説明

活動量計

【課題】運動へのモチベーションを高め得ると共に、運動を楽しみながら継続することができ、しかも取扱い操作が良好な活動量計を提供することにある。
【解決手段】運動量検出手段2と記憶手段8と表示手段3と情報機器とデータの送受信を行う通信手段5とを有する活動量計1において、表示手段3は運動データを表示する運動データ表示部32とコンテンツを表示するコンテンツ表示部31とを備え、且つ活動量計1を傾けて姿勢を変えることで個人データの入力や、コンテンツ表示画面のスクロールを行えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は活動量計に係わり、歩行等運動へのモチベーションを高めることができると共に、運動を楽しみながら継続することができ、しかも取扱い操作が至極良好な活動量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
運動は、健康増進と疾病の回復に効果があるので、多くの人が日常生活の中に取り入れている。しかし、運動の効果を上げるためには、毎日継続しなくてはならない。運動を継続させるため、運動へのモチベーションを高める技術がこれまでにいくつか開示されている。
【0003】
一例を挙げると、最も身近な運動である歩行を楽しくするために、歩数計で測定された歩数から歩行距離を算出し、これを累積して延べの歩行距離を表示する技術が下記の特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1に示された従来技術は、日々の歩数から歩行距離を算出して、歩数計に例えば東海道の地図情報を記憶しておき、歩行によって現在どの地点に至ったかを表示してモチベーションを高め、歩行運動への励みとするものである。
【0005】
さらに健康改善の努力を行なわせる強い動機付けを与え、健康的な生活習慣の継続を促すとともに、慈善活動を効率的且つ効果的に行うことができる健康増進支援システムの技術が下記の特許文献2に開示されている。
【0006】
特許文献2に開示された従来技術は、運動に応じて健康増進ポイントが溜まり、ウオーキングチャリティなどでイベント協賛企業や団体等から寄付金を集め、健康ポイントに応じて団体に寄付するもので、参加者は自らの運動に応じた社会貢献が可能になり、運動への励みとなる。
【0007】
また、別の先行技術として、活動量計に各種コンテンツを表示させ、使用者の歩行への興味を惹く技術が本件出願人の出願に係わる特願2010−236041号に開示されている。
【0008】
図9によって特願2010−236041号に示されている技術の概略を説明する。図9は活動量計の表示例を示すもので、活動量計1の表示器30には歩行データを表示する運動データ表示部32と、活動量計に内蔵されている通信機能によって商店の広告などの商業情報等を表示するコンテンツ表示部31とを有し、使用者の歩行へのモチベーションを高めることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−296139号公報
【特許文献2】特開2004−318534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の開示技術においては、毎日の歩行運動の結果は実際の地名を使って表示され使用者の興味をそそるので、当初は歩行運動の結果を面白く把握することができるが、内容は歩数計に内蔵されているプログラムの繰り返しなので、使用者は途中で興味を失ってしまうことが多い。
【0011】
特許文献2の開示技術では、ユーザは自らの運動が社会貢献に役立つと認識できて運動への動機付けをする効果はあるが、社会貢献をしているとの認識は、ユーザ端末装置100の表示画面を通じてもたらされ、運動を行っている最中にタイムリーに動機付けされるのではないので、ユーザの運動へのモチベーションを高め、運動を楽しくさせるとは言い難い。
【0012】
また、特願2010−236041号に示された技術では、液晶表示画面に示される商業コンテンツ等は多量の情報を記載した広告であるとコンテンツの全範囲を限られたスペースで見るためには、スイッチでスクロール操作をしなくてはならず、大変不便である。
【0013】
