調製することもできる。固体剤形が乳白剤を含んでもよく、それらが1つまたは複数の活性化合物を腸管のある部分で遅延様式で放出するような組成であってもよい。用いうる包埋用組成物の例には、ポリマー性物質および蝋状物質がある。また、活性化合物が、適宜、上述した添加剤の1つまたは複数とともに、マイクロカプセル封入された形態にあってもよい。そのような固体剤形は一般に、1%〜95%(w/w)の活性化合物を含みうる。ある態様において、活性化合物は5%〜70%(w/w)の範囲にある。
【0042】
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物または化合物の混合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ならびにソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物といった、当技術分野で一般的に用いられる不活性希釈剤も含みうる。そのような不活性希釈剤のほかに、組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および芳香剤といった補助剤も含むことができる。
【0043】
直腸投与のための組成物は、好ましくは、本発明に用いられる化合物を、常温では固体であるが体温では液体であり、そのため直腸内または膣腔内で融解して活性化合物を放出する、カカオ脂、ポリエチレングリコールまたは低融点坐薬ワックスといった適した非刺激性の添加剤または担体と混合することによって調製することのできる坐薬である。
【0044】
本発明に用いられる化合物の局所適用のための剤形には、軟膏、粉剤、噴霧剤および吸入剤が含まれる。活性成分は、無菌条件下で、必要に応じて、生理的に許容される担体および任意の保存料、緩衝剤または噴射剤と混合される。眼科用の製剤、眼軟膏、粉剤および液剤も本発明の範囲内にあるものと想定している。
【0045】
本発明に用いられる化合物および組成物が、時間放出型、遅延放出型または持続的放出型の送達システムを含む、種々の送達システムによる恩恵を受けることもある。そのような選択肢は、化合物および組成物を、以下により詳細に記載するような他の治療法と組み合わせて用いる場合に特に有益な可能性がある。
【0046】
多くの種類の放出送達システムが利用可能であり、当業者に公知である。これらには、ポリ(ラクチド-グリコリド)、コポリオキサレート(copolyoxalate)、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸およびポリ酸無水物といったポリマーを利用するシステムが含まれる。薬物を含む前記のポリマーのマイクロカプセルは、例えば、米国特許第5,075,109号に記載されている。送達システムには非ポリマー性システムも含まれ、これには以下のものがある:コレステロールなどのステロール、コレステロールエステル、脂肪酸、またはモノ-、ジ-およびトリ-グリセリドなどの中性脂肪を含む脂質;ヒドロゲル放出システム;シラスティック(sylastic)システム;ペプチドを利用するシステム;ワックスコーティング;従来の結合剤および添加剤を用いた圧縮錠剤;部分融合インプラント;など。具体的な例には、以下のものが非制限的に含まれる:(a)活性化合物が、米国特許第4,452,775号、同第4,667,014号、同第4,748,034号および同第5,239,660号に記載されたもののようなマトリックス内部にある形態で含まれている崩壊性システム、ならびに(b)活性成分が、米国特許第3,832,253号および同第3,854,480号に記載されたようなポリマーから制御された速度で浸透する拡散システム。加えて、ポンプを利用するハードウエア式送達システムを用いることもでき、そのいくつかは埋め込み用に適合化されている。
【0047】
長期的な持続放出インプラントの使用が望ましいこともある。長期的放出とは、本明細書で用いる場合、インプラントが、治療レベルの活性化合物を少なくとも30日間、好ましくは60日間にわたって送達するように構築および配置されていることを意味する。長期的な持続放出インプラントは当業者に周知であり、これには上記の放出システムのいくつかが含まれる。
【0048】
医薬品製剤は、全身的、局所的および経口的な経路を含む経路により、従来の様式で投与することができる。例えば、投与は、非経口的、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮的、経口的、口腔内もしくは経眼経路で、吸入によって、デポー注射によって、またはインプラントによってのいずれであってもよいが、これらには限定されない。投与は、ボーラスを介して、または注入(例えば、15〜30分間から最長で7日間までの範囲にわたる)によってでありうる。具体的な投与様式は、治療される適応症、および投与される特定の化合物を含む他の要因に依存すると考えられる。投与されるべき化合物の量は、治療的に有効な量である。「治療的有効量」という用語は、特定の疾患もしくは病状の1つもしくは複数の症状を和らげる、減弱させる、もしくは消失させる、または特定の疾患もしくは病状の1つもしくは複数の症状の発現を予防するかもしくは遅延させる、化合物または生物学的製剤またはそれらの組み合わせの量のことを意味する。
