注射針装置
【課題】注射針がハウジングのフック機構で固く固定されると同時に、協働に基づき注射針アセンブリのハウジングおよびベースの固定関係で取り外し不能に保持する機構を備える注射針保護装置を提供する。
【解決手段】ベース2と、リビングヒンジ6を介してベース2に旋回自在に連結されるハウジング4とを備える注射針アセンブリに関する。注射針8はベース2の先端部10に取り付けられる。注射針8は、金型成型によりベース2の先端12に一体化されてもよく、安全装置が金型から取り外された後に先端12に取り付けられてもよい。ベース2の基端部14はキャビティを有するように設計される。キャビティは、シリンジや他の液体貯蔵装置に噛み合わせられる。ベース2にはルアーコネクタ16が形成される。
【解決手段】ベース2と、リビングヒンジ6を介してベース2に旋回自在に連結されるハウジング4とを備える注射針アセンブリに関する。注射針8はベース2の先端部10に取り付けられる。注射針8は、金型成型によりベース2の先端12に一体化されてもよく、安全装置が金型から取り外された後に先端12に取り付けられてもよい。ベース2の基端部14はキャビティを有するように設計される。キャビティは、シリンジや他の液体貯蔵装置に噛み合わせられる。ベース2にはルアーコネクタ16が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射針保護装置に関し、特に、シリンジとの利用に適し、そのベースおよびハウジングに形成されて、注射針アセンブリの注射針がハウジングのフック機構で固く固定されると同時に、協働に基づき注射針アセンブリのハウジングおよびベースの固定関係で取り外し不能に保持する機構を備える注射針アセンブリに関する。
【0002】
本願は、2005年1月6日に出願された出願番号11/029371に関連する。
【背景技術】
【0003】
ベースに対して旋回するハウジングを利用する注射針保護装置は、本願の譲受人に譲渡された多くの米国特許に例示される。米国特許には、数ある中で、米国特許第4982842号、米国特許第5139489号、米国特許第5154285号、米国特許第5232454号、米国特許第5232455号、米国特許第5277311号および米国特許第5423765号が含まれる。注射針のベースにハウジングを固定する本発明の譲受人に譲渡された他の特許も存在する。米国特許RE37110号、米国特許RE37252号および米国特許第6328713号には、ハウジングの開口にベースの錨を結合する技術が開示される。可能ではあるが、これらの実施形態は、開口が高い精度で形成されなければならないのに加えて、錨には所定の長さが必要とされる。さらに、柔軟性を得るために、開口を区画するハウジングの部分は十分に薄く形成されなければならない。この場合、その柔軟性により、錨が開口に最初に突き刺されてその後に開口に固定されることを可能にする。さらに、ハウジングに錨が突き刺される際に、ハウジングが汚染した針に被さる過程で、汚染した血が錨にはねると、注射針からの汚染した液体が、錨を突き出すハウジングの背面に露出してしまう可能性がある。さらに、前述の米国特許第4982842号に開示されるように、錨およびハウジングの開口の間で確立される接触は、ハウジング内のフックによる注射針の保持と相容れないので、錨に基づきかつハウジングの内側にフック機構を備えたこのような注射針保護装置を実施することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−107933号公報
【特許文献2】特開2003−275308号公報
【特許文献3】特開2003−220139号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る安全注射針装置はロック機構を有する。ロック機構は、ハウジングの後面から突き出る一部と、ベースから突き出る他部とを備える。ハウジングが、ベースに向かって旋回してベースから突き出る注射針を覆うと、係止機構の部分同士が連結されてハウジングおよびベースを相互に固く保持する。係止機構の一部は、係止機構の他部を通す開口を塞ぐ2つの指状突起を備えるように設計される。係止機構の他部は、細長い錨すなわち突起の形状を有し、指状突起にぱちっとはまり、指状突起で保持される。係止機構の2つの部分は、ハウジングの内側のフックで注射針がつかまれて保持されると実質的に同時に噛み合って連結される。この構成によれば、ベースに対するハウジングの単一の旋回移動により、ハウジングのフックが注射針を固く保持することができ、同時にハウジングおよびベースが互いを固く保持することができる。ハウジングの側壁から突き出る2つのフラップは、係止機構の部分が相互に連結されると、係止機構の部分へのさらなる接触を規制する。各部分が順番に係止機構とみなされる。その結果、本発明に係る安全装置は2つの協働係止機構を有するものとみなされる。
【0006】
本発明に係る安全注射針装置は同一の型から形成される。その結果、ハウジング、ベース、係止機構の部分、並びにフックは単一ユニットとして一体的に形成される。ベースの基端がシリンジや患者から液体を抽出したり患者に薬剤を注入したりする他の薬剤容器に適合する一方で、ベースの先端には注射針が嵌め合わせられる。本発明に係る安全装置のベースに取り付けられる注射針は異なる径を有する。注射針の径を示すにあたって、安全装置のハウジングおよびベースは、所定の注射針の径に対応する予め決められた所定の色に色分けされる。
【0007】
本発明は注射針アセンブリに関する。注射針アセンブリは、縦軸に沿って注射針を突き出すベースと、ベースに対して旋回自在で、後壁で接続される2つの側壁を有するハウジングと、後壁から突き出て、ベースから突き出る係止機構の他部に連結される係止機構すなわちロック機構の一部とを備え、係止機構の部分同士が相互に連結されると、ハウジングおよびベースは相互に固く保持され、注射針はハウジングで覆われる。
【0008】
また、本発明は単一片の注射針アセンブリすなわち安全装置に関する。安全装置は、シリンジとともに利用され、前述されるように、係止機構の各部がベースおよびハウジングに形成される。
【0009】
本発明はさらに単一片の注射針アセンブリすなわち安全装置に関する。安全装置は、縦軸に沿って注射針を突き出すベースと、ベースに旋回自在に連結されて、後壁で接続される2つの側壁を有するハウジングと、後壁から突き出て相互に隣接する1対の第1係止機構と、縦軸に直交しつつベースから突き出るリブと、リブから突き出る1対の第2係止機構とを備える。その結果、ハウジングがベースに向かって旋回して注射針を覆うと、各第1係止機構は対応の第2係止機構の一方に噛み合ってハウジングおよびベースを相互に固く保持する。1対の第1係止機構および1対の第2係止機構のいずれか一方の1対は環状取っ手から形成されればよく、1対の第1係止機構および1対の第2係止機構のいずれか他方の1対は、ハウジングが注射針に向かって旋回して注射針を覆うと環状取っ手がぱちんとはまる突起すなわち指状突起から形成されればよい。
【0010】
また、本発明は、シリンジに噛み合い自在の安全装置すなわち注射針アセンブリの製造方法に関する。安全装置は、相互に旋回自在に連結されるハウジングおよびベースを有する。ハウジングは、後壁と、ハウジングがベースに向かって旋回して注射針を覆うと注射針アセンブリの注射針を通過させるスロットをともに形成する2つの側壁とを有する。方法は、ハウジングの後壁から一方の係止機構を突き出させる工程と、ハウジングが旋回して注射針を覆うと、一方の係止機構および他方の係止機構が相互に取り外し不能に連結されることを保証する位置においてベースに他方の係止機構を設ける工程とを備える。また、本発明に係る方法は、ハウジングに面する方向にベースからリブを突き出すこと、リブの両側面に突起を設けること、および、ハウジングの後壁から突き出る係止機構として規定される1対の環状取っ手を設けることを備える。
