説明

波形整形方法及び光受信機

【課題】光送信機が切り替わるまでに、切替後の光送信機に応じたタップ係数の設定が可能な波形整形方法及び光受信機を提供すること。
【解決手段】第1の光送信機20aから受信する受信信号が第1のEDC回路10aによって波形整形されセレクタ12を介して外部に出力されている時間内に、第1の光送信機20aから時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる第2の光送信機20bに対応し記憶装置16に格納されたタップ係数を第2のEDC回路10bに設定し、第1の光送信機20aから第2の光送信機20bに受信信号が切り替わると、第2のEDC回路10bからの信号をセレクタ12から外部に出力するようセレクタ12に指示するコントローラを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波形整形方法及び光受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、一又は複数の基地局に対し、光カプラ等を用いて多数の端末を接続し高速な光回線を安価に提供するための技術(PON : Passive Optical Network)が開発されている。端末は多数なので、端末の光送信機の具備するレーザダイオードには比較的廉価なマルチモード発振レーザ(FP-LD : Fabry Perot-Laser Diode)が用いられる。しかし、このFP−LDを長距離伝送に用いた場合、分散による波形劣化が顕著となる。最近、分散による波形劣化を電気的に補償するためのEDC回路(Electronic Dispersion Compensation)回路を搭載する基地局の光受信機が特許文献1に開示されている。このようなEDC回路は、波形劣化を補償するためのタップ係数を、通信中の端末に応じて最適化する。基地局と通信する端末の切り替えが行われる場合には、切り替え後の端末に対応するように光受信機のタップ係数が最適化される。
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0093379号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、タップ係数を最適化するために要する時間は、端末からの受信信号の切り替えに要する時間に比較して長い。このため、端末の切り替え後もタップ係数の調整が必要になる等、端末からの受信信号の品質劣化を招く虞がある。そこで本発明の目的は、光送信機が切り替わるまでに、切替後の光送信機に応じたタップ係数の設定が可能な波形整形方法及び光受信機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1及び第2の光送信機から時分割方式に基づいて受信する受信信号の波形を整形し該受信信号の分散を補償するための分散補償回路と、予めメモリに格納され、前記第1及び第2の光送信機のそれぞれに対応し、前記分散補償回路に設定される第1及び第2のタップ係数と、を用いた波形整形方法であって、前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に前記時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる切替時間内に、切替先となる前記第2の光送信機に対応する前記第2のタップ係数を前記分散補償回路に設定する第1のステップと、前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に受信信号が切り替わると、前記第2の光送信機から受信する受信信号の波形を前記分散補償回路によって整形して出力する第2のステップとを有することを特徴とする。
【0005】
本発明は、第1及び第2の光送信機と時分割方式に基づいて通信する光受信機であって、前記第1及び第2の光送信機から受信する受信信号の波形を整形して該受信信号の分散を補償し、この分散補償後の信号を出力する分散補償回路と、前記第1及び第2の光送信機のそれぞれに対応し前記分散補償回路に設定される第1及び第2のタップ係数を格納するメモリと、前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に前記時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる切替時間内に、切替先となる前記第2の光送信機に対応する前記第2のタップ係数を前記分散補償回路に設定するコントローラとを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の波形整形方法と光受信機とによれば、第1及び第2の光送信機毎にタップ係数が予めメモリに格納されているので、分散補償回路に対するタップ係数の設定が光送信機に応じて比較的短時間に行える。従って、第1の光送信機から第2の光送信機に受信信号を切り替えるための切替時間内であっても、分散補償回路に対するタップ係数の設定が光送信機に応じて可能となる。このように、光送信機に応じたタップ係数の切り替えが光送信機からの受信信号の切替時間内に行えるので、受信信号の切り替え後のタップ係数の調整が不要となるか若しくは軽減され、光送信機からの受信信号の品質劣化が回避できる。
【0007】
