治療薬及び対応する治療
MT103ファミリーメンバーを用いた組成物及び方法である。MT103は、化学物質N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドである。組成物の使用は癌治療、抗細菌剤、抗カビ剤、アポトーシス誘導及びホルモン拮抗剤を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本発明は、一般的に、癌の治療方法及び細胞の成長を抑制する方法に関する。
【0002】
背景
癌は多くの人間が罹患する疾患であり、ヒト及び非ヒト動物における死因の上位となっている。癌は、典型的には、多くの新しい細胞を生成する細胞の制御不能な成長によって成長する細胞が関与している。多くの抗癌剤は細胞の成長を抑制又は停止させる薬品である。
【0003】
多くの抗癌剤は癌及び腫瘍細胞に対して有効であることが判っているが、一部の癌及び腫瘍はこれらの薬品への応答が乏しい。さらに、多くの抗癌剤は体内の他の細胞も同様に破壊する。このため、新しい抗癌剤が必要とされており、特定の癌の型を標的とすることができる薬品が望ましい。
【0004】
細胞の成長を抑制する薬剤は抗癌剤として有用である。米国国立癌研究所(NCI)は抗癌剤の試験に関与する米国政府の機関である。NCIは3細胞系統試験を用いた潜在的抗癌剤のスクリーニング試験を実施することが多い。3細胞系統のそれぞれは癌細胞の型である。細胞が薬品候補に曝露され、そして、細胞の成長の停止及び/又は細胞の殺傷における薬品の有効性が測定される。
【0005】
NCIは、典型的には、約60細胞系統のさらに別の集団を用いて最も信頼できる薬品を試験し、そして、細胞成長を停止するとともに細胞を殺傷するために必要な薬品の用量が測定される。癌細胞の成長を約50%抑制するために必要な薬品の用量は薬品のGI50濃度として表記される。GI50が低いほど抗癌剤は有効性が高い。GI50は、場合によっては、−log(GI50)の単位で表記され、−log(GI50)の値が高いほど抗癌剤の有効性が高くなる。細胞成長を約100%停止するために必要な薬品の用量は薬品の総成長抑制(TGI)濃度と表記される。細胞の初期数の50%まで細胞数を低減するために必要な薬品の用量はLC50濃度と呼ばれる。TGI又はLC50が低いほど、抗癌剤の力価は高い。
【0006】
新しい抗癌剤の生成はやりがいのある過程である。重要な工程は、初期スクリーニングのための薬品候補の選択である。これらの薬品候補を選択するために多くの方法が用いられている。一つの方法は抗癌剤として有用な物理化学的特性を有する分子を設計するためのコンピューターモデリングを使用することである。
【非特許文献1】CATIVIELA,C. et al., Tetrahedron: Asymmetry5(2), pp.261-268, 1994
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明は、例えば、図1〜8に示すとおり、治療薬化合物のMT103ファミリーに関する実施形態を包含する。本発明の実施形態は患者の治療のための図1〜8に記載の化合物を、例えば、癌治療薬として、及び、抗細菌剤、抗カビ剤、アポトーシス剤及びホルモン拮抗剤として使用する方法である。
【0008】
本発明の実施形態は患者の治療方法を包含する。この方法は図8に示された式を有する化学物質を含む組成物の治療有効量を患者に投与する段階を含む。式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、C1−C3アルキル、ハロゲン、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、また、R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される。別の実施形態においては、R8及びR9は、独立して、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される。
【0009】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明の実施形態は、生物活性を有し、細胞機能に影響し、さらに、癌を抑制する薬品のファミリーであり、本明細書においては、MT103ファミリーと呼ばれるものである。このファミリーの種は、図1に示されるN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドであり、これも、本明細書において、MT103と呼ばれる。薬品のMT103ファミリーの他のメンバーは図2〜7に示されている。図8はMT103ファミリーの全体的な一般的構造を示す。MT103は位相幾何学的コンピューターモデルを用いて、抗癌剤であることが発見された。MT103は、NCIによって試験され、以下の実施例において詳述するとおり、効果的な抗癌剤であるとともに細胞成長の効果的な阻害剤であることがわかった。同じモデルは、MT103ファミリーが、一般的に、生物活性を有し、癌、特に、非小細胞肺癌に対して抑制作用を有することを示している。
【0010】
非小細胞肺癌は肺の新生物の型である。実際、原発性の肺新生物の95%は気管支原性の癌腫/表皮新生物である。気管支原性癌腫は、一般的に、二つの群、即ち、全症例の約20%に相当する小細胞肺癌、及び全症例の約80%に相当する非小細胞肺癌に分類される。非小細胞肺癌群は、さらに、細胞の形態に基づいて、三つの腫瘍分類に細分される。一つの分類は扁平包皮細胞癌(類表皮癌腫とも呼ばれる)であり、これは非小細胞肺癌の症例の約40%に相当する。第2の分類は腺癌であり、これは全症例の45%に相当し、非喫煙者における最も一般的な肺癌である。残りの10%の症例は大細胞肺癌であり、これは急激に致命的となる。
【0011】
実施例に記載するとおり、MT103は、HOP−92細胞(大細胞モデル)、NCI−H460(大細胞モデル)、NCI−H522(腺癌モデル)及びNCI−H226細胞系統(扁平上皮細胞モデル)を含む複数の細胞を用いた試験により明らかにされたとおり、非小細胞肺癌の3分類全てに対して活性を示した。試験は三つ全ての原発性の非小細胞肺癌の腫瘍型に対して活性を示した。これらの試験は、以下の実施例において、さらに記載される。
【0012】
MT103は、一般的に、癌細胞に対して有効であり、特に、非小細胞肺癌細胞に対して有効である。実際、MT103は、HOP−92非小細胞肺癌細胞系統において、NCIにより試験されたところ、5.6の−logGI50値を有しており、これは、MT103がこの種の癌に対して特に有効であることを示す大きな値である。従って、MT103のモチーフを共有するMT103のファミリーのメンバーは、また、MT103の抗癌機能並びにその作用様式及び他の機能をも有することが期待される。
【0013】
コンピューターモデリング及び他の化学物質との比較によれば、MT103及びMT103ファミリーは抗癌剤、アポトーシス誘導剤、ホルモン拮抗剤、抗細菌剤、抗カビ剤及び血中脂質低下剤であることがわかっている。このような比較のために使用される一部の化学物質は、タモキシフェン、アナストロゾール及びフルタミドである。
【0014】
MT103ファミリーの薬品は、一般的に、これらの特性を有しているため、それらは癌を抑制するために、さらには、患者においてアポトーシス剤、ホルモン拮抗剤、抗細菌剤、抗カビ剤及び血中脂質低下剤として機能させるために、患者を治療するのに使用される。インビトロ及びインビボの細胞は、この目的のために、MT103ファミリーのメンバーに曝露される。MT103及びMT103ファミリーは特定の癌の型の治療又は治癒のための薬品としてのみならず、ヒト及び非ヒト動物における特定の癌の型を抑制する薬品として有用である。さらに、アポトーシス剤、ホルモン拮抗剤、抗細菌剤及び抗カビ剤は多くの方法で使用される重要な市販品であり、同様に、MT103ファミリーのメンバーもこのような目的のために使用することができる。
【0015】
血中脂質低下剤療法は、高脂血症(高コレステロール血症)において、コレステロール値を低下させるために使用される。これらの薬品は低密度リポ蛋白(LDL)の上昇によって主に誘発される高コレステロール値を有する患者に対する良好にコントロールされた試験において使用されている。これらの治験の結果は、高コレステロール血症の患者が中等度の用量の血中脂質低下剤で治療された場合に、冠動脈心疾患(CHD)の死亡率が30%から40%も低下したこと、及び非致命的な事象も同様に低下したことを示している[Scandinavian Simvastatin Survival Study Group,1994:Shepard et al., 1995; The Long-Term Intervention with Pravastatin in Ischaemic Disease(LIPID) Study Group,1998]。
【0016】
さらに、化学物質のMT103ファミリーは、インビトロ及びインビボで細胞の成長を遅延又は停止するため、細胞を殺すため、又は細胞の成長を抑制するために、インビトロ及びインビボで使用することができる。アポトーシス誘導物質及びホルモン拮抗剤は、細胞へのインビトロ及びインビボの投与に関する価値ある研究用具である。抗細菌剤及び抗カビ剤は、インビトロ、インビボ、エクスビボ、ヒトにおいて、非ヒトにおいて、さらには、複数の環境、例えば、居住地、商業地、病院及び工場の環境において、細菌及びカビを抑制、阻害及び/又は殺滅するための価値ある製造物である。これらの化合物は、患者のための最適な治療又は他の目的を達成するために、単独で、又は他の薬品と組み合わせて使用することができる。
【0017】
本発明の多くの化合物は、特定の型の癌における使用に最も適しているが、種々の癌の治療においても有用である。そうした癌には、限定的ではないが、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝癌、肺癌が含まれ、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、すい臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌及び皮膚癌が含まれ、扁平上皮癌;リンパ系の造血系腫瘍が含まれ、白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセルリンパ腫及びバーキットリンパ腫;骨髄系の造血細胞腫瘍が含まれ、急性又は慢性の骨髄性白血病、骨髄形成不全症候群及び前骨髄球性白血病;間葉原発性腫瘍が含まれ、繊維肉腫及び横紋筋肉腫;中枢及び末梢神経系の腫瘍が含まれ、星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫及び神経鞘腫;他の腫瘍が含まれ、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、乾皮症、色素腫、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌及びカポジ肉腫が含まれる。本発明の別の実施形態によれば、本発明の化合物は、細胞増殖性障害、例えば、アルツハイマー病、ウイルス感染症、自己免疫疾患及び神経変性障害の治療に関する。
【0018】
MT103及びMT103ファミリーは、また、医療機器との組み合わせにおいて供給される場合に有用である。そうした医療機器は、例えば、血管中又は身体の他の部分において使用するステント、心臓弁、ペースメーカー、除細動器、血管形成装置、人工血管、人工心臓、カテーテル、留置用及び一時的なカテーテル、血液と接触させながら一時的、恒久的又は半恒久的に配置される装置、オキシゲネーター配管、血液ポンプ、血液フィルター、センサー、バイオセンサー、診断キット、血管に接触する装置、薬剤デリバリーシステム及び医療用インプラントである。MT103ファミリー化合物の一つの機能は、移植された装置の周囲における細胞の成長を抑制することである。抑制は短期、例えば、身体の炎症反応が最も活動性である期間、より長期間、又は、恒久的に行うことができる。細胞成長の抑制は、血管形成術及び血管内へのステント移植の後における再狭窄の予防のために重要な方法である。細胞成長の抑制は、また、移植された装置の生体適合性を増強させるために重要な方法であり、装置への身体の反応が最小化される。
【0019】
図8はMT103ファミリーのモチーフを示す。図8のモチーフは、治療機能に関して重要であることが、コンピューターモデリングによってわかっている。R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br及び/又はI)、C1−C3アルキル、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ基、エーテル(アルコキシ)基、エステル(アルコキシカルボニル)基、アミド(カルボキシアミド)基及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、そして、R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される。一部の実施形態においては、MT103ファミリーの種は、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群からのR8及びR9の独立した選択によって特徴付けられる。R1からR9に関して、また、R8及びR9の位置におけるC6の誘導体化に関して、本明細書に記載された化学基の何れかの組み合わせの使用は、その立体異性体と同様、MT103の機能を有する化学物質をもたらすと考えられる。図1〜8に示す構造の立体異性体はMT103ファミリーのメンバーであり、MT103の機能を有すると期待される。本明細書において使用されるように、Cnの表記は炭素数nの化学物質又は化学基を指す。
【0020】
MT103ファミリーの一部の化学基は、ファミリーの他のメンバーも所望の特性を有すると考えられるけれども、好ましいと考えられる。これらには、R6及びR7における水素又は短いアルキル及びアルケニル、特に、メチルが含まれる。C6シクロアルキル又はそれらの誘導体はR8及びR9において好ましいと考えられる。特に、R8及びR9については、C6の少なくとも2位置においてヒドロキシル又はカルボキシルを有するそうしたC6誘導体が好ましい。実際、図6及び7に示された化合物は、MT103と比較して増強された活性を有することがコンピューターモデリングによって予測される。逆に、R8及びR9においてメチル基を有する図3に示されたMT103ファミリーのメンバーは、MT103に比較して、一般的に、低い活性を有することが予測される。R1からR5の位置におけるヒドロキシル基少なくとも1個の存在は好ましいが、機能上必須であるとは考えられない。
【0021】
MT103ファミリーの種には、例えば、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの立体異性体が含まれる。N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドの鏡像異性体には、(1S)−10−(N,N−ジシクロヘキシルスルファモイル)イソボルネオール及び(1R)−10−(N,N−ジシクロヘキシルスルファモイル)イソボルネオールが含まれる。
【0022】
MT103は市販品供給元(例えば、ALDRICH、FLUKA、CAS番号99295−72−4)から購入できるし、Chiral auxiliary conferring excellent diastereodifferentiation in reactions of O-enoyl and enolate derivatives, W.Oppolzer, Tetrahedron 43,1969(1987)、及びW.Oppolzer及びEantioselectivesystheses of -amino acids from 10-sulfonamido-isobornyl esters and di-t-butyl azodicarboxylate, R.Moretti, Tetrahedron 44, 5541(1988)に記載されている通りの方法で合成することもできる。Oppolzerはある種の立体特異的化学物質を生成するための有用な薬剤としてのMT103の使用を記載している。他の研究者は立体化学的使用のための化合物として、MT103及びMT103の化学修飾誘導体を記載した研究論文を発表している。