【0011】
添付の図面とともに本発明の以下の説明が参照されれば、本発明は明らかにされ、本発明自体は最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】自立して立つ本発明に係る安全装置の斜視図であり、ハウジングを断面で示す。
【図2】装置のハウジングおよびベースが相互に向かって移動する際の本発明に係る安全装置の図であり、ハウジングを断面で示す。
【図3】完全に移動した位置における装置を示し、係止機構のロッキングスナップが噛み合った状態を示す。
【図4】本発明に係る装置の他の斜視図である。
【図5】図4の安全装置の平面図である。
【図6】図4の安全装置の側面図である。
【図7】図5のA−A線に沿った断面図である。
【図8】図5に示されるAの詳細を示す拡大図である。
【図9】装置のベースに代替の係止機構を有する本発明の安全装置の斜視図である。
【図10】代替の係止機構の詳細を示す拡大図である。
【図11】装置のベースおよびハウジングに形成される代替の係止機構を有する本発明に係る安全装置の他の実施例を示す。
【図12】図11の安全装置を示し、ベースにハウジングが結合され、係止機構が連結される様子を示す。
【図13】図11の装置の斜視図である。
【図14】図13の安全装置の平面図である。
【図15】図13の安全装置の側面図である。
【図16】図13の安全装置のベースに形成される係止機構の詳細を示す拡大図である。
【図17】図13の安全装置の他の係止機構の詳細を示す拡大図である。
【図18】図13の安全装置のハウジングに形成される係止機構の断面図である。
【図19】図13の安全装置の係止機構の連結を示す横断面図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係る注射針アセンブリに連結されるシリンジの斜視図である。
【図21】図20の注射針アセンブリの実施形態を示す部分切断図である。
【図22】図21の注射針アセンブリの部分断面図であり、ハウジングに面するベースのリブに規定される係止機構に連結されるハウジングの後壁から突き出る係止機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照すると、本発明に係る安全装置は、ベース2と、リビングヒンジ6を介してベース2に旋回自在に連結されるハウジング4とを備える注射針アセンブリに関する。注射針8はベース2の先端部10に取り付けられる。注射針8は、金型成型によりベース2の先端12に一体化されてもよく、安全装置が金型から取り外された後に先端12に取り付けられてもよい。ベース2の基端部14はキャビティを有するように設計される。キャビティは、図示されないシリンジや他の液体貯蔵装置に噛み合わせられる。ベース2にはルアーコネクタ16が形成される。
【0014】
ベース2の先端部10には複数のリブすなわち突起18a〜18cが規定される。ハウジング4に面する位置でベース2の先端部10から係止機構20が突き出る。係止機構20は、後述のように、全係止機構すなわち全ロック機構の一部を構成する。
【0015】
ハウジング4はリビングヒンジ6を介してベース2に連結される。ハウジング4は、後壁24で連結される2つの側壁22を有する。ハウジング4には側壁22でスロットすなわち通路26が規定される。図2に示されるように、ハウジング4およびベース2が相互に旋回すると、注射針8は通路26を通過する。
【0016】
後壁24から第2の係止機構すなわちロック機構28が突き出る。ロック機構28は2つの把持突起30を備える。把持突起30同士の間には開口32が形成される。図5および図7の断面図に最もよく示されるように、各把持突起30はその先端34において内側に折り曲げられる。把持突起30で規定される空間は、図5および図8の拡大図に最もよく示されるように、装置のベース2に形成される係止機構20を収容する大きさに形成される。
【0017】
図8に示される本実施形態に係る係止機構20は、ベース2の先端部10に沿って縦方向に突き出る突起すなわち錨の形状を有する。錨20は前面35と矢形状の2つの突起36とを有する。突起36の前面36aは所定の角度で傾斜することから、係止機構20が係止機構28に出合うと、錨突起36は、把持突起30の傾斜する内側端と容易に協働して、これらの把持突起に容易に係合する。係止機構20の背面36bと、係止機構30の内側折り曲げ指状端34とは協働して、係止機構20および係止機構30の相互の離隔を規制する。その結果、ハウジング4およびベース2は確実に取り外し不能に結合される。こうして、図2および図3に最もよく開示されるように、ハウジング4およびベース2が相互に旋回すると、ベース2の係止機構20はハウジング4の係止機構28に出合う。その時、係止機構20は係止機構30にぱちんとはまり、図3に最もよく示されるように、両方の係止機構が相互に連結される。前述のように、係止機構20および係止機構28はそれぞれ、本発明に係る安全装置の全係止機構すなわち全連結機構の一部とみなされる。
【0018】
各側壁22はその基端部に拡張部38を有する。これらの拡張部38は、ハウジング4の後壁24から突き出る係止機構28を保護する。ハウジング4がベース2に向かって旋回して注射針8を覆う際、係止機構28が係止機構20に連結されると、ハウジング4の拡張部38は、連結された係止機構への接触を規制する。その結果、ベース2からハウジング4の取り外しの試みは妨げられる。
【0019】
ハウジング4にはフック機構40が一体化される。ハウジング4がベース4に向かって旋回して注射針8を覆うと、フック機構40は注射針8を掴む。注射針8が、フック40の先端を通過してぱちんとはまり、フック機構40の先端の裏側で保持されると、フック機構40は注射針8を不動に保持する。
【0020】
図2に最もよく開示されるように、フック機構40および係止機構28の配置、並びにハウジング4の後壁24から突き出る前述の機構の突き出しに加えて、ハウジング4およびベース2がお互いに向かって相互に旋回する際、注射針8および係止機構20がフック機構40および係止機構28と実質的に同時に接触するように構成されている。その結果、注射針8およびベース2は実質的に同時に固定される。ハウジング4の後壁で注射針およびベースが連結されれば、注射針8は、ハウジング4で確実に覆われて再び外側に露出しない。
【0021】
ハウジングの後壁およびベースから係止機構が突き出て、かつ、係止機構20がベース2の先端部10に沿って縦方向に延びれば、ハウジング4およびベース2の結合がフック機構40による注射針8の把持並びに係止機構間の結合によって実現されるので、ハウジング4およびベース2の結合は一層確実に実現される。こうして、ハウジングの後壁から2つの係止点、すなわち、係止機構の連結とフックによる注射針の把持とが実現されることから、ハウジングはベースに一層確実に保持され、その結果、注射針は確実に覆われる。しかも、連結した係止機構への接触が規制されることから、注射針8はフック40からはずれることはない。
【0022】
