説明

活性炭処理豆乳及びその製造方法

【課題】えぐ味、収れん味、大豆臭を低減させた豆乳、その製造方法、及び豆乳の風味の改良方法を提供すること。
【解決手段】豆乳原料液を活性炭処理することにより、えぐ味、収れん味、大豆臭を低減させた豆乳を提供できる。豆乳原料液とは、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、又は呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風味が良好な活性炭処理豆乳及びその製造方法、活性炭処理豆乳を乾燥させ粉末にした活性炭処理豆乳粉末、又は活性炭処理豆乳粉末を含む食品に関する。
【背景技術】
【0002】
豆乳は、我が国において昔から豆腐や、ゆばの原料として使用され、大豆の大部分の成分が含まれている。牛乳と比較しても栄養価が劣らないばかりではなく、近年生活習慣病に効果があることが判明し、我が国のみならず海外においても注目され、最近では機能性食品としてそのまま飲用に供されている。
【0003】
ところで、豆乳、ペプチド飲料等大豆を主原料とする飲食物は、大豆に由来する特有の収れん味、えぐみ、大豆臭を持つことが多く、大豆加工食品の風味改良に対するニーズは高い。また、乳製品や乳飲料の生臭さ臭、魚介類、蓄肉等の生臭さその他、飲食物を物理的・化学的に処理したり、添加物によりマスキング、又は風味改良する技術も以前より提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、アスペルギルス属に属する微生物の分生胞子の還元力を利用し豆乳を処理することにより、大豆臭の原因となる種々の化合物の中で特に著しい物質としてn−ヘキサナール、その他の脂肪族アルデヒド、又は芳香族アルデヒドを還元して脱臭する方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、大豆製品をStreptococcus thermophilus 3261株の培養物と接触させることにより大豆製品の風味を改善させる方法が開示されている。
【0006】
特許文献3には、大豆を破砕後洗浄し、水蒸気中で吸水処理した後、150〜200℃の過熱蒸気中で高温処理することにより、不快味を改善する方法が開示されている。
【特許文献1】特公昭45−9210号公報
【特許文献2】特許第2871379号公報
【特許文献3】特開2003−93008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、及び特許文献2に記載の方法は、菌を植えることで、衛生面において問題が生じたり、菌を除去する工程が必要になることから、製造コストが高くなってしまうという問題点があった。
【0008】
また、特許文献3に記載の方法により得られる豆乳は、大豆を煎ったときに生じる香ばしい独特な風味を有するものとなるため、豆乳をそのまま飲む場合には問題ないが、豆乳を食品原料として使用する場合には、その用途が限定されてしまうという問題があった。
【0009】
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、えぐ味、収れん味、大豆臭を低減させた豆乳、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、えぐ味、収れん味、大豆臭を低減させた豆乳に関して鋭意研究を重ねた。その結果、豆乳原料液を活性炭処理することにより、豆乳のえぐ味、収れん味、大豆臭が低減し、また、活性炭処理条件を変えることにより、コク味が増減させ、また、甘みを調整できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、以下のようなものを提供する。
【0011】
(1) 豆乳原料液を活性炭処理することにより製造されることを特徴とする活性炭処理豆乳。
【0012】
(1)の活性炭処理豆乳によれば、豆乳原料液中に含まれる大豆臭の原因となる種々の化合物を活性炭に吸着させることにより、大豆臭を低減させることができるとともに、えぐ味、収れん味も低減させることができる。また、詳細は後述するが、豆乳のコク味を増減し、甘みを調整することもできる。
【0013】
本明細書において、「豆乳原料液」とは、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液のことをいう。
【0014】
(2) 前記豆乳原料液の液温が、30℃未満であることを特徴とする(1)に記載の活性炭処理豆乳。
【0015】
(2)の活性炭処理豆乳によれば、豆乳原料液の液温を30℃未満とすることにより、活性炭処理中の豆乳原料液に雑菌等が繁殖することを防止することができる。また、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味のある豆乳に改良することができる。
【0016】
(3) 前記豆乳原料液の液温が、30℃以上であることを特徴とする(1)に記載の活性炭処理豆乳。
【0017】
(3)の活性炭処理豆乳によれば、豆乳原料液の液温を30℃以上とすることにより、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味のないあっさりした風味の豆乳に改良することができる。
【0018】
(4) 前記豆乳原料液が、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液、であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか1つに記載の活性炭処理豆乳。
【0019】