【0023】
図9はMT103ファミリーのメンバーを形成するために使用できるスルホンアミドの調製のための反応スキームを示している。図9を参照すると、アリール及びアルキルスルホニルクロリドが1工程反応において第2アミンと反応させられる。R、R’及び“がアミン、カルボキシル又はヒドロキシル基を含む場合、過剰な数の二次的生成物の生成を防止するために、典型的には、保護基が用いられる。当業者であれば、本明細書に記載したMT103の変異体及びMT103の特徴を共有する化学物質のファミリーに属する他の化学物質を合成できるであろう。スルホンアミドの合成に関する参考文献としては、例えば、Gong,B.; Zheng,C.; Skrzpczak-Jankun,E.; Yan,Y.; Zhang,J.; J.Am.Chem.Soc. 1998, 120,11194-11195; Gong,B.; Zheng,C.; Zeng,H; Zhu,J., J.Am.Chem.Soc, 1999, 121,9766-9767; Nuckolls C., Hof,F.; Martin,T.; RebekJ Jr.; J.Am.Chem.Soc. 1999, 121,10281-10285; R.Ohme; H.Preuschhof.Liebigs Ann.Chem. 713,74-86(1968); TetrahedronLetters, 38,50,8691-86(1997)、及びBermann,Manfred; Van Wazer,John R.Synthesis (1972),(10),576-7がある。
【0024】
本明細書に記載された化合物の製薬上許容し得る塩は当業者に周知の方法によって合成できる。例えば、Pharmaceutical Salts: Properties,Selection and Use, P.Heinrich Stahl(Editor), Camille G.Wermuth(Editor)June2002が参照される。一般的には、このような塩はこれらの化合物の遊離の塩基の形態を水又は有機溶媒中、又は両方の混合物中で適切な酸の化学量論的な量と反応させることによって調製される。一般的には、非水性の媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルが好ましい。いくつかの適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton,Pa, 1985に見られる。
【0025】
一部の実施形態においては、本明細書に記載した化合物は、癌又は腫瘍の治療のために、一つ以上の力価増強剤及び/又は化学療法剤と組み合わせて使用される。力価増強剤及び複合治療の例及び説明は、例えば、米国特許6,290,929号及び6,352,844号に記載されている。
【0026】
本明細書に記載された化合物は、単一の活性薬品として、又は他の抗癌剤化合物及び他の癌又は腫瘍の成長抑制化合物との混合物として投与できる。化合物は、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、顆粒、エリキシル、チンキ、懸濁液、シロップ及び乳液を含む経口投与形態で投与可能である。さらに、化合物は静脈内(単回投与又は静注)、腹腔内、皮下又は筋肉内の投与形態で投与できる。
【0027】
本明細書に記載された化合物は、典型的には、投与の意図する形態に関して適当に選択されるとともに従来の薬学的慣行に合致した適当な製薬用の希釈剤、賦形剤、増量剤又は担体(本明細書においては製薬上許容し得る担体又は担体と呼ぶ)との混合物として投与される。供給可能な化合物は経口、直腸、局所、静脈内注射又は非経腸投与に適した形態であろう。担体には固体又は液体が包含され、そして、担体の種類は使用する投与の種類に基づいて選択される。
【0028】
本発明において有用な投与形態を形成するための方法及び組成物は、例えば、以下の参考文献に記載されている。7 Modern Pharmaceutics, Chapters 9 and 10 (Banker&Rhodes, Editors, 1979); Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (Lieberman et al., 1981); Ansel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 2nd Edition (1976); Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., (Mack Publishing Company, Easton,Pa., 1985); Advances in Pharmaceutical Sciences (DavidGanderton, Trevor Jones,Eds., 1992); Advances in Pharmaceutical Sciences Vol.7, (David Ganderton, TrevorJones, James McGinity, Eds., 1995); Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms(Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Series 36 (James McGinity, Ed., 1989); Pharmaceutical Particulate Carriers: Therapeutic Applications: Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Vol.61 (Alain Rolland, Ed., 1993); Drug Delivery to the Gastrointestinal Tract (Ellis Horwood Books in the Biological Sciences. Series in Pharmaceutical Technology; J.G.Hardy, S.S.Davis, Clive G. Wilson, Eds.); Modern Pharmaceutics Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Vol 40 (Gilbert S. Banker, Christopher T. Rhodes, Eds.)。
【0029】
例えば、丸薬用の担体として、適当なバインダー、潤滑液、錠剤崩壊剤、着色剤、フレーバー剤、流動性誘導剤及び溶融剤を含めることができる。例えば、活性薬品成分は経口用の非毒性の製薬上許容し得る不活性の担体、例えば、乳糖、ゼラチン、寒天、澱粉、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸2カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等と組み合わせることができる。
【0030】
適当なバインダーは、例えば、澱粉、ゼラチン、天然の糖類、例えば、グルコース又はベータラクトース、コーン甘味料、天然及び合成のガム類、例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス類等を包含する。これらの投与形態において使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を包含する。錠剤崩壊剤は、例えば、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を包含する。
【0031】
化合物は小型単層ベシクル、大型単層ベシクル及び多層ベシクルのようなリポソームデリバリーシステムと共に用いることもできる。リポソームは種々のリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンから形成できる。
【0032】
化合物はターゲタブルな薬剤担体として、又はプロドラッグとして重合体と複合化することもできる。薬剤の制御された放出を達成するために有用である適当な生体分解性の重合体としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ酪酸及びポリグリコール酸の共重合体、カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲル、好ましくは、共有交差結合ヒドロゲルが含まれる。
【0033】
活性化合物はカプセル、錠剤及び粉末などの固体投与形態、又はエリキシル、シロップ及び懸濁液などの液体投与形態で経口投与できる。活性化合物は滅菌液体投与形態で非経腸的に投与することもできる。
【0034】
カプセルは活性化合物及び粉末担体、例えば、乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等を含有していてもよい。同様に、このような希釈剤は圧縮錠剤の形成のために使用できる。錠剤及びカプセルは、共に、即時放出薬品として、又は活性化合物の持続的又は長時間の放出を与えるための除放性の薬品として製造できる。化合物の供給可能な形態は、不快な味をマスキングするため、及び環境から錠剤を保護するために糖衣錠としたりフィルムコーティングしたりすることができ、又は胃腸管における選択的崩壊のために腸溶性コーティングを施すこともできる。
【0035】
液体として経口投与するためには、薬品成分は何れかの経口用の、非毒性の製薬上許容し得る不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水等と組み合わせることができる。液体形態の例としては、水、製薬上許容し得る脂肪及び油脂、アルコール及び他の有機溶媒中の溶液又は懸濁液が含まれ、これらには、例えば、エステル、乳液、シロップ又はエリキシル、懸濁液、非発泡性顆粒から希釈再調製する溶液及び/又は懸濁液、及び発泡性顆粒から希釈再調製される発泡性調製物が含まれる。液体投与形態は、例えば、適当な溶媒、保存料、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味料、濃厚化剤及び溶融剤を含み得る。
【0036】
経口投与のための液体投与形態は、必要に応じて、着色料及びフレーバー剤を含むことができる。一般的に、水、適当な油脂、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)及び関連する糖溶液及びグリコール、例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールが非経腸溶液のための適当な担体である。非経腸投与のための溶液は、好ましくは、活性成分の水溶性の塩、適当な安定化剤、及び、必要に応じて、緩衝物質を含有する。抗酸化剤、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸は、単独又は組み合わせのいずれであっても適当な安定化剤である。クエン酸及びその塩及びナトリウムEDTAも使用される。さらに、非経腸溶液は保存料、例えば、塩化ベンザルコニウム、メチル又はプロピルパラベン及びクロロブタノールを含有できる。適当な薬学的担体については、この分野における標準的参考資料であるRemington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Companyに記載されている。
【0037】
本明細書に記載された化合物は、適当な鼻内ベヒクルを用いることによる経鼻投与形態で、又は当業者に周知の経皮パッチの形態を用いた経皮的経路によって投与することもできる。経皮デリバリーシステムの形態で投与するためには、薬剤の投与は、一般的には、投与期間を通じて間欠的にではなく、むしろ持続的に行われる。非経腸及び静脈内の形態は、それらを選択される注射の種類又はデリバリーシステムに適合させるために、無機物及び他の物質を含有することもできる。
【0038】
本明細書に記載した化合物は、癌の治療のため、又は他の目的のための薬品キットにおいて使用することもできる。キットは、化合物の治療有効量を有する医薬組成物の入った容器一つ以上を含む。このようなキットは、必要に応じて、一つ以上の種々の要素、例えば、化合物の入った容器、製薬上許容し得る一つ以上の担体の入った容器、別の容器及び取扱説明書をさらに含むことができる。取扱説明書は、例えば、インサート又はラベルとして与えられた印刷された形態又は電子的な形態であり、投与すべき成分の量、投与の方法及び/又は成分の混合の方法が示されているものである。
【0039】
一日当たりkg体重当たり活性化合物約0.1mgから約100mgの用量水準が好ましい用量である。単回用量を形成するために担体と組み合わせることのできる活性化合物の量は、治療される宿主及び投与の特定の様式に応じて変動する。単位投与形態は、一般的に、活性化合物約0.1mgから約1000mgを含有する。しかしながら、特定の患者に対する特定の用量水準は種々の要因、例えば、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全身状態、性別、食餌、投与時間、投与経路及び排出速度、薬品の組み合わせ、及び治療を受ける特定の疾患の重症度により変動する。例えば、MT103ファミリーの化合物の経口又は静脈内投与のために適合される適当な容量は、一投与当たり約0.1から約1000mg、一日当たり1から5回の範囲である。
【0040】
本明細書に記載した化合物の投与方法は、治療すべき特定の癌又は腫瘍の型の治療において有効である何れかの適当な方法であり得る。処置は経口、直腸、局所、非経腸又は静脈内投与でもよいし、又は腫瘍又は癌内への注射によってもよい。有効量を適用する方法は治療すべき障害又は疾患によっても異なる。適切な担体、別の癌抑制化合物又は適用を容易にする希釈剤を用いて調製された本明細書に記載の化合物を静脈内、皮下又は筋肉内へ適用することによる非経腸投与は、哺乳類への化合物の投与の好ましい方法であると考えられる。
【0041】
分子形状学習システムを組み込んだ位相幾何学的なコンピューターモデリングプログラムが、MT103により例示される薬品の新しいファミリーを発見するために用いられた。モデリングプログラムは有効な抗癌剤であることがわかっている化学物質に関する位相幾何学的な情報を取り出し、次の段階において、薬品が試験中の特性において活性を示すために共有しなければならない共通の位相幾何学的な特徴を発見する。次に、プログラムは共通の位相幾何学的な特徴を有する新しい化学物質を特定する。プログラムは抗癌剤化合物である化学物質を特定するのみならず、特定の型の癌に対抗するために有用な化学物質をも特定するように設計されている。MT103は癌細胞の成長を抑制する化学物質としてプログラムにより確認された。さらに、MT103は非小細胞肺癌細胞に対して特定の薬効を有する化合物として特定された。化合物がその機能を有するものとして良好に発見されたという事実は、コンピューターモデルにより予測された化合物の薬効及び有用性の証明である。
【0042】
