説明

注文データからのレポート出力方法及びそのシステム

【課題】顧客ごとの注文データから収集されるデータにより編集される編集データで、店舗及び店員、並びに商品の稼働状況までを正確に把握できる。
【解決手段】注文データを受ける際に、受付時刻と共に新規か何回目の追加かを示す注文種別、受付け担当者情報などを含んで受付けして注文データ管理部12に記録し、所定のレポート出力要求を受けた際には記録された注文データからその要求に基づくデータを編集し印字データに作成して伝票形式で伝票発行プリンタ15に印字出力する。この構成により、受付け担当者別集計データ、並びに、時間帯別の顧客入店状況、注文状況及び会計状況などの店舗及び店員、並びに商品の稼働状況を認識することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居酒屋やレストラン等の飲食店において、客席で顧客から受けた注文データを電子的に入力し、この入力データを顧客単位に一元的に管理するものであって、特に、そのデータから作成される管理データをレポートに出力するレポート出力方法及びそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のPOS(Point Of Sales)システムでは、顧客から商品の注文を受付けする都度、携帯端末からPOSシステムへ注文データを入力し、顧客控え用及び配膳店員の商品確認用にプリンタから印字出力されるフロア伝票に基づいて精算会計されており、この種のレポート出力方法及びそのシステムは、顧客管理等のレポートも記録された上記注文データから作成されている。
【0003】
従って、管理されるデータは、仕入れのための商品と採算のための売上合計とが主眼であり、従業員又は店舗に関する木目の細かいデータ収集及びその管理はできていない。
【0004】
一方、店舗における顧客情報の収集レポートとして、例えば、特開平1−112478号公報(特許文献1)では、時間帯別の顧客の要り状況を知るため、注文受付けの時刻と会計精算時刻とを用いてレポートが作成されている。
【0005】
然しながら、注文の種類や注文受付け担当者を明確にするという概念が無かったため、店舗側としては、レポートを参照した際に、売上げ状況の細かい分析や、 各従業員の動きを把握するということが困難であり、また、管理本部では、どの商品が何時、新規あるいは追加で注文されたものか知ることができなかった。
【0006】
【特許文献1】特開平1−112478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、顧客ごとの注文から収集されるデータにより編集されるレポートでは、店舗及び店員並びに商品の稼働状況までを正確には把握できないことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、注文受付け担当者が注文データを受ける際には、新規注文か、何回目の追加注文かを示す注文種別、注文を受付けした担当者などの情報を含んで受付け記録し、所定のレポート出力要求を受けた際には記録された前記注文データからその要求に基づくデータを所定の伝票形式に編集して印字データに作成し、印字出力するプリンタに該印字データを送り出力させるデータ管理手段を備えることを主要な特徴とする。
【0009】
前記レポートには、これら注文種別を用いて店舗及び店員の稼働状況を把握できるように予め設定された、担当者別集計レポート、時間帯別売上レポート、入店時間別売上レポート、オーダー時間別売上レポート、仕分けレシートなどが含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のレポート出力方法及びそのシステムは、注文データとして、新規か何回目の追加かなどを示す注文種別、それぞれの注文種別に対する受付け担当者及び受付け時刻などの情報が含まれるので、担当者別の集計レポート、時間帯別の売上レポート、顧客入店時間別の売上レポート、注文受付け時間別の売上レポート、仕分けレシートなどが作成できる。従って、店員ごとの注文受け数、時間帯別の入店顧客数、時間帯ごとの注文受付け数、時間帯ごとの会計精算数などという注文受付け担当者の個別評価、各職場での最繁時間帯の変化などを判断する木目細かなデータ情報を得ることができるという効果がある。
【0011】
この結果、これらのレポートを参照して、客席、厨房を含め従業員の配置、店舗の運用方針などに関する意思決定が容易にできる。また、各種レポートは伝票発行プリンタから出力されるので、これら情報収集のための余分のハードウェア経費は伝票用紙以外、不要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
居酒屋などの飲食店で、顧客ごとの注文から収集されるデータにより編集されるレポートから、店舗及び店員の稼働状況までを正確に把握できるという目的を、POSシステムの注文入力データに、新規、追加などの注文種別、それぞれの注文種別に対する受付け担当者及び受付け時刻などの情報を含め、担当者別集計レポート、時間帯別売上レポート、顧客入店時間別売上レポート、注文受付け時間別売上レポート、仕分けレシートなどを作成することにより実現した。
【0013】
本発明について図1から図7までを併せ参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明によるPOSシステムの実施の一形態を機能ブロックで示す説明図である。図面では、本発明に係る部分のみを示し、それ以外はシステムの稼動に必須であっても省略されている。
【0015】
POSシステムは、キャッシュレジスタ11、注文データ管理部12、無線部13、携帯端末14、伝票発行プリンタ15、キッチンプリンタ16、及びデータバス17を備え、図示されていないが、それぞれの装置にはキー入力、画面表示などのためのマンマシンインタフェースが搭載される。
