説明

活性成分及び感知標識の制御放出

本発明は、広範な活性成分及び感知標識をヘア、毛嚢、皮膚及び衣服上に効果的に輸送するシャンプー、コンディショナー、整髪料、ローション、クリーム、液体洗濯用洗剤、衣類の柔軟剤、及び他のヘア、皮膚及び衣類のケア製品を組み込んだ標的化制御放出システムである。このシステムは長期間にわたる活性成分または感知標識の放出速度を維持したり、ドライヤーで髪を乾かしたり若しくは衣類にアイロンをかけたり、若しくは他の熱処理をすると、活性成分を熱で引き起こされるように放出させたりハイインパクト香料が“バースト”したりする。本発明の制御輸送システムは、平均粒子径が約0.01μm〜約10μmを有するナノスフェアーである。前記ナノスフェアーは、疎水性物質、カチオン性調整成分又はヘア、皮膚及び衣類上へのスフェアーの付着を助長させるようなカチオン性電荷ブースターと併せるカチオン性調整成分を含む。本発明はさらに活性成分の放出速度が、消費者に製品の機能を伝達するような感知標識の放出速度に同調されうる制御放出システムに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その内容が本願に参考によって本明細書に引用される、2001年1月29日付で提出された、米国特許出願第09/771,752号の一部継続出願である。
【0002】
本発明の背景
本発明の分野
本発明は、広範な活性成分及び感知標識をヘア、毛嚢、皮膚及び衣服上に効果的に輸送する、長期間にわたるこれらの放出速度を維持する、またはドライヤーで髪を乾かしたり若しくは衣類にアイロンをかけたりすると、活性成分を熱で引き起こされるように放出させたりハイインパクト香料が“バースト”したりするシャンプー、コンディショナー、ローション、クリーム、石鹸、液体洗濯用洗剤、衣類の柔軟剤、及び他のヘア、皮膚及び衣類のケア製品に関するものである。本発明はさらに、本発明の標的化制御放出システムを含む皮膚、ヘア及び衣類のケア製品に関するものである。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
消費者はますます知識を得て、高いレベルの素養やマルチな機能性をそれらの物質に期待する。消費者はこれらの製品が清潔であることばかりでなくその状態や、栄養をあたえることも期待し、清潔でかつ新鮮さの恒久的な印象を備えていることも期待する。消費者が製品を受け入れるかどうかは、これらの製品が持ち合わせている性能だけでなく、それとともに関連付けられる認識と美学によって決まるものである。そこで製品の性能と有効性を消費者に伝達する必要がある(すなわちヘア、皮膚又は衣服が清潔であって、ヘア、衣服が調整され養われる、等)。香料は成功した製品の重要な側面であり、香料製品は消費者に製品の性能を伝達することに利用され、加えて香料は人を美的に魅了する芳香を与える。
【0004】
従来技術における公報には、ヘア、皮膚及び衣類への活性成分や感知標識(香料、冷却剤及び加熱剤など)の沈着を向上させて、ヘアや皮膚がより健康になり、長期間にわたって美的に感じがよくし続けるように、これらの放出速度を妨げるまたは遅延させる前記必要性を満たす試みが示されている。
【0005】
記述されている従来のアプローチは、乳濁液、リポソーム及び他の人工脂質小胞をヘアや皮膚の上に活性成分を沈着するために使用される。米国特許第4,942,038;5,124,081;5,198,470;5,330,758;5,510,120;5,518,736;5,591,449;5,658,575;5,660,853;5,741,518;5,753,241;5,759,526;5,773,611;5,814,343;5,874,105;5,885,564;5,925,364;6,010,707;6,015,574;6,039,936;6,066,328;6,071,535;5及び6,126,948号.を参照する。システムのこれらのタイプは不安定な制限を有し、物質の特定のタイプの被包に使用されるだけである。保管寿命及び投与後の期間の両方で制御輸送へのリポソームの使用を安定性が制限している。
【0006】
米国特許第5,354,564号は、シリコーン粒子の水性分散を含む日常生活の介護製品を開示しており、その際に、約400nm以下の粒子サイズを達成する十分な量で、その表面上に吸着されている表面修飾を前記粒子は有する。この発明の粒子は表面修飾剤がその表面上に吸着されるシリコーン分離相を含む。適当な表面修飾剤は好ましくは既知の有機及び無機の賦形剤から選ぶことができうる。そのような賦形剤は、種々のポリマー、低分子量オリゴマー、天然物質及び界面活性成分を含む。より好ましい表面修飾剤は非イオン性及びアニオン性界面活性成分を含む。
【0007】
米国特許第5,599,531号は、ヘアケア製品のためのキャリアーシステムとして、無機性の帯電コロイド状シリカの用途を開示している。ヘアの中への水、オイル、コラーゲン及び他の材料の浸透又は吸収は、ヘアの中に吸収される材料とともに帯電コロイド状シリカ粒子の水性懸濁液を準備するために少量の無機性の帯電コロイドシリカを添加することで非常に増大する。ヘアを染める場合、ヘアにダメージを与えるアルカリ溶液を使用しないで染料成分はヘアに吸収されることができ、ヘアにパーマをあてる場合、再度のアルカリ水溶液でダメージを負うことなくヘアが水を吸収して膨潤するために引き起こす張力でヘアのジスルフィド結合が破壊されうる。ヘアの多孔と安定した水和がヘアの静電電荷をかえることを通して変化される場合があると考えられている。ヘアに適用されている電荷を帯びたシリカ粒子の水性懸濁液は、この電荷を変えるためであると考えられる。
【0008】
米国特許第5,660,839は、脂肪質の物質を含む化粧品及び/又は皮膚科学の成分の中に可変性の空洞粒子を包含しており、これらの脂肪物質に帰属するものである粘着性及び/又は脂っぽい感覚は、明らかに減少し又は除去されることを開示している。好ましくは、粒子が空洞状のミクロスフェアー又はミクロビーズの形であり、1μm〜250μmまでの間の粒子サイズを持って、ビニリデンクロライド、アクリルニトリル及び(メチル)アクリレートコモノマーの三元コポリマーからなる。
【0009】
米国特許第5,667,800号は、人体への局所的な適用を目的とする少なくとも1つの脂質と、好ましくは少なくとも1つの乳化剤を含む固体の類脂質ナノ粒子の水性懸濁液を開示している。開示されているナノ粒子は、好ましくは非イオン化であり、これらの粒子の加工の際に使用される乳化剤は、好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル類及びソルビタンエステル類から選ばれる。粒子は50〜1000nmの平均粒経を有し、またそれらの濃度は、懸濁液の重量に対して、0.01〜60wt%である。懸濁液の連続相中で又は賦形剤中に薬物を内包させてもよく、これを懸濁液に添加する。発明はさらに水性懸濁液における製造方法を提供する。
【0010】
米国特許第5,780,060号は、架橋植物性ポリフェノール壁を有するマイクロカプセル、及びそれらを含む組成物を開示している。マイクロカプセルは、植物性ポリフェノール、特にフラボノイドの界面架橋によって得られる。化粧品、製薬、ダイエット用又は食品組成物のような成分に内包されると、これらのマイクロカプセルは同時に活性、特に非フリーラジカル及び/又は非酸化活性であり、植物性ポリフェノール(特にフラボノイド)の活性を維持すると共に、組成の欠陥、特にカラー改質を予防することを可能とする。
【0011】
米国特許第5,851,517号及び5,945,095号は、非水媒質中のポリマー粒子の分散を含む組成を開示している。化粧品、衛生学又は製薬組成において、表面安定化ポリマー粒子の分散が、非水媒質において使われることができる。分散が、特に非水媒質中で安定した分散状態のポリマーナノ粒子でもよい。ナノ粒子は好ましくは5〜600nmのサイズで、約600nm以上のサイズだと粒子分散は、安定性が下がる。使用するポリマーは、何か特質、例えばラジカルポリマー、縮合ポリマー又は天然物のポリマーであってもよい。これらのポリマーは、特に、架橋することができる。記述のある非フィルム状ポリマーでは、ビニル又はアクリルコポリマー又は単独ポリマーがあり、それは必要があれば架橋され、好ましくはポリメチルメタクリレート、ポリスチレン又はポリ−tert−ブチルアクリレートのような40℃以上のガラス転移温度(Tg)を有するものである。
【0012】
米国特許第5,759,526号、及び5,919,487号は、シリコーン界面活性成分に基づくラメラ相及びそれらを含む組成を被覆したナノ粒子を開示している。ナノ粒子及び特にナノカプセルは、シリコーン界面活性成分から得られる層状のコーティングを備え、成分中で使用されうり、皮膚、粘膜、爪、頭皮及び/又は毛の処理のために特に話題の成分中で使用されうる。10〜1000nmのサイズの広がりをもつナノ粒子は、油性相をカプセル化しているポリマーから成り、及びラメラ被覆を有する被覆から成り、その際にラメラ被覆は、少なくとも1つオキシエチレン化された及び/又はオキシプロピレン化された鎖を含む少なくとも1つのシリコーン界面活性成分を含む。ナノ粒子は、好ましくは10〜600nmまでサイズの広がりをもつ。ナノ粒子を構成しているポリマーは、生分解可能な又は生分解性でないポリマーである。ポリ−L−、及び、DL−ラクチド、及びポリカプロラクトンは、特に生分解性ポリマーとして好ましい。非生分解性ポリマーの中で、塩化ビニル、及びビニルアセテートコポリマー並びにメタクリル酸及びメタクリル酸メチルエステルのコポリマーは、特に好ましい。
【0013】
米国特許第6,013,618号、及び6,087,322号は、パーソナルケア製品から香料の性能を強める方法として混合調製(pro−accords)の使用を開示している。典型的な混合調製は、加水分解時に2つ以上の香料の原材料を放出するオルトエステル、ケタール、アセタール及びオルトカルボネートから構成される。
【0014】
米国特許第6,042,792号は、例えば皮膚、ヘア、衣類及びそこの近接環境の供給への標的化輸送のために、制御、徐放性ミクロ粒子活性及び生物活性組成物(芳香性成分を含む)を開示しており、その際に活性及び生物活性組成物は、l〜8の算出されたlogP値(Pは、n−オクタノール水系分配係数である)を有する。その上に被覆を有してり及び/又は相溶解性界面活性成分を含んでいるワックス又はポリマーマトリックスが中の単一相、固溶液中の活性又は生物活性な材料を、このような組成は含む。また記述は、このような組成を調合するためのプロセス、及び装置である。米国特許第6,042,792号の特徴は、香料の組成を設計し、及びこのようにシステムによって使われることができる香料のタイプを制限することである。このような組成の生成は、界面活性成分又は乳化剤の使用を必要としており、それは水相への香料の分配を増加しうるものであって、並びに被覆の有効性及び標的部位で沈着される香料の量を減少しうるものである。
【0015】
米国特許第4,152,272号は、融点38℃〜150℃及び粒子サイズ0.1〜200μmを含む衣類調節成分並びにキャリアー物質のようなワックス及び香水を開示している。粒子は成分、特に衣類に直接的なカチオン界面活性成分を含む水性衣類柔軟成分の全体にわたって分配される。セチルトリメチル臭化アンモニウムは、カチオン界面活性成分の中で例証として述べられる。
【0016】
米国特許第5,188,837号は、ミクロ懸濁液システムとその調製方法を開示している。ミクロ懸濁液は、それらの表面に包埋されるリン脂質層を有する固体、水不溶性ミクロ粒子であるリポスフェアーを含む。リポスフェアーの内殻は、輸送される固体物質又はワックスのような不活性の固体賦形剤中で分散されて輸送される物質である。
【0017】
米国特許第5,540,853号は、下記を含みpHが約4〜約11であるパーソナルクレンジング組成物を開示している:
(a)約0.001重量%〜約10重量%の算出されたlog.sub.10 P.gtoreq.3及び沸点250℃を伴い少なくとも約70%の成分を有する永続的に芳香をはなつ香水組成物;
(b)約0.01重量%〜95重量%の界面活性成分システム;及び
(c)残分はキャリアーを含む
トリン(Trinh)らによる公開、米国特許第5,540,853号は、本願明細書において引用したものとする。
【0018】
米国特許第5,476,660号は、標的表面上に活性物質を沈着させるための物質を開示している。製品は表面を洗い出された後、活性物質は静置される。アニオン界面活性成分の共存中でアニオン性又は非イオン活性剤を含む組成物からの沈着が好ましい。両性イオン又はカチオン性表面を有するキャリアー粒子及び帯電した有機炭素基を含む複数の突起状糸状体を前記物質は含む。活性物質は、キャリアー粒子の範囲内で含まれる。標的表面の例は、哺乳動物皮膚、毛又は爪である。
【0019】
米国特許第5,652,206号は、下記からなる群から選択される洗浄処理を加えた衣類柔軟剤組成物を開示している:
I.下記を含む固体粒子の物質:
(A)約50%〜約95%の生分解性カチオン性4級アンモニウム衣類柔軟化合物:
(B)約0.01%〜約15%の、下記からなる群から選ばれた少なくとも約70%の永続的に芳香をはなつ香水成分を含む持続性香料:沸点が少なくとも約250℃及び少なくともClogPが約3である成分、この際、10logPを根拠に対数としてClogPは、算出されたオクタノール/水分配係数であり、前記少なくとも約250℃の沸点及び少なくとも約3のClogPを有する成分は、少なくとも約250℃の沸点及び少なくとも約3のClogPを有する成分のみの香水が、永続的香水でないように、70重量%未満の永続的に芳香をはなつ香水である;香水成分は:シスジャスモン;ジメチルベンジルカルビニールアセテート;エチルバニルリン;ゲラニルアセテート;アルファ−イオノン;ベータ−イオノン;ガンマ−イオノン;KOAVONE49(登録商標);ラウリンアルデヒド;ジハイドロジャスモネートメチル;メチルノニルアセトアルデヒド;ガンマ−ノナラクトン;フェノキシエチルイソ−ブチラート;フェニールエチルジメチルカルビノール;フェニールエチルジメチルカルビノールアセテート;アルファ−メチル−4−(2−メチルプロピル)−ベンゼンプロパナール;6−アセチル−1(1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン);ウンデシレンアンデアルデヒド;バニリン;2,5,5−トリメチル−2−ペンチル−シクロペンタノン;2−tert−ブチルシクロヘキサノール;ヴェルドックス(verdox);パラ−tertブチルシクロヘキシルアセテート;及びこれらの混合物である;
(C)必要があれば、分散修飾剤約0%から約30%;及び
(D)必要があれば、pH修飾剤約0%〜約15%;及び
II.下記を含む液組成物:
(A)生分解可能なアニオン性衣類柔軟化合物0.5%〜約80%;
(B)約0.01%〜約10%の、下記からなる群から選ばれた少なくとも約70%の永続的に芳香をはなつ香水成分を含む持続性香料:少なくとも約250℃の沸点及び少なくとも約3のClogPを有する成分、前記少なくとも約250℃の沸点及び少なくとも約3のClogPを有する成分は、少なくとも約250℃の沸点及び少なくとも約3のClogPを有する成分のみの香水が、永続的香水でないように、70重量%未満の永続的に芳香をはなつ香水である;;香水成分は、シスジャスモン;ジメチルベンジルカルビニール・アセテート;エチルバニリン;ゲラニルアセテート;アルファ−イオノン;ベータ−イオノン;ガンマ−イオノン;KOAVONE(登録商標);ラウリンアルデヒド;ジハイドロジャスモネートメチル;メチルノニルアセタールデヒド;ガンマ−ノナラクトン;フェノキシエチルイソ−ブチラート;フェニールエチルジメチルカルビノール;フェニールエチルジメチルカルビニルアセテート;アルファ−メチル−4−(2−メチルプロピル)−ベンゼンプロパナール;6−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラヒドロナフタレン;ウンデシレンアルデヒド;バニリン;2,5,5−トリメチル−2−ペンチル−シクロペンタノン;2−tert−ブチルシクロヘキサノール;ヴェルドックス(verdox);パラ−tert−ブチルシロヘキシルアセテート(2−tert−butylcylohexylacetate);及びこれらの混合物;
(C)必要があれば、分散修飾剤約0%〜約30%の;及び
(D)残分は水、C1−4の1価アルコール;C2−6の多価アルコール;炭酸プロピレン;液体ポリエチレングリコール;及びこれらの混合物から選択される液状キャリアーであり;そして、その際に分散修飾剤は、粘性若しくは分散性又は両方ともに影響を及ぼす。
【0020】
米国特許第4,919,841号は、次の段階でカプセル化された活性粒子を調合するためのプロセスを開示している:融解ワックスの活性物質を分散させること;4分以内で水性界面活性成分溶液中の活性/ワックス分散液を乳濁化にすること;カプセルを冷やして冷却させること;及び、カプセルを固めて回収すること。活性物質の例は、香料である。
【0021】
1994年10月20日に公開されたPCT国際公開番号95/11936は、熱により得られうる長い保管寿命を伴って細かく分散するワックス分散液を開示しており:分散液は(A)ワックス10〜80重量%(B)親水性親油性バランス値(HLB value)8〜18を持つ親水性非イオン分散剤0.5〜30重量%を伴い、及び(c)炭素原子12〜22を持つ脂肪族アルコール又は、炭素原子3〜6のポリオールの炭素原子12〜22を持つ脂肪酸による部分エステルの群からなる疎水性共分散剤1〜30重量%を加熱し、さらに相転移点の範囲又は以上の温度に得られた分散液を加熱し、又はこの温度で直接分散液を製造して、その後相転移範囲未満の温度で分散液を冷却することによって得られる。
【0022】
米国特許6,048,520号は、シェル物質、例えばゼラチン又はアカシア・ガムに入れられる水不溶性ヘアトリートメント化合物のカプセルを包含している透明なリーブオンヘアトリートメント(洗い流さないタイプのヘアトリートメント)の組成を開示している。カプセルは、約425〜約2800μmの直径を有し、及びヘアトリートメント成分がヘアに作用している間、又はヘアトリート成分作用後、ヘアを梳くことによって崩壊する。水性リーブオンの成分はヘアに作用され、及び水不溶性ヘア修復化合物はヘアを修復するためにカプセルから放出される。光沢及びうねり機能のようなヘアの物理的、及び美的特性が保持されるように、シェルは十分に小さい残留の粒子に崩壊する。
【0023】
カチオン性沈着ポリマーは、従来シャンプー及び他のパーソナルクレンジング成分から特定の不揮発性成分の沈着をよくするために使われていた。例えば、米国特許第s.5,037、818号及び5,085,857号は、それぞれ、抗ふけ取り粒子及び不溶性の不揮発性シリコーンの沈着をよくするためカチオン性グアーガムの使用を記載している。沈着ポリマーは、また、シャンプー成分から日焼け止め物質の沈着をよくするために提案された。EP386,898において、カチオン性ポリガラクトマンナンガムの誘導体が使用される。WO95/22311は、シリコーン、油脂、ワックス、炭化水素、脂肪酸、及び脂肪族アルコール、脂質、ビタミン及び日焼け止めを包含する不揮発性の利点剤の沈着を増やす特定のカチオンポリマーの使用を述べる。
【0024】
米国特許第.6,083,899号は、柔軟利点をよくした衣類軟化剤組成を開示している。衣類軟化剤は、衣類の柔軟活性剤とカチオン性電荷ブースターとの持つ組み合わせから構成されている。カチオン性電荷ブースターは、何か衣類軟化剤活性剤、好ましくはジエステル及びジアミド第4級アンモニウム(DEQA)化合物をもった用途に適している。また、類似の現象がヘアケア製品に観察されている。米国特許第.3,980,091号は、アニオン性タイプのヘアーシャンプー及びシャンプー後において非常に容易な髪の手入れをしえるために前洗いの効果を発揮できる成分で、並びに不足、櫛特性及びその他の髪の特性を改善しながら前もって髪をシャンプーするような髪の前洗いを開示している。前洗いの組成物は、水溶性の第4級アンモニウム化合物、特に特定の薬剤、とりわけ、ポリエチレンイミン、及びN−エタノールアセトアミド、望ましくは種々の成分と一緒に容易に利用される。
【0025】
したがって、毛、皮膚、及び衣類のような標的表面上で効果的に沈着させる技術の必要性は、有効な輸送システムにとって依然として残り、並びに全面的に粒子の電荷密度を高める手段として必要な粒子表面上に十分なカチオン性電荷密度を備える方法にとっての技術の必要性もあり、その結果毛、皮膚、及び衣類上へより良い粒子の沈着が提供されうる。
【発明の開示】
【0026】
発明の要約
本発明は、ヘア、皮膚及び衣服上への活性成分及び感知標識の標的化制御輸送のためのナノスフェアーの形で標的化制御放出物質に関するものである。本発明の標的化制御輸送システムは、標的である高カチオン性電荷密度を有し、かつ標的の部位上にナノスフェアーの沈着をよくする固体の疎水性ナノスフェアーの分散液である。これらナノスフェアーの高いカチオン性電荷密度は、ナノスフェアーの固体疎水性マトリックス中にカチオン状態の媒介物を導入することにより、又は水相中のカチオン性電荷“ブースター”と併せてナノスフェアーの固体疎水性マトリックス中にカチオン性調整成分を導入することにより作られる。カチオン性電荷ブースター、特にポリエチレンイミン(又は他のポリアミン、均一又は不均一ポリアミン主鎖(好ましくは均一な主鎖))とのカチオン性界面活性成分の組み合わせが粒子の電荷密度を“ブースト”したり及び毛、皮膚、及び衣類上へよりよい沈着を提供されうることを発見した点における上記の必要性を、本発明は兼ね備える。カチオン性電荷ブーストポリマーの添加で、ヘア上に粒子の沈着を増やすレベルにまで粒子の電荷密度が著しく増加することを見出されている。ヘアの上の粒子の最も効果的な沈着は、カチオン性界面活性成分をポリエチレンイミン、カチオン性電荷ブースター、分枝鎖状、球状及びカチオン性ポリエチレンイミンのようなポリアミンと一緒に混合することでより達成される。
【0027】
本発明は、長期間にわたるこれらの放出速度を維持する、またはドライヤーで髪を乾かしたり若しくは衣類にアイロンをかけたりすると、活性成分を熱で引き起こされるように放出させたりハイインパクト香料が“バースト”したりするのと同様に広範な活性成分及び感知標識をヘア、毛嚢、皮膚及び衣服上に効果的に輸送する標的化制御システムに関するものである。本発明はさらに、発明の標的化制御放出を含む皮膚、ヘア及び衣類のケア製品に関するものである。
【0028】
本発明の標的化制御放出システムは、シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイル製品、ヘアスクルプティング製品(hair sculpting products)、ローション、クリーム、ボディウォッシュ、液状洗濯洗剤、衣類軟化剤、及び他の毛、皮膚、及び衣類ケア製品のようなヘア、毛嚢、皮膚、及び衣類ケア製品(例えばシャンプー)中に本発明の標的化制御放出システムは、組み込まれている。
【0029】
本発明の制御放出システムは、水性媒体における高分散性及び疎水性物質障害特性により制御される閉じ込められている物質の放出速度などの、従来のマイクロスフェアー、リポスフェアー及び小胞と比較した、種々の利点の恩恵を与える固体のカチオン性の内核を有するナノスフェアーである。他の懸濁液ベースの輸送システム以上の、多くの利点がある。小胞及びリポソームなどの、乳濁液ベースの輸送システムと比較しても、ナノスフェアーの安定性を増大し、及び大部分の懸濁液ベースのシステムより、それ以上に効果的に分散する。さらに、輸送される物質は、固体マトリックス中で分散できるので、小胞中で可溶である必要はない。本発明のナノスフェアーは、小胞が固体不活性材料であるため、乳濁液システム中よりも一緒に輸送される物質と小胞との反応が起こるリスクがより低い。さらに、固体の内核を変えることによって、ナノスフェアーからの物質の放出速度を操作しうる。また、ナノスフェアーは、リポスフェアーのような構造小胞より容易に調製でき、かつ本質的により安定している。
【0030】