ベース2およびハウジング4、並びに係止機構20、28およびフック機構40は、同じ型から一体化された単一ユニットとして形成される。これらは例えば射出成形に基づき形成されればよい。
【0023】
使用に先立って、注射針8は、ベース2の先端部10に嵌め合わせられる図示されない鞘で覆われる。さらに、本発明に係る安全装置は、異なる径を有する多くの他の注射針に合わせて成型される。本発明の注射針アセンブリでは、安全装置は、ベースに取り付けられる注射針の径に応じて、予め決められた色に色分けされる。その結果、鞘で覆われる注射針8を見なくても、使用者は注射針の径を容易に確認することができる。こうして、本発明に係る安全装置の成型された単一片ユニットは、ベースに取り付けられる特定の注射針の径を示す予め決められた色に色分けされる。装置の本体に対する注射針の色分けの慣例に関する詳細な説明は、2004年1月7日に出願日を有する出願番号10/751982の出願で提供される。出願番号10/751982の出願の開示は参照文献としてここに組み込まれる。
【0024】
安全装置のベースに形成される係止機構の代替実施例は図9および図10に示される。図9に示される装置と図1〜図8に示される装置とには錨すなわち突起20’の形状に違いがある。図10に拡大されて詳細が示されるように、図8に示される係止機構20の傾斜する側面36aと対照的に、係止機構20’は湾曲する前面20’fを有する。さらに、突起20’の背面20’bは内側に向かって角度を有しない。各指状突起30の先端の形状は、突起20’の先端が指状突起の間に移動してその先端を通過すると、その先端が各背面20’bに不動に把持されるように調整される。前述の実施例と同様に、係止機構30および20’は、フック40が、ベース2の先端10から突き出る図示されない注射針に接触すると実質的に同時に接触する。
【0025】
図11〜図15に示される安全装置の係止機構は、前述に図示される係止機構と異なる。特に、ハウジング4の後壁24から突き出る係止機構は、図17に拡大されて詳細に最もよく示されるように、フック42の形状を有するように設計される。フック42は突起42aと先端42bとを備える。安全装置のベース2の先端部10でリブ44の形状を有するラッチがフック42と協働する。リブ44は、ベース2の先端部10の全長に沿って実質的に縦方向に延びる。リブ44には開口46が形成される。ハウジング4およびベース2が相互に向かって移動すると、フック42の先端42bは開口46に係り合う。図19に完全に移動した位置で最もよく示されるように、フック42がリブ44に連結されると、安全装置のハウジング4およびベース2は相互に不動に保持される。図12に示されるように、フック42の先端42bは、リブ44の開口46から延びる結果、リブ44に固く係り合う。図12はまた、フック40でつかまれる注射針8を示す。こうして、二重フック安全装置は、図11〜図15に示される安全装置の実施例で実現される。
【0026】
図14は、ハウジング4の平面図であり、ハウジング4がベース2から離れる方向に旋回した後を示す。この図では、フック40、42は明確に図示される。安全装置の側面図を示す図15では、同様に、リブ44およびその開口46が明確に図示される。図16にはラッチリブの拡大詳細図が示される。図18は、図13の安全装置のA−A線に沿った断面図を示す。前述のように、ハウジングに形成される係止機構とベースとが完全に連結される完全に移動した安全装置は図19に示される。
【0027】
本発明の他の実施形態は図20〜図22に示される。本実施形態では前述の実施形態と同一の構成に同一の参照符号が付される。
【0028】
特に、図20に示される注射針アセンブリはシリンジ50に噛み合いつつ連結される。前述の実施形態と同様に、図20の安全装置すなわち注射針アセンブリは、ベース2に蝶番式に連結されるハウジング4を有する。図21および図22に示されるように、ベース2は基端14および先端10を区画する。注射針アセンブリの先端にはベース2から複数の拡張部すなわちリブ50a〜50dが突き出る。リブ50aは、(注射針8で規定される)ベース2の縦軸から直交する方向に突き出る。ハウジング4がベース2に向かって旋回する際にハウジング4に面するリブ50aでは、リブ50aの平面の両側面に2つの指状突起すなわち突起52a、52bが規定される。図22に最もよく示されるように、ハウジング4が旋回して注射針8を覆うと、突起52は、ハウジング4の後壁24から突き出る対応のリングすなわち環状取っ手54a、54bをつかんで固く保持する指状部を有するように設計される。図20〜図22の実施形態では、環状取っ手54a、54bは一方の取っ手すなわち係止機構としてみなされる一方で、突起52a、52bは他方の取っ手すなわち係止機構としてみなされる。図21および図22に示されるように、隣接しつつハウジング4の後壁24から突き出る環状取っ手54a、54bはその間に空間56を区画する。空間56は所定の幅を有する結果、環状取っ手54a、54bがそれぞれ協働で突起52a、52bに噛み合うと、リブ50aは環状取っ手54a、54bで挟み込まれる。
【0029】
剛性の規定に加えて、複数のリブ50には、使用前に注射針8を覆う注射針保護鞘60の開放端が摩擦に基づき取り付けられるように設計される。
【0030】
図20〜図22の実施形態では、ハウジング4の一部として1対の仕切り壁すなわち簡易な仕切り58が規定される。仕切り58はハウジング4の後壁24から突き出る。各仕切り58は環状取っ手54の一方とハウジング4の側壁22の一方との間に配置される。図22に示されるように、環状取っ手54が突起41にそれぞれぱちんとはまって保持され、注射針7がハウジング4で覆われると、各仕切り58の前端はリブ50b、50dにそれぞれ接触するか、または、非常に近接する。その結果、噛み合いまたは連結される突起および環状取っ手には手は届かず、突起および環状取っ手はいじられない。これは、係止機構がハウジング4およびベース2を相互に連結して保持した後において、係止機構への人の手の接近の排除に用いられる前述のハウジングの側壁の拡張部38に加えての、安全手段である。
【0031】
他の実施形態では、フック40といった機構は、ハウジング4がベース2に向かって旋回して注射針8を覆う際に注射針8を把持するためにハウジング4に一体化される。フック40並びにそれぞれの突起および環状取っ手係止機構は、環状取っ手54が突起52にぱちんとはまって保持されると実質的に同時に注射針8に接触して掴むことができるように設計される。
【0032】
前述される他の実施形態では、図20〜図22に示される注射針アセンブリは、一体化されたユニットとして形成され、注射針アセンブリから突き出る注射針の様々な径を示す予め決められた色に色分けされることが好ましい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射針保護装置に関し、特に、シリンジとの利用に適し、そのベースおよびハウジングに形成されて、注射針アセンブリの注射針がハウジングのフック機構で固く固定されると同時に、協働に基づき注射針アセンブリのハウジングおよびベースの固定関係で取り外し不能に保持する機構を備える注射針アセンブリに関する。
【0002】
本願は、2005年1月6日に出願された出願番号11/029371に関連する。
【背景技術】
【0003】
