説明

注出容器

【課題】外容器が径方向の内側に僅かに押し込まれたときに内容物が不意に注出されるのを抑制すること。
【解決手段】内容物が収容される内容器、および内容器との間に外気を吸入する吸気孔が形成された弾性変形可能な外容器を有する二重容器と、内容器の内部に連通する連通開口が形成されるとともに連通開口を通して内容物を注出可能な注出体とを備え、注出体は上面に連通開口を覆うフィルムが配設された注出壁部を備え、フィルムは連通開口を囲繞するとともに周方向の一部分が開口した固着部を介して注出壁部の上面に固着され、フィルムのうちの固着部の内側部分が注出壁部の上面に離間可能に密接されることで連通開口がシールされ、外部と吸気孔とを連通する外気流入路60内には、外部から内容器と外容器との間への外気の流入を許容する逆止弁38が設けられ、逆止弁38の弁体40と弁座42との間には圧逃がし路43が形成されている注出容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、内容物が収容されるとともに内圧の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器、および該内容器が内装されるとともに弾性変形可能な外容器を備える二重容器と、該二重容器の口部に装着されるとともに注出口が形成された注出体と、を備える注出容器が知られている。
外容器には、内容器との間に外気が吸入される吸気孔が形成され、注出体は、内容器内への内容物の逆流および外気の流入を阻止しつつ、内容器の内圧変動により作動して注出口と内容器内との連通、およびその遮断を切り替える第1逆止弁と、前記吸気孔から空気を流出させずに該吸気孔を開閉する第2逆止弁と、を備えている。
この注出容器においては、二重容器を径方向の内側に向けて押圧し内容器の内圧を上昇させると、第1逆止弁が開いて注出口と内容器内とが連通され、内容器内の内容物が注出口から外部に注出される。
そして、例えば二重容器の押圧を停止して内容器の内圧上昇を停止すると、第1逆止弁が閉じて注出口と内容器内との連通が遮断され、内容器は減容変形したまま外容器が復元変形しようとする。この際、内容器と外容器との間に発生した負圧により第2逆止弁が開き、吸気孔から内容器と外容器との間に外気が吸入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−59131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の注出容器では、例えばこの注出容器を把持する等して、外容器が径方向の内側に僅かに押し込まれた場合でも、内容器の内圧が上昇して第1逆止弁が開いてしまうため、内容物が不意に注出されるおそれがあった。
なおこの問題は、環境問題等に配慮して二重容器を軽量(薄肉)にした場合に特に顕在化するおそれがある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、外容器が径方向の内側に僅かに押し込まれたときに内容物が不意に注出されるのを抑制することができる吐出容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る注出容器は、内容物が収容されるとともに可撓性を具備する内容器、および該内容器との間に外気を吸入する吸気孔が形成された弾性変形可能な外容器を有する二重容器と、該二重容器の口部に装着され、前記内容器の内部に連通する連通開口が形成されるとともに前記連通開口を通して内容物を注出可能な注出体と、を備え、前記注出体は、前記連通開口が形成されるとともに上面に該連通開口を覆うフィルムが配設された注出壁部を備え、前記フィルムは、前記連通開口を囲繞するとともに少なくとも周方向の一部分が開口した固着部を介して前記注出壁部の上面に固着され、前記フィルムのうちの前記固着部の内側部分が前記注出壁部の上面に離間可能に密接されることで前記連通開口がシールされ、外部と前記吸気孔とを連通する外気流入路内には、外部から前記内容器と前記外容器との間への外気の流入を許容し、かつ前記内容器と前記外容器との間から外部への外気の流出を阻止する逆止弁が設けられ、該逆止弁の弁体と弁座との間には、圧逃がし路が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、使用前の状態においては、連通開口を覆うフィルムが注出壁部の上面に密接されて連通開口がフィルムによってシールされ、内容器の密閉性が確保されている。
また、例えば二重容器を把持する等して、外容器が径方向の内側に僅かに押し込まれた場合には、内容器と外容器との間の空間の内圧が上昇しようとするものの、この内圧は圧逃がし路を通して外部に逃がされることとなる。これにより、内容器の内圧が上昇するのを抑えることができる。
【0008】
