説明

波長変換方法

【課題】四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子にレーザービームを入射させて高調波を発生させる際に、その波長変換効率を高める。
【解決手段】レーザービームがレーザー発振器1から放出されて波長変換素子2に入射する前に、X軸方向のビームサイズを拡大するとともに、Y軸方向のビームサイズを縮小することにより、レーザービームの断面を楕円率3以上の横長楕円形に整形する。これにより、レーザービームの断面が円形である場合と比べて波長変換効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に紫外レーザーを発生させることを目的として、非線形光学結晶からなる波長変換素子でレーザービームを波長変換するための波長変換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、この種の波長変換においては、化学的安定性および耐レーザー損傷性に優れた四ホウ酸リチウム単結晶(Li2 B4 O7 )を波長変換素子として用いる手法が注目されつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、この四ホウ酸リチウム単結晶は、その非線形光学定数d31が0.16pm/Vと小さく、波長変換効率が低いという欠点があるため、この四ホウ酸リチウム単結晶の波長変換効率を高めることが強く望まれていた。
【0004】
なお、四ホウ酸リチウム単結晶以外の非線形光学結晶(BBO、LBO、KTP、CLBOなど)からなる波長変換素子については、特開2002−55368号公報や特開平5−11287号公報に開示されているように、その波長変換効率を高めるべく、レーザービームの断面を楕円形に整形する手法が提案されている。
【0005】
しかし、前者(特開2002−55368号公報)に記載された技術においては、波長変換素子として用いる非線形光学結晶にBBO、LBO、KTPまたはCLBOを採用しており(明細書の段落〔0019〕〔0020〕の欄参照)、四ホウ酸リチウム単結晶とは、非線形光学結晶である点で共通するものの、その種類が相違し、波長変換効率に直接影響を及ぼす特性である位相整合の角度許容幅およびウォークオフ角が異なるため、これらBBO等に関する技術をそのまま四ホウ酸リチウム単結晶に適用することはできない。
【0006】
また、後者(特開平5−11287号公報)に記載された技術は、波長変換素子となる非線形光学結晶がBBOであり(明細書の段落〔0004〕の欄参照)、四ホウ酸リチウム単結晶に適用できる保証がないことに加えて、レーザー発振器内に設置された波長変換素子の光破壊を防ぐことを目的とするため(明細書の段落〔0008〕〔0027〕の欄参照)、もともと耐レーザー損傷性に優れる四ホウ酸リチウム単結晶に適用する必要性が少ないものである。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子でレーザービームを波長変換するときの波長変換効率を高めることが可能な波長変換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、請求項1に係る発明は、レーザー発振器から放出されたレーザービームを四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子に入射させて高調波を発生させる際に、レーザービームが前記レーザー発振器から放出されて前記波長変換素子に入射する前に、上記波長変換素子における位相整合方向をX軸方向とし、当該X軸方向とC軸方向の両方に直交する方向をY軸方向としたときに、当該レーザービームのX軸方向のビームサイズを拡大するとともに、当該レーザービームのY軸方向のビームサイズを縮小することにより、当該レーザービームの断面を楕円形に整形したことを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、前記レーザービームの入力パワー密度を160MW/cm2以下としたことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、前記レーザービームの入力パワー密度を100MW/cm2以下としたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、前記レーザービームの断面の楕円率を3以上としたことを特徴とするものである。ここで、楕円率とは、X軸方向のビームサイズ(dx)をY軸方向のビームサイズ(dy)で除した値(dx/dy)である。すなわち、請求項4に係る発明は、不等式(dx/dy)≧3が成り立つようにする。