コンピューターモデリングのアプローチは分子の物理化学的特性を決定するための分子の位相幾何学的特徴に依存している。位相幾何学的なアプローチは記述的なコンピューターモデルを説明するとともに構成するための数学的手段に依存している。これらのモデルを通して、分子の電荷密度のみに対する特定の構造活性の関係、又は隣接する電子位相幾何学的特徴に応答した特定の構造活性の関係をさらに検討することができる。位相幾何学的なアプローチは振動又は配座の変化によって影響を受けない分子の真の構造的不変式(structural invariant)を説明する。このアプローチの特徴は、Galvezによって、以下の文献に述べられている。Galvez et al., J.Chem.Inf.Comput.Sci., Vol.34, No.3, 1994; J.Galvez et al., J.Chem.Inf.Comput.Sci., Vol.34, No.5, 1994; J.Galvez et al., J.Chem.Inf.Comput.Sci., Vol.35, No.2, 1995; J.Galvez et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, Vol.6, No.19, 1996; J.Galvez et al., Journal of Molecular Graphics, Vol.14, 1996; J.Galvez, Journal of Molecular Structure(Theochem), Vol.429, 1998; J.V.de Julian-Ortiz, Journal of Molecular Graphics and Modeling, Vol.16, 1998; Jesus V.de Julian-Ortiz et al., Journal of Medicinal Chemistry, Vol.42, No.17; Rafael Gozalbes et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, Vol.44, No.10, Oct.2000; M.J.Duart et al., Journal of Computer-Aided Molecular Design, Vol.15, 2001; L.Lahuerta Zamora et al., Analytical Chemistry, Vol.73, No.17, September 1, 2001。
【0043】
訓練モデルは分子の生物活性な位相幾何学的特徴を予測し、そして、新しい活性化合物の設計の指針となるように容易に解釈できる。このアプローチは三つの進歩、即ち、同様の表面特徴を示す構造的に多様な分子が同様に処理されるように表面形状を特性化する表示、活性及び不活性の分子の両方の複数の配向性及び配座を受け入れることができる新しい機械学習方法、及びより良好な予測モデルを形成するための新しい分子配向性を発生させるために中間的モデルを適用する反復過程を組み合わせたものである。上記したプログラムの二つの特徴、即ち、良好なモデルを形成するための反復設定オブジェクトの方法、及び各オブジェクトが複数の表示を有する場合にモデルを訓練する方法は、生物学的活性のモデリングのみならず他の物理化学的特性にも適用される。
【0044】
位相幾何学的コンピューターモデリングプログラムにより生成された化合物の薬効は、知られた癌細胞系統を用いることによって、日常的なスクリーニングを用いて確認できる。細胞系統はNCI、American Tissue Culture又は他の研究室から入手できる。NCIは、抗癌剤を発見するために、3細胞系統の試験及び60細胞系統の試験を組み立てている(M.R.Boyd, K.D.Paull, Some Practical Considerations and Applications of the NCI in vitro Drug Discovery Screen, Drug Dev.Res. 34:91109, 1995; M.R.Boyd, The NCI In Vitro Anticancer Drug Discovery Screen, Concept, Implementation and Operation, 1985-1995, In Drug Development: Preclinical Screening, Clinical trials and Approval,(Teicher,ed), Totowa,NJ, Humana Press, 1997, pp.23-42参照)。
【0045】
以下の実施例は、化合物のMT103ファミリーが有効な一般的抗癌剤であること、さらには、それらが非小細胞癌細胞に対して選択性を有することを示すものである。本明細書に記載された位相幾何学的なコンピューターモデリングシステムが非小細胞癌細胞に対して有効な薬品の化学構造を形成するために用いられ、また、MT103が望ましい抗癌剤として確認された。独立した政府機関NCIによるその後の試験によって、MT103が高度に有効な抗癌剤であるというさらなる証拠が与えられた。NCI−H226細胞系統を用いた別の実験によって、MT103の薬効に対するさらに別の証明が与えられた。以下の実施例は本発明を説明するものであり、限定する意図はない。
【0046】
実施例
実施例1:位相幾何学的コンピューターモデリングによって効果的な抗癌剤であることが予測されたN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド。
【0047】
表1は選択された抗癌剤及びN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドに対する位相幾何学的コンピューターモデルのアウトプットを示す。このアウトプットは、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドが有効な抗癌剤であることを示している。コンピューターモデルの対照として、コンピューターモデルは、パクリタキセル及びトポテカンのような知られた抗癌剤、並びに抗癌剤としては一般には使用されていない薬剤であるイフォサミド(Ifosamide)及びブスルファン(Busulfan)に関する結果を予測するためにも使用された。表1に示すとおり、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドは複数の型の癌に対して有効であると予測され、試験された癌の各型に対して少なくとも6.3の−logGI50値を有していた。
【0048】
【0049】
MT103の薬物動態特性が計算され、化学物質の有用性を示すいくつかの予測が得られた。予測によれば、MT103は約3時間の予測末端排出半減期(predicted terminal elimination half-life)を有する2又は3コンパートメントのモデルに従って分解する。約1mg/Lの平均最大血漿濃度は投与後約1時間で観察される。総クリアランスは約25L/hであり、定常状態における分布の平均の見掛けの容量は約1.5L/kgである。MT103の予測される平均の経口生体利用性(oral bioavailability)は約20%であり、血漿中のMT103の約79%が身体中の蛋白に結合されている。MT103と同様の構造を有する類似体は同様の薬物動態特性を有すると予測される。
【0050】
実施例2:NCI3細胞系統試験はN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドが有効な抗癌剤であることを示す。
【0051】
本実施例は、インビトロの細胞試験によって、MT103が有効な抗癌剤であると予測されることを示している。本実施例における試験はその3細胞系統パネル試験としてNCIにより実施された。結果は未投与対照細胞と比較した場合の投与細胞の成長のパーセントとして示されている。有効な化合物であることに対する基準、及びさらなる試験に付されることのための基準は、被験化合物が3細胞系統の何れか一つの成長を約32%以下まで低減させることである。表2に示すとおり、MT103は一般的に受け入れられている科学的に許容された基準よりもはるかに有効であった。実際、MT103は、試験された1濃度において、3細胞系統全ての成長を16%以下まで低減させた。
【0052】
【0053】
試験を実施するための方法は、実施例3において後述するとおりである。ただし、細胞はMT103の1濃度、即ち、1x10−4モルに曝露され、比色測定はアラマーブルーを用いて行われた(Biotechniques 21(5):780-782(1996))。
【0054】
実施例3:NCI60細胞系統の試験はMT103が有効な抗癌剤であることを示す。
NCIは60細胞系統を用いてMT103を試験し、各細胞系統におけるMT103のGI50,TGI及びLC50値を報告している。図10及び表3参照。
【0055】
【0056】
【0057】
方法論:NCIは、10倍希釈におけるMT103の最低5段階の濃度を用いて、60種のヒト細胞系統に対してMT103の試験を実施した。48時間の連続薬品曝露が使用され、スルホローダミンB(SRB)蛋白試験を用いて、細胞の生存性及び成長が推定された。癌スクリーニングパネルのヒト腫瘍細胞系統は、5%ウシ胎児血清及び2mMのL−グルタミンを含有するRPMI1640培地中で成長させられた。細胞は、個々の細胞系統の倍加時間に応じて、5000から40000細胞/ウェルの範囲のプレート密度において、96穴マイクロプレート内に100μLとして接種された。細胞接種の後、マイクロプレートは37℃、5%CO2、95%空気、及び100%相対湿度において、24時間インキュベートされ、その後、実験薬品が添加された。
【0058】
24時間後、薬品添加時(Tz)における各細胞系統に対する細胞数の尺度とするために、各細胞系統のプレート2枚がその場でTCA固定された。MT103は所望の最終最大被験濃度の400倍でジメチルスルホキシド中に可溶化され、使用時まで凍結保存された。薬品添加時においては、凍結濃縮物のアリコートが解凍され、50μg/mlゲンタマイシン含有完全培地を用いて、所望の最終最大被験濃度の2倍まで希釈された。さらなる4段階の10倍又は1/2logの連続希釈を行うことによって、合計で5段階の薬品濃度及び対照が形成された。これらの種々の薬品希釈物の100μlのアリコートが既に培地100μlが入った適切なマイクロプレートのウェルに添加され、所望の最終薬品濃度が得られた。
【0059】
薬品添加の後、プレートが、48時間、37℃、5%CO2、95%空気及び100%相対湿度において、インキュベートされた。付着細胞については、アッセイは冷TCAの添加によって終了された。細胞は、冷50%(w/v)TCA50μlの穏やかな添加によって(終濃度、10%TCA)、その場で固定され、4℃で60分間インキュベートされた。上澄みは廃棄され、プレートが水道水で5回洗浄され、風乾された。1%酢酸中0.4%(w/v)のスルホローダミンB(SRB)溶液(100μl)が各ウェルに添加され、プレートが室温で10分間インキュベートされた。染色後、1%酢酸で5回洗浄することによって、未結合の染料が除去され、プレートが風乾された。結合染色分は、その後、10mMトリズマ塩基で可溶化され、吸光度が515nmの波長において自動プレートリーダー上で読み取られた。懸濁細胞については、同様の方法論が用いられた。ただし、試験は、80%TCA50μlを穏やかに添加することによって(終濃度16%TCA)、ウェルの底部の沈殿細胞を固定化することによって終了された。7回の吸光度測定(ゼロ時(Tz)、対照成長(C)、及び5段階の濃度における薬品存在下の試験成長(Ti))を用いて、パーセント成長が薬品濃度段階のそれぞれにおいて計算された。パーセント成長抑制は以下のようにして計算された。
濃度がTi>/=Tzの場合:[(Ti−Tz)/(C−Tz)]×100
濃度がTi<Tzの場合:[(Ti−Tz)/Tz]×100
【0060】
三つの用量応答パラメーターが各実験薬剤ごとに計算された。50%成長抑制(GI50)が[(Ti−Tz)/(C−Tz)]×100=50から計算された。これは、薬品インキュベートの間に、対照細胞における実質蛋白増大(SRB染色で測定)の50%低下をもたらす薬品濃度である。完全な成長抑制(TGI)をもたらす薬品濃度はTi=Tzから計算された。投与後の実質細胞消失を示すLC50(初期と比較して薬品投与終了時に測定蛋白の50%低下をもたらす薬品濃度)は[(Ti−Tz)/Tz]×100=−50から計算された。値は、活性水準が到達している場合は、これら三つのパラメーターのそれぞれについて計算された。しかしながら、作用に到達しないか過剰であった場合は、そのパラメーターに関する値は被験最大又は最小濃度より高い値又は低い値として示された。
【0061】
実施例4:N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドは癌細胞系統NCI−H226の細胞成長の有効な抑制剤である。
本実施例は、MT103がヒトの癌、特に、非小細胞肺癌の治療のための薬剤であることを示す。MT103はNCI−H226ヒト非小細胞肺癌細胞系統を用いて試験され、図11に示すとおり、癌の成長を効果的に抑制した。MT103のGI50は66μMであった。
【0062】
方法:MTSアッセイはこれらの化合物の評価において使用された。細胞が採取され、遠心分離によって培地が除去され、新しい完全培地中に懸濁させられた。細胞密度を測定するために、試料が採取された。細胞数はカウルターZ型(Coulter Model Z)細胞計数器で計数され、生存性はカウルターEPICS(Coulter EPICS)フローサイトメーター上での分析によってヨウ化プロピジウム染色で測定された。細胞系統が、完全培地中で、ウェル当たり5×103個でプレーティングされた。翌日、細胞は化合物の希釈液で封鎖された。プレートは投与開始後第4日に分析された。
【0063】
細胞系統は標準的な組織培養操作法を用いて増殖させられ、マイクロプレートに播種された後に投与された。対照群には、擬似処置群、溶媒対照及び陽性対照(ドキソルビシン、1μM)が含まれる。各濃度段階につき、8回繰り返し処置された。細胞系統は、37℃、5%CO2及び95%湿度の滅菌条件下において、増殖させられた。MT103は溶解時まで4℃で保存され、完全培地で希釈された。
【0064】
化合物の抗細胞作用はMTS染料変換アッセイによって評価された。MTSは単一の溶液として購入され、−20℃で保存された。試料ウェルは20マイクロリットルのMTS溶液で処理され、液体可溶性ホルマザン生成物に変換させるために、プレートは37℃で4時間インキュベートされた。各単層のホルマザンの吸光度が、MTS添加後4時間の時点で、カウルターマイクロプレートリーダー上で490nmにおいて測定された。
【0065】
実施例5:有効な治療薬と決定されたMT103の類似体。
位相幾何学的コンピューターモデルの結果によれば、MT103ファミリーの他のメンバーが有効な治療薬であることが示された。表4は、コンピューターモデルを用いた試験の結果有効であると決定された化合物を示している。MT103は、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドである。類似体Bは、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−イルメタンスルホンアミドである。類似体Cは、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.a]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミドである。類似体Dは、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸である。類似体Eは、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸である。
【0066】
【0067】
本明細書中に記載された実施例は例示であり、本発明の範囲又は精神を制限することを意図したものではない。本出願において参照された特許、特許出願、雑誌論文及び出版物は、本明細書において、文献援用される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】MT103ファミリーのメンバーであるN,N−ジシクロヘキシル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド(MT103又はN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドとしても知られている)の化学構造を示す。
【図2】MT103ファミリーのメンバーであるN,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミドの化学構造を示す。
