説明

波長変換光学素子、波長変換光学素子の製造方法、波長変換装置、紫外線レーザ照射装置およびレーザ加工装置

【課題】 入射強度に応じて出力特性が増加でき、かつ室温で使用可能な波長変換光学素子を提供する。
【解決手段】 本発明の波長変換光学素子は、セシウム・リチウム・ボレート系結晶を含む波長変換光学素子であって、前記結晶中の水不純物の含有量が、前記結晶をNd:YAGレーザの4倍高調波発生方位の光学素子であって長さ10mmの光学素子に加工した場合、前記光学素子の赤外透過スペクトルにおける3589cm−1の透過率(Ta)を指標として、偏光方向と無関係であり、かつ光学研磨表面での損失を考慮しない実測値で1%以上であるという含有量であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換光学素子、波長変換光学素子の製造方法、波長変換装置、紫外線レーザ照射装置およびレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線レーザには、赤外光領域の光源レーザから波長変換光学素子の非線形光学効果を複数回利用して、紫外光を発生させる方法がある。その中で、最終段階などで用いられる波長変換光学素子としては、本発明者等が開発した化学組成CsLiB10(以下「CLBO」ともいう)結晶で代表されるセシウム・リチウム・ボレート系結晶が、紫外線レーザを高効率で発生できる結晶である。前記CLBO結晶については、例えば、Nd:YAGレーザの4倍高調波(波長266nm)、5倍高調波(波長213nm)、ArFエキシマレーザの発振波長と同一の193nm光を高い変換効率で発生できることが報告されている。
【0003】
しかしながら、CLBO結晶は、潮解性を有するために、結晶光学面が大気中の水分等と反応し、この結果、品質劣化やレーザ損傷を招く他、内部屈折率の変化が生じるという問題がある。そのため、前記結晶を波長変換光学素子として使用する前に、予め100℃以上に加熱(アニール)処理を施すか、150℃に加熱した状態で使用するという技術が開発されている(特許文献4)。また、使用時において、波長変換光学素子の劣化を防ぐため、真空雰囲気中に前記結晶を配置したり(特許文献5)、水分を含まない気体で封じた光学用セル内に前記結晶を配置して使用すること(特許文献6、特許文献7)が提案されている。これらの技術は、いずれもCLBO結晶の潮解性による素子の劣化、レーザ損傷の回避を目的としたものである。
【0004】
一方、CLBO結晶を用いた波長変換光学素子は、発生した紫外線レーザ強度が高くなると、その紫外線レーザに対するわずかな吸収により素子内部が発熱して内部に不均一な温度分布を形成し、その影響を受けて屈折率変化の分布が生じ、その結果、波長変換条件(位相整合条件)から逸脱する領域が生じてしまう。このため、前述した防湿の問題と、この位相不整合領域の発生の問題の双方を解決するために、CLBO結晶を150℃に加熱した状態で使用する方法がある。しかしながら、この方法では、自己加熱の影響を避けることは困難であるため、高出力紫外線レーザ発生時の出力は、熱効果を含まない理論値から低くなる傾向にあった。その結果、紫外線レーザ高出力化のためには、より高強度のレーザ入射や高集光条件が必須となるが、これがCLBO結晶の損傷や劣化を引き起こす要因として働き、長期間作動に対する信頼性の低下が問題となっていた。なお、結晶内部のレーザビーム集光部付近は、紫外線レーザによるこの発熱から、熱クラックが生じる「内部レーザ損傷」が発生しやすい環境に晒されている。また、CLBO結晶は、発熱に伴って屈折率の値が小さくなる性質を持つために、紫外線レーザ変換効率を高める目的で集光したレーザビーム光の径が、意図に反して拡がる「熱レンズ効果」を発現する。さらに、150℃の加熱状態でCLBO結晶を使用することは、紫外線レーザ照射装置の立ち上げ(起動)に時間を要することになり、操作性に問題があったため、室温で使用できるCLBO結晶の開発が要求されていた。
【0005】
一方、CLBO結晶内部には水が不純物として混入し、赤外光領域に吸収が生じることが知られている。(非特許文献1、非特許文献2)。これに対し、本発明者等は、CLBO内部の水不純物を加熱処理によって低減させ、CLBO結晶内部レーザ損傷閾値を向上させる技術を開発した(非特許文献3)。しかしながら、この技術で作製したCLBO結晶では、光源レーザ入射強度を上げていくと、ある領域までは、発生する紫外線レーザの出力強度も向上していくが、入射強度がある一定値以上になると、出力強度が向上しなくなるという出力飽和現象が生じるという問題がある。このため、入射強度に応じて紫外線レーザの出力強度を向上させる技術の開発が求められている。このような室温条件での使用および紫外線レーザ出力の向上は、CLBO結晶を含むセシウム・リチウム・ボレート系結晶全体の課題でもある。
【0006】
【特許文献1】特許第2744604号公報