(4)の活性炭処理豆乳によれば、豆乳原料液として、大豆を摩砕して得られる呉液を使用した豆乳原料液、又は大豆を粉砕して得られる全脂大豆粉末や豆乳を乾燥して得られる豆乳粉末等の大豆粉末を使用した豆乳原料液を使用することができる。呉液を使用した豆乳原料液としては、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、又は呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液を使用することができる。また、大豆粉末を使用した豆乳原料液としては、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液を使用することができる。
【0020】
(5) 前記呉液が、水を添加した発芽大豆を摩砕して得られるものであることを特徴とする(4)に記載の活性炭処理豆乳。
【0021】
(5)の活性炭処理豆乳によれば、発芽大豆を原料として使用することで、未発芽大豆を原料とした活性炭処理豆乳に比べて、γ−アミノ酪酸等の栄養成分含量が高い豆乳を提供することができる。
【0022】
(6) 前記活性炭処理が、活性炭フィルター処理であることを特徴とする(1)から(5)のいずれか1つに記載の活性炭処理豆乳。
【0023】
(6)の活性炭処理豆乳によれば、豆乳の製造が容易となるとともに、製造コストを低減させることができる。
【0024】
(7) (1)から(6)のいずれか1つに記載の活性炭処理豆乳を乾燥処理することにより得られる活性炭処理豆乳粉末。
【0025】
活性炭処理豆乳を乾燥処理することにより、長期保存をすることができる。
【0026】
(8) (1)から(6)のいずれか1つに記載の活性炭処理豆乳、又は(7)に記載の活性炭処理豆乳粉末を含有することを特徴とする食品。
【0027】
(9) 前記食品が、飲料、スープ、惣菜、大豆加工食品、肉加工食品、小麦粉加工食品、油脂加工食品、乳製品、及び健康食品から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする(8)に記載の食品。
【0028】
活性炭処理豆乳粉末を上記食品等に含有させた場合、えぐ味、収れん味、大豆臭等の大豆特有の不快な風味等を低減した大豆加工食品とすることができる。
【0029】
(10) 豆乳の製造方法であって、豆乳原料液を活性炭処理する工程を有することを特徴とする活性炭処理豆乳の製造方法。
【0030】
(10)の活性炭処理豆乳の製造方法によれば、豆乳原料液中に含まれる大豆臭の原因となる種々の化合物を活性炭に吸着させることにより、大豆臭を低減させることができるとともに、えぐ味、収れん味も低減させることができる。また、詳細は後述するが、豆乳のコク味を増減したり、甘みを調整することもできる。
【0031】
(11) 前記豆乳原料液の液温が、30℃未満であることを特徴とする(10)に記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【0032】
(11)の活性炭処理豆乳の製造方法によれば、豆乳原料液の液温を30℃未満とすることにより、活性炭処理中の豆乳原料液に雑菌等が繁殖することを防止することができる。また、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味のある豆乳に改質することができる。
【0033】
(12) 前記豆乳原料液の液温が、30℃以上であることを特徴とする(10)に記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【0034】
(12)の活性炭処理豆乳の製造方法によれば、豆乳原料液の液温を30℃以上とすることにより、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味のないあっさりした風味の豆乳に改質することができる。
【0035】
(13) 前記豆乳原料液が、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液、であることを特徴とする(10)から(12)のいずれか1つに記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【0036】
(13)の活性炭処理豆乳の製造方法によれば、豆乳原料液として、大豆を摩砕して得られる呉液を使用した豆乳原料液、又は大豆を粉砕して得られる全脂大豆粉末や豆乳を乾燥して得られる豆乳粉末等の大豆粉末を使用した豆乳原料液を使用することができる。呉液を使用した豆乳原料液としては、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、又は呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液を使用することができる。また、大豆粉末を使用した豆乳原料液としては、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液を使用することができる。
【0037】
(14) 発芽処理工程を有することを特徴とする(10)から(12)のいずれか1つに記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【0038】
発芽大豆を原料として使用することで、未発芽大豆を原料とした活性炭処理豆乳に比べて、γ−アミノ酪酸等の栄養成分含量が高い豆乳を提供することができる。
【0039】
(15) 前記活性炭処理が、活性炭フィルター処理であることを特徴とする(10)から(14)のいずれか1つに記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【0040】
(15)の活性炭処理豆乳の製造方法によれば、豆乳の製造が容易となるとともに、製造コストを低減させることができる。
【0041】
(16) (10)から(15)のいずれか1つに記載された活性炭処理豆乳の製造方法で製造された活性炭処理豆乳を、乾燥処理することを特徴とする活性炭処理豆乳粉末の製造方法。
