説明

注入ノズル取付装置

【課題】ロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを貯湯容器の下側に容易に取り付ける注入ノズル取付装置を提供する。
【解決手段】第1枢支軸21により固定架台20に対して旋回可能に枢支された第1アーム31と、第2枢支軸22により枢支された第2アーム32と、第2アームに保持された第3枢支軸23により昇降可能に枢支された第3アーム33と、第1アームを旋回させる第1駆動源41と、第2枢支軸を旋回中心として第2アームを旋回させる第2駆動源42と、第3アームを高さ方向において昇降させる第3駆動源とを有する。第1駆動源および第2駆動源を固定状態に拘束させた状態で、第1駆動源および第2駆動源を駆動させて第1アームおよび第2アームを駆動旋回させる駆動形態に切り替え可能とされている。更に、第1駆動源および第2駆動源の固定状態を解除し、第1アームおよび第2アームの従動旋回を許容させる従動状態とに切り替え可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造装置等の鋳造装置に用いられる溶鋼等の金属溶湯を通過させるロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを取り付けるための注入ノズル取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを取り付けさせるための注入ノズル取付装置が提供されている(特許文献1,2等)。この装置は、金属溶湯を溜める貯湯容器の底部側に取り付けられ貯湯容器内の金属溶湯を通過させる注入ノズルを取り付けるためものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−226432号公報
【特許文献2】特開平6−226433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
取鍋等の貯湯容器から流出する溶湯を通過させるロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを、貯湯容器の底部側の部材に取り付ける取付性は、必ずしも容易ではなかった。狭い設置スペースにおいては、尚更である。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、連続鋳造装置等の鋳造装置に用いられる溶鋼等の金属溶湯を通過させるロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを貯湯容器の底部側の部材に容易に取り付け得る注入ノズル取付装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明者は、上記した課題の元に注入ノズル取付装置について鋭意開発を進めている。ロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルの取り付けにあたっては、取鍋やタンディシュ等の貯湯容器の底部側の溶湯通過口をもつ可動体(ロータリノズル等のプレート)の溶湯通過口周辺に、ロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを下側から押しつけて取り付ける。この場合、注入ノズルの取付時において、(i)注入ノズルを可動体の溶湯通過口に接近させるときには、第1駆動源および第2駆動源の駆動力を第1アームおよび第2アームに伝達させ、第1駆動源および第2駆動源の駆動力で第1アームおよび第2アームを駆動旋回させる駆動形態を実行させる。
【0007】
次に、(ii)注入ノズルのノズル口を取鍋等の貯湯容器の底部の溶湯口に連通させるにあたっては、可動体を移動(回動および/または直動を含む)させる。このように可動体が注入ノズルと共に移動するとき、第1駆動源および第2駆動源から第1アームおよび第2アームへの駆動力伝達を減殺または解消させ、可動体の駆動力で第1アームおよび第2アームを従動旋回可能とさせる従動形態を実行させる。ここで、従動形態とさせる理由としては、(ii)の場合には可動体が駆動源となるため、第1駆動源および第2駆動源の駆動力が減殺または解消されていないと、可動体の駆動力が第1駆動源および第2駆動源に干渉し、動力伝達に支障を来すためである。
【0008】
上記したように(i)の駆動形態と、(ii)の従動形態とに切り替え可能とすれば、上記した課題を達成できることを本発明者は着想し、本発明を完成させた。
【0009】
(2)すなわち、本発明に係る注入ノズル取付装置は、
金属溶湯を溜める貯湯容器内の金属溶湯を通過させる注入ノズルを貯湯容器の底部側の可動体の溶湯通過口に連通させるように、注入ノズルを可動体の溶湯通過口周辺に取り付ける注入ノズル取付装置であって、
固定架台と、固定架台に保持された第1枢支軸と、第1枢支軸により横方向に沿って固定架台に対して旋回可能に枢支された第1アームと、第1アームに保持された第2枢支軸と、第2枢支軸により横方向に沿って旋回可能に枢支された第2アームと、第2アームに保持された第3枢支軸と、第3枢支軸により貯湯容器の底部側に対して高さ方向において昇降旋回可能に枢支され注入ノズルが直接または間接的に取り付けられる第3アームと、第1枢支軸を旋回中心として第1アームを横方向に沿って旋回させる第1駆動源と、第2枢支軸を旋回中心として第2アームを横方向に沿って旋回させる第2駆動源と、第3アームを貯湯容器の底部側に対して高さ方向において昇降させ、上昇時に注入ノズルの上部を可動体の溶湯通過口周辺に押しつける第3駆動源とを具備しており、
注入ノズル取付装置は、注入ノズルの取付時において、
(i)注入ノズルを可動体の溶湯通過口に接近させるとき、第1駆動源および第2駆動源の駆動力を第1アームおよび第2アームに伝達させ、第1駆動源および第2駆動源の駆動力で第1アームおよび第2アームを駆動旋回させることにより、第3アームの注入ノズルを可動体の溶湯通過口に接近させる駆動形態と、
(ii)可動体が前記注入ノズルと共に駆動するとき、第1駆動源および第2駆動源から第1アームおよび第2アームへの駆動力伝達を減殺または解消させ、可動体の駆動力で第1アームおよび第2アームを従動旋回可能とさせる従動形態とに切り替え可能とされていることを特徴とする。
【0010】
(3)本発明の作用
ロングノズル等の注入ノズルを可動体の溶湯通過口(目標位置)に接近させるにあたり、注入ノズルを目標位置に移動させる駆動源は、第1駆動源および第2駆動源となる。この場合、まず、(i)の駆動形態を実行する。そして、第1駆動源および第2駆動源の駆動力を第1アームおよび第2アームに伝達させ、第1駆動源および第2駆動源の駆動力で第1アームおよび第2アームを駆動旋回させる。これにより注入ノズルを可動体の溶湯通過口に接近させる。
【0011】
ここで、ロングノズル等の注入ノズルを可動体の溶湯通過口(目標位置)に接近させるにあたり、仮に第1駆動源および第2駆動源の位置がフリー状態である場合、あるいは、第1駆動源および第2駆動源の駆動力が第1アームおよび第2アームに伝達されない場合には、第1駆動源および第2駆動源が駆動したとしても、第1アームおよび第2アームの駆動旋回は安定せず、良好ではない。この場合、第3アームに取り付けられている注入ノズルを目標位置に迅速に移動させることが困難となる。そこで本発明では、(i)の駆動形態に切り替え、第1駆動源および第2駆動源の駆動力を第1アームおよび第2アームに伝達させ、第1駆動源および第2駆動源の駆動力で第1アームおよび第2アームを駆動旋回させる。これによりロングノズル等の注入ノズルを可動体の溶湯通過口(目標位置)に接近させる。
