説明

洗剤組成物とその製造方法

【課題】低水温における溶解性及び分散性が良く、衣類に対して高い洗浄力を有している洗剤組成物の提供。
【解決手段】水溶性吸熱物質(a)を含む吸熱性粒子(A)と、水溶性発熱物質(b)を含む発熱性粒子(B)を含有する洗剤組成物であって、前記吸熱性粒子(A)と前記発熱性粒子(B)の質量比〔(A)/(B)〕が0.05〜4になるように含有されている洗剤組成物。水溶性吸熱物質(a)は、塩化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム5水和物、硫酸アンモニウムが好ましく、水溶性発熱物質(b)は、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に低い水温における溶解性の良い洗剤組成物とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉状又は粒状洗剤は、消費者の利便性より、高嵩密度化や低使用量化が強く指向されている。これら高嵩密度化された粒状洗剤は、水に速やかに溶解、分散されることが望ましい。しかし、近年の洗濯機は、大型化による浴比の低下や、環境・エネルギー問題や経済性への対応から、洗濯水の節水や低温下、運転時間の短縮化等が進んでおり、いずれも粉状又は粒状洗剤の分散・溶解性を低下させる要因となっている。このため、特に水温の低い冬季の洗濯時において、これら粉状や粒状洗剤の溶け残りが衣類に残留するおそれがあるという問題がある。
【0003】
一方、使用状態によっては、粉状又は粒状洗剤が供給装置つきの洗濯機では一箇所に投入される場合もある。このような場合、低温度の洗濯液と接触した洗剤の表面のみが部分溶解して、洗剤に含まれている無機塩の高濃度領域が発生することがある。そうなると、無機塩の高濃度領域が周囲の低温域で急激に冷却されて結晶が析出し、粒子同士が強固に結合されるため、洗剤粒子の集合体が分散しきれずにペースト状になって、衣類に残留する現象が発生する場合も考えられる。この現象は、洗濯液の液温が10℃以下、特に5℃以下の低温の場合にその虞が高まる。
【0004】
このような低水温における問題を解決するための分散性、溶解性を改善する試みとして、例えば、洗浄剤の粒子径分布を特定の分布にすることが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、洗浄剤の組成を特定して、粒子全体の溶解速度をコントロールすることが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、粒状洗剤生地にアルカリ性充填剤粒子を添加することも知られている(例えば、特許文献3,4参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、粒子径分布を調整するために多大な労力が必要であり、洗浄剤の組成自由度を著しく狭めるものである。また、水溶性の発熱性無機化合物を高配合した洗剤では、これらの文献に記載された方法も溶け残りを防止するという効果においては充分ではない。
【特許文献1】特開平11−35998号公報
【特許文献2】特開平08−218093号公報
【特許文献3】特開昭62−167399号公報
【特許文献4】特開昭62−253699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、低水温における溶解性及び分散性が良く、衣類に対して高い洗浄力を有する洗剤組成物とその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記の各発明を提供する。
1.水溶性吸熱物質(a)を含む吸熱性粒子(A)、水溶性発熱物質(b)を含む発熱性粒子(B)及び界面活性剤を含有する洗剤組成物であって、
前記吸熱性粒子(A)と前記発熱性粒子(B)の質量比〔(A)/(B)〕が0.05〜4になるように含有されている洗剤組成物。
2.前記水溶性吸熱物質(a)が、塩化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム5水和物、硫酸アンモニウムから選ばれるもので、前記水溶性発熱物質(b)が、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムから選ばれるものである、請求項1記載の洗剤組成物。
3.前記吸熱性粒子(A)の平均粒径が1〜1200μmで、前記発熱性粒子(B)の平均粒径が1〜1200μmである、請求項1又は2記載の洗剤組成物。
4.前記発熱性粒子(B)が、前記水溶性発熱物質(b)と少なくとも界面活性剤を含むものである、請求項1〜3のいずれか1項記載の洗剤組成物。
5.請求項1〜4のいずれか1項記載の洗剤組成物の製造方法であって、
水溶性発熱物質(b)と必要に応じて配合される他の成分からなるスラリーを得る工程、
前記スラリーを噴霧乾燥してベース粒子を得る工程、
前記ベース粒子に界面活性剤を担持させ、発熱性粒子(B)を得る工程、
前記吸熱性粒子(A)と前記発熱性粒子(B)を混合する工程、
を有している製造方法。