【0042】
活性炭処理豆乳を乾燥処理して、粉末の形態とすることで、食品原料としての利用用途を拡大することができ、また、長期保存をすることもできる。
【0043】
(17) 豆乳の製造において、豆乳原料液を活性炭処理することを特徴とする豆乳の風味の改良方法。
【0044】
(17)の豆乳の風味改良方法によれば、豆乳原料液中に含まれる大豆臭の原因となる種々の化合物を活性炭に吸着させることにより、大豆臭を低減させることができるとともに、えぐ味、収れん味も低減させることができる。また、詳細は後述するが、豆乳の甘みを調整することもできる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、豆乳原料液を活性炭処理することにより、収れん味、えぐみ、大豆臭等の大豆由来の特有の不快な風味を低減することができる。また、活性炭処理条件を変えることにより、コク味及び甘みが増加した豆乳、コク味がなくあっさりしているが甘みは保持した豆乳、及び、コク味がなくあっさりして甘みも抑えた豆乳を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明は、豆乳原料液を活性炭処理することを特徴とするものであり、豆乳原料液とは、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液である。
【0047】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
【0048】
[原料豆]
本発明の活性炭処理豆乳に使用する豆は、大豆属の豆や、ささげ属の豆を使用することができる。大豆属の豆としては、完熟大豆(成熟大豆、丸大豆、単に大豆と呼ばれることがある)、や枝豆があり、完熟大豆の例としては、市販の乾燥大豆、黒大豆、青大豆等が挙げられる。そして、ささげ属の豆としては、緑豆が挙げられる。
【0049】
例えば、大豆属の大豆を用いる場合、どのようなものをも用いることができ、特に限定はない。例えば、エンレイ、リュウホウ、トヨホマレ、及びミヤギシロメ等の国産大豆、IOM等の米国産大豆等外国産大豆、遺伝子組み替え大豆、及び非遺伝子組み替え大豆のいずれも用いることができる。外国産大豆としては、ランドマーク(日清オイリオグループ(株)製)等が挙げられる。さらに、通常の大豆(未発芽大豆)だけではなく、発芽大豆も使用することもできる。
【0050】
[活性炭処理豆乳、活性炭処理豆乳の製造方法、及び豆乳風味の改良方法]
本発明の活性炭処理豆乳は、豆乳の製造において、呉液、又は、大豆粉末と水から豆乳原料液を製造する豆乳原料液の製造工程を行い、得られた豆乳原料液を一定条件下で活性炭処理する工程を行うことにより製造される。このように、一定条件下で活性炭処理をすることにより、豆乳の風味を改良することができる。
【0051】
本発明の活性炭処理豆乳、すなわち、特定条件下で活性炭処理をした「豆乳」とは、豆と水を主原料し、活性炭処理をして製造される懸濁溶液のことをいい、一般の豆乳だけではなく、全粒豆乳や大豆飲料も含み、また、豆乳は、JAS規格に適合するものであってもJAS規格を外れたものでもよい。
【0052】
ここで、豆を磨砕して得られる呉液から、おからを除去した液を原料として製造されるものは、一般に豆乳と呼ばれており、大豆を磨砕して得られる呉液を、おからを除去しないで製造されるものは、一般に全粒豆乳、又は大豆飲料と呼ばれている。
【0053】
また、懸濁溶液は、使用する原料豆の色によってその色が変わり、原料豆として一般の大豆を使用すると白色、又は黄白色となるが、原料豆として青大豆や緑豆を使用すると緑色、又は緑白色、黒大豆を使用すると灰色、又は灰白色となる。
【0054】
活性炭処理豆乳は、豆乳原料液製造工程と活性炭処理する工程以外に例えば、発芽処理工程、加熱処理工程、豆乳の成分調整工程、充填工程等を適宜行うことにより製造することができる。本発明の活性炭処理豆乳が製造できれば、上記した工程以外の工程も特に問題なく取り入れることができ、工程順序も活性炭処理豆乳が製造できれば特に限定されず、必要に応じて適宜省略することもできる。
【0055】
<豆乳原料液の製造工程>
豆乳原料液は、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液のうちいずれであってもよい。
【0056】
呉液は、例えば、豆の洗浄工程後、豆を水に浸漬し、浸漬後の豆の質量に対し、好ましくは1〜10倍量、より好ましくは1〜5倍量、最も好ましくは1〜3倍量の水を添加するとともに摩砕して製造することができる。また、大豆粉末としては、脱皮した乾燥丸豆を、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕して得られる全脂大豆粉末、乾燥脱脂大豆を、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕して得られる脱脂大豆粉末、及び豆乳をスプレードライ乾燥して得られる豆乳粉末を使用することができ、これらは、市販品を使用することができる。
【0057】
以下、各豆乳原料液の製造について説明をする。
【0058】
(呉液をホモジナイザー処理した液)
豆を水で1回、好ましくは2回、より好ましくは3回洗浄した後、浸漬水抽出方法、熱水抽出法で呉を製造する。具体的に例えば、浸漬水抽出方法は、洗浄した豆を常温で2倍量〜10倍量の水に2〜12時間浸漬を行い、豆を膨潤させる。膨潤した豆をグラインダー、マスコロイダー(増幸産業製)、ミキサー、臼等の磨砕装置により、1〜2回摩砕して呉液を製造する。
【0059】
得られた呉液を、好ましくは5〜50MPa、より好ましくは10〜40MPa、最も好ましくは15〜30MPaの圧力でホモジナイザー処理をすることにより、呉液をホモジナイザー処理した液(豆乳原料液)を製造することができる。