また、個人データの設定や、複雑なプログラムを新たにダウンロードした場合、操作のため更にスイッチが必要になるなど、コンテンツの多様化に対応出来ない、という問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、上記従来技術に伴う問題点を解決し、運動へのモチベーションを高め得ると共に、運動を楽しみながら継続することができ、しかも取扱い操作が良好な活動量計を提供することにある。
【0015】
上記課題を解決するための本発明に係わる活動量計の構成を詳述すれば、入力手段と運動量検出手段と、前記入力手段が出力する情報出力に基づき運動量検出手段が算出する運動データを記憶する記憶手段と、前記運動データを表示する表示手段と、情報機器との間でデータの送受信を行う通信手段とを有する活動量計において、前記記憶手段は、前記運動データを記憶する運動データ記憶部と、前記情報機器から送信されるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部とを備えると共に、前記表示手段は、前記運動データを表示する運動データ表示部と、前記コンテンツを表示するコンテンツ表示部とを備え、前記コンテンツ記憶部に記憶された前記コンテンツが商業情報であるかまたはコンピュータプログラムであるかを判別するコンテンツ判別手段を備えた活動量計であって、前記運動量検出手段は、体動センサと、データ識別手段とを備え、前記データ識別手段は、前記体動センサのセンサ出力と前記入力手段の情報出力とを入力して、前記センサ出力を体動信号とセンサ振動信号とに分別して出力するデータ切替部と、前記データ切替部が出力する前記センサ振動信号を入力して個人データを出力する個人データ出力部とを備えたことを特徴とする活動量計である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係わる活動量計によれば、使用者は、歩行などの運動中に運動データに加えて広告やニュースなどの興味を引くコンテンツを得ることができると共に、個人データの設定など複雑な操作が、活動量計を傾けることによって容易に行うことが出来、かつまたコンテンツを表示しているときに、活動量計を傾ければ表示画面がスクロールされるので使用者はコンテンツが多量であっても大量の情報も得ることが出来るので活動量計としての使い勝手が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係わる活動量計の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係わる活動量計と情報機器との通信システムを示す外観図である。
【図3】本発明に係わる活動量計の回路構成図である。
【図4】本発明に係わる活動量計における個人データの数値の設定方法を示す説明図である。
【図5】本発明に係わる活動量計における個人データの項目の設定方法を示す説明図である。
【図6】本発明に係わる活動量計における個人データの数値の設定方法を示す説明図である。
【図7】本発明に係わる活動量計における個人データの項目の設定方法を示す説明図である。
【図8】本発明に係わる活動量計の第2の実施形態の機能を説明する外観図である。
【図9】従来の歩数計の表示例を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の活動量計は、活動量計を傾けることによって簡単に個人データの設定が行え、また活動量計の傾け方を変化させると表示されるコンテンツがスクロールされ表示を見やすくすることが出来る。すなわちスイッチを使わず複雑な動作をコントロール出来るので使い勝手が良い活動量計を提供することが出来る。
【実施例1】
【0019】
以下、図1から図5を用いて本発明に係わる活動量計の実施例を説明する。なお、従来例と同一の要素には同一の符号を用いてある。
【0020】
〔ブロック図構成説明〕
図1を用いて活動量計1の構成を説明する。
図1は本発明による活動量計の構成を示すブロック図である。
【0021】
図1において、活動量計1は運動量検出手段2と、表示手段3と、入力手段4と、通信手段5と、電池6と、記憶手段8及びコンテンツ判別手段10とから構成される。
【0022】
さらに運動量検出手段2は、体動センサ21と、運動データ算出部22と、データ識別手段23とから構成され、データ識別手段23はデータ切替部231と、個人データ出力部232とから構成される。
【0023】
