説明

注文着色シール化合物を提供するシステムおよび方法

シーラントを注文着色するためのシステムおよび方法には、一般に1つ以上の分配カートリッジが設けられ、この分配カートリッジは、幾つかの実施形態では流体として、または、更には一般的なラテックス塗料として所定量の低粘度シーラントベース溶液を収容する。1つ以上のそのような分配カートリッジはカートリッジケース内に固定される。着色剤が分配カートリッジに加えられる。システムは、その後、所望の色が得られるまで、手動で或いは市販の塗料シェイカーなどの機械的な撹拌器で撹拌されてもよい。その後、非垂れ下がり性の高粘度シーラントが得られるまで、シーラント増粘剤が加えられてシステムの同様の撹拌によって混合されてもよい。カートリッジケースの実施形態は、様々な機械的な撹拌器および分配カートリッジと共に使用するために提供される。

【発明の詳細な説明】
【関連特許出願の相互参照】
【0001】
[0001]本特許出願は、2009年3月24日に出願された「System and Method of Providing Individual Quantities of Custom Colored Sealing Compound」と題される米国特許出願第12/410,301の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]建築および住宅の修繕の技術は、多種多様なプロジェクトの美的外観の向上のために注文着色シーラント(custom colored sealant)を必要とすることが多い。色が正確に適合したコーク(コーキング剤)が必要とされて望まれる一般的な基材としては、塗面、着色面、カウンター甲板、壁紙、着色前のサイディング材料、れんが、石、タイル、浴場および台所の設備、フローリング等が挙げられる。幾つかの工場で着色された非注文品の着色コークは商取引により入手できる(この場合、白色が圧倒的に多い)が、こうしたコークの色の大部分は、それらが塗布される基材とあまりうまく適合しない。
【0003】
[0003]少なくとも1つの企業が注文に沿って容器ごとのコークの色合わせを提供してきた。しかしながら、注文に沿った色合わせは、その企業の工場で企業自身によってのみ行われてきたにすぎなかった。したがって、そのような注文着色サービスは、1)消費者または請負業者が色を提出し、その後、工場から配送されるまで数日または数週間待つ意志がある或いは待つことができるとき、2)消費者が比較的多量の注文着色コークを購入する意思があるとき、3)消費者がそのような工場で製造されたコークの注文色に関して非常に高い対価を支払う意思があるときにだけ有効である。
【0004】
[0004]消費者および請負業者は、例えば、地元の塗料販売店へ行って、所定量の塗料または染色液と、注文着色した容器入りのシーラントとを同時に都合良く購入することができなかった。特に、市場において長年にわたって満たされていないニーズは、少量または多量のシーラントのカートリッジまたは圧搾チューブまたは小量パッケージを容易に混乱なく一度に注文着色でき、注文着色シーラントを低コストから中程度のコストで入手でき、長期間にわたって待つことなく注文着色したシーラントを入手できることに集中してきた。今までは、これらの基準全体をこれまで利用できなかった。
【0005】
[0005]従来技術におけるこうした問題の解決を妨げてきた重要な困難の一部は、幾つかの問題に集中してきた。例えば、一般的なシーラント製品は高粘度なことから、シーラントの全体にわたって液体着色剤または乾燥着色剤を容易に且つ均一に混合することが非常に困難か、或いは不可能となっていた。この問題とは対照的に、液体着色剤または乾燥着色剤をラテックス塗料などの粘度が非常に低い製品中に加えて混合することは比較的容易であった。高アスペクト比の容器をもたらす標準的なシーラント容器の基本的な長尺形状にも、克服しなければならない困難がある。そのような長尺容器の一端へ導入される着色剤は、容器の全長にわたって均一に分配することが難しい。また、殆どのシステムは、シーラントの容器を1つずつ混合することを必要とし、そのため、完全な作業を行おうとする間に貴重な時間を浪費する可能性がある。
【0006】
[0006]伝えられるところによると、コークが使用されるべき領域の場所またはその近傍での個々の容器のコークを注文着色するための容易で、速く、便利で、簡明で、安価な方法を可能にするために幾つかの手法が提案され或いは商業的に既に試みられてきた。取られてきた手法の幾つかは、個々の硬質コークカートリッジに入ったチョークの注文着色の分野で、低レベルの部分的な成功を収めてきたが、必要とされる混合および分配の容易さ、混乱のなさ、製品の損失のなさ、経済性、速度、複数の容器のシーラントを同時に速やかに混合できる能力は与えられなかった。また、従来の試みはいずれも、少数または多数の柔軟な圧搾チューブまたは小量パッケージのコークの注文着色を可能にしておらず、したがって、当該技術分野において大きなニーズが満たされないままとなっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]この概要は、以下の詳細な説明で更に説明される概念を抜粋して簡略化された形態で導入するために示されている。この概要および前述した背景は、特許請求の範囲に記載される主題の重要な態様または必須の態様を特定しようとするものではない。また、この概要は、特許請求の範囲に記載される主題の範囲の決定に役立つものとして使用しようとするものではない。
【0008】
[0008]シーラントを注文着色するためのシステムには、硬質円筒コークカートリッジや柔軟な圧搾チューブなどの1つ以上の分配カートリッジが設けられる。分配カートリッジは、非常に低粘度のシーラントベース溶液で少なくとも部分的に満たされる。適した粘度になるように適切に調合されるとき、シーラントベース溶液はアクリルラテックス、ビニルラテックス、シリコン、ポリウレタンなどの任意の適したタイプの化学物質を含むことができる。少なくとも一実施形態において、シーラントベース溶液の粘度は50〜100000センチポワズの範囲である。分配カートリッジの第1の開放端部14には、固定された分配ノズルではなく、選択的に取り外し可能なキャップが設けられる。様々な実施形態において、分配ノズルは、混合が行われた後、着色されて増粘されたシーラントを基板に塗布するためにキャップの代わりに固定される。
【0009】
[0009]本システムは、通常、所定量の少なくとも1つの着色剤を含む。着色剤としては、液状色素、乾燥色素、ラテックス塗料、または、ラテックス染色液を挙げることができる。そのような着色剤は、低粘度のシーラントベース溶液と急速に且つ容易に混合し、したがって、手動撹拌または様々な異なる機械撹拌方法による混合を可能にする。シーラントベース溶液中に導入されるときに非垂れ下がり性(non−sag)コーク粘度をもたらすのに適したシーラント増粘剤の例としては、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2−アミノメチルプロパノール、Acrysol ASE−60、Acrysol SCT−275、Acrysol RM−2020、Acrysol RM−825、Carbopol Aqua SF−1、Polyphobe 106HE、Tafigel PUR−61、Methocel、Bermocel、Tylose、Rheolate 1、Rheolate 425等が挙げられるが、これらに決して限定されない。シーラント増粘剤とシーラントベース溶液と着色剤とを混合させるために手動撹拌または機械撹拌が使用されてもよい。
【0010】
[0010]システムの様々な実施形態は、1つ以上の分配カートリッジの撹拌を補助するためのカートリッジケースの使用を含む。幾つかの実施形態において、カートリッジケースは、互いに作用可能に結合される第1の端部および反対側の第2の端部を有するように設けられる。そのような作用的な結合は、別個の端部の物理的結合を含んでもよく、また、両側の第1および第2の端部だけを有する一様な構造から形成されるカートリッジケースを含んでもよい。第1および第2の端部は、1つ以上の分配カートリッジの少なくとも端部を受けるために互いに開放連通する複数のキャビティを有するように形成される。キャビティは、分配カートリッジをカートリッジケース内の混合位置に解放可能に固定するように形成されるカートリッジレセプタクル(カートリッジ受け部)を画定する。
【0011】
[0011]カートリッジケースの他の実施形態は一様な構造で設けられ、それにより、第1の端部および第2の端部は、これらの間で延びる少なくとも1つの側壁を介して互いに作用可能に結合される。本システムの幾つかの実施形態は、カートリッジケースの略平坦な第1および第2の端部をこれらの間で延びる複数の長尺なフレーム部材によって作用可能に結合する。
【0012】