【0049】
投与されるべき投与量は、治療される対象の特徴、例えば、治療される特定の患者、年齢、体重、健康状態、もしあれば併用治療の種類などに依存すると考えられる。IAP阻害剤の用量は0.5〜50mg/kgの範囲にわたる。TNFα阻害剤の用量は0.1〜50mg/kgの範囲にわたる。TRAIL受容体アゴニストの用量は0.1〜75mg/kgの範囲にわたる。治療の頻度(例えば、毎日、毎週など)は、定型的な実験により、当業者によって(例えば、臨床医によって)決定可能である。
【0050】
本発明の方法は、固形腫瘍および非固形腫瘍を含む癌、ならびにさまざまな腫瘍を治療する目的で、アポトーシスを誘導するために用いることができる。「治療する」とは、本明細書で用いる場合、腫瘍サイズのような症状を軽減する、安定化する、またはその進行を阻害することを意味する。IAP阻害剤によって治療することのできる癌には、以下のものの1つまたは複数が非限定的に含まれる:肺腺癌、膵癌、結腸癌、卵巣癌、乳癌、中皮腫、末梢神経腫、膀胱癌、膠芽腫、黒色腫、副腎皮質癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、膀胱癌、髄膜腫、神経膠腫、星状細胞腫、乳癌、子宮頸癌、慢性骨髄増殖性障害(例えば、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病)、結腸癌、内分泌癌、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌癌、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、ヘアリー細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、島細胞癌、カポジ肉腫、喉頭癌、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、口唇癌、口腔癌、肝臓癌、男性乳癌、悪性中皮腫、髄芽腫、黒色腫、メルケル細胞癌、転移性頸部扁平上皮癌、多発性骨髄腫および他の形質細胞腫、菌状息肉腫およびセザリー症候群、骨髄異形成症候群、鼻咽頭癌、神経芽腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、中咽頭癌、骨肉腫および骨悪性線維性組織球腫を含む骨悪性腫瘍、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵癌、副鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、松果体芽腫、精巣癌、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管の移行上皮癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ならびにウィルムス腫瘍および他の小児腎腫瘍。
【0051】
TNFα阻害剤は典型的には、好ましくは、IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストが投与される前に最大のTNF阻害が達成されるように、前治療として投与される。TNF阻害を測定するための種々のアッセイが当技術分野で公知であり、TNF阻害をモニターするためにそれらを用いることができる。これらのアッセイには、イムノアッセイおよび競合結合アッセイが非限定的に含まれる。US 2008/0167223号を参照のこと。
【0052】
TNFα阻害剤による前治療は、典型的には、IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストの投与の約1〜約24時間前に行われるが、超即効性のTNF阻害剤はIAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストと本質的に同時に投与しうると考えられる(共投与される)。いくつかの態様において、TNFα阻害剤は、TNFα阻害剤の投与によって和らげることができると考えられる、TNFα上昇に付随する望ましくない作用が観察されるならば、IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストの投与後に投与することができる。Blick et al., Cancer Res. 47, 2986-89, 1987;Kurzrock et al., J. Clin. Oncol. 6, 1328-34, 1988 ;Spriggs et al., J. Nat'l. Cancer Inst. 80, 1039-44, 1988;およびWidenmann et al., J. Cancer Res. Clin. Oncol. 115, 189-92, 1989を参照のこと。
