説明

洗濯水の再利用装置および方法

【課題】業務用洗濯作業において使用された水を再利用することが望まれていた。
【解決手段】業務用洗濯機1で使用された水のうち、前すすぎ工程で使用された水を処理するために溜める処理槽11を設ける。処理槽11には溜められた水を電気分解するためのアルミ電極ユニット13を設ける。また、マイクロバブル吐出口15を設け、マイクロバブルを発生させて不純物の凝集、沈殿を促進する。処理槽11で処理された後の水を溜めるための貯水槽12を設ける。貯水槽12には溜められた水を脱色、脱臭するためのオゾン吐出口17を設ける。そして、貯水槽12に溜められた水は、ポンプ22で汲み出し、返送管23を通って業務用洗濯機1へ与える。返送管23には、水を除菌するための電解次亜発生器24を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洗濯に使用される水を浄化して再利用するための洗濯水の再利用装置および再利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯作業に使用する水は、すべて上水道の水が使用され、使用後の水は公共下水道や浄化槽等へ排水されている。このような水の利用の仕方では、特に業務用の洗濯作業において、膨大な量の水が排水されるので、費用面や環境面から好ましくない。
そこで、特開平11−21955号公報には、洗濯作業において、最後のすすぎ工程で使用した比較的清浄な水をリサイクルするためのシステムが提案されている。
【特許文献1】特開平11−21955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載の水のリサイクルシステムでは、最後のすすぎ工程で使用した水のみをリサイクルタンクに回収して、再利用するというものである。当該システムは、再利用する水を、単にリサイクルタンクに回収するに過ぎず、再利用する水(すすぎ工程で使用した水)が比較的清浄であって、再利用に適しているということを前提にしたものである。
【0004】
ところが、すすぎ工程で使用した水であっても、洗濯の状況によっては、そのまま再利用するのに適さないことも少なくない。また、上記先行技術では、最後のすすぎ工程の水しか再利用することができない。
この発明は、かかる背景のもとになされたもので、洗濯作業において使用された水に対し、一定の処理を行うことにより、再使用可能な水に浄化して、確実な再利用を図れるようにした洗濯水の再利用装置および方法を提供することを主たる目的とする。
【0005】
この発明はまた、洗濯作業に使用された水を、再利用に適するように浄化するための装置および方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、洗濯作業においてすすぎ工程で使用された水を処理するために溜める処理槽と、上記処理槽に溜められた水を金属電極を用いて電気分解する電気分解装置と、上記処理槽で処理された後の水を溜めるための貯水槽と、上記貯水槽に溜められた水を、洗濯水として供給するための供給手段と、を含むことを特徴とする洗濯水の再利用装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記処理装置は、洗濯機から出力されるすすぎ工程を終えた旨の信号に応答して、洗濯機から水を取り込むための取水手段を含むことを特徴とする、請求項1記載の洗濯水の再利用装置である。
請求項3記載の発明は、洗濯機から排水される洗濯作業に使用された水の水質を判定する水質判定手段と、上記水質判定手段が、予め定める水質以上の水であると判定したことに応答して、洗濯機から排水される水を処理するために溜める処理槽と、上記処理槽で溜められた水を金属電極を用いて電気分解する電気分解装置と、上記処理槽で処理された後の水を溜めるための貯水槽と、上記貯水槽に溜められた水を、洗濯水として供給するための供給手段と、を含むことを特徴とする洗濯水の再利用装置である。
【0008】
請求項4記載の発明は、上記処理槽に溜められた水に対して気泡を供給するためのバブル発生装置が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置である。
請求項5記載の発明は、上記貯水槽に溜められた水に対してオゾンを供給するためのオゾン発生装置が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに2記載の洗濯水の再利用装置である。
【0009】
請求項6記載の発明は、上記供給手段は、一端が上記貯水槽に連結され、他端が供給先とつながっている供給路と、供給路を介して貯水槽の水を汲み出すポンプとを有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置である。
請求項7記載の発明は、上記供給路には、供給路を通る水を電気分解し、次亜塩素酸を発生させて除菌するための電気分解装置が設けられていることを特徴とする、請求項6記載の洗濯水の再利用装置である。
【0010】
請求項8記載の発明は、上記貯水槽には、水位を検知するための水位センサと、水位センサにより貯水槽の水位が所定水位以下になったことが検知されたことに応答して、貯水槽に上水を供給する上水供給手段とが設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置である。