[0012]システムの特定の使用は、使用されるべき分配カートリッジの総数よりも多い数のカートリッジレセプタクルをカートリッジケース内に設ける。そのような状況では、使用されるべき分配カートリッジと同様に形成されて重み付けられる1つ以上のウェイトが使用されてもよい。このようにすると、カートリッジケース内に支持される質量を均一に分布させて、撹拌中またはカートリッジケースが装填されるときのカートリッジケースの他の操作中に釣り合いのとれた荷重を与えることができる。
【0013】
[0013]技術の様々な実施形態にはエンドキャップが設けられ、このエンドキャップは、分配カートリッジが混合位置にあるときにカートリッジレセプタクル内に1つ以上の分配カートリッジを保持する態様でカートリッジケースの第1の端部と選択的に固定されてもよい。エンドキャップの下面には、エンドキャップが混合位置でカートリッジケースと位置合わせされるときにカートリッジレセプタクルと位置合わせする複数のキャビティが設けられてもよい。幾つかの実施形態では、開口がキャビティの端部からエンドキャップの上端部または上端面を貫通し、また、開口には、分配カートリッジのねじ付き突出部に配置されるキャップをねじ付き突出部から除去でき或いはねじ付き突出部に挿入できるように、キャップにアクセスできる十分な直径が与えられる。
【0014】
[0014]システムの幾つかの実施形態は、様々な柔軟材料のうちの1つ以上から形成される柔軟なエンドキャップを使用してもよい。柔軟なエンドキャップには、分配カートリッジのキャップが通過できるように形成される複数のキャップ開口が設けられる。柔軟なエンドキャップがカートリッジケースの第2の端部と離間関係を成して配置されるように柔軟なエンドキャップをカートリッジケースの第1の端部と固定するためにマジックテープ式の留め材料を有する長尺ストラップなどの機械的な留め具が使用されてもよい。硬質エンドキャップがシステムと共に使用される場合には、1つ以上のロックピンが、エンドキャップから、カートリッジケースの端部間で離間関係を維持しつつ、カートリッジケースの第2の端部内へ延びる1つ以上のソケットにより受けられるべき位置へ延びるように設けられてもよい。
【0015】
[0015]システムの幾つかの実施形態には、円形断面をもつ1つ以上のカートリッジレセプタクルを有するカートリッジケースが設けられるが、少なくとも一部が略長方形断面を伴って形成され且つ長さ全体にわたってテーパ状の容積空間を伴って形成されるカートリッジレセプタクルなど、他の形状も考えられ、それにより、略テーパ状のシーラント圧搾チューブがカートリッジレセプタクル内に嵌合できる。様々なタイプの分配カートリッジを受けるために他の断面形状および容積空間が考えられる。
【0016】
[0016]カートリッジケースを撹拌する様々な方法により、分配カートリッジがカートリッジレセプタクル内で回転してもよいが、そのような回転は混合または撹拌動作に対して逆効果を招きやすい。したがって、様々な回転防止要素がシステムに組み込まれてもよい。幾つかの実施形態では、分配カートリッジの第2の端部に切り欠きが形成されてもよく、また、カートリッジレセプタクルにはカートリッジケースの第1の端部に隣接して突起または歯が形成される。歯は、分配カートリッジが混合位置に配置されるときに切り欠き内に少なくとも部分的に配置されるように形成されて配置されるべきであり、それにより、分配カートリッジがカートリッジケースに対して長手方向軸線を中心に回転することが防止される。他の回転防止要素が考えられる。
【0017】
[0017]硬質コーキングチューブなどの様々な分配カートリッジは、分配カートリッジ内に軸線方向に摺動可能に配置されるプランジャを第2の端部に隣接して使用する。したがって、プランジャが分配カートリッジの第2の端部を通じて偶発的に抜け出るのを防止するために積極的なストッパが設けられてもよい。幾つかの実施形態では、リッブ部材が分配カートリッジの第2の端部から径方向内側に延びる。他の実施形態では、少なくとも1つの返しが分配カートリッジの第2の端部から径方向内側に延びるように設けられてもよい。更に他の実施形態において、分配カートリッジの第2の端部は、プランジャの直径よりも小さい末端内径まで内側に先細ってもよい。
【0018】
[0018]本技術にしたがって注文カラーシーラントに使用される方法論に関する様々な実施形態は、使用される分配カートリッジまたはカートリッジケースのタイプにかかわらず大きく変わらない。特に、複数の分配カートリッジには所定量のシーラントベース溶液が提供される。分配カートリッジは、カートリッジケースのカートリッジレセプタクル内に固定される。キャップが分配カートリッジから取り外された状態で、所定量の1つ以上の着色剤が分配カートリッジの内部区画室に導入される。その後、キャップが分配カートリッジと再固定され、カートリッジケースが撹拌されてもよい。撹拌ステップは、手で或いは機械的な撹拌器を用いて行われてもよい。その後、所定量のシーラント増粘剤が分配カートリッジの内部区画室内に導入されてもよい。その後、カートリッジケースは、着色剤を導入するために使用される態様と同様の態様で撹拌されてもよい。カートリッジケースを撹拌するステップを助けるため、撹拌装置が使用されてもよい。適した撹拌装置の例としては、振動シェイカー、渦回転ミキサー、ジャイロ回転ミキサー、楕円軌道シェイカー等が挙げられる。
【0019】
[0019]本システムおよび方法のこれらの態様および他の態様は、詳細な説明および添付図面の考慮後に明らかとなる。
【0020】
[0020]以下の図面を参照して、好ましい実施形態を含む本発明の非限定的で非包括的な実施形態について説明するが、別途明示される場合を除き、様々な図の全体にわたって同様の参照符号は同様の部分を示すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】注文着色シール材料を提供するためのシステムの一実施形態の部分分解斜視図である。
【図2】注文着色シール材料を提供するためのシステムのカートリッジケースの第1の端部の一実施形態の斜視図である。
【図3】組み立て位置または混合位置における、図1の注文着色シール材料を提供するためのシステムの斜視図である。
【図4】注文着色シール材料を提供するためのシステムの他の実施形態の部分分解斜視図である。
【図5】組み立て配置または混合配置における、図4に描かれる注文着色シール材料を提供するためのシステムの斜視図である。
【図6】組み立て配置または混合配置における、注文着色シール材料を提供するための更に他のシステムの斜視図である。
【図7】注文着色シール材料を提供するためのシステムと共に使用されてもよいカートリッジケースの一実施形態の斜視図である。
【図8】図7に描かれるカートリッジケースおよび硬質分配カートリッジと共に使用されてもよい、注文着色シール材料を提供するためのシステムの一実施形態の部分分解斜視図である。
【図9】注文着色シール材料を提供するためのシステムの他の実施形態の部分分解斜視図である。
【図10】図9に描かれる注文着色シール材料を提供するためのシステムの他の部分分解斜視図である。
【図11】図9および図10に描かれる注文着色シール材料を提供するためのシステムの1つの組み立てられた実施形態を描く図である。
【図12】注文着色シール材料を提供するためのシステムの更なる他の実施形態の部分分解斜視図である。
【図13】組み立て配置または混合配置における、図12の注文着色シール材料を提供するためのシステムの斜視図である。
【図14】注文着色シール材料を提供するためのシステムと共に使用されてもよいカートリッジケースの更に他の実施形態の斜視図である。
【図15】圧搾チューブ分配カートリッジを受けるためのシステムが使用されてもよい、注文着色シール材料を提供するためのシステムと共に使用されてもよいカートリッジケースの他の実施形態を描く図である。
【図16】図15に描かれるカートリッジケースの平面図である。
【図17】カートリッジケース内での分配カートリッジの回転を抑制するためのシステムが設けられてもよい、注文着色シール材料を提供するためのシステムの一実施形態の断面斜視図である。
【図18】混合配置における、図17の分配カートリッジおよびカートリッジケースの部分斜視図である。
【図19】カートリッジケース内での分配カートリッジの回転に抵抗する態様で設けられる分配カートリッジおよびカートリッジケースの他の実施形態の部分斜視図である。
【図20】カートリッジケース内での分配カートリッジの回転に抵抗する態様で設けられる分配カートリッジおよびカートリッジケースの更なる他の実施形態の部分斜視図である。
【図21】注文着色シール材料を提供するためのシステムと共に使用されてもよく且つ分配カートリッジからのプランジャの意図しない引き出しに抵抗する分配カートリッジの部分斜視図である。
【図22】分配カートリッジからのプランジャの意図しない引き出しを防止できる他の態様を含む、注文着色シール材料を提供するためのシステムと共に使用されてもよい分配カートリッジの更なる他の実施形態の部分斜視図である。