【図3】MT103ファミリーのメンバーであるN,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミドの化学構造を示す。
【図4】MT103ファミリーのメンバーであるN−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミドの化学構造を示す。
【図5】MT103ファミリーのメンバーであるN1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.a]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミドの化学構造を示す。
【図6】MT103ファミリーのメンバーである4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の化学構造を示す。
【図7】MT103ファミリーのメンバーである4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の化学構造を示す。
【図8】MT103ファミリーの一般的特徴を示す化学構造を示す。
【図9】MT103ファミリーのメンバーを生成する化学合成経路を示す。
【図10】−logGI50としてプロットされたGI50値に関して、種々の細胞系統に対するMT103のGI50値を示す。
【図11】MT103によるNCI−H226ヒト非小細胞肺癌細胞系統の抑制を示す。
【技術分野】
【0001】
分野
本発明は、一般的に、癌の治療方法及び細胞の成長を抑制する方法に関する。
【0002】
背景
癌は多くの人間が罹患する疾患であり、ヒト及び非ヒト動物における死因の上位となっている。癌は、典型的には、多くの新しい細胞を生成する細胞の制御不能な成長によって成長する細胞が関与している。多くの抗癌剤は細胞の成長を抑制又は停止させる薬品である。
【0003】
多くの抗癌剤は癌及び腫瘍細胞に対して有効であることが判っているが、一部の癌及び腫瘍はこれらの薬品への応答が乏しい。さらに、多くの抗癌剤は体内の他の細胞も同様に破壊する。このため、新しい抗癌剤が必要とされており、特定の癌の型を標的とすることができる薬品が望ましい。
【0004】
細胞の成長を抑制する薬剤は抗癌剤として有用である。米国国立癌研究所(NCI)は抗癌剤の試験に関与する米国政府の機関である。NCIは3細胞系統試験を用いた潜在的抗癌剤のスクリーニング試験を実施することが多い。3細胞系統のそれぞれは癌細胞の型である。細胞が薬品候補に曝露され、そして、細胞の成長の停止及び/又は細胞の殺傷における薬品の有効性が測定される。
【0005】
NCIは、典型的には、約60細胞系統のさらに別の集団を用いて最も信頼できる薬品を試験し、そして、細胞成長を停止するとともに細胞を殺傷するために必要な薬品の用量が測定される。癌細胞の成長を約50%抑制するために必要な薬品の用量は薬品のGI50濃度として表記される。GI50が低いほど抗癌剤は有効性が高い。GI50は、場合によっては、−log(GI50)の単位で表記され、−log(GI50)の値が高いほど抗癌剤の有効性が高くなる。細胞成長を約100%停止するために必要な薬品の用量は薬品の総成長抑制(TGI)濃度と表記される。細胞の初期数の50%まで細胞数を低減するために必要な薬品の用量はLC50濃度と呼ばれる。TGI又はLC50が低いほど、抗癌剤の力価は高い。
【0006】
新しい抗癌剤の生成はやりがいのある過程である。重要な工程は、初期スクリーニングのための薬品候補の選択である。これらの薬品候補を選択するために多くの方法が用いられている。一つの方法は抗癌剤として有用な物理化学的特性を有する分子を設計するためのコンピューターモデリングを使用することである。
【非特許文献1】CATIVIELA,C. et al., Tetrahedron: Asymmetry5(2), pp.261-268, 1994
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明は、例えば、図1〜8に示すとおり、治療薬化合物のMT103ファミリーに関する実施形態を包含する。本発明の実施形態は患者の治療のための図1〜8に記載の化合物を、例えば、癌治療薬として、及び、抗細菌剤、抗カビ剤、アポトーシス剤及びホルモン拮抗剤として使用する方法である。
【0008】
本発明の実施形態は患者の治療方法を包含する。この方法は図8に示された式を有する化学物質を含む組成物の治療有効量を患者に投与する段階を含む。式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、C1−C3アルキル、ハロゲン、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、また、R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される。別の実施形態においては、R8及びR9は、独立して、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される。
【0009】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明の実施形態は、生物活性を有し、細胞機能に影響し、さらに、癌を抑制する薬品のファミリーであり、本明細書においては、MT103ファミリーと呼ばれるものである。このファミリーの種は、図1に示されるN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドであり、これも、本明細書において、MT103と呼ばれる。薬品のMT103ファミリーの他のメンバーは図2〜7に示されている。図8はMT103ファミリーの全体的な一般的構造を示す。MT103は位相幾何学的コンピューターモデルを用いて、抗癌剤であることが発見された。MT103は、NCIによって試験され、以下の実施例において詳述するとおり、効果的な抗癌剤であるとともに細胞成長の効果的な阻害剤であることがわかった。同じモデルは、MT103ファミリーが、一般的に、生物活性を有し、癌、特に、非小細胞肺癌に対して抑制作用を有することを示している。
【0010】
非小細胞肺癌は肺の新生物の型である。実際、原発性の肺新生物の95%は気管支原性の癌腫/表皮新生物である。気管支原性癌腫は、一般的に、二つの群、即ち、全症例の約20%に相当する小細胞肺癌、及び全症例の約80%に相当する非小細胞肺癌に分類される。非小細胞肺癌群は、さらに、細胞の形態に基づいて、三つの腫瘍分類に細分される。一つの分類は扁平包皮細胞癌(類表皮癌腫とも呼ばれる)であり、これは非小細胞肺癌の症例の約40%に相当する。第2の分類は腺癌であり、これは全症例の45%に相当し、非喫煙者における最も一般的な肺癌である。残りの10%の症例は大細胞肺癌であり、これは急激に致命的となる。
【0011】
実施例に記載するとおり、MT103は、HOP−92細胞(大細胞モデル)、NCI−H460(大細胞モデル)、NCI−H522(腺癌モデル)及びNCI−H226細胞系統(扁平上皮細胞モデル)を含む複数の細胞を用いた試験により明らかにされたとおり、非小細胞肺癌の3分類全てに対して活性を示した。試験は三つ全ての原発性の非小細胞肺癌の腫瘍型に対して活性を示した。これらの試験は、以下の実施例において、さらに記載される。
【0012】
MT103は、一般的に、癌細胞に対して有効であり、特に、非小細胞肺癌細胞に対して有効である。実際、MT103は、HOP−92非小細胞肺癌細胞系統において、NCIにより試験されたところ、5.6の−logGI50値を有しており、これは、MT103がこの種の癌に対して特に有効であることを示す大きな値である。従って、MT103のモチーフを共有するMT103のファミリーのメンバーは、また、MT103の抗癌機能並びにその作用様式及び他の機能をも有することが期待される。
【0013】
コンピューターモデリング及び他の化学物質との比較によれば、MT103及びMT103ファミリーは抗癌剤、アポトーシス誘導剤、ホルモン拮抗剤、抗細菌剤、抗カビ剤及び血中脂質低下剤であることがわかっている。このような比較のために使用される一部の化学物質は、タモキシフェン、アナストロゾール及びフルタミドである。
【0014】
MT103ファミリーの薬品は、一般的に、これらの特性を有しているため、それらは癌を抑制するために、さらには、患者においてアポトーシス剤、ホルモン拮抗剤、抗細菌剤、抗カビ剤及び血中脂質低下剤として機能させるために、患者を治療するのに使用される。インビトロ及びインビボの細胞は、この目的のために、MT103ファミリーのメンバーに曝露される。MT103及びMT103ファミリーは特定の癌の型の治療又は治癒のための薬品としてのみならず、ヒト及び非ヒト動物における特定の癌の型を抑制する薬品として有用である。さらに、アポトーシス剤、ホルモン拮抗剤、抗細菌剤及び抗カビ剤は多くの方法で使用される重要な市販品であり、同様に、MT103ファミリーのメンバーもこのような目的のために使用することができる。
【0015】
血中脂質低下剤療法は、高脂血症(高コレステロール血症)において、コレステロール値を低下させるために使用される。これらの薬品は低密度リポ蛋白(LDL)の上昇によって主に誘発される高コレステロール値を有する患者に対する良好にコントロールされた試験において使用されている。これらの治験の結果は、高コレステロール血症の患者が中等度の用量の血中脂質低下剤で治療された場合に、冠動脈心疾患(CHD)の死亡率が30%から40%も低下したこと、及び非致命的な事象も同様に低下したことを示している[Scandinavian Simvastatin Survival Study Group,1994:Shepard et al., 1995; The Long-Term Intervention with Pravastatin in Ischaemic Disease(LIPID) Study Group,1998]。
【0016】
さらに、化学物質のMT103ファミリーは、インビトロ及びインビボで細胞の成長を遅延又は停止するため、細胞を殺すため、又は細胞の成長を抑制するために、インビトロ及びインビボで使用することができる。アポトーシス誘導物質及びホルモン拮抗剤は、細胞へのインビトロ及びインビボの投与に関する価値ある研究用具である。抗細菌剤及び抗カビ剤は、インビトロ、インビボ、エクスビボ、ヒトにおいて、非ヒトにおいて、さらには、複数の環境、例えば、居住地、商業地、病院及び工場の環境において、細菌及びカビを抑制、阻害及び/又は殺滅するための価値ある製造物である。これらの化合物は、患者のための最適な治療又は他の目的を達成するために、単独で、又は他の薬品と組み合わせて使用することができる。
【0017】
本発明の多くの化合物は、特定の型の癌における使用に最も適しているが、種々の癌の治療においても有用である。そうした癌には、限定的ではないが、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝癌、肺癌が含まれ、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、すい臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌及び皮膚癌が含まれ、扁平上皮癌;リンパ系の造血系腫瘍が含まれ、白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセルリンパ腫及びバーキットリンパ腫;骨髄系の造血細胞腫瘍が含まれ、急性又は慢性の骨髄性白血病、骨髄形成不全症候群及び前骨髄球性白血病;間葉原発性腫瘍が含まれ、繊維肉腫及び横紋筋肉腫;中枢及び末梢神経系の腫瘍が含まれ、星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫及び神経鞘腫;他の腫瘍が含まれ、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、乾皮症、色素腫、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌及びカポジ肉腫が含まれる。本発明の別の実施形態によれば、本発明の化合物は、細胞増殖性障害、例えば、アルツハイマー病、ウイルス感染症、自己免疫疾患及び神経変性障害の治療に関する。
【0018】
MT103及びMT103ファミリーは、また、医療機器との組み合わせにおいて供給される場合に有用である。そうした医療機器は、例えば、血管中又は身体の他の部分において使用するステント、心臓弁、ペースメーカー、除細動器、血管形成装置、人工血管、人工心臓、カテーテル、留置用及び一時的なカテーテル、血液と接触させながら一時的、恒久的又は半恒久的に配置される装置、オキシゲネーター配管、血液ポンプ、血液フィルター、センサー、バイオセンサー、診断キット、血管に接触する装置、薬剤デリバリーシステム及び医療用インプラントである。MT103ファミリー化合物の一つの機能は、移植された装置の周囲における細胞の成長を抑制することである。抑制は短期、例えば、身体の炎症反応が最も活動性である期間、より長期間、又は、恒久的に行うことができる。細胞成長の抑制は、血管形成術及び血管内へのステント移植の後における再狭窄の予防のために重要な方法である。細胞成長の抑制は、また、移植された装置の生体適合性を増強させるために重要な方法であり、装置への身体の反応が最小化される。
【0019】
図8はMT103ファミリーのモチーフを示す。図8のモチーフは、治療機能に関して重要であることが、コンピューターモデリングによってわかっている。R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br及び/又はI)、C1−C3アルキル、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ基、エーテル(アルコキシ)基、エステル(アルコキシカルボニル)基、アミド(カルボキシアミド)基及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、そして、R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される。一部の実施形態においては、MT103ファミリーの種は、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群からのR8及びR9の独立した選択によって特徴付けられる。R1からR9に関して、また、R8及びR9の位置におけるC6の誘導体化に関して、本明細書に記載された化学基の何れかの組み合わせの使用は、その立体異性体と同様、MT103の機能を有する化学物質をもたらすと考えられる。図1〜8に示す構造の立体異性体はMT103ファミリーのメンバーであり、MT103の機能を有すると期待される。本明細書において使用されるように、Cnの表記は炭素数nの化学物質又は化学基を指す。
【0020】
MT103ファミリーの一部の化学基は、ファミリーの他のメンバーも所望の特性を有すると考えられるけれども、好ましいと考えられる。これらには、R6及びR7における水素又は短いアルキル及びアルケニル、特に、メチルが含まれる。C6シクロアルキル又はそれらの誘導体はR8及びR9において好ましいと考えられる。特に、R8及びR9については、C6の少なくとも2位置においてヒドロキシル又はカルボキシルを有するそうしたC6誘導体が好ましい。実際、図6及び7に示された化合物は、MT103と比較して増強された活性を有することがコンピューターモデリングによって予測される。逆に、R8及びR9においてメチル基を有する図3に示されたMT103ファミリーのメンバーは、MT103に比較して、一般的に、低い活性を有することが予測される。R1からR5の位置におけるヒドロキシル基少なくとも1個の存在は好ましいが、機能上必須であるとは考えられない。
【0021】
MT103ファミリーの種には、例えば、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらの立体異性体が含まれる。N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドの鏡像異性体には、(1S)−10−(N,N−ジシクロヘキシルスルファモイル)イソボルネオール及び(1R)−10−(N,N−ジシクロヘキシルスルファモイル)イソボルネオールが含まれる。