6.前記他の成分が、水不溶性無機物、水溶性ポリマー、水溶性塩類を含むものである、請求項5記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の洗剤組成物は、5℃以下の低水温における溶解性及び分散性が良く、衣類に対して高い洗浄力を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<洗剤組成物>
本発明の洗剤組成物は、水溶性吸熱物質(a)を含む吸熱性粒子(A)、水溶性発熱物質(b)を含む発熱性粒子(B)及び界面活性剤、更に必要に応じて他の成分を混合して得ることができるものである。
【0010】
本発明の洗浄剤組成物は、界面活性剤と他の成分を、吸熱性粒子(A)及び発熱性粒子(B)の一方又は両方と共に粒子形態にした後、吸熱性粒子(A)と発熱性粒子(B)を混合したものでもよい。
【0011】
以下においては、水溶性吸熱物質(a)を含む吸熱性粒子(A)と、水溶性発熱物質(b)と界面活性剤を含む発熱性粒子(B)、更に必要に応じて他の成分を含む実施形態について説明する。
【0012】
〔水溶性吸熱物質(a)を含む吸熱性粒子(A)〕
吸熱性粒子(A)は、水溶性吸熱物質(a)と必要に応じて他の成分を含むものである。
【0013】
水溶性吸熱物質(a)は、水への溶解熱が1〜120kJ/molであり、好ましくは1〜80kJ/mol、より好ましく3〜50kJ/molの範囲にあるものである。
【0014】
水溶性吸熱物質(a)としては、無機塩、糖類、アミノ酸、尿素等が挙げられる。具体的には、塩化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム5水和物、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム10水和物、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、尿素、タウリン、グリシン等が挙げられる。それらの中でも、塩化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム5水和物、硫酸アンモニウム等の塩化物、チオ硫酸塩、アンモニウム塩が好ましい。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
水溶性吸熱物質(a)と共に含有してもよい他の成分としては、界面活性剤、水不溶性無機物、水溶性ポリマー、水溶性塩類、衣料用洗剤の分野で通常使用されるビルダー、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース)酵素、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)、高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノシリケート、香料、柔軟洗浄剤複合粒子(粘土鉱物)等を挙げることができる。
【0016】
吸熱性粒子(A)は、発熱性粒子(B)との混合性や洗濯浴への溶解性の観点から、平均粒径は1〜1200μmが好ましく、150〜500μmがより好ましく、150〜450μmが更に好ましく、180〜400μmが特に好ましい。平均粒径は、実施例に記載の方法で測定される。
【0017】
〔水溶性発熱物質(b)を含む発熱性粒子(B)〕
発熱性粒子(B)は、水溶性発熱物質(b)と必要に応じて他の成分を含むものである。発熱性粒子(B)は、全体として発熱性を示すものであるから、水溶性吸熱物質(a)を含有していても全体として発熱性を示すものであれば発熱性粒子(B)に含まれる。例えば、水溶性吸熱物質(a)が、粒状混合以外の方法、例えば他の成分とスラリー配合し、噴霧乾燥して得られた粒子であるとき、それを水に溶解したとき、粒子全体が発熱性を示す粒子は、発熱性粒子(B)とする。
【0018】
水溶性発熱物質(b)は、水への溶解熱が−150〜−1kJ/mol、好ましくは−120〜−10kJ/mol、より好ましくは−90〜−20(kJ/mol)の範囲にあるものである。
【0019】
水溶性発熱物質(b)としては、発熱性の洗剤粒子、炭酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、塩酸塩又はリン酸塩等のアルカリ金属塩、結晶性シリケート等のシリケート化合物、アンモニウム塩、又はアミン塩等の水溶性無機塩類、クエン酸塩やフマル酸塩等の低分子量の水溶性有機酸塩が挙げられる。それらの中でも、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の炭酸塩、チオ硫酸塩といった無機塩粒子、発熱性の洗剤粒子が好ましい。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】