図1において、表示手段3はコンテンツ表示部31と、運動データ表示部32とから構成され、記憶手段8はコンテンツ記憶部81と、運動データ記憶部82とから構成される。
また、説明のため後述する情報機器のリーダライタ91と通信用媒体である交流磁界Wとを破線で示してある。
【0024】
運動量検出手段2の体動センサ21はXYZ方向の3次元加速度センサであり、活動量計1に生じる加速度を検出してセンサ出力Soを出力する。なお、センサ出力Soは、使用者の体の動きを示す体動信号Tsである場合と、活動量計1の動きを示すセンサ振動信号Csである場合とがある。
【0025】
運動データ算出部22は、体動信号Tsと個人データKdと後述するコンテンツ判別手段10からのコンピュータプログラムCmpとを入力して運動データHdを出力し、記憶手段8の運動データ記憶部82に入力する。なお、運動データHdとは歩数、運動量、消費カロリを基本とするが、コンピュータプログラムCmpによって、歩行距離、運動時間、運動強度などの別の項目を算出すること
が出来る。
【0026】
データ識別手段23のデータ切替部231はセンサ出力Soと情報出力Msとを入力して体動信号Tsとセンサ振動信号Csとを出力する。より詳細には、データ切替部231は、情報出力Msが入力された場合は、センサ出力Soをセンサ振動信号Csとして出力し、個人データ出力部232に入力する。
【0027】
この状態はセンサ出力Soが所定の頻度で入力されている限り継続し、センサ出力Soの入力が所定の頻度を下回ると、データ切替部231はセンサ出力Soを体動信号Tsとして出力する。この状態は再び入力手段4によって情報出力Msが入力されるまで継続する。
【0028】
以上述べたように、データ切替部231は情報出力Msによってセンサ出力Soを運動データ算出部22か、個人データ出力部232か、何れかに切り替える機能を有しているのである。
【0029】
運動量検出手段2の個人データ出力部232は、センサ振動信号Csを入力して、個人データKdを出力する。なお個人データKdとは、1日に消費する消費カロリの目標値と年令と性別と身長と体重と歩幅等であり、個人データ出力部232に備えられた個人データKdの年齢・体重・身長・性別・目標値などの各項目の数値表を、センサ振動信号Csによって参照・選択して個人データKdを出力する。
【0030】
以上述べた様に、センサ振動信号Csはセンサ出力Soと同一であって、体動センサ21のXYZ方向の3次元の加速度信号なので、実施例ではY次元のプラス方向の加速度変化で数値表の数字を増加し、Y次元のマイナス方向の加速度変化で数値表の数字を減少し、Z次元のプラスマイナスいずれの加速度変化で、個人データの年齢・体重・身長・性別、目標値などの各項目の数値表の選択を行い、個人データKdの出力を可能としている。
【0031】
運動データ算出部22は、体動信号Tsと、個人データKdと、後述するコンテンツ判別手段10からのコンピュータプログラムCmpとを入力して運動データHdを出力し、記憶手段8の運動データ記憶部82に入力する。
なお、運動データHdとは歩数、運動量、消費カロリを基本とするが、コンピュータプログラムCmpによって、歩行距離、運動時間、運動強度などの別の項目を算出することが出来る。
【0032】
記憶手段8は、運動データ算出部22が出力する運動データHdを運動データ記憶部82に記憶し、運動データ記憶部82は記憶した運動データHdmを出力して表示手段3の運動データ表示部32と、後述する通信手段5とに入力する。
【0033】
また、記憶手段8は、通信手段5が出力するコンテンツCtをコンテンツ記憶部81に記憶し、コンテンツ記憶部81は記憶したコンテンツCmを出力してコンテンツ判別手段10に入力する。
【0034】
コンテンツ判別手段10は、コンテンツCmを入力して、コンテンツCmのファイル構成や拡張子から商業情報Cmaを判別して出力し、表示手段3のコンテンツ表示部31に入力する。またコンテンツ判別手段10は、コンテンツCmからコンピュータプログラムCmpを同様の方法で判別して出力し、運動量検出手段2の運動データ算出部22に入力する。
【0035】
すなわち、コンテンツ判別手段10は、コンテンツCmを商業情報CmaとコンピュータプログラムCmpに判別し、各々を表示手段3のコンテンツ表示部31および運動量検出手段2の運動データ算出部22に分けて入力する。
【0036】