【0060】
(呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液)
豆を水で1回、好ましくは2回、より好ましくは3回洗浄した後、浸漬水抽出方法、熱水抽出法で呉を製造する。具体的に例えば、浸漬水抽出方法は、洗浄した豆を常温で2倍量〜10倍量の水に2〜12時間浸漬を行い、豆を膨潤させる。膨潤した豆をグラインダー、マスコロイダー(増幸産業製)、ミキサー、臼等の磨砕装置により、1〜2回摩砕して呉液を製造する。
【0061】
得られた呉液を、遠心分離機により、500rpm、好ましくは1000rpm、より好ましくは1500rpmの条件で、遠心分離処理をしておからを除去する。おからは、フィルタープレスを用いて、0.01〜0.05MPa圧力でろ過処理することにより除去することもできる。呉液からおからを除去した後、好ましくは5〜50MPa、より好ましくは10〜40MPa、最も好ましくは15〜30MPaの圧力で、ホモジナイザー処理をすることにより、呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液(豆乳原料液)を製造することができる。
【0062】
(呉液からおからを除去した液)
豆を水で1回、好ましくは2回、より好ましくは3回洗浄した後、浸漬水抽出方法、熱水抽出法で呉を製造する。具体的に例えば、浸漬水抽出方法は、洗浄した豆を常温で2倍量〜10倍量の水に2〜12時間浸漬を行い、豆を膨潤させる。膨潤した豆をグラインダー、マスコロイダー(増幸産業製)、ミキサー、臼等の磨砕装置により、1〜2回摩砕して豆の呉液を製造する。
【0063】
得られた呉液を、遠心分離機により、500rpm、好ましくは1000rpm、より好ましくは1500rpmの条件で、遠心分離処理をしておからを除去することにより、呉液からおからを除去した液を製造することができる。おからは、フィルタープレスを用いて、0.01〜0.05MPaの圧力でろ過処理することにより除去することもできる。呉液からおからを除去した液は、市販の豆乳メーカー(例えば、(株)東京ユニコム製の商品:豆乳・ジューサー器)を用いても作ることができる。
【0064】
(大豆粉末と水を混合した液)
大豆粉末と水を混合した液は、大豆粉末と、水を混合することにより製造することができる。この場合、水の量は、大豆粉末の質量の5〜20倍量であることが好ましく、8〜15倍量であることがより好ましい。
【0065】
大豆粉末は、丸大豆を原料とする場合、好ましくは80〜120℃、より好ましくは90〜120℃の温度で、好ましくは1分〜1時間、より好ましくは10〜30分、乾燥機で乾燥処理をして乾燥丸大豆を製造し、得られた乾燥丸大豆を脱皮した後、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕することにより製造することができる。また、脱脂大豆を原料とする場合、好ましくは80〜120℃、より好ましくは90〜120℃の温度で、好ましくは1分〜1時間、より好ましくは10〜30分、乾燥機で乾燥処理をして乾燥脱脂大豆を製造し、得られた乾燥脱脂大豆をハンマーミル等の粉砕機で粉砕することにより製造することができる。なお、乾燥丸大豆及び乾燥脱脂大豆の水分含量は、5〜10質量%であることが好ましい。
【0066】
なお、大豆粉末と水を混合した液について、大豆粉末に限定されず大豆以外の豆の粉末を使用してもよい。
【0067】
さらに、豆乳を原料とした大豆粉末は、スプレードライの入口設定温度が、好ましくは130℃〜180℃、より好ましくは150〜180℃、出口設定温度が、好ましくは50〜80℃、より好ましくは60〜80℃の条件で、豆乳をスプレードライ乾燥することにより製造することができる。
【0068】
(大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液)
大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液は、先に説明をした大豆粉末と水を混合した液を、好ましくは5〜50MPa、より好ましくは10〜40MPa、最も好ましくは15〜30MPaの圧力でホモジナイザー処理することにより製造することができる。
【0069】
なお、大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液について、大豆粉末に限定されず大豆以外の豆の粉末を使用してもよい。
【0070】
<発芽大豆を使用して製造した豆乳原料液の製造工程>
豆乳原料液は、上述した未発芽の豆以外に、発芽大豆を使用しても製造することができる。発芽大豆を使用して製造した豆乳原料液の場合においても、豆乳原料液は、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末(発芽大豆粉末)と水を混合した液、又は大豆粉末(発芽大豆粉末)と水を混合した液をホモジナイザー処理した液のうちいずれであってもよい。
【0071】
具体的には、豆乳原料液の製造工程前に、大豆を発芽処理させる工程を導入したり、購入してきた発芽大豆を原料にした呉液を使用することで、発芽大豆を使用して製造した豆乳原料液を製造することができる。
【0072】
また、脱皮した乾燥発芽大豆を粉砕機で粉砕した発芽大豆粉末や、発芽豆乳をスプレードライ乾燥した発芽大豆粉末を使用することで、発芽大豆を使用して製造した豆乳原料液を製造することができる。
【0073】
以下、発芽処理工程、及び発芽大豆を使用して製造した各豆乳原料液の製造について説明をする。
【0074】
(発芽処理工程)
