説明

洗浄水吐出装置

【課題】面倒なこすり洗いをすることなく、しかもポンプ等の動力を用いずに、強い洗浄水流とブラッシングとを併用して被洗浄物に付着した汚れを確実に除去でき、これにより手荒れを防止しながら洗浄効果を高めること。
【解決手段】給水路33からの水道水を内部流路5を経て吐出口3から噴流洗浄水として吐出させる吐出ノズル1と、この吐出ノズル1の吐出口3近傍に取り付けられる洗浄ブラシ40とが一体状に構成されており、洗浄ブラシ40は弾性変形可能な材質からなると共にその最大変形状態で噴流洗浄水の吐出軌道Wを妨げないような位置に配置された洗浄水吐出装置30である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄水吐出装置に関し、詳しくは流し台に設置されて高圧の噴流洗浄水を吐出させて食器、調理器具等の被洗浄物を洗浄するための洗浄水吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、キッチンにおける調理や食事後の汚れが付着した皿や鍋等の被洗浄物は、洗剤を付けたタワシやスポンジを手で持ってこすり洗いをしているか、或いは食器洗い機が利用されている。
【0003】
前者の手洗いの場合は、洗剤や長時間の流水が手荒れの原因となる。手あれ防止のゴム手袋もあるがいちいち着用するのは面倒であり、また水跳ねによって手袋内部に水が入りやすいという問題もある。また、後者の食器洗い機では、しつこい汚れは十分に落としきれないという問題がある。
【0004】
そこで従来から、洗浄水を吐出する洗浄ノズルを備え、洗浄水の水圧を上げることで汚れを落とすことを目的とした吐出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら上記特許文献1に見られる従来例では、被洗浄物に対する汚れの固着程度によっては、洗浄水圧を上げるだけでは十分に対応しきれないことがあり、特にしつこい油汚れ等はこすり洗いする必要があり、面倒である。
【特許文献1】特開2000−345595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、面倒なこすり洗いをすることなく、しかもポンプ等の動力を用いずに、強い洗浄水流とブラッシングとを併用して被洗浄物に付着した汚れを確実に除去でき、これにより手荒れを防止しながら洗浄効果を高めることができる洗浄水吐出装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明にあっては、流し台に設置される給水路33からの水道水を内部流路5を経て吐出口3から噴流洗浄水として吐出させる吐出ノズル1と、上記吐出ノズル1の吐出口3近傍に取り付けられる洗浄ブラシ40とが一体状に構成されており、上記洗浄ブラシ40は弾性変形可能な材質からなると共にその最大変形状態で噴流洗浄水の吐出軌道Wを妨げないような位置に配置されていることを特徴としている。
【0008】
このような構成とすることで、水道水圧によって吐出ノズル1の吐出口3から噴流洗浄水を噴射させて食器、調理器具等の被洗浄物を洗浄できると共に、吐出ノズル1の吐出口3近傍に一体に取り付けた洗浄ブラシ40を用いてブラッシングを行なうことで、洗浄水流だけでは落としきれないような強固に固着した汚れを確実に洗い落とすことができるだけでなく、洗浄水流と併用することでブラッシングの際に使用者の手にかかる負荷を軽減できるようになり、面倒なこすり洗いをすることなく、洗浄効果を高めることができる。さらに洗浄ブラシ40は弾性変形可能で且つ最大変形状態でも噴流洗浄水の吐出軌道Wを妨げることがないため、ブラッシング時に洗浄水流が低下することもなく、洗浄ブラシ40を吐出口3近傍に一体状に取り付けた構造でありながら、洗浄力を高く維持できるようになる。
【0009】
また、上記洗浄ブラシ40は、吐出ノズル1の吐出口3を囲むようにして配置されているのが好ましく、この場合、洗浄ブラシ40によるブラッシング方向が広がることで、ブラッシング時に手首の自由度が大きくなって、どのような形状の食器も容易にブラッシングできるようになり、ブラッシング洗浄の能率化を図ることができる。
【0010】