【図23】分配カートリッジからのプランジャの意図しない引き出しを防止できる他の態様を含む、注文着色シール材料を提供するためのシステムと共に使用されてもよい分配カートリッジの更なる他の実施形態の部分斜視図である。
【図24】分配カートリッジ内からのプランジャの意図しない引き出しを更に防止する、注文着色シール材料を提供するためのシステムと共に使用されてもよい分配カートリッジの他の実施形態の側面図である。
【図25】注文着色シール材料を提供するためのシステムの更に他の実施形態の斜視図である。
【図26】部分的に分解された配置における、注文着色シール材料を提供するためのシステムの他の実施形態を描く図である。
【図27】組み立て配置または混合配置における、図26の注文着色シール材料を提供するためのシステムを描く図である。
【図28】注文着色シール材料を提供するためのシステムの更なる実施形態の部分分解斜視図である。
【図29】組み立て配置または混合配置における、図28の注文着色シール材料を提供するためのシステムの斜視図である。
【図30】注文着色シール材料を提供するためのシステムの更なる実施形態の部分分解斜視図である。
【図31】注文着色シール材料を提供するためのシステムの更なる他の実施形態の部分分解斜視図である。
【図32】所定量の着色剤および所定量のテクスチャライザが所定量のシーラントベース溶液に加えられる、注文着色シール材料を提供するためのシステムの一実施形態の斜視図である。
【図33】図32の注文着色シール材料を提供するためのシステムであって、所定量のシーラント増粘剤が容器内の溶液に加えられてもよい一態様を描く図である。
【図34】振動塗料シェイカーなどの撹拌装置と共に使用されてもよい、注文着色シール材料を提供するためのシステムの一実施形態の斜視図である。
【図35】渦塗料ミキサーなどの他のタイプの撹拌装置と共に使用されてもよい、注文着色シール材料を提供するためのシステムの更に他の実施形態を描く図である。
【図36】組み立て配置または混合配置における、図35の注文着色シール材料を提供するためのシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0057]以下に添付図面を参照して実施形態を更に詳しく説明するが、添付図面は、実施形態の一部を形成するとともに、特定の典型的な実施形態を例示として示す。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分詳しく開示される。しかしながら、実施形態は多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書中に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきでない。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味にとられるべきではない。
【0023】
[0058]図1を参照すると、注文着色シーラントのためのシステム10には、硬質の円筒コークカートリッジ、柔軟な圧搾チューブ、バルク容器等の形態を成してもよい分配カートリッジ12が設けられてもよい。分配カートリッジ12は、一般に、開放内部区画室16と開放流体連通する第1の開放端部14を有する。一態様において、分配カートリッジ12の内部区画室16は、工場において、粘度が非常に低いシーラントベース溶液18で少なくとも部分的に満たされる。
【0024】
[0059]液状ラテックスコークベースは、システム10と共に使用されてもよいシーラントベース溶液18の一例である。一態様において、シーラントベース溶液18、すなわち、液状ラテックスコークベースは、青みがかった或いは紫色がかったシェイドへ形成される。「」シーラントは硬化するときに、頻繁に生じる可能性がある任意の望ましくない琥珀色または黄色がかった色調を打ち消すことによりエンドユーザが得られる最終的な色の「透明度」を高めるべく、青から紫がかった色合いをもつ「無色透明の」外観(透き通った水のプールに類似する外観)を呈する。或いは、硬化する際に「透明な」外観になるように調合されている一部のシーラントの場合、「無色透明の」外観を呈する。少なくとも一実施形態において、シーラントベース溶液の粘度は、低い剪断速度で50〜100000センチポアズの範囲であるが、全ての場合において、手動撹拌または機械撹拌のいずれかにより着色剤またはテクスチャ化剤(texturizing agent)のシーラントベースへの混合を非常に容易且つ速くするために十分に低い粘度を有する。粘度のそのようなレベルは、シーラントベース溶液18と分配カートリッジに加えられる液状または乾燥着色剤との手動混合を容易に行えるようにする上で大いに役立つ。一態様において、前述した粘度範囲は、少なくとも、当該技術分野において使用される非垂れ下がり性のコークベースの一般的な粘度範囲よりも低い程度の大きさである。コークなどのシーラントに関する「非垂れ下がり性」の一例は、シーラントが垂直ジョイントに適用されて2mm以上の距離にわたって下方へ流れないときに実証される。そのような「非垂れ下がり性」基準のための試験は、Boeing社によるFrazier Flow Test Jigなどの治具を使用して行われてもよい。
【0025】
[0060]少なくとも一実施形態において、分配カートリッジ12の第1の開放端部14には中空のねじ付き突出部20が設けられる。一態様において、ねじ付き突出部20の直径は少なくとも5/8」インチになるように与えられてもよく、これは、一般的なコークカートリッジで見られる標準的な1/2」インチの直径のポートよりも約56.3%多い流れ面積を与える。また、拡大した直径は、分配カートリッジ12に加えられるようになっている材料へのアクセスを非常に容易にする。しかしながら、ねじ付き突出部20を形成するために多種多様な異なる直径が使用されてもよいと考えられる。
【0026】
[0061]キャップ22が分配カートリッジ12の第1の開放端部14と取り外し可能に結合されてもよい。一実施形態において、キャップ22には、ねじ付き突出部20と作用可能に螺合するべく形成される嵌め合いねじが設けられてもよい。キャップ22は、システム10の輸送、撹拌、および、保管中に分配カートリッジの内容物を封じ込めて保護する措置を講じる。したがって、キャップ22は、シーラントが注文着色されて増粘された後にシステム10の使用の間で用いられてもよい。同様に、システム10には、分配カートリッジ12の第1の開放端部14を横切って固定されてもよい1つ以上の取り外し可能なシールが設けられてもよい。そのようなシールは、分配カートリッジ12の内容物を収容して保護するためにシステム10の初期輸送および保管の前にシステム10と固定されてもよい。シールを形成するときに様々な紙、プラスチック、および、箔材料が使用されてもよいと考えられる。しかしながら、そのような材料は、システム10の意図される使用および状況にしたがって変化してもよい。
【0027】
[0062]システム10には所定量の少なくとも1つの着色剤24が設けられるべきである。一態様においては、複数の着色剤24が設けられてもよい。着色剤は多くの異なる形態をとってもよいと考えられる。例えば、着色剤24は、液状色素、乾燥色素、ラテックス塗料、または、ラテックス染色液から成ってもよい。そのような着色剤は、着色剤のもつ低い粘度に起因して、最小から中程度の成分の撹拌を伴ってシーラントベース溶液と急速且つ容易に混合する。したがって、揺り動かしたり手で混合したりするなどの手動撹拌または様々な異なる機械撹拌方法は、シーラントベース溶液18と着色剤24との混合にとって十分であると考えられる。様々な実施形態において、着色剤24を原点から容器12の内部へ移送する手段は、カップ、シリンジ、ピペット、または、他の適した移送装置であってもよい。
【0028】
[0063]前述したシーラントベース溶液18中に導入されるときに非垂れ下がり性のコーク粘度をもたらすのに適したシーラント増粘剤の例としては、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2−アミノメチルプロパノール、Acrysol ASE−60、Acrysol SCT−275、Acrysol RM−2020、Acrysol RM−825、Carbopol Aqua SF−1、Polyphobe 106HE、Tafigel PUR−61、Methocel、Bermocel、Tylose、Rheolate 1、Rheolate 425等が挙げられるが、これらに決して限定されない。
【0029】
[0064]少なくとも一実施形態において、前述した一般的な低粘度シーラントベース溶液における代表的な処方(この例からの多くの想定し得る変形も可能である)は以下の通りである。
Rhoplex 2620 84.16% アクリルラテックスエマルジョン
T−Det N−407 0.18% 界面活性剤
水 3.35% 溶媒