ベースに対して旋回するハウジングを利用する注射針保護装置は、本願の譲受人に譲渡された多くの米国特許に例示される。米国特許には、数ある中で、米国特許第4982842号、米国特許第5139489号、米国特許第5154285号、米国特許第5232454号、米国特許第5232455号、米国特許第5277311号および米国特許第5423765号が含まれる。注射針のベースにハウジングを固定する本発明の譲受人に譲渡された他の特許も存在する。米国特許RE37110号、米国特許RE37252号および米国特許第6328713号には、ハウジングの開口にベースの錨を結合する技術が開示される。可能ではあるが、これらの実施形態は、開口が高い精度で形成されなければならないのに加えて、錨には所定の長さが必要とされる。さらに、柔軟性を得るために、開口を区画するハウジングの部分は十分に薄く形成されなければならない。この場合、その柔軟性により、錨が開口に最初に突き刺されてその後に開口に固定されることを可能にする。さらに、ハウジングに錨が突き刺される際に、ハウジングが汚染した針に被さる過程で、汚染した血が錨にはねると、注射針からの汚染した液体が、錨を突き出すハウジングの背面に露出してしまう可能性がある。さらに、前述の米国特許第4982842号に開示されるように、錨およびハウジングの開口の間で確立される接触は、ハウジング内のフックによる注射針の保持と相容れないので、錨に基づきかつハウジングの内側にフック機構を備えたこのような注射針保護装置を実施することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−107933号公報
【特許文献2】特開2003−275308号公報
【特許文献3】特開2003−220139号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る安全注射針装置はロック機構を有する。ロック機構は、ハウジングの後面から突き出る一部と、ベースから突き出る他部とを備える。ハウジングが、ベースに向かって旋回してベースから突き出る注射針を覆うと、係止機構の部分同士が連結されてハウジングおよびベースを相互に固く保持する。係止機構の一部は、係止機構の他部を通す開口を塞ぐ2つの指状突起を備えるように設計される。係止機構の他部は、細長い錨すなわち突起の形状を有し、指状突起にぱちっとはまり、指状突起で保持される。係止機構の2つの部分は、ハウジングの内側のフックで注射針がつかまれて保持されると実質的に同時に噛み合って連結される。この構成によれば、ベースに対するハウジングの単一の旋回移動により、ハウジングのフックが注射針を固く保持することができ、同時にハウジングおよびベースが互いを固く保持することができる。ハウジングの側壁から突き出る2つのフラップは、係止機構の部分が相互に連結されると、係止機構の部分へのさらなる接触を規制する。各部分が順番に係止機構とみなされる。その結果、本発明に係る安全装置は2つの協働係止機構を有するものとみなされる。
【0006】
本発明に係る安全注射針装置は同一の型から形成される。その結果、ハウジング、ベース、係止機構の部分、並びにフックは単一ユニットとして一体的に形成される。ベースの基端がシリンジや患者から液体を抽出したり患者に薬剤を注入したりする他の薬剤容器に適合する一方で、ベースの先端には注射針が嵌め合わせられる。本発明に係る安全装置のベースに取り付けられる注射針は異なる径を有する。注射針の径を示すにあたって、安全装置のハウジングおよびベースは、所定の注射針の径に対応する予め決められた所定の色に色分けされる。
【0007】
本発明は注射針アセンブリに関する。注射針アセンブリは、縦軸に沿って注射針を突き出すベースと、ベースに対して旋回自在で、後壁で接続される2つの側壁を有するハウジングと、後壁から突き出て、ベースから突き出る係止機構の他部に連結される係止機構すなわちロック機構の一部とを備え、係止機構の部分同士が相互に連結されると、ハウジングおよびベースは相互に固く保持され、注射針はハウジングで覆われる。
【0008】
また、本発明は単一片の注射針アセンブリすなわち安全装置に関する。安全装置は、シリンジとともに利用され、前述されるように、係止機構の各部がベースおよびハウジングに形成される。
【0009】
本発明はさらに単一片の注射針アセンブリすなわち安全装置に関する。安全装置は、縦軸に沿って注射針を突き出すベースと、ベースに旋回自在に連結されて、後壁で接続される2つの側壁を有するハウジングと、後壁から突き出て相互に隣接する1対の第1係止機構と、縦軸に直交しつつベースから突き出るリブと、リブから突き出る1対の第2係止機構とを備える。その結果、ハウジングがベースに向かって旋回して注射針を覆うと、各第1係止機構は対応の第2係止機構の一方に噛み合ってハウジングおよびベースを相互に固く保持する。1対の第1係止機構および1対の第2係止機構のいずれか一方の1対は環状取っ手から形成されればよく、1対の第1係止機構および1対の第2係止機構のいずれか他方の1対は、ハウジングが注射針に向かって旋回して注射針を覆うと環状取っ手がぱちんとはまる突起すなわち指状突起から形成されればよい。
【0010】
また、本発明は、シリンジに噛み合い自在の安全装置すなわち注射針アセンブリの製造方法に関する。安全装置は、相互に旋回自在に連結されるハウジングおよびベースを有する。ハウジングは、後壁と、ハウジングがベースに向かって旋回して注射針を覆うと注射針アセンブリの注射針を通過させるスロットをともに形成する2つの側壁とを有する。方法は、ハウジングの後壁から一方の係止機構を突き出させる工程と、ハウジングが旋回して注射針を覆うと、一方の係止機構および他方の係止機構が相互に取り外し不能に連結されることを保証する位置においてベースに他方の係止機構を設ける工程とを備える。また、本発明に係る方法は、ハウジングに面する方向にベースからリブを突き出すこと、リブの両側面に突起を設けること、および、ハウジングの後壁から突き出る係止機構として規定される1対の環状取っ手を設けることを備える。
【0011】
添付の図面とともに本発明の以下の説明が参照されれば、本発明は明らかにされ、本発明自体は最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】自立して立つ本発明に係る安全装置の斜視図であり、ハウジングを断面で示す。
【図2】装置のハウジングおよびベースが相互に向かって移動する際の本発明に係る安全装置の図であり、ハウジングを断面で示す。
【図3】完全に移動した位置における装置を示し、係止機構のロッキングスナップが噛み合った状態を示す。
【図4】本発明に係る装置の他の斜視図である。
【図5】図4の安全装置の平面図である。
【図6】図4の安全装置の側面図である。
【図7】図5のA−A線に沿った断面図である。
【図8】図5に示されるAの詳細を示す拡大図である。
【図9】装置のベースに代替の係止機構を有する本発明の安全装置の斜視図である。
【図10】代替の係止機構の詳細を示す拡大図である。
【図11】装置のベースおよびハウジングに形成される代替の係止機構を有する本発明に係る安全装置の他の実施例を示す。
【図12】図11の安全装置を示し、ベースにハウジングが結合され、係止機構が連結される様子を示す。
【図13】図11の装置の斜視図である。
【図14】図13の安全装置の平面図である。
【図15】図13の安全装置の側面図である。
【図16】図13の安全装置のベースに形成される係止機構の詳細を示す拡大図である。
【図17】図13の安全装置の他の係止機構の詳細を示す拡大図である。
【図18】図13の安全装置のハウジングに形成される係止機構の断面図である。