例えば、上記した発熱性の洗剤粒子は、陰イオン界面活性剤の酸前駆体と固体のアルカリ粒子で中和反応を行うドライ中和法で得られる固体状のアニオン界面活性剤中和物である。ドライ中和法を用いる場合、噴霧乾燥工程が必要ないので設備がコンパクトになるという利点がある。ドライ中和の際の中和方法は、特に限定されず、捏和/混練により中和を行い、その後に破砕造粒しても良いし、攪拌造粒機において剪断力を加えながら中和反応を行っても良い。
【0021】
発熱性粒子(B)は、吸熱性粒子(A)との混合性や洗濯浴への溶解性の観点から、平均粒径は1〜1200μmが好ましく、150〜500μmがより好ましく、150〜450μmが更に好ましく、180〜400μmが特に好ましい。平均粒径は、実施例に記載の方法で測定される。
【0022】
発熱性粒子(B)において、界面活性剤、更に水溶性発熱物質(b)と共に含有してもよい他の成分としては、水不溶性無機物、水溶性ポリマー、水溶性塩類、衣料用洗剤の分野で通常使用されるビルダー、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、酵素、還元剤(チオ硫酸塩や亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)、高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノシリケート、香料、柔軟洗浄剤複合粒子(粘土鉱物)等を挙げることができる。これらの中でも、洗浄性能及び製造適性の観点から、界面活性剤、水難溶性無機物、水溶性ポリマー、水溶性塩類を含有していることが好ましい。
【0023】
本発明においては界面渇活性剤が用いられる。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び陽イオン界面活性剤が挙げられる。
【0024】
陰イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコール若しくはそのエトキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩若しくはそのエステル塩、脂肪酸塩等が挙げられる。特に、アルキル鎖の炭素数が10〜18(好ましくは12〜14)の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数が10〜20のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩が好ましい。塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニア塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0025】
非イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコールのエチレンオキシド(以下「EO」という)付加物、若しくはEO/プロピレンオキシド(以下「PO」という)付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド等が挙げられる。特に炭素数が10〜16のアルコールのEO1〜10モル付加物が皮脂汚れの除去、耐硬水性、生分解性の点、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩との相性の点で好ましい。
【0026】
界面活性剤の含有量は、製造性能及び泡立ち性の観点から、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは20〜50質量%である。
【0027】
本発明においては、上記成分以外に一般に水不溶性無機物を用いることができる。水不溶性無機物は、一次粒子の平均粒径が0.1〜20μmであるものが好ましい。水不溶性無機物としては、結晶性又は非晶質のアルミノケイ酸塩、二酸化ケイ素、水和ケイ酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物等が挙げられる。これらのなかでは、金属イオン封鎖能及び界面活性剤の吸油能の観点から、結晶性アルミノケイ酸塩が好ましい。
【0028】
水難溶性無機物の含有量は、粒子強度及び担持力の観点から、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは12〜35質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。
【0029】
その他、好ましい成分として、水溶性ポリマーや塩類を用いることができる。水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類等が挙げられる。これらの中では、金属イオン封鎖能、固体汚れ及び粒子汚れの分散能及び再汚染防止能の観点から、平均分子量が数千〜10万のカルボン酸系ポリマーが好ましく、中でもアクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩及びポリアクリル酸塩がより好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0030】