また、この注出容器を使用する際には、例えば、外容器を径方向の内側に向けて大きく押し込んで二重容器を押圧する。これにより、圧逃がし路を通して逃がすことができる圧力以上に、内容器と外容器との間の空間の内圧が上昇し、この内圧が内容器に作用するため、内容器の内圧が上昇することとなる。すると、連通開口から流出する内容物によってフィルムが押圧され、フィルムのうちの固着部の内側部分が、注出壁部の上面から離間して上側に凸となるドーム状に膨出する。これにより、フィルムと注出壁部の上面との間に、連通開口に連通する流路が形成されるとともに、固着部の開口部分に、外部に向けて開口された注出口が形成される。その結果、連通開口から流出した内容物が、前記流路を通って前記注出口から注出される。
【0009】
なお、内容器と外容器との間の空間の内圧が上昇すると、逆止弁の弁体が弁座に圧接させられる。これにより、圧逃がし路から内圧が逃がされるのを抑えることが可能になり、内容器と外容器との間の空間の内圧を効果的に上昇させ、内容器の内圧を確実に上昇させることができる。
【0010】
その後、二重容器の押圧を停止したり解除したりすることで、連通開口からの内容物の流出を停止させると、フィルムに付与されていた内容物による押圧力が解除され、注出壁部の上面から離間したフィルムが元の状態に復元されて注出壁部の上面に密接する。その結果、前記注出口が閉塞されるとともに連通開口がフィルムによってシールされ、内容器の密閉性が再び確保される。
【0011】
ここで、内容器の密閉性が確保された状態で二重容器の押圧を解除すると、内容器が減容変形したまま外容器が復元変形しようとする。このとき、内容器と外容器との間に負圧が発生し、この負圧が、吸気孔を通して逆止弁の弁体に作用することにより、弁体が弁座から離間し、外気流入路を通して外部と吸気孔とが連通される。すると、外部から外気流入路に外気が流入され、この外気が吸気孔から内容器と外容器との間に吸入される。
【0012】
なお、内容器の内部の内容物を連通開口から流出させる際に、前述のように二重容器を押圧するのに代えて、前記固着部の開口部分を下方に向けて二重容器を傾けて注出容器を注出姿勢にすることで、内容物の自重によって連通開口から内容物を流出させることも可能である。この場合、内容物の連通開口からの流出を停止させるためには、注出容器を元の正立姿勢に戻せば良い。
【0013】
以上により、フィルムによって連通開口がシールされることで、内容器の密閉性が確保されているので、この注出容器の流通時や保管時などに、内容物が不意に注出口から注出されるのを抑制することができる。
【0014】
さらに、注出体の前記注出壁部の上面にフィルムを固着させるという簡単な構成で注出口を開閉させることができるので、注出容器の製造を容易なものにすることができる。
また、連通開口から内容物を流出させてその内容物によりフィルムを押圧することで注出口が開口して内容物が注出され、また、連通開口からの内容物の流出を停止させることで注出口が閉塞されるとともに連通開口がシールされるので、内容物を注出する操作を容易に行うことができる。つまり、連通開口から内容物を流出させる操作を行うだけでよく、注出口を開閉させる操作を別途行う必要がなく、操作性を向上させることができる。
【0015】
また、前記注出体は、前記注出壁部を有するとともに上下動可能な可動部と、前記可動部の上下動に伴って前記連通開口と前記内容器の内部との連通およびその遮断を切り替える注出弁体と、を備え、前記注出体には、前記可動部を覆うオーバーキャップが着脱自在に装着され、前記オーバーキャップには、前記可動部に係合し、該オーバーキャップの着脱に伴って前記可動部を上下動させる係合部が設けられていても良い。
【0016】
この場合、オーバーキャップが注出体に装着された使用前の状態においては、連通開口を覆うフィルムが注出壁部の上面に密接されて連通開口がフィルムによってシールされていることに加え、注出弁体によって内容器の内部と連通開口との連通が遮断されているので、内容器の密閉性が一層確保されている。
【0017】
また、この注出容器を使用する際には、オーバーキャップを注出体から離脱させる。すると、この離脱操作に伴って係合部が可動部を上昇移動させることで、注出弁体による内容器の内部と連通開口との連通の遮断が解除される。
そして、注出容器の使用が終了した後は、オーバーキャップを注出体に装着させる。すると、この装着操作に伴って係合部が可動部を下降移動させることで、注出弁体によって内容器の内部と連通開口との連通が遮断される。
【0018】
以上により、注出弁体によって内容器の内部と連通開口との連通が遮断されることで、内容器の密閉性が一層確保されているので、この注出容器の流通時や保管時などに、内容物が不意に注出口から注出されるのを一層抑制することができる。
また、注出弁体による内容器の内部と連通開口との連通およびその遮断を、オーバーキャップの着脱操作に伴って切り替えることができるので、内容物の漏出を抑制しつつ、注出操作の操作性を良好なものすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る注出容器によれば、外容器が径方向の内側に僅かに押し込まれた場合に、内容器の内圧が上昇するのを抑えることが可能になり、内容物が不意に注出されるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る注出容器の要部の縦断面図である。