【図19】図13の安全装置の係止機構の連結を示す横断面図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係る注射針アセンブリに連結されるシリンジの斜視図である。
【図21】図20の注射針アセンブリの実施形態を示す部分切断図である。
【図22】図21の注射針アセンブリの部分断面図であり、ハウジングに面するベースのリブに規定される係止機構に連結されるハウジングの後壁から突き出る係止機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照すると、本発明に係る安全装置は、ベース2と、リビングヒンジ6を介してベース2に旋回自在に連結されるハウジング4とを備える注射針アセンブリに関する。注射針8はベース2の先端部10に取り付けられる。注射針8は、金型成型によりベース2の先端12に一体化されてもよく、安全装置が金型から取り外された後に先端12に取り付けられてもよい。ベース2の基端部14はキャビティを有するように設計される。キャビティは、図示されないシリンジや他の液体貯蔵装置に噛み合わせられる。ベース2にはルアーコネクタ16が形成される。
【0014】
ベース2の先端部10には複数のリブすなわち突起18a〜18cが規定される。ハウジング4に面する位置でベース2の先端部10から係止機構20が突き出る。係止機構20は、後述のように、全係止機構すなわち全ロック機構の一部を構成する。
【0015】
ハウジング4はリビングヒンジ6を介してベース2に連結される。ハウジング4は、後壁24で連結される2つの側壁22を有する。ハウジング4には側壁22でスロットすなわち通路26が規定される。図2に示されるように、ハウジング4およびベース2が相互に旋回すると、注射針8は通路26を通過する。
【0016】
後壁24から第2の係止機構すなわちロック機構28が突き出る。ロック機構28は2つの把持突起30を備える。把持突起30同士の間には開口32が形成される。図5および図7の断面図に最もよく示されるように、各把持突起30はその先端34において内側に折り曲げられる。把持突起30で規定される空間は、図5および図8の拡大図に最もよく示されるように、装置のベース2に形成される係止機構20を収容する大きさに形成される。
【0017】
図8に示される本実施形態に係る係止機構20は、ベース2の先端部10に沿って縦方向に突き出る突起すなわち錨の形状を有する。錨20は前面35と矢形状の2つの突起36とを有する。突起36の前面36aは所定の角度で傾斜することから、係止機構20が係止機構28に出合うと、錨突起36は、把持突起30の傾斜する内側端と容易に協働して、これらの把持突起に容易に係合する。係止機構20の背面36bと、係止機構30の内側折り曲げ指状端34とは協働して、係止機構20および係止機構30の相互の離隔を規制する。その結果、ハウジング4およびベース2は確実に取り外し不能に結合される。こうして、図2および図3に最もよく開示されるように、ハウジング4およびベース2が相互に旋回すると、ベース2の係止機構20はハウジング4の係止機構28に出合う。その時、係止機構20は係止機構30にぱちんとはまり、図3に最もよく示されるように、両方の係止機構が相互に連結される。前述のように、係止機構20および係止機構28はそれぞれ、本発明に係る安全装置の全係止機構すなわち全連結機構の一部とみなされる。
【0018】
各側壁22はその基端部に拡張部38を有する。これらの拡張部38は、ハウジング4の後壁24から突き出る係止機構28を保護する。ハウジング4がベース2に向かって旋回して注射針8を覆う際、係止機構28が係止機構20に連結されると、ハウジング4の拡張部38は、連結された係止機構への接触を規制する。その結果、ベース2からハウジング4の取り外しの試みは妨げられる。
【0019】
ハウジング4にはフック機構40が一体化される。ハウジング4がベース4に向かって旋回して注射針8を覆うと、フック機構40は注射針8を掴む。注射針8が、フック40の先端を通過してぱちんとはまり、フック機構40の先端の裏側で保持されると、フック機構40は注射針8を不動に保持する。
【0020】
図2に最もよく開示されるように、フック機構40および係止機構28の配置、並びにハウジング4の後壁24から突き出る前述の機構の突き出しに加えて、ハウジング4およびベース2がお互いに向かって相互に旋回する際、注射針8および係止機構20がフック機構40および係止機構28と実質的に同時に接触するように構成されている。その結果、注射針8およびベース2は実質的に同時に固定される。ハウジング4の後壁で注射針およびベースが連結されれば、注射針8は、ハウジング4で確実に覆われて再び外側に露出しない。
【0021】
ハウジングの後壁およびベースから係止機構が突き出て、かつ、係止機構20がベース2の先端部10に沿って縦方向に延びれば、ハウジング4およびベース2の結合がフック機構40による注射針8の把持並びに係止機構間の結合によって実現されるので、ハウジング4およびベース2の結合は一層確実に実現される。こうして、ハウジングの後壁から2つの係止点、すなわち、係止機構の連結とフックによる注射針の把持とが実現されることから、ハウジングはベースに一層確実に保持され、その結果、注射針は確実に覆われる。しかも、連結した係止機構への接触が規制されることから、注射針8はフック40からはずれることはない。
【0022】
ベース2およびハウジング4、並びに係止機構20、28およびフック機構40は、同じ型から一体化された単一ユニットとして形成される。これらは例えば射出成形に基づき形成されればよい。
【0023】
使用に先立って、注射針8は、ベース2の先端部10に嵌め合わせられる図示されない鞘で覆われる。さらに、本発明に係る安全装置は、異なる径を有する多くの他の注射針に合わせて成型される。本発明の注射針アセンブリでは、安全装置は、ベースに取り付けられる注射針の径に応じて、予め決められた色に色分けされる。その結果、鞘で覆われる注射針8を見なくても、使用者は注射針の径を容易に確認することができる。こうして、本発明に係る安全装置の成型された単一片ユニットは、ベースに取り付けられる特定の注射針の径を示す予め決められた色に色分けされる。装置の本体に対する注射針の色分けの慣例に関する詳細な説明は、2004年1月7日に出願日を有する出願番号10/751982の出願で提供される。出願番号10/751982の出願の開示は参照文献としてここに組み込まれる。
【0024】
安全装置のベースに形成される係止機構の代替実施例は図9および図10に示される。図9に示される装置と図1〜図8に示される装置とには錨すなわち突起20’の形状に違いがある。図10に拡大されて詳細が示されるように、図8に示される係止機構20の傾斜する側面36aと対照的に、係止機構20’は湾曲する前面20’fを有する。さらに、突起20’の背面20’bは内側に向かって角度を有しない。各指状突起30の先端の形状は、突起20’の先端が指状突起の間に移動してその先端を通過すると、その先端が各背面20’bに不動に把持されるように調整される。前述の実施例と同様に、係止機構30および20’は、フック40が、ベース2の先端10から突き出る図示されない注射針に接触すると実質的に同時に接触する。
【0025】