【0012】
これに対して、可動体が注入ノズルと共に移動するとき、(ii)の従動形態を実行させる。すなわち、可動体が注入ノズルと共に駆動するとき、注入ノズルを移動させる駆動源は可動体となる。この場合、第1駆動源および第2駆動源から第1アームおよび第2アームへの駆動力がそのまま伝達されると、可動体からの駆動力が第1駆動源および第2駆動源に干渉するため、可動体の移動が安定せず、ひいては可動体に設けられている注入ノズルの移動が安定しない。そこで本発明によれば、第1駆動源および第2駆動源から第1アームおよび第2アームへの駆動力伝達を減殺または解消させる。そして可動体の駆動力で注入ノズルを移動させると共に、可動体の駆動力で第1アームおよび第2アームを従動旋回可能とさせる。これによりロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを貯湯容器の下側に迅速に且つ良好に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを貯湯容器の下側に取り付ける注入ノズル取付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】取鍋の溶鋼をロングノズルを介して連続鋳造する過程を示す概念図である。
【図2】取鍋の底部にロングノズルを取り付ける過程の概念を示す断面図である。
【図3】注入ノズル取付装置の概念を示す図である。
【図4】注入ノズル取付装置の概念を示す平面図である。
【図5】注入ノズル取付装置の概念を示す側面図である。
【図6】注入ノズル取付装置の第3アームが伸縮している概念を示す平面図である。
【図7】第1シリンダ装置の位置を固定させるための第1拘束手段を示す図である。
【図8】第2シリンダ装置の駆動力を第2アームに伝達させる経路構造を示す図である。
【図9】第2シリンダ装置から第2アームに伝達される駆動力を減殺または解消させる構造を示す図である。
【図10】実施形態2に係り、第2シリンダ装置の駆動力を第2アームに伝達させる経路構造を示す図である。
【図11】実施形態2に係り、第2シリンダ装置から第2アームに伝達される駆動力を減殺または解消させる構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい形態によれば、注入ノズル取付装置は、(i)の駆動形態において、第1駆動源または第2駆動源の位置を拘束手段により固定状態に拘束させ、その状態で第1駆動源および第2駆動源を駆動させて第1アームおよび第2アームを駆動旋回させる。これにより注入ノズルを可動体における目標位置まで迅速に移動させ得る。また、(ii)の従動形態において、拘束手段の拘束を解除することにより第1駆動源または第2駆動源の位置の固定状態を解除し、第1アームおよび第2アームをフリー状態とさせ、第1アームおよび第2アームの従動旋回を許容させる。すなわち、可動体が注入ノズルと共に駆動するとき、可動体が注入ノズルの駆動源となる。この場合、第1駆動源および第2駆動源から第1アームおよび第2アームへの駆動力が伝達されると、可動体からの駆動力が第1駆動源および第2駆動源に干渉するため、注入ノズルの移動が安定しない。そこで本実施形態によれば、拘束手段の拘束を解除することにより、第1駆動源または第2駆動源の位置の固定状態を解除し、第1アームおよび/または第2アームをフリー状態とさせ、第1アームおよび第2アームの従動旋回を許容させる。
【0016】
好ましい形態によれば、拘束手段は、所定の方向に延びる第1案内部と、第1案内部に沿って移動可能であると共に凹状または凸状の被係止部をもち第1駆動源および第2駆動源のうちの一方に連結される連結具をもつ第1可動体と、第1可動体の被係止部に係合および離脱可能に係止される凸状または凹状の係止部と、係止部を係合方向および離脱方向に移動させる第4駆動源とを有する。この場合、第4駆動源が離脱方向へ移動するとき、被係止部と係止部との係合が解除され、第1駆動源および第2駆動源のうちの一方はフリー状態とされる。第1可動体および/または第1案内部は、第1可動体の移動性を高める転動ベアリング等の転動体を有することが好ましい。
【0017】
好ましい形態によれば、拘束手段は、(i)の駆動形態において第1アームおよび第2アームを駆動旋回させるときにおいて、第1駆動源および第2駆動源のうちの一方の駆動力を第1アームまたは第2アームに伝達させ、(ii)の従動形態において、第1アームおよび第2アームを従動旋回させるときにおいて、第1駆動源および第2駆動源のうちの一方の駆動力を第1アームまたは第2アームに伝達させない。
【0018】
好ましい形態によれば、拘束手段は、第1アームまたは第2アームに固定され所定の方向に延びる第2案内部と、第1アームまたは第2アームに保持され第2案内部に沿って移動可能な第2可動体と、第2可動体の一方向の直進移動を阻止する前進後退可能な押圧部をもつ第6駆動源と、第2可動体の他方向の直進移動を阻止する前進後退可能な押圧部をもつ第7駆動源とを有する。この場合、第6駆動源および第7駆動源の作動により第2可動体の一方向の直進移動と他方向の直進移動が阻止されるとき、第2可動体は第2案内部に沿って移動できず、第1アームまたは第2アームに固定状態に拘束される。これにより注入ノズルを可動体における目標位置まで迅速に移動させ得る。第2可動体および/または第2案内部は、第2可動体の移動性を高める転動ベアリング等の転動体を有することが好ましい。
【0019】
これに対して、第6駆動源および第7駆動源の逆動により第2可動体の一方向の直進移動と他方向の直進移動が許容されるとき、第2可動体は第2案内部に沿って移動可能であり、第1アームまたは第2アームにフリー状態にされる。第1駆動源または第2駆動源の位置の固定状態を解除し、第1アームおよび第2アームをフリー状態とさせ、第1アームおよび第2アームの従動旋回を許容させる。
【0020】
好ましい形態によれば、第1駆動源、第2駆動源、第3駆動源、第4駆動源、第5駆動源(伸縮駆動源)、第6駆動源、第7駆動源としては、流体圧シリンダ装置が好ましいが、電動モータ装置とすることもできる。流体圧シリンダ装置として油圧、空気圧、水圧を利用できる。
【0021】
本発明の好ましい形態によれば、第1アーム、第2アームおよび第3アームのうちの少なくとも一つは、自身の長さ方向において伸縮可能とされていることが好ましい。更に、第1アームおよび/または第2アームの旋回時において、その伸縮可能なアームを伸縮させる伸縮駆動源が設けられていることが好ましい。この場合、ロングノズル等の注入ノズルを可動体の溶湯通過口(目標位置)に接近させるにあたり、障害物が存在する場合には、伸縮駆動源を駆動させることにより、第1アーム、第2アームおよび第3アームのうちの少なくとも一つを伸縮させ、障害物を回避することができる。従って、狭い設置スペースであっても、広い設置スペースであっても、ロングノズルや浸漬ノズル等の注入ノズルを貯湯容器の下側に取り付けることができる。
【0022】