請求項9記載の発明は、上記処理槽は地下に配置され、上記貯水槽は地上に配置されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置である。
【0011】
請求項10記載の発明は、洗濯作業においてすすぎ工程で使用された水を溜め、金属電極を含む電気分解装置によって溜めた水に電気分解を施し、有機物およびミネラル分を凝集によって沈殿除去して水を浄化し、浄化後の水を洗濯水として再利用に供することを特徴とする、洗濯水の再利用方法である。
請求項11記載の発明は、洗濯機から排水される洗濯作業に使用された水の水質を判定し、水質が予め定める水質以上であれば、その排水される水を取り込んで溜め、金属電極を含む電気分解装置によって溜めた水に電気分解を施し、有機物およびミネラル成分を凝集によって沈殿除去して水を浄化し、浄化後の水を洗濯水として再利用に供することを特徴とする、洗濯水の再利用方法である。
【0012】
請求項12記載の発明は、上記水を浄化する際に、有機物およびミネラル分の凝集を促進するために、気泡を水中に供給することを特徴とする、請求項10または11記載の洗濯水の再利用方法である。
請求項13記載の発明は、上記浄化した水をオゾンを用いて脱臭、脱色する工程を含むことを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の洗濯水の再利用方法である。
【0013】
請求項14記載の発明は、上記浄化した水を電気分解によって発生する次亜塩素酸で除菌する工程を含むことを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の洗濯水の再利用方法である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1〜3の発明によれば、再利用のために処理槽において処理される水は、金属電極を用いて電気分解される。金属電極としては、たとえばアルミ電極が好ましく、アルミ電極で電気分解をすると、陽極からアルミイオンが溶出して、水中の有機物とともに、カルシウムやマグネシウム等のミネラル成分も凝集により沈殿除去される。
水中のミネラル成分が除去されると、水の軟水化が図れるので、再利用される水の洗濯性能を大きく向上させることができる。つまり、再利用水は、洗剤の使用量やアルカリ助剤の使用量を低減できる、洗濯に適した水とすることができる。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、処理装置は、洗濯機から出力されるすすぎ工程を終えた旨の信号に応答して、洗濯機からの水を取り込むため、洗濯機においてすすぎ工程で使用された水を確実に溜めることができる。
また、請求項3の発明では、洗濯機から排水される水の水質を判定し、洗濯工程などに使用された汚れの程度の高い水ではなく、すすぎ工程に使用された比較的汚れの少ない清浄な水か否かが判定され、予め定める水質以上の水、すなわち比較的清浄な水であると判定された場合に、洗濯機から排水される水が処理のために処理槽に溜められる。かかる構成にすれば、洗濯機、特に業務用の洗濯機に対して、洗濯機の構成を何ら改良することなく、洗濯機に対して後付け可能な洗濯水の再利用装置を作ることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、バブル発生装置により水中に気泡が発生されるので、水の中に含まれる有機物やミネラル成分を、より短時間で凝集させ、沈殿除去することが可能となる。この場合、バブル発生装置が、微細な気泡を発生する装置であれば、微細気泡は凝集作用が高いので、より好ましい。
請求項5の発明によれば、再利用のために処理された後、貯水槽に溜められている水に対して、オゾン発生装置によりオゾンが供給される。これにより、再利用する水の脱臭や脱色がなされ、再利用水がより清浄になる。
【0017】
請求項6の発明によれば、再利用水を洗濯に使用する場合に、ポンプを駆動すれば、必要な量の再利用水が洗濯のために供給できる。
請求項7の発明では、再利用のために供給される水を、さらに、電気分解するので、電気分解時に生じる次亜塩素酸により、再利用水が除菌される。従って、再利用水は、より浄化された水となって、洗濯のために供給される。また、電気分解により生成させた電解次亜液は、pHが中性の液であるので、その安全性が高く、薬品(次亜塩素酸ソーダ)のような危険性がない。従って、洗濯作業をより安全な作業とすることができる。
【0018】
請求項8の発明によれば、貯水槽には、再利用のための水が常に蓄えられており、仮に処理槽によって処理された再利用のための水が足りなくなった場合には、貯水槽に浄水が供給され、貯水槽が常に一定量の水を確保した状態になる。従って、貯水槽には常に一定量の再利用水が溜められているから、洗濯時にこの再利用水を計画的に、かつ、効果的に利用することができる。
【0019】
請求項9の発明によれば、再利用装置の配置が効率的に行える。すなわち、洗濯作業において使用された水は、地下に配置された処理槽に自重で排水することができる。そして地下の処理槽で処理された水は、再利用のために地上の貯水槽に溜められるので、貯水槽から再利用時に容易に汲み出すことが可能になる。