【0012】
さらに、請求項5に係る発明は、前記レーザービームのX軸方向のビームサイズを前記波長変換素子の長さとウォークオフ角との積以上としたことを特徴とするものである。すなわち、X軸方向のビームサイズをdx、波長変換素子の長さをL、波長変換素子のウォークオフ角をρとしたとき、不等式dx≧ρLが成り立つようにする。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、レーザービームの断面を楕円形に整形するに際し、前記X軸方向に凸曲面を有する1対のシリンドリカルレンズを有するテレスコープと、前記Y軸方向に凸曲面を有する1対のシリンドリカルレンズを有するテレスコープとを用い、前記1対のシリンドリカルレンズの焦点距離を適宜選択することにより、前記レーザービームのX軸方向のビームサイズを所望のサイズに拡大するとともに、当該レーザービームのY軸方向のビームサイズを所望のサイズに縮小することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子でレーザービームを波長変換するに際して、位相整合の角度調整に敏感なX軸方向にビームサイズを拡大するとともに、位相整合の角度調整に鈍感なY軸方向にビームサイズを縮小することにより、入力パワー密度を保ちながら、同時に角度許容幅による制限が厳しいX軸方向のビーム広がりが改善されるため、レーザービームの断面が円形である場合と比べて、波長変換効率を増加させることができる。その結果、波長変換素子に入射させるレーザービームの出力を低く抑えることが可能となるので、波長変換装置の経済性を高めるとともに、レーザービームによる四ホウ酸リチウム単結晶の損傷を回避することができる。
【0015】
また、請求項2に係る発明によれば、レーザービームの断面が円形である場合に比べて波長変換効率を高めることができる。
【0016】
また、請求項3に係る発明によれば、レーザービームが発熱の影響を強く受けて不安定になることを回避し、波長変換効率を安定して高めることができる。
【0017】
さらに、請求項4に係る発明によれば、レーザービームの断面が円形である場合に比べて波長変換効率を大幅(例えば、入力パワー密度が100MW/cm2のときには約1.3〜1.4倍)に向上させて維持することができる。
【0018】
さらに、請求項5に係る発明によれば、波長変換素子の出射端面で入射光と変換光の両光路の断面が重複し、波長変換素子内において両光路の重なりの度合が大きくなるため、四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子による波長変換効率がさらに向上する。
【0019】
また、請求項6に係る発明によれば、X軸方向に凸曲面を有する1対のシリンドリカルレンズを有するテレスコープによって、レーザービームのX軸方向のビームサイズをシリンドリカルレンズの焦点距離の比に対応したサイズに拡大し、Y軸方向に凸曲面を有する1対のシリンドリカルレンズを有するテレスコープによって、レーザービームのY軸方向のビームサイズをシリンドリカルレンズの焦点距離の比に対応したサイズに縮小することにより、簡易な設備によって、容易かつ確実に所望の楕円率のレーザービームを形成して、波長変換素子に入射させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る波長変換方法の一実施形態が適用される波長変換装置を示す図であって、(a)はその上面図、(b)はその側面図、(c)はその波長変換素子の斜視図である。
【0021】
この波長変換装置は、図1(a)、(b)に示すように、円形断面のレーザービームを放出するレーザー発振器1を備えており、レーザー発振器1の前方にはX軸方向のテレスコープ8、Y軸方向のテレスコープ9および波長変換素子2が一直線状に並設されている。
【0022】
すなわち、レーザー発振器1の前方(図1(a)右方)にはX軸方向のテレスコープ8が縦向きに設置されている。このテレスコープ8は、一対のシリンドリカルレンズ(円筒レンズ)4、5が所定の距離(両方のシリンドリカルレンズ4、5の焦点距離を足し合わせた距離)だけ離れて対向した構造を有しており、一方(レーザー発振器1に近い方)のシリンドリカルレンズ4に比べて他方(レーザー発振器1から離れた方)のシリンドリカルレンズ5は、その焦点距離が大きくなっている。