【図2】図1に示す注出容器の逆止弁近傍の拡大縦断面図である。
【図3】図1に示す注出容器においてオーバーキャップを離脱させた状態の縦断面図である。
【図4】図1に示す注出容器においてオーバーキャップを離脱させた状態の縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る注出容器の要部の縦断面図である。
【図6】図5に示す注出容器においてオーバーキャップを離脱させた状態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る注出容器を説明する。
図1に示すように、注出容器1は、内容物が収容されるとともに可撓性を具備する内容器2、および該内容器2との間に外気を吸入する吸気孔61が形成された弾性変形可能な外容器3を有する二重容器4と、該二重容器4の口部4aに装着され、内容器2の内部に連通する連通開口71が形成されるとともに連通開口71を通して内容物を注出可能な注出体5と、注出体5に着脱自在に装着されたオーバーキャップ6と、を備えている。
【0022】
なお本実施形態では、オーバーキャップ6は、ヒンジ部7を介して注出体5に連結され、二重容器4およびオーバーキャップ6は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向といい、上下方向に沿ったオーバーキャップ6側を上側といい、二重容器4側を下側という。また、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。さらに、径方向のうち、ヒンジ部7を通る方向を前後方向といい、前後方向に沿って容器軸Oに対してヒンジ部7が位置する方向を後側といい、その反対側を前側という。
【0023】
二重容器4としては、既知の一般的な構成を採用可能であり、図示の例では、いわゆるデラミボトルを採用している。この二重容器4では、内容器(内層)2が外容器(外層)3の内面に剥離可能に積層されている。この二重容器4は、例えば、共押出し成形した二層構造のパリソンをブロー成形することにより成形され、外容器3はポリエチレン樹脂製とされるとともに、内容器2はポリエチレン樹脂に対して相溶性のないポリアミド系の合成樹脂製とされている。
【0024】
なお二重容器4としては、例えば、個別に成形された減容変形可能な内容器2と弾性変形可能な外容器3とを、後工程で組み合わせてなる構成や、外容器3内に内容器2が挿入されてなり、内容物の注出に伴い、外容器3と内容器2との間に外気が導入されて、内容器2がしぼみ変形する構成なども採用することができる。また二重容器4は、この注出容器1の使用前に、内容器2と外容器3との間に空間が形成されている構成であっても良い。
【0025】
二重容器4の口部4aは、内容器2の口部2aと外容器3の口部3aとが積層された構成となっている。この二重容器4の口部4aは、上側に位置する上筒部8と、下側に位置し上筒部8よりも大径に形成された下筒部9と、を備える二段筒状に形成されている。
上筒部8のうち、外容器3の口部3aで構成された部分には、径方向の外側に向けて突出する第1突起8aと、前記吸気孔61と、が上側から下側にこの順に形成されている。第1突起8aは、周方向の全周にわたって延びており、第1突起8aにおいて、吸気孔61と周方向の位置が一致する部分には、上下方向に延びる縦溝8bが形成されている。
【0026】
注出体5は、二重容器4の口部4aに装着され口部4a上に配置された内装部10と、二重容器4の口部4aに装着されるとともに該口部4aおよび内装部10を径方向の外側から囲繞する外装部11と、前記連通開口71が形成されかつ上面に該連通開口71を覆うフィルム12が配設された注出壁部13を有するとともに上下動可能な可動部14と、可動部14の上下動に伴って前記連通開口71と内容器2の内部との連通およびその遮断を切り替える注出弁体15と、を備えている。
【0027】
内装部10は、二重容器4の口部4a内に嵌合されたシール筒部16と、シール筒部16から径方向の内側に突設された内連結環部17aと、内連結環部17aの内周縁部から上方に向けて延設された内筒部18と、シール筒部16の上端縁から径方向の外側に向けて突設され二重容器4の口部4a上に配設された外連結環部17bと、外連結環部17bの外周縁部から上方に向けて延設された外筒部19と、を備えている。これらのシール筒部16、内連結環部17a、外連結環部17b、内筒部18および外筒部19は、容器軸Oと同軸に配設されている。
【0028】
外装部11は、上下両方向に開口する筒状に形成されている。外装部11には、二重容器4の口部4aの前記第1突起8aにアンダーカット嵌合された第2突起11aが、径方向の内側に向けて突設されている。
また、外装部11において第2突起11aよりも下側に位置する下端部は、二重容器4の口部4aの下筒部9に気密状態で外嵌しており、外装部11の下側を通した吸気孔61と注出容器1の外部との連通が遮断されている。外装部11と二重容器4の口部4aの上筒部8との間には、吸気孔61が開口する隙間空間62が配設されている。
また外装部11の上端部内には、内装部10の外筒部19が嵌合しており、この外筒部19には、前記隙間空間62に向けて連通する開口部63が形成されている。
