洗浄及び/又は排液用装置
本発明は、洗浄及び/又は排液用装置に関し、装置は、その装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であって、前記ウエハは、ろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を囲む、開口を設けることができる、身体側面部材と、可撓性材料から成る壁であって、壁は後方壁と前方壁を具備し、後方壁はウエハに取り付けられ且つ浄化される皮膚の表面領域を囲むに適した開口部を有し、前方壁は取り外し可能な連結と封止が連結手段に適合するようになっている連結フランジを具備する、壁と、膨張されたとき、接着ウエハと連結フランジとの間に距離を提供する、密閉チャンバ、を具備している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オストミ、フィスチュラ、創傷又は排液部位治療用装置に関する。本発明はさらに、そのような収集デバイスの使用を容易にする手段に関する。
【背景技術】
【0002】
オストミ、フィスチュラ及び創傷の治療において、収集バッグを具備する装置を使用できる。装置は、皮膚部位を検査する、清潔にする及び/又は治療するためのアクセス開口部を有することが好ましい。装置は、皮膚に固定され、またろう孔、フィスチュラ又は創傷を受け入れるための開口部を供える接着ウエハの形の身体側面部材を具備できる。入口と出口など洗浄及び/又は排液用の手段を任意に備える収集バックが、ウエハに取り付けられる。さらに、バッグには、ふたで閉鎖できる窓の形のアクセス開口部を設けることができる。ろう孔、創傷又はフィスチュラを含む皮膚部位を清潔にする又は濯ぐとき、ふたは取り外され、そして部位を検査又は治療できる。そのような装置に関する問題は、ふたが取り外されるときと部位の治療の際に、体液及び排泄物が収集バッグから外へ出ないようにすることである。
【0003】
装置は、一般に平坦且つほぼ二次元であるので、装置が、より広い皮膚部位及び湾曲した又は突出する身体部分に用いられるときに特に問題が生ずる。そのような状態でバッグからの液体の漏出を阻止することは困難である。問題を解決する試みがなされてきた。
【0004】
米国特許第4,778,446号明細書は、接着ウエハに取り付けられる、硬質又は半硬質円筒型中空開放端カラーを具備する洗浄及び/又は排液用デバイスを開示している。ふたを皮膚と向き合わないカラーの端部上に取り付けできる。ふたが創傷部位に接触しないようにするために、カラーは、やや固く/硬くなければならない。身体の外形と皮膚の移動に追随するために、カラーと接着ウエハとの間には可撓性が必要とされ、これは、カラーとウエハとの間にアコーディオン状部分を有することにより達成される。デバイスは、嵩張っていて、また固いこととアコーディオン状部分が適所にとどまるように手で持ち上げられ且つ保持される必要があるため快適にできない。カラーを閉鎖しまたデバイス全体を膨張することは、アコーディオン状部分も持ち上げる。しかしながら、開放され且つ圧力が降下する場合にデバイスが折り畳むとき、創傷部位にそのとき直接アクセスすることは不可能である。そのとき創傷へはチューブ等を使用してのみ間接的にアクセスされる。
【0005】
米国特許第4,419,100号明細書には、ウエハとアクセス開口部との間の可撓性材料の壁の存在により接着ウエハとアクセス開口部との間に距離を提供できる、オストミ収集バッグが開示されている。ウエハとアクセス開口部との間にユーザの一つ以上の指を挿し込むことにより、二つの部分は互いに対して一定移動され、壁は、直立状態まで持ち上げられて、二つの部分の間に所望の距離を作り出している。しかしながら、持ち上げ状態は、ユーザの手によってのみ維持され、手を放すとすぐに構造物は折り畳まれ且つ初めのほぼ平坦な状態に戻る。
【0006】
米国特許第6,093,160号明細書と第6,110,197号明細書は、皮膚に付着するための接着ウエハと支持部材を具備し、好ましくはリング形発泡体クッション状の創傷治療装置を開示している。支持部材は、一方の表面に接着ウエハを取り付けられ、また反対側の表面にふたを取り付けるための手段を備えるアクセス開口部を提供される。支持部材は、ふたと創傷部位との間に一定の距離を提供して、創傷を保護し且つ創傷を清潔にし、ふたの制御を容易にしている。支持部材は、常に隆起部分を提供し、また構造がやや固いときは、より大きな創傷及び/又は湾曲した又は突出する身体部分の用途には適さない。
【0007】
米国特許第3,902,496号明細書は、薄いプラスチック材料から作製され、且つ、ろう孔用入口の両側に配置されて使用中に、ろう孔を保護するガス又は発泡体で満たされたプラスチック製クッションを具備する、医療用排液装置を開示している。クッションはバッグの内側に取り付けられ、恒常的に膨張され/発泡体で満たされて、ガス/発泡体の量は使用の際には調整できない。バッグは、窓を持たずに閉鎖され、またクッションは、ろう孔を保護するために、ろう孔のすぐ隣に置かれる。
【0008】
米国特許第5,667,502号明細書には、人工肛門用収集バッグが開示されていて、前記バッグは、所望の水準まで膨張できて人工肛門を保護する膨張可能なクッションを具備している。クッションは、ろう孔の一部の上方と周囲に取り付けられる半円の形であることが好ましい。クッションは、バッグの内側に取り付けられる。
【0009】
前述の参照文献のどれも、人の補助なしに直立でき且つ直立状態を維持でき、また所望するとき折り畳むことができる、漏出に対する障壁を具備する洗浄及び/又は排液用装置の提供の問題を解決しない。
【0010】
従って、装置の内側の液体を収集するための安定な直立壁を備え、またさらにアクセス開口部と接着ウエハに可撓性を提供し互いにほぼ無関係に操作し、ふたの用途を容易にすることができる、皮膚部位を浄化するための装置を提供するためのニーズは依然ある。
【発明の開示】
【0011】
漏出の危険性なしに部位に付き添いできる創傷洗浄及び排液用装置を提供することが、本発明の目的である。
【0012】
部位にアクセスするとき、隆起壁を備えることができる、皮膚部位を浄化する装置を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0013】
提供することにより、デバイスのアクセス開口部と身体側面部材が互いに一層無関係に作動できる、装置の応力が低減される装置を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0014】
さらに、ふたを用いる際にアクセス開口部の連結手段をほぼ平坦にできる装置を提供することが本発明の目的である。
【0015】
さらに別の目的は、直立状態の壁を安定化し且つ同時に連結フランジが接着ウエハとほぼ無関係に移動できることを容易にする手段を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、壁を、安定で、ほぼ直立状態まで隆起でき、且つ所望するようにほぼ平坦状態まで折り畳みできる装置を提供することである。
【0017】
本発明は図面を参照してより詳細に開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、洗浄及び/又は排液用装置に関し、装置は、装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であって、前記ウエハは、ろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を囲む開口を設けることができる、身体側面部材と、可撓性材料から成る壁であって、壁は後方壁と前方壁を具備し、後方壁はウエハに取り付けられ且つ浄化される皮膚の表面領域を囲むために適した開口部を有し、前方壁は取り外し可能な連結と封止が連結手段に適合するようになっている連結フランジを設けられ、壁と身体側面部材は液体貯蔵部を画成する、壁と、液体貯蔵部から離れている、密閉チャンバであって、前記チャンバは膨張されとき、接着ウエハと連結フランジとの間に距離を提供する、密閉チャンバ、を具備している。
【0019】
密閉チャンバが膨張されないとき、壁は折り畳まれ、また装置は、ほぼ平坦且つ二次元であり、また貯蔵の際と身体部分に用いられるときには不必要な空間を占有しない。創傷又はフィスチュラが検査、清潔化又は他の処理を必要とするとき、密閉チャンバを膨張できて、装置の壁を持ち上げ且つフランジとウエハとの間に距離を作り出している。直立壁とウエハは従って液体貯蔵部を画成できる。隆起した壁は、濯ぎ処理の際に飛散と漏出の危険性を低減する。浄化/検査を終了するとき、ふたを付けることができ、またチャンバを再び収縮でき、装置をその元の平坦な形状に戻している。あるいは、チャンバを常に膨張したままにできて、フィスチュラ又は創傷の周囲に緩衝ゾーンを作り出している。