表示手段3はコンテンツ表示部31と、運動データ表示部32とから構成され、コンテンツ表示部31はコンテンツ判別手段10からコンテンツCmaを入力し表示する。また、運動データ表示部32は記憶手段8の運動データ記憶部82から運動データHdmを入力し表示する。
【0037】
通信手段5は、約13メガヘルツの交流磁界Wを通信用媒体として、パソコンや携帯電話などの情報機器とリーダライタ91を通じて非接触でデータの送受信を行うものである。より詳細には、通信手段5は記憶手段8の運動データ記憶部82に記憶された運動データHdmを、リーダライタ91を通じてパソコンや携帯電話などの情報機器に送信し、またリーダライタ91を通じて情報機器からコンテンツCtを受信し、記憶手段8のコンテンツ記憶部81に入力する。
【0038】
〔動作説明〕
図1及び図2と、図4〜図7を用いて活動量計1の動作を説明する。
図2は、活動量計1と情報機器9およびリーダライタ91とから構成される通信システムの構成を示す外観図である。
また、図4〜図7は、個人データKdの項目や数値を設定する方法を説明する外観図である。
【0039】
図4において、使用者は、始めに活動量計1の入力手段4を押して、年齢と性別と身長と体重と目標値等からなる個人データKdを設定する。
【0040】
より詳細に説明すれば、図1において、使用者が入力手段4を押すと(誤動作防止のため、押す時間は2秒間以上としている)、入力手段4は情報出力Msを出力する。
【0041】
データ切替部231は入力手段4から情報出力Msを受けると、活動量計1は個人データKdの入力動作を開始する。
【0042】
図4に示す様に、活動量計1の表示手段3には個人データKdの各項目が順に表示される。始めに表示される項目は、図4(a)に示す様に1日の目標消費カロリであり、初期値として例えば”モクヒョウ 2100.0Kcal/day”と表示される。
【0043】
使用者が活動量計1を傾けて、センサ出力Soによってプラス方向の加速度変化が検出されると、個人データの各項目の数値表の数字を増加し、Y次元のマイナス方向の加速度変化で数値表の数字を減少する。
【0044】
例として、1日の目標消費カロリとして、”モクヒョウ 2000.0Kcal/day”を設定する場合には、活動量計1を図4(b)に示す様に”Yp”方向に傾けると、表示されている数値が、”モクヒョウ 2100.1Kcal/day”と増加する。反対に、表示されている数値を減少する場合は、図4(c)に示す様に”Yn”方向に傾けると、”モクヒョウ 2099.9Kcal/day”の様に増加する。
【0045】
次に、個人データKdの項目を変更する。すなわち、図5(a)に示す様に”Zp”方向に振ると、図5(b)に示す様に項目が変わって”タイジュウ 60.0kg”と表示される。
【0046】
図6(a)に示す様に”タイジュウ 60.0kg”と表示されている状態から、図6(b)に示す様に”Yp”方向に傾けると、表示されている数値が、”タイジュウ 60.1kg”と増加し、図6(c)に示す様に”Yn”方向に傾けると、表示されている数値が、”タイジュウ 59.9kg”の様に減少する。
【0047】
次に、図7(a)に示す様に、活動量計1を”Zp”方向に振ると、図7(b)に示す様に”シンチョウ 165cm”と表示されるので”Yp”あるいは”Yn”方向に傾け、身長を設定する。
【0048】
以下、同様の方法で個人データKdの全項目を設定し、その後、使用者は活動量計1を用いて運動を始める。
【0049】
図示していないが、使用者は活動量計1を例えば腰に装着し、歩行などの運動を開始する。使用者が運動を始めると、図1に示す様に、体動センサ21は体動信号Tsを出力し、運動データ算出部22は体動信号Tsと個人データKdとコンピュータプログラムCmpとを入力し、歩数、運動量、消費カロリからなる運動データHdを出力する。
【0050】
記憶手段8の運動データ記憶部82は、運動データ算出部22からの運動データHdを逐一入力し逐一記憶する。
【0051】
運動を終了すると、図2に示す様に使用者は活動量計1を情報機器9のリーダライタ91にかざすか、あるいはリーダライタ91に近づける。すると図1において、記憶手段8の運動データ記憶部82が出力する運動データHdmは、通信手段5によってリーダライタ91を経由し、情報機器9に送信される。
【0052】