【0029】
可動部14は、前記注出壁部13を有する注出部材20と、この注出部材20が装着された装着部材21と、を備えており、外装部11の上端部の径方向の内側に位置している。
注出部材20は、前記注出壁部13と、注出壁部13から下方に向けて延設され、内部が前記連通開口71に連通する連通筒部22と、連通筒部22の下端から径方向の外側に向けて突設されたフランジ部23と、フランジ部23から下方に向けて延設された嵌合筒部24と、を備えている。これらの連通筒部22、フランジ部23および嵌合筒部24は、容器軸Oと同軸に配設されている。
【0030】
注出壁部13は、前後方向に延びる板状に形成され、後方から前方に向かうに従い漸次、上方に向けて傾斜している。
また注出壁部13の上面は、凹曲面状に形成されている。すなわち、注出壁部13は、径方向のうち、前後方向に直交する左右方向において、中心から外側に向かうに従い漸次せり上がって全体として縦断面視弓形に湾曲されている。
【0031】
また、この注出壁部13の前端縁には、上面が注出壁部13の上面に対して傾斜されたリップ部25が、前方に向けて突設されている。
リップ部25は、前端に向かって下向きに反った形状に形成されており、リップ部25の上面は、注出壁部13の上面に対して下向きに傾斜されている。
【0032】
フィルム12は、弾性変形可能とされ、フィルム12の外縁は、注出壁部13の外縁以内に位置している。このフィルム12は、注出壁部13の上面に固着部26を介して固着されている。この固着部26は、連通開口71を囲繞するとともに注出壁部13の前端部において開口されている。これにより、注出壁部13の前端部には、固着部26が開口してフィルム12と注出壁部13とが非固着とされた固着部26の開口部分26aが形成され、この開口部分26aが注出口27となっている。
【0033】
また、フィルム12のうちの固着部26の内側部分である非固着部26bは、注出壁部13の上面に密接されている。これにより、連通開口71がフィルム12によってシールされ、内容器2の密閉性が確保されている。また、フィルム12の非固着部26bは、注出壁部13の上面から離間する方向に弾性的に膨出(反転変形)することで注出壁部13の上面に対して離間可能である。
【0034】
なお、フィルム12の注出壁部13の上面に対する固着方法としては、熱溶着等の溶着の他、接着剤を用いた接着などであってもよい。
また、フィルム12としては、伸縮性を有するフィルムを使用することが好ましいが、本実施形態のように、注出壁部13の上面が凹曲面状に形成されている場合には、伸縮性を有しない一般的なフィルムも好適に使用することができる。
【0035】
フランジ部23は、内装部10の外筒部19の径方向の内側で、かつ内筒部18よりも上方に位置しており、嵌合筒部24は、これらの外筒部19と内筒部18との間に挿入されている。
【0036】
装着部材21は、前記嵌合筒部24内に嵌合され内装部10の内筒部18を径方向の外側から囲繞する囲繞筒部28と、囲繞筒部28の上端から径方向の内側に向けて突設され内筒部18よりも上方に位置する内フランジ部29と、内フランジ部29から下方に向けて延設され内筒部18内に上下摺動可能に嵌合されたガイド筒部30と、内フランジ部29の内周縁部から下方に向けて延設されガイド筒部30の内側に位置する弁座筒部31と、囲繞筒部28の下端から径方向の外側に向けて延設され前記嵌合筒部24よりも下方に位置する外フランジ部32と、外フランジ部32の外周縁部から上方に向けて突設され前記嵌合筒部24を径方向の外側から囲繞する装着筒部33と、装着筒部33の外周面から上方に向けて延設され注出部材20のフランジ部23を径方向の外側から囲繞する連結筒部34と、を備えている。
【0037】
装着筒部33と注出部材20の嵌合筒部24との間には、上下方向に延びる第1隙間64が設けられている。また、連結筒部34と注出部材20のフランジ部23との間には、上方に向けて開口する第2隙間65が設けられている。
【0038】
注出部材20および装着部材21には、互いに係合し合うことで周方向の位置を決め合う位置決め部35b、35aが各別に設けられている。
装着部材21の第1位置決め部35aは、装着筒部33の内周面に上下方向に延び、周方向に間隔をあけて複数配設された縦リブ状に形成され、第1位置決め部35aの下端縁は、外フランジ部32の上面に連結されている。注出部材20の第2位置決め部35bは、嵌合筒部24の外周面に上下方向に延びる縦リブ状に形成され、第2位置決め部35bの上端縁はフランジ部23の下面に連結されている。そしてこの第2位置決め部35bは、周方向に隣り合う第1位置決め部35a同士の間に位置し、第1位置決め部35aと第2位置決め部35bとが周方向に係合し合っている。
【0039】
可動部14は、外装部11と弾性連結部36を介して全周にわたって連結されている。図示の例では、弾性連結部36は、環状に形成されており、弾性連結部36の内周縁は、可動部14の前記連結筒部34の上端縁に連結されるとともに、弾性連結部36の外周縁は、外装部11の上端縁に連結されている。また弾性連結部36は、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、下方に向かっている。