【0020】
密閉チャンバは、壁の一部にでき又は壁に接続できる、また、空気と液体が液体貯蔵部から密に隔てられている区切られた容積を構成する。密閉チャンバは、液体貯蔵部に収容できる、つまり、液体貯蔵部の内又は外壁に沿ってバルーンの形になっている、又は壁の一部であるが、チャンバは、装置の開口部を通して創傷又はフィスチュラに直接にアクセスできるように設計される。
【0021】
密閉チャンバは、例えば円形又は楕円形リング又は、馬蹄形など開放リングの形になっている装置の壁の周辺の主要部分に付随していることが好ましい。チャンバは、液体貯蔵部の壁の内側に設置できる、又はチャンバは、壁の外側に設置できる。チャンバが液体貯蔵部の空間を占有するかもしれず、また汚染物質を蓄積できる望まない隅部を作り出すかもしれないとき、壁の外側にチャンバを有することが好ましい。液体貯蔵部は、チャンバが膨張されるとき開口部を通してアクセス可能である。従来技術は、液体貯蔵部自体が膨張される装置を示している。この解決法は、液体貯蔵部は閉鎖系を介してのみ付き添いできるという欠点にさらされる、それはさもなければ液体貯蔵部が開放される場合液体貯蔵部が折り畳まれるためである。本発明の装置において、密閉チャンバは、液体貯蔵部から離され、それ故に液体貯蔵部とは無関係に膨張でき、また装置の壁は従って液体貯蔵部を膨張することなしに直立できる。
【0022】
ガス又は液体などのいずれか適当な流体は、チャンバを膨張できる。本発明の一実施形態では、流体はゲルである。チャンバは、空気により膨張されることが好ましい。閉鎖チャンバを、可撓性になっていて且つガス及び/又は液体を引き留めできるいずれか適当な材料から用意できる。チャンバを、チューブ状構造から用意されるチューブの形にできる、又はチャンバを、一緒に封止されて膨張可能なチャンバを提供する一つ以上のシートの形にできる。チャンバ用に選択された材料は可撓性であるが、二つの要素を好ましい安定な距離に支持し保持するに十分に硬くあるべきである。
【0023】
本発明の一実施形態において、密閉チャンバは壁の一部を構成する。
【0024】
密閉チャンバは、装置の一体化部分にできる。チャンバは、本発明の装置の壁の一部を構成でき、又は壁とはほぼ無関係にできる。チャンバを、一点により又は壁の一部を共有することにより壁に取り付けできる。チャンバの一部を構成できる壁の一部は、壁の50%未満であることが好ましい。チャンバを構成する壁の部分が大きいほど、壁の移動においての従属性が大きくなる。
【0025】
密閉チャンバの高さは、膨張されたとき、十分に直立された壁の高さより小さく、その結果、可撓性の空間を提供することが好ましい。高さは、75%未満が好ましく、60%未満がより好ましく、また50%未満が最も好ましい。
【0026】
チャンバを連結フランジ又は連結フランジに隣接する壁に取り付けでき、あるいはチャンバを接着ウエハ又はウエハに隣接する前方壁に取り付けできる。
【0027】
装置の壁は、後方壁と前方壁を具備する。前方壁と後方壁は、壁が折り畳まれたとき二つの壁が重畳されるように一緒に封止できることが好ましい。しかしながら、前方壁と後方壁は、単一シートとしても用意できて、折り畳まれたとき例えばアコーディオンのように折れ曲っている。この実施形態はしかしながら、成形することが困難であって、二つの接続されたシートを用いる実施形態が好ましい。壁は、シートを使用するときシートが箱形を作り出すように、シートを折り曲げ且つ結合することにより用意できる。フィルムを数回折り曲げる、あるいは多層のフィルムを一緒に成形し又は結合することは、位置上昇の様々な変化に適応できるアコーディオン構造を達成できる。
【0028】
装置の壁は、皮膚部位に付き添うとき持ち上げでき、また壁がユーザにより積極的に支持されず、例えば手により保持されずに、直立されて滞留できることが望まれる。直立壁は、皮膚部位の上方に液体貯蔵部を提供し、皮膚部位の周囲の液体が液体貯蔵部の内部に留まって、漏出とオーバーフローからの不衛生な状態を低減するのを確実にしている。構造は、密閉チャンバのバルーン効果によって依然として可撓性であり且つ発泡体構造ほど硬くはない。
【0029】
連結フランジの上昇は、現在は手動で直立することにより、例えば連結フランジを指で掴み且つ持ち上げて、装置の壁を直立することにより行われる。壁の構造と剛性のみが、すぐに好ましい距離を確保する。壁は、折り畳み従って装置をほぼ平坦な形状に持ち込む傾向を有し、また体液をバッグから抜け出させることができて、衛生問題を作り出している。この問題を回避するために、一人以上の人がケア状態に必要とされ、それは不都合である。この問題に対する解決法は、取り付けられた連結部分に周辺突出プロフィールを有することであり、それは障壁として機能できるが、ふたの形の取り外し可能な連結部分又は収集/排出バッグは、アクセス開口部から取り外される。
【0030】
装置が湾曲した身体部分に用いられた場合、装置は捩りと曲げからの厳しい応力に晒される可能性がある。さらに、壁が持ち上げられたとき、一般に壁よりも硬くなっている連結フランジは、それが接着ウエハに追随する必要がある場合捩れる可能性もある。皮膚からの離脱、患者に対する不快感及びふた又はバッグを連結フランジに取り付けるときの困難をもたらす応力が装置に形成される可能性がある。
【0031】
密閉チャンバは、膨張されたとき、壁の少なくとも一つを支持することが好ましい。
【0032】
本発明の一実施形態において、密閉チャンバは、膨張されたとき、後方壁を支持している。
【0033】
本発明の別の好適な実施形態において、密閉チャンバは、膨張されたとき、前方壁を支持している。
【0034】
収集チャンバの壁の一つを支持する密閉チャンバを有することにより、少なくとも一つの壁を取り外すことができ、また折り畳むことへの一部の抵抗によって、もう一方の壁がある程度取り外された状態に留まるようにして、連結フランジを予定の高さにし、連結フランジへのふたの接続を容易にするように、装置の壁を支持できる。従って、接着ウエハは、身体部分の外形に追随するが、隆起した連結フランジは、ウエハの形状とはほぼ無関係に、より平坦な形状になることができる。
【0035】
密閉チャンバを、接着ウエハの付近又は隣接する接着ウエハ又は壁に接続できる。本発明のこの実施形態では、密閉チャンバは、後方壁を直立させることができる。前方壁は、連結フランジ、より高い剛性及びその元の平坦形状に立ち戻る固有の傾向を有するフランジの影響によりある程度は直立できる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、密閉チャンバは、連結フランジに又はフランジの付近又は隣接の前方壁に接続される。密閉チャンバは、膨張されたとき前方壁を直立させ、また後方壁を十分に又はある程度直立させる。密閉チャンバが、連結フランジの真下に置かれると、フランジの水平化に寄与するが、後方壁は、接着ウエハからの捩りの応力を吸収する緩衝器としての機能を果す。
【0037】
壁は、液体を液体貯蔵部に又は液体貯蔵部から進入させ且つ皮膚部位にアクセスするために、好ましくは入口及び/又は出口開口部の形の開口部を設けることができる。
【0038】
密閉チャンバを、装置の使用の際に膨張且つ収縮できる。従って、チャンバを、皮膚部位に付き添うとき膨張でき、また装置がふた又は収集バッグで閉鎖されるとき収縮できる。しかしながら、所望できるならチャンバを恒久的に膨張されるようにも使用できる。
【0039】
本発明の装置の接着ウエハを、目的のためにそれ自体周知のいずれか適当な皮膚に優しい材料から作製でき、また接着ウエハは、それ自体周知のトップクラスのフィルムも具備できる。皮膚に優しい接着剤は、それ自体周知の、例えば親水コロイド又は使用時間を延長する他の水分吸収構成物質を含んでいる接着剤である、いずれかの皮膚に優しい接着剤である。収集バッグ又はふたを取り付ける連結フランジは、適合する連結リング又は適合するフランジ及び接着表面を具備するそれ自体周知のシステムである。
【0040】
接着ウエハは、ろう孔、フィスチュラ又は創傷の外形に対応する開口を設けられる。ウエハは、患者に合せて調整するようになっている開口を設けることができる。所望する開口の外形の図を、使用前に切断用にウエハにプリントできる。本発明の一実施形態では、ウエハは標準切断開口を設けられる。一般に、装置は、開口なしで供給され、ヘルスケア要員がウエハに注文作製開口を与える機会を残している。
【0041】