本発明は、第1及び第2の光送信機から時分割方式に基づいて受信する受信信号の波形を整形し該受信信号の分散を補償するための第1及び第2の分散補償回路と、予めメモリに格納され、前記第1及び第2の光送信機のそれぞれに対応し、前記第1及び第2の分散補償回路に設定される第1及び第2のタップ係数と、を用いた波形整形方法であって、前記第1の光送信機から受信する受信信号が前記第1の分散補償回路によって波形整形されて外部に出力されている時間内に、前記第1の光送信機から前記時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる前記第2の光送信機に対応した前記第2のタップ係数を前記第2の分散補償回路に設定する第1のステップと、前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に受信信号が切り替わると、前記第2の光送信機から受信する受信信号の波形を前記第2の分散補償回路によって整形して出力する第2のステップとを有することを特徴とする。
【0008】
本発明は、時分割方式に基づいて第1及び第2の光送信機と通信する光受信機であって、前記第1及び第2の光送信機から受信する受信信号の波形を整形して該受信信号の分散を補償し、この分散補償後の信号を出力する第1及び第2の分散補償回路と、前記第1及び第2の光送信機のそれぞれに対応し前記第1及び第2の分散補償回路に設定される第1及び第2のタップ係数を格納するメモリと、前記第1及び第2の分散補償回路からの信号のうち何れか一方を外部に出力するセレクタと、前記第1の光送信機から受信する受信信号が前記第1の分散補償回路によって波形整形され前記セレクタを介して外部に出力されている時間内に、前記第1の光送信機から前記時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる前記第2の光送信機に対応した前記第2のタップ係数を前記第2の分散補償回路に設定し、前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に受信信号が切り替わると、前記第2の分散補償回路からの信号を前記セレクタから外部に出力するよう該セレクタに指示するコントローラとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の波形整形方法と光受信機とによれば、二つの分散補償回路(第1及び第2の分散補償回路)が用いられる。よって、光信号を第1の光送信機から時分割方式に基づいて受信している時であって、第1の分散補償回路がこの光信号を分散補償して外部に出力している最中であっても、メモリに予め格納され次に受信する第2の光送信機に応じたタップ係数が第2の分散補償回路に設定可能となる。従って、第1の光送信機からの光信号の受信が時分割方式に基づいて終了した時点で、第1の分散補償回路から第2の分散補償回路に信号の出力を切り替えれば、受信信号の切り替え後のタップ係数の調整が不要となるか若しくは軽減され、光送信機からの受信信号の品質劣化が回避できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光送信機が切り替わるまでに、切替後の光送信機に応じたタップ係数の設定が可能な波形整形方法及び光受信機が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1を参照して、実施形態に係る光受信機2の構成を説明する。光受信機2は、WDM4、PD6、TIA8、第1のEDC回路10a、第2のEDC回路10b、セレクタ12、コントローラ14、記憶装置16、LDドライバ18及びLD19を備える。光受信機2は、光ファイバF1を介して光カプラ26に接続され、光カプラ26は、第1の光送信機20a及び第2の光送信機20bを含む複数の光送信機に光ファイバを介して接続される。このような第1の光送信機20a及び第2の光送信機20bを含む複数の光送信機は、何れも、LDドライバ22及びFP型LD24を備える。
【0012】
光ファイバF1〜光ファイバF3は、何れもシングルモードファイバであり、第1の光送信機20a及び第2の光送信機20b以外の他の光送信機と光カプラ26とを接続する他の光ファイバも、シングルモードファイバである。第1の光送信機20aは光ファイバF2を介して光カプラ26に接続され、第2の光送信機20bは光ファイバF3を介して光カプラ26に接続される。光受信機2は、第1の光送信機20a及び第2の光送信機20bを含む複数の光送信機と時分割方式に基づいて通信する。より具体的には、光受信機2は、第1の光送信機20a及び第2の光送信機20bを含む複数の光送信機からの光信号を、時分割方式に基づいて受信する。
【0013】
WDM4(WDM : WavelengthDivision Multiplexing)は、波長分割多重方式フィルタであり、光ファイバF1を介して光カプラ26に接続される。また、WDM4は、PD6及びLD19に接続される。WDM4は、第1の光送信機20a及び第2の光送信機20bを含む複数の光送信機からの光信号を光ファイバF1の出力光から抽出してPD6に送信する。WDM4は、LD19からの出力光を、所定波長にフィルタリングした後に光ファイバF1を介して光カプラ26に出力する。
【0014】