これにより、内装部10の内筒部18、内連結環部17a、シール筒部16、外連結環部17bおよび外筒部19で画成された環状空間が、弾性連結部36および可動部14の装着部材21によって上方から閉塞され、注出体5の内部空間66となっている。
【0040】
注出弁体15は、容器軸Oと同軸に配設された有頂筒状に形成され、注出弁体15の下端は、径方向に延びるとともに周方向に間隔をあけて複数配設されたブリッジ部37を介して内連結環部17aの内周縁に連結されている。また注出弁体15の上端部は、可動部14の前記弁座筒部31の下端部内に液密に着脱自在に嵌合している。これにより、内容器2の内部と連通開口71との連通およびその遮断が切り替えられる。
【0041】
なお図示の例では、内容器2の内部と連通開口71とは、内装部10のシール筒部16の内側、内連結環部17aの内側、内筒部18の内側、可動部14のガイド筒部30の内側、弁座筒部31の内側および連通筒部22の内側によって連通されている。以下では、シール筒部16の内側、内連結環部17aの内側、内筒部18の内側、ガイド筒部30の内側、弁座筒部31の内側および連通筒部22の内側を接続路70という。
【0042】
ここで、可動部14の外フランジ部32には、前記内部空間66と前記第1隙間64とを連通する連通孔67が形成されている。また図示の例では、可動部14のフランジ部23の下面には、前記第1隙間64と前記第2隙間65とを連通する連通溝68が形成さている。
これにより、オーバーキャップ6が注出体5から離脱された状態で、二重容器4の口部4aの前記吸気孔61が、隙間空間62、開口部63、内部空間66、連通孔67、第1隙間64、連通溝68および第2隙間65からなる外気流入路60を通して外部に連通することとなる。
【0043】
前記内部空間66内には、可動部14の装着筒部33に外嵌し、下端部が装着筒部33よりも下方に向けて突出する筒状部41と、筒状部41の下端部から径方向の内側に向けて環状に突設され、内周縁部が囲繞筒部28の下端縁(弁座)42に全周にわたって当接する弁本体39と、を備える弁部材(弁体)40が設けられている。
【0044】
本実施形態では、弁本体39が弾性変形し、弁本体39の内周縁部39aが囲繞筒部28の下端縁42に当接、離間することで、弁本体39は、連通孔67を開閉自在に閉塞している。すなわち、弁部材40および囲繞筒部28の下端縁42は、外部から内容器2と外容器3との間への外気の流入を許容し、かつ内容器2と外容器3との間から外部への外気の流出を阻止する逆止弁38を構成している。
なお図2に示すように、囲繞筒部28の下端縁42は、径方向に沿って延び下方を向く平滑面となっており、弁本体39の内周縁部39aは、上方に向けて凸の曲面状となっている。
【0045】
そして本実施形態では、弁部材40と囲繞筒部28の下端縁42との間には、圧逃がし路43が形成されている。図示の例では、圧逃がし路43は、囲繞筒部28の下端縁42に径方向に延びる横溝状に形成されており、この圧逃がし路43を通して、前記内部空間66と、外部とが連通孔67を通して連通されている。
【0046】
図1に示すように、オーバーキャップ6は、注出体5の可動部14を覆うように注出体5に装着されており、図示の例では、オーバーキャップ6の下端部内に注出体5の外装部11の上端部が嵌合されている。なお図示の例では、オーバーキャップ6の前側部分には、前方に向けて摘み片44が突設されており、この摘み片44には、破断可能な弱化部45aを介して前記外装部11の前側部分に連結された毟り部45が係合している。これにより、オーバーキャップ6は、ヒンジ部7回りの上方に向けた回動が規制されている。
【0047】
またオーバーキャップ6には、可動部14に係合する係合部46が設けられている。係合部46は、左右方向に注出壁部13を挟み込むように一対配設されている。これらの係合部46は、オーバーキャップ6から下方に向けて延設された本体板47と、本体板47に突設され可動部14に下方から係脱可能に係合する係合突起48と、を備えている。
図示の例では、本体板47の表裏面は前後方向に延在しており、係合突起48は、可動部14の前記連通筒部22から左右方向の両側に突設された一対の被係合部49に下側から係合されている。
【0048】
次に、以上のように構成された注出容器1の作用について説明する。
はじめに、オーバーキャップ6が注出体5に装着された使用前の状態においては、注出弁体15によって内容器2の内部と連通開口71との連通が遮断されるとともに、連通開口71を覆うフィルム12が注出壁部13の上面に密接されて連通開口71がフィルム12によってシールされ、内容器2の密閉性が確保されている。
【0049】