本発明のナノスフェアーは、ヘア、皮膚、及び衣類上へスフェアーの沈着をよりよくするための改善された機構を有する。固体のナノスフェアー中でのカチオン性調整成分の使用によって又は水相中でカチオン性電荷ブースターと併せて固体のナノスフェアーにおけるカチオン性調整成分を使用することによって達成される、本発明のナノスフェアーの特徴である高いカチオン性電荷密度は、毛、皮膚、及び衣類上へのこれらスフェアーの沈着を改善し及びリンス過程の間それらが洗い落とされること防ぐ。本発明のナノスフェアーは毛、皮膚及び衣服の表面に取り込まれ、疎水的相互作用、及びスフェアーのカチオン性電荷と毛及び皮膚のタンパク性の部分間のコンプレックス相互作用により付着すると認識されており、従ってナノスフェアーが表面に付着できるように毛や皮膚の表面を傾けたり又は調製したりする。
【0031】
本発明のナノスフェアーは、水相中に乳化剤又は表面活性物質の必要性なしでハイシェアーホモジェナイゼイション(High shear homogenization)によって調製され、並びにその結果、被包性プロセスの効力をよりよくし、及びシステム過程の間、水相に分配する活性成分又は感知標識の量を減少させる。ハイシェアーホモジェナイゼイションの間、水相中の界面活性成分の使用は、分散液及び懸濁液の形で輸送システムでの活性成分の被包性効力において明白な効果を有する。これらシステムの水相中に存在する界面活性成分のミセル形成は、ナノスフェアー中に包埋される活性成分のために沈下物としての役割を担い、並びにこれらのシステムの工程及び製品貯蔵寿命の間、水相にナノスフェアーマトリックスから活性成分の分配を促進する。
【0032】
一実施態様においては、本発明は、ヘア、皮膚及び衣類ケア製品のための改善された制御放出システムを提供し、そのシステムは、本発明のナノスフェアーを含むヘア、皮膚及び衣類ケア製品各々を使ってヘア、皮膚及び衣類を処理することを通しヘア、皮膚及び衣類上にスフェアーを運ぶことでヘア、皮膚及び衣類上へ活性成分及び感知標識の実体性を改善する。工業において、用語「実体性(substantivity)」とは、ヘア、皮膚、及び衣類上の活性成分又は感知標識(すなわち芳香)の沈着、並びにヘア、皮膚、及び衣類ケア製品で処置された表面上の香料の保有及び認識を意味する。スフェアー組成物中にカチオン性調整成分を含むスフェアー又は水相(スフェアーの外表面で)中のカチオン性電荷ブースターと併せてナノスフェアー固体マトリックス内のカチオン調整成分を含むスフェアーは、皮膚、ヘア及び衣類のような表面上にかなり存在することが確認された。
【0033】
本発明の輸送システムは、ヘア、皮膚、及び衣類上へ活性成分、及び感知標識の沈着をよりよくし、長期間これらの放出速度を維持し、又はドライヤーで髪を乾かしたり若しくは衣類にアイロンをかけたりするような熱処理時にそれらを放出する。加えて、活性成分の放出速度は、消費者に製品機能を伝達するような感知標識(例えば香水)の放出速度と同調されている。
【0034】
カチオン性調整成分に併せてカチオン電荷ブースターの使用により増大しているスフェアーのカチオン性電荷密度は、ヘア、皮膚、衣服上へのスフェアーの付着をよりよくする。加えて、ナノスフェアー組成物へカチオン性表面活性成分を含ませることにより、システムは、輸送システムにおける広範な活性成分及び感知標識の相溶性が改善し、さらにヘア、皮膚、及び衣類には一般的に存在しない活性成分の持続性を向上する。
【0035】
出願人が知る従来技術には、ナノスフェアーの固体の疎水性マトリックス中にカチオン性調整成分を組み入れることによって又は水相中でカチオン性電荷“ブースター”を伴ったナノスフェアーの固体の疎水性マトリックス中にカチオン性調整成分を組み入れることによって標的部位上に標的を定めてかつナノスフェアーの沈着をよりよくするための高いカチオン性電荷密度を有する固体の疎水性ナノスフェアーの標的化制御放出組成物を開示するものはなく、また水相中の乳化剤又は表面活性物質の使用はこのシステム過程では必要でなく、またその結果被包過程の有効性をよりよくし、かつこのシステムの過程の間水相中に分配される活性成分又は感知標識の量を減らす。出願人が知る従来技術には、消費者に製品機能を運ぶための香料又は感知標識の放出速度と活性成分の放出速度を同調させる制御放出システムを記載するものはない。
【0036】
本発明のナノスフェアーは下記のように特徴付けられる:
(i)必要があるまで保管している間の活性成分及び感知標識の保護
(ii)ヘア、皮膚、及び衣類への活性成分及び感知標識のより良い沈着:
(iii)活性成分の放出速度は感知標識の放出速度と同調すること;
(iV)長期間活性成分及び感知標識の放出を持続すること;又は
(V)活性成分の熱応答性放出及びブローでヘアを乾かせたり又は衣類にアイロンをあてたりすることによるハイインパクト香料“バースト”。
【0037】
本発明は、下記の段階を含む本発明のナノスフェアーを作り出すためのプロセスを提供する。
a)疎水性マトリックス物質の融点を超える温度に疎水性マトリックス物質を加熱すること;
b)カチオン性調整成分を融液の中に溶解又は分散すること;
c)活性成分及び/又は感知標識を融液の中に溶解又は分散すること;
c)水相中のカチオン性電荷ブースターを溶解又は分散して及び融液の融点を超える温度にそれを加熱すること;
e)ホット融液を水溶液と混合して懸濁液を形成すること;
f)均一な微細な懸濁液を得るまで、融点温度を超える温度で懸濁液のハイシェアーホモジェナイゼイションすること;及び
g)微細な分散を形成するために懸濁液を周囲の温度にまで冷却すること。
【0038】
スフェアー表面にカチオン性調整成分と組み合わせた非常に高いカチオン性電荷ブースターは、使用時に、ヘア、皮膚及び衣類と結合するようになり、並びにスフェアーの同伴及び静電気相互作用の両方によりヘア、皮膚及び衣類上にスフェアーが付着することを助長すると認識されている。固体の疎水性ナノスフェアーマトリックス中でのカチオン性調整成分の使用によって又は水相中でカチオン性電荷ブースターと併せて固体のナノスフェアー固体マトリックスにおけるカチオン性調整成分を使用することによって達成される、ナノスフェアーの高いカチオン性電荷密度はカチオン性調整成分カチオン性調整成分、ヘア、皮膚及び衣類上へのこれらのスフェアーの沈着を改善し、並びにリンス工程の間、それらが洗い流されるのを防ぎうる。ナノスフェアーは、スフェアー状のカチオン性電荷基及びヘア、毛嚢又は皮膚のタンパク質部分とのコンプレックス相互作用により、ヘア及び皮膚の表面に付着し、並びにそれによってナノスフェアーが表面に付着できるようにヘア、毛嚢若しくは皮膚の表面を傾かせて又は調節すると認識されている。疎水性マトリックス物質は、スフェアーでの活性成分及び感知標識の拡散速度を維持し、並びに長期間にわたって、またはブローでヘアを乾かせたり衣類にアイロンをあてたりするような熱処理をする間活性成分及び感知標識の放出を可能にする。
【0039】
本発明のナノスフェアーを含むヘア、皮膚及び衣類ケア製品、例えばシャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、洗剤及び衣類柔軟剤などで処置されたヘア、皮膚及び衣類は、湿った状態及び乾燥状態の両方で高いレベルの香料をしめすことが確認されており、並びに乾燥したヘア、皮膚及び衣類での芳香の認識が、最大約1ヶ月という長期間確認されている。
【0040】
本発明は、多くの場合、ヘア、皮膚、及び衣類ケア製品から芳香機能を改善した経済的な効果のある制御輸送システムを提供する。本発明はまたさらに、本発明のナノスフェアーを含むシャンプー、コンディショナー、整髪料、ヘアスクルプティング製品、ローション、クリーム、ボディウォッシュ、液体洗濯洗剤、衣類柔軟剤及びその他のヘア、皮膚及び衣類ケア製品を提供する。
【0041】
図面の簡単な説明
図の簡単な説明
図1は、本発明の教示を踏まえたポリビニルアミンを表わす概略図である。
【0042】
詳細な説明
本発明は、長期間、ヘア、皮膚、及び衣類ケア製品に内包されうる香料の放出速度を制御する方法を特徴としたり又は、へアをブローで乾燥させたり又は衣類にアイロンをあてたりするなどの熱処理でハイインパクト香料“バースト”を引き起こしたりする。整髪器具、例えばブロードライヤ、ヘアアイロン、ホットカーラー、ホットブラシ、ホットコーム、ホットローラー、けん縮機、ヘアドライヤ又はアイロンから熱で本発明の成分を用いて介在されるいくつかの変化として、加熱活性は定義される。種々の器具の内部検査から、この平均温度が50℃〜60℃でヘアを“熱”整髪の範囲にでき、一方衣類においては80℃〜90℃である。本発明のキャリアーシステムは、実質的に、固体ナノスフェアーを、水相中のカチオン性調整成分又はカチオン性調整成分及びカチオン性電荷ブースターと組み合わせて含む。用語「スフェアー」とは、固体の、実質的に球面の微粒子を述べる意図である。本発明の示唆にしたがうことによって、他のスフェアーが形成されうると考えられるであろう。
【0043】
本発明のスフェアーは、所定のスフェアーサイズを有する。スフェアーの有効なサイズ範囲の下限は、スフェアーからの揮発性活性成分及び感知標識の過度のロスによって制限される。スフェアーからの活性成分及び感知標識の浸透率は、スフェアーが小さいほど、活性成分または感知標識がより速い速度で放出されるように、スフェアーサイズに比例している。ここで用いられるナノスフェアーは、約0.01μm〜10μmの平均サイズ(粒径)範囲を有している。好ましくはスフェアーの粒径が約0.01μm〜1μmの範囲であり、及びこの範囲は効果的にヘア中に保持される範囲のスフェアーである。個々のスフェアーのこの直線寸法は、スフェアー表面上の2点を結んで最も長い直線の長さを示す。
【0044】
ナノスフェアーの疎水性コアは、活性成分及び感知標識を含む。活性成分及び感知標識は、親水性又は疎水性のいずれかである。好ましくは、ナノスフェアーは、約0.01μm〜約10のμm範囲の平均スフェアーサイズを有し、及び約30℃〜約100℃範囲の融点を有する。ナノスフェアーは、好ましくは、約1重量%〜約95重量%の疎水性ポリマー、疎水性コポリマー、ワックス、脂肪又はそれらの混合物、カチオン性調整成分約0.01重量%〜約60重量%、活性成分約0.1重量%〜約70重量%、及び感知標識約1重量%〜約70重量%を含む。水相は、カチオン性電荷ブースター0重量%〜10重量%を含むことができる。ナノスフェアーは、ヘア、皮膚、及び衣類ケア製品の何かのタイプに取り込まれることができる。
【0045】
形成されるナノスフェアー分散の連続相は、水性であり、ならびにカチオン性電荷ブースター、及び抗酸化剤、防腐剤、殺菌剤、バッファ、オスモティキャンツ(ostmoticants)、凍結保護物質、及び他の有効な添加剤のような付加的な成分を含にでもよい。付加的な成分は、水性分散液の約1重量%〜約30重量%の量で存在する。
【0046】
I.カチオン性調整成分
本発明のキャリアーシステムは、いくつかの周知技術であるカチオン性成分を含みうる。調整成分は、イミダゾリニウムを包みうる。使用に適した他の第4級アンモニウム塩ヘアコンディショニング化合物は、「カチオン性界面活性剤」Surfactant Science series,Vol.34,RichmondJ.M.,Marcel Dekker社、1990年編集に記載されており、それは本願明細書に引用したものとする。
【0047】
本発明のカチオン性調整成分は、ナノスフェアーが次に表面に付着するように、カチオン性調整成分のカチオン部分及びヘア、毛嚢、皮膚又は衣類のタンパク質部分との間におけるコンプレックス相互作用により、ヘア、毛嚢又は皮膚に付着し、さらにそれによってヘア、毛嚢、皮膚若しくは衣類の表面を傾けたり又は調整したりすると考えられる。ヘア、毛嚢、皮膚、及び衣類の負に荷電され親水性の表面に強い結合能がある表面活性成分は、種々の直鎖アルキルアンモニウム化合物、環状アルキルアンモニウム化合物、石油由来のカチオン物質、及び高分子カチオン性物質を含む。好ましいカチオン性調整成分は、ベヘナミドプロピルヒドロキシエチルジモニウムクロライド、及び脂肪性第4級アンモニウム塩であり、クロダ会社Parsippany ニュージャージーからインクロクアントベヘニルHE(Incroquat Behenyl HE)として入手可能である。
【0048】
カチオン性調整成分は、懸濁液の約0.01重量%〜約70重量%の割合で存在し、好ましくは固体粒子の約0.1重量%〜約70重量%で存在しうる。
【0049】
I.a.)直鎖アルキルアンモニウム化合物
ヘア、毛嚢、皮膚又は衣類上への本発明のナノスフェアーの沈着をよりよくするために有効なカチオン性調整成分のひとつのグループは、第4級アンモニウム化合物である。本明細書で使用できる第4級アンモニウム塩は、アルキル基が12〜22までの炭素原子を有するジアルキルジメチルアンモニウムクロライドを包含する。アルキル基は例えば、水素化したタロウ脂肪酸といった長鎖脂肪酸に由来されうる。タロウ脂肪酸は、置換基が主に16〜22までの炭素原子を含む第4級化合物を生じる。それらの例は、塩化ジタロウジメチルアンモニウム、ジタロウジメチルアンモニウムメチル硫酸塩、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化ジ(水素化したタロウ)ジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ジエイコシルジメチルアンモニウム、塩化ジドコシルジメチルアンモニウム、ジ(水素化したタロウ)ジメチルアンモニウムアセテート、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムアセテート、ジタロウジプロピルアンモニウムホスフェイト、ジタロウジメチルアンモニウムニトレート、塩化ジ(ココナッツアルキル(coconutalkyl))ジメチルアンモニウム、及び塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムを包含する。好ましいここでの使用の第4級アンモニウム塩は、ジタロウジメチルアンモニウムクロライド、ジセチルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、及びそれらの混合物である。ジ(水素化したタロウ)ジメチルアンモニウムクロライド(クオタニウム−18)は特に好ましい第4級アンモニウム塩であり、並びにアドゲン(Adogen)(登録商標)442及びアドゲン(Adogen)(登録商標)442−100PとしてSherex Chemical株式会社から市販されている。
【0050】
第1、第2、及び第3級脂肪族アミン塩もまたカチオン性調整成分として使用されうる。このようなアミンのアルキル基は好ましくは12〜22まで炭素原子を有し、及び置換されてもよく、又は非置換でもよい。第2及び第3級アミンが、好ましく;また第3級アミンは特に好ましい。使用するアミンの例は、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミン、ジメチルステアラミン、ジメチルソヤミン、ソヤミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N−タロウプロパンジアミン、エトキシ化(5molのE.O.)ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、及びアラチジルベヘニルアミンを包含する。好ましいアミン塩は、ハロゲン、アセテート、ホスフェート、硝酸塩、クエン酸塩、ラクテート、及びアルキルサルフェート塩を包含する。例は、ステアリルアミン塩酸塩、塩化ソヤミン、ステアリルアミンホルメート、N−タロウプロパンジアミンクロライド、及びステアラミドプロピルジメチルアミンシトレートを包含する。
【0051】
好ましい調整成分は、第4級アンモニウム塩である。第4級アンモニウム塩は、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライドを包含し、その際アルキル基は、12〜22まで炭素原子を有する。これらのアルキル基は、水素化したタロウ脂肪酸のような高級脂肪酸に由来することができる。タロウ脂肪酸は、主に置換基が16〜18の炭素原子を含む第4級化合物を生じる。第4級アンモニウム塩の例は、下記を包含する:塩化ジ(水素化された)タロウジメチルアンモニウム;塩化デシチルジメチルアンモニウム;塩化トリセチルメチルアンモニウム;塩化セチルトリメチルアンモニウム;塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム;及びこれらの混合物。最も好ましいのは塩化ジセチルジメチルアンモニウムである。
【0052】
他の適切な調整成分は、下記の通りである:前記成分は、塩化ベヘナルコニウム(behenalkonium chloride);塩化ベヘントリモニウム(behentrimonium chloride);ベヘナルコニウムメトサルフェート(behenalkonium methosulfate);ベヘントリモニウムメトサルフェート(behentrimonium methosulfate);ベヘナミドプロピルアミンオキシド(behenamidopropylamine Oxide);ベヘノプロピルジメチルアミン(behenopropyl dimethylamine);ベヘナミドプロピルジメチルアミン(behenamidopropyl dimethylamine);ベヘナミドプロピルジメチルアミンベヘネート(behenamidopropyl behenate);ベヘナミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート(behenamidopropyl ethyldimonium ethosulfate);ベヘナミドプロピルPG−ジモニウムクロライド(behenamidopropyl PG−dimonium chloride);ベヘナミン(behenamine);及び塩化ベヘナミドプロピルヒドロキシエチルジモニウム(behenamidopropyldimonium)である。
【0053】
I.b.)環状アルキルアンモニウム化合物
ヘア、毛嚢、皮膚、及び衣類上へのナノスフェアーの沈着をよりよくするために使用できるカチオン性調整成分の化合物の他の好ましいグループは、カチオン性電荷を持つ窒素原子が複素環式の環の一部である表面活性第4級アンモニウム化合物群である。例えば前記群で好ましい化合物は、次の通りである:ラウリルピリジニウムクロライド又はブロミド;テトラデシルピリジニウムブロミド;及びセチルピリジニウムハロゲン化物、この際ハロゲン化物は、塩化物、臭化物又はフッ化物である。
【0054】
I.c.)石油由来のカチオン性化合物
本発明へ使用する典型的な塩基性アミンは、オレフィン、パラフィン、及び芳香族炭化水素のような石油ベースの原材料由来であり、窒素に隣接した少なくとも6個以上の炭素原子を含む少なくとも一つの脂肪族炭素鎖を有する化合物を含む。アミン塩、ジアミン、アミドアミン、アルコキシ化アミン、及びそれらそれぞれの第4級塩は、本発明に適している。このタイプの適切な化合物は、l,3−プロピレンジアミンに置換されたタロウ又は、ココヤシアルキルを含み、「アドゲン(Adogen)」及び「エムコル(Emcol)」の名前でウィトッコ(Witco)により販売され、及び類似のジアミンは「デュオメーン(Duomeen)」の名前でアクゾによって販売され、及び、ポリエテノキシ誘導体は「エトメーン(Ethomeen)」、及び「エトデュオメーン(Ethoduomeens)」の名前でアクゾによって販売されている。
【0055】
I.d.)カチオン性ポリマー
ポリクアテミウム32、ポリクオタニウム3、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解化コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解化ヘアケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解化ヘアケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解されたケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解化小麦タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、グアーヒドロキシトリモニウムクロライド、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解化コラーゲン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解化小麦タンパク質、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、ポリクオタニウム4、ポリクオタニウム10、ポリクオタニウム24、ステアルジモニウムヒドロキシエチルセルロース、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解化コラーゲン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解化小麦タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、ステアルジモニウムヒドロキシエチル加水分解化コラーゲン、ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロライド、ポリクオタニウム2、ポリクオタニウム6、ポリクオタニウム7、ポリクオタニウム11、ポリクオタニウム16、ポリクオタニウム17、ポリクオタニウム18、ポリクオタニウム22、ポリクアテリウム24、ポリクオタニウム27、ポリクオタニウム28、ポリクオタニウム31、ポリクオタニウム39、ポリクオタニウム41、ポリクオタニウム42、クオタニウム80、及びクオタ化された加水分解化小麦タンパク質/ジメチコンホスフォコポリオールコポリマーからなる群から本発明に適切なカチオン性ポリマーが選ばれる。好ましいカチオン性調整成分は、アメルコール社(Amerchol Corporation)から、クアトリソフト(登録商標)ポリマーLM−200として市販されているポリクオタニウム−24である。
【0056】
また、デキストラン、デンプン又はセルロース、例えばジエチルアミノエチルセルロース(「DEAEセルロース」)のような多糖類のカチオン性誘導体は、本発明の対象として適切である。適切な物質の更なる例は、セラネス−ハル(Celanese−Hall)により商品名ジャグアーズ(JAGUARS)(登録商標)で販売されているようなカチオン性グアー誘導体である。
【0057】
化合物の分子中に窒素原子を有して、水不溶のポリマーを含む更に好ましい化合物群としては、第4級アンモニウム型の、ベタイン型、ピリジルピリジニウム型又はビニルピリジニウム型の第4級ポリマーがある。例は下記のような、ポリ(ビニル−ベンジルメチルラウリルアンモニウムクロライド)であり;ポリ(ビニル−ベンジルステアリルベタイン)であり;ポリ(ビニル−ベンジルラウリルピリジルピリジニウムクロライド)であり;ポリ(ビニル−ベンジルセチルアンモニルへキシルエーテル)、及び一般式RN(CH)[(CO)H](+)A(−)を伴うクオタ化されポリオキシエチレン化された長鎖アミンである、この際A(−)は一般に塩化物又はフッ化物であり、xは1〜20の数であり、及びRは炭素数8〜22(C8−22)アルキルである。
【0058】
好ましい実施形態において、カチオン性調整成分が、好ましいカチオン性調整成分であるベヘナミドプロピルハイドロキシエチルジモニウムクロライド及び脂肪族第4級アンモニウム塩であり、これらはクロダ社、パリシッパニー、ニュージャージー(Croda Inc Parisppany,New Jerey)からインクロクアットべへニルHE(Incroquat Behenyl HE)として入手可能である:カチオン性調整成分は、懸濁液約0.01重量%〜約70重量%、好ましくは約0.1重量%〜約70重量%の割合で存在しうる。
【0059】
II.カチオン性電荷ブースター
本発明の制御輸送システムは、水相中の分散液でカチオン性電荷ブースターを含んでもよい。適切なカチオン性電荷ブースターは、本願明細書に引用したものとする米国特許第6,083,899号において記載されている。本発明の好ましいカチオン性電荷ブースターは、本願明細書において下記で記載する。
【0060】
II.a.第4級アンモニウム化合物
本発明の好ましい物質は、好ましくは約0重量%〜約10重量%、さらに好ましくは約0重量%〜約5重量%の、下記の式を有するカチオン性電荷ブースターを含む:
【0061】
【化1】