【0053】
IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストは別々に投与することもでき、または同一の薬学的組成物中に存在することもできる。いくつかの態様において、この2種の薬剤は異なる薬学的組成物中に存在し、本質的に同時に、または互いに数分以内に投与することができる。
【0054】
本開示において引用されたすべての特許、特許出願および参考文献は、参照により本明細書に明示的に組み入れられる。上記の開示は、本発明を全般的に説明したものである。以下の具体的な実施例を参照することによってより十分な理解を得ることができるが、それらは例示のみを目的として提供されるものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。
【実施例】
【0055】
実施例1
TNFαの阻害は、ナイーブマウスの血清中でのIAP阻害剤誘導性のカスパーゼ3/7活性の上昇を低下させる
IAP阻害剤「化合物X」は、以下の構造式を有する:

式中、「Me」はメチルである。化合物Xおよびその合成は、US 2006/0194741号に記載されている(その中で化合物Xは化合物第116号である)。化合物Xは、ナイーブ(非担癌)マウスの血清中のカスパーゼ3/7の上昇をもたらす。この実験は、IAP阻害剤によるカスパーゼ3/7活性の誘導を、TNFαの阻害によって遮断しうることを実証している。
【0056】
非担癌NCrヌードマウス(Taconic Farms, Inc., Germantown, NY)に対して、以下の方式に従って腹腔内注射を行った。

【0057】
上記の表において、「抗muTNFα」は、マウスTNFαに対して作製されたモノクローナル抗体であり、「PEG-huTNFR1-FC」は、PEG化ヒトTNFR1と免疫グロブリンFC部分の融合物である;「con-FC」は、FC部分のみである(対照)。TNFR1と免疫グロブリンFC部分の融合物は、米国特許第5,808,029号;同第5,605,690号;または同第6,143,866号に記載された方法を用いて調製することができる。PEG化の方法は当技術分野において周知である。注射容積はすべて100μlとし、各群はマウス3匹からなった。
【0058】
前治療用注射は、治療用注射の2時間前に投与した。治療用注射の6時間後にマウスを殺処理し、血清を採取して-80℃で保存した。血清試料中のカスパーゼ3/7活性は、CASPASE-GLO(登録商標)3/7 Assay System(Promega, Madison, WI)を製造元の推奨に従って用いて評価した。このアッセイは、カスパーゼ-3/7活性、ルシフェラーゼ活性および細胞溶解のために最適化された試薬中に、発光前駆体カスパーゼ-3/7アミノルシフェリン基質(Asp-Glu-Val-Asp)および耐熱性ルシフェラーゼを用意している。試薬を添加すると、細胞溶解が引き起こされ、それに続いてカスパーゼによる基質切断が起こり、そのために遊離アミノルシフェリンが放出される;この遊離アミノルシフェリンがルシフェラーゼによって消費されて、カスパーゼ-3/7活性に比例する発光シグナルを生じる。相対的光単位(RLU)は、Wallac Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を用いて決定した。
【0059】
その結果を図1に示す。IAP阻害剤である化合物Xの腹腔内注射は、ナイーブマウスの血清中のカスパーゼ3/7活性の上昇をもたらした(第2群および第12群)。しかし、マウスに対してマウスTNFαに対する中和抗体をまず注射した場合には、カスパーゼ3/7活性は劇的に低下した(第10群)。加えて、種々の用量の組換えタンパク質PEG-huTNFR1-FCの投与も、ナイーブマウスの血清中での化合物X誘導性のカスパーゼ3/7活性を阻害した(第3〜7群)。
【0060】
これらの実験は、ナイーブマウスの血清中でのIAP阻害剤誘導性のカスパーゼ3/7活性の上昇が、TNFαの阻害によって低下することを実証している。
【0061】
実施例2
野生型マウスおよびTNFR欠損マウスにおける、アポトーシスのさまざまな指標に対する比較的低用量のIAP阻害剤の効果の比較
cIAPの阻害はTNFα産生のアップレギュレーションによって細胞死を引き起こす。このため、TNFR(p55/p75)ダブルノックアウト(DKO)マウスは、野生型(WT)マウスと比較して、cIAP阻害に応答したアポトーシスを起こしにくいはずである。この仮説を検証するために、IAP阻害剤である化合物Xを、WTマウスおよびp55/p75TNFRダブルノックアウト(TNFR DKO)マウスに投与した。アポトーシス活性は、血清カスパーゼ3レベルの測定、血球数のモニタリング、および免疫組織化学検査による特定組織におけるアポトーシスの組織学的分析によって評価した。
【0062】