図2において、活動量計1からリーダライタ91を通じて情報機器9へ運動データHdmの送信が完了すると、情報機器9はコンテンツCtを活動量計1に送る。
【0053】
図1において、活動量計1の通信手段5は、受信したコンテンツCtを出力し記憶手段8のコンテンツ記憶部81に入力する。記憶手段8のコンテンツ記憶部81はコンテンツCtを記憶し、記憶したコンテンツCmをコンテンツ判別手段10に入力する。
【0054】
コンテンツ判別手段10は、コンテンツCmのファイル構成や拡張子からコンテンツCmが商業情報Cmaであるか、またはコンピュータプログラムCmpであるかを判別し、表示手段3のコンテンツ表示部31または運動量検出手段2の運動データ算出部22に入力する。以下に詳述する。
【0055】
記憶手段8のコンテンツ記憶部81が出力するコンテンツCmは、ニュースや商店の広告、企業の情報などの商業情報Cmaである場合と、後述するマイクロプロセッサに使用されるコンピュータプログラムCmpである場合と、またこれら両者を含む場合とがある。
【0056】
初めにコンテンツCtが商業情報Cmaである場合の動作を説明する。
コンテンツ判別手段10は、コンテンツCmが商業情報Cmaであると表示手段3のコンテンツ表示部31に商業情報Cmaを入力する。
【0057】
表示手段3のコンテンツ表示部31は、コンテンツ判別手段10が出力する広告・求人広告・ニュース・天気予報などの商業情報Cmaを入力し表示する。
【0058】
次にコンテンツCtがコンピュータプログラムCmpである場合の動作を説明する。コンテンツ判別手段10は、コンテンツCmがコンピュータプログラムCmpであると運動量検出手段2の運動データ算出部22にコンピュータプログラムCmpを入力する。
【0059】
運動量検出手段2の運動データ算出部22は、図示していないがメモリを備えており、このメモリに運動データを算出するための処理プログラムを記憶している。
【0060】
運動データ算出部22にコンピュータプログラムCmpが入力されると、運動データ算出部22のメモリに記憶された処理プログラムは、コンピュータプログラムCmpに置き換えられ、運動データ算出部22はコンピュータプログラムCmpに基づく新しい運動データHdを出力し、記憶手段8の運動データ記憶部82に入力する。
【0061】
コンピュータプログラムCmpは、運動データHdの算出項目を新しくする以外に、例えば筋肉トレーニング運動など異なる運動のデータ算出など、運動データ算出部22の基本動作を一新することも可能である。
【0062】
表示手段3の運動データ表示部32は、記憶手段8の運動データ記憶部82が出力する歩数、運動量、消費カロリなどの運動データHdmを入力し表示する。
【0063】
〔回路ブロック説明〕
図3を用い、図1を併用して本発明に係わる活動量計1の回路構成を説明する。
図3において、活動量計1は体動センサ21と、マイクロプロセッサ7と、入力手段4と、記憶手段8としてのコンテンツ記憶部81および運動データ記憶部82と、表示手段3としてのコンテンツ表示部31および運動データ表示部32と、通信手段5と電池6とから構成される。
【0064】
体動センサ21は圧電素子や接点式振動センサ、あるいはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型加速度センサなどで構成し、体動信号Tsおよびセンサ振動信号Csを検出してマイクロプロセッサ7に入力する。
【0065】
マイクロプロセッサ7は、活動量計1の全体の動作を制御すると共に、体動信号Tsと個人データKdとから運動データHdを出力する。
【0066】
なお、マイクロプロセッサ7は、図1に示す運動量検出手段2の運動データ算出部22とデータ識別手段23の機能およびコンテンツ判別手段10の機能を、ソフトウエアモジュールの形態で有している。
【0067】
記憶手段8は、EEPROMやフラッシュメモリの様な不揮発性記憶素子により構成され、コンテンツ記憶部81および運動データ記憶部82および図示していないが運動量検出手段2の運動データ算出部22のメモリなどを備えている。
【0068】
通信手段5は、約13メガヘルツの交流磁界Wを媒体にして運動データHdmを、リーダライタ91を通じて情報機器9に送信し、また情報機器9からコンテンツCtを受信する。
【0069】