本発明は、洗浄及び/又は排液用装置と共に使用する密閉チャンバにも関し、装置は、装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であって、前記ウエハ又はパッドはろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を囲むようにできている、身体側面部材と、可撓性材料から成る壁であって、壁は、ウエハに取り付けられ且つ浄化される皮膚の表面領域を囲むのに適した開口を有する後方壁と、壁の開口/窓を画成する連結フランジを設けられる前方壁を具備し、壁と身体側面部材は液体貯蔵部を画成する、壁を具備していて、液体貯蔵部から離れている密閉チャンバは、流体を充填することにより膨張でき、前記チャンバは、膨張されたとき、接着ウエハと連結フランジとの間に距離を提供する。
【0042】
密閉チャンバを、装置の一体化部分にできる、あるいはそれを、分離ユニットにできる。本発明の一実施形態では、チャンバは、装置から取り外し可能である。
【0043】
密閉チャンバは、壁の外周縁に沿って拡張できる。チャンバは、閉鎖リングの形にできるが、開放リングであることが好ましい。本発明の一実施形態において、開放リングは端部部分を接続するための手段を設けられ、リングの二つの端部部分を互いに取り付けて閉鎖リングを達成できるようにしている。接続手段は、接着剤、フック・アンド・ループファスナ又は機械的ロックなど、それ自体周知のいずれか適当な手段にできる。本発明の別の実施形態において、チャンバは、例えば馬蹄形を有する壁の一部に沿ってのみ拡張できる。
【0044】
密閉チャンバは、流体を充填する又は空にする弁を設けられる。チャンバは、いずれか適当な液体又はガス、特に空気を用いて膨張できる。弁は、目的に適したいずれの種類の弁であってもよい。密閉チャンバを膨張するために使用される弁類は、物質を膨張させるポンプなど膨張装置に接続しまた物質が弁から抜け出さずにデバイスを取り外すことができる、例えば膨張可能なマットレス又は浮き輪から周知のタイプから形成できる。弁を一緒に横へ押すことで、同一の接続部を通して膨張された物質を空にできる。これが偶発的に起らないように、取り外し可能なプラグを取付けできる。
【0045】
膨張デバイス、例えば米国特許第5,144,708号明細書に開示されるような弁も、装置の一体化部分にできる。
【0046】
連結フランジは、ふた又は、収集又は排液バッグを備えることができる。ふた又はバッグは、例えば接着又は機械的連結など周知の手段により連結フランジに接続される。
【0047】
場合によっては、皮膚部位の治療は、排液チューブの使用を含み、体液を患者又は装置の内部から直接に輸送する。これは普通、装置の壁を通して又はアクセス開口部又はふたを通してアクセスされる。排液チューブは、患者の移動によって、極めて容易に移動され又は整列を乱され、装置表面を貫く及び装置表面への不安定な固定手段として振舞う。
【0048】
密閉チャンバは、体液が収集バッグの中に漏出できるように、切開部又は膨張しない部分を提供できる。この空間は、単純な開口部であることが多いが、追加安全手段としての“逆止弁”を達成し、体液が抜け出して創傷の中に戻らないようにできる。
【0049】
そのような“逆止弁”の事例はさらに、欧州特許第248 657 B1号明細書に記載されている。
【0050】
患者のニーズと、装着するに快適で、可撓性且つ衣服の下では不連続な創傷治療用包帯に関する快適性を改良できるために、装置はできる限り低い全体プロフィールを有することが基本である。そのような装置は普通、接着ウエハを用いて患者の皮膚に取り付けられ、第二表面に収集バッグを設けられる場合が多い。接着ウエハは、具体的な創傷の大きさに合うよう切断されて、残りのウエハは、創傷からの体液と排泄物に接する周辺皮膚を覆い且つ保護する。装置の装着時間は衛生状態に依存し、又は漏出が起る場合、装置を交換するようにしている。早過ぎる交換状態は、保護された皮膚を“露呈”させ且つ患者にとっては痛みを伴い、できる限り回避されるべきである。装置の装着時間と使用を改良するために、ウエハを通して創傷を治療し且つ清潔にできて、周辺装置を取り外さずに漏出が起ることを遅延し又は阻止する、ウエハの上方に置かれ、連結フランジの形の構造にアクセス開口部を一体化できる。使用される連結手段は、オストミ用バッグの二個の留め具から周知の手段と同一にできる。従って、本発明に記載の装置は、創傷が付き添いを必要とするとき三次元形状に変化できる、ほぼ平坦で不連続な包帯を提供する。
【0051】
フランジの上昇は、所望する範囲に調整でき、連結フランジと接着ウエハとの間に好ましい空間を提供し、液体と固形排泄物が安全に処理され且つ容易に洗い流されるようにしている。
【0052】
さらに膨張チャンバにより、創傷、フィスチュラ又はろう孔を、ふた、衣服、ベッドのキルト等からの圧力に対して保護できる。
【0053】
連結フランジが持ち上げられるとき、連結フランジの下に看護婦が指を下部に置くことを可能にし、ふたの適正な封止を確実にするために必要な逆圧をかける空間が作り出される。
【0054】
装置を安定化する能力は、排液管が包帯を介して又は包帯に固定されるときは利点であり、排液管と固定手段を患者の移動に対し影響を受け難くしている。
【0055】
一実施形態では、逆止弁が封鎖される、又は収拾バッグが膨らんで蓄積される場合、安全な機能を達成できる。体液より低い密度を有する流体で膨張され、この量が使用の際に増加する場合、バッグの密閉チャンバを、それが体液の上面に自動的に浮遊できるように設計できる。
【0056】
本発明の装置は、一つ以上の膨張可能なチャンバを具備できる。個々に膨張でき且つ調節できる二つ以上のチャンバの存在は、湾曲した身体部分上の適用を容易にできる。
【0057】
さらに、連結フランジの上昇を密閉チャンバの流体量により一層制御できることは明白である。
【0058】
本発明の装置を使用の際に膨張且つ収縮できることがユーザにとって重要でない場合、密閉チャンバを膨張可能な部材以外の種類の上昇手段と代替できる。上昇手段を、可撓性材料からパッド、チューブ又は支柱の形に作製できる。そのような材料の事例は、発泡体、天然又は合成ゴム、又はシリコンゴムである。上昇手段は、装置の一体化部分にできるか、又は必要なとき連結フランジの下に挿入でき、また使用後再び取り外しできる、分離ユニットにできる。本発明の一実施形態では、上昇手段は、例えばプラスチックなどポリマ材料から作製される比較的固い支柱である。
【0059】
本発明は、本発明の好ましい実施形態を示している図面を参照して、さらに詳述される。
【0060】
図1は、上方から見た本発明の実施形態を示している。装置は、図面では縁が波形部分で示される接着ウエハ(1)とふたを提供できる連結フランジ(2)を具備する。装置の壁(3)は、廃液の取り除き用の弁を備える収集バッグ(4)の中に延びる。
【0061】
図2は、本実施形態の断面を図1のA−A線に沿って示している。装置は、装置を身体部分に固定するための接着ウエハ(1)を具備し、ウエハ(1)は、創傷、ろう孔又はフィスチュラ(6)を受け入れるための開口(5)を設けられる。壁(3)は、ウエハ(1)から離れて延びている;壁は、ウエハ(1)に接続される後方壁(7)を具備し、また前方壁(8)は、連結と封止が対応する連結手段を備えるようになっている連結フランジ(2)を設けられている。対応する連結手段(10)を備えるふた(9)は、連結フランジ(2)に取り付けられる。後方壁(7)は、密閉チャンバ(11)を具備する。チャンバ(11)は、膨張状態で示されている。チャンバ(11)が収縮されるよき、壁(3)は折り畳みでき且つ装置はほぼ平坦な形状に戻る。
【0062】
図3では、密閉チャンバ(11)が、前方壁(8)の一体化部分である本発明の実施形態が示されている。
【0063】
密閉チャンバの位置は、装置の挙動に関して重要である。平坦又は僅かに湾曲した身体部分に用いる場合、チャンバの位置は、装置が捩りと曲げからの厳しい応力を受けるかもしれない、湾曲した、また突出する身体部分に用いられる場合ほどには重要ではない。
【0064】
図4aと4bは、密閉チャンバ(11)が、湾曲した身体部分に用いられる本出願の壁(3)を構成する装置を示している。図4aと4bから分るように、壁(3)は、チャンバ(11)の膨張により十分に直立され、また連結フランジ(2)の形状は、接着ウエハ(1)の形状にほぼ従って、捩り力は連結される。その状態は、捩り力が接着剤を皮膚から離脱させないようにウエハ(1)の強固な接着状態を要求する。さらに、連結フランジ(2)は、同様に曲げられ且つ捩られ、ふたをフランジ(2)に正常且つ安全に用いることは困難であるかもしれない。密閉チャンバ(11)の力は、連結フランジ(2)に直接に伝達され、特にふたが薄い形で且つ透明フィルムを設けられた可撓性発泡体フランジである場合、ふたを用いることを一層困難にしている。