およそ6週齡のC57Bl/6 WTマウスまたはTNFR DKOマウスを、Taconic Farms, Inc.から入手した。化合物Xを、陰イオン性に荷電したスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの一種である12.5% CAPTISOL(登録商標)中にある状態で製剤化し、WTマウスまたはTNFR DKOマウスに対して30mg/kgを連続5日間にわたり毎日腹腔内投与した。群には、媒体(n=5)または化合物X(n=10)を投与するWTマウスまたはTNFR DKOマウスを含めた。体重は第0日から第8日までの試験期間を通じてモニターした。化合物X投与群からの5匹のマウスを、第5日に5回目の連日投薬からおよそ5時間後に剖検し、血清カスパーゼ3レベル、全血算値(CBC)および組織特異的アポトーシスを評価した。全血を心臓穿刺によって採取し、標準的な手順に従って血清を分離した。血清カスパーゼ3レベルは、上記のPromega CASPASE-GLO(登録商標)3/7 Assay Systemを用いて定量した。
【0063】
残りのマウスは回復させた上で、第9日に剖検を行った(媒体投与群および化合物X投与群からそれぞれマウス5匹)。採取した組織には、皮膚、心臓、肺、胸腺、胃、小腸および結腸が含まれた。組織は10%中性緩衝ホルマリン中で固定し、パラフィン中に包埋して、5μm厚の切片とし、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色した上で、透過光顕微鏡検査によって調べた。組織病理学的病変を同定し、主観的にグレード評価して以下の等級に分けた:0(変化なし)、1(無視しうる程度の変化)、2(軽度の変化)、3(中等度の変化)、4(顕著な変化)および5(重度の変化)。各病変カテゴリーに関する重症度グレードを1群当たり動物3匹ずつについて平均した。
【0064】
この用量での化合物Xによる治療は、WTマウスおよびTNFR DKOマウスのいずれにおいても最小限の体重減少しかもたらさなかった(図2)。C57Bl/6マウスは、他のいくつかのマウス系統よりも種々の薬剤に対する感受性が低いことが知られている。体重減少によって評価した、化合物Xに対するそれらの忍容性は、他の系統よりも高いように思われた(化合物Xにより上記の通りに治療したBalb/cおよびNcrヌードマウスでは10%を上回る体重減少が観察された)。
【0065】
CBCのデータは、WTマウスおよびTNFR DKOマウスのいずれにおいても第5日の時点で血小板および網状赤血球の減少がみられ、第9日までに回復するが、第5日の時点ではWTマウスの方がTNFR DKOマウスよりも大きく影響されることを示唆している(図4、5)。
【0066】
血清カスパーゼ3レベルは、第5日の時点ではTNFR DKOマウスよりもWTマウスで高く、このことはcIAP阻害後のアポトーシスの誘導にはTNFシグナル伝達経路が重要であることを指し示している。血清カスパーゼ3レベルは、化合物Xを投与したWTマウスおよびTNFR DKOマウスのいずれにおいても第9日までにベースラインに復帰した。図3を参照のこと。
【0067】
化合物Xによる治療は、腸管上皮(図6、7)および表皮基底細胞(図8、9)のアポトーシスを誘導し、胸腺のリンパ球の変性およびアポトーシスを引き起こした(図10、11)。回復中のマウスの脾臓における髄外造血の程度に関する間接的な証拠は、骨髄の造血細胞も治療後に変性したことを指し示している。化合物Xによる治療によって引き起こされる影響は、WTマウスよりもTNFR DKOマウスで有意に重症度が低いか、または有効に予防された(胸腺皮質萎縮および造血細胞変性)。
【0068】
実施例3
野生型マウスおよびTNFR欠損マウスにおける、アポトーシスのさまざまな指標に対する比較的高用量のIAP阻害剤の効果の比較
C57Bl/6マウスは、他のいくつかのマウス系統よりも種々の薬剤に対する感受性が低いことが知られている。実施例2で考察したように、体重減少によって評価した、化合物Xに対するそれらの忍容性は、他の系統よりも高いように思われた。この結果を受けて、他のマウス系統で以前に観察されているものと同程度のより強固な応答をC57Bl/6マウスにおいて誘発させる目的で、より高用量の化合物Xを用いて試験を繰り返した。
【0069】
本実施例では、上記の実施例2における30mg/kgとは異なり、IAP阻害剤である化合物Xを、野生型(WT)マウスおよびp55/p75 TNFRダブルノックアウト(TNFR DKO)マウスに対して40mg/kgをqdx5で腹腔内投与した。TNFαにより媒介される毒性は、血清カスパーゼ3レベルを測定することにより、および血球数をモニターすることによって評価した。
【0070】