水溶性ポリマーの含有量は、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは3〜8質量%である。
【0031】
水溶性塩類としては、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、塩酸塩、又はリン酸塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩等の水溶性無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸塩等の低分子量の水溶性有機塩が挙げられる。
【0032】
水溶性塩類の含有量は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%、更に好ましくは25〜65質量%である。
【0033】
〔洗剤組成物が含有してもよい、その他の成分〕
本発明の洗剤組成物には、吸熱性粒子(A)と発熱性粒子(B)のほかに、衣料用洗剤の分野で通常使用されるビルダー、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、酵素、還元剤(チオ硫酸塩や亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)、高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノシリケート、柔軟洗浄剤複合粒子(粘土鉱物)、香料等を含有させることができる。
【0034】
粘土鉱物としては、例えば、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト等)、脆雲母(クリントナイト、マーガライト等)、スーライト、蛇紋石鉱物(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト等)、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等)等が挙げられ、これらの中では、柔軟性能の観点から、タルク、スメクタイト、膨潤性雲母、バーミキュライト、クリソタイル、カオリン鉱物等が好ましく、スメクタイトがより好ましく、モンモリロナイトが更に好ましい。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0035】
組成物中の粘土鉱物の含有量は、柔軟性能及び洗浄性能の観点から4〜18質量%が好ましく、5〜16質量%がより好ましく、6〜15質量%が更に好ましく、7〜14質量%が特に好ましい。
【0036】
本発明の洗剤組成物は、保存安定性の観点から、水分量は10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
【0037】
本発明の洗剤組成物は、吸熱性粒子(A)と発熱性粒子(B)の質量比〔(A)/(B)〕が0.05〜4になるように含有されており、前記質量比は、好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.2〜1.5である。
【0038】
<洗剤組成物の製造方法>
(1)第1の製造方法
本発明の洗剤組成物は、吸熱性粒子(A)、発熱性粒子(B)、界面活性剤、更に必要に応じて他の成分を混合して得ることができる。
前記混合方法としては、吸熱性粒子(A)と発熱性粒子(B)は、ドラムミキサー、リボンミキサー、レディゲミキサー、ハイスピードミキサー、シュギミキサー、等の攪拌羽を備えたミキサー、流動層造粒機、粉粒層造粒機等の流動型ミキサー、ドラムミキサー、V型ミキサー皿型造粒機等の転動型造粒機等が使用できる。またベルトコンベア、空気輸送官で混合する方法も使用できる。
【0039】
(2)第2の製造方法
また、本発明の洗剤組成物は、下記の各工程を有する製造方法によっても、得ることができる。以下、工程ごとに説明する。
【0040】
まず、最初の工程にて、水溶性発熱物質(b)と、界面活性剤を除く他の成分の合計量100質量部に対して、約45〜55質量部の水を添加してスラリーを得る。
【0041】
次の工程にて、前工程で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース粒子を得る。なお、本工程では、噴霧乾燥して得られた嵩密度の低い粒子に対して、さらに攪拌造粒法、転動造粒法を適用して高嵩密度化する方法や、連続ニーダーを用いて混和・押出し法により造粒する方法等を付加することもできる。
【0042】
また、噴霧乾燥法に代えて、混和・押出し法を適用して造粒することもできるが、その場合には、押出し後に粉砕を行うことが、粒子の流動性や外観上の改善のために好ましい。
【0043】
次の工程にて、前工程で得られたベース粒子に界面活性剤又は必要に応じて添加する他の成分を担持させ、発熱性粒子(B)を得る。ベース粒子に界面活性剤を担持させる方法は特に制限されるものではなく、例えば、ベース粒子と液状の界面活性剤(1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい)を回分式や連続式の混合機に投入する方法を適用できる。