【0065】
図5aと5bは、チャンバ(11)が壁(3)の外側で且つ接着ウエハ(1)のすぐ隣に置かれる本発明の実施形態を開示している。チャンバ(11)は、後方壁(7)の一部を共有でき、又はチャンバは、前記壁(7)とほぼ無関係にできる。図5aと5bから分るように、ウエハ(1)と連結フランジ(2)は、ウエハ(1)が湾曲され且つ捩られ、連結フランジ(2)がほぼ平坦であり続け、また連結フランジがふた(9)を用いることが容易にできても、互いに一層無関係に移動する。フランジ(2)は、膨張されたチャンバ(11)の存在によって固く、形状をより平坦にできる。チャンバ(11)は、後方壁(7)を直立状態に支持するが、前方壁(8)は、一部を取り外し、他部を折り畳むことにより捩り力を調整できる。
【0066】
従って、湾曲した身体部分に使用するために、連結フランジがこのように一層自由に作動でき、また接着ウエハに導入される応力が少ないとき、チャンバが連結フランジ又は前方壁と接続して置かれる場合に有利にできる。チャンバを接着ウエハと直接接触して取り付けることは、捩りと曲げ力をチャンバから接着ウエハへ進入させることができる。ふたを取り付ける前に連結部分を取り除かせることにより、望ましくないチャネルを薄い可撓性の発泡体に形成させる危険性を低減する。
【0067】
本発明の一実施形態では、チャンバ(11)を、図6aに見るように、壁(3)に隣接するが壁の一部にはならずに設置できる。チャンバ(11)が膨張されるとき、チャンバは、後方壁(7)を上昇させるが、前方壁(8)は、連結フランジの外周を多少上昇することにより捩りと曲げ力を吸収できる。
【0068】
図6bに、前方壁とフランジに取り付けられるが、その一部にはなっていないことが好ましい連結フランジの真下にチャンバが置かれる本発明の好ましい実施形態が示されている。
【0069】
図6cでは、チャンバは前方壁の一部である。連結フランジへの前方壁とチャンバの取り付け点は、連結フランジの皮膚に向き合う面の全面のどこにでもできるが、フランジに最大の安定性を提供できるように、フランジの中央部分又は周縁の方にあることが好ましい。
【0070】
本発明の一実施形態では、チャンバは、分離要素の形、例えば壁の外側に沿って壁を直立させるように置くことができ、また図7に見るように使用しないとき取り外すことができる、チューブ形バルーンである。チャンバを、取り外し可能な手段(図示せず)により装置に取り付けできる。
【0071】
バルーンの代りに、チャンバは発泡体を具備できる。そのようなチャンバはしかしながら、発泡体を圧縮状態で供給でき、また圧縮解除後は原寸大に膨張できるようなものとして、膨張と収縮ができない。圧縮解除された発泡体が使用される場合、例えば、取り外し可能な包装用材料に真空パック又は圧搾することにより発泡体を圧縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、上方から見た本発明の実施形態を示す。
【図2】図2は、同一の実施形態を断面で示す。
【図3】図3は、別の実施形態を断面で示す。
【図4a】図4aは、湾曲した身体部分に用いられる実施形態を示す。
【図4b】図4bは、湾曲した身体部分に用いられる実施形態を示す。
【図5a】図5aは、湾曲した身体部分に用いられる別の実施形態を示す。
【図5b】図5bは、湾曲した身体部分に用いられる別の実施形態を示す。
【図6a】図6aは、別の実施形態を示す。
【図6b】図6bは、別の実施形態を示す。
【図6c】図6cは、別の実施形態を示す。
【図7】図7は、チャンバが離れている本発明の実施形態を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、オストミ、フィスチュラ、創傷又は排液部位治療用装置に関する。本発明はさらに、そのような収集デバイスの使用を容易にする手段に関する。
【背景技術】
【0002】
オストミ、フィスチュラ及び創傷の治療において、収集バッグを具備する装置を使用できる。装置は、皮膚部位を検査する、清潔にする及び/又は治療するためのアクセス開口部を有することが好ましい。装置は、皮膚に固定され、またろう孔、フィスチュラ又は創傷を受け入れるための開口部を供える接着ウエハの形の身体側面部材を具備できる。入口と出口など洗浄及び/又は排液用の手段を任意に備える収集バックが、ウエハに取り付けられる。さらに、バッグには、ふたで閉鎖できる窓の形のアクセス開口部を設けることができる。ろう孔、創傷又はフィスチュラを含む皮膚部位を清潔にする又は濯ぐとき、ふたは取り外され、そして部位を検査又は治療できる。そのような装置に関する問題は、ふたが取り外されるときと部位の治療の際に、体液及び排泄物が収集バッグから外へ出ないようにすることである。
【0003】
装置は、一般に平坦且つほぼ二次元であるので、装置が、より広い皮膚部位及び湾曲した又は突出する身体部分に用いられるときに特に問題が生ずる。そのような状態でバッグからの液体の漏出を阻止することは困難である。問題を解決する試みがなされてきた。
【0004】
米国特許第4,778,446号明細書は、接着ウエハに取り付けられる、硬質又は半硬質円筒型中空開放端カラーを具備する洗浄及び/又は排液用デバイスを開示している。ふたを皮膚と向き合わないカラーの端部上に取り付けできる。ふたが創傷部位に接触しないようにするために、カラーは、やや固く/硬くなければならない。身体の外形と皮膚の移動に追随するために、カラーと接着ウエハとの間には可撓性が必要とされ、これは、カラーとウエハとの間にアコーディオン状部分を有することにより達成される。デバイスは、嵩張っていて、また固いこととアコーディオン状部分が適所にとどまるように手で持ち上げられ且つ保持される必要があるため快適にできない。カラーを閉鎖しまたデバイス全体を膨張することは、アコーディオン状部分も持ち上げる。しかしながら、開放され且つ圧力が降下する場合にデバイスが折り畳むとき、創傷部位にそのとき直接アクセスすることは不可能である。そのとき創傷へはチューブ等を使用してのみ間接的にアクセスされる。
【0005】
米国特許第4,419,100号明細書には、ウエハとアクセス開口部との間の可撓性材料の壁の存在により接着ウエハとアクセス開口部との間に距離を提供できる、オストミ収集バッグが開示されている。ウエハとアクセス開口部との間にユーザの一つ以上の指を挿し込むことにより、二つの部分は互いに対して一定移動され、壁は、直立状態まで持ち上げられて、二つの部分の間に所望の距離を作り出している。しかしながら、持ち上げ状態は、ユーザの手によってのみ維持され、手を放すとすぐに構造物は折り畳まれ且つ初めのほぼ平坦な状態に戻る。
【0006】
米国特許第6,093,160号明細書と第6,110,197号明細書は、皮膚に付着するための接着ウエハと支持部材を具備し、好ましくはリング形発泡体クッション状の創傷治療装置を開示している。支持部材は、一方の表面に接着ウエハを取り付けられ、また反対側の表面にふたを取り付けるための手段を備えるアクセス開口部を提供される。支持部材は、ふたと創傷部位との間に一定の距離を提供して、創傷を保護し且つ創傷を清潔にし、ふたの制御を容易にしている。支持部材は、常に隆起部分を提供し、また構造がやや固いときは、より大きな創傷及び/又は湾曲した又は突出する身体部分の用途には適さない。
【0007】
米国特許第3,902,496号明細書は、薄いプラスチック材料から作製され、且つ、ろう孔用入口の両側に配置されて使用中に、ろう孔を保護するガス又は発泡体で満たされたプラスチック製クッションを具備する、医療用排液装置を開示している。クッションはバッグの内側に取り付けられ、恒常的に膨張され/発泡体で満たされて、ガス/発泡体の量は使用の際には調整できない。バッグは、窓を持たずに閉鎖され、またクッションは、ろう孔を保護するために、ろう孔のすぐ隣に置かれる。
【0008】
米国特許第5,667,502号明細書には、人工肛門用収集バッグが開示されていて、前記バッグは、所望の水準まで膨張できて人工肛門を保護する膨張可能なクッションを具備している。クッションは、ろう孔の一部の上方と周囲に取り付けられる半円の形であることが好ましい。クッションは、バッグの内側に取り付けられる。
【0009】
前述の参照文献のどれも、人の補助なしに直立でき且つ直立状態を維持でき、また所望するとき折り畳むことができる、漏出に対する障壁を具備する洗浄及び/又は排液用装置の提供の問題を解決しない。
【0010】
従って、装置の内側の液体を収集するための安定な直立壁を備え、またさらにアクセス開口部と接着ウエハに可撓性を提供し互いにほぼ無関係に操作し、ふたの用途を容易にすることができる、皮膚部位を浄化するための装置を提供するためのニーズは依然ある。