およそ16週齡のC57Bl/6 WTマウスまたはTNFR DKOマウスを、Taconic Farms, Inc.から入手した。化合物Xを、陰イオン性に荷電したスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの一種である12.5% CAPTISOL(登録商標)中にある状態で製剤化し、WTマウスまたはTNFR DKOマウスに対して40mg/kgを連続5日間にわたり毎日腹腔内投与した。群には、媒体(n=13)または化合物X(n=13または14)を投与するWTマウスまたはTNFR DKOマウスを含めた。体重は第1日から第5日までの試験期間を通じてモニターした。すべてのマウスを、第5日に5回目の連日投薬からおよそ4〜6時間後に剖検し、血清カスパーゼ3レベル、全血算値(CBC)および組織特異的アポトーシスを評価した。全血を心臓穿刺によって採取し、標準的な手順に従って血清を分離した。血清カスパーゼ3レベルは、以前の記載の通りにPromega CASPASE-GLO(登録商標)3/7 Assay Systemを用いて定量した。
【0071】
40mg/kgの化合物Xによる治療は、WTマウスにおいて10%の体重減少をもたらしたが、これに対してTNFR DKOマウスでは0%であった(図12A)。このデータは、TNF受容体を介したシグナル伝達が、化合物X誘導性の体重減少に寄与することを示唆している。
【0072】
血清カスパーゼ3レベルは、TNFR DKOマウスと比較してWTマウスで上昇しており、このことはcIAP阻害後のアポトーシスの誘導にはTNFシグナル伝達経路が重要であることを指し示している(図12B)。
【0073】
CBCのデータは、第5日の時点での、TNFR DKOマウスと比較した、WTマウスにおける網状赤血球、血小板および白血球の顕著な減少を指し示している。赤血球数およびヘモグロビン数は、WTマウスおよびTNFR DKOマウスのいずれにおいても、化合物Xによる治療後に比較的変化しなかった(図13A〜C)。WTマウスおよびTNFR DKOマウスのいずれにおいても、媒体対照に比して、化合物Xによる治療後に好中球は増加し、リンパ球は減少するように思われた(図13D)。
【0074】
実施例4
TNFαの阻害が、インビトロでのTRAIL受容体アゴニストとIAP阻害剤の相乗作用を遮断しないことの実証
細胞を平底96ウェルプレート(底は透明、壁は白色)に1×104個/ウェルの濃度で播き、37℃、5% CO2の下で一晩インキュベートした。その翌日に、0.24ng/ml〜1μg/mlの範囲の濃度(4倍系列希釈)のTRAILと、0.01nM〜10mMの範囲の濃度(10倍系列希釈)のIAP阻害剤である化合物Xの組み合わせによって細胞を刺激した。
【0075】
いくつかの培養物には、TRAILおよび化合物Xの組み合わせの添加の2時間前に、ヒトTNFαに対する遮断抗体(R&D Systems, Minneapolis, MN)を最終濃度5μg/mlで添加した。最終的な培養容積は100μlとした。
【0076】
48時間後に、ホタル(フォチナス-フィラリス(Photinus pyralis))ルシフェラーゼを利用するアデノシン三リン酸(ATP)モニタリングシステムの一種であるATPLITE(商標)アッセイ(Perkin Elmer, Waltham, MA)を製造元の推奨に従って用いて、細胞生存度を判定した。相対的光単位(RLU)は、LJL Biosystems Analyst HTプレートリーダー(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)を用いて測定した。生存細胞のパーセントは以下の通りに計算した:(実験RLU/対照RLU)×100。対照RLUは、非処置細胞を検査することによって決定した。その結果を図14に示す。
【0077】
図14Aに示されているように、結腸癌細胞株HCT116は、化合物X誘導性の細胞死に対しては耐性があるが、高濃度(1μg/ml)のTRAILの下では細胞の40%しか生存しないことから、TRAILに対してはある程度の感受性を示す。しかし、TRAILおよび化合物Xを本質的に同時に投与したところ、細胞死滅に対する作用の増強がみられるように思われた。細胞死滅に対するこの相乗作用は、ヒトTNFαに対する中和抗体の存在下で遮断されなかった(図14B)。
【0078】
図14Cは、黒色腫細胞株A375は、化合物XまたはTRAILのいずれかによって誘導される単剤性死滅に対して部分的な耐性があることを実証している;しかし、TRAILおよび化合物Xの組み合わせは、極めて効率的な細胞死滅を誘導する。HCT116細胞株と同様に、この相乗作用は、ヒトTNFαに対する中和抗体の存在下で変化しない(図14D)。
【0079】
卵巣癌細胞株SKOV-3は、TRAIL誘導性の細胞死に対しては耐性があるが、化合物X誘導性の細胞死に対してはある程度の感受性を有するように思われる(図14E)。ヒトTNFαに対する中和抗体の存在が、化合物X誘導性の細胞死滅を遮断することからみて、この単剤性効力はTNFαを介して媒介される(図14F)。興味深いことに、TRAILおよび化合物XをヒトTNFαに対する中和抗体と合わせて用いると、抗体に起因する、化合物X誘導性の細胞死滅の阻害は排除され、この組み合わせは強力な細胞死滅を呈する。同様の結果は以下の癌細胞株でも得られている:Colo205(ヒト結腸腺癌)、MDA-MB-468(ヒト乳腺癌)、HCT-15(ヒト結腸腺癌)、MDA-MB-231(ヒト乳腺癌;American Type Culture Collection, ATCCから入手)、および異なる亜系の1つであるMDA-MB-231(亜系BB)。