【0044】
このような第2の製造方法で得られた発熱性粒子(B)は、ペースト化による溶解遅延の防止及び発熱性粒子(B)自体の溶解性の観点から、平均粒径は上記した範囲内が好ましい。
【0045】
次の工程にて、吸熱性粒子(A)と前工程で得られた発熱性粒子(B)を混合して、洗剤組成物を得る。なお、洗剤組成物の流動性及び非ケーキング性を改善する観点から、無機微粉等の改質剤を混合して表面改質を行ってもよい。この場合の改質剤の平均粒径は、0.1〜20μmであることが好ましい。
【0046】
表面改質剤としては、例えば、アルミノケイ酸塩、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイト、タルク、クレイ、非晶質シリカ誘導体、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物及び水溶性発熱物質(b)、金属石鹸、粉末の界面活性剤等の微粉体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩等のポリカルボン酸塩等の水溶性ポリマー及び脂肪酸が挙げられる。脂肪酸を添加する場合、洗剤組成物中のアルカリ成分により中和され、石鹸となることが好ましい。
【0047】
なお、第2の製造方法で得られた発熱性粒子(B)の構造は、水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類が発熱性粒子(B)の内部よりも表面近傍に多く存在している構造となり得る。このような偏在性を示す発熱性粒子(B)は、水中で表面近傍の水溶性成分が速やかに溶解し、それにより発熱性粒子(B)表面からの崩壊を促進するという溶解挙動を示す。そのため、発熱性粒子(B)により、高速溶解性が発現され、溶解性に優れた洗剤粒子群を得ることができる。
【0048】
発熱性粒子(B)の構造の偏在性は、次の方法で確認することができる。まず、測定対象の発熱性粒子(B)と、発熱性粒子(B)をメノウ乳鉢等で十分に粉砕して均一な状態とした発熱性粒子(B)粉砕物とを用意する。そして、発熱性粒子(B)の表面から約10μmまでの深さにおける情報が得られる条件で、両方をそれぞれフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)と光音響分光法(PAS)とを併用する方法(「FT−IR/PAS」という。)により、発熱性粒子(B)の構造の偏在性の確認を行うことができる。これは、アプライド・スペクトロスコピー(APPLIED SPECTROSCOPY)vol.47 、1311-1316(1993) に記載のとおり、発熱性粒子(B)の表面から深さ方向における物質の分布状態を解析する方法である。
【0049】
偏在構造を保持した状態で測定した場合の水不溶性無機塩の特性ピークに対する相対面積強度は、粉砕して均一な状態として測定した場合の水不溶性無機塩の特性ピークに対する相対面積強度に対してその比を求めると、水溶性塩類に関しては好ましくは1.1以上、より好ましくは1.3以上であり、水溶性ポリマーについては好ましくは1.3以上、より好ましくは1.5以上である。
【0050】
好ましい発熱性粒子(B)は、水に溶解する過程で、平均粒径の1/10以上の径の気泡を粒子内部から放出し得るものである。このような発熱性粒子(B)は、水に溶解する過程で、まず、粒子内部に少量の水が浸入すると粒子内部から所定の大きさの気泡を放出し、次いで、該粒子内部に大量の水が浸入することによって粒子自体が崩壊(粒子の自己崩壊)し、表面近傍からの溶解のみならず、粒子内部からの溶解及び崩壊が起こる。
【0051】
このような溶解挙動は、気泡放出性の洗剤粒子を水に溶解したときに、発熱性粒子(B)の平均粒径の好ましくは1/10以上、より好ましくは1/5以上、更に好ましくは1/4以上、特に好ましくは1/3以上の直径の気泡(以下、所定の大きさの気泡という)を放出する現象として、デジタルマイクロスコープや光学顕微鏡等で確認することができる。なお、発熱性粒子(B)を水に静置状態にて溶解させてから所定の大きさの気泡が発生するまでの時間は、120秒間以内が好ましく、60秒間以内がより好ましく、45秒間以内が更に好ましい。
【0052】
発熱性粒子(B)は、溶解性の観点から、洗剤組成物中に60質量%以上含有されていることが好ましく、80質量%以上含有されていることがより好ましい。
【0053】
気泡径は、次のようにして測定する。ガラスシャーレ(内径50mm)の底面中心部に両面テープを装着する。発熱性粒子(B)を両面テープ上に付着させた後、デジタルマイクロスコープを用いて得られる画像から個々の発熱性粒子(B)の粒子についての円相当径(μm)を測定する。デジタルマイクロスコープとしては、例えば、KEYENCE社製、商品名:VH−6300を用いることができる。
【0054】