請求項10〜14の方法によっても、上述した再利用装置と同様、洗濯作業において使用した水の効率的な再利用を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、この発明の具体的な実施形態について説明するが、具体的な実施形態の説明に入る前に、まず、業務用洗濯において、水の再利用が必要な背景について詳しく説明をする。
(1)水の再利用の必要性
洗濯時、予洗、本洗、すすぎ(1回目、2回目、3回目)の水は、すべて上水道の水が使用され、使用後は全てが排水されている。通常、乾燥重量1Kgの洗濯物を洗濯する場合、10L程度の水が必要であると言われているので、たとえば、乾燥重量200Kgの洗濯物を洗濯する場合は約2トン(2000L)の水が必要である。
【0021】
クリーニング業やリネン業などで用いられる業務用といわれる洗濯機は、1回につき、乾燥重量が20Kg〜50Kgの洗濯物を洗濯できる性能を持っている。通常、これら洗濯機が複数台設置されて洗濯が行われているので、水道水の使用量は膨大な量であり、上水道の使用費用および下水処理のための費用も膨大なものとなっている。
このため、業務用の洗濯機を使用する場合に、水の再利用をすることが要望されている。この発明では、かかる背景に鑑み、使用した水のうち、全てのすすぎ水を、電気分解等で浄化して再利用する装置および方法を提供するものである。
(2)洗剤・薬品の低減の必要性
業務用の洗濯作業では、大量の洗剤やアルカリ助剤を洗濯機に投入して洗濯が行われている。そして、すべての洗濯水が排水されているので、排水には、洗剤、アルカリ助剤、アルカリ助剤を中和するための中和剤(希硫酸)が混在しており、放流先の処理施設に負担(負荷)を与えている。そこで、洗剤や洗濯助剤の使用量を減らす方策が要望されている。
(3)使用エネルギー低減の必要性
病院や特別擁護老人ホームから出る介護用おむつなどは、おむつに汚物が付着しているので、これらおむつを洗濯する際には、厚生省労働省のガイドラインにより+80℃の温水で10分以上洗濯するよう指導されている。このため、常温の上水道の水を+80℃に上昇させるためのボイラー等の機器が必要であり、経済的な負担となっている。
【0022】
そこで、より効率の良い洗濯を行うことで、経済的負担を軽減する方策も要望されている。
(4)作業の安全性の確保
業務用の洗濯工程では、薬品(次亜塩素酸ソーダ)を使って漂白・除菌を行っているが、この薬品(次亜塩素酸ソーダ)は、高アルカリ(pH12程度)なので、取り扱いに際して危険性が高く、マスク、手袋、防護眼鏡の着用などのもと、慎重な取り扱いが必要である。従って、これらの薬品を使用しない洗濯方法が望まれるところである。

この発明は、以上のような背景のもとになされたものであり、以下に、好ましい実施形態により、発明の具体的な構成について詳述をする。
【0023】
図1は、この発明の一実施形態に係る洗濯水の再利用装置全体のシステム構成図である。図1において、1は洗濯機(業務用洗濯機)であり、業務用洗濯機1には、上水道供給源2(この供給源は、たとえば予め所定の容量のタンクに上水が溜められたものが用いられるが、上水道設備自身が供給源となっていてもよい。)から上水供給管3を介して上水が与えられる。上水供給管3には電磁弁4が備えられていて、電磁弁4を開閉することにより、洗濯機1への上水の供給を制御できる。上水供給管3にはスチーム供給路5が合流されている。スチーム供給路5からは、ボイラーで加温されたスチームが供給され、上水供給路3を通って洗濯機1へ与えられる水が熱交換によって温水にされる。
【0024】
洗濯機1には排水管6が接続されていて、排水管6は下水道放流先7につながっている。排水管6には中和装置8からの供給路9が合流されている。中和装置8は希硫酸などのpHが低い中和剤で、排水管6を通して排水される洗濯水を中和処理するためのものである。
この実施形態に係るシステムの特徴は、業務用洗濯機1に関連して、水再利用槽10が備えられていることである。水再利用槽10には処理槽11および貯水槽12が含まれている。
【0025】
処理槽11には、アルミ電極ユニット13と、アルミ電極ユニット13の通電制御をするための制御ユニット14とが備えられている。アルミ電極ユニット13は処理槽11に被処理水が溜められた状態のとき、被処理水に浸かる位置に備えられている。制御ユニット14は、図示では処理槽11内部に配置されているが、処理槽11の外側に取り付けられていてもよい。
【0026】
処理槽11内には、たとえばその下方位置に、マイクロバブル吐出口15が配置されている。マイクロバブル吐出口15にはマイクロバブル発生装置16がつながっており、マイクロバブル発生装置16により、マイクロバブル吐出口15から処理槽11内に溜められた被処理水中に微細気泡が発生される仕組みである。
貯水槽12内にはオゾン吐出口17が配置されており、オゾン発生器18で発生されるオゾンは、この吐出口17から貯水槽12内へ供給される。
【0027】