まず、大豆を水に浸漬し発芽させる。大豆の発芽方法は、10〜40℃、好ましくは15〜35℃、より好ましくは20〜30℃の水、又は温水に0.5〜36時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは1〜5時間浸漬中、又は浸漬させた後、10〜120時間、好ましくは、10〜48時間、より好ましくは12〜24時間、大豆を空気、又は酸素中に曝すことにより、発芽をさせる。
【0075】
前記浸漬中に空気、又は酸素中へ曝す場合には、空気、又は酸素を水、又は温水に吹き込むことが、発芽が促進されるので好ましい。この場合、空気、又は酸素の吹き込み量は、浸漬工程前の大豆質量100gに対して50ml/分から3000ml/分であることが好ましく、吹き込みは連続的でもよく間欠的に行ってもよい。本発明に用いる発芽処理大豆の発芽率は、10%〜100%が好ましく、20%〜100%がより好ましく、30%〜95%が最も好ましい。
【0076】
本発明での発芽率とは、大豆100個中で実際に発芽した大豆の数の割合をいい、次の式で計算される。
【0077】
[数1]
発芽率(%)=発芽大豆数(個)/100(個)×100=発芽大豆数
【0078】
ここで発芽というと、植物の芽・花粉・種子、又は胞子が生長・発生を開始すること(「大辞林」、第二版、三省堂)、種子中で分化した胚の各器官の成長(増田 芳雄 著、「植物生理学」、改定第14版、培風館、2001年10月,P51−57)等いろいろな定義がなされているが、本発明での「発芽」とは、「大豆において芽、又は根が表皮を破って出た状態のこと」をいう。なお、式中の発芽大豆数とは、発芽処理をした大豆から任意に取り出した大豆100個のうち、実際に発芽している大豆の数をいう。
【0079】
(発芽大豆を使用して製造した呉液からおからを除去後、ホモジナイザー処理した液)
発芽処理工程にて発芽大豆を製造後、発芽大豆を水で1回、好ましくは2回、より好ましくは3回洗浄した後、発芽大豆の質量に対して、1〜5倍量、好ましくは1.5〜3倍量、より好ましくは、1.5〜2倍量の質量の水を添加し、マスコロイダーによりスリット幅を調整しながら1〜2回磨砕を行い、呉液を製造する。ここで、添加する水は、5〜90℃であることが好ましく、10〜90℃であることがより好ましい。
【0080】
得られた呉液を500rpm、好ましくは1000rpm、より好ましくは1500rpmの条件で、遠心分離処理をしておからを除去する。おからは、フィルタープレスを用いて、0.01〜0.05MPa圧力でろ過処理することにより除去することもできる。呉液からおからを除去した後、好ましくは5〜50MPa、より好ましくは10〜40MPa、最も好ましくは15〜30MPaの圧力で、ホモジナイザー処理を行うことにより、発芽大豆を使用して製造した呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液を製造することができる。
【0081】
(発芽大豆を使用して製造した呉液をホモジナイザー処理した液)
発芽処理工程にて発芽大豆を製造後、発芽大豆を水で1回、好ましくは2回、より好ましくは3回洗浄した後、発芽大豆の質量に対して、1〜5倍量、好ましくは1.5〜3倍量、より好ましくは、1.5〜2倍量の質量の水を添加し、マスコロイダーにより、スリット幅を調整しながら1〜2回磨砕を行うことにより呉液を製造する。ここで、添加する水は、5〜90℃であることが好ましく、10〜90℃であることがより好ましい。
【0082】
得られた呉液を好ましくは5〜50MPa、より好ましくは10〜40MPa、最も好ましくは15〜30MPaの圧力で、ホモジナイザー処理をすることにより、発芽大豆を使用して製造した呉液をホモジナイザー処理した液を製造することができる。
【0083】
(発芽大豆を使用して製造した呉液からおからを除去した液)
発芽処理工程にて発芽大豆を製造後、発芽大豆を水で1回、好ましくは2回、より好ましくは3回洗浄した後、発芽大豆の質量に対して、1〜5倍量、好ましくは1.5〜3倍量、より好ましくは、1.5〜2倍量の質量の水を添加し、マスコロイダーにより、スリット幅を調整しながら1〜2回磨砕を行うことにより呉液を製造する。ここで、添加する水は、5〜90℃であることが好ましく、10〜90℃であることがより好ましい。
【0084】
得られた呉液を500rpm、好ましくは1000rpm、より好ましくは1500rpmの条件で、遠心分離処理をしておからを除去することにより、発芽大豆を使用して製造した呉液からおからを除去した液を製造することができる。おからは、フィルタープレスを用いて、0.01〜0.05MPa圧力でろ過処理することにより除去することもできる。
【0085】
(発芽大豆を使用して製造した大豆粉末(発芽大豆粉末)と水を混合した液)
発芽大豆を使用して製造した大豆粉末と水を混合した液、すなわち、発芽大豆粉末と水を混合した液は、発芽大豆粉末と、水を混合することにより製造することができる。この場合、水の量は、発芽大豆粉末の質量の5〜20倍量であることが好ましく、8〜15倍量であることがより好ましい。
【0086】
発芽大豆粉末は、発芽した丸大豆を原料とする場合、好ましくは80〜120℃、より好ましくは90〜120℃の温度で、好ましくは1分〜1時間、より好ましくは10〜30分、乾燥機で乾燥処理をして乾燥発芽丸大豆を製造し、得られた乾燥発芽丸大豆を脱皮した後、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕することにより製造することができる。また、脱脂発芽大豆を原料とする場合、好ましくは80〜120℃、より好ましくは90〜120℃の温度で、好ましくは1分〜1時間、より好ましくは10〜30分、乾燥機で乾燥処理をして乾燥脱脂発芽大豆を製造し、得られた乾燥脱脂発芽大豆をハンマーミル等の粉砕機で粉砕することにより製造することができる。なお、乾燥発芽丸大豆及び乾燥脱脂発芽大豆の水分含量は、5〜10質量%であることが好ましい。
【0087】