図11〜図15に示される安全装置の係止機構は、前述に図示される係止機構と異なる。特に、ハウジング4の後壁24から突き出る係止機構は、図17に拡大されて詳細に最もよく示されるように、フック42の形状を有するように設計される。フック42は突起42aと先端42bとを備える。安全装置のベース2の先端部10でリブ44の形状を有するラッチがフック42と協働する。リブ44は、ベース2の先端部10の全長に沿って実質的に縦方向に延びる。リブ44には開口46が形成される。ハウジング4およびベース2が相互に向かって移動すると、フック42の先端42bは開口46に係り合う。図19に完全に移動した位置で最もよく示されるように、フック42がリブ44に連結されると、安全装置のハウジング4およびベース2は相互に不動に保持される。図12に示されるように、フック42の先端42bは、リブ44の開口46から延びる結果、リブ44に固く係り合う。図12はまた、フック40でつかまれる注射針8を示す。こうして、二重フック安全装置は、図11〜図15に示される安全装置の実施例で実現される。
【0026】
図14は、ハウジング4の平面図であり、ハウジング4がベース2から離れる方向に旋回した後を示す。この図では、フック40、42は明確に図示される。安全装置の側面図を示す図15では、同様に、リブ44およびその開口46が明確に図示される。図16にはラッチリブの拡大詳細図が示される。図18は、図13の安全装置のA−A線に沿った断面図を示す。前述のように、ハウジングに形成される係止機構とベースとが完全に連結される完全に移動した安全装置は図19に示される。
【0027】
本発明の他の実施形態は図20〜図22に示される。本実施形態では前述の実施形態と同一の構成に同一の参照符号が付される。
【0028】
特に、図20に示される注射針アセンブリはシリンジ50に噛み合いつつ連結される。前述の実施形態と同様に、図20の安全装置すなわち注射針アセンブリは、ベース2に蝶番式に連結されるハウジング4を有する。図21および図22に示されるように、ベース2は基端14および先端10を区画する。注射針アセンブリの先端にはベース2から複数の拡張部すなわちリブ50a〜50dが突き出る。リブ50aは、(注射針8で規定される)ベース2の縦軸から直交する方向に突き出る。ハウジング4がベース2に向かって旋回する際にハウジング4に面するリブ50aでは、リブ50aの平面の両側面に2つの指状突起すなわち突起52a、52bが規定される。図22に最もよく示されるように、ハウジング4が旋回して注射針8を覆うと、突起52は、ハウジング4の後壁24から突き出る対応のリングすなわち環状取っ手54a、54bをつかんで固く保持する指状部を有するように設計される。図20〜図22の実施形態では、環状取っ手54a、54bは一方の取っ手すなわち係止機構としてみなされる一方で、突起52a、52bは他方の取っ手すなわち係止機構としてみなされる。図21および図22に示されるように、隣接しつつハウジング4の後壁24から突き出る環状取っ手54a、54bはその間に空間56を区画する。空間56は所定の幅を有する結果、環状取っ手54a、54bがそれぞれ協働で突起52a、52bに噛み合うと、リブ50aは環状取っ手54a、54bで挟み込まれる。
【0029】
剛性の規定に加えて、複数のリブ50には、使用前に注射針8を覆う注射針保護鞘60の開放端が摩擦に基づき取り付けられるように設計される。
【0030】
図20〜図22の実施形態では、ハウジング4の一部として1対の仕切り壁すなわち簡易な仕切り58が規定される。仕切り58はハウジング4の後壁24から突き出る。各仕切り58は環状取っ手54の一方とハウジング4の側壁22の一方との間に配置される。図22に示されるように、環状取っ手54が突起41にそれぞれぱちんとはまって保持され、注射針7がハウジング4で覆われると、各仕切り58の前端はリブ50b、50dにそれぞれ接触するか、または、非常に近接する。その結果、噛み合いまたは連結される突起および環状取っ手には手は届かず、突起および環状取っ手はいじられない。これは、係止機構がハウジング4およびベース2を相互に連結して保持した後において、係止機構への人の手の接近の排除に用いられる前述のハウジングの側壁の拡張部38に加えての、安全手段である。
【0031】
他の実施形態では、フック40といった機構は、ハウジング4がベース2に向かって旋回して注射針8を覆う際に注射針8を把持するためにハウジング4に一体化される。フック40並びにそれぞれの突起および環状取っ手係止機構は、環状取っ手54が突起52にぱちんとはまって保持されると実質的に同時に注射針8に接触して掴むことができるように設計される。
【0032】
前述される他の実施形態では、図20〜図22に示される注射針アセンブリは、一体化されたユニットとして形成され、注射針アセンブリから突き出る注射針の様々な径を示す予め決められた色に色分けされることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸に沿って注射針を突き出すベースと、前記ベースに旋回自在に連結されて、後壁で接続される2つの側壁を有するハウジングと、前記後壁から突き出て相互に隣接する1対の第1係止機構と、縦軸に直交しつつ前記ベースから突き出るリブと、前記リブから突き出る1対の第2係止機構とを備え、前記ハウジングが前記ベースに向かって旋回して注射針を覆うと、前記各第1係止機構は対応の前記第2係止機構の一方に噛み合って前記ハウジングおよび前記ベースを相互に固く保持することを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記第2係止機構が前記第1係止機構に個別に噛み合うと、前記リブは前記第1係止機構で挟み込まれることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記1対の第1係止機構および前記1対の第2係止機構のいずれか一方の1対は環状取っ手から形成され、前記1対の第1係止機構および前記1対の第2係止機構のいずれか他方の1対は突起から形成され、前記ハウジングが前記注射針に向かって旋回して前記注射針を覆うと、前記環状取っ手は対応の前記突起のいずれかに個別にぱちんとはまって保持されることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、
前記ハウジングの前記後壁から突き出る1対の仕切りをさらに備え、各仕切りが側壁の一方と対応の前記第1係止機構の一方との間に位置し、したがって前記第1係止機構は、前記側壁で挟み込まれる前記仕切りで挟み込まれることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記ベースは、前記注射針の使用に先立って注射針を覆う鞘の基端部の摩擦による受け入れに適する複数のリブを備えることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記ハウジングは、前記突起が前記係止機構に個別に噛み合うと実質的に同時に前記注射針をつかむフック機構をさらに備えることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記ベースはシリンジに連結自在であることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項8】