【0062】
式中、R,R、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜22(C−C22)のアルキル、炭素数3〜22のアルケニル、R−(Q)−(CH−[その際、Rは炭素数1〜22のアルキルである]、及びこれらの混合物であり、mは1〜約6であり;Xは、アニオンである。好ましくは、Rは炭素数6〜22のアルキル、炭素数6〜22のアルケニル、及びこれらの混合物、より好ましくはRが炭素数11〜18のアルキル、炭素数11〜18のアルケニル、及びこれらの混合物であり;R、R、及びRはそれぞれ好ましくは炭素数1〜4のアルキル、より好ましくはそれぞれがR、R、及びRはメチルである。
【0063】
あるいは、RはR−(Q)−(CH−部分であってもよく、その際にRは、炭素原子1〜22を有するアルキル又はアルケニル部分、好ましくは、前記アルキルまたはアルケニル部分をQ単位と合わせるとアシル単位である。例えば、タロウ、部分的に水素化したタロウ、ラード、部分的に水素化したラード、植物油、部分的に水素化した植物油、例えばカノーラ油、サフラワー油、落花生油、ヒマワリ油、とうもろこし油、ダイズ油、トール油、米糠油、など及びこれらの混合物から選択されるトリグリセリド源由来であってもよい。
【0064】
−(Q)−(CH−部分を含むカチオン電荷ブースターの例は下記の式を有する:
【0065】
【化2】