さらに、発芽豆乳を原料とした発芽大豆粉末は、スプレードライの入口設定温度が、好ましくは130℃〜180℃、より好ましくは150〜180℃、出口設定温度が、好ましくは50〜80℃、より好ましくは60〜80℃の条件で、発芽豆乳をスプレードライ乾燥することにより製造することができる。
【0088】
(発芽大豆を使用して製造した大豆粉末(発芽大豆粉末)と水を混合した液をホモジナイザー処理した液)
発芽大豆を使用して製造した大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液、すなわち、発芽大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液は、先に説明をした発芽大豆粉末と水を混合した液を、好ましくは5〜50MPa、より好ましくは10〜40MPa、最も好ましくは15〜30MPaの圧力でホモジナイザー処理することにより製造することができる。
【0089】
<活性炭処理する工程>
上述した豆乳原料液の製造工程後、豆乳原料液を活性炭処理する。豆乳原料液を活性炭処理することにより、豆乳原料液中に含まれる大豆臭の原因となる種々の化合物を活性炭に吸着させることにより、大豆臭を低減させることができるとともに、えぐ味、収れん味も低減させた活性炭処理豆乳を提供することができる。また、豆乳原料液の液温を調整することにより、コク味を増減させたり、甘みを調整したりすることもできる。
【0090】
本発明における豆乳原料液の活性炭処理は、豆乳原料液の液温を30℃未満の温度条件下で行う必要があり、好ましくは0℃〜29℃、より好ましくは3℃〜25℃、最も好ましくは5℃〜20℃である。このような範囲内の温度で活性炭処理をすることにより、活性炭処理中の豆乳原料液に雑菌等が繁殖することを防止することができる。また、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味のある豆乳に改良することができる。
【0091】
さらに、豆乳原料液の液温を30℃未満の温度条件で活性炭処理を行うと、コク味及び甘みが増加した豆乳を製造することができるが、豆乳原料液の液温を20℃とし、かつ、活性炭処理後に加熱処理をした場合には、コク味は増加しているが、甘みを抑えた豆乳が製造できる。
【0092】
また、豆乳原料液の液温を30℃以上の温度条件化で行うと、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味のないあっさりした風味の豆乳に改良することができる。
【0093】
さらに、豆乳原料液の液温を30℃以上の温度条件で活性炭処理を行うと、コク味がなくあっさりしているが甘みは保持した豆乳を製造することができるが、豆乳原料液の液温を30℃以上とし、かつ、活性炭処理後に加熱処理をした場合には、コク味がなくあっさりして甘みも抑えた豆乳が製造できる。
【0094】
したがって、製造される活性炭処理豆乳の使用目的等に応じて適宜豆乳原料液の温度条件を変更することができる。
【0095】
本発明にて使用する活性炭としては、原料の違いで木材、石炭、ビート、モミガラ、ヤシガラ活性炭等があげられる。活性炭の形状による種類は、繊維状、粉末状、粒状、破砕状、円柱状等色々な形状の活性炭があり、これらの使用が可能である。例えば、粉末状では粉末活性炭白鷲C−2(武田薬品工業社製)、粉末状活性炭ZN(日本ノリット社製)、粉末状活性炭ノリットKBB(日本ノリット社製)、エバダイヤ5LPD−N(荏原エンジニアリング社製)、クラレコール粉末活性炭PW(クラレケミカル社製)、竹炭(炭焼き勘太郎製)等が挙げられ、粒状活性炭は、ダイヤソーブ(三菱化学カルゴン社製)、成形炭ROX(日本ノリット社製)等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0096】
また、繊維状活性炭としては、例えばポリアクリロニトリル系、フェノール系、レーヨン系、及びピッチ系等の原料繊維を賦活させて製造される。このような繊維状活性炭は、従来より用いられている粉末状、又は粒状の活性炭と比較して吸着速度が100〜1000倍と非常に速く、粒状の活性炭と比較して吸着容量が1.5〜10倍と多く、高比表面積ものもが容易に製造できるという利点を有する。また、フェルト状、糸状、織物状、又は紙状等に成型加工が容易であり、悪臭成分の除去や溶剤回収等の高性能吸着剤や電極材料、炭素材料等の新素材を使用してもよい。
【0097】
また、活性炭処理として、活性炭フィルターを用いた処理、すなわち活性炭フィルター処理を行うことができる。使用する活性炭フィルターとしては、市販の繊維状活性炭カートリッジや、繊維状活性炭及び粉末状活性炭を組み合わせた繊維状・粉末状活性炭カートリッジを使用することができる。
【0098】
例えば、繊維状活性炭カートリッジとしては、粒状活性炭繊維カートリッジフィルターFMP(イワキ社製)、繊維状活性炭カートリッジフィルター(ユニチカ社製)等の商品を利用でき、繊維状・粉末状活性炭カートリッジとしては、繊維状活性炭と粉末状活性炭の組み合わせである活性炭フィルターカートリッジ(カッセイピュア(住友3M社製))等の商品が利用できるが、これらに限定されない。
【0099】
本発明における豆乳原料液の活性炭処理する方法は、製造される活性炭処理豆乳の使用目的等に応じて適宜変更することができるが、例えば、豆乳原料液に該豆乳原料液固形分に対して0.1〜30質量%の活性炭粉末を添加混合後、ろ過や遠心分離により活性炭を除く方法等が挙げられるが、活性炭処理効率、製造の容易性、及び製造コストの点から活性炭フィルター処理が好ましく、その中でも特に繊維状活性炭フィルターを使用した活性炭処理が好ましい。
【0100】