業務用洗濯機1で使用されたすすぎ水は、排水管19を経由して処理槽11へ与えられるようになっている。排水管19には排水管19を開閉するための電磁弁20が備えられている。電磁弁20が開かれることにより、業務用洗濯機1で用いられたすすぎ水は、排水管19を通って処理槽11へ与えられ、処理槽11内に溜まる。処理槽11に溜まったすすぎ水(被処理水)は、アルミ電極ユニット13により電気分解されて有機物およびミネラル分が凝集されて沈殿除去される。その際、マイクロバブル吐出口15から吐出される微細気泡(マイクロバブル)が、有機物やミネラル分の凝集を助ける。
【0028】
処理槽11と貯水槽12との間は仕切壁21で仕切られており、処理槽11において浄化処理された水(被処理水)は、貯水槽12へ自然移送されて、貯水槽12に溜まる。貯水槽12にはオゾン吐出口17が設けられており、溜まった水にオゾンが供給されることにより、水の脱臭および脱色がされる。
貯水槽12にはポンプ22が備えられていて、ポンプ22により貯水槽12の水が汲み出され得る。ポンプ22で汲み出される水は、返送管23を介して洗濯機1へ返送される。返送管23の途中には、電解次亜生成器24が備えられていて、この電解次亜生成器24で生成される次亜塩素酸(電解次亜液)により、返送される水が除菌される。さらに、返送管23にはスチーム供給路25が合流されていて、返送管23を返送される水は熱交換により温められて温水とされ、洗濯機1に戻される。
【0029】
貯水槽12には、さらに、水位センサ26が設けられている。水位センサ26により、貯水槽12に溜められた水が所定量を超えると、超えた水(オーバーフロー水)はオーバーフロー管27を通って排水管6へ放出される。一方、水位センサ26により貯水槽12内の水が所定量以下になったことが検知されると、上水供給管3から分岐した上水供給管28を通って上水が補給される。上水供給管28には、上水供給管28を開閉するための電磁弁29が備えられている。このように、貯水槽12に水位センサ26が配置されていることにより、貯水槽には、常に一定量の再利用可能な水が蓄えられた状態となっている。
【0030】
次に、図1に示すシステムにおいて、業務用洗濯機1で行われる洗濯工程と、その際の給水および排水について説明をする。この実施形態に係る業務用洗濯機1では、洗濯工程は、予洗(1回)、本洗(2回)、すすぎ(3回)が行われる。
[予洗工程]
予洗工程とは、洗剤を投入せずに水または温水のみで洗濯する工程である。病院や特別擁護老人ホームから出る介護用おむつなどは、おむつに汚物が付着しているので、汚物を洗い流す意味での、洗剤を投入しない水洗いによる予備洗い工程(予洗)が必要である。
【0031】
予洗工程では、洗濯水は、初期には、上水道供給源2から上水供給管3を介して供給される。そして予洗後の排水は、排水管6を介して下水道放流先7へ排水される。
一方、初期の洗濯ではなく、何度か洗濯工程が行われている場合には、貯水槽12に浄化水が溜まっているから、予洗工程では、貯水槽12の浄化水がポンプ22により汲み上げられ、返送管23を通ってその水が洗濯機1へ供給される。
[本洗工程]
本洗工程では、初期は、上水道供給源2から上水供給管3を介して上水が洗濯機1へ供給される。その際、スチーム供給路5により、供給される水は温水に加温される。一方、洗濯機1には、洗剤およびアルカリ助剤が投入されて、洗濯が行われる。洗濯後の排水は、排水管6を介して下水道放流先7へ排水される。その際、洗濯水にはアルカリ助剤が投入されているので、洗濯後の水は高アルカリであり、それを中和するために、中和装置8から供給路9を介して希硫酸等の中和剤が混入される。
【0032】
本洗工程が、最初の洗濯サイクルではないときは、貯水槽12に既に処理された浄化水が溜まっている。この場合には、ポンプ22で浄化水が汲み出され、返送管23を介して洗濯機1に本洗工程に使用される水が供給される。この水も、スチーム供給路25から供給されるスチームにより加温される。
上述の本洗工程は、2回繰り返される。
[すすぎ工程]
すすぎ工程は3回行われるが、3回とも、すすぎ後の水は、下水道放流先7へ排水されず、水再利用槽10において再利用のための処理がなされる。
【0033】
すなわち、すすぎ工程の初期は、上水供給源2から上水供給管3を介して洗濯機1にすすぎ水が供給される。第1回目のすすぎ工程終了後のすすぎ水(被処理水)は、電磁弁20が開かれることにより、排水管19を介して処理槽11へ溜められる。処理槽11に備えられたアルミ電極ユニット13は、被処理水を電気分解するためのものである。アルミ電極ユニット13は、具体的には、一対または複数対で構成したアルミニウム、鉄、マグネシウム等の電極材料を用いた金属電極ユニットにより、被処理水に電気分解を加えるためのものである。電極は、陽極にアルミニウム、鉄もしくはマグネシウムまたはこれらの合金を用い、陰極にはステンレス電極を用いるのが通例である。しかし、陽極および陰極の両極共に、アルミニウム、鉄もしくはマグネシウムまたはこれらの合金電極を用いてもよい。
【0034】
処理槽11に溜まったすすぎ水(被処理水)に、電気分解を加えると、陽極からアルミニウム、鉄などの金属イオンが溶出する。また、すすぎ水には、汗や汚れなどの微細な浮遊有機物(SS)や溶解した有機物(COD)が含まれている。これら有機物は、マイナスに帯電しているので、陽極電極から溶出した金属イオンと結合する。たとえば、アルミ電極の場合、水酸化アルミニウム等のアルミ化合物として凝集し、沈殿する。その際、有機物にカルシウムイオンやマグネシウムイオンも吸着されるので、ミネラル分も水中から除去されることになる。