【0066】
式中、R−(Q)−は、オレオイル単位を示し、mは2である。
【0067】
好ましくは、Xは柔軟剤適合性アニオン、例えば強酸のアニオンである。例えば、Xは塩化物、臭化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸塩、硝酸塩、及びそれらの混合物である。さらに好ましくは、Xが塩化物、及びメチル硫酸塩である。
【0068】
II.b.ポリビニルアミン
本発明によれば好適な組成物は約0重量%〜約10重量%、より好ましくは、約0重量%〜約5重量%の下記の式を有する1つ以上のポリビニルアミン電荷ブースターを含む。
【0069】
【化3】

【0070】
式中、yは約3〜約10,000、好ましくは約10〜約5000であり、より好ましくは、約20〜約500である。本発明における使用に適切なポリビニルアミンは、ルパソール(登録商標)LU321の商品名として、BASFから市販されている。ルパソール(商標)は、アニオン及び極性材料に対して強い親和力を有し、及び非常に結合特性を有する;即ちイオン結合10−30Kcal/mol、水素結合4−6Kcal/mol、ファンデルワールス力0.5−2Kcal/molである。ポリビニルアミンの例は、ルパソール(商標)として図1に示される。ポリビニルアミンの単位質量あたりのアミン部の数が多くなるほど、好ましい十分な電荷密度を提供する。
【0071】
II.c.ポリアルキレンイミン
本発明の好ましい組成物は、約0重量%〜約10重量%、さらに好ましくは、約0重量%〜約5重量%の、下記の式を有するポリアルキレンイミン電荷ブースターを含む。:
【0072】
【化4】

【0073】
式中、mの値は2〜約700であり、及びnの値は0〜約350である。好ましくは本発明の化合物は、少なくとも1:1であるm:nの比を有するポリアミンを含むが、しかし10:1のような高い比、好ましくは比が2:1の範囲と同様に、鎖状ポリマー(nが0である)を包含してもよい。m:nの比が2:1の場合、(RNH)、RNH、及びRN部分の第1級:第2級:第3級アミン部分の比は、1:2:1である。Rは、炭素数2〜8のアルキレン、炭素数3〜8のアルキルが置換されたアルキレン、及びこれらの混合物でもよい。好ましくは、Rは、エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、及びこれらの混合物であり、さらに好ましくはエチレンである。Rラジカルは、主鎖のアミンの窒素を結合するように作用する。
【0074】
必要があれば1つ以上のポリビニールのアミン主鎖である−NH単位の水素が、下記の式を有するアルキレンオキシ単位によって置換されうる:
【0075】
【化5】

【0076】
式中、Rは炭素数2〜4のアルキレンであり、Rは、水素、炭素数1〜4のアルキルであり、及びこれら混合物であり;及び、xは1から50まである。本発明の一実施態様においては、前記ポリビニルアミンを第1に、窒素上に2−プロピレンオキシ単位を直接的に付加する基質と反応させて、続いて1モル以上のエチレンオキシドとの反応で下記一般式を有する単位を形成させる。
【0077】
【化6】