豆乳原料液をフィルター処理にて活性炭処理する場合、10インチフィルターに豆乳原料液を流す際の流速は、0.1〜1000L/hrであることが好ましく、1〜500L/hrであることがより好ましく、5〜250L/hrであることが最も好ましい。このような範囲内となるような流速で活性炭処理することにより、効率よく吸着させることができ、えぐ味、収れん味、大豆臭を低減させ、甘みを調整することができる。
【0101】
また、豆乳原料液をフィルター処理にて活性炭処理する場合、活性炭フィルターを豆乳原料液の液温と同じ温度に調整するようにしてもよい。
【0102】
上述した市販の活性炭フィルターは、直径が60〜70cm、長さ10〜30インチのものを使用することができる。成型加工される活性炭フィルターの比表面積は500m/g以上であることが好ましく、さらに好ましくは1000〜2500m/gである。上記範囲とすることで、効率よく吸着させることができ、えぐ味、収れん味、大豆臭を低減させ、甘みを調整することができ、製造コストも抑えることができる。また、繊維状カートリッジ型活性炭は、ろ過性能を低下させない範囲で細孔構造であることが好ましい。なお、孔径が5μm以下であれば、カートリッジに充填前のチェックフィルターとしての併用も可能である。
【0103】
本発明の活性炭処理方法は、例えば、粉末状、粒状活性炭等でバッチ式処理する場合は、使用する活性炭の量を豆乳、全粒子豆乳中のブリックス(BX)の0.1%〜3倍量として、1分間から1時間以上程度の上記の温度範囲内で攪拌した後、水不溶な高分子成分は通過できるが、活性炭は通過できない程度のフィルターでろ過することができる。また、カートリッジフィルター等での連続式では、活性炭1重量部に対して豆乳、全粒豆乳中のブリックス値あたり0.1〜100,000重量を通過し、活性炭との接触時間が1秒以上取れる線速度とすることができる。
【0104】
<加熱処理工程>
活性炭処理豆乳は、加熱をすることにより、酵素失活処理及び/又は加熱殺菌処理を行うことができる。なお、本工程は、活性炭処理する工程の前に行ってもよく、後に行ってもよく、必要に応じて省略することもできる。
【0105】
本発明において加熱による酵素失活処理とは、リポキシゲナーゼの活性が、0単位となる加熱処理のことをいう。リポキシゲナーゼの活性については、リノール酸を基質とした吸光度法により、測定することができる。
【0106】
加熱処理工程での加熱温度は、特に限定されないが、80℃〜150℃が好ましく、80〜145℃であることがより好ましく、110〜140℃であることが最も好ましい。
また、加熱時間は、1秒〜6時間であることが好ましく、2秒〜3時間であることがより好ましく、2秒〜1時間が最も好ましい。このような範囲内となるように加熱処理工程を行うことにより、効率よく活性炭処理豆乳を酵素失活処理及び/又は加熱殺菌処理することができる。
【0107】
具体的には、プレートヒーターを用いた場合、好ましくは80〜120℃、より好ましくは80〜110℃、最も好ましくは80〜100℃の温度で、好ましくは1〜30分間、より好ましくは10〜30分間加熱するという方法が挙げられる。また、UHT殺菌機を用いて、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜140℃、最も好ましくは110〜135℃の温度で、好ましくは1秒〜1分間、より好ましくは2秒〜30秒、最も好ましくは2秒〜10秒間加熱してもよい。
【0108】
豆乳原料液の活性炭処理は、加熱処理工程後に行うこともできる。しかしながら、その場合、活性炭処理後に、もう一度殺菌処理が必要となって製造コストがかかってしまう点や、風味の点を考慮すると、加熱処理工程をする前に活性炭処理を行い、その後に、加熱処理工程を行うことが好ましい。
【0109】
<豆乳の成分調整工程>
本発明の活性炭処理豆乳は、無調整豆乳であっても、調整豆乳であってもよい。無調整豆乳は、特に砂糖、果汁の搾汁、植物油脂、食塩、マルトデキストリン、乳化剤、カラギナン、香料、クエン酸カリウム等を添加しない豆乳であり、調整豆乳は、上記添加物等を添加して味を調整する。無調整豆乳を製造する場合、本工程は省略することができる。
【0110】
<充填工程>
製造された活性炭処理豆乳は、必要に応じて適宜容器に充填される。充填する容器の材質、形状等は特に限定されない。なお、本工程は省略することができる。
【0111】
[活性炭処理豆乳粉末、及びその製造方法]
本発明の活性炭処理豆乳粉末は、上述した活性炭処理豆乳を乾燥処理することにより得られる。活性炭処理豆乳を乾燥処理することにより活性炭処理豆乳粉末とすることで、長期保存をすることができる。
【0112】
乾燥処理の方法は、特に限定されないが、例えば、凍結乾燥方法、温風乾燥方法、及びスプレードライ方法等を使用することができる、特に凍結乾燥方法、スプレードライ方法等が好ましい。
【0113】
凍結乾燥方法による乾燥条件としては、棚の設定温度が、10〜60℃であることが好ましく、20〜40℃であることがより好ましく、25〜35℃であることが最も好ましい。また、真空度は、0.4kPa以下であることが好ましく、0.3kPa以下であることがより好ましく、0.25kPa以下であることが最も好ましい。
【0114】
温風乾燥方法による乾燥条件としては、温風温度が、40〜90℃であることが好ましく、50〜80℃であることがより好ましく60〜70℃であることが最も好ましい。また、乾燥時間は、30分〜72時間であることが好ましく、3〜48時間であることがより好ましく、6〜18時間であることが最も好ましい。
【0115】
スプレードライ方法による乾燥条件としては、入口設定温度が130〜180℃であることが好ましく、150〜180℃であることがより好ましく、160〜180℃であることが最も好ましい。また、出口設定温度は、50〜80℃であることが好ましく、60〜80℃であることがより好ましく、70〜80℃であることが最も好ましい。
【0116】
[活性炭処理豆乳、又は活性炭処理豆乳粉末を含有する食品]