【発明の開示】
【0011】
漏出の危険性なしに部位に付き添いできる創傷洗浄及び排液用装置を提供することが、本発明の目的である。
【0012】
部位にアクセスするとき、隆起壁を備えることができる、皮膚部位を浄化する装置を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0013】
提供することにより、デバイスのアクセス開口部と身体側面部材が互いに一層無関係に作動できる、装置の応力が低減される装置を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0014】
さらに、ふたを用いる際にアクセス開口部の連結手段をほぼ平坦にできる装置を提供することが本発明の目的である。
【0015】
さらに別の目的は、直立状態の壁を安定化し且つ同時に連結フランジが接着ウエハとほぼ無関係に移動できることを容易にする手段を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、壁を、安定で、ほぼ直立状態まで隆起でき、且つ所望するようにほぼ平坦状態まで折り畳みできる装置を提供することである。
【0017】
本発明は図面を参照してより詳細に開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、洗浄及び/又は排液用装置に関し、装置は、装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であって、前記ウエハは、ろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を囲む開口を設けることができる、身体側面部材と、可撓性材料から成る壁であって、壁は後方壁と前方壁を具備し、後方壁はウエハに取り付けられ且つ浄化される皮膚の表面領域を囲むために適した開口部を有し、前方壁は取り外し可能な連結と封止が連結手段に適合するようになっている連結フランジを設けられ、壁と身体側面部材は液体貯蔵部を画成する、壁と、液体貯蔵部から離れている、密閉チャンバであって、前記チャンバは膨張されとき、接着ウエハと連結フランジとの間に距離を提供する、密閉チャンバ、を具備している。
【0019】
密閉チャンバが膨張されないとき、壁は折り畳まれ、また装置は、ほぼ平坦且つ二次元であり、また貯蔵の際と身体部分に用いられるときには不必要な空間を占有しない。創傷又はフィスチュラが検査、清潔化又は他の処理を必要とするとき、密閉チャンバを膨張できて、装置の壁を持ち上げ且つフランジとウエハとの間に距離を作り出している。直立壁とウエハは従って液体貯蔵部を画成できる。隆起した壁は、濯ぎ処理の際に飛散と漏出の危険性を低減する。浄化/検査を終了するとき、ふたを付けることができ、またチャンバを再び収縮でき、装置をその元の平坦な形状に戻している。あるいは、チャンバを常に膨張したままにできて、フィスチュラ又は創傷の周囲に緩衝ゾーンを作り出している。
【0020】
密閉チャンバは、壁の一部にでき又は壁に接続できる、また、空気と液体が液体貯蔵部から密に隔てられている区切られた容積を構成する。密閉チャンバは、液体貯蔵部に収容できる、つまり、液体貯蔵部の内又は外壁に沿ってバルーンの形になっている、又は壁の一部であるが、チャンバは、装置の開口部を通して創傷又はフィスチュラに直接にアクセスできるように設計される。
【0021】
密閉チャンバは、例えば円形又は楕円形リング又は、馬蹄形など開放リングの形になっている装置の壁の周辺の主要部分に付随していることが好ましい。チャンバは、液体貯蔵部の壁の内側に設置できる、又はチャンバは、壁の外側に設置できる。チャンバが液体貯蔵部の空間を占有するかもしれず、また汚染物質を蓄積できる望まない隅部を作り出すかもしれないとき、壁の外側にチャンバを有することが好ましい。液体貯蔵部は、チャンバが膨張されるとき開口部を通してアクセス可能である。従来技術は、液体貯蔵部自体が膨張される装置を示している。この解決法は、液体貯蔵部は閉鎖系を介してのみ付き添いできるという欠点にさらされる、それはさもなければ液体貯蔵部が開放される場合液体貯蔵部が折り畳まれるためである。本発明の装置において、密閉チャンバは、液体貯蔵部から離され、それ故に液体貯蔵部とは無関係に膨張でき、また装置の壁は従って液体貯蔵部を膨張することなしに直立できる。
【0022】
ガス又は液体などのいずれか適当な流体は、チャンバを膨張できる。本発明の一実施形態では、流体はゲルである。チャンバは、空気により膨張されることが好ましい。閉鎖チャンバを、可撓性になっていて且つガス及び/又は液体を引き留めできるいずれか適当な材料から用意できる。チャンバを、チューブ状構造から用意されるチューブの形にできる、又はチャンバを、一緒に封止されて膨張可能なチャンバを提供する一つ以上のシートの形にできる。チャンバ用に選択された材料は可撓性であるが、二つの要素を好ましい安定な距離に支持し保持するに十分に硬くあるべきである。
【0023】
本発明の一実施形態において、密閉チャンバは壁の一部を構成する。
【0024】
密閉チャンバは、装置の一体化部分にできる。チャンバは、本発明の装置の壁の一部を構成でき、又は壁とはほぼ無関係にできる。チャンバを、一点により又は壁の一部を共有することにより壁に取り付けできる。チャンバの一部を構成できる壁の一部は、壁の50%未満であることが好ましい。チャンバを構成する壁の部分が大きいほど、壁の移動においての従属性が大きくなる。
【0025】
密閉チャンバの高さは、膨張されたとき、十分に直立された壁の高さより小さく、その結果、可撓性の空間を提供することが好ましい。高さは、75%未満が好ましく、60%未満がより好ましく、また50%未満が最も好ましい。
【0026】
チャンバを連結フランジ又は連結フランジに隣接する壁に取り付けでき、あるいはチャンバを接着ウエハ又はウエハに隣接する前方壁に取り付けできる。
【0027】
装置の壁は、後方壁と前方壁を具備する。前方壁と後方壁は、壁が折り畳まれたとき二つの壁が重畳されるように一緒に封止できることが好ましい。しかしながら、前方壁と後方壁は、単一シートとしても用意できて、折り畳まれたとき例えばアコーディオンのように折れ曲っている。この実施形態はしかしながら、成形することが困難であって、二つの接続されたシートを用いる実施形態が好ましい。壁は、シートを使用するときシートが箱形を作り出すように、シートを折り曲げ且つ結合することにより用意できる。フィルムを数回折り曲げる、あるいは多層のフィルムを一緒に成形し又は結合することは、位置上昇の様々な変化に適応できるアコーディオン構造を達成できる。
【0028】
装置の壁は、皮膚部位に付き添うとき持ち上げでき、また壁がユーザにより積極的に支持されず、例えば手により保持されずに、直立されて滞留できることが望まれる。直立壁は、皮膚部位の上方に液体貯蔵部を提供し、皮膚部位の周囲の液体が液体貯蔵部の内部に留まって、漏出とオーバーフローからの不衛生な状態を低減するのを確実にしている。構造は、密閉チャンバのバルーン効果によって依然として可撓性であり且つ発泡体構造ほど硬くはない。
【0029】
連結フランジの上昇は、現在は手動で直立することにより、例えば連結フランジを指で掴み且つ持ち上げて、装置の壁を直立することにより行われる。壁の構造と剛性のみが、すぐに好ましい距離を確保する。壁は、折り畳み従って装置をほぼ平坦な形状に持ち込む傾向を有し、また体液をバッグから抜け出させることができて、衛生問題を作り出している。この問題を回避するために、一人以上の人がケア状態に必要とされ、それは不都合である。この問題に対する解決法は、取り付けられた連結部分に周辺突出プロフィールを有することであり、それは障壁として機能できるが、ふたの形の取り外し可能な連結部分又は収集/排出バッグは、アクセス開口部から取り外される。
【0030】
装置が湾曲した身体部分に用いられた場合、装置は捩りと曲げからの厳しい応力に晒される可能性がある。さらに、壁が持ち上げられたとき、一般に壁よりも硬くなっている連結フランジは、それが接着ウエハに追随する必要がある場合捩れる可能性もある。皮膚からの離脱、患者に対する不快感及びふた又はバッグを連結フランジに取り付けるときの困難をもたらす応力が装置に形成される可能性がある。
【0031】
密閉チャンバは、膨張されたとき、壁の少なくとも一つを支持することが好ましい。
【0032】
本発明の一実施形態において、密閉チャンバは、膨張されたとき、後方壁を支持している。
【0033】
本発明の別の好適な実施形態において、密閉チャンバは、膨張されたとき、前方壁を支持している。
【0034】