また、上記洗浄ブラシ40を吐出ノズル1に対して着脱自在に取り付けてなるのが好ましく、この場合、汚れたときには洗浄ブラシ40を吐出ノズル1から取り外して清掃できるので清潔に保つことができ、また損傷したときには洗浄ブラシ40の交換が容易にでき、さらに洗浄ブラシ40を使わない不要なときは取り外して収納できるので、デザイン性や収納性にも優れたものとなる。
【0011】
また、上記洗浄ブラシ40は、ブラッシング時に最も圧縮したときのブラシ最先端部分40aよりも奥まった位置に吐出ノズル1の吐出口3が位置するように、配置されているのが好ましく、この場合、ブラッシング時に仮に洗浄ブラシ40を被洗浄物に強く押し付けた場合でも、ブラシ最先端部分40aが吐出口3に当たることがないので、吐出口3の破損を防止できると共に、噴流洗浄水の吐出に対する影響も軽減できるようになる。
【0012】
また、洗浄ブラシ40は、ブラシ本体41とブラシアタッチメント42とからなり、ブラシアタッチメント42が吐出ノズル1に一体に設けられると共に、ブラシ本体41がブラシアタッチメント42に対して着脱可能に接続されているのが好ましく、この場合、消耗品であるブラシ本体41が磨耗したときにはブラシ本体41のみを必要に応じて容易に交換することができると共に、消耗品ではないブラシアタッチメント42はそのまま継続使用できるので、コスト的に有利となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る洗浄水吐出装置は、水道水圧を利用して吐出ノズルの吐出口から噴流洗浄水を吐出させることにより、ポンプ等の動力を用いずに高圧の噴流洗浄水によって被洗浄物の汚れを容易に除去できるものであり、構成の簡素化及び低コスト化、節電を図ることができると共に、吐出口近傍に洗浄ブラシを洗浄水流の妨げないとならないように一体に取り付けたことにより、強い洗浄水流とブラッシングとを併用してしつこい汚れ除去が可能となり、結果、手荒れを防止しながら洗浄効果を高めることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0015】
本実施形態の洗浄水吐出装置30は、図2に示すように、キッチンシンク32に用いられるものであり、流し台31のキッチンシンク32内に噴流洗浄水を吐出するための吐出ノズル1を備えている。吐出ノズル1はキッチンシンク32の周縁部から立ち上げた支柱90に支持されていると共に、水道管から分岐した給水路33の下流端が吐出ノズル1の後端部に接続されており、給水路33からの水道水が洗浄水として吐出ノズル1内に供給されるようになっている。吐出ノズル1の吐出口3は下向き又は少なくとも下向きにできるように配置されている。
【0016】
吐出ノズル1の詳細な構造を説明する。図3及び図4に示すように、直線状に配置した、給水路接続管26、上流管27、下流管28、吐出管29、からなる略筒状のノズル本体部24で主体を構成してある。
【0017】
給水路接続管26の先端部は上流管27の後端部にねじ込むことで接続してあり、上流管27の先端部は下流管28の後端部にねじ込むことで接続してあり、下流管28の先端部は吐出管29の後端部にねじ込むことで接続してあり、これにより給水路接続管26、上流管27、下流管28、吐出管29の夫々の内面によって構成される内部流路5を形成している。
【0018】
ノズル本体部24の先端部(長手方向の一端部)を構成する吐出管29の先端には内部流路5の一端開口を構成する吐出口3を形成している。ノズル本体部24の後端部(長手方向の他端部)を構成する給水路接続管26の後端には内部流路5の他端開口を構成する流入口4を形成してあり、該流入口4が給水路33の下流端(ホースの一端又は給水管の先端)に接続される。給水路33からノズル本体部24に供給された洗浄水は流入口4から内部流路5に流入し、内部流路5を通過して吐出口3から吐出される。
【0019】
内部流路5の途中には、洗浄水に気体を混入する気体混入部7と、洗浄水に液体の洗剤を供給する洗剤供給部8を設けてあり、これにより気泡を含む洗浄水又は気泡及び洗剤を含む洗浄水(洗浄水)のうちいずれかを選択的に吐出口3から吐出可能となっている。
【0020】
気体混入部7による気体の混入及び洗剤供給部8による洗剤の供給は吐出ノズル1の内部流路5を洗浄水が流れる際に生じる負圧を利用する。