【特許文献2】特許第2812427号公報
【特許文献3】特許第3115250号公報
【特許文献4】特許第3115250号公報
【特許文献5】特開平11−271820号公報
【特許文献6】特開2003−295241号公報
【特許文献7】国際公開番号WO2002/048786号公報
【非特許文献1】Y. Morimoto et al., J. Mater. Res. Vol.16, pp.2082−2090 (2001)
【非特許文献2】L. Kovács et al., Opt. Mater. Vol.24, pp.457−463 (2003)
【非特許文献3】M. Nishioka et al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol.44, pp.L699−L700 (2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、入射強度に応じて紫外線レーザの出力強度を向上させることができ、かつ室温でも使用可能な波長変換光学素子、前記波長変換光学素子の製造方法、前記波長変換光学素子を用いた波長変換装置、紫外線レーザ照射装置およびレーザ加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の波長変換光学素子は、セシウム・リチウム・ボレート系結晶を含む波長変換光学素子であって、前記結晶中の水不純物の含有量が、前記結晶をNd:YAGレーザの4倍高調波発生方位の光学素子であって長さ10mmの光学素子に加工した場合、前記光学素子の赤外透過スペクトルにおける3589cm−1の透過率(Ta)を指標として、偏光方向と無関係であり、かつ光学研磨表面での損失を考慮しない実測値で1%以上であるという含有量であることを特徴とする。
【0009】
本発明の製造方法は、前記本発明の波長変換光学素子の製造方法であって、セシウム・リチウム・ボレート系結晶を準備する工程と、前記結晶を大気中において100℃以上で24時間以上加熱する第1の水分除去工程と、乾燥ガス雰囲気下で前記結晶を100℃以上で24時間以上加熱する第2の水分除去工程とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の光波長変換装置は、光を波長変換光学素子に透過させて波長変換する波長変換装置であって、前記波長変換光学素子が、前記本発明の波長変換光学素子であることを特徴とする。
【0011】
本発明の紫外線レーザ照射装置は、レーザ光源および波長変換装置を備え、前記レーザ光源から照射された光を波長変換して紫外線レーザを発生させる紫外線レーザ照射装置であって、前記波長変換装置が、本発明の波長変換装置であることを特徴とする。
【0012】
本発明のレーザ加工装置は、紫外線レーザ照射装置を備えたレーザ加工装置であって、前記紫外線レーザ照射装置が、前記本発明の紫外線レーザ照射装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このように、本発明の波長変換光学素子は、前記透過率(Ta)が1%以上という透過率特性を示す程度にまで水分が除去されたセシウム・リチウム・ボレート系結晶を用いるため、出力飽和現象が発生せず、後述の実施例に示すように、入射強度に応じて出力強度を向上させることができ、しかも、室温の条件であっても、150℃に加熱した従来の結晶と同等以上の性能を発揮することができる。したがって、本発明の波長変換光学素子を用いた波長変換装置、紫外線レーザ照射装置およびレーザ加工装置は、高性能であり、長時間作動における信頼性も高く、しかも立ち上がり時間が短く操作性に優れるという利点を有する。また、本発明の製造方法によれば、前記本発明の波長変換光学素子を簡単に製造することができる。ただし、本発明の波長変換光学素子は、前記製造方法以外の方法で製造してもよい。また、本発明の波長変換光学素子は、室温で使用してもよいし、適度に加熱(例えば、150℃)して使用してもよい。本発明において、「水不純物」とは、前記結晶中に不純物として含まれる水を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明において、前記結晶をNd:YAGレーザの4倍高調波発生方位の光学素子であって長さ10mmの光学素子に加工した場合の前記光学素子の赤外透過スペクトルにおける3589cm−1の透過率(Ta)は、前記結晶中の水不純物の含有量を示す指標であり、この意味以外で、本発明をなんら制限しない。したがって、例えば、前記光学素子の素子長10mmは、前記指標における素子長に過ぎず、本発明の波長変換光学素子の素子長は、その用途等により適宜決定される。
【0015】
前記波長変換光学素子は、特に制限されず、例えば、Nd:YAGレーザにおける2倍高調波発生素子、3倍高調波発生素子、4倍高調波発生素子、5倍高調波発生素子、波長193nm光発生素子および波長195nm光発生素子等の可視光・紫外光発光用の光学素子があげられる。