本発明の好ましい形態によれば、ロングノズル等の注入ノズルを可動体の溶湯通過口(目標位置)に接近させるにあたり、注入ノズルを目標位置に移動させる駆動源は、第1駆動源および第2駆動源となる。この場合、まず、第1アーム、第2アームおよび第3アームのうちの少なくとも一つは、自身の長さ方向において伸縮可能とされていることが好ましい。この場合、第1アームを伸縮可能としても良い。第2アームを伸縮可能としても良い。第3アームを伸縮可能としても良い。その伸縮可能なアームを伸縮させる伸縮駆動源が設けられている。伸縮駆動源は流体圧シリンダ装置が好ましいが、電動モータでも良い。流体圧シリンダ装置として油圧、空気圧、水圧を利用できる。
【0023】
ロングノズル等の注入ノズルを可動体の溶湯通過口(目標位置)に接近させるにあたり、障害物が存在する場合には、伸縮駆動源を駆動させることにより、第1アーム、第2アームおよび第3アームのうちの少なくとも一つを適宜伸縮させ、障害物を回避することができる。
【0024】
好ましい形態によれば、前述したように第1アームを伸縮可能としても良い。第2アームを伸縮可能としても良い。高さ方向に昇降可能な第3アームを伸縮可能としても良い。高さ方向に昇降可能な第3アームを伸縮可能とすれば、高さ方向および長さ方向の双方において、障害物との干渉や衝突を回避させ易い。その伸縮可能なアームを伸縮させる伸縮駆動源が設けられている。
【0025】
(実施形態1)
図1は実施形態1の使用形態を表す概念図を示す。図1に示すように、金属溶湯としての高温の溶鋼を溜める貯湯容器としての取鍋10が設けられている。取鍋10の下にはタンデッシュ15が設けられる。タンデッシュ15の下方には、冷媒が流れる冷却通路17aをもつ溶鋼凝固促進用のモールド17が設けられる。モールド17の下方には連続鋳造装置が設けられる。取鍋10の底部10a側には取鍋10用の溶湯通過装置11が設けられている。図2は取鍋10の底部10a側に設けられている溶湯通過装置11付近を示す。図2に模式的に示すように、この溶湯通過装置11は、取鍋10の底部10aの溶鋼口10cに対面する溶鋼口12cをもつ固定用の上プレート12(第1プレート)と、上プレート12に対して回動スライド可能なロータリノズルとも呼ばれる下プレート13(第2プレート,駆動プレート)とをもつ。下プレート13は、油圧等の流体圧機構または電動モータ機構を有するプレート駆動源19により駆動される。
【0026】
図2は、ロータリノズルとも呼ばれる下プレート13付近を示す。下プレート13の溶鋼通過口14(溶湯通過口)には、コレクタノズル13xを介して、これの下側から、長筒形状をなすロングノズル18(注入ノズル)が、本実施形態に係る注入ノズル取付装置2により押しつけられる。図2に示すように、プレート駆動源19により下プレート13がこれの中心軸線P1の回りで回転可能とされている。プレート駆動源19により下プレート13がこれの中心軸線P1の回りでロングノズル18と共に回転すると、下プレート13の溶鋼通過口14は中心軸線P1の回りで回転し、ロングノズル18のノズル口18cと共に上プレート12の溶鋼口12cに対面可能となる(位置XA)。この場合、取鍋10内に貯留されている溶鋼は、取鍋10の底部10aの溶鋼口10c、上プレート12の溶鋼口12c、下プレート13の溶鋼通過口14(溶湯通過口)、ロングノズル18のノズル口18c、更に図1から理解できるように、タンデッシュ15の溶鋼口15c、浸漬ノズル16を経てモールド17に供給され、モールド17で溶鋼が冷却され、連続鋳造装置に供給され、連続鋳造片が形成される。
【0027】
図3は、本実施形態に係る注入ノズル取付装置2の基本構成の平面視を模式的に示す。本装置は、注入ノズルとしてのロングノズル18を下プレート13(ロータリーノズル)に接近移動させ、下プレート13の溶鋼通過口14の下部にこれの下側から押しつけるための装置である。注入ノズル取付装置2は、取鍋10内の溶鋼を通過させるノズル孔18cをもつロングノズル18(注入ノズル)を下プレート13に対して取付けるものである。
【0028】
図3に示すように、注入ノズル取付装置2は、固定架台20と、固定架台20に保持された第1枢支軸21と、第1枢支軸21により横方向(a方向)に沿って固定架台20に対して旋回可能に枢支された第1アーム31と、第1アーム31の先端側に保持された第2枢支軸22と、第2枢支軸22により横方向(b方向)に沿って旋回可能に枢支された第2アーム32と、第2アーム32に保持された第3枢支軸23と、第3枢支軸23により取鍋10の底部10aに対して高さ方向(図3の紙面垂直方向)において昇降旋回可能に枢支された第3アーム33とを有する。図3において、a方向は水平二次元のY方向に相当する。b方向は水平二次元のX方向に相当する。
【0029】
第3アーム33の先端部には、回動部34を介してロングノズル18が取り付けられる。回動部34はロングノズル18をほぼ90度回動でき、ロングノズル18を鉛直方向に立てたり、水平方向に寝かしたりできる。
【0030】
更に図3に示すように、本装置は、溶鋼を溜める取鍋10の底部10aにおいて第1枢支軸21の中心軸線P1を旋回中心として第1アーム31を横方向(a方向)に沿って旋回させる第1駆動源としての第1シリンダ装置41と、第2枢支軸22の中心軸線P2を旋回中心として第2アーム32を横方向(b方向)に沿って旋回させる第2駆動源としての第2シリンダ装置42とを有する。第2アーム32および第3アーム33はa方向およびb方向において、即ち、水平2次元方向において、同じ動きをする。
【0031】
更に図4および図5等を参照して説明を加える。図4に示すように、第1シリンダ装置41は、固定架台20において移動可能な第1可動体52に連結具413により矢印D方向(横方向,図4参照)に回動可能に保持された第1シリンダ本体410と、第1シリンダ本体410に対して伸縮可能な第1ロッド411とを有する。第1ロッド411は、第1アーム31に枢支具31kを介して矢印D方向に回動可能に枢支されている。第1シリンダ装置41が作動して第1ロッド411が伸縮すると、第1枢支軸21の中心軸線P1を旋回中心として第1アーム31がa方向(図3,図4参照)に旋回する。第2シリンダ装置42は、第1アーム31に枢支具420により矢印b方向(図3,図4参照)に回動可能に保持された第2シリンダ本体420と、第2シリンダ本体420に対して伸縮可能な第2ロッド421とを有する。第2シリンダ本体420は第1アーム31に枢支具420kを介して回動可能に枢支されている。第2ロッド421は第2アーム32に枢支具32kを介して回動可能に枢支されている。第2シリンダ装置42が作動して第2ロッド421が矢印S10方向(図4参照)に伸縮すると、第2枢支軸22の中心軸線P2を旋回中心として第2アーム32がb方向(図3,図4参照)に旋回する。
【0032】
更に本装置は、図5に示すように、第2アーム32の横軸形の第3枢支軸23の水平方向に沿った中心軸線P3を旋回中心として、第3アーム33を取鍋10の底部10a側に対して高さ方向(図5に示すH方向、図3の紙面垂直方向)において昇降させる第3駆動源としての第3シリンダ装置43とを備えている。ここで、第3シリンダ装置43が作動してロッド431が矢印S1方向(図5参照)に伸長すると、第3アーム33が第3枢支軸23の中心軸線P3を旋回中心として図5に示すH方向(高さ方向)に旋回し、第3アーム33の先端部に取り付けられているロングノズル18の上部を、下プレート13の溶鋼通過口14周辺にコレクタノズル13xを介して押しつけることができる(図2,図5参照)。