続いてガラスシャーレに20℃のイオン交換水5mLを注入し、測定対象の個々の粒子についての溶解挙動を観察する。粒子内部から気泡が放出される場合、気泡が粒子から離脱する瞬間の画像から気泡の円相当径(αμm)を測定する。なお、粒子内部から複数個の気泡が放出される場合には、それぞれの気泡について測定した円相当径の最大値をβμmとする。粒子の平均粒径に対する気泡径の比(β/α)をそれぞれの粒子について求める。
【0055】
好ましい気泡放出洗剤粒子では、該粒子の内部に洗剤粒子群の平均粒径の1/10〜4/5、好ましくは1/5〜4/5の径の気孔が存在することが好ましい。
【0056】
気孔径は、次のようにして測定することができる。選択された粒子を壊さないようにメス等で最大粒径を含む面で切断する。切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、切断粒子の切断面の円相当径(粒径)(γμm)及び粒子内部で気孔の存在が確認された場合には気孔の円相当径(気孔径)(δμm)を測定する。なお、複数個の気孔が確認される場合には、その中で最も大きい気孔についての円相当径をδμmmとする。そして粒径に対する気孔径の比(δ/γ)を求める。
【0057】
本発明の洗剤組成物は、水溶性吸熱物質(a)を含む吸熱性粒子(A)、水溶性発熱物質(b)を含む発熱性粒子(B)を含有しており、水溶性吸熱物質(a)と水溶性発熱物質(b)を所定比率で含有している。このため、洗剤組成物が塊状で低水温(10℃以下又は5℃以下)の洗濯浴中に投入された場合、又は洗剤組成物が塊状で投入された後、低水温(10℃以下又は5℃以下)の水が注水された場合であっても、洗剤組成物に含まれている成分の溶け残りがほとんどなく、含有成分どおりの高い洗浄力を発揮できる。このような作用がなされる理由は、次のとおりであると考えられる。
【0058】
例えば、従来技術の洗剤では、5℃の冷水と塊状の洗剤が接触したとき、炭酸ナトリウム等の水溶性無機塩が水に融解し、融解熱により発熱するため、一時的に洗剤成分の融解が促進される。しかし、冷水との接触部分が急冷される結果、塊の表面に水和結晶の連続層が形成されてしまい、内部への水の浸透が妨げられる。このため、やがて内部も冷却される結果、洗剤の溶け残りが発生することになると考えられる。
【0059】
一方、本発明の洗剤組成物では、例えば、5℃の冷水と塊状の洗剤組成物が接触したとき、吸熱性粒子(A)と発熱性粒子(B)の共同作用により、融解熱が抑制される結果、塊の表面に水和結晶の連続層が形成されることが抑制される。このため、塊内部にまで容易に水が浸透されることになり、溶け残りの発生が減少し、本来の洗剤成分による高い洗浄力が発揮される、と考えられる。
【0060】
なお、上記した第2の製造方法を適用して得られた洗剤組成物は、特に発熱性粒子(B)の崩壊性が良いため、より顕著に上記作用が発揮されることになり好ましい。
【実施例】
【0061】
(発熱性粒子(B)の製造)
攪拌翼を有した混合槽に水を加え、水温が55℃に達した後に、塩化ナトリウム(やき塩、日本製塩製)、硫酸ナトリウム、を添加した。これを15分間攪拌した後に、炭酸ナトリウムを添加し、添加終了後にポリアクリル酸ナトリウム水溶液〔平均分子量1.5万、花王(株)製〕を添加した。これを更に15分間攪拌した後に、ゼオライト〔東ソー(株)製、商品名:4A型ゼオライト〕を添加した。これを30分間攪拌してスラリーを得た。このスラリーの最終温度は60℃であった。
【0062】
このスラリーを噴霧乾燥塔に供給し、噴霧圧力2,45MPaで塔頂より噴霧を行うことにより、ベース顆粒群1を調製した。得られたベース顆粒群1の組成は、塩化ナトリウム8質量%、ポリアクリル酸ナトリウム12質量%、炭酸ナトリウム28質量%、硫酸ナトリウム26質量%、ゼオライト26質量%で構成されていた。
【0063】
次に、ベース顆粒群1に界面活性剤等を添加することにより、洗剤粒子群を得た。即ち、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール及び水からなる70℃の活性剤混合液を調製した。組成は、非イオン界面活性剤39質量%、陰イオン界面活性剤46質量%、ポリエチレングリコール2質量%及び水13質量%で構成されていた。
【0064】
次に、レディゲミキサー〔松阪技研(株)製、容量20L、ジャケット付き〕に上記ベース顆粒群1を36質量部投入し、主軸(100rpm)の攪拌を開始した。そこに、上記活性剤混合液20質量部を3分間で投入し、5分間攪拌を行った。更に、このミキサーにパルミチン酸〔花王(株)製、商品名:ルナックP−95〕1質量部を30秒間で添加し、その後3分間攪拌を行った。更にこのミキサーに結晶性シリケート2質量部、ソーダ灰24質量部とゼオライト12質量部、を投入し、表面被覆を行い、目開き1180μmの篩を用いて洗剤粒子群を分級し、1180μm未満の粒径の洗剤粒子群を得た。
【0065】
次に、この洗剤粒子群にゼオライト5質量部、香料0.4質量部、及び酵素0.4質量部(花王(株)製、商品名:セルラーゼK、ノボ社製、商品名:カンナーゼ24TK、ノボ社製、商品名:サビナーゼ6.0Tを3:1:2の質量比で使用)をロータリーキルンでアフターブレンドを行い、目開き2000μmの篩を用いて洗剤粒子群を分級し、2000μm未満の粒径の洗剤粒子群を得た。これを発熱性粒子(B)とした。