【0016】
本発明の波長変換光学素子において、前記結晶中の水不純物の含有量が、前記光学素子に加工した場合、前記光学素子の赤外透過スペクトルにおける3435cm−1の透過率(Ts)を指標として、偏光方向と無関係であり、かつ光学研磨表面での損失を考慮しない実測値で1.5%以上であるという含有量であることが好ましい。なお、前述と同様に、前記透過率(Ts)は、前記結晶の水不純物の含有量を示す指標に過ぎず、この意味以外において本発明をなんら制限しない。
【0017】
本発明の波長変換光学素子において、前記結晶が、前記結晶表面においてa軸方向に沿って形成される光学面の劣化が生じていない結晶であることが好ましい。
【0018】
本発明の波長変換光学素子において、前記結晶が、CsLiB10結晶(CLBO結晶)であることが好ましい。なお、前記CLBO結晶において、CsやLiを部分的にアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、その他の元素と置換した結晶、不純物を添加した結晶、化学組成に不定比性を持つ結晶であるようなCLBO結晶も含む。
【0019】
本発明の波長変換光学素子において、前記結晶の光学面が光学研磨処理されていることが好ましい。
【0020】
本発明の波長変換光学素子の製造方法において、前記第1の水分除去工程を省略して前記第2の水分除去工程で前記結晶の水分を除去するという態様であってもよい。本発明の製造方法において、前記第1の水分除去工程および第2の水分除去工程において、その雰囲気の圧力は、特に制限されず、例えば、常圧であってもよいし、加圧条件であってもよいし、減圧条件であってもよい。
【0021】
本発明の波長変換光学素子の製造方法において、前記乾燥ガスは、特に制限されないが、例えば、アルゴンガス、酸素ガスおよびこれらのガスの混合ガスがある。
【0022】
本発明の波長変換装置において、さらに、入出射光学窓を備えた光学用セルを有し、前記光学用セル内に前記波長変換光学素子が配置されているという態様が好ましい。
【0023】
前記光学用セルが、さらに、温度調節手段および雰囲気ガス置換手段を有することが好ましい。
【0024】
前記光学用セルを有する本発明の波長変換装置において、水分除去未処理のセシウム・リチウム・ボレート系結晶を前記光学用セル内に配置する配置工程と、前記温度調整手段により大気中で前記結晶を100℃で24時間以上加熱する第1の水分除去工程と、前記雰囲気ガス置換手段により前記光学用セル内を乾燥ガス雰囲気とし、前記温度調節手段により、前記結晶を100℃以上で24時間以上加熱する第2の水分除去工程を含む水分除去処理を実施可能であるという態様であってもよい。この態様において、前記第1の水分除去工程を省略して前記第2の水分除去工程で前記水分除去処理を実施してもよい。本発明の波長変換装置において、前記第1の水分除去工程、第2の水分除去工程および波長変換の際において、その雰囲気の圧力は、特に制限されず、例えば、常圧であってもよいし、加圧条件であってもよいし、減圧条件であってもよい。
【0025】
本発明の波長変換装置において、室温の条件下で波長変換を実施することが好ましい。
【0026】
本発明の波長変換装置において、窒素ガス含有率が空気よりも小さいガスの雰囲気の条件下で波長変換を実施することが好ましい。これは、紫外線発生の際に、窒素ガスが雰囲気ガス中に空気以上の割合で含有されていると、前記窒素ガスと前記結晶表面成分が反応して硝酸セシウムが生じ、これが前記結晶表面に付着して光学特性を低下させる原因となり、これを防止するためである。前記雰囲気ガスは、特に制限されないが、例えば、アルゴンガス、酸素ガスおよびこれらのガスの混合ガスがある。
【0027】
つぎに、本発明について詳しく説明する。ただし、本発明は以下の事項に限定されない。
【0028】
本発明の波長変換光学素子は、セシウム・リチウム・ボレート系結晶を含み、前述のように、前記結晶としては、CLBO結晶が好ましい。前記CLBO結晶の一般的特性は、例えば、下記のとおりである。
【0029】
(CLBO結晶の一般特性)
化学式:CsLiB10
分子量:364.70
晶系:正方晶、一軸性負結晶
格子形:体心立法格子
格子定数:a=10.494(1)Å(1.0494nm)
b=8.939(2)Å(0.8939nm)
v=984.4(3)Å(98.44nm)
空間群:142(#122)
結晶密度:2.461g/cm
透過波長域:180〜2750nm
非線形光学定数:d36=0.95pm/V
【0030】
前述のように、本発明の前記結晶は、Nd:YAGレーザの4倍高調波(266nm)発生方位の光学素子(長さ10mm)に加工した場合、前記光学素子の赤外透過スペクトルにおける3589cm−1の透過率(Ta)が、偏光方向と無関係であり、かつ光学研磨表面での損失を考慮しない実測値で1%以上である。前記Taは、好ましくは1.5%以上、より好ましくは2.0%以上、さらに好ましくは2.5%以上、さらに好ましくは3.0%以上、さらに好ましくは3.5%以上である。前記素子長10mmは、加工等の際の誤差を考慮し、例えば、10mm±0.2mmの範囲であることが好ましい。