【0022】
MT103は市販品供給元(例えば、ALDRICH、FLUKA、CAS番号99295−72−4)から購入できるし、Chiral auxiliary conferring excellent diastereodifferentiation in reactions of O-enoyl and enolate derivatives, W.Oppolzer, Tetrahedron 43,1969(1987)、及びW.Oppolzer及びEantioselectivesystheses of -amino acids from 10-sulfonamido-isobornyl esters and di-t-butyl azodicarboxylate, R.Moretti, Tetrahedron 44, 5541(1988)に記載されている通りの方法で合成することもできる。Oppolzerはある種の立体特異的化学物質を生成するための有用な薬剤としてのMT103の使用を記載している。他の研究者は立体化学的使用のための化合物として、MT103及びMT103の化学修飾誘導体を記載した研究論文を発表している。
【0023】
図9はMT103ファミリーのメンバーを形成するために使用できるスルホンアミドの調製のための反応スキームを示している。図9を参照すると、アリール及びアルキルスルホニルクロリドが1工程反応において第2アミンと反応させられる。R、R’及び“がアミン、カルボキシル又はヒドロキシル基を含む場合、過剰な数の二次的生成物の生成を防止するために、典型的には、保護基が用いられる。当業者であれば、本明細書に記載したMT103の変異体及びMT103の特徴を共有する化学物質のファミリーに属する他の化学物質を合成できるであろう。スルホンアミドの合成に関する参考文献としては、例えば、Gong,B.; Zheng,C.; Skrzpczak-Jankun,E.; Yan,Y.; Zhang,J.; J.Am.Chem.Soc. 1998, 120,11194-11195; Gong,B.; Zheng,C.; Zeng,H; Zhu,J., J.Am.Chem.Soc, 1999, 121,9766-9767; Nuckolls C., Hof,F.; Martin,T.; RebekJ Jr.; J.Am.Chem.Soc. 1999, 121,10281-10285; R.Ohme; H.Preuschhof.Liebigs Ann.Chem. 713,74-86(1968); TetrahedronLetters, 38,50,8691-86(1997)、及びBermann,Manfred; Van Wazer,John R.Synthesis (1972),(10),576-7がある。
【0024】
本明細書に記載された化合物の製薬上許容し得る塩は当業者に周知の方法によって合成できる。例えば、Pharmaceutical Salts: Properties,Selection and Use, P.Heinrich Stahl(Editor), Camille G.Wermuth(Editor)June2002が参照される。一般的には、このような塩はこれらの化合物の遊離の塩基の形態を水又は有機溶媒中、又は両方の混合物中で適切な酸の化学量論的な量と反応させることによって調製される。一般的には、非水性の媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルが好ましい。いくつかの適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton,Pa, 1985に見られる。
【0025】
一部の実施形態においては、本明細書に記載した化合物は、癌又は腫瘍の治療のために、一つ以上の力価増強剤及び/又は化学療法剤と組み合わせて使用される。力価増強剤及び複合治療の例及び説明は、例えば、米国特許6,290,929号及び6,352,844号に記載されている。
【0026】
本明細書に記載された化合物は、単一の活性薬品として、又は他の抗癌剤化合物及び他の癌又は腫瘍の成長抑制化合物との混合物として投与できる。化合物は、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、顆粒、エリキシル、チンキ、懸濁液、シロップ及び乳液を含む経口投与形態で投与可能である。さらに、化合物は静脈内(単回投与又は静注)、腹腔内、皮下又は筋肉内の投与形態で投与できる。
【0027】
本明細書に記載された化合物は、典型的には、投与の意図する形態に関して適当に選択されるとともに従来の薬学的慣行に合致した適当な製薬用の希釈剤、賦形剤、増量剤又は担体(本明細書においては製薬上許容し得る担体又は担体と呼ぶ)との混合物として投与される。供給可能な化合物は経口、直腸、局所、静脈内注射又は非経腸投与に適した形態であろう。担体には固体又は液体が包含され、そして、担体の種類は使用する投与の種類に基づいて選択される。
【0028】
本発明において有用な投与形態を形成するための方法及び組成物は、例えば、以下の参考文献に記載されている。7 Modern Pharmaceutics, Chapters 9 and 10 (Banker&Rhodes, Editors, 1979); Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (Lieberman et al., 1981); Ansel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 2nd Edition (1976); Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., (Mack Publishing Company, Easton,Pa., 1985); Advances in Pharmaceutical Sciences (DavidGanderton, Trevor Jones,Eds., 1992); Advances in Pharmaceutical Sciences Vol.7, (David Ganderton, TrevorJones, James McGinity, Eds., 1995); Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms(Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Series 36 (James McGinity, Ed., 1989); Pharmaceutical Particulate Carriers: Therapeutic Applications: Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Vol.61 (Alain Rolland, Ed., 1993); Drug Delivery to the Gastrointestinal Tract (Ellis Horwood Books in the Biological Sciences. Series in Pharmaceutical Technology; J.G.Hardy, S.S.Davis, Clive G. Wilson, Eds.); Modern Pharmaceutics Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Vol 40 (Gilbert S. Banker, Christopher T. Rhodes, Eds.)。
【0029】
例えば、丸薬用の担体として、適当なバインダー、潤滑液、錠剤崩壊剤、着色剤、フレーバー剤、流動性誘導剤及び溶融剤を含めることができる。例えば、活性薬品成分は経口用の非毒性の製薬上許容し得る不活性の担体、例えば、乳糖、ゼラチン、寒天、澱粉、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸2カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等と組み合わせることができる。
【0030】
適当なバインダーは、例えば、澱粉、ゼラチン、天然の糖類、例えば、グルコース又はベータラクトース、コーン甘味料、天然及び合成のガム類、例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス類等を包含する。これらの投与形態において使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を包含する。錠剤崩壊剤は、例えば、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を包含する。
【0031】
化合物は小型単層ベシクル、大型単層ベシクル及び多層ベシクルのようなリポソームデリバリーシステムと共に用いることもできる。リポソームは種々のリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリンから形成できる。
【0032】
化合物はターゲタブルな薬剤担体として、又はプロドラッグとして重合体と複合化することもできる。薬剤の制御された放出を達成するために有用である適当な生体分解性の重合体としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ酪酸及びポリグリコール酸の共重合体、カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート及びヒドロゲル、好ましくは、共有交差結合ヒドロゲルが含まれる。
【0033】
活性化合物はカプセル、錠剤及び粉末などの固体投与形態、又はエリキシル、シロップ及び懸濁液などの液体投与形態で経口投与できる。活性化合物は滅菌液体投与形態で非経腸的に投与することもできる。
【0034】
カプセルは活性化合物及び粉末担体、例えば、乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等を含有していてもよい。同様に、このような希釈剤は圧縮錠剤の形成のために使用できる。錠剤及びカプセルは、共に、即時放出薬品として、又は活性化合物の持続的又は長時間の放出を与えるための除放性の薬品として製造できる。化合物の供給可能な形態は、不快な味をマスキングするため、及び環境から錠剤を保護するために糖衣錠としたりフィルムコーティングしたりすることができ、又は胃腸管における選択的崩壊のために腸溶性コーティングを施すこともできる。
【0035】
液体として経口投与するためには、薬品成分は何れかの経口用の、非毒性の製薬上許容し得る不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水等と組み合わせることができる。液体形態の例としては、水、製薬上許容し得る脂肪及び油脂、アルコール及び他の有機溶媒中の溶液又は懸濁液が含まれ、これらには、例えば、エステル、乳液、シロップ又はエリキシル、懸濁液、非発泡性顆粒から希釈再調製する溶液及び/又は懸濁液、及び発泡性顆粒から希釈再調製される発泡性調製物が含まれる。液体投与形態は、例えば、適当な溶媒、保存料、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味料、濃厚化剤及び溶融剤を含み得る。
【0036】
経口投与のための液体投与形態は、必要に応じて、着色料及びフレーバー剤を含むことができる。一般的に、水、適当な油脂、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)及び関連する糖溶液及びグリコール、例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールが非経腸溶液のための適当な担体である。非経腸投与のための溶液は、好ましくは、活性成分の水溶性の塩、適当な安定化剤、及び、必要に応じて、緩衝物質を含有する。抗酸化剤、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸は、単独又は組み合わせのいずれであっても適当な安定化剤である。クエン酸及びその塩及びナトリウムEDTAも使用される。さらに、非経腸溶液は保存料、例えば、塩化ベンザルコニウム、メチル又はプロピルパラベン及びクロロブタノールを含有できる。適当な薬学的担体については、この分野における標準的参考資料であるRemington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Companyに記載されている。
【0037】
本明細書に記載された化合物は、適当な鼻内ベヒクルを用いることによる経鼻投与形態で、又は当業者に周知の経皮パッチの形態を用いた経皮的経路によって投与することもできる。経皮デリバリーシステムの形態で投与するためには、薬剤の投与は、一般的には、投与期間を通じて間欠的にではなく、むしろ持続的に行われる。非経腸及び静脈内の形態は、それらを選択される注射の種類又はデリバリーシステムに適合させるために、無機物及び他の物質を含有することもできる。
【0038】
本明細書に記載した化合物は、癌の治療のため、又は他の目的のための薬品キットにおいて使用することもできる。キットは、化合物の治療有効量を有する医薬組成物の入った容器一つ以上を含む。このようなキットは、必要に応じて、一つ以上の種々の要素、例えば、化合物の入った容器、製薬上許容し得る一つ以上の担体の入った容器、別の容器及び取扱説明書をさらに含むことができる。取扱説明書は、例えば、インサート又はラベルとして与えられた印刷された形態又は電子的な形態であり、投与すべき成分の量、投与の方法及び/又は成分の混合の方法が示されているものである。
【0039】
一日当たりkg体重当たり活性化合物約0.1mgから約100mgの用量水準が好ましい用量である。単回用量を形成するために担体と組み合わせることのできる活性化合物の量は、治療される宿主及び投与の特定の様式に応じて変動する。単位投与形態は、一般的に、活性化合物約0.1mgから約1000mgを含有する。しかしながら、特定の患者に対する特定の用量水準は種々の要因、例えば、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全身状態、性別、食餌、投与時間、投与経路及び排出速度、薬品の組み合わせ、及び治療を受ける特定の疾患の重症度により変動する。例えば、MT103ファミリーの化合物の経口又は静脈内投与のために適合される適当な容量は、一投与当たり約0.1から約1000mg、一日当たり1から5回の範囲である。
【0040】
本明細書に記載した化合物の投与方法は、治療すべき特定の癌又は腫瘍の型の治療において有効である何れかの適当な方法であり得る。処置は経口、直腸、局所、非経腸又は静脈内投与でもよいし、又は腫瘍又は癌内への注射によってもよい。有効量を適用する方法は治療すべき障害又は疾患によっても異なる。適切な担体、別の癌抑制化合物又は適用を容易にする希釈剤を用いて調製された本明細書に記載の化合物を静脈内、皮下又は筋肉内へ適用することによる非経腸投与は、哺乳類への化合物の投与の好ましい方法であると考えられる。
【0041】
分子形状学習システムを組み込んだ位相幾何学的なコンピューターモデリングプログラムが、MT103により例示される薬品の新しいファミリーを発見するために用いられた。モデリングプログラムは有効な抗癌剤であることがわかっている化学物質に関する位相幾何学的な情報を取り出し、次の段階において、薬品が試験中の特性において活性を示すために共有しなければならない共通の位相幾何学的な特徴を発見する。次に、プログラムは共通の位相幾何学的な特徴を有する新しい化学物質を特定する。プログラムは抗癌剤化合物である化学物質を特定するのみならず、特定の型の癌に対抗するために有用な化学物質をも特定するように設計されている。MT103は癌細胞の成長を抑制する化学物質としてプログラムにより確認された。さらに、MT103は非小細胞肺癌細胞に対して特定の薬効を有する化合物として特定された。化合物がその機能を有するものとして良好に発見されたという事実は、コンピューターモデルにより予測された化合物の薬効及び有用性の証明である。