Mergal 395 0.14% 殺生物剤
エチレングリコール 0.92% 不凍剤
100LV Light Base Oil 8.21% 可塑剤
水酸化アンモニウム 26BE 0.25% pH調整剤
Polyphase 678 0.10% 殺生物剤
Silquest A−1106 0.18% 接着促進剤
Zinplex 15 2.48% 架橋剤
紫色素/IPA溶液 0.05% 黄色中和染色剤
合計> 100%
上記シーラントベース溶液の物理的特性は以下を含む。
【0030】
密度> 8.66ポンド/ガロン
pH> 7.11
粘度> 7,000センチポアズ(Brookfield,#63 spindle@3rpm)
パーセント固形物> 59.57%
VOC含入量> 26.69グラム/リットル
[0065]しかしながら、言うまでもなく、上記で開示された増粘剤およびシーラントベース溶液の例は、シーラントを形成する当業者が同様の最終結果をもたらすことができる原材料および処方割合のほぼ無限の数の変形における単なる典型例である。例えば、前述のシーラントベース溶液はアクリルラテックスエマルジョンポリマー(Rhopiex 2620)の使用に基づくものであるが、限定を伴うことなく同様の効果に対して以下のタイプのポリマーエマルジョン、すなわち、スチレンアクリルポリマー、エチレンビニルアセテートポリマー、スチレンブタジエンポリマー、ウレタンポリマー、アクリルウレタンポリマー、ビニルアセテートポリマー、ブチルポリマー等を使用することもできる。また、限定を伴うことなくシリコン、ポリウレタン、MSポリマー、SPUR、または、他のタイプのポリマーに基づく、着色されてテクスチャ化された後に増粘され得る低粘度シーラントベース溶液を形成することもできる。同様の変形が、限定を伴うことなく、界面活性剤、殺生物剤、不凍剤、可塑剤、pH制御剤、接着促進剤、架橋剤、乾燥剤、テクスチャ化剤、溶媒、マッティング剤等のような処方依存型原材料に関しても可能である。
【0031】
[0066]また、本明細書中で使用される「シーラント」という用語は、コーキング材料およびチンキング材料以外の幅広い物質に適用できてもよいと考えられる。確かに、システム10は、ケーキ、ペストリー、および、他の食品を覆うために使用されるアイシングなどの1つ以上の色を用いる食品の形態を含んでもよい「シーラント」に適用できる。そのような食品は、最初に着色剤を受け取ってその後に増粘剤を受け取る食品の液状部を含む「シーラントベース」の形態で設けられてもよい。そのようなシーラントベースの例としては、水、液状乳製品、および、他の流体溶液を挙げることができる。「着色剤」としては、様々な液状形態および粒子形態の様々なインク、染料などを挙げることができる。「増粘剤」の例は、様々な糖、ゼラチン、粉、澱粉などの粒子材料を含んでもよいが、バターおよびショートニングなどの固体および半固体を含んでもよい。
【0032】
[0067]システム10の様々な実施形態は、1つ以上の分配カートリッジ12の撹拌を補助するためのカートリッジケース28の使用を含む。カートリッジケース28が様々な形態で設けられ且つ多くの異なるタイプの材料から形成されてもよいと考えられる。カートリッジケース28は、撹拌が手動で引き起こされるか或いは自動撹拌装置によって引き起こされるかどうかにかかわらず、複数の分配カートリッジ12を同時に撹拌できる能力を与える。したがって、以下の例は、限定しようとするものではなく、むしろ、様々な異なる実施形態の例示である。
【0033】
[0068]幾つかの実施形態において、カートリッジケースは、互いに作用可能に結合される第1の端部30と反対側の第2の端部32とを有するように設けられる。そのような作用的結合は、別個の端部の物理的結合を含んでもよく、また、両側の第1および第2の端部30,32を単に有する一様な構造から形成されるカートリッジケース28を含んでもよい。しかしながら、第1および第2の端部の作用的結合が、カートリッジケース28の第1の端部30および第2の端部32を画定するために互いに組み合わされるだけの別個の端部の使用を含んでもよいとも考えられる。図1〜図6を参照すると、そのようなカートリッジケース28の例が描かれている。図1〜図3はカートリッジケース28の一実施形態を示しており、この実施形態において、第1の端部30は、分配カートリッジ12の少なくとも一部を受けるように形成される少なくとも1つのキャビティ34を含む。図に描かれる実施形態は、複数の分配カートリッジ12の少なくとも一部を同時に解放可能に受けるように形成される星形状または花形状のキャビティを形成するために互いに開放連通する複数のキャビティ34を示す。図2は、カートリッジケース28の別個の第2の端部32の典型的な実施形態を描いており、この場合、第2の端部32は、1つ以上の分配カートリッジ12の少なくとも一部を受けるために互いに開放連通して形成される複数のキャビティ36を有して形成される。第2の端部32には、キャビティ36の先端に形成される凹部38が更に設けられる。第1の端部30および第2の端部32が互いに位置合わせされると、キャビティ34およびキャビティ36は、分配カートリッジ12を混合位置に解放可能に固定するように形成されるカートリッジレセプタクル40を画定する。混合位置において、キャビティ36の先端の凹部38は、分配カートリッジ12の第1の端部14に配置されるキャップ22を確実に受けるように形成される。したがって、カートリッジケース28の第1の端部30および第2の端部32が分配カートリッジ12の両端で互いに作用可能に結合されるときに、分配カートリッジ12の横方向移動がかなり制限されるのが分かる。安定性を高めるため、結集した分配カートリッジ12の外周にわたって延びるラップ42が設けられてもよいと考えられる。ラップ42は、多くの硬質材料および柔軟材料から設けられてもよいと考えられる。弾性的に変形可能なこれらの柔軟な材料は、分配カートリッジ12がカートリッジケース28内に配置され且つカートリッジケース28から取り外されるときに、分配カートリッジ12間の移動の可能性を減らすために付加的な圧縮レベルを与えてもよい。
【0034】
[0069]図4および図5を参照すると、カートリッジケース28の幾つかの実施形態は、分配カートリッジ12の端部を受ける別個の離間したキャビティを画定するべくキャビティ34,36を形成できるように設けられてもよい。図4に描かれる典型的な実施形態は、6つの別個のキャビティ34を有する第1の端部30を示している。この数より多い或いは少ない数のキャビティが第1の端部30および第2の端部34の両方に形成されてもよいと考えられる。個別のキャビティ34,36を形成することにより、ラップ42がカートリッジケース28の第1の端部30と第2の端部32との間に配置される複数の分配カートリッジ12を安定させなくて済む場合があると考えられる。
【0035】
[0070]図6を参照すると、第1の端部30および第2の端部32が様々な発泡体やゴム材料等の弾性変形可能な材料から形成される略平坦な要素の形態を成して設けられてもよいと考えられる。そのような場合、第1の端部30および第2の端部32のいずれかの端部に作用する圧縮は、これらの間に配置される複数の分配カートリッジ12に抗してキャビティ34,36を形成する。そのような場合、分配カートリッジが第1の端部30と第2の端部32との間に配置されるときに分配カートリッジ12の横方向の安定性を維持するために、ラップ42が望ましい場合がある。
【0036】
[0071]図7および図8を参照すると、カートリッジケース28の他の実施形態が一様な構造を成して設けられ、この場合、第1の端部30および第2の端部32がそれらの間で延びる少なくとも1つの側壁44を介して互いに作用可能に結合される。図7に描かれる例において、側壁44は本質的に環状であり、カートリッジケース28の外周を形成する。そのような実施形態では、カートリッジレセプタクル40が対向するキャビティ34,36によって画定され、これらのキャビティは、それらの間で延びるスリーブ46を介して互いに結合される。そのようなカートリッジケースの実施形態の構造は、鋳造によって或いは一体となった材料の一部の除去によって成されてもよいと考えられる。したがって、様々な金属やプラスチック等を含む多種多様な材料がカートリッジケース28を形成するために使用されてもよいと考えられる。
【0037】