【0031】
ここで、透過率(Ta)および透過率(Ts)は、前記結晶の水分含有率を反映するパラメータである。すなわち、前記結晶において、水不純物に起因して、3589cm−1での吸収(νa)および3435cm−1での吸収(νs)が生じ、前記吸収(νa)は、OH基の非対称伸縮振動を表し、前記吸収(νs)は、OH基の対称伸縮振動を表す。そして、これらの各吸収に対応して、前記透過率(Ta)および前記透過率(Ts)が観測される。前記二つのパラメータのなかで、最も重要なのが透過率(Ta)であり、これを1%以上となるまで水不純物を除去することより、出力飽和現象の発生を抑制して入射強度に応じた出力強度の向上を実現できること、及び150℃に加熱せず室温条件下であっても位相不整合領域の発生の問題を解決できることを見出したのは、本発明者等が初めてであり、前述の特許文献および非特許文献のいずれにも記載も示唆もない。また、前記室温条件は、特に制限されず、実験室や工場等の現場の室温条件であり、例えば、0〜50℃の範囲、0〜40℃の範囲、0〜30℃の範囲、5〜35℃の範囲、10〜30℃の範囲、若しくは20〜30℃の範囲である。
【0032】
前述のように、本発明の前記結晶は、前記光学素子に加工した場合、前記光学素子の赤外透過スペクトルにおける3435cm−1の透過率(Ts)が、偏光方向と無関係であり、かつ光学研磨表面での損失を考慮しない実測値で1.5%以上の特性を示すことが好ましく、より好ましくは、2%以上である。
【0033】
前記光学素子は、例えば、前記光学素子の形状が角柱状である場合、そのサイズは、光軸方向の長さが、例えば、10mmであり、前記光軸方向と垂直に交わる断面面積の大きさは、例えば、5×5mmである。また、前記光学素子の結晶からの切出し方向は、例えば、(θ、φ)=(61.9°、45°)である。また、前記光学素子の光学面は、後述の方法で光学研磨処理されている。前記光学素子の長さは、特に制限されず、上述の10mm以外に、例えば、1mm,5mm,12mm,15mmなどがあげられる。また、前記光学素子の形状も、特に制限されず、上述の角柱状のもの以外に、例えば、入出射端面をブリュースター角度に加工された形状がある。
【0034】
本発明において、前記透過率(Ta)および透過率(Ts)は、例えば、フーリエ変換赤外分光光度計により測定できる。
【0035】
本発明の前記結晶は、その光学面が光学研磨処理されていることが好ましい。前記光学研磨処理は、特に制限されないが、前記光学面を機械研磨し、研磨砥粒が埋没し、前記機械研磨により歪が生じている表面層を、イオンビームの照射や化学溶媒のエッチング処理等により除去するという処理が好ましい。
【0036】
本発明の前記結晶の製造方法について、CLBO結晶を例にあげて説明する。CLBO結晶以外のセシウム・リチウム・ボレート系結晶についても、下記に準じて製造することができる。
【0037】
まず、CLBO結晶を準備する。CLBO結晶の育成方法は、特に制限されず、例えば、前述の特許文献1ないし3方法が採用される。つぎに、前記CLBO結晶を大気中において100℃以上で24時間以上加熱する第1の水分除去工程と、前記乾燥ガス雰囲気下で前記結晶を100℃以上で24時間以上加熱する第2の水分除去工程とを実施する。前記第1の水分除去工程において、前記加熱条件は、20〜300℃若しくは100〜300℃で1〜200時間若しくは24〜200時間の条件が好ましく、より好ましくは、90〜250℃若しくは100〜250℃で15〜150時間若しくは24〜150時間の条件であり、さらに好ましいのは140〜160℃で24〜130時間の条件である。なお、大気中で加熱する前記第1の水分除去工程のみでは、前記Taが1%以上というレベルまでの水分除去を行うことは不可能である。前記第2の水分除去工程において、前記加熱条件は、20〜300℃若しくは100〜300℃で1〜300時間若しくは24〜300時間の条件が好ましく、より好ましくは、90〜250℃若しくは100〜250℃で24〜200時間の条件であり、さらに好ましいのは140〜160℃で70〜200時間の条件である。また、前記乾燥ガスの種類は、前述のとおりである。前記乾燥ガスの乾燥度の目安としては、例えば、純度99.9%以上、好ましくは純度99.99%以上、さらに好ましくは純度99.999%以上である。前記第2の水分除去工程は、密閉容器中で前記乾燥ガスをフローしながら実施することが好ましく、後述のように、光学用セル内で実施してもよい。前記乾燥ガスのフローの程度は、例えば、1〜10000ml/分の範囲であり、好ましくは、10〜600ml/分の範囲であり、より好ましくは、20〜600ml/分の範囲である。なお、第2の水分除去工程を、24時間未満の短時間で実施すると、水分が急激に除去されるため、前記結晶表面においてa軸方向に沿った光学表面の劣化が起こるため、好ましくない。第2の水分除去工程において、真空排気を行いながら実施すれば、短時間で水分除去できる場合がある。前記真空排気の場合の真空度は、例えば、10−1Torr以下、好ましくは10−2Torr以下、さらに好ましくは10−3Torr以下である。また、第1の水分除去工程の条件を、大気中で150℃で24時間の加熱とすることで、つづく第2の水分除去工程を含む全工程の所要時間を短縮することも可能である。