【0078】
式中、xは、1〜約50から値を有する。上記のような置換基は、略記された式PO−EO−によって示される。しかしながら、1以上のプロピレンオキシ単位は、アルキレンオキシ置換基に取り込まれることができる。
【0079】
本発明の好ましいポリアミンカチオン性電荷ブースターは、R基の約50%未満が3以上の炭素原子を含む主鎖を含む。主鎖の窒素原子間のR部分としての2つ及び3つの炭素スペーサの使用は、分子の電荷ブースター特性を制御するために有利である。本発明のさらに好ましい実施形態は、3以上の炭素原子を有する部分が約25%未満である。さらにより好ましい主鎖は、3以上の炭素原子を有する部分が約10%未満である。最も好ましい主鎖は、約100%のエチレン部分を含む。
【0080】
本発明のカチオン性電荷ブースターポリアミンは、均一な又は不均一なポリアミン主鎖、好ましくは均一な主鎖を有する。本発明を目的として、「均一なポリアミン主鎖」ということばは、すべてがエチレンであるなど、同一のR単位を有するポリアミン主鎖として定義される。しかしながら、この定義は、化学合成の所定の方法の人為的な産物により存在するポリマー主鎖を有する他の外因性の単位を有するポリアミンを排除するものではない。例えば、エタノールアミンがポリエチレンイミンの合成において「開始剤」として使用してもよいことは当業者には既知であり、このため、重合「開始剤」から生じる一つのヒドロキシエチル部分を有するポリエチレンイミンのサンプルは本発明を目的として均一なポリアミン主鎖を有すると考えられる。
【0081】
本発明を目的として、「不均一なポリマー主鎖」ということばは、一以上のアルキレンまたは置換アルキレン部分の複合体である、例えば、エチレン及び1,2−プロピレン単位が一緒にR単位として使用されるなど、のポリアミン主鎖を意味する。
【0082】
しかしながら、適切な電荷ブースター成分の全てが、上記ポリアミンを含むこのポリアミン類に帰属しているわけではない。本発明の化合物の主鎖を含む他のポリアミドは、一般にポリアルキレンアミン(PAA’s)、ポリアルキレンイミン(PAI’s)、好ましくはポリエチレンアミン(PEA’s)又はポリエチレンイミン(PEI’s)である。本発明での使用に適当なポリエチレンイミンは、1,800の平均分子量を有するルパソール(商標)PR8515、ルパソール(商標)無水物;ルパソール(商標)P、ルパソール(商標)PR971L;ルパソール(商標)PL;ルパソール(商標)SKA等のルパソール(登録商標)の商品名でBASFから市販されている。本発明におけるエトキシレート化されたポリエチレンイミンの適切な使用はBASFからルパソール(商標)SC−61B(登録商標)の名前で市販されている。一般的なポリアルキレンアミン(PAA)はテトラブチレンペンタミンである。PEA’sは、アンモニア及び二塩化エチレンとを用いた反応によって分留蒸留することにより得られる。得られる一般的なPEA’sは、トリエチレンテトラミン(TETA)及びテトラエチレンペンタミン(TEPA)である。ヘキサミン、ヘプタミン、オクタミン、可能であればノナミンなどの上記のペンタミン、一般的な(cogenerically)生成混合物は、蒸留により分離することができないと考えられ、環状アミン及び特にピペラジンなどの他の物質を含みうる。
【0083】
II.d.ポリ−第4級アンモニウム化合物
本発明の好ましい組成物は、約0重量%〜約10重量%、さらに好ましくは約0重量%〜約5重量%の下記の式を有するカチオン性電荷ブースターを含む:
【0084】
【化7】

【0085】
式中、Rは置換又は非置換の炭素数2〜12のアルキレン、置換又は非置換の炭素数2〜12のヒドロキシアルキレンであり;それぞれRは、独立して炭素数1〜4のアルキルであり、それぞれRは、独立して炭素数1〜22のアルキル、炭素数3〜22のアルケニル、R−(Q)−(CH−[その際、Rが炭素数1〜22のアルキル、炭素数3〜22アルケニルである]、及びこれらの混合物であり;mは、1〜約6からあり;Qは、上記の通りのカルボニル単位、及びこれらの混合物であり;Xは、アニオンである。
【0086】
好ましくは、Rはエチレンであり、及びRは好ましくはメチル又はエチル、より好ましくはメチルである。好ましくは少なくとも1つのRは、炭素原子1〜4のアルキル、より好ましくはメチルである。最も好ましくは少なくとも1つのRは、炭素数11〜22のアルキル、炭素数11〜22のアルケニル、及びこれらの混合物である。
【0087】
あるいは、RはR−(Q)−(CH−部分であり、その際に、Rは、1〜22の炭素原子まで有するアルキル部分であり、Q単位と一緒に合わせたアルキル部分が、タロウ、特に水素化したタロウ、ラード、特に水素化したラード、植物油、特に水素化した植物油、例えばカノーラ油、サフラワー油、落花生油、ヒマワリ油、とうもろこし油、ダイズ油、トール油、米糠油、など、及びそれらの混合物からなる基から選択されるトリグリセリドの源由来のアシル単位である。
【0088】
−Q(CH−部分を含んでいる衣類柔軟カチオン性ブースターの例は、下記の式を有する:
【0089】
【化8】

【0090】
式中、Rがメチルであり、R単位のうちの1つはメチルであり及び、他のR単位はR−Q−(CH−であり、その際にR−Q−は、オレオイル単位であり、及びmは2に等しい。Xは、例えば強酸のアニオンのような軟化剤適合アニオンである。例えば、Xは、塩化物、臭化物、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、硫酸、硝酸及びそれらの混合物であることができる。より好ましくは塩化物及びメチル硫酸塩でもよい。
【0091】
III.マトリックス物質
本発明のキャリアーシステムのスフェアーを形成するためのマトリックス物質は、約30〜約100℃の間の融点を有し、分散及溶融するとき、本発明に使用される活性成分又は感知標識の組成物に相溶性及び混和性を示し並びにヘア、毛嚢、皮膚及び衣類に安全で有益である実質的に水不溶性ポリマー、コポリマー、ワックス、脂肪、及びそれらの混合を含む。
【0092】
疎水性物質の例は、蜜ろう、ラノリン及びシェラックろう等の動物ろう、カルナバ、カンデリラ、サトウキビ、米ぬか、及びベーベリろう等の植物ろう、パラフィン及びミクロクリスタリンろうを含む石油ろう等の鉱ろうを含む天然の、再生、または合成ろう、ならびにこれらの混合物がある。本発明で使用できる他の疎水性物質としては、カンデリラろう及びシリコーンの共重合体、オゾクライト(ozokrite)ろう及びシリコンの共重合体、蜜ろう及びシリコーンの共重合体等のろう及びシリコーンの共重合体などがある。本発明で使用できる他の疎水性化合物としては、ステアリン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及びパルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル;セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びオレイルアルコール等の高分子量脂肪族アルコール、固体の硬化ヒマシ及び植物油、固形パラフィン、固い脂肪、及びこれらの混合物がある。使用できる他の疎水性化合物としては、合成によってまたは天然源からの単離によって製造できる、好ましくは少なくとも食品グレードの純度を有する、トリグリセリドがある。天然源としては、長鎖トリグリセリド(LCT)の源として、動物脂肪または大豆油等の植物油がある。本発明で使用されるのに適した他のトリグリセリドとしては、中鎖トリグリセリド(MCT)として示される、中くらいの長さの脂肪酸(炭素原子数10〜18)の大部分から構成されるものがある。このようなトリグリセリドの脂肪酸部分は、不飽和であってもあるいは複数不飽和であってもよく、また、様々な脂肪酸材料を有するトリグリセリドの混合物であってもよい。ナノスフェアマトリックスは、単一の疎水性物質からなってもあるいは複数の材料の混合物からなってもよい。当業者に既知の他の疎水性物質及び「工業ワックス」、第1章及び第2章、ベネットエフ.エーアイシー、化学出版社出版、1975及びマルチンデール(“Industrial Waxes” Vol. I and II、by Bennett F.A.I.C., published by Chemical Publishing Company Inc., 1975 and Martindale,)及び「特別な薬品類」、調合薬出版、28号編集、p.1063−1072(“The Extra Pharmacopoeia”, The Pharmaceutical Press, 28th Edition pp. 1063−1072, 1982)に記載されるような適当な材料を本発明で使用してもよい。
【0093】
本発明で使用されるその他の疎水性化合物は、アルキル化されたポリビニルピロリデン、ガネックス(登録商標)コポリマーシリーズ、及びプロリピド151(登録商標)(ISP社から商業的に市販されている)、プレスター(登録商標)シリーズの物質(特に、プレスター(登録商標)24及びプレスター(登録商標)−34、ストロールアンドピチュ社、ウエストバビロン、ニューヨークから市販されている再生可能な資源をベースでGMO無しの天然由来の脂肪族アルコール&メチルエステル原料油野菜由来のエステル(Strahl&Pitsch Inc.of WestBabylon,NewYork)のような合成ポリマーを含む。
【0094】
マトリックス物質としての使用のためのその他の適合する疎水性ポリマー及びコポリマーの例は、ポリエチレンホモポリマーA−C(登録商標)1702;A−C(登録商標)617,A−C(登録商標)617A,及びA−C(登録商標)15、アライドシグナル社(Allied Signal Inc.)から商業的に市販;ペルフォーマレン(商標)はポリエチレンホモポリマーシリーズでニューフェイズテクノロジーズ(New Phase Technologies)から商業的に市販;ペルフォーマコール(登録商標)直鎖第1級アルコールシリーズでニューフェイズテクノロジーズ(New Phase Technologies)から商業的に市販;ペルフォームアシッド(商標)直鎖飽和カルボン酸シリーズでニューフェイズテクノロジーズ(New Phase Technologies)から商業的に市販;ペルフォーマ V(商標)ポリマーシリーズでニューフェイズテクノロジーズ(New Phase Technologies)から商業的に市販;エチレン−アクリル酸コポリマーA−C(登録商標)540,A−C(登録商標)540A,及びA−C(登録商標)580はアライドシグナル社(Allied Signal Inc.)から商業的に市販;分子量が約6000〜約12000のポリアミド,例えばマクロメルト(商標)6030でヘンケルエイジー、ドイツデュッセルドルフ(Henkel Ag. of Dusseldorf, Germany)製造;ベルサロン(商標)1135ポリアミドポリマーはジェネラルミル社(General Mills,Inc)から市販を含む。
【0095】
本発明のナノスフェアーは約30℃〜約100℃の範囲の融点を有し、好ましくは約40℃〜約90℃が好ましい。スフェアーの融点は、通常使用されるキャリアーマトリックスの機能である。その結果、好ましいマトリックス物質は、約40℃〜約80℃の範囲の融点を有し、好ましくは、約50℃〜約70℃である。本発明のキャリアーシステムの使用に重要であるキャリアーマトリックスの融点よりはむしろスフェアーの融点であると認識されている。
【0096】
マトリックス物質の選択における考慮は、活性成分及び香料成分に対して、低い毒性及び刺激性、安定性及び活性成分の影響への高い積載能力等の良い障壁特性を含む。
【0097】
V.活性成分
活性成分は化粧品用、皮膚用及び薬剤用の活性成分である。適切な活性成分は、セラミド、ビタミン、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、保湿剤、抗脂漏性剤、抗UV剤、表皮剥離剤、抗炎症剤、リフレッシュ剤、メラニン調整剤、脂肪調整剤、抗脂漏性剤、老化防止剤、表皮剥離剤、抗菌物質、抗フケ剤、毛減量抑制剤、毛染め、髪の脱色剤、パーマネントウェーブ緩和剤、ヘアコンディショナー及び栄養剤、瘢痕性剤、血管保護剤、抗バクテリア剤、抗真菌物質、スキンコンディショナー、免疫賦活剤、栄養素および精油、レチノイド、麻酔剤、界面活性剤、乳濁液、安定剤、保存料、防腐剤、皮膚軟化剤、滑沢剤、湿潤剤、鎮痛薬、エンザイム、ピグメント、色素、ヒドロキシ酸、例えばαヒドロキシ酸、及びβヒドロキシ酸、皮膚軟化剤、薬剤、抗生物質、レペラント(repellants)、誘引剤、例えばフェロモン、香水、メントール誘導体の冷却剤のような感知標識、ヒアルロン酸及びその塩、エラスチン、加水分解産物、サクラソウ油、ホホバ油、上皮成長因子、大豆サポニン、ムコ多糖、シリコーンのようなアイロンの酸;反収縮剤;抗しわきず剤;漂白剤、衣類ノリ剤;すり合せ剤;殺菌剤;殺菌剤;安定剤保恒剤;組成を効果的に保護する又は衣類を修復する殺菌剤;及びこれらの混合物である。芳香は、約1〜約8の範囲の算出されたlogP(ClogP)を有することができる。
【0098】
薬剤
本発明の輸送システムで投与されうる適切なドラッグは、チメロサール、クロラミン、ホウ酸、フェノール、ヨードホルム、クロルヘキシジン、及び他の経口防腐剤、βラクタム抗生物質、例えばセフォキシチン、n−ホルムアミドイルチエナマイシン、及び他のチエナマイシン誘導体、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、グラミシジン、カナマイシン、アミカシン、シスミシン及びトブラマイシン;抗炎症性のステロイド例えばコルチゾン、ヒドロコルチゾン、ベータメタゾン、デキサメサゾン、フルオコルトロン、プレドニソロン、トリアムシノロン等の抗バクテリア剤が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。生物的活性成分一つ以上の抗生物質、例えばペニシリン、ポリミキシンB.バンコマイシン、カナマイシン、エリスロマイシン、ニドダマイシン、メトロニダゾール、スピラマイシン及びテトラサイクリンである。
【0099】
感知標識
本発明は香料やメタノール誘導体のような冷却材といった感知標識を含むことがでうる。好ましくは、感知標識が、消費者に製品の機能を伝達するために活性物質の放出に伴って同調され、製品の新規な応用に必要な永い持続期間の香水及びシグナルを提供する。
【0100】
この発明の香料の成分及び組成物は、当該分野において周知である。香料成分の選択、又は香料の量は機能性及び美的な検討に基づくものである。使用に適した香料及び香気化合物の典型的な例は、それらの特性及びそれらの物理的化学的特性とともに下記で説明し、「香水及び風味化学(香気化学)」ステファンアークタンダー(Steffen Arctander)著者(1969)によって、及び「一般の香料及び香味物質及−調製、特性及び用途」、カート・バウアー、及びドロテガルベ、ブイセーハーヴェラグスゲセルシャフト(VCH Verlagsgesellschaft mbH)出版(1985)は、参照として本願明細書において併合されている。
【0101】
保存料
保存料は、潜在的に有害な微生物の増殖から守るために本発明に組み入れられうる。水相においては、微生物が増殖する傾向がある一方、微生物はまた、無水又は油相においても存在しうる。従って、保存料、それは水、及び油への溶解性を有し、本組成において好ましくは使われる。本発明の組成のための適切な従来の保存料は、パラヒドロキシベンゼン酸のアルキルエステルである。使用されうる他の保存料は、ヒダントイン誘導体、プロピオナート塩、及び様々な第四級アンモニウム化合物を包含するものである。
【0102】
特に、好適な保存料は、メチルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デハイドロアセテートナトリウム、プロピルパラベン、トリソディウムエチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、及びベンジルアルコールである。保存料は、保存料及びその他の成分間で配合禁忌を回避することを可能にするように選択されうる。保存料は、組成物の約0.01重量%〜約2重量%範囲おいて、好ましくは使われる。当該分野において既知の他の保存剤が本発明において使われてもよい。
【0103】
VI.工程方法
スフェアー製作の手順は一般的にはニクソン(編集)、マイクロカプセル化、p.13−38(マルセルデッカー社.1976);ミュラー、制御薬物輸送及び標的化のためのコロイド状キャリアー、p.175−202(CRCプレス1991); ショー(編集)、薬物キャリアーとしてのリポプロテイン、pp.97−139(マルクデッカー社1991);及びベニータ(編集)、マイクロカプセレイション−方法及び工業的応用p.183−258(マルセルデッカー社1996)に記載されている。
【0104】
ナノ−スフェアーの製造方法は、下記の段階を含む:
a)疎水性マトリックス物質の融点を超える温度に疎水性マトリックス物質を加熱する;
d)カチオン状態成分を融液に溶解させて又は分散させること;
e)融液に活性成分及び/又は感知標識を溶解させて又は分散させること;
c)水相中のカチオン性電荷ブースターを溶解させて又は分散させること及び融液の融点を越える温度に加熱すること;
e)熱した融液を水溶液と混合して、懸濁液を形成すること;
f)均一な微細な懸濁液が得られるまで、融点を超える温度で懸濁液のハイシェアーホモジェネレイションを行なう;及び
g)懸濁液を周囲の温度にまで冷却して微細な分散液を形成すること。
【0105】
非常に均一な、小サイズのスフェアーが形成するまで、超音波プロセッサー、高圧ホモジェネナイザー、コロイドミル又はハイシェールミキサーのようなものを使って攪拌により、融液相は水相中に分散される。連続水相内部で疎水性相スフェアーの最終懸濁液を形成するために少なくとも室温にまで、分散液は冷却される。
【0106】
水相内部で形成された多数の均一なスフェアーは、約2μm以下であるべきで、好ましくは約1μm以下の平均粒径を持ち、さらに好ましくは約0.5μm以下の平均粒径を持ち、最も好ましいのは約0.01μm〜約0.5μmの平均粒径、約0.1μm〜約1μmが特に好ましい。
【0107】
本願明細書において述べられるナノ−スフェアーの調整方法は、簡単であり、及び高ローディング、再現性、可転性、及び安定性によって特徴づけられる。方法は、限定されない例においてさらに図で示される。
【0108】
「ポリマーの拡散」、クランクジェイ及びパークジーエス、アカデミックプレス、ニューヨーク、1969;「バリアポリマー及び構造」コロスダヴリュージェイ、ACSシリーズ、ワシントンDC、1990年編集;「ポリマー浸透性」ジェイカミン、エルゼビア、応用科学、1985年、編集出版、p.217−267;に記述があるように、フィクの拡散第2法則によれば、分子拡散率によってナノスフェアー内部に溶解している活性成分と感知標識は放出されうる;尚、上記は参照文献として本願明細書において組み入れられる:
【0109】
【数1】