【0033】
更に説明を加える。図4に示すように、固定部として機能する固定架台20が設けられている。固定架台20には、縦軸形の中心軸線P1をもつ縦形の第1枢支軸21が保持されている。固体架台20には、第1枢支軸21により横方向(a方向)に沿って旋回可能に第1アーム31が枢支されている。第1アーム31の先端側には、縦軸形の中心軸線P2をもつ縦形の第2枢支軸22が保持されている。第2枢支軸22により第2アーム32が横方向(b方向)に沿って旋回可能に枢支されている。第2アーム32には横軸形の水平方向に沿った中心軸線P3をもつ第3枢支軸23が保持されている。第3枢支軸23により第3アーム33が昇降旋回可能に枢支されている。第3枢支軸23を旋回中心として第3アーム33が矢印H1方向(図5参照)に上昇旋回すると、第3アーム33の先端部に保持されているロングノズル18の上端は、取鍋10の底部10aに設けられている下プレート13に対して接近し、下プレート13の溶鋼通過口14周辺にコレクタノズル13xを介して押しつけられる。第3アーム33の先端部には回動部34を介してロングノズル18が取り付けられる。なお、回動部34はロングノズル18をほぼ90度回動でき、ロングノズル18を鉛直方向に配置させたり、水平方向に配置させたりできる。
【0034】
換言すると、図3に示すように、本装置は、溶鋼(溶湯)を溜める取鍋10の底部10aにおいて第1枢支軸21を旋回中心として第1アーム31を横方向(a方向)に沿って旋回させる第1駆動源としての第1シリンダ装置41と、第2枢支軸22を旋回中心として第2アーム32を横方向(b方向)に沿って旋回させる第2駆動源としての第2シリンダ装置42とを有する。更に本装置は、図5に示すように、第3アーム33を取鍋10の底部10a側に対して高さ方向(図5に示すH方向、図3の紙面垂直方向)において昇降させる第3駆動源としての第3シリンダ装置43とを備えている。図5に示すように、第3シリンダ装置43は斜めに傾斜して配置されており、第2アーム32に枢支具32mにより矢印M方向(高さ方向)に沿って回動可能に保持された第3シリンダ本体430と、第3シリンダ本体430に対して伸縮可能な第3ロッド431とを有する。第3ロッド431は第3アーム33の根元部33wに枢支具33eを介して高さ方向に回動可能に枢支されている。第3シリンダ装置43が作動して第3ロッド431が矢印S1方向(図5参照)に伸長すると、第3枢支軸23の中心軸線P3(図5参照)を旋回中心として第3アーム33が図5に示すH方向(図5参照)に旋回する。よって、第3アーム33の先端部に取り付けられているロングノズル18の上部をコレクタノズル13xを介して下プレート13の溶鋼通過口14周辺に押しつけることができる。なお、図5に示すように第2アーム32は転動体320をもつ。転動体320は、固定架台20の摺動面200に沿って移動するため、第2アーム32の旋回は良好とされている。
【0035】
図4に示すように、第3アーム33は、直線状に延びるアーム本体330と、アーム本体330に形成されこれの長さ方向に沿って延びる嵌合通路331と、嵌合通路331に嵌合された直線状に延びる副アーム322とを有する。第3アーム33には第5駆動源として第5シリンダ装置45が取り付けられている。第5シリンダ装置45は、第3アーム33のアーム本体330に取り付けられた第5シリンダ本体450と、第5シリンダ本体450に対して伸縮可能な第5ロッド451とをもつ。第5ロッド451は副アーム322に連結されている。第5シリンダ装置45が作動すると、第5ロッド451が矢印L1方向に前進し、副アーム322およびロングノズル18が第5シリンダ装置45に対して矢印L1方向に前進して伸長する。第5シリンダ装置45が逆動すると、第5ロッド451が矢印L2方向に後退し、副アーム322およびロングノズル18が第5シリンダ装置45に対して矢印L2方向に後退して収縮する。これによりロングノズル18を備える第3アーム33は、これの長さ方向に伸縮できる。障害物を回避させ易い。すなわち、第3アーム33の移動先方に障害物が存在するときには、第3アーム33を収縮させておいた状態で、第1アーム31をa方向(図3,図4参照)に旋回させ、第2アーム32および第3アーム33をb方向(図3,図4参照)に旋回させる。障害物が無くなり、且つ、目的地に接近したら、必要に応じて第3アーム33を適宜伸長させつつ第2アーム32および第3アーム33をb方向(図3,図4参照)に旋回させる。
【0036】
図7は、第1シリンダ装置41をロックさせて拘束させる第1拘束手段5を示す。第1拘束手段5は、図7に示すように、第1案内部51と、第1案内部51に沿って移動可能である第1可動体52と、係止部53と、第4駆動源としての第4シリンダ装置44とを有する。第1案内部51は固定架台20の部位20aに固定されており、所定の方向(第1シリンダ装置41のフリー移動方向)である矢印C方向に直線状に延びる複数のレール状をなす。第1可動体52は、第1案内部51に沿って直状に移動可能である共に、溝面52eをもつ凹状の被係止部52aをもつ。図7に示すように、第1可動体52および/または第1案内部51は、第1可動体52の移動性を高める転動ベアリング等の転動体52kを有することが好ましい。第1シリンダ装置41のシリンダ本体410は、連結具413で矢印D方向(横方向)に第1可動体52に回動可能に連結されている。係止部53は、第1可動体52の凹状の被係止部52aに係合および離脱可能に係止される凸状のくさび突起53aをもつ。くさび突起53aはくさび状の傾斜面53eをもつ。第4シリンダ装置44は、係止部53を係合方向(矢印E1方向)および離脱方向(矢印E2方向)に移動させる。第4シリンダ装置44は、固定架台20に固定された第4シリンダ本体440と、第4シリンダ本体440に対して伸縮可能な第4ロッド441とを有する。第4ロッド441は係止部53に連結具53xを介して連結されている。
【0037】
ここで、図7から理解できるように、第4シリンダ装置44が作動して係止部53を係合方向(矢印E1方向)に移動させ、凸状の係止部53を凹状の被係止部52aに係合させると、第1可動体52はロックされて、第1可動体52は第1案内部51に対して矢印C方向(第1シリンダ装置41をフリーとさせる方向)に移動することが阻止される。ひいては、第4シリンダ装置44の位置(矢印C方向の位置)はロックされて、第1案内部51に対して矢印C方向に移動することが阻止される。同様に、第4シリンダ装置44に連結されている第1アーム31は矢印C方向において拘束されて、第1案内部51に対して矢印C方向に自由に移動することが阻止される。すなわち、第1シリンダ装置41および第1アーム31は第1拘束形態(駆動形態)とされる。
【0038】