収集チャンバの壁の一つを支持する密閉チャンバを有することにより、少なくとも一つの壁を取り外すことができ、また折り畳むことへの一部の抵抗によって、もう一方の壁がある程度取り外された状態に留まるようにして、連結フランジを予定の高さにし、連結フランジへのふたの接続を容易にするように、装置の壁を支持できる。従って、接着ウエハは、身体部分の外形に追随するが、隆起した連結フランジは、ウエハの形状とはほぼ無関係に、より平坦な形状になることができる。
【0035】
密閉チャンバを、接着ウエハの付近又は隣接する接着ウエハ又は壁に接続できる。本発明のこの実施形態では、密閉チャンバは、後方壁を直立させることができる。前方壁は、連結フランジ、より高い剛性及びその元の平坦形状に立ち戻る固有の傾向を有するフランジの影響によりある程度は直立できる。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、密閉チャンバは、連結フランジに又はフランジの付近又は隣接の前方壁に接続される。密閉チャンバは、膨張されたとき前方壁を直立させ、また後方壁を十分に又はある程度直立させる。密閉チャンバが、連結フランジの真下に置かれると、フランジの水平化に寄与するが、後方壁は、接着ウエハからの捩りの応力を吸収する緩衝器としての機能を果す。
【0037】
壁は、液体を液体貯蔵部に又は液体貯蔵部から進入させ且つ皮膚部位にアクセスするために、好ましくは入口及び/又は出口開口部の形の開口部を設けることができる。
【0038】
密閉チャンバを、装置の使用の際に膨張且つ収縮できる。従って、チャンバを、皮膚部位に付き添うとき膨張でき、また装置がふた又は収集バッグで閉鎖されるとき収縮できる。しかしながら、所望できるならチャンバを恒久的に膨張されるようにも使用できる。
【0039】
本発明の装置の接着ウエハを、目的のためにそれ自体周知のいずれか適当な皮膚に優しい材料から作製でき、また接着ウエハは、それ自体周知のトップクラスのフィルムも具備できる。皮膚に優しい接着剤は、それ自体周知の、例えば親水コロイド又は使用時間を延長する他の水分吸収構成物質を含んでいる接着剤である、いずれかの皮膚に優しい接着剤である。収集バッグ又はふたを取り付ける連結フランジは、適合する連結リング又は適合するフランジ及び接着表面を具備するそれ自体周知のシステムである。
【0040】
接着ウエハは、ろう孔、フィスチュラ又は創傷の外形に対応する開口を設けられる。ウエハは、患者に合せて調整するようになっている開口を設けることができる。所望する開口の外形の図を、使用前に切断用にウエハにプリントできる。本発明の一実施形態では、ウエハは標準切断開口を設けられる。一般に、装置は、開口なしで供給され、ヘルスケア要員がウエハに注文作製開口を与える機会を残している。
【0041】
本発明は、洗浄及び/又は排液用装置と共に使用する密閉チャンバにも関し、装置は、装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であって、前記ウエハ又はパッドはろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を囲むようにできている、身体側面部材と、可撓性材料から成る壁であって、壁は、ウエハに取り付けられ且つ浄化される皮膚の表面領域を囲むのに適した開口を有する後方壁と、壁の開口/窓を画成する連結フランジを設けられる前方壁を具備し、壁と身体側面部材は液体貯蔵部を画成する、壁を具備していて、液体貯蔵部から離れている密閉チャンバは、流体を充填することにより膨張でき、前記チャンバは、膨張されたとき、接着ウエハと連結フランジとの間に距離を提供する。
【0042】
密閉チャンバを、装置の一体化部分にできる、あるいはそれを、分離ユニットにできる。本発明の一実施形態では、チャンバは、装置から取り外し可能である。
【0043】
密閉チャンバは、壁の外周縁に沿って拡張できる。チャンバは、閉鎖リングの形にできるが、開放リングであることが好ましい。本発明の一実施形態において、開放リングは端部部分を接続するための手段を設けられ、リングの二つの端部部分を互いに取り付けて閉鎖リングを達成できるようにしている。接続手段は、接着剤、フック・アンド・ループファスナ又は機械的ロックなど、それ自体周知のいずれか適当な手段にできる。本発明の別の実施形態において、チャンバは、例えば馬蹄形を有する壁の一部に沿ってのみ拡張できる。
【0044】
密閉チャンバは、流体を充填する又は空にする弁を設けられる。チャンバは、いずれか適当な液体又はガス、特に空気を用いて膨張できる。弁は、目的に適したいずれの種類の弁であってもよい。密閉チャンバを膨張するために使用される弁類は、物質を膨張させるポンプなど膨張装置に接続しまた物質が弁から抜け出さずにデバイスを取り外すことができる、例えば膨張可能なマットレス又は浮き輪から周知のタイプから形成できる。弁を一緒に横へ押すことで、同一の接続部を通して膨張された物質を空にできる。これが偶発的に起らないように、取り外し可能なプラグを取付けできる。
【0045】
膨張デバイス、例えば米国特許第5,144,708号明細書に開示されるような弁も、装置の一体化部分にできる。
【0046】
連結フランジは、ふた又は、収集又は排液バッグを備えることができる。ふた又はバッグは、例えば接着又は機械的連結など周知の手段により連結フランジに接続される。
【0047】
場合によっては、皮膚部位の治療は、排液チューブの使用を含み、体液を患者又は装置の内部から直接に輸送する。これは普通、装置の壁を通して又はアクセス開口部又はふたを通してアクセスされる。排液チューブは、患者の移動によって、極めて容易に移動され又は整列を乱され、装置表面を貫く及び装置表面への不安定な固定手段として振舞う。
【0048】
密閉チャンバは、体液が収集バッグの中に漏出できるように、切開部又は膨張しない部分を提供できる。この空間は、単純な開口部であることが多いが、追加安全手段としての“逆止弁”を達成し、体液が抜け出して創傷の中に戻らないようにできる。
【0049】
そのような“逆止弁”の事例はさらに、欧州特許第248 657 B1号明細書に記載されている。
【0050】
患者のニーズと、装着するに快適で、可撓性且つ衣服の下では不連続な創傷治療用包帯に関する快適性を改良できるために、装置はできる限り低い全体プロフィールを有することが基本である。そのような装置は普通、接着ウエハを用いて患者の皮膚に取り付けられ、第二表面に収集バッグを設けられる場合が多い。接着ウエハは、具体的な創傷の大きさに合うよう切断されて、残りのウエハは、創傷からの体液と排泄物に接する周辺皮膚を覆い且つ保護する。装置の装着時間は衛生状態に依存し、又は漏出が起る場合、装置を交換するようにしている。早過ぎる交換状態は、保護された皮膚を“露呈”させ且つ患者にとっては痛みを伴い、できる限り回避されるべきである。装置の装着時間と使用を改良するために、ウエハを通して創傷を治療し且つ清潔にできて、周辺装置を取り外さずに漏出が起ることを遅延し又は阻止する、ウエハの上方に置かれ、連結フランジの形の構造にアクセス開口部を一体化できる。使用される連結手段は、オストミ用バッグの二個の留め具から周知の手段と同一にできる。従って、本発明に記載の装置は、創傷が付き添いを必要とするとき三次元形状に変化できる、ほぼ平坦で不連続な包帯を提供する。
【0051】
フランジの上昇は、所望する範囲に調整でき、連結フランジと接着ウエハとの間に好ましい空間を提供し、液体と固形排泄物が安全に処理され且つ容易に洗い流されるようにしている。
【0052】
さらに膨張チャンバにより、創傷、フィスチュラ又はろう孔を、ふた、衣服、ベッドのキルト等からの圧力に対して保護できる。
【0053】
連結フランジが持ち上げられるとき、連結フランジの下に看護婦が指を下部に置くことを可能にし、ふたの適正な封止を確実にするために必要な逆圧をかける空間が作り出される。
【0054】
装置を安定化する能力は、排液管が包帯を介して又は包帯に固定されるときは利点であり、排液管と固定手段を患者の移動に対し影響を受け難くしている。
【0055】
一実施形態では、逆止弁が封鎖される、又は収拾バッグが膨らんで蓄積される場合、安全な機能を達成できる。体液より低い密度を有する流体で膨張され、この量が使用の際に増加する場合、バッグの密閉チャンバを、それが体液の上面に自動的に浮遊できるように設計できる。
【0056】
本発明の装置は、一つ以上の膨張可能なチャンバを具備できる。個々に膨張でき且つ調節できる二つ以上のチャンバの存在は、湾曲した身体部分上の適用を容易にできる。
【0057】
さらに、連結フランジの上昇を密閉チャンバの流体量により一層制御できることは明白である。
【0058】