また、この注出容器1を使用する際には、まず、毟り部45を毟った後、オーバーキャップ6をヒンジ部7回りに回動させて注出体5から離脱させる。すると図3に示すように、この離脱操作に伴って、係合突起48が可動部14の被係合部49に下側から係合しながら係合部46が上昇移動することで、弾性連結部36が反転変形しながら可動部14が上昇移動することとなる。これにより、可動部14の弁座筒部31が注出弁体15から上方に離間し、内容器2の内部と連通開口71とが連通する。この過程において、係合部46の係合突起48が、可動部14の被係合部49を下方から上方に乗り越えて、可動部14と係合部46との係合が解除される。
なお、このように可動部14が上昇移動するとき、可動部14のガイド筒部30と内装部10の内筒部18とが互いに摺接し、内筒部18が可動部14の上昇移動をガイドすることで、可動部14が安定して上昇移動することとなる。
【0050】
このようにオーバーキャップ6を離脱させた後、二重容器4を径方向の内側に向けて押し込んで二重容器4を押圧して内容器2の内圧を上昇させる。すると、内容器2内の内容物が接続路70を流通した後、連通開口71から流出し、連通開口71から流出する内容物によってフィルム12が押圧され、フィルム12の前記非固着部26bが、注出壁部13の上面から離間して上側に凸となるドーム状に膨出する(図3に示す破線参照)。これにより、フィルム12と注出壁部13の上面との間に、連通開口71に連通する流路50が形成されるとともに、固着部26の開口部分26aに、外部に向けて開口された注出口27が形成される。その結果、連通開口71から流出した内容物が、前記流路50を通って前記注出口27から注出される。注出口27を流通した内容物は、注出口27の前方に配設されたリップ部25の上面に沿って流れてリップ部25の前端から注出される。このとき、リップ部25の上面が注出壁部13の上面に対して傾斜しているので、内容物の液切れが良い。
【0051】
その後、二重容器4の押圧を停止したり解除したりして、連通開口71からの内容物の流出を停止させる。すると、フィルム12に付与されていた内容物による押圧力が解除され、注出壁部13の上面から離間したフィルム12が元の状態に復元されて注出壁部13の上面に密接する。その結果、前記注出口27が閉塞されるとともに連通開口71がフィルム12によってシールされ、内容器2の密閉性が再び確保される。
【0052】
ここで、内容器2の密閉性が確保された状態で二重容器4の押圧を解除すると、内容器2が減容変形したまま外容器3が復元変形しようとする。このとき図4に示すように、内容器2と外容器3との間に負圧が発生し、この負圧が、吸気孔61を通して逆止弁38の弁本体39に作用することにより、この弁本体39の内周縁部39aが囲繞筒部28の下端縁42から離間し、外気流入路60を通して外部と吸気孔61とが連通される(図4に示す破線参照)。すると、外部から外気流入路60に外気が流入され、この外気が吸気孔61から内容器2と外容器3との間に吸入される。したがって、この注出容器1から内容物を注出した後には、内容器2と外容器3との間に中間空間51が形成されることとなる。
【0053】
注出容器1の使用が終了した後は、オーバーキャップ6をヒンジ部7回りに回動させてオーバーキャップ6を注出体5に装着させる。すると、この装着操作に伴って、係合部46の係合突起48が可動部14の被係合部49に上側から当接しながら係合部46が下降移動することで、弾性連結部36が復元変形しながら可動部14が下降移動することとなる。これにより、可動部14の弁座筒部31が注出弁体15に向けて下側に接近し、注出弁体15が弁座筒部31内に嵌合することで、注出弁体15によって内容器2の内部と連通開口71との連通が遮断される。この過程において、係合部46の係合突起48が、可動部14の被係合部49を上方から下方に乗り越えて、係合突起48が被係合部49の下側に位置することとなる。
なお、このように可動部14が下降移動するとき、内装部10の内筒部18と可動部14のガイド筒部30とが互いに摺接し、内筒部18が可動部14の下降移動をガイドすることで、可動部14が安定して下降移動することとなる。
【0054】
ここで、内容器2と外容器3との間に中間空間51が形成された状態で、例えば二重容器4を把持する等して、外容器3が径方向の内側に僅かに押し込まれた場合には、中間空間51の内圧が上昇しようとするものの、この内圧は圧逃がし路43を通して外部に逃がされることとなる。これにより、内容器2の内圧が上昇するのを抑えることが可能になり、内容器2の内容物が連通開口71から流出するのを抑制することができる。
【0055】
一方、注出容器1から内容物を注出するために二重容器4を押圧し、外容器3を径方向の内側に向けて大きく押し込む場合には、圧逃がし路43を通して逃がすことができる圧力以上に中間空間51の内圧が上昇し、この内圧が内容器2に作用するため、内容器2の内圧が上昇することとなる。これにより、内容器2の内容物が連通開口71から流出し、前記注出口27から内容物を注出させることができる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る注出容器1によれば、例えば注出容器1を把持する等し、外容器3が径方向の内側に僅かに押し込まれた場合に、内容器2の内圧が上昇するのを抑えることが可能になり、内容物が不意に注出されるのを抑制することができる。