また、図7から理解できるように、第4シリンダ装置44が逆動して係止部53を離脱方向(矢印E2方向)に移動させ、係止部53のくさび突起53aおよび被係止部52aの係合を解除させると、第1可動体52のロックは解除されて、第1可動体52は第1案内部51に沿って矢印C方向に移動することが可能とされる。ひいては第1可動体52に連結されている第4シリンダ装置44の位置のロックは解除されて、第4シリンダ装置44は第1案内部51に対して矢印C方向にフリー移動することが可能とされる。同様に、第4シリンダ装置44に連結されている第1アーム31の矢印C方向へのロックは解除され、第1アーム31は第1案内部51に沿って矢印C方向にフリー移動することが可能とされる。すなわち、第1シリンダ装置41および第1アーム31の第1拘束形態(駆動形態)は解除され、第1シリンダ装置41および第1シリンダ装置41に回動可能に連結されている第1アーム31の移動は、フリーとなる解除形態(従動形態)に切り替えられる。
【0039】
図8は第2拘束手段8を示す。図8に示すように、第2拘束手段8はクラッチ手段9を有する。クラッチ手段9は、(i)第1アーム31および第2アーム32を駆動旋回させるときにおいて、第2シリンダ装置42の駆動力を第2アーム32に伝達させる伝達形態(駆動形態,図8参照)と、(ii)第1アーム31および第2アーム32を従動旋回させるときにおいて、第2シリンダ装置42の駆動力を第2アーム32に伝達させない非伝達形態(従動形態,図9参照)とに切り替え可能とされている。
【0040】
クラッチ手段9について更に説明を加える。図8に示すように、クラッチ手段9は、第2アーム32に固定された直線レール状の第2案内部91と、第2案内部91に沿って矢印F1,F2方向に移動可能な第2可動体92と、第6駆動源としての第6シリンダ装置46と、第7駆動源としての第7シリンダ装置47とを有する。第2案内部91は、所定の方向(矢印F1,F2方向)に沿って、つまり、第2アーム32の長さ方向に沿ってレール状に延びる。第2可動体92は、第2案内部91に沿って矢印F1,F2方向(第2アーム32の長さ方向)に沿って移動可能であると共に、第2シリンダ装置42の第2ロッド421を枢支具32kで回動可能に固定する。第2可動体92はストッパ926およびストッパ927をもつ。図8に示すように、第2可動体92および/または第2案内部91は、第2可動体92の移動性を高める転動ベアリング等の転動体92kを有することが好ましい。
【0041】
図8から理解できるように、第2シリンダ装置42は、第1アーム31に枢支具420kにより回動可能に保持された第2シリンダ本体420と、第2シリンダ本体420から伸縮可能な第2ロッド421とを有する。図8から理解できるように、第6シリンダ装置46は、第2アーム32に固定された第6シリンダ本体460と、第6シリンダ本体460に対して矢印F1,F2方向にそって伸縮可能な第6ロッド461とを有する。図8は、第2シリンダ装置42の駆動力を第2アーム32に伝達させる伝達形態(駆動形態)を模式的に示す。
【0042】
伝達形態(駆動形態)によれば、図8に示すように、第6ロッド461の押圧部461mは、第2可動体92のストッパ926と係合することにより、第2可動体92の一方向(矢印F1方向)の直進移動を阻止する。図8に示すように、第7シリンダ装置47は、第2アーム32に固定された第7シリンダ本体470と、第7シリンダ本体470に対して矢印F1,F2方向にそって伸縮可能な第7ロッド471とを有する。伝達形態(駆動形態)では、第7ロッド471の押圧部471mは、第2可動体92のストッパ927と係合することにより、第2可動体92の他方向(矢印F2方向)の直進移動を阻止する。
【0043】
ここで図8に示すように、伝達形態(駆動形態)によれば、第6シリンダ装置46が作動して第6シリンダ装置46の押圧部461mが第2可動体92のストップ部926に当接する。且つ、第7シリンダ装置47が作動して第7シリンダ装置47の押圧部471mが第2可動体92のストッパ927に当接する。この結果、第2可動体92はロックされ、第2案内部91(矢印F1,F2方向)に沿って移動することが阻止される。これにより第2シリンダ装置42は第2拘束形態(駆動形態)とされる。
【0044】
これに対して、図9は非伝達形態(従動形態)を示す。非伝達形態によれば、図9に示すように、第6シリンダ装置46が逆動して第6シリンダ装置46の押圧部461mが第2可動体92のストッパ926からΔK1ぶん離間する。第7シリンダ装置47が作動して第7シリンダ装置47の押圧部471mが第2可動体92のストップ部927からΔK2ぶん(図9参照)離間する。すると、第2シリンダ装置42からのF1,F2方向の駆動力は、第2可動体92を介して第2アーム32へ直接的には伝達されない。即ち、第2シリンダ装置42からの駆動力で第2ロッド421が第2可動体92と共に矢印F1方向に前進したとしても、ストッパ926が押圧部461mに当接するまでは、すなわち、ΔK1相当ぶん(図9参照)については、第2可動体92は空前進するもの、第2アーム32は矢印F2方向に移動しない。即ち、第2シリンダ装置42の矢印F1方向の駆動力は減殺または解消される。
【0045】
また第2シリンダ装置42からの駆動力で第2ロッド421が第2可動体92と共に矢印F2方向に後退したとしても、ストッパ927が押圧部471mに当接するまでは、すなわち、ΔK2相当ぶん(図9参照)については、第2可動体92は空後退するもの、第2アーム32は矢印F2方向に移動しない。即ち、第2シリンダ装置42の矢印F2方向の駆動力は減殺または解消される。
【0046】
従って、下プレート13が駆動源となって第2アーム32が従動旋回するときには、第2可動体92はレール状の第2案内部91に沿ってΔK1+ΔK2ぶん自由に移動することができる。この結果、第2アーム32は、第2シリンダ装置42に対してΔK1+ΔK2ぶん自由に従動でき、第2アーム2を従動旋回させることができる。
【0047】
(本装置の使用形態)
本装置の使用形態について説明を加える。まず、ロングノズル18を第3アーム33の先端の回動部34(注入ノズル保持部)に保持する。この場合、ロングノズル18と障害物との接触干渉を防止するため、ロングノズル18を横方向に沿って寝かせておくことが好ましい(図6参照)。次に、図7から理解できるように、第4シリンダ装置44を作動させて係止部53を係合方向(図6,図7に示す矢印E1方向)に移動させ、係止部53のくさび突起53aおよび凹状の被係止部52aを係合させ、第1可動体52を固定架台20にロックさせる。これにより第1可動体52は固定架台20に固定させ、第1案内部51に対して矢印C方向に移動することが阻止される。ひいては第1シリンダ装置41は拘束されて、第1案内部51に対して矢印C方向に移動することが阻止される。同様に、第1シリンダ装置41に連結されている第1アーム31はロックされて拘束されて、第1案内部51に対して矢印C方向に自由に移動することが阻止される。この結果、第1シリンダ装置41および第1アーム31は第1拘束形態(駆動形態)とされる。
【0048】
更に、図8から理解できるように、第6シリンダ装置46が作動して第6シリンダ装置46の押圧部461mが第2可動体92のストップ部926に当接し、且つ、第7シリンダ装置47が作動して第7シリンダ装置47の押圧部471mが第2可動体92のストッパ927に当接すると、第2可動体92はロックされ、第2案内部91(矢印F方向)に沿って移動することが阻止される。これにより第2シリンダ装置42は第2拘束形態(駆動形態)とされる(図8参照)。
【0049】