【0038】
前記第1の水分除去工程および前記第2の水分除去工程は、例えば、大気中で前記CLBO結晶を150℃で120時間加熱し(第1の水分除去工程)、ついで、アルゴンガスを平均30ml/分でフローしながら150℃で72時間加熱(第2の水分除去工程)してもよいし、これとは別に、大気中で前記CLBO結晶を150℃で96時間加熱し(第1の水分除去工程)、ついで、酸素ガスを平均600ml/分でフローしながら150℃で72時間加熱(第2の水分除去工程)してもよい。
【0039】
つぎに、本発明の波長変換装置の例について、図面に基づき説明する。ただし、本発明は、以下の波長変換装置の例により、なんら制限されない。
【0040】
本発明の波長変換装置の一例を図4の断面図に示す。図4(A)は縦断面図であり、図4(B)は横断面図である。図示のように、この波長変換装置は、光学用セル1の内部に、CLBO結晶を用いた波長変換光学素子2が配置された構成である。前記波長変換装置では、角柱状の光学用セルを用いており、その一方の側(同図において左側)に光学窓11aが配置され、他方の側(同図において右側)に光学窓11bが配置され、それぞれ窓押え15によって固定されており、また、前記両光学窓11a,11bと光学用セル1とはOリングを介して接しているため光学用セル1内部は密閉状態となっている。光学用セル1の上部両端には、ガス導入管が配置され、それぞれ封止弁14a、14bが取り付けられている。前記光学用セル1の内部には、2個のヒータ12が配置され、それぞれに、ペルチエ素子13が積層されている。そして、前記2枚のペルチエ素子13の間に、これと接触した状態で波長変換光学素子2が配置されている。前記光学用セル1内部は、前記ガス導入管および封止弁14a、14bにより、真空排気、雰囲気ガス置換および雰囲気ガスフロー等が実施可能である。前記光学窓11a,11bは、石英、フッ化カルシウム等から形成されており、入射レーザ及び紫外線レーザの少なくとも一方に対する反射防止膜を施してもよい。レーザの出入射の方向は特に制限されないが、例えば、光源レーザが光学窓11b(同図において右側の光学窓)から入射され、これが波長変換光学素子2に入射し、ここで波長変換により紫外線レーザが発生し、前記紫外線レーザが光学窓11a(同図において左側の光学窓)を透過して外部に出射されてもよい。ヒータ12の種類は、特に制限されず、例えば、電熱線やセラミックヒータ等の結晶加熱用ヒータが使用される。また、ペルチエ素子13は、波長変換光学素子2の温度を、より精密に制御するためのものである。通常、ヒータ12での温度制御は、±1℃程度の誤差を伴なうが、ペルチエ素子13での温度制御の誤差は、±0.1℃程度以下であるため、高精度の温度制御を実施可能である。また、図示していないが、光学用セル1内には、ヒータ用温度センサおよびペルチエ素子用温度センサが配置され、これらのセンサは、光学用セル1の外部に配置された温度制御装置と電気的に接続されており、同様に、ヒータ12およびペルチエ素子13も前記温度制御装置に電気的に接続されている。前記温度制御装置は、前記両センサからの温度情報に基づき、ヒータ12およびペルチエ素子13の温度を制御する。また、前記温度制御装置は、予め、温度プログラムを入力しておき、このプログラムにしたがって温度制御を行うこともできる。
【0041】
この波長変換装置は、例えば、CLBO結晶等の波長変換光学素子2について、前述の方法により水分除去処理を行い、その後、波長変換を実施することができる。例えば、まず、水分除去未処理のCLBO結晶を、光学用セル1内に配置する。そして、封止弁14a、14bを開放した状態で、ヒータ12およびペルチエ素子13により、100℃以上で24時間以上の加熱による前記第1の水分除去工程を実施し、その後、前記ガス導入管から、アルゴンガスや酸素ガス等の乾燥ガスを光学用セル1内に導入し、前記乾燥ガスがフローした状態で、100℃以上で24時間以上の加熱による前記第2の水分除去工程を実施して、本発明の波長変換光学素子2を得る。そして、窒素ガス含有率が空気より小さい雰囲気ガスを導入して封止弁14a,14bを閉じて光学用セル1内を密閉状態にすると共に、光学用セル1内の温度を室温まで下げる。この状態で、光源(図示せず)からレーザを光学窓11bを通して波長変換光学素子2に照射し、波長変換光学素子2から発生した紫外線レーザを光学窓11aを通して外部に放射する。この波長変換の際には、ペルチエ素子13により、波長変換光学素子13の温度を精密に制御することが好ましい。このように、本発明では、室温条件下で、波長変換を実施することができるため、装置の起動を短時間で行うことができ、操作性に優れている。