【0021】
内部流路5の一部を構成する上流管27の先端部は内径が下流側程小さくなった絞り部9としてあり、上流管27の絞り部9の出口部付近は洗浄水の吐出時において負圧が生じる負圧発生部6となっている。負圧発生部6の位置は上流管27の先端部の下流管28へのねじ込み深さを調節することで変更可能である。
【0022】
下流管28の負圧発生部6に対向する箇所には気体混入部7を構成する大気開放口7aと洗剤供給部8を構成する洗剤供給口8aを設けている。
【0023】
大気開放口7aは、例えば、吐出ノズル1の外側面と洗剤タンク14との隙間空間に連通しており、噴流洗浄水の吐出時において負圧発生部6で発生する負圧により大気開放口7aから内部流路5に空気が取り込まれ、これにより噴流洗浄水に気泡が混入される。なお大気開放口7aの位置は特に限定されず、適宜に設定変更自在である。
【0024】
洗剤供給口8aはタンク接続用部材20に着脱自在に取り付けた洗剤タンク14にタンク接続用部材20の内部に形成した洗剤流路18を介して連通している。タンク接続用部材20は下流管28の外面に取り付けてあり、下流管28から外方に向けて突出している。タンク接続用部材20の後面には洗剤流路18の上流端を構成するタンク接続口部21を凹設してある。
【0025】
洗剤タンク14は吐出ノズル1の長手方向に細長い略直方体状に形成してあり、該洗剤タンク14が取り付けられる吐出ノズル1は、洗剤タンク14の長手方向が上下を向くことができるように移動自在となっている、又は洗剤タンク14の長手方向が上下を向くよう吐出口3を下側に向けて設けられる。なお図中の50は洗浄水量確認用窓である。
【0026】
洗剤タンク14の先端部には洗剤タンク14内に連通する被接続口部22を突設している。洗剤タンク14の後端部には洗剤を補給するための洗剤補給口15を設けてあり、洗剤補給口15は該洗剤補給口15に着脱自在に取り付けたキャップ19により閉塞してある。
【0027】
洗剤タンク14はノズル本体部24の後部を構成する上流管27の外面に沿わせると共に被接続口部22を吐出ノズル1のタンク接続口部21に嵌め込んだ状態で吐出ノズル1に取り付けられる。
【0028】
タンク接続用部材20の洗剤流路18には洗剤用開閉弁17を設けている。洗剤用開閉弁17を開閉することで洗剤タンク14と内部流路5の連通・非連通状態を切替可能としてあり、洗浄水の吐出時に洗剤用開閉弁17を開いて洗剤タンク14を内部流路5に連通することで、負圧発生部6で発生する負圧により洗剤タンク14内の洗剤を内部流路5を流れる洗浄水に供給できるようになっている。
【0029】
洗剤用開閉弁17は図示しないばねにより洗剤流路18を遮断する方向に付勢されている。洗剤用開閉弁17を開く場合は、洗剤用開閉弁17の操作部を構成するタンク接続用部材20に設けた押釦スイッチ13を前記ばね力に抗して押し込む。また、洗剤用開閉弁17は押釦スイッチ13の非押し込み時には前記ばね力により洗剤流路18を遮断する位置に移動し、洗剤タンク14から内部流路5への洗剤の供給を停止する。これにより洗剤が継続して内部流路5に供給されることを防止できる。
【0030】
気体混入部7から内部流路5に供給される空気の供給量は洗浄水のボイド率(気泡混入率)が10〜30%となるように設定してあり、気泡による洗浄効果を高めると共に気泡により洗浄水の流れが乱れることを防止でき、また、洗剤による粘性を高めて水跳ね防止効果を高めることができるようにしてある。また、洗剤供給部8から内部流路5に供給される洗剤の量は洗浄水の洗剤希釈濃度が5000〜10000倍となるように設定してあり、洗剤の希釈濃度の高い気泡入り洗浄水とすることで、多量の気泡を含むムース状の気泡入り洗浄水とすることができ、洗浄効果を高めることができ、また適度の粘性を有する洗剤を含む気泡入り洗浄水を吐出でき、水跳ね防止効果を高めることができるようにしてある。なお、図示例では大気開放口7aよりも下流側に洗剤供給口8aを設け、大気開放口7aにて気泡が混入された洗浄水に洗剤供給口8aからの洗剤を供給するようにしてあるが、大気開放口7aよりも上流側に洗剤供給口8aを設けても良いものとする。
【0031】