【0042】
コンピューターモデリングのアプローチは分子の物理化学的特性を決定するための分子の位相幾何学的特徴に依存している。位相幾何学的なアプローチは記述的なコンピューターモデルを説明するとともに構成するための数学的手段に依存している。これらのモデルを通して、分子の電荷密度のみに対する特定の構造活性の関係、又は隣接する電子位相幾何学的特徴に応答した特定の構造活性の関係をさらに検討することができる。位相幾何学的なアプローチは振動又は配座の変化によって影響を受けない分子の真の構造的不変式(structural invariant)を説明する。このアプローチの特徴は、Galvezによって、以下の文献に述べられている。Galvez et al., J.Chem.Inf.Comput.Sci., Vol.34, No.3, 1994; J.Galvez et al., J.Chem.Inf.Comput.Sci., Vol.34, No.5, 1994; J.Galvez et al., J.Chem.Inf.Comput.Sci., Vol.35, No.2, 1995; J.Galvez et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, Vol.6, No.19, 1996; J.Galvez et al., Journal of Molecular Graphics, Vol.14, 1996; J.Galvez, Journal of Molecular Structure(Theochem), Vol.429, 1998; J.V.de Julian-Ortiz, Journal of Molecular Graphics and Modeling, Vol.16, 1998; Jesus V.de Julian-Ortiz et al., Journal of Medicinal Chemistry, Vol.42, No.17; Rafael Gozalbes et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, Vol.44, No.10, Oct.2000; M.J.Duart et al., Journal of Computer-Aided Molecular Design, Vol.15, 2001; L.Lahuerta Zamora et al., Analytical Chemistry, Vol.73, No.17, September 1, 2001。
【0043】
訓練モデルは分子の生物活性な位相幾何学的特徴を予測し、そして、新しい活性化合物の設計の指針となるように容易に解釈できる。このアプローチは三つの進歩、即ち、同様の表面特徴を示す構造的に多様な分子が同様に処理されるように表面形状を特性化する表示、活性及び不活性の分子の両方の複数の配向性及び配座を受け入れることができる新しい機械学習方法、及びより良好な予測モデルを形成するための新しい分子配向性を発生させるために中間的モデルを適用する反復過程を組み合わせたものである。上記したプログラムの二つの特徴、即ち、良好なモデルを形成するための反復設定オブジェクトの方法、及び各オブジェクトが複数の表示を有する場合にモデルを訓練する方法は、生物学的活性のモデリングのみならず他の物理化学的特性にも適用される。
【0044】
位相幾何学的コンピューターモデリングプログラムにより生成された化合物の薬効は、知られた癌細胞系統を用いることによって、日常的なスクリーニングを用いて確認できる。細胞系統はNCI、American Tissue Culture又は他の研究室から入手できる。NCIは、抗癌剤を発見するために、3細胞系統の試験及び60細胞系統の試験を組み立てている(M.R.Boyd, K.D.Paull, Some Practical Considerations and Applications of the NCI in vitro Drug Discovery Screen, Drug Dev.Res. 34:91109, 1995; M.R.Boyd, The NCI In Vitro Anticancer Drug Discovery Screen, Concept, Implementation and Operation, 1985-1995, In Drug Development: Preclinical Screening, Clinical trials and Approval,(Teicher,ed), Totowa,NJ, Humana Press, 1997, pp.23-42参照)。
【0045】
以下の実施例は、化合物のMT103ファミリーが有効な一般的抗癌剤であること、さらには、それらが非小細胞癌細胞に対して選択性を有することを示すものである。本明細書に記載された位相幾何学的なコンピューターモデリングシステムが非小細胞癌細胞に対して有効な薬品の化学構造を形成するために用いられ、また、MT103が望ましい抗癌剤として確認された。独立した政府機関NCIによるその後の試験によって、MT103が高度に有効な抗癌剤であるというさらなる証拠が与えられた。NCI−H226細胞系統を用いた別の実験によって、MT103の薬効に対するさらに別の証明が与えられた。以下の実施例は本発明を説明するものであり、限定する意図はない。
【0046】
実施例
実施例1:位相幾何学的コンピューターモデリングによって効果的な抗癌剤であることが予測されたN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド。
【0047】
表1は選択された抗癌剤及びN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドに対する位相幾何学的コンピューターモデルのアウトプットを示す。このアウトプットは、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドが有効な抗癌剤であることを示している。コンピューターモデルの対照として、コンピューターモデルは、パクリタキセル及びトポテカンのような知られた抗癌剤、並びに抗癌剤としては一般には使用されていない薬剤であるイフォサミド(Ifosamide)及びブスルファン(Busulfan)に関する結果を予測するためにも使用された。表1に示すとおり、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドは複数の型の癌に対して有効であると予測され、試験された癌の各型に対して少なくとも6.3の−logGI50値を有していた。
【0048】
【0049】
MT103の薬物動態特性が計算され、化学物質の有用性を示すいくつかの予測が得られた。予測によれば、MT103は約3時間の予測末端排出半減期(predicted terminal elimination half-life)を有する2又は3コンパートメントのモデルに従って分解する。約1mg/Lの平均最大血漿濃度は投与後約1時間で観察される。総クリアランスは約25L/hであり、定常状態における分布の平均の見掛けの容量は約1.5L/kgである。MT103の予測される平均の経口生体利用性(oral bioavailability)は約20%であり、血漿中のMT103の約79%が身体中の蛋白に結合されている。MT103と同様の構造を有する類似体は同様の薬物動態特性を有すると予測される。
【0050】
実施例2:NCI3細胞系統試験はN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドが有効な抗癌剤であることを示す。
【0051】
本実施例は、インビトロの細胞試験によって、MT103が有効な抗癌剤であると予測されることを示している。本実施例における試験はその3細胞系統パネル試験としてNCIにより実施された。結果は未投与対照細胞と比較した場合の投与細胞の成長のパーセントとして示されている。有効な化合物であることに対する基準、及びさらなる試験に付されることのための基準は、被験化合物が3細胞系統の何れか一つの成長を約32%以下まで低減させることである。表2に示すとおり、MT103は一般的に受け入れられている科学的に許容された基準よりもはるかに有効であった。実際、MT103は、試験された1濃度において、3細胞系統全ての成長を16%以下まで低減させた。
【0052】
【0053】
試験を実施するための方法は、実施例3において後述するとおりである。ただし、細胞はMT103の1濃度、即ち、1x10−4モルに曝露され、比色測定はアラマーブルーを用いて行われた(Biotechniques 21(5):780-782(1996))。
【0054】
実施例3:NCI60細胞系統の試験はMT103が有効な抗癌剤であることを示す。
NCIは60細胞系統を用いてMT103を試験し、各細胞系統におけるMT103のGI50,TGI及びLC50値を報告している。図10及び表3参照。
【0055】
【0056】
【0057】
方法論:NCIは、10倍希釈におけるMT103の最低5段階の濃度を用いて、60種のヒト細胞系統に対してMT103の試験を実施した。48時間の連続薬品曝露が使用され、スルホローダミンB(SRB)蛋白試験を用いて、細胞の生存性及び成長が推定された。癌スクリーニングパネルのヒト腫瘍細胞系統は、5%ウシ胎児血清及び2mMのL−グルタミンを含有するRPMI1640培地中で成長させられた。細胞は、個々の細胞系統の倍加時間に応じて、5000から40000細胞/ウェルの範囲のプレート密度において、96穴マイクロプレート内に100μLとして接種された。細胞接種の後、マイクロプレートは37℃、5%CO2、95%空気、及び100%相対湿度において、24時間インキュベートされ、その後、実験薬品が添加された。
【0058】
24時間後、薬品添加時(Tz)における各細胞系統に対する細胞数の尺度とするために、各細胞系統のプレート2枚がその場でTCA固定された。MT103は所望の最終最大被験濃度の400倍でジメチルスルホキシド中に可溶化され、使用時まで凍結保存された。薬品添加時においては、凍結濃縮物のアリコートが解凍され、50μg/mlゲンタマイシン含有完全培地を用いて、所望の最終最大被験濃度の2倍まで希釈された。さらなる4段階の10倍又は1/2logの連続希釈を行うことによって、合計で5段階の薬品濃度及び対照が形成された。これらの種々の薬品希釈物の100μlのアリコートが既に培地100μlが入った適切なマイクロプレートのウェルに添加され、所望の最終薬品濃度が得られた。
【0059】
薬品添加の後、プレートが、48時間、37℃、5%CO2、95%空気及び100%相対湿度において、インキュベートされた。付着細胞については、アッセイは冷TCAの添加によって終了された。細胞は、冷50%(w/v)TCA50μlの穏やかな添加によって(終濃度、10%TCA)、その場で固定され、4℃で60分間インキュベートされた。上澄みは廃棄され、プレートが水道水で5回洗浄され、風乾された。1%酢酸中0.4%(w/v)のスルホローダミンB(SRB)溶液(100μl)が各ウェルに添加され、プレートが室温で10分間インキュベートされた。染色後、1%酢酸で5回洗浄することによって、未結合の染料が除去され、プレートが風乾された。結合染色分は、その後、10mMトリズマ塩基で可溶化され、吸光度が515nmの波長において自動プレートリーダー上で読み取られた。懸濁細胞については、同様の方法論が用いられた。ただし、試験は、80%TCA50μlを穏やかに添加することによって(終濃度16%TCA)、ウェルの底部の沈殿細胞を固定化することによって終了された。7回の吸光度測定(ゼロ時(Tz)、対照成長(C)、及び5段階の濃度における薬品存在下の試験成長(Ti))を用いて、パーセント成長が薬品濃度段階のそれぞれにおいて計算された。パーセント成長抑制は以下のようにして計算された。
濃度がTi>/=Tzの場合:[(Ti−Tz)/(C−Tz)]×100
濃度がTi<Tzの場合:[(Ti−Tz)/Tz]×100
【0060】
三つの用量応答パラメーターが各実験薬剤ごとに計算された。50%成長抑制(GI50)が[(Ti−Tz)/(C−Tz)]×100=50から計算された。これは、薬品インキュベートの間に、対照細胞における実質蛋白増大(SRB染色で測定)の50%低下をもたらす薬品濃度である。完全な成長抑制(TGI)をもたらす薬品濃度はTi=Tzから計算された。投与後の実質細胞消失を示すLC50(初期と比較して薬品投与終了時に測定蛋白の50%低下をもたらす薬品濃度)は[(Ti−Tz)/Tz]×100=−50から計算された。値は、活性水準が到達している場合は、これら三つのパラメーターのそれぞれについて計算された。しかしながら、作用に到達しないか過剰であった場合は、そのパラメーターに関する値は被験最大又は最小濃度より高い値又は低い値として示された。
【0061】
実施例4:N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドは癌細胞系統NCI−H226の細胞成長の有効な抑制剤である。
本実施例は、MT103がヒトの癌、特に、非小細胞肺癌の治療のための薬剤であることを示す。MT103はNCI−H226ヒト非小細胞肺癌細胞系統を用いて試験され、図11に示すとおり、癌の成長を効果的に抑制した。MT103のGI50は66μMであった。
【0062】
方法:MTSアッセイはこれらの化合物の評価において使用された。細胞が採取され、遠心分離によって培地が除去され、新しい完全培地中に懸濁させられた。細胞密度を測定するために、試料が採取された。細胞数はカウルターZ型(Coulter Model Z)細胞計数器で計数され、生存性はカウルターEPICS(Coulter EPICS)フローサイトメーター上での分析によってヨウ化プロピジウム染色で測定された。細胞系統が、完全培地中で、ウェル当たり5×103個でプレーティングされた。翌日、細胞は化合物の希釈液で封鎖された。プレートは投与開始後第4日に分析された。
【0063】
細胞系統は標準的な組織培養操作法を用いて増殖させられ、マイクロプレートに播種された後に投与された。対照群には、擬似処置群、溶媒対照及び陽性対照(ドキソルビシン、1μM)が含まれる。各濃度段階につき、8回繰り返し処置された。細胞系統は、37℃、5%CO2及び95%湿度の滅菌条件下において、増殖させられた。MT103は溶解時まで4℃で保存され、完全培地で希釈された。
【0064】
化合物の抗細胞作用はMTS染料変換アッセイによって評価された。MTSは単一の溶液として購入され、−20℃で保存された。試料ウェルは20マイクロリットルのMTS溶液で処理され、液体可溶性ホルマザン生成物に変換させるために、プレートは37℃で4時間インキュベートされた。各単層のホルマザンの吸光度が、MTS添加後4時間の時点で、カウルターマイクロプレートリーダー上で490nmにおいて測定された。
【0065】
実施例5:有効な治療薬と決定されたMT103の類似体。
位相幾何学的コンピューターモデルの結果によれば、MT103ファミリーの他のメンバーが有効な治療薬であることが示された。表4は、コンピューターモデルを用いた試験の結果有効であると決定された化合物を示している。MT103は、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドである。類似体Bは、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−イルメタンスルホンアミドである。類似体Cは、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.a]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミドである。類似体Dは、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸である。類似体Eは、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸である。
【0066】
【0067】