【0016】
キャッシュレジスタ11は、各種商品の売上げデータを登録処理し仕分けレシートを伝票発行プリンタ15から発行する電子式キャッシュレジスタである。注文データ管理部12は、POSシステムの制御手段となる情報処理装置であり、各携帯端末14から入力されたデータを取込み、注文データとして顧客単位に一元的に管理するとともに、店舗フロア従業員、時間帯別の顧客動向など、注文データから編集して管理する。このため、注文データ管理部12では、フロア伝票の新規・追加1・追加2などという「注文種別」と、注文を受付けした携帯端末14の所持者である「受付担当者」と、新規及び追加の注文受付けの際の「受付時刻」と、のそれぞれを含む注文データが携帯端末14から入力される。
【0017】
無線部13は、携帯端末14との無線によるデータ授受を行う。携帯端末14は、いわゆるハンディターミナル(以後、HTと称されることがある)であり、顧客が注文した例えば、飲食メニューにある商品のメニューコード、注文個数等の商品データ、この顧客の識別データとして着席した卓の卓番号等を入力すると共に、更に上述の注文種別、注文受付け担当者、注文受付時刻を同時入力する注文データ入力装置として複数台を備え、各注文受付け担当者に所持させる。
【0018】
伝票発行プリンタ15は、注文データ管理部12の制御を受け、注文データ管理部12により管理される注文データに基づいて顧客毎のフロア伝票を発行するフロア伝票発行機である。また、伝票発行プリンタ15は、注文データ管理部12を介してキャッシュレジスタ11の指示を受け、各種レシートを伝票形式で印字出力する。更に、伝票発行プリンタ15は、注文データ管理部12の指示を受け各種レポートを伝票形式で印字出力する。キッチンプリンタ16は注文データ管理部12の制御を受け、飲食物倉庫を含む調理場に対して調理伝票を発行する。データバス17は、POSシステムを構成する装置・設備を接続してローカル網を形成し、相互のデータ転送路となる。
【0019】
図2は、上記注文データ管理部12の実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。上記注文データ管理部12は、本発明の特徴機能を具備する情報処理装置であり、操作入力部21、画面出力部22、無線IF(インタフェース)部23、CPU24、プログラム記憶部25、注文データ記憶部26、データバス27などを備え、通常の情報処理機能を発揮する。
【0020】
操作入力部21は、画面出力部22と共に、ユーザにより操作を受け、上記注文データ管理部12の後述する機能を操作入力部21からの入力により画面出力部22で確認することができる。無線IF部23は、上記無線部13を介して携帯端末14と相互接続しデータを受付けする。
【0021】
注文データ管理部12は、画面表示部22に表示される画面ボタンを操作入力部21として伝票及びレポートの一つを指定し、印字出力させる。このボタンは、注文種別に関する伝票及びレポートと時間帯別のレポートとに分類して備えられている。注文種別に関するレポートには、注文担当者別集計レポート及び時間帯別売上レポートがある。時間帯別のレポートには、顧客の入店・注文・会計それぞれの際の時刻に対するレポートがある。
【0022】
次に、図3から図6までに図1及び図2を併せ参照して、上記伝票、レポート、及び仕分け(ジャーナル)レシートについてその印字内容を説明する。これら印字データは、上述したように、注文受付けの際に注文データ記憶部26に記録され、印字出力要求の際にはその所定の出力形体に編集されて出力する。
【0023】
図3Aは、新規注文に対する伝票を新規オーダー伝票として示す説明図である。図3B及び図3Cそれぞれは1回目及び2回目の追加オーダー伝票を追加オーダー1回目及び追加オーダー2回目として示す説明図である。注文データ記憶部26には、伝票番号・卓番号・顧客人数・日付時刻・品名・数量・単価・合価に加え、新規注文か、追加注文の場合には何回目かが、受付け担当者が所持する携帯端末(HT)の番号と共に記録されており、ユーザの要求により対応の伝票に図示される形式で印字される。HT番号に対応して、所持する担当者名がそれぞれ記録されている。
【0024】
図4は、図3Aから図3Cまでを注文(オーダー)受付け担当者別に編集して印字出力した集計レポートの実施の一形態を示す説明図である。
【0025】
図示されるように、集計時刻における担当者別のHT番号、顧客ごとの人数、処理金額などが出力されている。又、レジスタでの直接注文はHT番号を有する担当者がいないのでこの集計レポートには反映されない。従って、その旨の警告文が追記印字される。
【0026】
この集計レポートでは一組の顧客のみを対象としているが複数組に対しても集計する。従って、このような集計レポートにより、従業員ごとの注文受付量の把握が可能である。
【0027】
次に、図5Aから図5Cまでは、時間帯別売上レポートの実施の一形態を示す説明図である。図5Aは入店時間別、図5Bは注文(オーダー)受付け時間別、また図5Cは会計時間別の売上レポートである。
【0028】
図示されるように、点検時刻におけるそれまでの一時間毎の時間帯に処理された顧客組数、顧客人数、売上金額などが出力される。この結果、各時間帯の、例えば入店顧客数、注文受付け数、会計精算回数などの変化を把握することができる。
【0029】
図6は、仕分け(ジャーナル)レシートの実施の一形態を示す説明図である。
【0030】
図示されるように、顧客ごとの会計精算時に、伝票番号対応で受付け時刻、卓(テーブル)番号、並びに、注文を受けた品目ごとに、個数及びその合価を、更に、レシート番号を付して印字出力する。その際、受付け品目それぞれで、例えば、新規か何回目の追加かを示す注文種別、受付け担当者を示すHT番号、受付時刻などが括弧書きで印字出力される。