内部流路5の一部を構成する下流管28の大気開放口7aよりも下流側部分は減圧・加圧部10となっている。減圧・加圧部10は洗浄水の流れ方向において流路面積が変化するベンチュリ管状の流路からなり、下流側程流路径を縮小した減圧部10aと減圧部10aの下流側に位置して下流側程流路径を拡大した加圧部10bとで構成してある。減圧・加圧部10を洗浄水が通過すると、この通過の際に生じる洗浄水の圧力変動に伴って洗浄水が含有する比較的大きな気泡が剪断され、これにより気泡が微細化される。
【0032】
下流管28の下流側端部にはメッシュや多孔質体等からなる多数の孔を有する気泡剪断部11を設けている。洗浄水に含まれる気泡は気泡剪断部11の多数の孔を通過することで更に微細化される。
【0033】
内部流路5の下流側端部を構成する吐出管29の先部は洗浄水の流れ方向において流路径が同一となる整流部12となっている。整流部12の流路長さLは整流部12の直径aの2〜5倍としてあり、洗浄水は整流部12にて整流された後に吐出口3から直線状に吐出される。
【0034】
吐出ノズル1の後端部の給水路接続管28には水量スイッチ(流量調整用バルブ)16を設けてあり、内部流路5を通る洗浄水の水量を調節できるようになっている。
【0035】
上記洗浄水吐出装置30を用いてキッチンシンク32の内面や食器等の被洗浄物を洗浄するには、洗剤タンク14を取り付けた吐出ノズル1を把持して吐出口3を被洗浄物に向け、この状態で水量スイッチ16を操作して内部流路5を開く。
【0036】
これにより、洗剤用開閉弁17が閉じた状態にある場合には、給水路33から吐出ノズル1に供給された洗浄水は気体混入部7にて気泡が混入され、次に洗浄水に含まれる気泡が減圧・加圧部10及び気泡剪断部11にて微細化され、この後、整流部12で整流された後、吐出口3から微細気泡を含む洗浄水として吐出される。
【0037】
また、押釦スイッチ13を押して洗剤用開閉弁17が開いた状態にある場合には、給水路33から吐出ノズル1に供給された洗浄水は、気体混入部7にて気泡が混入され、次に洗剤供給部8にて洗剤が供給され、次に、洗浄水に含まれる気泡が減圧・加圧部10及び気泡剪断部11にて微細化され、この後、整流部12で整流された後、吐出口3から微細気泡及び洗剤を含む洗浄水として吐出される。そして、このように吐出口3から吐出された微細気泡又は微細気泡及び洗剤を含む洗浄水を被洗浄物に当てて被洗浄物を洗浄する。
【0038】
ここで、本発明においては、図1に示すように、吐出ノズル1の吐出口3近傍に、洗浄ブラシ40が一体に取り付けられている。ここでは、吐出ノズル1の先端部1aにおける吐出口3近傍位置に洗浄ブラシ40とが一体に取り付けられている。この洗浄ブラシ40は弾性変形可能な材質からなる。この洗浄ブラシ40の材質は、耐摩耗性、耐薬品性等を考慮して、例えば、ナイロン製のブラシやスポンジ等が好ましい。本例の洗浄ブラシ40は、ブラシ本体41がブラシアタッチメント42に取り付けられていると共に、ブラシアタッチメント42の取付片42aが吐出ノズル1の吐出口3の外周壁1bの内面に接着等によって固着されている。図5、図6は洗浄ブラシ40の配置の一例であり、図5は吐出口3の片側に取り付けた状態を示し、図6は吐出口3を挟んでその両側に取り付けた状態を示しており、いずれの場合も、洗浄ブラシ40は少なくとも洗浄ブラシ40の先端部が吐出口3よりも前方に突出して配置してあると共に、噴流洗浄水の吐出軌道Wを妨げないように吐出ノズル1に対して取り付けてある。
【0039】
しかして、上記構成の吐出ノズル1の吐出口3から噴流洗浄水を噴射させるにあたって、水道水圧を利用することでポンプ等の動力が不要となり、構成の簡素化及び低コスト化、節電を図ることができる。しかも、吐出ノズル1の吐出口3近傍に一体に取り付けた洗浄ブラシ40を用いてブラッシングを行なうことで、洗浄水流だけでは落としきれないような強固に固着した汚れを確実に洗い落とすことができるだけでなく、強い洗浄水流と併用することでブラッシングの際に使用者の手にかかる負荷を軽減できるようになり、面倒なこすり洗いをしたり、手を濡らしたり汚したりすることなく、洗浄効果を高めることができると共に手荒れを防止できる。さらに洗浄ブラシ40は弾性変形可能で且つ最大変形状態でも噴流洗浄水の吐出軌道Wを妨げることがないため、ブラッシング時に洗浄水流が低下することもなく、洗浄ブラシ40を吐出口3近傍に一体に取り付けた構造でありながら、洗浄力を高く維持できる利点がある。