PD6は、WDM4及びTIA8に接続されたフォトダイオードであり、WDM4からの光信号を受けて、この光信号の強度に応じた電流信号をTIA8に出力する。TIA8は、PD6と、第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bとに接続されたトランスインピーダンスアンプであり、PD6から入力される電流信号を、電圧信号に変換して第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bに出力する。
【0015】
第1のEDC回路10aと第2のEDC回路10bとは同様の構成を有する電子式分散補償回路であり、第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bは、何れも、TIA8及びセレクタ12に接続される。第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bは、何れも、複数のタップ11を含むトランスバーサルフィルタを有し、複数のタップ11にはそれぞれタップ係数が設定される。第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bは、何れも、第1の光送信機20a及び第2の光送信機20bを含む複数の光送信機から光ファイバF1を介して受信する光信号(受信信号)の分散を光送信機(光送信機の通信距離や回線状態)に応じて補償できるように、タップ係数の最適化(調整)が可能である。第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bは、何れも、分散補償後の補償済み信号をセレクタ12に出力する。セレクタ12は、第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bに接続されており、第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bからそれぞれ出力される補償済み信号のうち何れか一方の信号を外部に出力する。
【0016】
コントローラ14は、第1のEDC回路10a、第2のEDC回路10b、セレクタ12及びLDドライバ18を制御する。コントローラ14は、光カプラ26に接続された第1の光送信機20aや第2の光送信機20b等の複数の光送信機のそれぞれに対し、時分割方式に基づく送信期間の割り当てを行う。すなわち、コントローラ14は、LDドライバ18を制御し、時分割方式に基づく送信期間の開始タイミング及び終了タイミングを示す指示信号を、LD19から、WDM4、光ファイバF1及び光カプラ26を介して、第1の光送信機20a等の複数の光送信機に出力する。光カプラ26に接続された第1の光送信機20a等の複数の光送信機のそれぞれは、光受信機2からの指示信号により指定された送信期間内に光信号を出力する。
【0017】
コントローラ14は、記憶装置16に格納された第1のタップ係数データ16aや第2のタップ係数データ16b等のタップ係数を、第1のEDC回路10aや第2のEDC回路10bに設定する。コントローラ14は、第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bからそれぞれ出力される補償済み信号のうちセレクタ12から外部に出力する信号を、時分割方式に基づいてセレクタ12に指示する。
【0018】
ここで、第1のタップ係数データ16aは、第1の光送信機20a(第1の光送信機20aの通信距離等)に対応したタップ係数であり、第2のタップ係数データ16bは、第2の光送信機20b(第2の光送信機20bの通信距離等)に対応したタップ係数である。記憶装置16には、第1のタップ係数データ16a及び第2のタップ係数データ16b以外にも、光カプラ26に接続された複数の光送信機のそれぞれに対応した複数のタップ係数情報を格納する。
【0019】
コントローラ14は、例えば、第1の光送信機20aから第2の光送信機20bに時分割方式に基づき受信信号が切り替わる場合を考えると、第1の光送信機20aから受信する受信信号が第1のEDC回路10aによって波形整形されセレクタ12を介して外部に出力されている時間内において、第1の光送信機20aから時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる第2の光送信機20bに対応した第2のタップ係数データ16bのタップ係数を第2のEDC回路10bに設定する。そして、コントローラ14は、第1の光送信機20aから第2の光送信機20bに受信信号が切り替わると、第2のEDC回路10bからの補償済み信号をセレクタ12から外部に出力するようセレクタ12に指示する。
【0020】
次に、図2を参照して、光受信機2の動作を説明する。まず、ステップS1において、光受信機2が第1の光送信機20aと通信中(第1の光送信機20aから光信号を受信中)の場合に、コントローラ14の制御によって、第1のタップ係数データ16aのタップ係数の設定された第1のEDC回路10aからの補償済み信号が、セレクタ12から出力されているとする(ステップS1)。ステップS1の後、ステップS2において、コントローラ14は、時分割方式に基づく第1の光送信機20aとの通信(第1の光送信機20aからの光信号の受信)の終了前であり、第1の光送信機20aから受信する受信信号が第1のEDC回路10aによって波形整形されて外部に出力されている時間内に、受信信号の切替先となる(時分割方式に基づいて第1の光送信機20aから受信信号の切り替わる)第2の光送信機20bのタップ係数(第2のタップ係数データ16bのタップ係数)を第2のEDC回路10bに設定する(ステップS2)。