【0110】
式中:
D=拡散係数
C=拡散分子濃度
X=拡散の方向
t=時間
ヒグチは、均一のマトリックスを有する球面の完全に統制された方程式を見出した(Higuchi.T.,J.Pharm.Sci、52、1145、1963)。ナノスフェアーの疎水性マトリックス中に溶解している活性成分の放出速度の、早い時間および遅い時間での理論的な近似値は、下記の式より算出されうる:
早い時間の近似値
【0111】
【数2】

【0112】
遅い時間の近似値
【0113】
【数3】

【0114】
ここで:
rは、シリンダーの半径であり;
M∞は、無限大の時間後に制御放出システムから放出される芳香の量であり;
Mtは、時間t後に制御放出システムから放出される芳香の量であり;そして、
Dpは、マトリックス中の芳香または芳香性化学物質の拡散係数である。
ブロフィー、及びデアシーは、(Brophy M andDeasy p.B.、Int. J.Pharm、37、41、1987)ヒグチの疑似定常状態近似に基づいた方程式を見出した。誘導された方程式は、剛体球マトリックスからの分散溶質の放出が、マトリックスの膨潤又は浸食でないこと記述している。
【0115】
【数4】

【0116】
式中:
はマイクロスフェアー中の活性剤の濃度であり、
Csは活性剤の溶解性(飽和濃度)であり、
rはスフェアーの半径である。
【0117】
本発明は、下記のそれらの例によりさらに示され、これらの例は単に説明のために包括されるものであって、別に明確な示唆がない限り本発明の対象を制限するものではないと理解されるべきである。ここの、詳細な説明、実施例及び請求の範囲に記載されている全ての割合、比率及び部分は定義がない場合、重量及び近似である。
【実施例】
【0118】
香料輸送システムにおけるナノスフェアーの調製
実施例1
次の実施例で用いられる香料は、ニートオイルとして使用したとき頭髪に付着しない香料の組成物である。用いられる香料の組成物は次のようなものである:
【0119】
【表1】

【0120】
ナノスフェアーは次のような組成物であった;ベヘナミドプロピルハイドロキシエチルジモニウムクロライドであるインクロクアットべへニルHE(Incroquat Behenyl HE)(脂肪族第4級アンモニウム塩、クロダから市販されている)はカチオン性調整成分として使用されてルパソール(商標)PR815、平均分子量1800のポリエチレンイミン(BASF社から市販されている)はカチオン性電荷ブースターとして用いられた。疎水性ポリマーはカンデリラ/シリコーンコポリマー(Strahl&Pitsh社から市販されている)であった。APV,レーニー2000高圧ホモジェナイザー(Rannie 2000 high pressure homogenizer)を用いて懸濁液を均質化させた。得られる製剤は下記の通りである:
64.9%水
20%カンデリラ/シリコーンコポリマー
10%香料
5%インクロクアットべへニルHE
0.1%ルパソール(商標)PR815
カンデリラ/シリコーンコポリマー200gを120℃でオーブンに入れて溶融させる。脱イオン水649gをホモジナイザーの1ガロン容器に入れて、それに汎用シリコーンラバーヒーター(Cole−palmer Instrument Company)を取り付ける。プロペラミキサーで混合しながらルパソール(商標)PR815 1gを水中に加え、この水溶液を90℃に加熱する。溶融カンデリラ/シリコーンコポリマーをオーブンから取り出して、インクロクアットべへニルHE50g及び香料100gを溶解カンデリラ/シリコーンコポリマーにガラス棒で手動により混合する。次いで溶融混合物を、水溶液を含んだ容器に注ぎ、乳濁液を20000psiで均一化する。この分散液をチューブインチューブ熱交換器(tube−in−tube heat exchanger(Model 00413,Exergy Inc.Hanson Massachusetts))を通過させて室温に冷却する。
【0121】
実施例2
ナノスフェアーは次のような組成物であった;ベヘナミドプロピルハイドロキシエチルジモニウムクロライドであるインクロクアットべへニルHE(Incroquat Behenyl HE)(脂肪族第4級アンモニウム塩、クロダから市販されている)はカチオン性調整成分として使用される。疎水性ポリマーは、ポリエチレンホモポリマー(New Phase Technologiesから市販されている)であった。APV,レーニー2000高圧ホモジェナイザー(Rannie 2000 high pressure homogenizer)を用いて懸濁液を均質化させる。得られる製剤は下記の通りである:
60%水
10%香料
10%インクロクアットべへニルHE
20%ポリエチレン
ポリエチレンポリマー200gを120℃でオーブンに入れて溶融させる。脱イオン水600gをホモジナイザーの1ガロン容器に入れて、それに汎用シリコーンラバーヒーター(Cole−palmer Instrument company)を取り付ける。水及び水溶液を95℃に加熱する。ポリエチレンポリマーをオーブンから取り出して、インクロクアット べへニル HE 100g及び香料100gをポリエチレンポリマーにガラス棒で手動により混合する。溶融混合物を水溶液を含んだ容器に注ぎ、次いで乳濁液を20000psiで均一化する。この分散液をチューブインチューブ熱交換器(tube−in−tube heat exchanger(Model 00413,Exergy Inc.Hanson Massachusetts))を通過させて室温に冷却する。
【0122】
皮膚用ナノスフェアー輸送システムの調製
実施例3
ナノスフェアーは次のような組成物であった;ベヘナミドプロピルハイドロキシエチルジモニウムクロライドであるインクロクアットべへニルHE(Incroquat Behenyl HE)(脂肪族第4級アンモニウム塩、クロダから市販されている)はカチオン性調整成分として使用される。疎水性ポリマーは、ポリエチレンホモポリマーである、ペルフォルマV(商標)216(New Phase Technologiesから市販されている)であった。APV,レーニー2000高圧ホモジェナイザー(Rannie 2000 high pressure homogenizer)を用いて懸濁液を均質化させる。得られる製剤は下記の通りである:
60%水
10%レチノール(BASFから市販されている)
10%インクロクアット べへニル HE
20%ペルフォルマV(商標)216
ポリエチレンポリマー200gを120℃でオーブンに入れて溶融させる。脱イオン水600gをホモジナイザーの1ガロン容器に入れて、それに汎用シリコーンラバーヒーター(Cole−palmer Instrument Company)を取り付ける。水及び水溶液を95℃に加熱する。ポリエチレンポリマーをオーブンから取り出して、でインクロクアット べへニル HE 100g及びレチノール100gをポリエチレンポリマーにガラス棒で手動により混合する。次いで溶融混合物を水溶液を含んだ容器に注ぎ、乳濁液を20000psiで均一化する。この分散液をチューブインチューブ熱交換器(tube−in−tube heat exchanger(Model 00413,Exergy Inc.Hanson Massachusetts))を通過させて室温に冷却する。
【0123】
実施例4
ナノスフェアーは次のような組成物であった;ベヘナミドプロピルハイドロキシエチルジモニウムクロライドであるインクロクアットべへニルHE(Incroquat Behenyl HE)(脂肪族第4級アンモニウム塩、クロダから市販されている)はカチオン性調整成分として使用される。疎水性ポリマーは、ポリエチレンホモポリマー(New Phase Technologiesから市販されている)であった。APV,レーニー2000高圧ホモジェナイザー(Rannie 2000 high pressure homogenizer)を用いて懸濁液を均質化させる。得られる製剤は下記の通りである:
65%水
10%ビタミンE
5%インクロクアットべへニルHE
20%ガネックスV(商標)660
200gのガネックスV(商標)660ポリマーを100℃でオーブンに入れて溶融させる。脱イオン水650gをホモジナイザーの1ガロン容器に入れて、それに汎用シリコーンラバーヒーター(Cole−palmer Instrument Company)を取り付ける。水及び水溶液を95℃に加熱する。ポリエチレンポリマーをオーブンから取り出して、インクロクアットべへニルHE50g及びビタミンE100gをガネックスV(商標)660ポリマーにガラス棒で手動により混合する。次いで溶融混合物を水溶液を含んだ容器に注ぎ、この乳濁液を20000psiで均一化する。この分散液をチューブインチューブ熱交換器(tube−in−tube heat exchanger(Model 00413,Exergy Inc.Hanson Massachusetts)を通過させて室温に冷却する。
【0124】
衣類ケア製品のためのテスト方法
“14×17”の規格を有する20枚の綿タオルを、本発明の香料キャリアースフェアーの性能の評価に用いた。その中の10枚のタオルは、綿100%であり、及び10枚のタオルは、ポリエステル65%及び綿35%の混合組成である。衣類はアメリカ製洗濯機ケンモアー(商標)90シリーズを使用して洗濯した。
洗濯条件
衣類の洗濯物:20枚のタオル
洗濯洗剤サンプルサイズ:100g
衣類柔軟剤サンプルサイズ:30g
洗濯機への投入:洗濯洗剤は直接洗濯機に投入した
衣類柔軟剤はディスペンサー中に配置した
水位:少量
水温:冷水/冷水
サイクル:短サイクル
水温度:冷水/冷水
すすぎオプション:一回のすすぎサイクル
速度:高馬力
洗濯後の衣類は香料のない部屋で一晩自然乾燥させた。乾燥した衣類を2つに折りたたみ、約5cm深さのアルミニウム製のトレイに置き、においテストの際に中の衣類が見えないように穴の開いたアルミニウム製シートで覆った。においテストは予め換気された部屋で10人の評価者で、洗濯の24時間後に乾燥衣類洗濯物について行った。洗濯した衣類は穴の開いたアルミニウム製シートで覆い、1週間及び2週間後ににおいテスト方法で再度評価した。
【0125】
匂いの知覚は本来、非常に主観的な判断によるものである。その手順によると、テストするサンプルを、10人の匂いの専門家のパネルに供すると、この専門家は1(匂い感知なし)〜10(高い匂い強度)までのスケールを使用しながら、洗濯後の乾燥衣類の匂い強度をそれぞれランク付けする。約2未満にランク付けされている匂いを発するサンプルは、一般大衆にはめったに知覚されない匂いを有する。
【0126】
衣類ケア製品中へのナノスフェアーの導入
実施例5
実施例1の香料輸送システムを含む液体洗濯洗剤の機能(すなわち、衣類の上への香料の沈着を増やす能力、それに加えて長期間乾燥した洗濯衣類からの香料の放出を維持する能力、又はアイロンをあてた際にハイインパクトバーストを引き起こしたりする能力)を評価し、同程度の芳香レベルのニート香料を含む同じ洗剤の機能と比較した。無芳香の液体洗濯洗剤の基材は、プロクターアンドギャンブルカンパニー(Procter&Gamble Company of Cincinnati Ohio)から入手可能な市販のTIDE(商標)FREE液体洗濯洗剤であり、これは無香料である。
【0127】
洗濯サンプルは、実施例1で記載されている香料を使用して有効香料濃度1%で調製される。コントロールサンプルは、ニート香料1g及び無芳香のTIDE(商標)FREE99gをジャー中に量り、次いで得られた混合物を約1時間混合することにより調製した。本発明の香料スフェアーを含む液体洗濯洗剤は、実施例2の香料スフェアー3.3g及び96.7gの無芳香のTIDE(商標)FREE液体洗濯洗剤基材をジャー中に量り、次いで得られた混合物を約1時間混合することにより調製した。
【0128】
20枚のタオルを、100gの粉末状洗濯洗剤と一緒に直接洗濯機(10枚のタオルは、綿100%であり、及び10枚のタオルは、ポリエステル65%及び綿35%の混合組成である)に投入した。
下記の洗濯機サイクルを使用した:
衣類の洗濯物:20枚のタオル
洗濯洗剤サンプルサイズ:100g
洗濯機への投入:洗濯洗剤は直接洗濯機に投入した
水位:少量
水温:冷水/冷水
サイクル:短サイクル
水温度:冷水/冷水
すすぎオプション:一回のすすぎサイクル
速度:高馬力
衣類サンプルを24時間自然乾燥し、次いで4つの段階で評価を行った:乾燥の直後(洗濯の24時間後);洗濯の24時間後にアイロンがけすること;乾燥の1週間後;及び乾燥の2週間後。匂いテストの時まで、評価の間に、乾燥した衣類を2つに折りたたみ、約5cm深さのアルミニウム製のトレイに置き、穴の開いたアルミニウム製シートで覆った。においテストは予め換気された部屋中で10人の評価者により、乾燥衣類洗濯物について行われ、テストの結果を下記に示す:
【0129】
【表2】