シリンジとの利用に適する単一片の注射針アセンブリであって、ハウジングに旋回自在に連結されるベースを備え、前記ハウジングは、後壁と、前記後壁から突き出て相互に隣接する1対の第1係止機構とを有し、前記ベースに向かって前記ハウジングが旋回して前記ベースから縦方向に突き出る注射針を覆うと、前記第1係止機構は、前記ベースから突き出るリブから突き出る1対の第2係止機構に接触し、前記第1および第2係止機構の対は相互に連結されて、前記注射針が前記ハウジングに覆われる際に前記ハウジングおよび前記ベースの相互の離隔を規制することを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、前記各第1係止機構は環状取っ手を備え、前記各第2係止機構は突起を備え、前記ハウジングが前記ベースに向かって旋回すると、前記各突起は対応の前記各環状取っ手に係り合いつつ協働することを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項10】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、前記各第1係止機構が前記第2係止機構の対に連結されると、前記リブは前記第1係止機構の対で挟み込まれることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項11】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、
前記ハウジングの前記後壁から突き出る1対の仕切りをさらに備え、各仕切りが側壁の一方と対応の前記第1係止機構の一方との間に位置し、したがって前記第1係止機構の対は前記仕切りの対に挟み込まれることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項12】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、前記後壁から突き出て、前記ハウジングが移動して前記注射針を覆うと前記注射針をつかむフックをさらに備え、前記フックは、前記第1係止機構の対が前記第2係止機構の対に連結されると実質的に同時に前記注射針をつかむことを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項13】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、前記ハウジングおよび前記ベースは単一ユニットとして一体化され、前記ハウジングおよび前記ベースは、前記注射針の径を示す予め決められた色に色分けされることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項14】
その基端でシリンジとの噛み合いに適し、かつ、その先端に注射針を取り付ける安全装置で使用後の注射針の露出を回避する方法であって、前記安全装置は、相互に旋回自在に連結されるハウジングおよびベースを備え、前記ハウジングは、前記ハウジングが前記ベースに向かって旋回して注射針を覆うと前記注射針を通過させるスロットをともに形成する後壁および2つの側壁を有し、前記方法は、
a)前記後壁から一方の係止機構を突き出させる工程と、
b)前記ハウジングが旋回して前記注射針を覆うと、前記一方の係止機構および他方の係止機構が相互に取り外し不能に連結されることを保証する位置において前記ベースに前記他方の係止機構を設ける工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記ハウジングが前記ベースに向かって旋回する時に前記ハウジングに面する方向に前記ベースからリブを突き出させる工程と、前記リブに前記他方の係止機構を設ける工程とをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記一方の係止機構は1対の隣接する環状取っ手を備え、前記他方の係止機構は1対の突起を備え、前記方法は、
前記リブの各側面に突起を設ける工程と、
前記後壁から前記環状取っ手の対を突き出させる工程とさらに備え、
前記ハウジングが旋回して前記注射針を覆うと、前記各環状取っ手は対応の前記突起の一方にぱちんとはまって連結され、前記リブは、前記環状取っ手が個別に前記突起に連結された後に前記環状取っ手で挟み込まれることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、
前記係止機構が連結されて前記ハウジングおよび前記ベースを相互に連結した時に、前記係止機構への接近を規制することを目的として、前記各側壁に基端拡張部を設ける工程をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法において、
前記ハウジングの側壁から1対の仕切りを突き出させる工程と、
前記ハウジングの側壁同士の間に前記仕切りを配置して、前記ハウジングが旋回して注射針を覆う際に前記一方および他方の係止機構を前記1対の仕切りで挟み込む工程とをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法において、
前記ハウジングおよび前記ベースを単一ユニットとして一体化する工程と、
注射針の径を示す予め決められた色に前記ハウジングおよび前記ベースを色分けする工程とをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法において、
前記ハウジングが移動して前記注射針を覆うと前記注射針を取り外し不能につかむフックを前記後壁から突き出させて、前記一方および他方の係止機構が相互に連結されると実質的に同時に前記フックが前記注射針をつかむ工程をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項1】
縦軸に沿って注射針を突き出すベースと、前記ベースに旋回自在に連結されて、後壁で接続される2つの側壁を有するハウジングと、前記後壁から突き出て相互に隣接する1対の第1係止機構と、縦軸に直交しつつ前記ベースから突き出るリブと、前記リブから突き出る1対の第2係止機構とを備え、前記ハウジングが前記ベースに向かって旋回して注射針を覆うと、前記各第1係止機構は対応の前記第2係止機構の一方に噛み合って前記ハウジングおよび前記ベースを相互に固く保持することを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記第2係止機構が前記第1係止機構に個別に噛み合うと、前記リブは前記第1係止機構で挟み込まれることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記1対の第1係止機構および前記1対の第2係止機構のいずれか一方の1対は環状取っ手から形成され、前記1対の第1係止機構および前記1対の第2係止機構のいずれか他方の1対は突起から形成され、前記ハウジングが前記注射針に向かって旋回して前記注射針を覆うと、前記環状取っ手は対応の前記突起のいずれかに個別にぱちんとはまって保持されることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、
前記ハウジングの前記後壁から突き出る1対の仕切りをさらに備え、各仕切りが側壁の一方と対応の前記第1係止機構の一方との間に位置し、したがって前記第1係止機構は、前記側壁で挟み込まれる前記仕切りで挟み込まれることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記ベースは、前記注射針の使用に先立って注射針を覆う鞘の基端部の摩擦による受け入れに適する複数のリブを備えることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記ハウジングは、前記突起が前記係止機構に個別に噛み合うと実質的に同時に前記注射針をつかむフック機構をさらに備えることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の注射針アセンブリにおいて、前記ベースはシリンジに連結自在であることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項8】