また、フィルム12によって連通開口71がシールされることで、内容器2の密閉性が確保されているので、この注出容器1の流通時や保管時などに、内容物が不意に注出口27から注出されるのを抑制することができる。
さらに、注出弁体15によって内容器2の内部と連通開口71との連通が遮断されることで、内容器2の密閉性が一層確保されているので、この注出容器1の流通時や保管時などに、内容物が不意に注出口27から注出されるのを一層抑制することができる。
【0057】
さらに、注出体5の前記注出壁部13の上面にフィルム12を固着させるという簡単な構成で注出口27を開閉させることができるので、注出容器1の製造を容易なものにすることができる。
また、連通開口71から内容物を流出させてその内容物によりフィルム12を押圧することで注出口27が開口して内容物が注出され、また、連通開口71からの内容物の流出を停止させることで注出口27が閉塞されるとともに連通開口71がシールされるので、内容物を注出する操作を容易に行うことができる。つまり、連通開口71から内容物を流出させる操作を行うだけでよく、注出口27を開閉させる操作を別途行う必要がなく、操作性を向上させることができる。
また、注出弁体15による内容器2の内部と連通開口71との連通およびその遮断を、オーバーキャップ6の着脱操作に伴って切り替えることができるので、内容物の漏出を抑制しつつ、注出操作の操作性を良好なものすることができる。
【0058】
また、注出壁部13の前端部において固着部26が開口され、注出口27が前記前端部に形成されているので、注出口27の位置が二重容器4の口部4aから離れた位置に形成される。これにより、内容物を注出しやすくなり、操作性を向上させることができる。
さらに、注出壁部13の上面が凹曲面状に形成されているため、連通開口71から流出する内容物によってフィルム12が押圧されたとき、フィルム12の非固着部26bが、注出壁部13の上面から離間する方向に反転変形する。このため、フィルム12と注出壁部13の上面との間に形成される流路50を大きく確保することができる。
また、注出口27を流通した内容物がリップ部25の傾斜した上面に沿って流れて注出されるので、内容物の液切れが良く、注出後の内容物の液垂れを抑制することができる。
【0059】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る注出容器を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0060】
図5および図6に示すように、本実施形態の注出容器80では、前記可動部14が前記注出部材20によって構成されており、注出部材20は、前記注出壁部13と、前記連通筒部22と、前記フランジ部23と、前記弁座筒部31と、前記ガイド筒部30と、前記囲繞筒部28と、前記装着筒部33と、を備えている。
【0061】
弁座筒部31は、注出壁部13における連通開口71の開口周縁部から下方に向けて延設されている。ガイド筒部30は、連通筒部22の下端縁から下方に向けて延設されている。囲繞筒部28は、フランジ部23から下方に向けて延設されている。装着筒部33は、フランジ部23の外周縁部から下方に向けて延設されている。
【0062】
フランジ部23の上端縁には、前記弾性連結部36の内周縁が連結されている。
またフランジ部23のうち、囲繞筒部28と装着筒部33との間に位置する部分には、前記内部空間66に向けて開口する貫通孔69が形成されている。
これにより、本実施形態では、前記外気流入路60が、貫通孔69、内部空間66、開口部63、隙間空間62によって構成されている。また前記接続路70は、内装部10のシール筒部16の内側、内連結環部17aの内側、内筒部18の内側、可動部14のガイド筒部30の内側および弁座筒部31の内側によって構成されている。
【0063】
以上示したように、本実施形態に係る注出容器80によれば、前記第1実施形態の注出容器1と同様の作用効果を奏することができる。
【0064】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記各実施形態では、注出容器1、80から内容物を注出するときに、二重容器4を押圧して連通開口71から内容物を流出させるものとしたが、これに限られず、注出容器1、80を前方に向けて傾けて注出口27を下方に向けた注出姿勢とし、内容物の自重によって連通開口71から内容物を流出させることも可能である。この場合、内容物の連通開口71からの流出を停止させるためには、注出容器1、80を元の正立姿勢に戻せば良い。
また、注出容器1、80を注出姿勢にしながら二重容器4を押圧することで内容物を注出しても良い。
【0065】
前記各実施形態では、オーバーキャップ6は、注出体5にヒンジ部7を介して連結されているものとしたが、これに限られるものではなく、注出体5に着脱可能にアンダーカット嵌合された構成などを採用することもできる。さらにオーバーキャップ6はなくても良い。
【0066】