【0040】
また本例の洗浄水吐出装置30は洗剤を含む噴流洗浄水を吐出できるので、被洗浄物を綺麗に洗浄できる。また、気泡を含む噴流洗浄水は衝撃力が高く洗浄力が高いので、この点でも洗浄効果が高い。さらに、噴流洗浄水に含まれる気泡は泡径が非常に小さい微細気泡であるため、汚れへの付着性、浸透性、剥離効果が高く、このため被洗浄物に付着した油汚れをより効果的に落とすことができる。また、この微細気泡は泡径が非常に小さく均一に含まれるために噴流洗浄水の水流を乱しにくく、このため水跳ねを一層防止できるという利点もある。
【0041】
図7、図8は、請求項2に対応する実施形態であり、図7は洗浄ブラシ40は、吐出口3の外周を囲むようにして取り付けた状態を示し、図8は噴流洗浄水の吐出時に洗浄ブラシ40によって噴流洗浄水の吐出軌道Wが妨げられない状態を示している。他の構成は図1の実施形態と同様である。本例の洗浄ブラシ40は吐出口3を囲むような円筒形に形成されており、これにより、洗浄ブラシ40によるブラッシング方向が広がることで、ブラッシングの際に手首の自由度が大きくなって、どのような形状の食器も容易にブラッシングできるようになり、ブラッシング洗浄の能率化を図ることができ、さらにブラッシング洗浄時に加わる手首への負担を少くして、洗浄作業を楽に行えるようになる。
【0042】
図9は請求項3に対応する実施形態であり、洗浄ブラシ40を吐出ノズル1に対して着脱自在に取り付けた場合の一例である。他の構成は図1の実施形態と同様である。本例の洗浄ブラシ40は円筒形状に形成されたブラシ本体41とブラシアタッチメント42とが一体化されていると共に、ブラシアタッチメント42の外周面に形成した雄ネジ43がノズル本体の吐出口3の外周壁1bの内面に形成した雌ネジ44に対してネジ締めされる。しかして、必要に応じて洗浄ブラシ40のブラシアタッチメント42をノズル本体に装着して使用でき、不要なときは取り外しができて不要なものをノズル本体に取り付けないで済むので、デザイン性や収納性に優れたものとなる。また洗浄ブラシ40は脱着式で、それ自体を単体で洗うことができるので、清潔に保つことができる。さらにネジ締めによって洗浄作業時に洗浄ブラシ40が簡単に吐出ノズル1から外れないようにできる。
【0043】
図10は、請求項4に対応する実施形態であり、被洗浄物80に固着した汚れを、洗浄ブラシ40でブラッシングする際の、吐出口3と圧縮したブラシ最先端部分40aとの位置関係を示している。本例の洗浄ブラシ40は、ブラッシング時に最も圧縮したときのブラシ最先端部分40aよりも奥まった位置に吐出ノズル1の吐出口3が位置するように、配置されている。他の構成は図9の実施形態と同様である。本例の洗浄ブラシ40は円筒形状に形成されていると共に、ブラッシング時に圧縮されたときのブラシ最先端部分40aから吐出口3までの間には余裕スペースSが設けられており、従って、図示されるように、洗浄ブラシ40を被洗浄物80に強く押し付けて最も変形した場合でも、そのブラシ最先端部分40aが吐出口3に当たることがないので、吐出口3の先端部分の破損を防止できると共に、噴流洗浄水の吐出に対する影響も軽減できるようになる。
【0044】
図11は、請求項5に対応する実施形態であり、洗浄ブラシ40は、円筒形状に形成されたブラシ本体41とブラシアタッチメント42とからなり、ブラシアタッチメント42は吐出ノズル1と一体に設けられており、ブラシアタッチメント42に対してブラシ本体41が着脱自在に連結されている。他の構成は図1の実施形態と同様である。本例ではブラシアタッチメント42の複数個所に凹設したアリ溝45に対してブラシ本体41の複数箇所から背面に向けて突設した弾力性を有するアリ部材46を各々嵌入させことで、ブラシ本体41をブラシアタッチメント42に対して取り付け可能とし、また、嵌入方向と反対方向に引っ張れば取り外せるような構成となっている。従って、消耗品であるブラシ本体41が磨耗したときにはブラシ本体41のみを交換することができ、ブラシアタッチメント42はそのまま継続使用できるので、コスト的に有利となる。
【0045】