【0080】
これらの結果は、TNFαの阻害が、インビトロでのTRAILおよびIAP阻害剤の組み合わせによる抗腫瘍活性の増強を遮断しないことを実証している。
【0081】
実施例5
TNFα阻害剤、IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストによるマウスの治療
本実施例は、マウスをTNFα阻害剤、IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストで治療した実験の結果を報告する。TNFα阻害剤は「TNFR1-FC」(実施例1参照)とした。IAP阻害剤は化合物X(実施例1参照)とした。抗腫瘍活性を予測することのできる、腫瘍カスパーゼ活性化に対する効果を評価するためのTRAIL受容体アゴニストは、アゴニスト性抗体(ヒトTRAIL受容体2すなわちDR5に対して作製されたマウスモノクローナル抗体である抗体「M413」;Griffith et al., J. Immunol. 162, 2597-605, 1999を参照)とした。
【0082】
SKOV3担癌マウスに対して、図15中のグラフに記したように治療を行った。合計500μgのTNFR1-FCの投与を受けるマウスに対して、あらかじめ2時間前に前治療を行った。化合物X(15mg/kg)、M413(合計50μg)またはその両方による治療から6時間後に、マウスをCO2窒息によって安楽死させ、腫瘍を摘出して、液体窒素中で急速凍結させた。腫瘍をTissuelyser装置(Qiagen, Valencia, CA)でホモジナイズした。手短に述べると、腫瘍を、およそ緩衝液1μl/組織1mgという比にある、プロテアーゼ阻害剤(Roche, Indianapolis, IN)を含むRIPA溶解緩衝液(Thermo Scientific, Rockford, IL)中にて、5mmステンレス鋼ビーズ(Qiagen)を用いてホモジナイズした。腫瘍組織が完全に解離するまで、Tissuelyser中で溶解物を30Hz、90秒間を1サイクルとして合計3〜4サイクル処理した。続いて溶解物を、残渣をペレット化するための4℃、14,000rpmでの10分間の遠心によってQiashredderチューブ(Qiagen)を通して濾過した。腫瘍溶解上清を新たなチューブに移し、BCAアッセイを製造元の推奨(Thermo)に従って用いてタンパク質濃度を決定した。
【0083】
製造元の仕様書(Meso Scale Discovery, Gaithersburg, MD)に従ったMSD切断カスパーゼ-3アッセイにより、腫瘍溶解物を切断されたカスパーゼ-3の存在に関して分析した。相対的光単位(RLU)はSectorプレートリーダー(Meso Scale Discovery)を用いて測定した。その結果を図15に示す。媒体を投与したマウスはレーン1に示されており、それはSKOV3腫瘍における活性化カスパーゼ3の基礎的バックグラウンドレベルを表示している。
【0084】
予想された通り、化合物XのみによるSKOV3腫瘍の治療は、媒体対照を上回る活性化カスパーゼ3の増加をもたらした(レーン2)。DR5抗体M413による治療も媒体対照を上回ってカスパーゼ3活性を上昇させたが、化合物Xがそれを上昇させた程度には及ばなかった(レーン3)。化合物XとM413の組み合わせは、化合物Xのみで認められた活性と同程度であり、このことは化合物Xによる腫瘍カスパーゼ誘導がすでに最大レベルにあったことを示唆する。TNFR1-Fcのみによる腫瘍の治療(レーン5)は、腫瘍カスパーゼ活性に対して何ら影響を及ぼさなかった。しかし、TNFR1-Fcを化合物Xの2時間前に添加した場合には、それは化合物X誘導性の腫瘍カスパーゼ活性を部分的に遮断した(レーン6とレーン2を比較されたい)。このことは、SKOV3腫瘍における化合物X単剤誘導性の腫瘍カスパーゼ活性のためにTNFが必要であり、TNFR1-Fcを用いたTNFの遮断がこの作用を減じさせうることを示唆している。
【0085】
観察された、化合物X誘導性のカスパーゼ活性化のTNFR1-Fcによる部分的遮断は、TNFR1-Fcの量が限られていたこと、またはより長期的な前治療期間が必要であることのいずれかに起因した可能性がある。TNFR1-Fcによる前治療は、M413の作用に対して影響を及ぼさないと予想される。これに一致して、TNFR1-FcおよびM413の存在下における腫瘍カスパーゼ活性化の低下はごくわずかであった(レーン7)。レーン6に示されているように、TNFR1-Fcによるマウスの前治療は、化合物X単剤により媒介されるSKOV3腫瘍のカスパーゼ活性化を遮断することができる。しかし、DR5アゴニスト性抗体M413をTNFR1-Fcの存在下で化合物Xと組み合わせて添加した場合には、腫瘍カスパーゼ活性の最大の誘導が観察された(レーン8)。このことは、化合物Xの単剤活性の遮断(TNFの遮断による)は、化合物XがM413と協同的に作用する能力に何ら影響を及ぼさなったことを示唆する。