【0042】
なお、この例の波長変換装置では、ヒータ2を用いたが、さらに温度制御を高精度に行う目的で、ヒータ2に代えてペルチエ素子を用いてもよい。また、この例の波長変換装置では、冷却手段を具備していないが、水等の冷却媒体を循環させることによる冷却手段を備えていることが好ましい。冷却手段を備えた波長変換装置の一例を、図5の断面図に示す。図5において、図4と同一部分には同一符号を付している。図5に示すように、この波長変換装置では、光学用セル1に、冷却媒体である水を循環させる水路17が設けられている。このように、冷却手段を設けることにより、さらに温度制御を精密に実施することが可能となり、また、CLBO結晶等の水分除去処理で加熱状態になった光学用セル1内を、素早く冷却することができるようになり、この結果、さらに操作性が優れるようになる。
【0043】
図6の断面図に、本発明の波長変換装置のその他の例を示す。図6において、図4および図5と同一部分には同一符号を付している。この波長変換装置は、紫外線レーザの出射側の光学窓11aをブリュースター角度に設置することで、出射側光学窓11aにおける紫外線レーザの反射を低減するものである。紫外線レーザの出射側の光学窓は、紫外線レーザの反射を低減させるために、反射防止膜が設置されることがあるが、紫外線レーザにより前記反射防止膜が劣化するという問題がある。この問題を解決するために、出射側の光学窓をブリュースター角度に設置することで、反射防止膜を施さずに紫外線の反射を低減することができる。ただし、このようにしても入射光の一部は出射側の光学窓11aで反射されるため、光学用セル1の出射側の光学窓近辺が加熱されるおそれがある。この加熱とヒータ12およびペルチエ素子13の発熱とにより、出射側のOリング16が加熱されてアウトガスが発生するおそれがあるので、これを防止するために、Oリング16に近接して水路17を設けることが好ましい。
【実施例1】
【0044】
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例により、なんら制限されない。
【0045】
まず、CLBO結晶を(θ, φ)=(61.9°, 45°)方位に切り出した後、光学研磨を実施して、長さ10mm、断面5×5mmの素子を得た。そして、この素子を、図4に示す波長変換装置の光学用セル1内に配置し、大気中で150℃で120時間加熱した後、雰囲気ガスをアルゴンガスに置換し、流量25ml/分の条件でフローした状態で、さらに150℃で72時間加熱して、本実施例の波長変換光学素子を得た。この波長変換光学素子について、フーリエ変換赤外分光光度計を用い、無偏光の赤外光により、透過スペクトルを測定した。この測定において、前記素子端面(光学面)の反射損失は考慮せず、計測した透過率をそのまま測定値とした。一方、前記素子を前記大気中で150℃で加熱した直後に透過スペクトルを測定したものを比較例1とし、前記素子を、150℃で120時間加熱して透過スペクトルを測定したものを比較例2とした。これらの測定結果を、図1のグラフに示す。図1において、cが本実施例を示し、aが比較例1を示し、bが比較例2を示す。また、同図において、νaおよびνsのラインは、透過率(Ta)および透過率(Ts)の測定波長を表す。図示のように、本実施例(c)では、3589cm−1における透過率(Ta)が1%を超えており、また波数3435cm−1の透過率(Ts)が1.5%を超えていた。一方、比較例1および比較例2では、共に、Taがほぼ0であり、Tsも1.5%未満であった。なお、前記CLBO結晶の製造方法は、以下のとおりである。すなわち、まず、原料の準備方法として炭酸セシウム、炭酸リチウム、ホウ酸などの素原料を、化学式からいずれかの成分比を変更したセルフフラックス組成で混合して原料を作製する。この場合、原料を水に溶解させて混合した後に、乾燥させて焼結反応を行う方法を利用しても良い。育成原料は、白金るつぼに充填して900℃にて溶解させ、850℃前後に冷却して、液面に種子結晶を接触した後、溶液全体を0.1℃/day程度の速度で冷却しながら結晶を成長させる。この方法で2週間程度育成を行うと、75×43×30mm程度の結晶を得ることができる。
【0046】