なお、前記洗浄水吐出装置30はキッチンシンク用のものであるが、浴室や洗面化粧台等、その他の衛生設備に適用しても良いものとする。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に用いる洗浄ブラシを備えた吐出ノズルを示し、(a)は吐出ノズルと洗浄ブラシとの分解側面図、(b)は洗浄ブラシを吐出ノズルの先端部に取り付けた状態の側面図である。
【図2】同上の洗浄ブラシ付き吐出ノズルが取り付けられる流し台のキッチンシンクの斜視図である。
【図3】同上の吐出ノズルに洗剤タンクを取り付ける場合を説明する側面断面図である。
【図4】同上の吐出ノズルに洗剤タンクを取り付けた状態の側面断面図である。
【図5】(a)(b)は同上の吐出ノズルの吐出口の片側に洗浄ブラシを取り付けた状態を示す側面断面図、下面図である。
【図6】本発明の他の実施形態であり、(a)(b)は同上の吐出ノズルの吐出口の両側に洗浄ブラシを取り付けた状態を示す側面断面図、下面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態であり、(a)(b)は同上の洗浄ブラシを吐出口の外周を囲むようにして取り付けた状態を示す側面断面図、下面図である。
【図8】図7の洗浄ブラシを取り付けた状態で噴流洗浄水が吐出する状態を示す側面断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態であり、洗浄ブラシを吐出ノズルに対して着脱自在に取り付けた場合の一例を示す側面断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態であり、吐出ノズルの吐出口と圧縮したブラシ最先端部分との位置関係を示す側面断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態であり、(a)(b)はブラシアタッチメントを吐出ノズルに一体に取り付け、このブラシアタッチメントに対してブラシ本体が着脱自在に連結されている状態を説明する側面断面図、下面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 吐出ノズル
1a 先端部
3 吐出口
31 流し台
32 キッチンシンク
33 給水路
40 洗浄ブラシ
40a 最先端部分
41 ブラシ本体
42 ブラシアタッチメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流し台に設置される給水路からの水道水を内部流路を経て吐出口から噴流洗浄水として吐出させる吐出ノズルと、吐出ノズルの吐出口近傍に取り付けられる洗浄ブラシとが一体状に構成されており、上記洗浄ブラシは弾性変形可能な材質からなると共にその最大変形状態で噴流洗浄水の吐出軌道を妨げないような位置に配置されていることを特徴とする洗浄水吐出装置。
【請求項2】
上記洗浄ブラシは、吐出ノズルの吐出口を囲むようにして配置されていることを特徴とする請求項1記載の洗浄水吐出装置。
【請求項3】
上記洗浄ブラシを吐出ノズルに対して着脱自在に取り付けてなることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄水吐出装置。
【請求項4】
上記洗浄ブラシは、ブラッシング時に最も圧縮したときのブラシ最先端部分よりも奥まった位置に吐出ノズルの吐出口が位置するように、配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の洗浄水吐出装置。
【請求項5】
上記洗浄ブラシは、ブラシ本体とブラシアタッチメントとからなり、ブラシアタッチメントが吐出ノズルに一体に設けられると共に、ブラシ本体がブラシアタッチメントに対して着脱可能に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の洗浄水吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−153624(P2009−153624A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333236(P2007−333236)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】