【0023】
また、このX軸方向のテレスコープ8の前方(図1(b)右方)にはY軸方向のテレスコープ9が横向きに設置されている。このテレスコープ9は、一対のシリンドリカルレンズ(円筒レンズ)6、7が所定の距離(両方のシリンドリカルレンズ6、7の焦点距離を足し合わせた距離)だけ離れて対向した構造を有しており、一方(レーザー発振器1に近い方)のシリンドリカルレンズ6に比べて他方(レーザー発振器1から離れた方)のシリンドリカルレンズ7は、その焦点距離が小さくなっている。
【0024】
さらに、このY軸方向のテレスコープ9の前方(図1(a)右方)には、図1(c)に示すように、四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子2が設置されており、この波長変換素子2の長さ(L)は、図1(a)に示すように、この波長変換素子2に入射するレーザービームのX軸方向のビームサイズ(dx)と波長変換素子2のウォークオフ角(ρ)との間で不等式dx≧ρLが成り立つように設定されている。
【0025】
波長変換装置は以上のような構成を有するので、レーザービームを波長変換して高調波を発生させる際には、図1(a)、(b)に示すように、レーザー発振器1から円形断面のレーザービームを前方、つまりX軸方向のテレスコープ8側に向けて放出する。
【0026】
すると、このレーザービームはX軸方向のテレスコープ8に到達し、一方のシリンドリカルレンズ4を通過した後、他方のシリンドリカルレンズ5を通過する。このとき、上述したとおり、シリンドリカルレンズ5の焦点距離はシリンドリカルレンズ4の焦点距離より大きいので、図1(a)に示すように、レーザービームはテレスコープ8を通過することによってX軸方向のビームサイズ(dx)が所定の倍率で拡大されることになる。例えば、シリンドリカルレンズ4、5の焦点距離がそれぞれ200mm、300mmである場合は、X軸方向のビームサイズは1.5倍に拡大され、また、シリンドリカルレンズ4、5の焦点距離がそれぞれ200mm、400mmである場合は、X軸方向のビームサイズは2倍に拡大される。なお、レーザービームがX軸方向のテレスコープ8を通過しても、図1(b)に示すように、Y軸方向のビームサイズ(dy)は変化しない。
【0027】
次に、このレーザービームはY軸方向のテレスコープ9に到達し、一方のシリンドリカルレンズ6を通過した後、他方のシリンドリカルレンズ7を通過する。このとき、上述したとおり、シリンドリカルレンズ7の焦点距離はシリンドリカルレンズ6の焦点距離より小さいので、図1(b)に示すように、レーザービームはテレスコープ9を通過することによってY軸方向のビームサイズ(dy)が所定の倍率で縮小されることになる。例えば、シリンドリカルレンズ6、7の焦点距離がそれぞれ300mm、150mmである場合は、Y軸方向のビームサイズは1/2倍に縮小され、また、シリンドリカルレンズ6、7の焦点距離がそれぞれ300mm、100mmである場合は、Y軸方向のビームサイズは1/3倍に縮小される。なお、レーザービームがY軸方向のテレスコープ9を通過しても、図1(a)に示すように、X軸方向のビームサイズ(dx)は変化しない。
【0028】
その後、このレーザービームは波長変換素子2にその入射端面2aから入射し、高調波が発生する。このとき、レーザービームの断面は、図1(c)に示すように、レーザー発振器1から放出された直後が円形であるのに対し、波長変換素子2に入射する直前ではX軸方向に拡がってY軸方向に狭まった横長楕円形に整形されている。例えば、X軸方向のビームサイズ(dx)が2倍に拡大されるとともに、Y軸方向のビームサイズ(dy)が1/3倍に縮小された場合は、楕円率(dx/dy)が6の横長楕円形になる。その結果、四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子2にレーザービームを円形断面のまま入射させて波長変換する場合と比べて、その波長変換効率を高めることができる。
【0029】
なお、上記実施の形態においては、レーザー発信器1で断面円形のレーザービームを発生させ、これをテレスコープ8のシリンドリカルレンズ4、5およびテレスコープ9のシリンドリカルレンズ6、7を通過させることにより、X軸方向のビームサイズを拡大するとともに、Y軸方向のビームサイズを縮小することにより、レーザービームの断面を楕円形に整形した場合についてのみ説明したが、これに限るものではなく、上記テレスコープ8,9のシリンドリカルレンズ4、5、6、7を適宜選択することにより、レーザー発信器1から楕円形断面のレーザービームを発生させた場合においても、当該レーザービームの断面形状を所望の楕円形状に成形することが可能である。
