説明

波力発電用タービン

【課題】波力発電用タービン構造を簡素化して製作・設置コストを低減させ、エネルギー効率を向上させた波力発電装置を提供する。
【解決手段】波の上下動により、水の往復流によって、タービンの回転力を向上させる翼角度及び形状が変化し、水の往復流によって同一方向に回転される複数の回転翼を有するタービンであって、それら回転翼を回転増速器12と同時に回転させる発電モーター13よりなる機構を設け、浮体の端に2台以上波力発電用タービンを設置し、浮体を共振させるように2台以上繋げることで、エネルギー利用効率の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波の上下運動による波力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋の波のエネルギーを利用する装置には、海面で作動する方式や海中で作動する方式のものがあるが、これらの装置に関しては、これまで、多くのことが試みられてきた。
【0003】
従来、波エネルギーを利用する記述としては、例えば、「極数可変型誘導発電機による波力タービン発電装置及びその運転方法」( 特許文献1 参照) 、「波力発電装置」(
特許文献2 参照) 、波力発電用タービン」( 特許文献3 参照) あるいは、「地球温暖化モニタリング洋上プラットフォーム」( 特許文献4 参照) などが提案されていた。
【0004】
また、特許文献2 の従来装置は、ウエルズタービンを用いて発電機の回転方向を常に一定として構造の簡素化を行うものである。また、特許文献3 の従来装置も同様に、タービンの回転翼の角度及び案内羽根の角度を空気の流れに応じて制御し、発電機の回転方向を常に一定として構造の簡素化と発電効率の向上を図るものである。
【0005】
また、特許文献4 の従来装置は、水平安定盤を設けて波エネルギーの回収率向上を図るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−176649号公報
【特許文献2】特開平11−201014号公報
【特許文献3】特開平9−287546号公報
【特許文献4】特開2001−151192号公報
【特許文献5】特開2003−312586号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】実開平06−34036
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
クリーンな自然エネルギーを利用する、波力発電用タービン構造を簡素化して製作・設置コストを低減させ、エネルギー効率を向上させる事。
空気等の気体の往復流によって同一方向に回転させる複数の回転翼を有するタービンは、従来、ウエルズタービンのように翼が固定されているため、気体の流速によって空気エネルギーの変換効率が大きく変動する。ウエルズタービンで効率を上げようとすると、それなりにコストがかかるという不具合もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水の往復流によって同一方向に回転させる複数の回転翼14を有するタービンにおいて、水の往復流の圧力で、ブレードの形状及び角度を変えるブレード2を設けるとともに、タービン軸7回りに同時に回動可能にする増速器及び発電モーターを設ける。
【発明の効果】
【0010】
本発明のタービンは往復流する水流速に対応して、翼の角度が制御され、及び、回転力を向上する翼形状(キャンバ・フラップ)で回転され、従来のウェルズタービンよりブレード厚を薄く設定出来る為、エネルギーの変換効率が高い状態で運転できることになり、波エネルギーの発電効率が著しく向上される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は回転翼断面図(実施例1)
【図2】図2は回転翼平面図(実施例1)
【図3】図3はタービン断面図、平面図(実施例1)
【図4】図4は波力発電用タービンの実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図5】図5は波力発電用タービンの実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【図6】図6は翼の実施方法を示した説明図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0012】
往復流する水流に対して、可能な限り発電効率を向上するという目的を、最小の部品点数で、製作・設置コストを低減させ実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明装置の回転翼14の断面図、図2は平面図、であってブレード2は蝶番4を介して翼の軸1に固定されていて、水流により圧が掛かる面がキャンバ状に、反対面の前縁ブレード2に押される形で後縁ブレード2がフラップ状になり、上下運動の水流を効率よく回転運動に変える翼にする。蝶番4上と蝶番4下の間に衝撃吸収、及び最大翼角設定の為のエラストマー樹脂6を取り付けて、翼骨組み3はブレードの反り調整である。
【0014】
図3は、本発明装置の実施例1の断面図、平面図であって、タービン軸7、水流を早くする為の回転子11、円筒状の外壁8と円錐状の筒9、水流ガイド11付きの入り口を設けたタービンである。
【0015】
図4は、本発明装置の実施例1の全体図であって、水の上下運動を共振するように2台つなげた図である。
【0016】
本発明の主体はタービンの回転力にあるので、回転増速器、発電モーター系の説明は省略する。
【実施例2】
【0017】
図5は、本発明装置の実施例2の全体図であって、気体の往復流を同一方向に回転するようにした例である。
【実施例3】
【0018】
図6は、実施例3の全体図であって、船舶の両端に大きい翼を取付けて、船舶の推進動力とした例である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
大きめの翼を両端に付けて、又は充電をして船舶の推進動力にも適用できる。
【符号の説明】
【0020】
1 翼の軸(ステンレスパイプ6.0ミリ)
2 ブレード(PP0.5ミリ)
3 翼骨組み (PE4.0ミリ)
4 蝶番金具
5 前縁ブレード補強材(PP4.0ミリ)
6 エラストマー樹脂
7 タービン軸
8 円筒状の外壁
9 円錐状の筒
10 水流ガイド翼
11 回転子
12 増速器
13 発電モーター
14 回転翼

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の往復流によって同一方向に回転させる複数の回転翼14を設けたタービンにおいて、ブレード2の材質は柔らかいプラスチック樹脂で、内側は空洞にし、水流圧で形状が回転力を向上する形(キャンバ・フラップ)に変化しやすくするとともに、翼角を変える手段に蝶番金具4、エラストマー樹脂6を設けたことを特徴とする、波力発電用タービン。
【請求項2】
円筒状の外壁8と水流を早くする為の円錐状の筒9、水流ガイド翼10、付きの入り口を設けたことを特徴とする、波力発電用タービン。
【請求項3】
浮体を2台以上繋げ、タービンを浮体の両端に1台ずつ設置することで、相乗効果及び共振をすることを特徴とする、波力発電用タービン。
【請求項4】
上記請求項1 の水に換えて、空気往復流によって同一方向に回転する波力発電用タービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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