このように第1シリンダ装置41および第2シリンダ装置42をロックさせて拘束させた状態で、第1シリンダ装置41を作動させて第1アーム31をa方向(図3,図4参照)に旋回させると共に、第2シリンダ装置42を作動させて第2アーム32および第3アーム33をb方向(図3,図4参照)に旋回させる。これにより第3アーム33の先端のロングノズル18を下プレート13に向けて接近させ、更に下プレート13の溶鋼通過口14の真下に接近させることができる。このような動作は、制御装置の記憶媒体のエリアに格納されているプログラムに基づいて第1シリンダ装置41および第2シリンダ装置42を自動的に駆動させることにより実行できる。
【0050】
上記したように第1アーム31をa方向に旋回させると共に第2アーム32および第3アーム33をb方向に旋回させるときには、図6に示すように、第3アーム33の先端に保持されているロングノズル18を回動部34の回動作用により水平方向に沿って配置させることが好ましい。この場合、第1アーム31、第2アーム32および第3アーム33が旋回するとき、ロングノズル18と他の部位との接触干渉が防止される。この場合、必要に応じて、第4シリンダ装置44を作動させて第3アーム33をこれの長さ方向(図6に示す矢印L1,L2方向)に向けて伸縮させる。この結果、第3アーム33の先端のロングノズル18を第3アーム33の長さ方向(矢印L1方向)に向けて適宜前進させることができる。
【0051】
その後、回動部34によりロングノズル18を回動させて鉛直方向に沿って配置させる。この状態で、図5から理解できるように、第3シリンダ装置43のロッド431を矢印S1方向に伸長させ、第3枢支軸23の中心軸線P3を旋回中心として第3アーム33を矢印H1方向に上昇旋回させる。この結果、第3アーム33の先端部のロングノズル18の上部を、コレクタノズル13xを介して、下プレート13の溶鋼通過口14の真下に押しつける(図2,図5参照)。
【0052】
上記したように第1アーム31、第2アーム32および第3アーム33を旋回させる場合、ロングノズル18を待機位置から下プレート13の溶鋼通過口14の真下に配置させるとき、仮に第1シリンダ装置41および第2シリンダ装置42の位置がフリーであると、第1シリンダ装置41および第2シリンダ装置42の位置が無駄に移動してしまい、第1アーム31および第2アーム32の良好なる旋回ができない。しかしながら本実施形態によれば、第1シリンダ装置41および第2シリンダ装置42の位置がロックされて拘束されているため、第1アーム31のa方向への旋回、および、第2アーム32のb方向への良好なる旋回が可能となる。
【0053】
次に、第1シリンダ装置41の位置のロックを解除させたために、第4シリンダ装置44(図4,図6,図7参照)を逆動させて係止部53を離脱方向(図4および図7に示す矢印E2方向)に退避移動させ、係止部53のくさび突起53aおよび凹状の被係止部52aの係合を解除させ、第1可動体52の位置のロックを解除させる。これにより第1可動体52は、第1案内部51に沿って矢印C方向に移動することが可能となる。このように第1可動体52の位置の矢印C方向のロックは解除され、第1可動体52および第1シリンダ装置41は、第1案内部51に沿って矢印C方向にフリー移動することが可能とされる。同様に第4シリンダ装置44は矢印C方向(図4参照)にフリー移動可能となる。第4シリンダ装置44に連結されている第1アーム31の拘束は解除されて、第1アーム31は第1案内部51に対して矢印C方向にフリー移動することが可能とされる。すなわち、第1シリンダ装置41および第1アーム31は解除形態(従動形態)とされる。
【0054】
更に、図9から理解できるように、第6シリンダ装置46を逆動させて第6シリンダ装置46の押圧部461mを第2可動体92のストップ部926からΔK1(図9参照)離間させる。且つ、第7シリンダ装置47を逆動させて第7シリンダ装置47の押圧部471mを第2可動体92のストッパ927からΔK2(図9参照)離間させる。第2アーム32に保持されている第2可動体92が第2案内部91に沿って矢印F1,F2方向に移動することが可能とされる。この場合には、第1アーム31はa方向に任意に旋回できる。同様に、第2アーム32はb方向に任意に旋回できる。
【0055】
このように第1アーム31および第2アーム32が従動可能となるため、本装置は、ロータリノズルとも呼ばれる下プレート13をプレート駆動源19(ロータリノズル用の駆動源,図2参照)により下プレート13の中心軸線P1の回りで回転させることができる。これにより下プレート13の溶鋼通過口14を上プレート12の溶鋼口12cに対面させる。この結果、取鍋10の底部10aの溶鋼口10c、上プレート12の溶鋼口12c、下プレート13の溶鋼通過口14(溶湯通過口)、ロングノズル18のノズル口18cは連通する(図1参照)。この結果、取鍋10内に貯留されている溶鋼は、取鍋10の底部10aの溶鋼口10c、上プレート12の溶鋼口12c、下プレート13の溶鋼通過口14(溶湯通過口)、ロングノズル18のノズル口18c、タンデッシュ15の溶鋼口15cを経てモールド17に供給され、モールド17で溶鋼が冷却され、連続鋳造装置に供給され、連続鋳造片が形成される。
【0056】
上記したように下プレート13の溶鋼通過口14周辺にロングノズル18の上部を押しつけつつ、プレート駆動源19(図2参照)により下プレート13が中心軸線P1の回りで回転するとき、もし第1可動体52および第1シリンダ装置41がロックされて拘束されている場合、あるいは、第2可動体92がロックされている場合には、下プレート13の駆動力が、第1シリンダ装置41および第2シリンダ装置42に干渉するおそれがあり、第1アーム31および第2アーム32が下プレート13の回動駆動に対して円滑に追従できないおそれがある。
【0057】
この点について本実施形態によれば、プレート駆動源19(図2参照)により下プレート13が中心軸線P1の回りで回転するときには、第1可動体52および第1シリンダ装置41のロックが既に解除され、第1シリンダ装置41の位置はフリーとされ、矢印C方向にフリー移動可能とされている。更に、第2可動体92のロックが解除され、第2可動体92は矢印F1,F2方向にフリー移動可能とされており、ΔK1+ΔK2ぶん第2アーム32はフリー旋回できる。
【0058】
このため本実施形態によれば、プレート駆動源19(図2参照)により下プレート13が中心軸線P1の回りで回転するとき、シリンダ装置41,42が障害とならず、第1アーム31および第2アーム32が下プレート13の駆動に対して自由に円滑に追従できる。この結果、図1から理解できるように、取鍋10の底部10aの溶鋼口10c、上プレート12の溶鋼口12c、下プレート13の溶鋼通過口14(溶湯通過口)、ロングノズル18のノズル口18cを良好に連通させることができる。これにより図1から理解できるように、取鍋10に貯留されている溶鋼は、取鍋10の底部10aの溶鋼口10c、上プレート12の溶鋼口12c、下プレート13の溶鋼通過口14(溶湯通過口)、ロングノズル18のノズル口18cからタンデッシュ15に保持され、更に、タンデッシュ15の溶湯口15cからモールド17に供給され、連続鋳造装置で連続的に鋳造されて連続鋳造片となる。
【0059】