本明細書中に記載された実施例は例示であり、本発明の範囲又は精神を制限することを意図したものではない。本出願において参照された特許、特許出願、雑誌論文及び出版物は、本明細書において、文献援用される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】MT103ファミリーのメンバーであるN,N−ジシクロヘキシル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド(MT103又はN,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミドとしても知られている)の化学構造を示す。
【図2】MT103ファミリーのメンバーであるN,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミドの化学構造を示す。
【図3】MT103ファミリーのメンバーであるN,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミドの化学構造を示す。
【図4】MT103ファミリーのメンバーであるN−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミドの化学構造を示す。
【図5】MT103ファミリーのメンバーであるN1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.a]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミドの化学構造を示す。
【図6】MT103ファミリーのメンバーである4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の化学構造を示す。
【図7】MT103ファミリーのメンバーである4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸の化学構造を示す。
【図8】MT103ファミリーの一般的特徴を示す化学構造を示す。
【図9】MT103ファミリーのメンバーを生成する化学合成経路を示す。
【図10】−logGI50としてプロットされたGI50値に関して、種々の細胞系統に対するMT103のGI50値を示す。
【図11】MT103によるNCI−H226ヒト非小細胞肺癌細胞系統の抑制を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を治療するための方法であって、式
を有する化学物質を含む組成物の治療有効量を患者に投与する段階を有し、
式中、R1、R2、R3、R4及びR5よりなる群の少なくとも一つはOHであり、R1、R2、R3、R4及びR5よりなる群の他のものはHであり、R6及びR7はHであり、R8及びR9はそれぞれシクロヘキシル基となるように選択される方法。
【請求項2】
R1、R2、R3、R4及びR5よりなる群の二つがOHであり、R1、R2、R3、R4及びR5よりなる群の他のものがHである請求項1記載の方法。
【請求項3】
患者を治療するための方法であって、式
を有する化学物質を含む組成物の治療有効量を患者に投与する段階を有し、
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、C1−C3アルキル、ハロゲン、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される方法。
【請求項4】
R8及びR9が、独立して、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項3記載の方法。
【請求項5】
R8及びR9の少なくとも一つがC3アルキルである請求項4記載の方法。
【請求項6】
R8及びR9の少なくとも一つがメチルである請求項4記載の方法。
【請求項7】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのメチルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項4記載の方法。
【請求項8】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのC1−C2アルケニルで誘導されたC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項4記載の方法。
【請求項9】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルである請求項8記載の方法。
【請求項10】
R8及びR9の少なくとも一つがC1−C3アルキル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルである請求項4記載の方法。
【請求項11】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項10記載の方法。
【請求項12】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも一つのヒドロキシルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項4記載の方法。
【請求項13】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項12記載の方法。
【請求項14】
R8及びR9が、独立して、C6シクロアルキル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項4記載の方法。
【請求項15】
R6及びR7が、独立して、H及びメチルよりなる群から選択される請求項14記載の方法。
【請求項16】
細胞を処置する方法であって、
MT103ファミリーメンバーである少なくとも一つの化学物質に細胞を曝露する段階を有する方法。
【請求項17】
少なくとも一つの化学物質が、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びそれらの立体異性体よりなる群から選択される請求項16記載の方法。
【請求項18】
細胞が少なくとも0.01μMの化学物質に曝露される請求項16記載の方法。
【請求項19】
アポトーシスを誘導するために、細胞が化学物質に曝露される請求項16記載の方法。
【請求項20】
化学物質がホルモン拮抗剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項16記載の方法。
【請求項21】
化学物質が血中脂質低下剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項16記載の方法。
【請求項22】
細胞が細菌の細胞又はカビの細胞である請求項16記載の方法。
【請求項23】
細胞が癌細胞である請求項16記載の方法。
【請求項24】
患者を治療するために薬剤を使用する方法であって、患者にMT103ファミリーメンバーである少なくとも一つの化学物質の治療有効量を投与する段階を有する方法。
【請求項25】
化学物質が、非小細胞癌細胞を有する状態を有すると診断された患者における非小細胞癌の成長を抑制するために使用される請求項24記載の方法。
【請求項26】
化学物質が患者の細胞のアポトーシスを誘導するために使用される請求項24記載の方法。
【請求項27】
化学物質が患者におけるホルモン拮抗剤として使用される請求項24記載の方法。
【請求項28】
少なくとも一つの化学物質が、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びそれらの立体異性体よりなる群から選択される請求項24記載の方法。
【請求項29】
医薬組成物であって、式
を有する化学物質又は製薬上許容し得るその塩を有する化合物の治療有効量を含む製薬上許容し得る担体又は希釈剤を有し、
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、C1−C3アルキル、ハロゲン、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され。
R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、
R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される組成物。
【請求項30】
R8及びR9が、独立して、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項29記載の組成物。
【請求項31】
R8及びR9の少なくとも一つがC3アルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項32】
R8及びR9の少なくとも一つがメチルである請求項30記載の組成物。
【請求項33】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのメチルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項34】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのC1−C2アルケニルで誘導されたC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項35】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルである請求項34記載の組成物。
【請求項36】
R8及びR9の少なくとも一つがC1−C3アルキル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項37】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項36記載の組成物。
【請求項38】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも一つのヒドロキシルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項39】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項38記載の組成物。
【請求項40】
R8及びR9が、独立して、C6シクロアルキル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項30記載の組成物。
【請求項41】
R6及びR7が、独立して、H及びメチルよりなる群から選択される請求項40記載の組成物。
【請求項42】
細胞に投与するための組成物であって、MT103ファミリーメンバーである少なくとも一つの化学物質を有する組成物。
【請求項43】
少なくとも一つの化学物質が、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びそれらの立体異性体よりなる群から選択される請求項42記載の組成物。
【請求項44】
細胞が少なくとも0.01μMの化学物質に曝露される請求項42記載の組成物。
【請求項45】
アポトーシスを誘導するために、細胞が化学物質に曝露される請求項42記載の組成物。
【請求項46】
化学物質がホルモン拮抗剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項42記載の組成物。
【請求項47】
化学物質が血中脂質低下剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項42記載の組成物。
【請求項48】
細胞が細菌の細胞又はカビの細胞である請求項42記載の組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、式
を有する化学物質又は製薬上許容し得るその塩を有する化合物の治療有効量を含む製薬上許容し得る担体又は希釈剤を有し、
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、C1−C3アルキル、ハロゲン、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され。
R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、
R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される組成物。
【請求項2】
R8及びR9が、独立して、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項1記載の組成物。
【請求項3】
R8及びR9の少なくとも一つがC3アルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項4】
R8及びR9の少なくとも一つがメチルである請求項2記載の組成物。
【請求項5】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのメチルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項6】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのC1−C2アルケニルで誘導されたC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項7】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルである請求項6記載の組成物。
【請求項8】
R8及びR9の少なくとも一つがC1−C3アルキル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項9】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項8記載の組成物。
【請求項10】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも一つのヒドロキシルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項11】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項10記載の組成物。
【請求項12】
R8及びR9が、独立して、C6シクロアルキル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項2記載の組成物。
【請求項13】
R6及びR7が、独立して、H及びメチルよりなる群から選択される請求項12記載の組成物。
【請求項14】
細胞に投与するための組成物であって、MT103ファミリーメンバーである少なくとも一つの化学物質を有する組成物。
【請求項15】
少なくとも一つの化学物質が、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びそれらの立体異性体よりなる群から選択される請求項14記載の組成物。
【請求項16】
細胞が少なくとも0.01μMの化学物質に曝露される請求項14記載の組成物。
【請求項17】
アポトーシスを誘導するために、細胞が化学物質に曝露される請求項14記載の組成物。
【請求項18】
化学物質がホルモン拮抗剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項14記載の組成物。
【請求項19】
化学物質が血中脂質低下剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項14記載の組成物。
【請求項20】
細胞が細菌の細胞又はカビの細胞である請求項14記載の組成物。
【請求項1】
患者を治療するための方法であって、式
を有する化学物質を含む組成物の治療有効量を患者に投与する段階を有し、