[0072]図9〜図13を参照すると、カートリッジケース28の他の実施形態は一様な構造で形成されてもよく、この場合、第1の端部30および第2の端部32が側壁48を介して互いに作用可能に結合され、側壁48は、本質的に環状ではなく、むしろ、カートリッジケース28とカートリッジケース28内に形成されるスリーブ46のうちの1つ以上の一部との両方の外面を画定する。このように、様々な製造方法により、カートリッジケース28を形成するために要する材料が更に少なくて済む場合があると考えられる。また、そのような構造およびデザインは、一般に、システム10を一段と容易に使用できる更に軽量なカートリッジケースをもたらす。図14を参照すると、システム10の幾つかの実施形態は、カートリッジケース28の第1の端部30と第2の端部32とをこれらの間で延びる複数のフレーム部材50によって作用可能に結合することにより、このデザイン属性引き上げる。図に描かれた典型的な実施形態では、3つのフレーム部材が使用される。しかしながら、この数より少ない或いは多い数のフレーム部材がカートリッジケース28を構成するために使用されてもよいと考えられる。このタイプの様々な実施形態は、一様な構造からカートリッジケース28を形成してもよく、或いは、第1の端部30および/または第2の端部32と取り外し可能に係合できるようにフレーム部材50を設けてもよい。フレーム部材50は、望ましいほぼ任意の材料から形成されてもよく、また、様々な機械的留め具や接着剤等の使用により第1の端部30および第2の端部32と取り外し可能に或いは取り外し不能に固定されてもよい。また、図14に描かれるカートリッジケース28の実施形態には、閉じられた下端部を有する複数のキャビティ34が第1の端部30に設けられ、一方、第2の端部32のキャビティ36は第2の端部32を完全に貫通する。キャビティ34およびキャビティ36は、中実端部または開放端部を有するように設けられてもよく、また、様々な或いは交互の構造でカートリッジケース28に設けられてもよいと考えられる。
【0038】
[0073]図9〜図11を参照すると、システム10の特定の使用が、使用されるべき分配カートリッジ12の総数よりも多い数のカートリッジレセプタクル40を、カートリッジケース28内に設けると考えられる。そのような状況では、使用されるべき分配カートリッジ12に少なくとも類似して形成される1つ以上のウェイト52を含むことが望ましい場合がある。また、ウェイト52は、使用されるべき分配カートリッジ12の重量および重量分散に少なくとも類似するウェイト構造にしたがって、重量および重量分散を有するように設けられてもよい。このようにすると、カートリッジケース28内に支持される質量を均一に分布させて、カートリッジケース28が機械的な混合機に装填されるときのカートリッジケース28の撹拌中または他の操作中に釣り合いのとれた荷重を与えることができる。
【0039】
[0074]図9〜図11を参照すると、システム10には様々な実施形態においてエンドキャップ54が設けられ、このエンドキャップ54は、分配カートリッジ12が混合位置にあるときにカートリッジレセプタクル40内に1つ以上の分配カートリッジ12を保持する態様で、カートリッジケース28の第1の端部30と選択的に固定されてもよい。エンドキャップ54の様々な実施形態において、エンドキャップ54の下面には、エンドキャップ54が混合位置でカートリッジケース28と位置合わせされるときにカートリッジレセプタクル40と位置合わせする複数のキャビティ56が設けられてもよい。キャビティ56は、カートリッジケース28の第2の端部32に形成されるキャビティ36と同様の寸法に形成される。このようにすると、キャビティ56が分配カートリッジ12の第1の端部14を確実に受けることができる。幾つかの実施形態では、開口58がキャビティ56の端部からエンドキャップ54の上端部または上端面を貫通する。幾つかの実施形態において、開口58には、分配カートリッジ12のねじ付き突出部20に配置されるキャップ22をねじ付き突出部20から除去でき或いはねじ付き突出部20に挿入できるように、キャップ22にアクセスできる十分な直径が与えられる。しかしながら、多くの実施形態において、キャップ22の上端部は、エンドキャップ54の上端面と面一であり或いは上端面の真下にある。幾つかの実施形態において、エンドキャップ54は、分配カートリッジ12の第1の端部14上に載置するように形成され、それにより、キャップ54の下縁部60がカートリッジケース28の第2の端部32と離間した関係のままにされる。少なくとも幾つかの実施形態において、カートリッジケース28の長さは、エンドキャップ54が使用されるか否かとは関係なく、1ガロン入り塗料缶の標準的な長さと一致する約9.25インチの全長を越えず、したがって、塗料混合機内には動作中に適切なクリアランスが形成される。
【0040】
[0075]図12および図13を参照すると、幾つかの実施形態は、様々なプラスチック、天然ゴム、および、合成ゴムなどの様々な柔軟材料のうちの1つ以上から形成される柔軟なエンドキャップ62を使用してもよい。多くの実施形態において、柔軟なエンドキャップ62には、分配カートリッジ12のキャップ22が通過できるように形成される複数のキャップ開口64が設けられる。このようにすると、柔軟なエンドキャップ62が分配カートリッジ12の第1の端部14と当接できる。柔軟なエンドキャップ62がカートリッジケース28の第2の端部32と離間関係を成して配置されるように柔軟なエンドキャップ62をカートリッジケース28の第1の端部30と固定するために、様々なタイプの機械的な留め具が使用されてもよいと考えられる。そのような機械的な留め具は、様々なボルトやねじ等のうちの1つ以上を含んでもよい。しかしながら、少なくとも一実施形態では、複数のストラップ66が柔軟なエンドキャップ62の外周縁部68から延びる。ストラップ66が硬質部材の形態を成して設けられてもよいが、様々な実施形態では、柔軟なエンドキャップ62とカートリッジケース28との適合および方向性の変化に対応するために柔軟なストラップが使用される。ストラップ66をカートリッジケース28の第2の端部32と固定するためにマジックテープ材料70または他のタイプの機械的な留め具が使用されてもよい。硬質エンドキャップ54がシステム10と共に使用される場合には、1つ以上のロックピンが、エンドキャップ54から、カートリッジケース28の第2の端部32内へ延びる1つ以上のソケット74により受け取られるべき位置へ延びるように設けられてもよい。1つ以上のロックピン72およびソケット74は、摩擦嵌合型の配置で互いに解放可能に係合するべく形成され、それにより、エンドキャップ54の意図しないはずれが実質的に防止される。
【0041】
[0076]システム10の幾つかの実施形態には、円形断面をもつ1つ以上のカートリッジレセプタクル40を有するカートリッジケース28が設けられると考えられるが、他の形状も考えられる。例えば、システム10の幾つかの実施形態には、少なくとも一部が略長方形断面を伴って形成され且つ長さ全体にわたってテーパ状の容積空間を伴って形成されるカートリッジレセプタクル40が設けられ、それにより、略テーパ状のシーラント圧搾チューブがカートリッジレセプタクル40内に嵌合できる。分配カートリッジ12がシーラント圧搾チューブ、円筒シーラントカートリッジ、または、その変形であろうとなかろうと様々なタイプの分配カートリッジ12を受けるために他の断面形状および容積空間が考えられる。
【0042】
[0077]カートリッジケース28の様々な混合および撹拌動作により分配カートリッジ12がカートリッジレセプタクル40内で回転すると考えられる。そのような回転動作は混合または撹拌動作に対して逆効果を招きやすい。したがって、様々な回転防止要素がシステム10に組み込まれてもよい。図17および図18を参照すると、分配カートリッジ12の第2の端部78に切り欠き76が形成されてもよく、また、カートリッジレセプタクル40にはカートリッジケース28の第1の端部30に隣接して突起または歯80が形成されてもよい。特に、歯80は、分配カートリッジが混合位置に配置されるときに切り欠き76内に少なくとも部分的に配置されるように形成されて配置されるべきであり、それにより、分配カートリッジ12がカートリッジケース28に対して長手方向軸線を中心に回転することが防止される。この固定された位置の一例が図18に描かれている。図19を参照すると、他の実施形態は、カートリッジレセプタクル40内へ延びる突起82を使用してもよい。ねじや鋲などの突起82は、分配カートリッジ12が混合位置に配置されるときに分配カートリッジ12と摩擦係合するように形成されて配置される。図20を参照すると、更に他の実施形態は、カートリッジレセプタクル40内へ延びるように配置されるブレード84を使用してもよく、この場合、分配カートリッジ12が混合位置に配置されるときにブレード84の刃先が分配カートリッジ12の一部と係合するようになっており、それにより、分配カートリッジ12がカートリッジケース28に対して回転することが防止される。様々な実施形態において、ブレード84は、カートリッジケース28の側部へ向けて径方向に形成されるスロット86を貫通してカートリッジケース28内に取り外し可能に配置される、かみそり状の刃の形態で設けられてもよい。
【0043】