【0130】
乾燥直後(洗濯の24時間後)においては、実施例1のカプセル封入した香料と一緒に洗濯された衣類サンプルは、ニート香料で洗濯されたコントロールサンプルより有意に強度が大きいことが、テスト結果から示唆される。
【0131】
実施例1のカプセル封入された香料スフェアーを用いて洗濯された衣類にアイロンをあてたものについて、匂い強度の有意な上昇が観測された。ニート香料(コントロール)を用いて洗濯された衣類の匂い強度は、アイロンをあてた後には直接的にはより強いものであることが観測されたが、匂い強度の急激な上昇が見られなかった。ただニート香料(コントロール)を使用して洗濯された衣類にアイロンをあてた場合においては、匂い強度のわずかな上昇のみ観測された。
【0132】
【表3】

【0133】
1週間及び2週間のテストの結果において、実施例1のカプセル封入された香料で洗濯された衣類のサンプルは、ニート香料(コントロール)で洗濯されたコントロールサンプルに比べてより有意に高い強度を示している。カプセル封入した香料を含む製品は、香料の揮発性物質を持続させ、及び乾燥した洗濯衣類から長期間にわたって香料を放出させるという点で、ニート香料の性能に対して有意な改善を示す。
ヘアケア製品中へのナノスフェアーの導入
実施例6
実施例2のナノスフェアーの香料の放出を延長させる能力を、実施例2のナノスフェアーを含むシャンプー組成物で洗われた頭髪上に保持されているメントール匂い強度を評価することによって判断した。
【0134】
実施例2の懸濁液10gをシャンプー基材(30%の濃縮されたシャンプー基材#4、ジェーンインターナショナル株式会社の製品リトルホール、ニュージャージー、及び70%水)90gに混合して、香料1.0%を含むシャンプーサンプルを製造した。上記のシャンプー基材に香料1.0gを混合することによりコントロールサンプルを製造する。
【0135】
実施例2のナノスフェアーを含むシャンプーサンプルで4本のヘアの見本を洗って、次いでニート香料を含むコントロールサンプルで4本のヘアの見本を洗った。各実験セット(2つはナノスフェアーを含むシャンプーで洗い、2つはコントロールサンプルで洗う)におけるヘアの見本2セットを、ブロードライヤーで乾燥させた。湿った見本上に保持された香料の強度、及びブロードライヤーを用いたヘアの乾燥1分後に放出された匂いの強度を、1〜10のスケールで評価した。この際に1は低い匂い強度を示し、10は高く、心地よい匂いの強度を示す。香料の知覚は、本来、非常に主観的な判断によるものであって、それ故に訓練された匂い評価者のパネルによって判断される必要がある。その手順によると、テストするヘア見本を、6人の匂いの評価者のパネルに供すると、この評価者はヘアをブロー乾燥させた1分後に、湿ったヘア見本に保持された匂い、及び近接環境での匂いの強度をそれぞれランク付けする。匂い評価の結果は下記のようになる:
【0136】
【表4】

【0137】
これらの結果によればニート香料を含むコントロールサンプルで洗ったヘア見本は、非常に低い匂いの強度を有することが示される。ナノスフェアー中に香料を含むシャンプーで洗ったヘア見本は、より高い匂い強度を有している。従って本発明のナノスフェアーは、ヘアに付着し、及びヘア上へ高いレベルの香料を沈着させるために利用されうる。ナノスフェアーを含むシャンプーで洗ったヘア見本だけが、ヘアをブローで乾かした際にハイインパクト香料“バースト”を提供する。従って、本発明のナノスフェアーは、活性成分の熱応答放出を提供し、ヘアをブローで乾燥させる際又は、他のタイプの熱処理を施した際にハイインパクト匂い“バースト”を引き起こす能力を有する。
【0138】
他の4つのヘア見本(ナノスフェアー及びコントロールサンプルを含むシャンプーで洗われている)は、自然乾燥され、乾燥見本の上に保持されている香料の匂い強度は、上記と同じスケールを使って1時間後及び8時間後に評価される。その手順によると、テストするヘア見本を、6人の匂いの評価者のパネルに供すると、この評価者はヘア見本に保持されている匂い強度をそれぞれランク付けする。1時間後及び8時間後の乾燥ヘア見本上の匂い評価の結果は下記のようになる:
【0139】
【表5】

【0140】
これらの結果から、ニート香料を含むコントロールサンプルで洗ったヘア見本は、非常に低い匂い強度を有していることが示される。ナノスフェアー中に香料を含むシャンプーで洗ったヘア見本は、より高い匂い強度を有する。従って、本発明のナノスフェアーはヘアに付着し、ヘア上に高いレベルの香料を沈着させるために利用されうる。ナノスフェアー中に香料を含むシャンプーで洗ったヘア見本の匂い強度は、8時間後には、ニート香料を含む製品で洗った見本の強度より有意に高い。さらにナノスフェアーにメントールを含むシャンプーで洗ったヘア見本の匂い強度は、1時間後とほとんど同様に維持された。従って本発明のナノスフェアーは、活性成分の放出を持続し、香料のような揮発成分であっても長期間にわたって放出する能力を有する。香料又は他の感知標識の放出速度は、消費者に製品の性能を伝達する活性成分の放出速度と同調しうる。
【0141】
実施例8
実施例2のナノスフェアーを含むヘアコンディショナー組成物で洗ったヘアに保持されている匂い強度を評価することにより、実施例2のナノスフェアーの活性成分及び感知標識(すなわち、香料)の放出を持続させる能力を判断した。
【0142】
実施例2の懸濁液10gを、コンディショナー基材(40%Jeequat ASP,ジェーンインターナショナル株式会社の製品,リトルホール,ニュージャージー、及び60%の水)90gに混合して、1%の香料を含むヘアーコンディショナーサンプルを調製した。ニート香料1gを、上記コンディショナー基材を混合することによりコントロールサンプルを調製した。
【0143】
2本のヘア見本を、実施例2のナノスフェアーを含むコンディショナーサンプルで洗い、並びに2本のヘア見本をニート香料を含むコントロールサンプルで洗った。ヘア見本を自然乾燥して、次いで1時間後及び24時間後に、乾燥見本上に保持されている香料の匂い強度を評価した。匂いの知覚は、本来、非常に主観的な判断である。その手順によると、テストするヘア見本を、6人の匂いの評価者のパネルに供すると、この評価者はヘア見本に保持されている匂い強度を、1(無臭、低い匂い強度)〜10(匂い強度は高く、心地よい匂い)のスケールを使ってそれぞれランク付けする。1時間後及び24時間後の乾燥ヘアの匂い評価の結果は下記のようになる:
【0144】
【表6】

【0145】
これらの結果から、ニート香料を含むコントロールサンプルで洗ったヘア見本は、非常に低い匂い強度を有していることが示される。ナノスフェアー中に香料を含むコンディショナーで洗ったヘア見本は、より高い匂い強度を有する。従って、本発明のナノスフェアーはヘアに付着し、ヘア上に高いレベルの香料を沈着させるために利用されうる。ナノスフェアー中に香料を含むコンディショナーで洗ったヘア見本の匂い強度は、24時間後には、ニート香料を含む製品で洗ったヘア見本より有意に高かった。さらにナノスフェアー中に香料を含むコンディショナーで洗ったヘア見本の匂い強度は、1時間後とほとんど同様に維持された。従って本発明のナノスフェアーは、活性成分の放出を持続し、香料のような揮発成分であっても長期間にわたって放出する能力を有する。香料又は他の感知標識の放出速度は、消費者に製品の性能を伝達する活性成分の放出速度と同調しうる。
【0146】
上記の実施例は、本発明の原理を表現しうる多くの実施可能な特定の実施形態の一部にしか過ぎない点について理解されるべきである。膨大な種々の応用は、本発明の原理及び目的から乖離することなく、当業者がこれらの原理を用いることによって容易に派生しうる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の教示を踏まえたポリビニルアミンを表わす概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘア、毛嚢又は皮膚への局所的な適用のために、活性成分及びカチオン性調整成分を含む固体スフェアーを含む制御放出システム。
【請求項2】
前記固体スフェアーがさらに疎水性ポリマー、疎水性コポリマー、疎水性ワックス又はそれらの混合物を含む請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記粒子が約30℃〜約100℃の融点を有する請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記疎水性ポリマー又は疎水性コポリマーは、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、天然ワックス、合成ワックス、トリグリセリド、水素化植物性油、生分解性天然ポリマー、合成ポリマー、ポリエチレン単独ポリマー、;エチレン−アクリル酸コポリマー;分子量約6000〜12000の範囲を有するポリアミドポリマー;動物性ワックス、アルキル化したポリビニルピロリド、シリコン合成ワックスコポリマー;シリコン天然ワックスコポリマー;カンデリラシリコンコポリマー、及びオゾケリトシリコンコポリマーからなる群から選ばれる請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記スフェアーが平均粒径約0.01μm〜約10μmを有する請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記スフェアーが平均粒径約0.01μm〜約1μmを有する請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは水相における前記固体スフェアーの分散液である請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記固体スフェアーはカチオン性電荷ブースターをさらに含む請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記カチオン性電荷ブースターはポリビニルアミン、ポリアミン、ポリアルキレンアミン、ポリアルキレンイミン、ポリ第4級アンモニウム化合物及び下記の式を有する第4級アンモニウムからなる群から選ばれる
【化1】