つぎに、本実施例の素子と比較例2の素子について、光源レーザ入射強度の変化による紫外線レーザ発生強度の変化を測定した。Nd:YAGレーザから照射されたレーザを、LiB結晶に入射させて波長変換して532nmのレーザを発生させ、これを前記素子に照射し、発生する紫外線レーザ(266nm)の強度(W)を測定した。この時、前記素子の温度は150℃とした。入射レーザ(532nm)において、その平均出力の最大値は、16Wであり、パルス幅は90nsであり、パルス繰り返し周波数は50kHzである。また、レーザ(532nm)の照射においては、焦点距離56.0mmの集光レンズを用いて前記素子中央部に高集光条件で照射した。また、この測定において、レーザ(532nm)の入射強度が2Wの時に紫外線レーザが最も良く発生する条件に素子の角度を調整した。この測定の結果を、図2のグラフに示す。同図において、CLBO−Bが本実施例を示し、CLBO−Aが比較例2を示す。また、同図において、横軸は、レーザ(532nm)の入射強度(W)を示し、縦軸は、紫外線レーザ(266nm)の発生強度(W)を示す。図示のように、比較例2(CLBO−A)は、従来のCLBO結晶と同様に、入射強度がある程度まで高くなると、紫外線レーザの強度の向上が頭打ちとなった。これは、自らが発生した紫外光を僅かに吸収することで、結晶内部に不均一な温度分布が生じ、結果として紫外光発生に寄与している領域が小さくなり、出力が飽和している現象である。これは、従来のCLBO結晶全般に見られる現象であり、このような吸収現象が生じた場合は、入射方向に対して最も良く紫外線レーザを発生する方位に素子を角度調整する必要があった。なお、加熱を行っていないCLBO結晶を用いて同様の測定を行ったが、比較例2と同様の結果であった。一方、図2に示すように、本実施例(CLBO−B)では、出力は飽和傾向を示すことなく、入射強度に応じて出力強度が増加した。この結果から、本実施例の素子では、自己加熱現象が極めて小さく抑えられているといえる。なお、赤外領域に見られる水不純物の振動(νa)が、このように紫外光の吸収特性に顕著な影響を与えるメカニズムは明らかになっていない。
【0047】
つぎに、加熱条件(150℃)および室温(35℃)条件の2種類の温度条件で、本実施例の素子を用いて波長変換し、発生する紫外線レーザの強度(W)を測定した。なお、測定時の前記素子の雰囲気ガスは、アルゴンガスを用いた。波長変換の条件は、前述と同様である。この結果を、図3のグラフに示す。同図において、横軸は、レーザ(532nm)の入射強度(W)を示し、縦軸は、紫外線レーザ(266nm)の発生強度(W)を示す。同図に示すように、本実施例の素子は、室温条件であっても、150℃加熱条件と同等以上の出力特性を示した。
【0048】
本実施例では、長さ10mmの素子を用いる場合を例として示したが、それ以外の長さの素子を用いてもよく、赤外透過スペクトルにおける3589cm−1における透過率(Ta)が1%以上であればよく、本実施例と同様の効果が得られる。
【0049】
また、本実施例では、CLBO結晶をNd:YAGレーザの4倍高調波(266nm)発生方位である(θ, φ)=(61.9°, 45°)に切り出す例について示したが、例えば、Nd:YAGレーザの5倍高調波(213nm)発生方位に切り出してもよく、本実施例と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の波長変換光学素子は、入射強度に応じて出力特性を増加させることができ、しかも室温で使用可能である。したがって、本発明の波長変換光学素子を用いた波長変換装置、レーザ照射装置およびレーザ加工装置は、高性能であり、長時間作動させても信頼性に優れ、しかも操作性にも優れる。したがって、本発明は、波長変換レーザに関する全ての分野に好ましく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の一実施例の赤外領域の透過スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の一実施例における紫外線レーザの出力強度を測定した結果を示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の一実施例における紫外線レーザの出力強度を測定した結果を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の波長変換装置の一例の構成を示す断面図であり、(A)は縦断面図であり、(B)は横断面図である。
【図5】図5は、本発明の波長変換装置のその他の例の構成を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の波長変換装置のさらにその他の例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 光学用セル
2 波長変換光学素子
11a,11b 光学窓
12 ヒータ
13 ペルチエ素子
14a,14b 封止弁
15 窓押え
16 Oリング