また、前記各実施形態では、圧逃がし路43は、囲繞筒部28の下端縁42に圧逃がし路43が形成されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、圧逃がし路43は、弁本体39の内周縁部39aに形成されていても良く、囲繞筒部28の下端縁42および弁本体39の内周縁部39aの両方に形成されていてもよい。
【0067】
また、逆止弁38は前記各実施形態に示した構造に限られず、外部から内容器2と外容器3との間への外気の流入を許容し、かつ内容器2と外容器3との間から外部への外気の流出を阻止する構成であれば良い。例えば、前記各実施形態では、前記内部空間66内に弁部材40が配設され、この内部空間66内に逆止弁38が設けられているものとしたが、前記隙間空間62内に逆止弁38が配設されていてもよい。この場合、逆止弁の弁体や弁座を備えた逆止弁部材を、二重容器4の口部4aや注出体5の外装部11に装着させた構成であっても良く、前記弁体や弁座が二重容器4の口部4aや外装部11に一体に形成された構成であってもよい。
【0068】
また、前記各実施形態では、リップ部25の後端部が注出壁部13の前端部と同幅となっており、また、このリップ部25が前端に向かって下向きに反った形状になっているが、これに限られるものではない。さらに、前記リップ部25はなくてもよい。
【0069】
また、前記各実施形態では、固着部26の開口部分26aが一箇所だけであるが、本発明は、固着部26が複数の箇所で開口されていてもよい。例えば、固着部26を後方に向けて開口させ、その開口部分を空気置換用の空気開口としてもよい。この空気開口は、フィルム12が膨出変形することで、注出口27と同時に開閉させることができる。
さらに、固着部26の開口部分26aを2つ以上形成して2つ以上の注出口27を有する構成にすることも可能である。
【0070】
また、前記各実施形態では、注出壁部13の上面が凹曲面状に形成されているが、注出壁部13の上面を平坦面や凸曲面状にすることも可能である。この場合、前記フィルム12としては、伸縮性を有する構成を採用することが好ましい。
【0071】
また、前記各実施形態では、二重容器4の口部4aに形成された第1突起8aに、注出体5の外装部11に形成された第2突起11aがアンダーカット嵌合することで、口部4aに注出体5が装着されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、二重容器4の口部4aに雄ねじ部を形成し、かつ注出体5の外装部11に雌ねじ部を形成し、二重容器4の口部4aに注出体5を螺着させても良い。
【0072】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1、80 注出容器
2 内容器
3 外容器
4 二重容器
4a 口部
5 注出体
6 オーバーキャップ
12 フィルム
13 注出壁部
14 可動部
15 注出弁体
26 固着部
26a 開口部分
26b 非固着部(固着部の内側部分)
38 逆止弁
40 弁部材(弁体)
42 下端縁(弁座)
43 圧逃がし路
46 係合部
60 外気流入路
61 吸気孔
71 連通開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容されるとともに可撓性を具備する内容器、および該内容器との間に外気を吸入する吸気孔が形成された弾性変形可能な外容器を有する二重容器と、
該二重容器の口部に装着され、前記内容器の内部に連通する連通開口が形成されるとともに前記連通開口を通して内容物を注出可能な注出体と、を備え、
前記注出体は、前記連通開口が形成されるとともに上面に該連通開口を覆うフィルムが配設された注出壁部を備え、
前記フィルムは、前記連通開口を囲繞するとともに少なくとも周方向の一部分が開口した固着部を介して前記注出壁部の上面に固着され、
前記フィルムのうちの前記固着部の内側部分が前記注出壁部の上面に離間可能に密接されることで前記連通開口がシールされ、
外部と前記吸気孔とを連通する外気流入路内には、外部から前記内容器と前記外容器との間への外気の流入を許容し、かつ前記内容器と前記外容器との間から外部への外気の流出を阻止する逆止弁が設けられ、
該逆止弁の弁体と弁座との間には、圧逃がし路が形成されていることを特徴とする注出容器。
【請求項2】
請求項1記載の注出容器であって、
前記注出体は、
前記注出壁部を有するとともに上下動可能な可動部と、
前記可動部の上下動に伴って前記連通開口と前記内容器の内部との連通およびその遮断を切り替える注出弁体と、を備え、
前記注出体には、前記可動部を覆うオーバーキャップが着脱自在に装着され、
前記オーバーキャップには、前記可動部に係合し、該オーバーキャップの着脱に伴って前記可動部を上下動させる係合部が設けられていることを特徴とする注出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−251697(P2011−251697A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124817(P2010−124817)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】