本実施形態によれば、第1アーム31および第2アーム32を旋回させて、ロングノズル18を下プレート13の溶鋼通過口14(目標位置)に接近させるにあたり(図6参照)、障害物が存在する場合には、第5シリンダ装置45(伸縮駆動源)を適宜駆動させることにより、第2アーム32に保持されている高さ方向に昇降可能な第3アーム33をこれの長さ方向に適宜伸縮させることができる。よって、旋回中において、障害物を容易に回避することができる。従って、狭い設置スペースであっても、あるいは、広い設置スペースであっても、ロングノズル18を取鍋10の底部10a側の下プレート13の下側に容易に取り付けることができる。
【0060】
殊に、第3アーム33の長さは第1アーム31および第2アーム32の長さよりも長い。このように最も長い第3アーム33に第5シリンダ装置45が設けられ、第3アーム33の副アーム322を矢印L1,L2方向に伸縮させるため、第3アーム33の伸縮量が確保され、障害物を回避させ易い。
【0061】
また本実施形態によれば、図6に示すように、第3アーム33を矢印L1方向に沿って必要に応じて伸長できるため、溶鋼を溜めるタンデッシュ15(高熱源)と、タンデッシュ15の上に存在する取鍋10の高温の溶鋼(高熱源)とから、第1シリンダ装置41および第2シリンダ装置42を遠ざけることができる。このため第1シリンダ装置41および第2シリンダ装置42を溶鋼の高熱から保護させ易い利点が得られる。更に、第3アーム33を伸縮させる伸縮源である第5シリンダ装置45は、第3枢支軸23の回動枢支性に影響を与えないように、第3アーム33に取り付けられている。このため、第3アーム33を伸縮させる伸縮駆動源として機能する第5シリンダ装置45は、第3枢支軸23の回動枢支性に影響を与えない。
【0062】
更に本実施形態によれば、長さ方向に伸縮可能な第3アーム33は、第3シリンダ装置43および第3枢支軸23により高さ方向(矢印H方向)において昇降可能である。このため、ロングノズル18を取り付けるにあたり、第3アーム33が障害物に干渉したり衝突したりすること、ひいては、第3アーム33に保持されているロングノズル18が障害物に干渉したり衝突したりすることは、第3アーム33の長さ方向(矢印L1,L2方向)においても、また、高さ方向(矢印H方向)においても、回避され易い利点が得られる。
【0063】
なお、上記した本実施形態によれば、注入ノズルとしてのロングノズル18に本発明を適用した場合であるが、これに限らず、浸漬ノズル16に適用しても良い。すなわち、図1に示すように、タンデッシュ15の底部15a側には、タンデッシュ15用の溶湯通過装置11Tが設けられている。図1に模式的に示すように、この溶湯通過装置11Tは、タンデッシュ15の底部15aの溶鋼口15cに対面する溶鋼口120をもつ固定用の上プレート12Tと、上プレート12Tに対して回動スライド可能な下プレート13T(第2駆動プレート)とをもつ。下プレート13Tの溶鋼通過口14T(溶湯通過口)には、これの下側から、浸漬ノズル16(注入ノズル)が押しつけられる。このようなタンデッシュ15用の溶湯通過装置11Tの浸漬ノズル16に本発明を適用させることもできる。
【0064】
(実施形態2)
図10および図11は実施形態2を示す。本実施形態は前記した実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を奏する。図10,図11に示すように、第2案内部91は第2アーム32に固定されている。第2可動体92は、第2アーム32および第2案内部91に沿って矢印F1,F2方向に移動可能に保持されている。但し、第2シリンダ装置42の第2シリンダ420は第2可動体92に固定されており、第2ロッド421は第1アーム31に回動可能に枢支されている。
【0065】
ここで図10に示すように、伝達形態によれば、第6シリンダ装置46が作動して第6シリンダ装置46の押圧部461mが第2可動体92のストップ部926に当接する。且つ、第7シリンダ装置47が作動して第7シリンダ装置47の押圧部471mが第2可動体92のストッパ927に当接する。この結果、第2可動体92は第2アーム32にロックされ、第2案内部91(矢印F1,F2方向)に沿って移動することが阻止される。これにより第2可動体92に保持されている第2シリンダ装置42は第2拘束形態とされる。
【0066】
これに対して、図11は非伝達形態(従動形態)を示す。非伝達形態(従動形態)によれば、図11に示すように、第6シリンダ装置46が逆動して第6シリンダ装置46の押圧部461mが第2可動体92のストッパ926からΔK1ぶん離間する。第7シリンダ装置47が作動して第7シリンダ装置47の押圧部471mが第2可動体92のストップ部927からΔK2ぶん離間する。すると、第2可動体92は第2シリンダ装置42と共に矢印F1,F2方向に前進後退できる。従って、下プレート13が駆動源となって第2アーム32が従動旋回するときには、第2可動体92に固定されている第2シリンダ装置42は、第2案内部91に沿ってΔK1+ΔK2ぶん自由に移動することができる。この結果、第2アーム32および第2シリンダ装置42は、ΔK1+ΔK2ぶんフリー状態となり、第2アーム2の従動旋回を許容させることができる。
【0067】
本実施形態においても、ロングノズル18を下プレート13の溶鋼通過口14(目標位置)に接近させるにあたり、障害物が存在する場合には、第5シリンダ装置45(伸縮駆動源)を駆動させることにより、第2アーム32に保持されている第3アーム33をこれの長さ方向に適宜伸縮させ、障害物を回避することができる。従って、狭い設置スペースであっても、広い設置スペースであっても、ロングノズル18下プレート13の下側に容易に取り付けることができる。
【0068】
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。図7は第1シリンダ装置41の位置を拘束させてロックさせる構造を示すが、第2シリンダ装置42の位置を拘束させてロックさせる構造として適用しても良い。図8は第2シリンダ装置41の駆動力を減殺または解消させる構造を示すが、第1シリンダ装置41の駆動力を減殺または解消させる構造として適用しても良い。可動体としての下プレート13は回転するが、直動のみでも良いし、回転および直動の併用でも良い。第1駆動源〜第7駆動源については第1シリンダ装置41〜第7シリンダ装置47に代えて、電動モータ装置とすることができる。殊に、伸縮駆動源である第5シリンダ装置45に代えて、電動モータ装置とすることができる。本明細書の記載から次の技術的思想も把握できる。
【0069】
[付記項1]金属溶湯を溜める貯湯容器内の前記金属溶湯を通過させる注入ノズルを前記貯湯容器の底部側の可動体の溶湯通過口に連通させるように、前記注入ノズルを前記可動体の前記溶湯通過口周辺に取り付ける注入ノズル取付装置であって、固定架台と、前記固定架台に保持された第1枢支軸と、前記第1枢支軸により横方向に沿って前記固定架台に対して旋回可能に枢支された第1アームと、前記第1アームに保持された第2枢支軸と、前記第2枢支軸により横方向に沿って旋回可能に枢支された第2アームと、前記第2アームに保持された第3枢支軸と、前記第3枢支軸により前記貯湯容器の底部側に対して高さ方向において昇降旋回可能に枢支され前記注入ノズルが直接または間接的に取り付けられる第3アームと、前記第1枢支軸を旋回中心として前記第1アームを横方向に沿って旋回させる第1駆動源と、前記第2枢支軸を旋回中心として前記第2アームを横方向に沿って旋回させる第2駆動源と、前記第3アームを前記貯湯容器の底部側に対して高さ方向において昇降させ、上昇時に前記注入ノズルの上部を前記可動体の前記溶湯通過口周辺に押しつける第3駆動源とを具備することを特徴とする注入ノズル取付装置。