式中、Xはアニオンであり、R,R、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜22(C−C22)のアルキル、炭素数3〜22のアルケニル、またはR−(Q)−(CH−であり、その際、Rは炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニル部分、及びこれらの混合物であり、mは1〜約6であり;
及び、Q単位と合わせてアシル単位である場合には、Qは、タロウ(tallow タロウ)、部分的に水素化したタロウ、ラード、部分的に水素化したラード、植物油、水素化した植物油、例えばカノーラ油、サフラワー油、落花生油、ヒマワリ油、とうもろこし油、ダイズ油、トール油、米糠油、など及びこれらの混合物からなる群から選ばれたトリグリセリドソース由来であってもよい、
である請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記カチオン性電荷ブースターは、ポリエチレンイミン又はポリエチレンアミンを含む請求項1のシステム。
【請求項11】
前記スフェアーが水相中で分散するカチオン性電荷ブースターを含む請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記カチオン性電荷ブースターは、ポリビニルアミン、ポリアミン、ポリアルキレンアミン、ポリアルキレンイミン、ポリ第4級アンモニウム化合物及び下記の式を有する第4級アンモニウムからなる群から選ばれる
【化2】

式中、Xはアニオンであり、R,R、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜22(C−C22)のアルキル、炭素数3〜22のアルケニル、またはR−(Q)−(CH−であり、その際、Rは炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニル部分、及びこれらの混合物であり、mは1〜約6であり;
及び、Q単位と合わせてアシル単位である場合には、Qは、タロウ、部分的に水素化したタロウ、ラード、部分的に水素化したラード、植物油、部分的に水素化した植物油、例えばカノーラ油、サフラワー油、落花生油、ヒマワリ油、とうもろこし油、ダイズ油、トール油、米糠油、など及びこれらの混合物からなる群から選ばれたトリグリセリドソース由来であってもよい、
である請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記カチオン性電荷ブースターはポリエチレンイミン又はポリエチレンアミンを含む請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記カチオン性電荷ブースターが水相の約10重量%以下で存在する請求項11記載のシステム。
【請求項15】
前記カチオン性調整成分は直鎖アルキルアンモニウム化合物、環状アルキルアンモニウム化合物、石油由来のカチオン性化合物及びカチオン性ポリマーからなる群から選ばれる請求項1記載のシステム。
【請求項16】
前記カチオン性調整成分は塩化セチルトリメチルアンモニウムを含む請求項1記載のシステム。
【請求項17】
前記カチオン性調整成分は塩化ベヘナミドプロピルヒドロキシエチルジモニウムを含む請求項1記載のシステム。
【請求項18】
前記カチオン性調整成分はポリクオタニウム-24を含む請求項1記載のシステム。
【請求項19】
前記カチオン性調整成分はポリクオタニウム-82を含む請求項1記載のシステム。
【請求項20】
前記カチオン性調整成分がスフェアーの約0.01重量%〜約70重量%の量で存在する請求項1記載のシステム。
【請求項21】
前記活性成分は、セラミド、ビタミン、日焼け防止剤、薬剤、ビタミン、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、保湿剤、抗脂漏性剤、抗UV剤、表皮剥離剤、抗炎症剤、リフレッシュ剤、メラニン調整剤、脂肪調整剤、抗脂漏性剤、老化防止剤、表皮剥離剤、抗バクテリア剤、抗フケ剤、毛減量抑制剤、毛染め、髪の脱色剤、パーマネントウェーブ緩和剤、ヘアコンディショナー、栄養剤、瘢痕性剤、血管保護剤、抗バクテリア剤、抗真菌剤、スキンコンディショナー、免疫賦活剤、栄養素、油、レチノイド、麻酔剤、界面活性剤、乳濁液、安定剤、保存料、防腐剤、皮膚軟化剤、滑沢剤、湿潤剤、麻酔剤、鎮痛薬、エンザイム、ピグメント、色素、ヒドロキシ酸、皮膚軟化剤、医薬品、抗生物質、レペラント(repellants)、誘引剤、香料、感知標識、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、エラスチン、加水分解産物、サクラソウ油、ホホバ油、上皮成長因子、大豆サポニン、ムコ多糖、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1記載のシステム。
【請求項22】
前記活性成分は香料を含む請求項1記載のシステム。
【請求項23】
前記香料が約1〜約8のClogP値範囲を有する請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記疎水性ポリマー、疎水性コポリマー又はそれらの混合物が
約1重量%〜約95重量%の量存在し、
前記カチオン性調整成分が約0.01重量%〜約60重量%の量存在し、
及び前記活性成分が約1重量%〜約70重量%の量存在する
請求項2記載のシステム。
前記活性請求項1記載のシステム。
【請求項25】
約1重量%〜約70重量%の感知標識をさらに含む請求項1記載のシステム。
【請求項26】
前記スフェアーは長期間前記カチオン性電荷ブースター及び前記カチオン性調整成分を放出する請求項1記載のシステム。
【請求項27】
前記長期間は約1ヶ月以下である請求項1記載のシステム。
【請求項28】
前記粒子が熱処理することでバーストを誘引するため、前記カチオン性電荷ブースター及び前記カチオン性調整成分の有効量を放出する請求項1記載のシステム。
【請求項29】
下記の段階:
物質の融点を超える温度に疎水性ポリマーマトリックス物質を加熱すること;
カチオン性調整成分を融液の中に溶解又は分散すること;
活性成分を融液の中に溶解又は分散すること;
融液の融点を超える温度に融液を加熱すること;
水溶液を熱した融液を混合して懸濁液を形成すること;
均一な微細な懸濁液を得るまで融点を超える温度で懸濁液のハイシェアーホモジェナイゼイションすること;及び
微細な分散を形成するために懸濁液を室温(周囲の温度)にまで冷却すること、
を含むヘア、毛嚢及び皮膚への局所的な適用のための制御放出システムを提供する方法。
【請求項30】
カチオン性電荷ブースターをさらに含む水溶液を有する請求項29記載の方法。
【請求項31】
請求項1のシステムを含むヘア又は皮膚ケア製品。
【請求項32】
シャンプー、コンディショナー、ローション、クリーム、ボディウォッシュ、整髪料製品及びヘアスクルプティング製品からなる群から選ばれた請求項31記載の製品。
【請求項33】
前記活性成分の放出は、ヘア又は毛嚢の熱処理により活性化される請求項31の製品。
【請求項34】
前記活性成分は感知標識を含む請求項31記載の製品。
【請求項35】
前記活性成分の放出は、ヘア又は毛嚢の熱処理により活性化される請求項34の製品。
【請求項36】
活性成分及びカチオン性調整成分を含む固体スフェアーを含む衣類のための制御放出システム。
【請求項37】
前記固体スフェアーが疎水性ポリマー、疎水性コポリマー、疎水性ワックス又はそれらの混合物をさらに含む請求項36記載のシステム。
【請求項38】
前記粒子は融点約30℃〜約100℃を有する請求項37記載のシステム。
【請求項39】
前記疎水性ポリマー又は疎水性コポリマーは脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、天然ワックス、合成ワックス、トリグリセリド、水素化した植物性オイル、生分解性天然ポリマー、合成ポリマー、ポリエチレン単独ポリマー、;エチレン−アクリル酸コポリマー;分子量約6000〜12000の範囲を有するポリアミドポリマー;動物性ワックス、アルキル化したポリビニルピロリド、シリコン合成ワックスコポリマー;シリコン天然ワックスコポリマー;カンデリラシリコンコポリマー、及びオゾケリトシリコンコポリマーからなる群から選ばれる請求項38記載のシステム。
【請求項40】
前記粒子が平均粒径約0.01μm〜約10μmを有する請求項36記載のシステム。
【請求項41】
前記粒子が平均粒径約0.01μm〜約1μmを有する請求項40記載のシステム。
【請求項42】
前記システムは水相における前記固体粒子の分散液である請求項1記載のシステム。
【請求項43】
固体スフェアーはカチオン性電荷ブースターをさらに含む請求項1記載のシステム。
【請求項44】
前記カチオン性電荷ブースターはポリビニルアミン、ポリアミン、ポリアルキレンアミン、ポリアルキレンイミン、ポリ第4級アンモニウム化合物及び下記の式を有する第4級アンモニウムからなる群から選ばれる
【化3】

式中、Xはアニオンであり、R,R、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜22(C−C22)のアルキル、炭素数3〜22のアルケニル、またはR−(Q)−(CH−であり、その際、Rは炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニル部分、及びそれのて混合物であり、mは1〜約6であり;
及び、Q単位と合わせてアシル単位である場合には、Qは、タロウ(獣脂、tallow)、部分的に水素化したタロウ、ラード、部分的に水素化したラード、植物油、部分的に水素化した植物油、例えばカノーラ油、サフラワー油、落花生油、ヒマワリ油、とうもろこし油、ダイズ油、トール油、米糠油、など及びこれらの混合物からなる群から選ばれたトリグリセリドソース由来であってもよい、
である請求項43記載のシステム。
【請求項45】
前記カチオン性電荷ブースターがポリエチレンイミンまたはポリエチレンアミンを含む請求項36記載のシステム。
【請求項46】
水相中における前記スフェアーの分散のカチオン性電荷ブースターを含む請求項36記載のシステム。
【請求項47】
前記カチオン性電荷ブースターはポリビニルアミン、ポリアミン、ポリアルキレンアミン、ポリアルキレンイミン、ポリ第4級アンモニウム化合物及び下記の構造を有する第4級アンモニウムからなる群から選ばれる
【化4】

式中、Xはアニオンであり、R,R、R、及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜22(C−C22)のアルキル、炭素数3〜22のアルケニル、またはR−(Q)−(CH−であり、その際、Rは炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニル部分、及びそれについて混合物であり、mは1〜約6であり;
及び、Q単位と合わせてアシル単位でる場合には、Qは、タロウ、部分的に水素化したタロウ、ラード、部分的に水素化したラード、植物油、部分的に水素化した植物油、例えばカノーラ油、サフラワー油、落花生油、ヒマワリ油、とうもろこし油、ダイズ油、トール油、米糠油、など及びこれらの混合物からなる群から選ばれたトリグリセリドソース由来であってもよい、
である請求項46記載のシステム。
【請求項48】
前記カチオン性電荷ブースターはポリエチレンイミン及びポリエチレンアミンを含む請求項47記載のシステム。
【請求項49】
前記カチオン電荷ブースターが水相の約10重量%以下で存在する請求項47記載のシステム。
【請求項50】
前記カチオン性調整成分は直鎖アルキルアンモニウム化合物、環状アルキルアンモニウム化合物、石油由来のカチオン性化合物及びカチオン性ポリマーからなる群から選ばれた請求項36記載のシステム。
【請求項51】
前記カチオン性調整成分は塩化セチルトリメチルアンモニウムを含む請求項36記載のシステム。
【請求項52】
前記カチオン性調整成分は塩化ベヘナミドプロピルヒドロキシエチルジモニウムを含む請求項36記載のシステム。
【請求項53】
前記カチオン性調整成分はポリクオタニウム-24を含む請求項36記載のシステム。
【請求項54】
前記カチオン性調整成分はポリクオタニウム-82を含む請求項36記載のシステム。
【請求項55】
前記カチオン性調整成分がスフェアー中に約0.01重量%〜約70重量%存在する請求項36記載のシステム。
【請求項56】
前記活性成分は香料を含む請求項36記載のシステム。
【請求項57】
前記香料が約1〜約8のClogP値範囲を有する請求項56記載のシステム。
【請求項58】
前記疎水性ポリマー、疎水性コポリマー又はそれらの混合物が約1重量%〜約95重量%の量存在しており、前記カチオン性調整成分は約0.01重量%〜約60重量%の量存在しており、及び前記活性成分は約1重量%〜70重量%の量存在している請求項37記載のシステム。
【請求項59】
前記スフェアーは、長期間前記カチオン性電荷ブースター及び前記カチオン性調整成分を放出している請求項36記載のシステム。
【請求項60】
前記長期間は約1ヶ月以下である請求項36記載のシステム。
【請求項61】
前記粒子が熱処理することでバーストを誘引するため、前記カチオン性電荷ブースター及び前記カチオン性調整成分の有効量を放出する請求項36記載のシステム。
【請求項62】
下記の段階:
物質の融点を超える温度に疎水性ポリマーマトリックス物質を加熱すること;
カチオン性調整成分を融液の中に溶解又は分散すること;
活性成分を融液の中に溶解又は分散すること;
融液の融点を超える温度に融液を加熱すること;
水溶液と熱した融液とを混合して懸濁液を形成すること;
均一な微細な懸濁液を得るまで融点を超える温度で懸濁液のハイシェアーホモジェナイゼイションすること;及び
微細な分散を形成するために懸濁液を周囲の温度にまで冷却すること、
を含む衣類のための制御放出システムを提供する方法。
【請求項63】
前記水溶液がカチオン性電荷ブースターをさらに含む請求項61記載の方法。
【請求項64】
請求項36のシステムを含む衣類ケア製品。
【請求項65】
液体洗濯洗剤及び衣類柔軟剤からなる群から選ばれた請求項64記載の製品。

【図1】
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【公表番号】特表2006−510580(P2006−510580A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−529093(P2004−529093)
【出願日】平成15年7月16日(2003.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2003/022143
【国際公開番号】WO2004/016232
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(503272069)サルヴォナ エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】