【0035】
アルミ電極ユニット13(陽極がアルミニウム)により電気分解が行われる場合の化学式を以下の(1)(2)式に示す。
Al→Al3++3e …………………………(1)
Al3++3OH- →Al(OH)3 ↓ ………(2)
また、陽極を鉄で形成した場合、電極ユニット13により電気分解が行われる場合の化学式は、以下の(3)(4)となる。
【0036】
Fe→Fe3++3e- …………………………(3)
Fe3++3OH- →Fe(OH)3 ↓ ………(4)
さらに、陽極をマグネシウムで形成した場合、電極ユニット13により電気分解が行われる場合の化学式は、以下の(5)(6)となる。
Mg→Mg2++2e- …………………………(5)
Mg2++2OH- →Mg(OH)2 ↓ ………(6)
上述のように、金属電極から溶出した金属陽イオンは、すすぎ水(被処理水)に含まれている水道水由来のカルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウムイオン(Mg2+)などを取り込んで凝集するため、処理後のすすぎ水はこれらの成分を含まない軟水となる。この結果、処理したすすぎ水を次の洗濯工程に用いる際、洗剤の泡立ちが良くなり、洗浄効率が大きく向上する。
【0037】
アルミ電極ユニット13の下方には、マイクロバブル吐出口15が備えられていて、この吐出口15からは数μ〜数10μの微細気泡が放出される。電気分解によって凝集したフロック等はマイクロバブルにより水中で衝突し大きな核へと成長する。従って、吐出されるマイクロバブルは電気分解により凝集する有機物や金属イオンの凝集沈殿を補佐し、効率良く凝集沈殿を行わせる。
【0038】
洗濯作業は、業務用の洗濯を例にとると、通常、朝(たとえば午前8時)から夜(たとえば午後8時)まで行われ、作業終了後は、水の流入が停止している。従って、停止している約12時間の間に凝集した有機物等は処理槽11および貯水槽12の底に沈殿する。かかる槽の底部に溜まった沈殿物は、定期的に引き抜き除去することになる。
ところで、マイクロバブル吐出口15から吐出されるマイクロバブルの特徴は、水中に浮遊する過程でナノレベルまで自然収縮し、最終的には内部の気体を溶解させて消滅するので、処理槽11内での滞留時間が長いという特徴がある。このため、処理槽11内の水が自然移送により貯水槽12に流れていく際、その水には消滅していないマイクロバブルが含まれている。貯水槽12にはオゾン吐出口17が備えられており、吐出されるオゾンは、マイクロバブルと協働して、電気分解処理では除去できにくい臭い成分や色成分をオゾン酸化により除去する。
【0039】
そして、貯水槽12に溜められた処理後の浄化水は、ポンプ22で汲み出され、その途中で、電解次亜発生器24により除菌されて清浄水となり、洗濯機1へ返送されて再利用される。
なお、オゾン吐出口17は貯水槽12内に備えられているが、処理槽11内に配置してもよい。
【0040】
この実施形態では、再利用のために処理する水は、すすぎ水に限っている。この理由は、予洗工程や本洗工程で使用した後の水は、汚れ具合が高く、これを電気分解等により浄化しようとすると、多くの電気エネルギーを必要とし、上水を供給するよりもランニングコストが高価になることを考慮したものである。
図2に、洗濯水(本洗工程後の水)と、すすぎ水(1回目のすすぎ後の水および2回目のすすぎ後の水)の水質を比較した表を示す。この表から明らかなように、本洗が終了した排水の水質は、有機物の濃度がかなり高いのに対し、すすぎが終了した後の排水の水質は、それらがかなり低くなっている。そこで、この実施形態では、全てのすすぎ水を被処理水として、浄化の対象とするものである。
【0041】
この実施形態のように、予洗工程(1回)、本洗工程(2回)およびすすぎ工程(3回)のうち、3回行われるすすぎ工程で使用した水をすべて再利用のために処理すると、2回目以降の洗濯サイクルにおいては、予洗工程および本洗工程で必要な水はすべて再利用水により賄うことが可能となり、水の使用量を、半減することが可能となる。
図3は、この発明の他の実施形態に係る水の再利用装置全体のシステム構成図である。
【0042】
図3において、11は処理槽であり、処理槽11は地下に設置されている。処理槽11内は3つの室11a、11b、11cに区分されており、流入口31から入った被処理水は、第1室11a、第2室11bおよび第3室11cへと順に自然移動する。第3室11cには所定量以上に溜まった水を槽外へ排水するためのオーバーフロー口32が備えられている。
【0043】
第2室11bには先に説明した実施形態と同様のアルミ電極ユニット13およびマイクロバブル吐出口15が備えられていて、これらアルミ電極ユニット13およびマイクロバブル吐出口15から吐出されるマイクロバブルにより、被処理水に対して電気分解処理に伴う凝集沈殿作用が施される。アルミ電極ユニット13には制御ユニット14が接続されている。
【0044】