【0030】
このレーザービームの断面を横長楕円形にしたことによる効果を確認するため、繰返し数が10kHz、出力が20WであるNd:YLFレーザーの2倍波(波長523nmのグリーンレーザー)を用いて、四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子2による波長変換を行った。
【0031】
ここで、レーザービームの断面として6種類の横長楕円形(1)〜(6)および3種類の円形(1)〜(3)を採用した。すなわち、横長楕円形(1)は、dx=1.7mm、dy=0.17mm(楕円率dx/dy=10)であり、横長楕円形(2)は、dx=1.7mm、dy=0.13mm(楕円率dx/dy=13)である。また、横長楕円形(3)は、dx=1.7mm、dy=0.10mm(楕円率dx/dy=17)であり、横長楕円形(4)は、dx=1.4mm、dy=0.17mm(楕円率dx/dy=8.2)である。さらに、横長楕円形(5)は、dx=1.4mm、dy=0.13mm(楕円率dx/dy=10.8)であり、横長楕円形(6)は、dx=1.4mm、dy=0.10mm(楕円率dx/dy=14)である。一方、円形(1)は、dx=0.88mm、dy=0.76mm(楕円率dx/dy=1.2)であり、円形(2)は、dx=0.45mm、dy=0.44mm(楕円率dx/dy=1.0)である。さらに、円形(3)は、dx=0.34mm、dy=0.36mm(楕円率dx/dy=0.94)である。
【0032】
その結果を図2にグラフで示す。このグラフにおいて、横軸は入力グリーンレーザーのピークパワー密度を表し、縦軸は波長変換効率を表す。図2のグラフから明らかなように、少なくとも入力パワー密度が概ね25〜50MW/cm2の範囲内においては、入力パワー密度の大小を問わず、レーザービームの断面が円形である場合と比べてレーザービームの断面が横長楕円形である場合は波長変換効率が約2倍に向上することが実験的に明らかとなった。
【0033】
そこで、入力パワー密度の範囲をさらに広げても同様の効果が認められるかを確認するため、2種類の横長楕円形(7)、(8)および1種類の円形(4)の断面をもつレーザービームについて、入力パワー密度を5〜240MW/cm2の範囲内で変化させたとき、波長変換効率がどのように変わるかを調べた。ここで、横長楕円形(7)は、dx=1.55mm、dy=0.1mm(楕円率dx/dy=15.5)であり、横長楕円形(8)は、dx=1.55mm、dy=0.18mm(楕円率dx/dy=8.6)である。一方、円形(4)は、dx=0.34mm、dy=0.23mm(楕円率dx/dy=1.5)である。
【0034】
その結果を図3にグラフで示す。このグラフにおいて、横軸は入力グリーンレーザーのピークパワー密度を表し、縦軸は波長変換効率を表す。図3のグラフから明らかなように、入力パワー密度が160MW/cm2以下である場合、レーザービームの断面が楕円形であるときの方が、レーザービームの断面が円形であるときより波長変換効率が向上した。ただ、レーザービームの断面が楕円形であるとき、入力パワー密度が100MW/cm2を超えると、レーザービームが発熱の影響を強く受けて不安定になるため、却って波長変換効率が低下し始める。したがって、入力パワー密度をさらに100MW/cm2以下に制限すれば、レーザービームの断面が楕円形であるときの波長変換効率を安定して高めることが可能となる。
【0035】
また、入力パワーとビームの断面積が一定、つまり入力パワー密度が一定(具体的には、100MW/cm2)となる条件下で、レーザービーム断面の楕円率を0.088〜11.1の範囲内で変化させたときに波長変換効率がどのように変化するかを調べた。その結果を図4にグラフで示す。このグラフにおいて、横軸はレーザービーム断面の楕円率を表し、縦軸は波長変換効率を表す。図4のグラフから明らかなように、レーザービーム断面が真円に近いとき(つまり、楕円率が1前後であるとき)には、波長変換効率が5%程度であるのに対し、レーザービーム断面の楕円率が1より大きくなれば波長変換効率が向上する傾向がみられ、レーザービーム断面の楕円率が3以上になると、波長変換効率がほぼ一定の値に安定して約6.5〜7.0%(すなわち、レーザービーム断面が真円に近いときの約1.3〜1.4倍)を維持することが判明した。
【0036】