[0078]硬質コーキングチューブなどの様々な分配カートリッジ12は、一般に、分配カートリッジ12内に軸線方向に摺動可能に配置されるプランジャ88を第2の端部78に隣接して使用する。幾つかの実施形態では、プランジャ88が分配カートリッジ12の第2の端部78を通じて偶発的に脱落するのを防止するために積極的なストッパが設けられてもよい。様々な実施形態は、例えば図21に描かれるように、分配カートリッジ12の第2の端部78から径方向内側に延びるリップ部材90を含んでもよい。図22を参照すると、少なくとも1つの返し(barb)92が分配カートリッジ12の第2の端部78から径方向内側に延びるように設けられてもよい。そのような返し92は、単に分配カートリッジの壁の一部を内側に押圧することによって形成されてもよく、それにより、返し92の材料が分配カートリッジ12の壁中に存在するように使用されていた場所に露出開口が残される。図23を参照すると、分配カートリッジ12の外面を貫通する開口が望ましくない場合には、返し92が単に分配カートリッジ12の内壁に形成されてもよい。図24に描かれるような更なる他の実施形態において、分配カートリッジ12の第2の端部78は、プランジャ88の直径よりも小さい内径まで内側に先細ってもよく、それにより、プランジャ88が分配カートリッジ12から外れるのが防止される。プランジャが分配カートリッジ12内に配置された後、その製造中にテーパが形成されてもよい。分配カートリッジ12の第2の端部78をテーパ状にするためにプラスチックチューブを成形する様々な既知の方法のうちの1つが使用されてもよい。
【0044】
[0079]システム10の様々な実施形態には標準的な塗料缶の断面に類似する略円形断面を有するカートリッジケース28が設けられるが、他の形状も考えられる。図25を参照すると、カートリッジケース28は、互いに同一平面上に直線的に離間された状態で配置される複数のカートリッジレセプタクル40を有する、長方形断面を有するように形成されてもよい。このようにすると、分配カートリッジ12の平坦な平面配列を形成できる。幾つかの実施形態は別個の第1の端部30および第2の端部32を使用してもよいが、他の配置が使用されてもよいと考えられる。幾つかの実施形態では、カートリッジケース28の第1の端部30および第2の端部32が平面状の側壁94によって互いに結合される。カートリッジケース28は、幾つかの実施形態では、複数のカートリッジレセプタクル40の長手方向軸線に沿って延びる平面に沿って分けられてもよく、それにより、カートリッジケース28が2つの部分に分けられて、分配カートリッジ12をカートリッジレセプタクル40に装填し且つカートリッジレセプタクル40から取り外すために複数のカートリッジレセプタクル40の長さが露出されてもよい。カートリッジケース28の2つの半体同士の間には、これらの半体の互いに対する位置を固定するのに役立つように装着ピン96およびソケット98が設けられてもよい。そのような実施形態では、カートリッジレセプタクル40が略円形の断面をもって形成されてもよく、それにより、略円筒状の硬質シーラントチューブが複数のカートリッジレセプタクル40内に嵌入してもよいと考えられる。他の実施形態では、複数のカートリッジレセプタクル40が少なくとも部分的に略長方形断面をもって形成され且つカートリッジレセプタクル40の長さ全体にわたってテーパ状の容積空間を伴って形成されてもよく、それにより、略テーパ状のシーラント圧搾チューブが複数のカートリッジレセプタクル内に嵌合してもよい。そのような配置の一例が図30に描かれている。図28〜図31を参照すると、長方形または正方形の平面状のカートリッジケース28内の分配カートリッジ12の平面的な配置は、それ自体、分配カートリッジ12の複数の平面的な列を離間関係を成して互いに対して積層する結果をもたらす。そのような実施形態では、分配カートリッジ12の連続する列の間に、すなわち、カートリッジケース28の分割された半体間にスペーサ壁100が配置されてもよい。構造技術内の様々な作業は、1ガロンおよび5ガロンバケツなどの小量容器内に設けられるシーラント材料を使用する。そのような容器入りのシーラントを注文着色する際には本技術が使用されてもよいと考えられる。そのような場合、1ガロンまたは5ガロンのバケツがカートリッジケース28と同様の混合レセプタクルとなる。
【0045】
[0080]使用時、システム10は多くの異なる環境で用いられてもよい。このシステム10が特に良く適する可能性のある1つの環境は、商業用塗料ストアまたは1つ以上の様々なタイプの機械的撹拌器を使用する場所である。本技術にしたがって注文カラーシーラントに使用される方法論に関する様々な実施形態は、使用される分配カートリッジ12またはカートリッジケース28のタイプにかかわらず大きく変わらない。特に、複数の分配カートリッジ12には、一般に、前述したように所定量のシーラントベース溶液が供給される。分配カートリッジは、使用されるカートリッジケース28のカートリッジレセプタクル40内に固定される。キャップ22が分配カートリッジ12から取り外された状態で、所定量の1つ以上の着色剤24が分配カートリッジ12の内部区画室16に(カップ、シリンジ、ピペット、または、他の移送手段介して)導入される。その後、キャップ22が分配カートリッジ12と再固定される。カートリッジケース28は、その混合位置に固定されると、その後に撹拌されてもよい。撹拌ステップは、手で或いは機械的な撹拌器を用いて行われてもよい。前述した低粘度シーラントベース溶液の使用に起因して、着色剤の完全で一様な混合を約25〜60秒間で実現できる。その後、所定量のシーラント増粘剤26が分配カートリッジ12の内部区画室内に導入されてもよい。その後、カートリッジケース28は、乾燥剤24を導入するために使用される態様と同様の態様で再び撹拌されてもよい。システム10の実施形態および前述した材料を用いると、手動撹拌により或いは機械によりシーラントベース材料18の完全な増粘がわずか45秒間で見られ、その結果、必要に応じて製品を即座に使用できることが分かった。
【0046】
[0081]カートリッジケース28を撹拌するステップを補助するため、撹拌装置102が使用されてもよい。異なる形態の機械動作によって小売店の塗料容器を混合するために様々な異なる塗料混合機または塗料振動機が一般に使用される。そのような撹拌装置の例としては、振動シェイカー、渦回転ミキサー、ジャイロ回転ミキサー、楕円軌道シェイカー等が挙げられる。図34〜図36を参照すると、異なるタイプの撹拌機器と共に用いるために前述したシステム10の様々な実施形態が使用されてもよい。システム10の前述した実施形態のどれが当該技術分野で使用される特定のタイプの撹拌機器と共に用いるのに最も良く役立つのかは当業者であれば分かる。例えば、システム10内の特定の構造的特徴は、特定のタイプの撹拌機器と共に用いるためにシステム10を適合させるのに役立つ。例えば、図35を参照すると、1つ以上の突出部104が第2の端部32に隣接してカートリッジケース28から外側に延びるように設けられてもよい。特に、突出部104が塗料缶のハンドルの耳に似た形に形成されてもよい。そのような形状は、本質的に略半球状であり、様々なミキサバスケットの深いソケットホルダの上縁部に配置される切り欠き106と係合する。図11を参照すると、エンドキャップ54は、エンドキャップ54の側部へ延びる少なくとも2つの対向する凹部を有するように形成されてもよい。幾つかの実施形態において、凹部は、工業用撹拌装置で一般に見られる保持クランプを受けるために略半球状を成す。図36を参照すると、ストラップ66をカートリッジケースレセプタクルなどの撹拌装置102の一部と固定するために、マジックテープ材料70または他のタイプの機械的な留め具が使用されてもよく、それにより、エンドキャップ62は、カートリッジケース28の第2の端部と離間関係を成して固定位置に位置決めされる。
【0047】
[0082]特定の構造、材料、および、方法ステップに固有の言葉でシステムおよびシステムを使用する方法を説明してきたが、添付の請求項に規定される発明が必ずしも前述した特定の構造、材料、および/または、ステップに限定されないことは言うまでもない。むしろ、特定の態様およびステップは、請求項に記載の発明を実施する形態として説明されている。本発明の思想および範囲から逸脱することなく本発明の多くの実施形態を実施できるため、発明は以下の添付の請求項に存する。別途示されている場合を除き、明細書(特許請求の範囲以外)中で使用される全ての数字または表現、例えば寸法や物理的特性等を表わす数字や表現は、全ての場合に、「約」という用語で修飾されるものと理解される。最低限でも、請求項に対する均等論の適用を制限しようとする試みとしてではなく、「約」という用語で修飾される明細書または請求項に挙げられるそれぞれの数値パラメータは、少なくとも、挙げられた有効桁の数に照らして且つ通常の丸め技術を適用することにより解釈されるべきである。また、本明細書に開示される全ての範囲は、任意の全ての部分範囲または部分範囲に含まれる任意の全ての個々の値を挙げる請求項を包含して裏付けるものとして理解されるべきである。例えば、1〜10の範囲が提示された場合、最小値1および最大値10の間にあり、且つ/または、最小値1と最大値10を含む任意の全ての部分範囲または個々の値、すなわち、1以上の最小値から始まって10以下の最大値で終わる全ての部分範囲(例えば、5.5〜10、2.34〜3.56など)または1〜10の任意の値(例えば、3、5.8、9.9994など)を挙げる請求項を包含して裏付けると考えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文着色シーラントを提供するためのシステムであって、