本発明の装置を使用の際に膨張且つ収縮できることがユーザにとって重要でない場合、密閉チャンバを膨張可能な部材以外の種類の上昇手段と代替できる。上昇手段を、可撓性材料からパッド、チューブ又は支柱の形に作製できる。そのような材料の事例は、発泡体、天然又は合成ゴム、又はシリコンゴムである。上昇手段は、装置の一体化部分にできるか、又は必要なとき連結フランジの下に挿入でき、また使用後再び取り外しできる、分離ユニットにできる。本発明の一実施形態では、上昇手段は、例えばプラスチックなどポリマ材料から作製される比較的固い支柱である。
【0059】
本発明は、本発明の好ましい実施形態を示している図面を参照して、さらに詳述される。
【0060】
図1は、上方から見た本発明の実施形態を示している。装置は、図面では縁が波形部分で示される接着ウエハ(1)とふたを提供できる連結フランジ(2)を具備する。装置の壁(3)は、廃液の取り除き用の弁を備える収集バッグ(4)の中に延びる。
【0061】
図2は、本実施形態の断面を図1のA−A線に沿って示している。装置は、装置を身体部分に固定するための接着ウエハ(1)を具備し、ウエハ(1)は、創傷、ろう孔又はフィスチュラ(6)を受け入れるための開口(5)を設けられる。壁(3)は、ウエハ(1)から離れて延びている;壁は、ウエハ(1)に接続される後方壁(7)を具備し、また前方壁(8)は、連結と封止が対応する連結手段を備えるようになっている連結フランジ(2)を設けられている。対応する連結手段(10)を備えるふた(9)は、連結フランジ(2)に取り付けられる。後方壁(7)は、密閉チャンバ(11)を具備する。チャンバ(11)は、膨張状態で示されている。チャンバ(11)が収縮されるよき、壁(3)は折り畳みでき且つ装置はほぼ平坦な形状に戻る。
【0062】
図3では、密閉チャンバ(11)が、前方壁(8)の一体化部分である本発明の実施形態が示されている。
【0063】
密閉チャンバの位置は、装置の挙動に関して重要である。平坦又は僅かに湾曲した身体部分に用いる場合、チャンバの位置は、装置が捩りと曲げからの厳しい応力を受けるかもしれない、湾曲した、また突出する身体部分に用いられる場合ほどには重要ではない。
【0064】
図4aと4bは、密閉チャンバ(11)が、湾曲した身体部分に用いられる本出願の壁(3)を構成する装置を示している。図4aと4bから分るように、壁(3)は、チャンバ(11)の膨張により十分に直立され、また連結フランジ(2)の形状は、接着ウエハ(1)の形状にほぼ従って、捩り力は連結される。その状態は、捩り力が接着剤を皮膚から離脱させないようにウエハ(1)の強固な接着状態を要求する。さらに、連結フランジ(2)は、同様に曲げられ且つ捩られ、ふたをフランジ(2)に正常且つ安全に用いることは困難であるかもしれない。密閉チャンバ(11)の力は、連結フランジ(2)に直接に伝達され、特にふたが薄い形で且つ透明フィルムを設けられた可撓性発泡体フランジである場合、ふたを用いることを一層困難にしている。
【0065】
図5aと5bは、チャンバ(11)が壁(3)の外側で且つ接着ウエハ(1)のすぐ隣に置かれる本発明の実施形態を開示している。チャンバ(11)は、後方壁(7)の一部を共有でき、又はチャンバは、前記壁(7)とほぼ無関係にできる。図5aと5bから分るように、ウエハ(1)と連結フランジ(2)は、ウエハ(1)が湾曲され且つ捩られ、連結フランジ(2)がほぼ平坦であり続け、また連結フランジがふた(9)を用いることが容易にできても、互いに一層無関係に移動する。フランジ(2)は、膨張されたチャンバ(11)の存在によって固く、形状をより平坦にできる。チャンバ(11)は、後方壁(7)を直立状態に支持するが、前方壁(8)は、一部を取り外し、他部を折り畳むことにより捩り力を調整できる。
【0066】
従って、湾曲した身体部分に使用するために、連結フランジがこのように一層自由に作動でき、また接着ウエハに導入される応力が少ないとき、チャンバが連結フランジ又は前方壁と接続して置かれる場合に有利にできる。チャンバを接着ウエハと直接接触して取り付けることは、捩りと曲げ力をチャンバから接着ウエハへ進入させることができる。ふたを取り付ける前に連結部分を取り除かせることにより、望ましくないチャネルを薄い可撓性の発泡体に形成させる危険性を低減する。
【0067】
本発明の一実施形態では、チャンバ(11)を、図6aに見るように、壁(3)に隣接するが壁の一部にはならずに設置できる。チャンバ(11)が膨張されるとき、チャンバは、後方壁(7)を上昇させるが、前方壁(8)は、連結フランジの外周を多少上昇することにより捩りと曲げ力を吸収できる。
【0068】
図6bに、前方壁とフランジに取り付けられるが、その一部にはなっていないことが好ましい連結フランジの真下にチャンバが置かれる本発明の好ましい実施形態が示されている。
【0069】
図6cでは、チャンバは前方壁の一部である。連結フランジへの前方壁とチャンバの取り付け点は、連結フランジの皮膚に向き合う面の全面のどこにでもできるが、フランジに最大の安定性を提供できるように、フランジの中央部分又は周縁の方にあることが好ましい。
【0070】
本発明の一実施形態では、チャンバは、分離要素の形、例えば壁の外側に沿って壁を直立させるように置くことができ、また図7に見るように使用しないとき取り外すことができる、チューブ形バルーンである。チャンバを、取り外し可能な手段(図示せず)により装置に取り付けできる。
【0071】
バルーンの代りに、チャンバは発泡体を具備できる。そのようなチャンバはしかしながら、発泡体を圧縮状態で供給でき、また圧縮解除後は原寸大に膨張できるようなものとして、膨張と収縮ができない。圧縮解除された発泡体が使用される場合、例えば、取り外し可能な包装用材料に真空パック又は圧搾することにより発泡体を圧縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、上方から見た本発明の実施形態を示す。
【図2】図2は、同一の実施形態を断面で示す。
【図3】図3は、別の実施形態を断面で示す。
【図4a】図4aは、湾曲した身体部分に用いられる実施形態を示す。
【図4b】図4bは、湾曲した身体部分に用いられる実施形態を示す。
【図5a】図5aは、湾曲した身体部分に用いられる別の実施形態を示す。
【図5b】図5bは、湾曲した身体部分に用いられる別の実施形態を示す。
【図6a】図6aは、別の実施形態を示す。
【図6b】図6bは、別の実施形態を示す。
【図6c】図6cは、別の実施形態を示す。
【図7】図7は、チャンバが離れている本発明の実施形態を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄及び/又は排液用装置であって、
a)前記装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であっ て、前記ウエハは、ろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を囲む、 開口を設けることができる、身体側面部材と、
b)可撓性材料から成る壁であって、前記壁は後方壁と前方壁を具備し、前記後方壁は 前記ウエハに取り付けられ、また浄化される前記皮膚の表面領域を囲むに適した開 口部を有し、前記前方壁は取り外し可能な連結と封止が連結手段に適合するように なっている連結フランジを具備し、前記壁と前記身体側面部材は液体貯蔵部を画成 する、壁と、
c)前記液体貯蔵部から離れていて、膨張されたとき、前記接着ウエハと前記連結フラ ンジとの間に距離を提供する、密閉チャンバ、を具備する、
洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項2】
前記密閉チャンバは、膨張されたとき、前記壁の少なくとも一つを支持する、請求項1に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項3】
前記密閉チャンバは、膨張されたとき、前記後方壁を支持する、請求項1−2のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項4】
前記密閉チャンバは、膨張されたとき、前記前方壁を支持する、請求項1−3のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項5】
前記密閉チャンバは、弁を設けられる、請求項1−4のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項6】
前記密閉チャンバは、前記壁の一部を構成する、請求項1−5のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項7】