また、波長変換素子でレーザービームを波長変換するに際して、位相整合の角度調整に敏感なX軸方向にビームサイズを拡大するとともに、位相整合の角度調整に鈍感なY軸方向にビームサイズを縮小することにより、入力パワー密度を保ちながら、同時に角度許容幅による制限が厳しいX軸方向のビーム広がりが改善されるため、レーザービームの断面が円形である場合と比べて、波長変換効率を増加させることができる。これに対し、仮にX軸方向とY軸方向の両方向にビームサイズを縮小すれば、単位断面積あたりのパワー密度が増大し、四ホウ酸リチウム単結晶が損傷してしまう恐れがある。
【0037】
さらに、四ホウ酸リチウム単結晶はそのウォークオフ角(ρ)が約27mradと微小であるため、図1(a)に示すように、出射端面2bにおけるレーザービームのウォークオフによるズレは、波長変換素子の長さ(L)とウォークオフ角(ρ)との積(ρL)で近似することができるが、上述したとおり、レーザービームのX軸方向のビームサイズ(dx)はこの積(ρL)以上になっているので、波長変換素子2の出射端面2bで入射光と変換光の両光路の断面が重複し、波長変換素子2内において両光路の重なりの度合が大きくなる。その結果、四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子2による波長変換効率がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る波長変換方法の一実施形態が適用される波長変換装置を示す図であって、(a)はその上面図、(b)はその側面図、(c)はその波長変換素子の斜視図である。
【図2】入力グリーンレーザーのピークパワー密度と波長変換効率との関係を示すグラフの一例である。
【図3】入力グリーンレーザーのピークパワー密度と波長変換効率との関係を示すグラフの別の例である。
【図4】レーザービーム断面の楕円率と波長変換効率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0039】
1……レーザー発振器
2……波長変換素子
2a……入射端面
2b……出射端面
4、5、6、7……シリンドリカルレンズ
8……X軸方向のテレスコープ
9……Y軸方向のテレスコープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー発振器から放出されたレーザービームを四ホウ酸リチウム単結晶からなる波長変換素子に入射させて高調波を発生させる際に、
レーザービームが前記レーザー発振器から放出されて前記波長変換素子に入射する前に、上記波長変換素子における位相整合方向をX軸方向とし、当該X軸方向とC軸方向の両方に直交する方向をY軸方向としたときに、当該レーザービームのX軸方向のビームサイズを拡大するとともに、当該レーザービームのY軸方向のビームサイズを縮小することにより、当該レーザービームの断面を楕円形に整形したことを特徴とする波長変換方法。
【請求項2】
前記レーザービームの入力パワー密度を160MW/cm2以下としたことを特徴とする請求項1に記載の波長変換方法。
【請求項3】
前記レーザービームの入力パワー密度を100MW/cm2以下としたことを特徴とする請求項1に記載の波長変換方法。
【請求項4】
前記レーザービームの断面の楕円率を3以上としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の波長変換方法。
【請求項5】
前記レーザービームのX軸方向のビームサイズを前記波長変換素子の長さとウォークオフ角との積以上としたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の波長変換方法。
【請求項6】
前記レーザービームの断面を楕円形に整形するに際して、前記X軸方向に凸曲面を有する1対のシリンドリカルレンズを有するテレスコープと、前記Y軸方向に凸曲面を有する1対のシリンドリカルレンズを有するテレスコープとを用い、前記1対のシリンドリカルレンズの焦点距離を適宜選択することにより、前記レーザービームのX軸方向のビームサイズを所望のサイズに拡大するとともに、当該レーザービームのY軸方向のビームサイズを所望のサイズに縮小することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の波長変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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