第1の端部を有する少なくとも1つの分配カートリッジであり、前記第1の端部が少なくとも1つの該分配カートリッジの開放内部区画室内へ延びる開口を有し、前記開口を選択的に覆うために該分配カートリッジの前記第1の端部と取り外し可能に固定するカートリッジキャップを有する、少なくとも1つの分配カートリッジと、
少なくとも1つの前記分配カートリッジの前記内部区画室内に配置される所定量のシーラントベース溶液と、
互いに作用可能に結合される両側の第1の端部および第2の端部を有するカートリッジケースであり、該カートリッジケースの前記第1の端部が、少なくとも1つの前記分配カートリッジの少なくとも一部を受けるように形成される少なくとも1つのキャビティを含み、該カートリッジケースの前記第2の端部が、該カートリッジケースの前記第1の端部の前記少なくとも1つのキャビティと位置合わせされて、それにより少なくとも1つのカートリッジレセプタクルを画定する少なくとも1つのキャビティを有する、カートリッジケースと、
所定量のシーラント増粘剤と、
所定量の着色剤と
を備えるシステム。
【請求項2】
少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクル内の少なくとも1つの分配カートリッジを混合位置に保持する態様で前記カートリッジケースの前記第1の端部と選択的に固定されるエンドキャップを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
モータと前記カートリッジケースを固定位置で受けるように形成されるカートリッジケースレセプタクルとを有する撹拌装置を更に備え、
前記モータが、前記モータが作動されるときに前記カートリッジケースレセプタクルを撹拌する連結部によって前記カートリッジレセプタクルと作用可能に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記カートリッジケースと前記エンドキャップとを組み合わせた長さが、少なくとも1つの前記分配カートリッジが混合位置に配置されるときに9.25インチの全長を超えないものである、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記所定量のシーラントベース溶液が50センチポワズ以上100000センチポワズ以下の粘度を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エンドキャップには、前記エンドキャップを貫通し且つ前記カートリッジケースの前記第2の端部の少なくとも1つの開口と軸線方向で位置合わせされる少なくとも1つの前記開口が設けられ、前記エンドキャップの少なくとも1つの前記開口が、少なくとも1つの前記分配カートリッジ上の前記カートリッジキャップの取り外しを可能にするのに十分な寸法にされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記エンドキャップが柔軟な材料からなる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記エンドキャップが、複数の機械的な留め具を用いて前記カートリッジケースの前記第2の端部に作用可能に固定され、それにより、前記エンドキャップが前記カートリッジケースの前記第2の端部と離間関係をなして配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
複数の機械的な前記留め具が、前記カートリッジケースの前記第2の端部と前記エンドキャップとに固定されるマジックテープ材料を用いて前記エンドキャップを前記カートリッジケースに固定する複数のストラップからなる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
モータと前記カートリッジケースを固定位置で受けるように形成されるカートリッジケースレセプタクルとを有する撹拌装置を更に備え、
前記モータは、前記モータが作動されるときに前記カートリッジケースレセプタクルを撹拌する連結部によって前記カートリッジレセプタクルと作用可能に結合され、
前記エンドキャップが前記カートリッジケースレセプタクルの一部に作用可能に固定され、それにより、前記エンドキャップが前記カートリッジケースの前記第2の端部と離間関係をなして固定位置に配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記エンドキャップは、前記分配カートリッジが前記カートリッジケースと前記エンドキャップとの間で混合位置にあるときに、少なくとも1つの前記分配カートリッジの前記第1の端部に当接して、前記カートリッジケースの前記第2の端部と離間関係をなして配置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
複数の分配カートリッジと複数のカートリッジレセプタクルとが存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
7つの分配カートリッジと7つのカートリッジレセプタクルとが存在する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記分配カートリッジよりも多い前記カートリッジレセプタクルが存在し、
当該システムは、分配カートリッジが内部に配置されない少なくとも1つのカートリッジレセプタクル内に配置される少なくとも1つの釣り合せ用のウェイトを更に備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの前記ウェイトが少なくとも1つの前記分配カートリッジに少なくとも類似して形成され、少なくとも1つの前記ウェイトが分配カートリッジの重量と少なくとも同等の重量を有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記カートリッジケースの前記第1の端部および前記第2の端部が、前記カートリッジケースの前記第1の端部と前記第2の端部との間で延びる少なくとも1つの側壁によって互いに結合され、少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクルが、前記カートリッジケースの前記第1の端部と前記第2の端部との間で延びる少なくとも1つのレセプタクル側壁によって画定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記カートリッジケースの前記第2の端部に隣接して前記カートリッジケースから外側に延びる少なくとも1つの突出部を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの前記突出部が塗料缶のハンドルの耳に似た形に形成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記カートリッジケースおよび前記エンドキャップが、前記カートリッジケースおよび前記エンドキャップの両方と係合する少なくとも1つのロックピンによって互いに固定される、請求項2に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクル内の少なくとも1つの前記分配カートリッジを混合位置に保持する態様で前記カートリッジケースの前記第1の端部と選択的に固定されるエンドキャップを更に備え、
前記エンドキャップが、前記エンドキャップの側部へ延びる少なくとも2つの対向する凹部を有するように形成され、前記凹部が、前記撹拌装置の保持クランプを受けるように形成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項21】