この実施形態では、貯水槽12は処理槽11とは別体で構成されていて、貯水槽12は地上に配置されている。このため、処理槽11の第3室11cから処理された水を汲み出すためのポンプ33が設けられ、ポンプ33で汲み出される水は、流路34を通って流入口35から貯水槽12へ与えられる。貯水槽12も、3つの室12a、12b、12cに区画されていて、第3室12c内にオゾン吐出口17が備えられている。このように、処理槽11および貯水槽12を、複数の室に区画することにより、その室間を水が自然移動する間に、底に水中の不純物等が沈殿易い等の利点がある。
【0045】
貯水槽12の第3室12cに溜まった水は、ポンプ22で汲み上げられ、返送管23を通って洗濯機1へ供給される。返送管23の途中には熱交換器36が備えられている。熱交換器36は、ボイラ37で加熱されたスチームと返送管23を流れる水との熱交換を行い、返送管23を流れる水を温めて、温水が洗濯機1へ供給されるようにするものである。
【0046】
貯水槽12の水が所定水位以下になったことが水位センサ26で検知されると、上水タンク2に溜められた水が供給され、貯水槽12の水位は常に一定水位に保たれる。
このシステムには、電解次亜生成器24が備えられていて、生成された次亜塩素酸水を溜める電解水タンク38が設けられている。電解水タンク38に溜められた電解水(電解次亜塩素酸水)は、供給路39を介して洗濯機1へと供給可能である。また、電解水タンク38の電解水は、消毒用途等のために供給路40を介して取り出すことができる。さらに、このシステムでは、洗濯機1が収められた家屋41に降る雨水が雨水マス42へ集められ、被処理水として処理槽11へ供給される。
【0047】
なお、洗濯機1で用いられた洗濯水のうち、すすぎ工程で使用された水は排水管19を経て処理槽11へ与えられるが、それ以外の水、すなわち予洗工程および本洗工程で用いられた洗濯水は、分岐点43から図において破線で示すように、下水へ排水される。すなわち、この実施形態においても、洗濯機1で使用された洗濯水のうち、すすぎ工程で使用されたすすぎ水だけが、被処理水として、処理槽11で処理され、貯水槽12へ溜められるものである。
【0048】
図3に示すシステムによれば、業務用洗濯機に使用する水の一部を再利用することができ、経済的でかつ環境にも配慮した好ましい洗濯水の再利用システムとすることができる。
図4は、洗濯機から出力されるすすぎ工程を終えた旨の信号に応答して、処理槽が洗濯作業に使用した水を取り込んで処理する場合の制御手順を表わすフロー図である。図4に示す制御手順は、図1に示すシステムにも、図3に示すシステムにも適用可能であるが、以下の説明では、図1に示すシステムに適用された場合について説明をする。
【0049】
動作が開始されると、まず、水道水が供給される(ステップS1)。水道水の供給は、図1において、電磁弁4が開かれることにより行われる。
そして、洗濯機1において予洗が行われ(ステップS2)、予洗に使用された水は排水管6を通って排水され(ステップS3)、再び電磁弁4が開かれて、水道水が供給される(ステップS4)。
【0050】
そして、洗濯機1において本洗1が行われ(ステップS5)、排水管6を通って本洗1で使用された水が排水され(ステップS6)、電磁弁4が再び開かれて、水道水が供給される(ステップS7)。
そして、洗濯機1で本洗2が行われ(ステップS8)、本洗2に使用された水は排水管6を通って排水される(ステップS9)。
【0051】
次いで、水再利用槽10からポンプ22によって貯水槽12の水が汲み出されて、汲み出された水は電解次亜生成器24を介し、返送管2から洗濯機1に給水される。そして洗濯機1では、水再利用槽10から供給された水が用いられてすすぎ1が行われる(ステップS10)。
すすぎ1が終了後、洗濯機1はすすぎ1が終了した旨の信号を水再利用槽10に与え、それに応じて水再利用槽10は電磁弁20を開いて、排水管19を介してすすぎ1終了後の水を処理槽11へ取り込む。
【0052】
次いで、洗濯機1に対し、貯水槽12からすすぎ2のための水が返送管23を介して給水される。洗濯機1ではこの水を用いてすすぎ2を行う(ステップS11)。そしてすすぎ2が終了すると、その旨の信号を出力し、それに応じて電磁弁20が開かれて、すすぎ2の工程に使用した水は排水管19を介して処理槽11へ排水される(ステップS11)。
【0053】
さらに、貯水槽12からすすぎ3のために、洗濯機1に対して水が供給される。そして洗濯機1では、この供給された水を用いてすすぎ3を行う。すすぎ3終了後、洗濯機1はすすぎ3が終了した旨の信号を出力し、その信号に応じて電磁弁20が開かれて、すすぎ3に用いられた水は処理槽11に溜められる(ステップS12)。
洗濯機1では、すすぎ3終了後、洗濯物の脱水・乾燥処理を実行し(ステップS13)、その処理が終わると動作を終える。
【0054】
図5は、洗濯機から排水される水の汚れ具合を水質判定によって実行し、汚れの少ないすすぎ工程で使用した水は処理の対象とするが、それ以外の水は処理の対象としない場合の制御動作を表わすフロー図である。水質判定により、洗濯機から排水される水を処理の対象としたり、しなかったりを切り換えることにすると、洗濯機が洗濯工程を終了したか、すすぎ工程を終了したかを区別する信号を洗濯機から入手する必要がない。従って、洗濯機に対し、容易に後付けでき、その際に洗濯機を何ら改造する必要のない洗濯水の再利用装置とすることができる。
【0055】
