説明

洗浄装置

【課題】ワークに温度上昇を発生させず、後工程のリークテストへの短時間でのワーク供給と温度が安定したリークテスト実施環境を提供することが出来る洗浄装置。
【解決手段】常温の洗浄液3が満たされた洗浄タンク2内にクランプ6に保持されたワーク7を挿入して、洗浄タンク2内に設置されたノズル5から吐出したエアーとプロペラ4の回転により発生した渦巻き水流により発生するミキシングエアー入り洗浄液3をワーク7に当てる事によりワーク7に付着した切粉、切削油等の異物を除去する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明はシリンダブロック等エンジン部品製造時のワークに付着した切粉、切削油等の異物を除去する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
安全性が求められる自動車産業では、高精度な品質検査が求められている。リークテスト(漏れ検査)は、ワークに圧力をかけ、漏れによって生じる圧力変化を検出する検査であり、とりわけ、シリンダブロック等エンジン部品の製造には欠かせない検査であるが、更なる検査精度の向上には、前工程のワーク洗浄工程との関連性が重要であり、高性能な洗浄装置の開発が求められている。
【0003】
現在の洗浄装置は、洗浄能力及び洗浄後の乾燥を要求されている。洗浄能力確保の為には高圧ポンプを使用し、高圧洗浄により洗浄を行っている。又、洗浄後の乾燥についてはエアーブローにより水分を吹き飛ばす方法をとっている。しかし、これらの工程によって、ワークに温度変化を与えてリーク検査が不安定検出になってしまっている。不安定検出を解決する為に洗浄装置とリークテスト機の間にコンベアを設け、ワーク温度を常温にする工程がとられている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は、(1)高圧ポンプ洗浄による温度上昇(2)リークテスト機に与える不安定検出(3)ワーク温度を常温にするためのコンベア用スペースの廃止(4)導入コストの低減をなしうる洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明のワークに付着した切粉、切削油等の異物を除去する洗浄装置によれば、常温の洗浄液が満たされた洗浄タンク内にエアー吐出ノズル、渦巻き水流発生用プロペラ、ワーク保持用のクランプ、洗浄液供給口、排水溝からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、常温の洗浄液が満たされた洗浄タンクにクランプに保持されたワークを挿入して、ノズルから吐出したエアーとプロペラの回転により発生した渦巻き水流により発生するミキシングエアー入り洗浄液をワークに当てる事によりワークに付着した切粉、切削油等の異物を除去するので、高圧ポンプ洗浄で発生するワークの温度上昇が無く、リークテスト機の不安定検出をなくすことが出来、ワーク温度を常温にするためのコンベアを設置する必要が無く、低コスト化、小型化が図られる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を用いて本発明を具体的に詳述する。
【0008】
図1は本発明による洗浄装置の具体例の一つを示した断面図である。
【0009】
本発明洗浄装置1は図1に示すように、常温の洗浄液3が満たされている洗浄タンク2、洗浄タンク2内部にプロペラ4、ノズル5があり、ワーク用クランプ6、洗浄液供給口8、排水溝9から主に構成される。
【0010】
クランプ6に保持されたワーク7は常温の洗浄液3が満たされている洗浄タンク2に挿入される。洗浄タンク2内では、ノズル5から吐出したエアーとプロペラ4の回転により発生したミキシングエアー入り渦巻き水流が発生している。
【0011】
ワーク7には、渦巻き水流により発生するミキシングエアー入り洗浄液3が当り、ワーク7内部に入り込むことにより、ワーク7に付着した切粉、切削油等の異物がワーク7より除去される。
【0012】
ワーク7より除去された切粉、切削油等の異物は、洗浄タンク2底面のプロペラ4より発生する洗浄液3の渦巻き水流により洗浄タンク2より溢れ出す洗浄液3と共に洗浄タンク2より流出して、排水溝9より洗浄装置1の外部へ流出する。流出した洗浄液3は、切粉、切削油等の異物を除去後、洗浄タンク2の底面の洗浄液供給口8より洗浄タンク2に供給される。
【0013】
クランプ6が上昇して、洗浄タンク2から出て、ワーク7の保持を開放し洗浄工程が終了となる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明の洗浄装置は常温の洗浄液が満たされている洗浄タンク内にて、ノズルから吐出したエアーとプロペラの回転により発生した渦巻き水流により発生するミキシングエアー入り洗浄液をワークに当てて洗浄することによって、高圧ポンプ洗浄で発生するワークの温度上昇が無く、リークテスト機の不安定検出をなくすことが出来、ワーク温度を常温にするためのコンベアを設置する必要が無く、低コスト化、小型化が図られる為、産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による洗浄装置の具体例の一つを示した断面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 洗浄装置
2 洗浄タンク
3 洗浄液
4 プロペラ
5 ノズル
6 クランプ
7 ワーク
8 洗浄液供給口
9 排水溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温の洗浄液が満たされた洗浄タンクにクランプで保持されたワークを挿入して、洗浄タンク内に設置されたノズルから吐出したエアーとプロペラの回転により発生した渦巻き水流により発生するミキシングエアー入り洗浄液をワークに当てる事によりワークに付着した切粉、切削油等の異物を除去する洗浄装置。
【請求項2】
請求項1において、ワークの温度変化を発生させず、常温のまま後工程のリークテストへワークを供給することが出来る請求項1の洗浄装置。

【図1】
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