【0031】
このような構成を有するので、注文受付け担当者の働きを個別に評価することや、どの時間帯にフロア、レジスタ、厨房等の各持ち場がどれだけ忙しいのか分析することが可能となる。また、夕方から早朝までの営業が主流となっている居酒屋業界においては、応募の少ないアルバイトを従業員の主流として如何に店を運用するかが非常に重要となってくるため、上述したデータが得られることにより、人員の管理、例えば何時にどこの持ち場に何人従業員を配置すべきかを容易に判断することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明では、注文受付けの際に、注文データとして受付時刻、新規か何回目の追加かの受付け種別、担当者を含み、レポートとして時間帯別で、新規注文データからの顧客入店状況、追加注文を含む注文受付け状況、会計精算データからの顧客退店情報などを編集し印字出力できるので、飲食店など外食産業でのPOS(Point Of Sales)システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるデータ出力システムの実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。
【図2】図1のシステムにおける注文データ管理部の実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。
【図3A】本発明による新規注文に対する伝票の実施の一形態を新規オーダー伝票として示す説明図である。
【図3B】本発明による1回目の追加注文に対する伝票の実施の一形態を追加オーダー1回目として示す説明図である。
【図3C】本発明による2回目の追加注文に対する伝票の実施の一形態を追加オーダー2回目として示す説明図である。
【図4】図3Aから図3Cまでを注文(オーダー)受付け担当者別に編集して印字出力した集計レポートの実施の一形態を示す説明図である。
【図5A】本発明による時間帯別売上レポートの実施の一形態を入店時間別で示す説明図である。
【図5B】本発明による時間帯別売上レポートの実施の一形態を注文(オーダー)受付け時間別で示す説明図である。
【図5C】本発明による時間帯別売上レポートの実施の一形態を会計時間別で示す説明図である。
【図6】本発明による仕分け(ジャーナル)レシートの実施の一形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
11 キャッシュレジスタ
12 注文データ管理部
13 無線部
14 携帯端末
15 伝票発行プリンタ
16 キッチンプリンタ
26 注文データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ管理手段が、顧客の注文データを受けた際にそれを記録収集し、レポートの出力要求を受けた際には記録収集した注文データからレポートデータに編集し、該レポートデータをプリンタから印字出力するレポート出力方法において、前記データ管理手段は、注文種別、受付け担当者情報を含む注文データを受付けして記録し、前記レポート出力要求を受けた際にはその要求に基づくデータを所定の伝票形式に編集して、印字出力するプリンタに該編集データを出力要求することを特徴とするレポート出力方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレポート出力方法において、前記注文種別が、新規注文又は追加注文であり、追加注文の場合にはその順序情報を含むことを特徴とするレポート出力方法。
【請求項3】
請求項1に記載のレポート出力方法において、前記レポートが、店舗及び店員の稼働状況を把握できるように予め設定された担当者別集計レポート、時間帯別売上レポート、顧客入店時間別売上レポート、注文受付け時間別売上レポート、又は仕分けレシートであることを特徴とするレポート出力方法。
【請求項4】
顧客の注文データを受けた際にそれを記録収集し、レポートの出力要求を受けた際には記録収集した注文データからレポートデータとして所定の様式に編集してプリンタから印字出力するレポート出力システムにおいて、注文データを受ける際には注文種別、受付け担当者情報を含んで受付け記録し、前記レポート出力要求を受けた際には、記録された前記注文データからその要求に基づくデータを所定の伝票形式に編集して印字データに作成し、伝票を印字出力するプリンタに送り出力させるデータ管理手段を備えることを特徴とするレポート出力システム。
【請求項5】
請求項4に記載のレポート出力システムにおいて、前記注文種別が、新規注文又は追加注文であり、追加注文の場合にはその順序情報を含むことを特徴とするレポート出力システム。
【請求項6】
請求項4に記載のレポート出力システムにおいて、前記レポートが、店舗及び店員の稼働状況を把握できるように予め設定された担当者別集計レポート、時間帯別売上レポート、顧客入店時間別売上レポート、注文受付け時間別売上レポート、又は仕分けレシートであることを特徴とするレポート出力システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−128295(P2007−128295A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320644(P2005−320644)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】(397012185)株式会社モンテローザ (8)
【Fターム(参考)】