次に、図5の制御動作を、図3のシステムに適用した場合を例にとって説明する。
図5の制御動作を行う場合は、図3のシステムにおいて、洗濯機1からの排水分岐点43に、たとえば導電率センサを挿入しておき、排水の導電率を測定する必要がある。比較的清浄な水は電気導電率が低く、一方、汚濁度の高い水は電気導電率が高い。そこでこれを利用して、水の導電率を測定し、一定値以上の導電率の水(すなわち予洗や本洗に使用した水)は下水へ排水し、一定値未満の導電率の水(すなわちすすぎ工程終了後の水)は再利用するというものである。
【0056】
なお、水質判定は、導電率センサにより電気導電率を測定する以外に、たとえば排水中に一対の電極を浸漬させ、一対の電極間電圧を測定することによっても実現可能である。この場合、汚濁度の高い水の電極間電圧は低く、清浄度の高い水の電極間電圧は高いことに基づき、一定の閾値を境に、排水される水が予洗や本洗に使用された水か、すすぎに使用された水かを弁別することが可能である。
【0057】
あるいは、水質判定は、排水管の一部を透明にし、排水管の直径方向に対向する投光素子、受光素子を配置し、受光素子が受光する光量によっても判定することができる。つまり、水質判定センサは、光学的センサ(投光素子、受光素子を用いたセンサ)で構成することもできる。
図5を参照して、制御動作を説明する。動作がスタートすると、まず、貯水槽12の水がポンプ22で汲み出されて、返送管23を介して洗濯機1に供給され、その水を用いて予洗が行われる(ステップP1)。
【0058】
予洗終了後、洗濯機1から予洗に使用された水が排水されるが、排水される水は分岐点43において、導電率が測定されることにより水質判定が行われる(ステップP2)。水質判定の結果、比較的清浄な水と判定されると、排水管19を経て処理槽11へ与えられるが、ステップP2では、予洗に用いられた水の水質が判定されるため、この水は汚濁物を含んだ、電気伝導度の高い水であるから処理はステップP3へ進んで、水は下水へ排水される。
【0059】
次に、貯水槽12から洗濯機1へと本洗1のための水が供給され、本洗1が行われる(ステップP4)。
本洗終了後、洗濯機1から排出される水の水質が判定される(ステップP5)。
この判定においても、本洗1で使用された水は汚濁度が高く、電気伝導率が高いので、処理はステップP6へと進み、本洗1に使用された水は下水へ排水される。
【0060】
次いで、貯水槽12から洗濯機1に対して本洗2のための水が供給され、本洗2が行われる(ステップP7)。
本洗2で使用された水も、排水時に水質が判定される(ステップP8)。本洗2に使用された水の水質も、汚濁度が高く、あまり清浄ではないため、水質判定の結果処理はステップP9へ進んで、水は下水へ排水される。
【0061】
次に貯水槽12から洗濯機1に対してすすぎ1のための水が供給され、すすぎ1が実行される(ステップP10)。
すすぎ1の終了後、排水される水の水質が判定される(ステップP11)。すすぎ1終了後の水は、図2でも説明したように、比較的清浄な水である。このため、水質判定結果はYES(比較的清浄)となり、分岐点43において、たとえば三方弁で構成された排出先が切り換えられ、すすぎ1に使用された水は排水管19を介して処理槽11へと与えられる。
【0062】
よって、ステップP12の処理はスキップされて、次に貯水槽12から洗濯機1に対してすすぎ2のための水が供給され、すすぎ2が行われる(ステップP13)。
すすぎ2終了後、洗濯機1から排水される水の水質が判定される(ステップP14)。この水も比較的清浄であるから、処理槽11へと溜められる。
従って、ステップP15の排水はスキップされて、次のすすぎ3のために、貯水槽12から洗濯機1に水が供給され、すすぎ3が実行される(ステップP16)。
【0063】
すすぎ3終了後、洗濯機1から排水される水の水質が判定され、その結果比較的清浄と判定されるから、その水は再び排水管19を通って処理槽11へ溜められる。
そしてステップP18の排水はスキップされて、洗濯機1において、洗濯物の脱水および乾燥が行われ(ステップP19)、動作が終了する。
なお、貯水槽12に溜められた水は、予洗、本洗1、本洗2のためにも供給されるから、貯水槽12の水は必然的に不足する。そのため、貯水槽12には、先に説明したように、上水タンク2から必要に応じて上水が供給され、常に一定量の水が溜まっているようにされている。
【0064】
図5に示す制御動作では、予洗(ステップP1)、本洗1(ステップP4)および本洗2(ステップP7)に対する水を貯水槽12から供給するように説明したが、これらの水は水道水を直接供給する構成であってもよい。
また。図5の制御動作は、図3のシステムに限らず、図1のシステムに対しても適用可能である。
【0065】
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明の一実施形態に係る洗濯水の再利用装置全体のシステム構成図である。
【図2】洗濯水(本洗工程後の水)と、すすぎ水(1回目のすすぎ後の水および2回目のすすぎ後の水)の水質を比較した表である。
【図3】この発明の他の実施形態に係る水の再利用装置全体のシステム構成図である。
【図4】この発明の一実施形態に係るシステムの制御動作を示すフロー図であり、洗濯機から出力される信号に基づく制御動作の一例が示されている。