【0086】
これらのデータは、化合物Xの単剤活性と、化合物XのM413などのTRAIL受容体アゴニストとの協同作用が、別個の経路を介して働くことを裏づける。これらのデータはまた、TNF遮断薬が、インビボでの化合物X-TRAIL受容体アゴニストの抗腫瘍活性を可能にするように働くことができ、同時に望ましくない作用の可能性は低下させうるという見解も裏づける。
【0087】
本明細書に記載された本発明は、本明細書に記載された治療法の組み合わせに関する情報を、予期される患者もしくは実際の患者または処方者に広めることを含む、IAP阻害剤、TNFα阻害剤またはTRAIL受容体アゴニストの販売促進または販売の方法のために適している。そのような情報には、例えば、IAP阻害療法に付随する可能性のある望ましくない作用を、上記のように、TNFα阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストと組み合わせてそれを投与する形での比較的低用量のIAP阻害剤の投与によって緩和しうることが含まれうる。
【0088】
本発明のさまざまな局面に関する前記の説明は、例示および説明を目的として提示されている。これは、網羅的であることも、本発明を開示された厳密な形態に限定することも意図しておらず、明らかに、多くの修正および変更が可能である。当業者にとって明らかであると考えられるそのような修正および変更は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の治療を必要とする患者に対して、
(a)TNFα阻害剤;
(b)IAP阻害剤;および
(c)TRAIL受容体アゴニスト、
の治療的有効量を投与する段階を含む、癌を治療する方法。
【請求項2】
IAP阻害剤が低分子である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
TNFα阻害剤が低分子である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
TRAIL受容体アゴニストが低分子である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストを同時に投与する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストを逐次的に投与する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
癌が卵巣癌、乳癌および結腸癌からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
IAP阻害剤がSmac模倣物である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
TNFα阻害剤が抗体である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
抗体がインフリキシマブおよびアダリムマブからなる群より選択される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
IAP阻害剤およびTRAIL受容体アゴニストの投与の前に、TNFα阻害剤を、TNFαの阻害を達成するのに十分な時間にわたって投与する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
TNFα阻害剤がエタネルセプトである、請求項1記載の方法。
【請求項13】
TRAIL受容体アゴニストが抗体である、請求項1記載の方法。
【請求項14】
抗体がDR4抗体である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
抗体がDR5抗体である、請求項13記載の方法。
【請求項16】
抗体がDR4抗体およびDR-5抗体である、請求項13記載の方法。
【請求項17】
TRAIL受容体アゴニストが可溶性TRAILポリペプチドである、請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−502994(P2012−502994A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527854(P2011−527854)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/052789
【国際公開番号】WO2010/033315
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(500049716)アムジエン・インコーポレーテツド (242)
【出願人】(507013626)テトラロジック ファーマシューティカルズ コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】