また、通信手段5は、実施例の非接触近距離通信方式以外に、例えば情報機器の端末機器として知られているブルートゥース送受信器や、微弱電力型無線通信装置などを用いることも可能である。
【0070】
表示手段3のコンテンツ表示部31および運動データ表示部32は、例えばLCDなどを用いることができる。なお、実施例ではコンテンツ表示部31と運動データ表示部32はドットマトリックス型LCDとし、一体化して構成している。
【0071】
電源は活動量計1を駆動するための薄型のボタン電池である。
【実施例2】
【0072】
図8を用いて本発明に係わる活動量計1の第2の実施形態を説明する。
図8は本発明による活動量計の第2の実施形態の表示例を説明する外観図である。なお、活動量計1の全体の構成、およびブロック図は第1の実施形態と同様なので説明は省略する。
【0073】
本発明の第2の実施形態における活動量計50は活動量計50の姿勢を上下反転させても、表示器30の表示状態は反転しない、という機能を備えたものである。
【0074】
図8(a)に示す様に、活動量計50を”R”の様に回転させて上下反転させても、表示手段3の表示は上下反転せず、使用者は反転する前の視点で表示状態を確認できる。
【0075】
使用者にとって、活動量計50は多くの場合カバンやポケットの中などに収納された状態で使用され、使用者が表示を確認するためにカバンなどから取り出した状態では、表示手段3が使用者に見やすい方向になっているとは限らず、使用者は、都度活動量計50を持ち替えて表示を確認する、という手間が必要になる場合があるが、本発明によればこのような手間を省くことが出来る。例えばランニング中など素早く表示内容を確認したい場合に便利であり、活動量計50の使い勝手を更に向上させるものである。
【0076】
以上述べた様に本発明によれば、個人データの設定や、活動量計に表示された商業コンテンツが多量の情報を記載した広告等であるとスイッチでスクロールが必要であるなど、操作が不便であった。本発明によればこうした課題が克服され、使い勝手の良い活動量計が提供される。
【符号の説明】
【0077】
1,50: 活動量計
2: 運動量検出手段
21: 体動センサ
22: 運動データ算出部
23: データ識別手段
231: データ切替部
232: 個人データ出力部
3: 表示手段
30: 表示器
31: コンテンツ表示部
32: 運動データ表示部
4: 入力手段
5: 通信手段
6: 電池
7: マイクロプロセッサ
8: 記憶手段
81: コンテンツ記憶部
82: 運動データ記憶部
9: 情報機器
91: リーダライタ
10: コンテンツ判別手段
So: センサ出力
Ts: 体動信号
Cs: センサ振動信号
Cd: コマンドデータ
Kd: 個人データ
Hd,Hdm: 運動データ
Ct,Cm: コンテンツ
Cma: 商業情報
Cmp: コンピュータプログラム
W: 交流磁界
Ms: 情報出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段と、運動量検出手段と、前記入力手段が出力する情報出力に基づき前記運動量検出手段が算出する運動データを記憶する記憶手段と、前記運動データを表示する表示手段と、情報機器との間でデータの送受信を行う通信手段とを有する活動量計において、前記記憶手段は、前記運動データを記憶する運動データ記憶部と、前記情報機器から送信されるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部とを備えると共に、前記表示手段は、前記運動データを表示する運動データ表示部と、前記コンテンツを表示するコンテンツ表示部とを備え、前記コンテンツ記憶部に記憶された前記コンテンツが商業情報であるかまたはコンピュータプログラムであるかを判別するコンテンツ判別手段を備えた活動量計であって、前記運動量検出手段は、体動センサと、データ識別手段とを備え、前記データ識別手段は、前記体動センサのセンサ出力と前記入力手段の情報出力とを入力して、前記センサ出力を体動信号とセンサ振動信号とに分別して出力するデータ切替部と、前記データ切替部が出力する前記センサ振動信号を入力して個人データを出力する個人データ出力部と、を備えたことを特徴とする活動量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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