【図5】この発明の一実施形態に係るシステムの制御動作を表わすフロー図であり、水質判定センサを用いた、洗濯機の動作とは無関係に制御動作を行う場合のフロー図である。
【符号の説明】
【0067】
1 業務用洗濯機
10 水再利用槽
11 処理槽
12 貯水槽
13 アルミ電極ユニット
15 マイクロバブル吐出口
16 マイクロバブル発生装置
17 オゾン吐出口
18 オゾン発生器
22 ポンプ
23 返送管
24 電解次亜生成器
26 水位センサ
28 上水供給管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯作業においてすすぎ工程で使用された水を処理するために溜める処理槽と、
上記処理槽に溜められた水を金属電極を用いて電気分解する電気分解装置と、
上記処理槽で処理された後の水を溜めるための貯水槽と、
上記貯水槽に溜められた水を、洗濯水として供給するための供給手段と、
を含むことを特徴とする洗濯水の再利用装置。
【請求項2】
上記処理装置は、洗濯機から出力されるすすぎ工程を終えた旨の信号に応答して、洗濯機から水を取り込むための取水手段を含むことを特徴とする、請求項1記載の洗濯水の再利用装置。
【請求項3】
洗濯機から排水される洗濯作業に使用された水の水質を判定する水質判定手段と、
上記水質判定手段が、予め定める水質以上の水であると判定したことに応答して、洗濯機から排水される水を処理するために溜める処理槽と、
上記処理槽で溜められた水を金属電極を用いて電気分解する電気分解装置と、
上記処理槽で処理された後の水を溜めるための貯水槽と、
上記貯水槽に溜められた水を、洗濯水として供給するための供給手段と、
を含むことを特徴とする洗濯水の再利用装置。
【請求項4】
上記処理槽に溜められた水に対して気泡を供給するためのバブル発生装置が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置。
【請求項5】
上記貯水槽に溜められた水に対してオゾンを供給するためのオゾン発生装置が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置。
【請求項6】
上記供給手段は、一端が上記貯水槽に連結され、他端が供給先とつながっている供給路と、供給路を介して貯水槽の水を汲み出すポンプとを有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置。
【請求項7】
上記供給路には、供給路を通る水を電気分解し、次亜塩素酸を発生させて除菌するための電気分解装置が設けられていることを特徴とする、請求項6記載の洗濯水の再利用装置。
【請求項8】
上記貯水槽には、水位を検知するための水位センサと、
水位センサにより貯水槽の水位が所定水位以下になったことが検知されたことに応答して、貯水槽に上水を供給する上水供給手段とが設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置。
【請求項9】
上記処理槽は地下に配置され、
上記貯水槽は地上に配置されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯水の再利用装置。
【請求項10】
洗濯作業においてすすぎ工程で使用された水を溜め、
金属電極を含む電気分解装置によって溜めた水に電気分解を施し、
有機物およびミネラル分を凝集によって沈殿除去して水を浄化し、
浄化後の水を洗濯水として再利用に供することを特徴とする、洗濯水の再利用方法。
【請求項11】
洗濯機から排水される洗濯作業に使用された水の水質を判定し、
水質が予め定める水質以上であれば、その排水される水を取り込んで溜め、
金属電極を含む電気分解装置によって溜めた水に電気分解を施し、
有機物およびミネラル成分を凝集によって沈殿除去して水を浄化し、
浄化後の水を洗濯水として再利用に供することを特徴とする、洗濯水の再利用方法。
【請求項12】
上記水を浄化する際に、有機物およびミネラル分の凝集を促進するために、気泡を水中に供給することを特徴とする、請求項10または11記載の洗濯水の再利用方法。
【請求項13】
上記浄化した水をオゾンを用いて脱臭、脱色する工程を含むことを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の洗濯水の再利用方法。
【請求項14】
上記浄化した水を電気分解によって発生する次亜塩素酸で除菌する工程を含むことを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の洗濯水の再利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−328762(P2006−328762A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152785(P2005−152785)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(500149681)ライフテック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】