式中、R1、R2、R3、R4及びR5よりなる群の少なくとも一つはOHであり、R1、R2、R3、R4及びR5よりなる群の他のものはHであり、R6及びR7はHであり、R8及びR9はそれぞれシクロヘキシル基となるように選択される方法。
【請求項2】
R1、R2、R3、R4及びR5よりなる群の二つがOHであり、R1、R2、R3、R4及びR5よりなる群の他のものがHである請求項1記載の方法。
【請求項3】
患者を治療するための方法であって、式
を有する化学物質を含む組成物の治療有効量を患者に投与する段階を有し、
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、C1−C3アルキル、ハロゲン、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される方法。
【請求項4】
R8及びR9が、独立して、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項3記載の方法。
【請求項5】
R8及びR9の少なくとも一つがC3アルキルである請求項4記載の方法。
【請求項6】
R8及びR9の少なくとも一つがメチルである請求項4記載の方法。
【請求項7】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのメチルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項4記載の方法。
【請求項8】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのC1−C2アルケニルで誘導されたC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項4記載の方法。
【請求項9】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルである請求項8記載の方法。
【請求項10】
R8及びR9の少なくとも一つがC1−C3アルキル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルである請求項4記載の方法。
【請求項11】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項10記載の方法。
【請求項12】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも一つのヒドロキシルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項4記載の方法。
【請求項13】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項12記載の方法。
【請求項14】
R8及びR9が、独立して、C6シクロアルキル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項4記載の方法。
【請求項15】
R6及びR7が、独立して、H及びメチルよりなる群から選択される請求項14記載の方法。
【請求項16】
細胞を処置する方法であって、
MT103ファミリーメンバーである少なくとも一つの化学物質に細胞を曝露する段階を有する方法。
【請求項17】
少なくとも一つの化学物質が、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びそれらの立体異性体よりなる群から選択される請求項16記載の方法。
【請求項18】
細胞が少なくとも0.01μMの化学物質に曝露される請求項16記載の方法。
【請求項19】
アポトーシスを誘導するために、細胞が化学物質に曝露される請求項16記載の方法。
【請求項20】
化学物質がホルモン拮抗剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項16記載の方法。
【請求項21】
化学物質が血中脂質低下剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項16記載の方法。
【請求項22】
細胞が細菌の細胞又はカビの細胞である請求項16記載の方法。
【請求項23】
細胞が癌細胞である請求項16記載の方法。
【請求項24】
患者を治療するために薬剤を使用する方法であって、患者にMT103ファミリーメンバーである少なくとも一つの化学物質の治療有効量を投与する段階を有する方法。
【請求項25】
化学物質が、非小細胞癌細胞を有する状態を有すると診断された患者における非小細胞癌の成長を抑制するために使用される請求項24記載の方法。
【請求項26】
化学物質が患者の細胞のアポトーシスを誘導するために使用される請求項24記載の方法。
【請求項27】
化学物質が患者におけるホルモン拮抗剤として使用される請求項24記載の方法。
【請求項28】
少なくとも一つの化学物質が、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びそれらの立体異性体よりなる群から選択される請求項24記載の方法。
【請求項29】
医薬組成物であって、式
を有する化学物質又は製薬上許容し得るその塩を有する化合物の治療有効量を含む製薬上許容し得る担体又は希釈剤を有し、
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、C1−C3アルキル、ハロゲン、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され。
R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、
R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される組成物。
【請求項30】
R8及びR9が、独立して、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項29記載の組成物。
【請求項31】
R8及びR9の少なくとも一つがC3アルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項32】
R8及びR9の少なくとも一つがメチルである請求項30記載の組成物。
【請求項33】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのメチルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項34】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのC1−C2アルケニルで誘導されたC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項35】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルである請求項34記載の組成物。
【請求項36】
R8及びR9の少なくとも一つがC1−C3アルキル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項37】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項36記載の組成物。
【請求項38】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも一つのヒドロキシルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項30記載の組成物。
【請求項39】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項38記載の組成物。
【請求項40】
R8及びR9が、独立して、C6シクロアルキル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項30記載の組成物。
【請求項41】
R6及びR7が、独立して、H及びメチルよりなる群から選択される請求項40記載の組成物。
【請求項42】
細胞に投与するための組成物であって、MT103ファミリーメンバーである少なくとも一つの化学物質を有する組成物。
【請求項43】
少なくとも一つの化学物質が、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びそれらの立体異性体よりなる群から選択される請求項42記載の組成物。
【請求項44】
細胞が少なくとも0.01μMの化学物質に曝露される請求項42記載の組成物。
【請求項45】
アポトーシスを誘導するために、細胞が化学物質に曝露される請求項42記載の組成物。
【請求項46】
化学物質がホルモン拮抗剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項42記載の組成物。
【請求項47】
化学物質が血中脂質低下剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項42記載の組成物。
【請求項48】
細胞が細菌の細胞又はカビの細胞である請求項42記載の組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、式
を有する化学物質又は製薬上許容し得るその塩を有する化合物の治療有効量を含む製薬上許容し得る担体又は希釈剤を有し、
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立して、H、OH、C1−C3アルキル、ハロゲン、第1アミン、第2アミン、第3アミン、カルボキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され。
R6及びR7は、独立して、H、C1−C3アルキル及びC1−C3アルケニルよりなる群から選択され、
R8及びR9は、独立して、炭素数1から12の化学基よりなる群から選択される組成物。
【請求項2】
R8及びR9が、独立して、C1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6シクロアルケニル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項1記載の組成物。
【請求項3】
R8及びR9の少なくとも一つがC3アルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項4】
R8及びR9の少なくとも一つがメチルである請求項2記載の組成物。
【請求項5】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのメチルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項6】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも二つのC1−C2アルケニルで誘導されたC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項7】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルである請求項6記載の組成物。
【請求項8】
R8及びR9の少なくとも一つがC1−C3アルキル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項9】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項8記載の組成物。
【請求項10】
R8及びR9の少なくとも一つが少なくとも一つのヒドロキシルで誘導されたC6シクロアルキルである請求項2記載の組成物。
【請求項11】
R8及びR9の少なくとも一つがC6シクロアルキルであり、R6及びR7の少なくとも一つがC1−C2アルキルである請求項10記載の組成物。
【請求項12】
R8及びR9が、独立して、C6シクロアルキル、及びC1−C4アルキル、C1−C4アルケニル、ヒドロキシル及びカルボキシルよりなる群の少なくとも一つのメンバーで誘導されたC6シクロアルキルよりなる群から選択される請求項2記載の組成物。
【請求項13】
R6及びR7が、独立して、H及びメチルよりなる群から選択される請求項12記載の組成物。
【請求項14】
細胞に投与するための組成物であって、MT103ファミリーメンバーである少なくとも一つの化学物質を有する組成物。
【請求項15】
少なくとも一つの化学物質が、N,N−ジシクロヘキシル−(1S)−イソボルネオール−10−スルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−N−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)−2,3−ジヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメタンスルホンアミド、N1−シクロヘキシル−N1−{4−[(E)エチリデン]−3−メチレンシクロヘキシル}−1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)−1−エチレンスルホンアミド、4−シクロヘキシル[1−(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イル)ビニル]スルファンアミド−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−[3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル(2−ヒドロキシ−7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−1−イルメチル)スルホンアミド]−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及びそれらの立体異性体よりなる群から選択される請求項14記載の組成物。
【請求項16】
細胞が少なくとも0.01μMの化学物質に曝露される請求項14記載の組成物。
【請求項17】
アポトーシスを誘導するために、細胞が化学物質に曝露される請求項14記載の組成物。
【請求項18】
化学物質がホルモン拮抗剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項14記載の組成物。
【請求項19】
化学物質が血中脂質低下剤として作用できるように、細胞が化学物質に曝露される請求項14記載の組成物。
【請求項20】
細胞が細菌の細胞又はカビの細胞である請求項14記載の組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2006−503058(P2006−503058A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538129(P2004−538129)
【出願日】平成14年9月20日(2002.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2002/029951
【国際公開番号】WO2004/026225
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(505101617)メディシン テクノロジーズ インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年9月20日(2002.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2002/029951
【国際公開番号】WO2004/026225
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(505101617)メディシン テクノロジーズ インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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