前記カートリッジケースの前記第1の端部および前記第2の端部が、複数の長尺フレーム部材によって互いに離間関係をなして作用可能に結合される別個の略平坦な部材として設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクルが、略円形の断面を有するよう形成され、それにより、略円筒状の硬質シーラントチューブが少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクル内に嵌合できる請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクルは、少なくとも一部が略長方形断面を有するよう形成されるとともに、少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクルの長さ全体にわたってテーパ状の容積空間を有するよう形成され、それにより、略テーパ状のシーラント圧搾チューブが少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクル内に嵌合できる、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記分配カートリッジの前記第2の端部に形成される切り欠きと、前記カートリッジケースの前記第2の端部に隣接して少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクルに形成される歯とを更に備え、
前記歯は、前記分配カートリッジが前記カートリッジケースと前記エンドキャップとの間で混合位置に配置されるときに前記切り欠き内に少なくとも部分的に配置されるように形成されて配置され、それにより、前記分配カートリッジが前記カートリッジケースに対して長手方向軸線を中心に回転することが防止される、請求項2に記載のシステム。
【請求項25】
前記カートリッジケースの前記第2の端部に隣接して少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクル内へ延びる突起を更に備え、
前記突起は、前記分配カートリッジが前記カートリッジケースと前記エンドキャップとの間で混合位置に配置されるときに前記分配カートリッジと摩擦係合するように形成されて配置され、それにより、前記分配カートリッジが前記カートリッジケースに対して長手方向軸線を中心に回転することが防止される、請求項2に記載のシステム。
【請求項26】
刃先が前記カートリッジケースの前記第1の端部と対向するように前記分配カートリッジの前記第2の端部に配置されるブレードを更に備え、それにより、前記分配カートリッジが前記カートリッジケースと前記エンドキャップとの間で混合位置に配置されるときに前記分配カートリッジが前記カートリッジケースに対して長手方向軸線を中心に回転することが防止される、請求項2に記載のシステム。
【請求項27】
前記ブレードが、前記カートリッジケースの側部へ向けて径方向に形成される開口を貫通して前記カートリッジケース内に取り外し可能に配置されるかみそり状の刃である、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記分配カートリッジ内に軸線方向に摺動可能に配置されるプランジャと、
前記分配カートリッジの前記第2の端部から径方向内側に延び、それにより、前記分配カートリッジの前記第2の端部からの前記プランジャの偶発的な脱落を防止するリップ部材と、
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記分配カートリッジ内に軸線方向に摺動可能に配置されるプランジャと、
前記分配カートリッジの前記第2の端部から径方向内側に延び、それにより、前記分配カートリッジの前記第2の端部からの前記プランジャの偶発的な脱落を防止する少なくとも1つの返しと、
を更に備える請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記分配カートリッジ内に軸線方向に摺動可能に配置されるプランジャを更に備え、
前記分配カートリッジの前記第2の端部が、前記プランジャの直径よりも小さい末端直径へ内側に先細り、それにより、前記分配カートリッジの前記第2の端部からの前記プランジャの偶発的な脱落が防止される、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記カートリッジケースが、互いに同一平面内で直線的に離間された状態で配置される複数のカートリッジレセプタクルを有する長方形断面を有するように形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記カートリッジケースの前記第1の端部および前記第2の端部が平面状の側壁によって互いに結合され、前記カートリッジケースが、複数の前記カートリッジレセプタクルの長手方向軸線に沿って延びる平面に沿って分けられ、それにより、前記カートリッジケースが2つの部分に分けられて、分配カートリッジを前記カートリッジレセプタクルに装填し且つ前記カートリッジレセプタクルから取り外すために複数のカートリッジレセプタクルの長さが露出される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
複数の前記カートリッジレセプタクルが略円形断面をもって形成され、それにより、略円筒状の硬質シーラントチューブが複数の前記カートリッジレセプタクル内に嵌合できる、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
複数の前記カートリッジレセプタクルは、少なくとも一部が、略長方形断面をもって形成されるとともに、前記カートリッジレセプタクルの長さ全体にわたってテーパ状の容積空間を伴って形成され、それにより、略テーパ状のシーラント圧搾チューブが複数の前記カートリッジレセプタクル内に嵌合できる、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
シーラントを注文着色する方法であって、
互いに作用可能に結合される両側の第1の端部および第2の端部を有するカートリッジケースを設けるステップであり、前記カートリッジケースの前記第1の端部が、分配カートリッジの少なくとも一部を受けるように形成される少なくとも1つのキャビティを含み、前記カートリッジケースの前記第2の端部が、前記カートリッジケースの前記第1の端部の少なくとも1つの開口と位置合わせされてそれにより少なくとも1つのカートリッジレセプタクルを混合位置で受けることができる少なくとも1つのカートリッジレセプタクルを画定する少なくとも1つの前記開口を有する、ステップと、
混合位置で少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクル内に少なくとも1つの分配カートリッジを配置するステップであり、前記分配カートリッジが、少なくとも1つの前記分配カートリッジの開放内部区画室内へ延びる開口を有する第1の端部と、前記開口を選択的に覆うために前記分配カートリッジの前記第1の端部と取り外し可能に固定するカートリッジキャップとを有し、所定量のシーラントベース溶液が少なくとも1つの前記分配カートリッジの前記内部区画室内に配置される、ステップと、
少なくとも1つの前記分配カートリッジの前記内部区画室内に所定量の着色剤を導入するステップと、
少なくとも1つの前記分配カートリッジの前記内部区画室の内容物が混合されて前記シーラントベース溶液が所望の注文色に近づくまで前記カートリッジケースを撹拌させるステップと、
前記分配カートリッジの前記内部区画室へ所定量のシーラント増粘剤を導入するステップと、
少なくとも1つの前記分配カートリッジの前記内部区画室の内容物が混合されて内容物が増粘されるまで前記カートリッジケースを撹拌させるステップと、
を備える方法。
【請求項36】
少なくとも1つの前記カートリッジレセプタクル内の少なくとも1つの前記分配カートリッジを混合位置に保持する態様で前記カートリッジケースの前記第1の端部とエンドキャップを作用可能に固定するステップを更に備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
モータと前記カートリッジケースを固定位置で受けるように形成されるカートリッジケースレセプタクルとを有する撹拌装置を使用して前記撹拌ステップのうちの少なくとも1つが行われ、
前記モータは、前記モータが作動されるときに前記カートリッジケースレセプタクルを撹拌する連結部によって前記カートリッジケースレセプタクルと作用可能に結合される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記所定量のシーラントベース溶液が50センチポワズ以上100000センチポワズ以下の粘度を有する、請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2012−521900(P2012−521900A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502027(P2012−502027)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/023086
【国際公開番号】WO2010/110943
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(510252520)サシュコ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】