シリンジとの利用に適する単一片の注射針アセンブリであって、ハウジングに旋回自在に連結されるベースを備え、前記ハウジングは、後壁と、前記後壁から突き出て相互に隣接する1対の第1係止機構とを有し、前記ベースに向かって前記ハウジングが旋回して前記ベースから縦方向に突き出る注射針を覆うと、前記第1係止機構は、前記ベースから突き出るリブから突き出る1対の第2係止機構に接触し、前記第1および第2係止機構の対は相互に連結されて、前記注射針が前記ハウジングに覆われる際に前記ハウジングおよび前記ベースの相互の離隔を規制することを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、前記各第1係止機構は環状取っ手を備え、前記各第2係止機構は突起を備え、前記ハウジングが前記ベースに向かって旋回すると、前記各突起は対応の前記各環状取っ手に係り合いつつ協働することを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項10】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、前記各第1係止機構が前記第2係止機構の対に連結されると、前記リブは前記第1係止機構の対で挟み込まれることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項11】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、
前記ハウジングの前記後壁から突き出る1対の仕切りをさらに備え、各仕切りが側壁の一方と対応の前記第1係止機構の一方との間に位置し、したがって前記第1係止機構の対は前記仕切りの対に挟み込まれることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項12】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、前記後壁から突き出て、前記ハウジングが移動して前記注射針を覆うと前記注射針をつかむフックをさらに備え、前記フックは、前記第1係止機構の対が前記第2係止機構の対に連結されると実質的に同時に前記注射針をつかむことを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項13】
請求項8に記載の注射針アセンブリにおいて、前記ハウジングおよび前記ベースは単一ユニットとして一体化され、前記ハウジングおよび前記ベースは、前記注射針の径を示す予め決められた色に色分けされることを特徴とする注射針アセンブリ。
【請求項14】
その基端でシリンジとの噛み合いに適し、かつ、その先端に注射針を取り付ける安全装置で使用後の注射針の露出を回避する方法であって、前記安全装置は、相互に旋回自在に連結されるハウジングおよびベースを備え、前記ハウジングは、前記ハウジングが前記ベースに向かって旋回して注射針を覆うと前記注射針を通過させるスロットをともに形成する後壁および2つの側壁を有し、前記方法は、
a)前記後壁から一方の係止機構を突き出させる工程と、
b)前記ハウジングが旋回して前記注射針を覆うと、前記一方の係止機構および他方の係止機構が相互に取り外し不能に連結されることを保証する位置において前記ベースに前記他方の係止機構を設ける工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記ハウジングが前記ベースに向かって旋回する時に前記ハウジングに面する方向に前記ベースからリブを突き出させる工程と、前記リブに前記他方の係止機構を設ける工程とをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記一方の係止機構は1対の隣接する環状取っ手を備え、前記他方の係止機構は1対の突起を備え、前記方法は、
前記リブの各側面に突起を設ける工程と、
前記後壁から前記環状取っ手の対を突き出させる工程とさらに備え、
前記ハウジングが旋回して前記注射針を覆うと、前記各環状取っ手は対応の前記突起の一方にぱちんとはまって連結され、前記リブは、前記環状取っ手が個別に前記突起に連結された後に前記環状取っ手で挟み込まれることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、
前記係止機構が連結されて前記ハウジングおよび前記ベースを相互に連結した時に、前記係止機構への接近を規制することを目的として、前記各側壁に基端拡張部を設ける工程をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法において、
前記ハウジングの側壁から1対の仕切りを突き出させる工程と、
前記ハウジングの側壁同士の間に前記仕切りを配置して、前記ハウジングが旋回して注射針を覆う際に前記一方および他方の係止機構を前記1対の仕切りで挟み込む工程とをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法において、
前記ハウジングおよび前記ベースを単一ユニットとして一体化する工程と、
注射針の径を示す予め決められた色に前記ハウジングおよび前記ベースを色分けする工程とをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法において、
前記ハウジングが移動して前記注射針を覆うと前記注射針を取り外し不能につかむフックを前記後壁から突き出させて、前記一方および他方の係止機構が相互に連結されると実質的に同時に前記フックが前記注射針をつかむ工程をさらに備えることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図6】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
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【公開番号】特開2013−99584(P2013−99584A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−15876(P2013−15876)
【出願日】平成25年1月30日(2013.1.30)
【分割の表示】特願2008−513449(P2008−513449)の分割
【原出願日】平成18年1月4日(2006.1.4)
【出願人】(505397690)スミスズ メディカル エイエスディー インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月30日(2013.1.30)
【分割の表示】特願2008−513449(P2008−513449)の分割
【原出願日】平成18年1月4日(2006.1.4)
【出願人】(505397690)スミスズ メディカル エイエスディー インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】
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