【0066】
(平均粒径の測定)
JIS Z 8801に規定の篩を用いて求めた。即ち目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μmである9段の篩と受け皿を用いて、ロータップマシン(HEIKO SEISAKUSHO製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を10分間振動して篩い分けを行った後、受け皿、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの順番に受け皿及び各篩い上に重量頻度を積算していくと、積算の重量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、またaμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとしたとき、受け皿からaμmの篩までの重量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の重量頻度をd%とした場合、(平均粒径)=10を下記式から求めた。
【0067】
【数1】

【0068】
【表1】

表1に示す粒子は、水溶性吸熱物質(a)である塩化ナトリウムが配合されているが、全体として発熱性を示すものであるから、発熱性粒子(B)となる。
・LAS−Na:アルキル基の炭素数12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・非イオン界面活性剤:炭素数12〜14の1級アルコールにEOを平均12モル付加させたもの
・脂肪酸Na:アルキル基の炭素数が10〜18の脂肪酸ナトリウム
・ゼオライト:4A型ゼオライト(ゼオビルダー)
・炭酸ナトリウム:水溶性発熱物質(b)
・結晶性シリケート:「プリフィード顆粒品」(株式会社トクヤマシルテック製)
・AAポリマー:ポリアクリル酸(平均分子量1.5万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
・PEG:ポリエチレングリコール(平均重量分子量10,000)
・酵素:プロテアーゼ造粒物:花王社製「KAP」・セルラーゼ造粒物:花王社製「KAC」。
【0069】
実施例及び比較例
表2に示す吸熱性粒子(A)と発熱性粒子(B)を、ユニパックF袋を用い、15秒間、手でブレンドして、洗剤組成物を得た。得られた組成物について、下記の各試験をした。
【0070】
(1)組成物の低温溶解性−1(ペースト形成性、ペースト残留率)
松下電器産業製洗濯機「愛妻号 NA−F42Y1」のパルセータの6分割された扇状の窪みの1つの外周の近くに、表1、表2の洗剤組成物17.5gを集合状態で置いた。
次に、洗剤組成物に直接水が当らないようにして、10L/minの流量で5℃の水道水22Lを注水し、注水終了後に静置した。
注水終了後から5分後、弱水流(手洗いモード)で攪拌を開始し、3分間攪拌した後に排水し、洗濯槽に残留する洗剤の状態を下記の評価基準によって判定した。下記記載の「残留粒子面積」とは、残留した洗剤粒子を底が平らな容器内に敷き詰めた場合の合計面積をいう。
〔ペースト形成性の評価基準〕
◎:凝集物がない、もしくは視認できない。
○:凝集物が殆どない(残留粒子面積25mm以内)。
△:凝集物が少量残留している(残留粒子面積25mmを超えて100mm以内)。
×:凝集物が多量に残留している(残留粒子面積100mmを超える)
〔ペースト残留率〕
下記式から、ペースト残留率を求めた。
ペースト残留率(%)=(投入時の組成物の質量−残留した組成物の質量)/投入時の組成物の質量×100
【0071】
(2)組成物の低温溶解性−2(ペースト強度)
内径5cm、高さ1.4cmのシャーレに表3に示す洗剤組成物17.5gを精密天秤で秤量し、シャーレに入れた。シャーレ内の組成物表面を、別のシャーレ(内径4.5cm,質量20g)の底で平滑化した。
次に、縦19cm、横23.5cm、高さ3.5cmのステンレス製のパットの中央付近に、組成物を入れたシャーレを置いた。
次に、ステンレスパットに5℃の交換水1Lを、シャーレ内に入らないように静かに注ぎ入れ、5分間静置した。
5分後、組成物の入ったシャーレを取り出し、レオテック社製のレオメータで、レオテック社製の専用アダプターの歯形押し棒Aを用いて、シャーレ内の組成物の表面から1cm進入させ、そのときのときの進入強度をペースト強度とした。
〔評価基準〕
◎:ペースト強度が100g未満は
○:ペースト強度が100g以上〜120g未満
△:ペースト強度が120g以上〜150g未満
×:ペースト強度が150g以上
【0072】
(3)水の浸透性試験
縦19cm、横23.5cm、高さ3.5cmのステンレス製パットの中央付近の底にステンレス製200メッシュを敷き、その上に、内径0.5cmのガラス管の開口面が200メッシュに対して垂直となるように立て、スタンドで固定した。そのガラス管に秤量した組成物1gを充填した。パット内に5℃の交換水を注ぎ込み、5分後のガラス管内における水の浸透距離を測定し、下記式から冷水の浸透率を求めた。冷水の浸透率を下記評価基準により評価した。