【符号の説明】
【0070】
10は取鍋(貯湯容器)、12は上プレート、13は下プレート(可動体)、14は溶鋼通過口(溶湯通過口)、15はタンディッシュ、17はモールド、18はロングノズル(注入ノズル)、19はプレート駆動源、2は注入ノズル取付装置、20は固定架台、21は第1枢支軸、22は第2枢支軸、23は第3枢支軸、31は第1アーム、32は第2アーム、33は第3アーム、330はアーム本体、322は副アーム、34は回動部、41は第1シリンダ装置(第1駆動源)、42は第2シリンダ装置(第2駆動源)、43は第3シリンダ装置(第3駆動源)、44は第4シリンダ装置(第4駆動源)、45は第5シリンダ装置(伸縮駆動源、第5駆動源)、46は第6シリンダ装置(第6駆動源)、47は第7シリンダ装置(第7駆動源)、5は第1拘束手段、51は第1案内部、52は第1可動体、53は係止部、52aは被係止部、53は係止部、53aはくさび突起、8は第2拘束手段、91は第2案内部、92は第2可動体、926,927はストッパを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属溶湯を溜める貯湯容器内の前記金属溶湯を通過させる注入ノズルを前記貯湯容器の底部側の可動体の溶湯通過口に連通させるように、前記注入ノズルを前記可動体の前記溶湯通過口周辺に取り付ける注入ノズル取付装置であって、
固定架台と、前記固定架台に保持された第1枢支軸と、前記第1枢支軸により横方向に沿って前記固定架台に対して旋回可能に枢支された第1アームと、前記第1アームに保持された第2枢支軸と、前記第2枢支軸により横方向に沿って旋回可能に枢支された第2アームと、前記第2アームに保持された第3枢支軸と、前記第3枢支軸により前記貯湯容器の底部側に対して高さ方向において昇降旋回可能に枢支され前記注入ノズルが直接または間接的に取り付けられる第3アームと、前記第1枢支軸を旋回中心として前記第1アームを横方向に沿って旋回させる第1駆動源と、前記第2枢支軸を旋回中心として前記第2アームを横方向に沿って旋回させる第2駆動源と、前記第3アームを前記貯湯容器の底部側に対して高さ方向において昇降させ、上昇時に前記注入ノズルの上部を前記可動体の前記溶湯通過口周辺に押しつける第3駆動源とを具備しており、
前記注入ノズル取付装置は、前記注入ノズルの取付時において、
(i)前記注入ノズルを前記可動体の前記溶湯通過口に接近させるとき、前記第1駆動源および前記第2駆動源の駆動力を前記第1アームおよび前記第2アームに伝達させ、前記第1駆動源および前記第2駆動源の駆動力で前記第1アームおよび前記第2アームを駆動旋回させることにより、前記第3アームの注入ノズルを前記可動体の前記溶湯通過口に接近させる駆動形態と、
(ii)前記可動体が前記注入ノズルと共に駆動するとき、前記第1駆動源および前記第2駆動源から前記第1アームおよび前記第2アームへの駆動力伝達を減殺または解消させ、前記可動体の駆動力で前記第1アームおよび前記第2アームを従動旋回可能とさせる従動形態とに切り替え可能とされていることを特徴とする注入ノズル取付装置。
【請求項2】
請求項1において、前記第1アーム、前記第2アームおよび前記第3アームのうちの少なくとも一つは、自身の長さ方向において伸縮可能とされており、
前記第1アームおよび/または前記第2アームの旋回時において、その伸縮可能なアームを伸縮させる伸縮駆動源が設けられていることを特徴とする注入ノズル取付装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記注入ノズル取付装置は、(i)の駆動形態において、前記第1駆動源または前記第2駆動源の位置を拘束手段により固定状態に拘束させ、その状態で前記第1駆動源および前記第2駆動源を駆動させて前記第1アームおよび/または前記第2アームを駆動旋回させ、
(ii)の従動形態において、前記拘束手段の拘束を解除することにより前記第1駆動源または前記第2駆動源の位置の固定状態を解除し、前記第1アームおよび前記第2アームをフリー状態とさせ、前記可動体の駆動力で前記第1アームおよび前記第2アームの従動旋回を許容させることを特徴とする注入ノズル取付装置。
【請求項4】
請求項3において、前記拘束手段は、所定の方向に延びる第1案内部と、前記第1案内部に沿って移動可能であると共に凹状または凸状の被係止部をもち前記第1駆動源および前記第2駆動源のうちの一方に連結される連結具をもつ第1可動体と、前記第1可動体の前記被係止部に係合および離脱可能に係止される凸状または凹状の係止部と、前記係止部を係合方向および離脱方向に移動させる第4駆動源とを有しており、前記第4駆動源が離脱方向へ移動するとき、前記被係止部と前記係止部との係合が解除され、前記第1駆動源および前記第2駆動源のうちの一方はフリー状態とされることを特徴とする注入ノズル取付装置。
【請求項5】
請求項3または4において、前記拘束手段は、(i)の駆動形態において、前記第1アームおよび前記第2アームを駆動旋回させるときにおいて、前記第1駆動源および前記第2駆動源のうちの一方の駆動力を前記第1アームまたは前記第2アームに伝達させ、
(ii)の従動形態において、前記第1アームおよび前記第2アームを従動旋回させるときにおいて、前記第1駆動源および前記第2駆動源のうちの一方の駆動力を前記第1アームまたは前記第2アームに伝達させないことを特徴とする注入ノズル取付装置。
【請求項6】
請求項3または4において、前記拘束手段は、前記第1アームまたは前記第2アームに固定され所定の方向に延びる第2案内部と、前記第1アームまたは前記第2アームに保持され前記第2案内部に沿って移動可能な第2可動体と、前記第2可動体の一方向の直進移動を阻止する前進後退可能な押圧部をもつ第6駆動源と、前記第2可動体の他方向の直進移動を阻止する前進後退可能な押圧部をもつ第7駆動源とを有しており、
前記第6駆動源および前記第7駆動源の作動により前記第2可動体の前記一方向の直進移動と前記他方向の直進移動が阻止されるとき、前記第2可動体は前記第2案内部に沿って移動できず、前記第1アームまたは前記第2アームに固定状態に拘束され、
前記第6駆動源および前記第7駆動源の逆動により前記第2可動体の一方向の直進移動と他方向の直進移動が許容されるとき、前記第2可動体は前記第2案内部に沿って移動可能であり、前記第1アームまたは前記第2アームにフリー状態にされることを特徴とする注入ノズル取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−183557(P2012−183557A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48577(P2011−48577)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000220767)東京窯業株式会社 (211)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】