前記密閉チャンバは、前記連結フランジに隣接している、請求項1−6のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項8】
前記密閉チャンバは、前記接着ウエハに隣接している、請求項1−6のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項9】
前記壁は、開口部を設けられる、請求項1−8のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項10】
前記壁は、入口及び/又は出口開口部を設けられる、請求項1−9のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項11】
前記密閉チャンバを、前記装置の使用の際に、膨張且つ収縮できる、請求項1−10のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項12】
前記ウエハは、前記ろう孔、フィスチュラ又は創傷の外形に対応する開口を設けられる、請求項1−11のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項13】
洗浄及び/又は排液用装置と共に使用するための密閉チャンバであって、
前記装置は、
a)前記装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であって 、前記ウエハ又はパッドは、ろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を 囲むようにできている、身体側面部材と、
b)可撓性材料から成る壁であって、前記壁は、ウエハに取り付けられ且つ浄化される皮 膚の表面領域を囲むのに適した開口部を有する後方壁と、連結フランジを設けられる 前方壁を具備し、前記壁と前記身体側面部材は液体貯蔵部を画成する壁、を具備し、
c)前記密閉チャンバは、前記液体貯蔵部から離れていて、また流体を充填することによ り膨張でき、前記チャンバは、膨張されたとき、前記接着ウエハと前記連結フランジ との間に距離を提供する、
密閉チャンバ。
【請求項14】
前記装置の一体化部分である、請求項13に記載の密閉チャンバ。
【請求項15】
分離ユニットである、請求項13に記載の密閉チャンバ。
【請求項16】
前記装置の壁をほぼ囲む、請求項13−15のいずれか1項に記載の密閉チャンバ。
【請求項17】
弁を設けられる、請求項13−16のいずれか1項に記載の密閉チャンバ。
【請求項18】
開放リングの形状を有する、請求項13−17のいずれか1項に記載の密閉チャンバ。
【請求項19】
前記リングは、開放端部を接続するための手段を設けられる、請求項18に記載の密閉チャンバ。
【請求項20】
前記接続するための手段は、機械的ロック、接着剤又はフック・アンド・ループファスナの形である、請求項19に記載の密閉チャンバ。
【請求項1】
洗浄及び/又は排液用装置であって、
a)前記装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であっ て、前記ウエハは、ろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を囲む、 開口を設けることができる、身体側面部材と、
b)可撓性材料から成る壁であって、前記壁は後方壁と前方壁を具備し、前記後方壁は 前記ウエハに取り付けられ、また浄化される前記皮膚の表面領域を囲むに適した開 口部を有し、前記前方壁は取り外し可能な連結と封止が連結手段に適合するように なっている連結フランジを具備し、前記壁と前記身体側面部材は液体貯蔵部を画成 する、壁と、
c)前記液体貯蔵部から離れていて、膨張されたとき、前記接着ウエハと前記連結フラ ンジとの間に距離を提供する、密閉チャンバ、を具備する、
洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項2】
前記密閉チャンバは、膨張されたとき、前記壁の少なくとも一つを支持する、請求項1に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項3】
前記密閉チャンバは、膨張されたとき、前記後方壁を支持する、請求項1−2のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項4】
前記密閉チャンバは、膨張されたとき、前記前方壁を支持する、請求項1−3のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項5】
前記密閉チャンバは、弁を設けられる、請求項1−4のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項6】
前記密閉チャンバは、前記壁の一部を構成する、請求項1−5のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項7】
前記密閉チャンバは、前記連結フランジに隣接している、請求項1−6のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項8】
前記密閉チャンバは、前記接着ウエハに隣接している、請求項1−6のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項9】
前記壁は、開口部を設けられる、請求項1−8のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項10】
前記壁は、入口及び/又は出口開口部を設けられる、請求項1−9のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項11】
前記密閉チャンバを、前記装置の使用の際に、膨張且つ収縮できる、請求項1−10のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項12】
前記ウエハは、前記ろう孔、フィスチュラ又は創傷の外形に対応する開口を設けられる、請求項1−11のいずれか1項に記載の洗浄及び/又は排液用装置。
【請求項13】
洗浄及び/又は排液用装置と共に使用するための密閉チャンバであって、
前記装置は、
a)前記装置を患者の皮膚に固定するための接着ウエハを具備する身体側面部材であって 、前記ウエハ又はパッドは、ろう孔を受け入れ、創傷、フィスチュラ又は排液部位を 囲むようにできている、身体側面部材と、
b)可撓性材料から成る壁であって、前記壁は、ウエハに取り付けられ且つ浄化される皮 膚の表面領域を囲むのに適した開口部を有する後方壁と、連結フランジを設けられる 前方壁を具備し、前記壁と前記身体側面部材は液体貯蔵部を画成する壁、を具備し、
c)前記密閉チャンバは、前記液体貯蔵部から離れていて、また流体を充填することによ り膨張でき、前記チャンバは、膨張されたとき、前記接着ウエハと前記連結フランジ との間に距離を提供する、
密閉チャンバ。
【請求項14】
前記装置の一体化部分である、請求項13に記載の密閉チャンバ。
【請求項15】
分離ユニットである、請求項13に記載の密閉チャンバ。
【請求項16】
前記装置の壁をほぼ囲む、請求項13−15のいずれか1項に記載の密閉チャンバ。
【請求項17】
弁を設けられる、請求項13−16のいずれか1項に記載の密閉チャンバ。
【請求項18】
開放リングの形状を有する、請求項13−17のいずれか1項に記載の密閉チャンバ。
【請求項19】
前記リングは、開放端部を接続するための手段を設けられる、請求項18に記載の密閉チャンバ。
【請求項20】
前記接続するための手段は、機械的ロック、接着剤又はフック・アンド・ループファスナの形である、請求項19に記載の密閉チャンバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7】
【公表番号】特表2008−539999(P2008−539999A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511560(P2008−511560)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000274
【国際公開番号】WO2006/122562
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000274
【国際公開番号】WO2006/122562
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]