冷水の浸透率=
(発熱性粒子(B)の冷水の浸透距離−混合粒子(A)・(B)の冷水の浸透距離)/発熱性粒子(B)の冷水の浸透距離×100
◎:冷水の浸透率が10%以上
○:冷水の浸透率が5%以上〜10%未満
△:冷水の浸透率が1%以上〜5%未満
×:冷水の浸透率が0%以下
【0073】
(4)湿潤発熱量の測定(発熱性粒子(B)に対する組成物の温度降下率)
室温(25℃)で、内径5cm、高さ1.4cmのシャーレに表3に示す洗剤組成物17.5gを精密天秤で秤量し、シャーレに入れた。シャーレ内の組成物表面を、別のシャーレ(内径4.5cm,質量20g)の底で平滑化した。
次に、縦19cm、横23.5cm、高さ3.5cmのステンレス製のパットの中央付近に、組成物を入れたシャーレを置いた。
次に、熱伝対式デジタル温度計の熱伝対部を、組成物が入ったシャーレの中央部分に立てスタンドで動かないように固定した。しばらく温度を測定し、組成物の温度が一定になった所をt1とする。
次に、ステンレスパットに5℃のイオン交換水1Lを、シャーレ内の組成物に飛び散らないように静かに注ぎ入れ、シャーレ内にもイオン交換水が入るまで注水して、シャーレ内の組成物を5℃の交換水で湿潤させた。
シャーレ内の組成物の最高温度変化を測定し、これを最大温度t2とし、水和反応によって生じた最大温度を求めた。組成物と発熱性粒子(B)の最大温度の差を、発熱性粒子(B)の最大温度で商した値を温度降下率とした。温度降下率を下記評価基準により評価した。
発熱性粒子(B)に対する組成物の温度降下率(%)=(発熱性粒子(B)の湿潤後の最大温度−混合粒子(A)・(B)の湿潤後の最大温度)/発熱性粒子(B)の湿潤後の最大温度×100
〔評価基準〕
◎:発熱性粒子(B)に対する組成物の温度降下率が25%以上
○:発熱性粒子(B)に対する組成物の温度降下率が10%以上〜25%未満
△:発熱性粒子(B)に対する組成物の温度降下率が1%以上〜10%未満
×:発熱性粒子(B)に対する組成物の温度降下率が0%以下
【0074】
【表2】

【0075】
吸熱性粒子(A)
・塩化ナトリウム(キシダ化学製 試薬),溶解熱3.883(kJ/mol),平均粒径575μm
・チオ硫酸ナトリウム5水和物(関東化学製試薬),溶解熱47.3(kJ/mol),平均粒径912μm
硫酸アンモニウム(和光純薬製試薬),溶解熱6.57(kJ/mol),平均粒径478μm
発熱性粒子(B)
・無水炭酸ナトリウム(和光純薬製試薬),溶解熱−26.7(kJ/mol),平均粒径436μm
・製造例1の粒子:平均粒径250〜350μm,潤発熱温度Δt5℃〜10℃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性吸熱物質(a)を含む吸熱性粒子(A)、水溶性発熱物質(b)を含む発熱性粒子(B)及び界面活性剤を含有する洗剤組成物であって、
前記吸熱性粒子(A)と前記発熱性粒子(B)の質量比〔(A)/(B)〕が0.05〜4になるように含有されている洗剤組成物。
【請求項2】
前記水溶性吸熱物質(a)が、塩化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム5水和物、硫酸アンモニウムから選ばれるもので、前記水溶性発熱物質(b)が、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムから選ばれるものである、請求項1記載の洗剤組成物。
【請求項3】
前記吸熱性粒子(A)の平均粒径が1〜1200μmで、前記発熱性粒子(B)の平均粒径が1〜1200μmである、請求項1又は2記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記発熱性粒子(B)が、前記水溶性発熱物質(b)と少なくとも界面活性剤を含むものである、請求項1〜3のいずれか1項記載の洗剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の洗剤組成物の製造方法であって、
水溶性発熱物質(b)と必要に応じて配合される他の成分からなるスラリーを得る工程、
前記スラリーを噴霧乾燥してベース粒子を得る工程、
前記ベース粒子に界面活性剤を担持させ、発熱性粒子(B)を得る工程、
前記吸熱性粒子(A)と前記発熱性粒子(B)を混合する工程、
を有している製造方法。
【請求項6】
前記他の成分が、水不溶性無機物、水溶性ポリマー、水溶性塩類を含むものである、請求項5記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−161606(P2009−161606A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340069(P2007−340069)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】