17 水路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セシウム・リチウム・ボレート系結晶を含む波長変換光学素子であって、前記結晶中の水不純物の含有量が、前記結晶をNd:YAGレーザの4倍高調波発生方位の光学素子であって長さ10mmの光学素子に加工した場合、前記光学素子の赤外透過スペクトルにおける3589cm−1の透過率(Ta)を指標として、偏光方向と無関係であり、かつ光学研磨表面での損失を考慮しない実測値で1%以上であるという含有量であることを特徴とする波長変換光学素子。
【請求項2】
前記波長変換光学素子が、Nd:YAGレーザにおける2倍高調波発生素子、3倍高調波発生素子、4倍高調波発生素子、5倍高調波発生素子、波長193nm光発生素子および波長195nm光発生素子からなる群から選択される少なくとも一つの光学素子である請求項1記載の波長変換光学素子。
【請求項3】
前記結晶中の水不純物の含有量が、前記光学素子に加工した場合、前記光学素子の赤外透過スペクトルにおける3435cm−1の透過率(Ts)を指標として、偏光方向と無関係であり、かつ光学研磨表面での損失を考慮しない実測値で1.5%以上であるという含有量である請求項1記載の波長変換光学素子。
【請求項4】
前記結晶が、前記結晶表面においてa軸方向に沿って形成される光学面の劣化が生じていない請求項1ないし3のいずれか一項に記載の波長変換光学素子。
【請求項5】
前記結晶が、CsLiB10結晶である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の波長変換光学素子。
【請求項6】
前記結晶の光学面が光学研磨処理されている請求項1ないし5のいずれか一項に記載の波長変換光学素子。
【請求項7】
請求項1記載の波長変換光学素子の製造方法であって、セシウム・リチウム・ボレート系結晶を準備する工程と、前記結晶を大気中において100℃以上で24時間以上加熱する第1の水分除去工程と、乾燥ガス雰囲気下で前記結晶を100℃以上で24時間以上加熱する第2の水分除去工程とを有することを特徴とする波長変換光学素子の製造方法。
【請求項8】
前記第1の水分除去工程を省略して前記第2の水分除去工程で前記結晶の水分を除去する請求項7記載の波長変換光学素子の製造方法。
【請求項9】
前記乾燥ガスが、アルゴンガスおよび酸素ガスの少なくとも一方である請求項8記載の波長変換光学素子の製造方法。
【請求項10】
光を波長変換光学素子に透過させて波長変換する波長変換装置であって、前記波長変換光学素子が、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の波長変換光学素子である波長変換装置。
【請求項11】
さらに、入出射光学窓を備えた光学用セルを有し、前記光学用セル内に前記波長変換光学素子が配置されている請求項10記載の波長変換光学装置。
【請求項12】
前記光学用セルが、さらに、温度調節手段および雰囲気ガス置換手段を有する請求項11記載の波長変換装置。
【請求項13】
水分除去未処理のセシウム・リチウム・ボレート系結晶を前記光学用セル内に配置する配置工程と、前記温度調整手段により大気中で前記結晶を100℃で24時間以上加熱する第1の水分除去工程と、前記雰囲気ガス置換手段により前記光学用セル内を乾燥ガス雰囲気とし、前記温度調節手段により、前記結晶を100℃以上で24時間以上加熱する第2の水分除去工程を含む水分除去処理を実施可能な請求項12記載の波長変換装置。
【請求項14】
前記第1の水分除去工程を省略して前記第2の水分除去工程で前記水分除去処理を実施する請求項13記載の波長変換装置。
【請求項15】
室温の条件下で波長変換を実施する請求項10ないし14のいずれか一項に記載の波長変換装置。
【請求項16】
窒素ガス含有率が空気よりも小さいガスの雰囲気の条件下で波長変換を実施する請求項10ないし15のいずれか一項に記載の波長変換装置。
【請求項17】
前記ガスが、アルゴンガスおよび酸素ガスの少なくとも一方である請求項16記載の波長変換装置。
【請求項18】
レーザ光源および波長変換装置を備え、前記レーザ光源から照射された光を波長変換して紫外線レーザを発生させる紫外線レーザ照射装置であって、前記波長変換装置が、請求項10ないし17のいずれか一項に記載の波長変換装置である紫外線レーザ照射装置。
【請求項19】
紫外線レーザ照射装置を備えたレーザ加工装置であって、前記紫外線レーザ照射装置が、請求項18記載の紫外線レーザ照射装置であるレーザ加工装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−249092(P2007−249092A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−75753(P2006−75753)
【出願日】平成18年3月18日(2006.3.18)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)/高出力全固体UVレーザ」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】