【0021】
ステップS2の後、コントローラ14は、第2の光送信機20bへの切替時に(第1の光送信機20aから第2の光送信機20bに受信信号が切り替わると)、セレクタ12から出力する信号を、第2のEDC回路10bからの補償済み信号に切り替え(ステップS3)、第2の光送信機20bとの通信(第2の光送信機20bからの光信号の受信)が開始される(ステップS4)。この場合、第2のEDC回路10bは、第2の光送信機20bから受信する受信信号の波形を整形してセレクタ12に出力する。
【0022】
以上説明したように、光受信機2は、二つのEDC回路(第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10b)を備える。よって、光信号を第1の光送信機20aから時分割方式に基づいて受信している時であって、第1のEDC回路10aがこの光信号を分散補償してセレクタ12を介して外部に出力している最中であっても、記憶装置16に予め格納され次に受信する第2の光送信機20bに応じたタップ係数が第2のEDC回路10bに設定可能となる。従って、第1の光送信機20aからの光信号の受信が時分割方式に基づいて終了した時点で、セレクタ12から出力する信号を第1のEDC回路10aから第2のEDC回路10bに切り替えれば、受信信号の切り替え後のタップ係数の調整が不要となるか若しくは軽減される。このため、第1の光送信機20a及び第2の光送信機20b等の光送信機からの受信信号の品質劣化が回避できる。
【0023】
なお、光受信機2は、第1のEDC回路10a及び第2のEDC回路10bを備えるとしたが、これに限らず、三つ以上のEDC回路を備えてもよい。これらの三つ以上のEDC回路は、何れも、TIA8及びセレクタ12に接続されており、セレクタ12は、コントローラ14の制御に応じて、これらの三つ以上のEDC回路からの信号の何れか一の信号のみを外部に出力する。この場合、コントローラ14は、複数のEDC回路のそれぞれに対し、時分割方式に基づいて順次切り替えられる複数の光送信機に応じたタップ係数を設定する。コントローラ14は、これら三つ以上のEDC回路からの信号のそれぞれを、時分割方式に基づいて順次出力するようセレクタ12に指示する。
【0024】
(変形例)なお、光受信機2は、図2のフローチャートに替えて、図3のフローチャートを実行してもよい。以下、図3のフローチャートを説明する。まず、ステップS5において、光受信機2が第1の光送信機20aと通信中(第1の光送信機20aからの光信号の受信中)の場合に、コントローラ14の制御によって、第1のタップ係数データ16aのタップ係数の設定された第1のEDC回路10aからの補償済み信号が外部に出力されているとする(ステップS5)。ステップS5の後、ステップS6において、コントローラ14は、第1の光送信機20aから第2の光送信機20bに時分割方式に基づいて受信信号が切り替わる切替時間内に、切替先となる第2の光送信機20bに対応するタップ係数(第2のタップ係数データ16bのタップ係数)を第1のEDC回路10aに設定する(ステップS6)。この切替時間とは、第1の光送信機20aからの信号の送信が停止してから、第2の光送信機20bからの信号の送信が開始するまでの時間であり、第1の光送信機20a及び第2の光送信機20bの何れからも光受信機2が信号を受信しない時間である。ステップS6の後、第2の光送信機20bとの通信(第2の光送信機20bからの光信号の受信)が開始されると、第2の光送信機20bから受信する受信信号の波形が第1のEDC回路10aによって整形されて外部に出力される(ステップS7)。
【0025】
本変形例の場合、第2のEDC回路10b及びセレクタ12は使用されないので、光受信機2は、第2のEDC回路10b及びセレクタ12を備えていなくてもよい。しかし、光受信機2が第2のEDC回路10b及びセレクタ12を備えている場合、コントローラ14は、第1のEDC回路10aからの信号のみを常に外部に出力するようセレクタ12を制御する。
【0026】
本変形例であっても、本実施形態と同様に、複数の光送信機毎にタップ係数が予め記憶装置16に格納されているので、第1のEDC回路10aに対し、第1の光送信機20aや第2の光送信機20b等の光送信機に応じたタップ係数の設定が比較的短時間に行える。従って、第1の光送信機20aから第2の光送信機20bに受信信号を切り替えるための切替時間が比較的短くても、この時間内に第1のEDC回路10aに対する第2の光送信機20bに応じたタップ係数の設定が可能となる。このように、第2の光送信機20bに応じたタップ係数の切り替えが第1の光送信機20aから第2の光送信機20bへの受信信号の切替時間内に行えるので、受信信号の切り替え後のタップ係数の調整が不要となるか若しくは軽減される。よって、第1の光送信機20aや第2の光送信機20b等の光送信機からの受信信号の品質劣化が回避できる。
【0027】
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態に係る光受信機の構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る光受信機の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】実施形態に係る光受信機の他の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1…光通信システム、10a…第1のEDC回路、10b…第2のEDC回路、11…タップ、12…セレクタ、14…コントローラ、16…記憶装置、16a…第1のタップ係数データ、16b…第2のタップ係数データ、18…LDドライバ、19…LD、2…光受信機、20a…第1の光送信機、20b…第2の光送信機、22…LDドライバ、24…FP型LD、26…光カプラ、4…WDM、6…PD、8…TIA

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の光送信機から時分割方式に基づいて受信する受信信号の波形を整形し該受信信号の分散を補償するための分散補償回路と、予めメモリに格納され、前記第1及び第2の光送信機のそれぞれに対応し、前記分散補償回路に設定される第1及び第2のタップ係数と、を用いた波形整形方法であって、
前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に前記時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる切替時間内に、切替先となる前記第2の光送信機に対応する前記第2のタップ係数を前記分散補償回路に設定する第1のステップと、
前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に受信信号が切り替わると、前記第2の光送信機から受信する受信信号の波形を前記分散補償回路によって整形して出力する第2のステップと
を有することを特徴とする波形整形方法。
【請求項2】
第1及び第2の光送信機から時分割方式に基づいて受信する受信信号の波形を整形し該受信信号の分散を補償するための第1及び第2の分散補償回路と、予めメモリに格納され、前記第1及び第2の光送信機のそれぞれに対応し、前記第1及び第2の分散補償回路に設定される第1及び第2のタップ係数と、を用いた波形整形方法であって、
前記第1の光送信機から受信する受信信号が前記第1の分散補償回路によって波形整形されて外部に出力されている時間内に、前記第1の光送信機から前記時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる前記第2の光送信機に対応した前記第2のタップ係数を前記第2の分散補償回路に設定する第1のステップと、
前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に受信信号が切り替わると、前記第2の光送信機から受信する受信信号の波形を前記第2の分散補償回路によって整形して出力する第2のステップと
を有することを特徴とする波形整形方法。
【請求項3】
第1及び第2の光送信機と時分割方式に基づいて通信する光受信機であって、
前記第1及び第2の光送信機から受信する受信信号の波形を整形して該受信信号の分散を補償し、この分散補償後の信号を出力する分散補償回路と、
前記第1及び第2の光送信機のそれぞれに対応し前記分散補償回路に設定される第1及び第2のタップ係数を格納するメモリと、
前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に前記時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる切替時間内に、切替先となる前記第2の光送信機に対応する前記第2のタップ係数を前記分散補償回路に設定するコントローラと
を備えることを特徴とする光受信機。
【請求項4】
時分割方式に基づいて第1及び第2の光送信機と通信する光受信機であって、
前記第1及び第2の光送信機から受信する受信信号の波形を整形して該受信信号の分散を補償し、この分散補償後の信号を出力する第1及び第2の分散補償回路と、
前記第1及び第2の光送信機のそれぞれに対応し前記第1及び第2の分散補償回路に設定される第1及び第2のタップ係数を格納するメモリと、
前記第1及び第2の分散補償回路からの信号のうち何れか一方を外部に出力するセレクタと、
前記第1の光送信機から受信する受信信号が前記第1の分散補償回路によって波形整形され前記セレクタを介して外部に出力されている時間内に、前記第1の光送信機から前記時分割方式に基づいて受信信号の切り替わる前記第2の光送信機に対応した前記第2のタップ係数を前記第2の分散補償回路に設定し、前記第1の光送信機から前記第2の光送信機に受信信号が切り替わると、前記第2の分散補償回路からの信号を前記セレクタから外部に出力するよう該セレクタに指示するコントローラと
を備えることを特徴とする光受信機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−94894(P2009−94894A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264786(P2007−264786)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】