活性炭処理豆乳、又は活性炭処理豆乳粉末を食品に添加、含有させることで、大豆成分を含有しているが、えぐ味、収れん味、大豆臭等の大豆特有の不快臭等が低減された食品を製造することができる。
【0117】
かかる食品としては、飲料、スープ、惣菜、大豆加工食品、肉加工食品、小麦粉加工食品、油脂加工食品、乳製品、及び健康食品等が挙げられる。
【0118】
具体的には、大豆加工食品として、豆腐、湯葉、がんもどき、豆腐花、醤油、及び味噌等、肉加工食品として、ハム、及びソーセージ等、小麦粉加工食品として、パン、ケーキ、スナック菓子、麺、パスタ、及びシリアル等、油脂加工食品として、ドレッシング、及び酸性水中油型乳化物等、乳製品として、チーズ、ヨーグルト、及びプリン、健康食品として、サプリメントが挙げられる。
【0119】
その中でも特に、豆腐、湯葉、豆腐花、豆乳ヨーグルト、及び豆乳プリン等の大豆成分を比較的多く含有する食品に使用した場合であっても、大豆臭、えぐ味、収れん味等大豆特有の嫌な風味を低減した食品を得ることができるため、有用である。
【0120】
これら食品は、活性炭処理豆乳、又は活性炭処理豆乳粉末を原料に添加混合する以外は、公知の製造方法で製造することができる。食品、又は食品の製造工程における原料に好ましくは該食品中の固形分量の0.1〜95質量%にあたる量を添加して使用することができる。また、添加量は、食品中の固形分量の1〜95質量%にあたる量であることがより好ましく、食品中の固形分量の50〜95質量%にあたる量であることが最も好ましい。なお、食品の固形分は、乾燥減量法で測定することができ、具体的には、食品15gを105℃、6時間乾燥し、得られた乾燥質量から求めることができる。
【0121】
大豆加工食品とは、大豆を主原料として使用した食品で、具体的には、豆腐、湯葉、がんもどき、及び豆腐花等が挙げられる。
【0122】
本発明の活性炭処理豆乳、又は活性炭処理豆乳粉末を使用して豆腐を製造する方法としては、例えば、呉からおからを分離した後に本発明の活性炭処理を行った豆乳を使用し、にがり等を使用して豆腐を製造することができる。
【0123】
本発明の活性炭処理豆乳、又は活性炭処理豆乳粉末は、乳製品に含有させることもできる。具体的には、例えば牛乳、ヨーグルト、プリン、クリーム、全粉乳、脱脂濃縮乳、ミルクパウダー、ホエイパウダー、カゼインホスホペプチド粉末、及び乳飲料等に使用することができる。
【0124】
活性炭処理豆乳ヨーグルトは、呉からおからを分離した後に、活性炭処理を行い、殺菌を行った後、乳酸菌を植菌し、20〜40℃で一晩静置して活性炭処理豆乳ヨーグルトを製造できる。また、豆乳ヨーグルトは、ヨーグルト製造時に牛乳に乳酸菌を植菌するかわりに、呉からおからを分離した後に、活性炭処理を行い、殺菌を行った活性炭処理豆乳を10〜100重量%となるように含有させて製造することもできる。
【0125】
活性炭処理豆乳入り牛乳は、牛乳の殺菌処理前に、本発明の活性炭処理豆乳を混合・攪拌して製造することができる。
【0126】
活性炭処理豆乳入りミルクパウダーは、ミルクパウダーをスプレードライ乾燥により粉末化する前に、本発明の活性炭処理豆乳を添加して製造することができ、また、スプレードライ乾燥して得られた粉末に、本発明の活性炭処理豆乳粉末を混合して製造することもできる。
【実施例】
【0127】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0128】
製造例1[豆乳原料液の製造]
大豆(日清商会(株)販売、商品名「エンレイ」)を室温で水に12時間浸漬し、未発芽の浸漬大豆を製造した。得られた浸漬大豆10kgに浸漬大豆質量の2倍量の水20kgを添加し、マスコロイダー(増幸産業(株)製)により2回摩砕処理を行い、呉液を製造した。得られた呉液をフィルタープレスによりろ過を行い、おから分を除去した後、15MPaの圧力でホモジナイザー処理を行い、豆乳原料液を試作し、対照区とした。
【0129】
<実施例1>
[加熱処理工程を省略(酵素無失活)した活性炭処理豆乳]
製造例1で試作した豆乳原料液10Lを活性炭フィルターTOC−10インチ(アドバンテック東洋社製)で、液温を10℃にして、流速35L/hrでフィルターを通し、活性炭処理豆乳を試作した。
【0130】
<実施例2>
[活性炭処理後、加熱処理工程(酵素失活処理)を行った活性炭処理豆乳]
製造例1で試作した豆乳原料液10Lを活性炭フィルターTOC−10インチ(アドバンテック東洋社製)で、液温を10℃にして、流速35L/hrでフィルターを通した後、直接吹き込み式瞬間加熱装置(UHT殺菌機)で加熱処理(145℃、3秒間)を行って酵素失活を行うことにより、活性炭処理豆乳を試作した。
【0131】
<実施例3>
[加熱処理工程(酵素失活処理)後、活性炭処理を行った活性炭処理豆乳]
製造例1で試作した豆乳原料液10Lを直接吹き込み式瞬間加熱装置(UHT殺菌機)で加熱処理(145℃、3秒間)を行って酵素失活を行った後、活性炭フィルターTOC−10インチ(アドバンテック東洋社製)で、液温を10℃にして、流速35L/hrでフィルターを通し、活性炭処理豆乳を試作した。
【0132】
[風味評価]
対照区の豆乳原料液、及び実施例1から3の活性炭処理豆乳各30mlを10名のパネラーが食したときの風味について、えぐ味、収れん味、甘みの各項目について3点法の評価を行った。えぐ味、収れん味、甘みの各項目は、次の基準に基づく点数で評価をしてもらい、パネラー全員の評価点数の平均値を算出した。結果を表1に示す。
えぐ味、収れん味
3点;全く感じられない
2点;少し感じる
1点;感じる
甘み
3点;感じられる
2点;少し感じる
1点;全く感じられない
【0133】
【表1】

【0134】
上記の結果により、液温10℃条件で活性炭フィルター処理を行うことで風味改良効果があり、また、豆乳の甘みが増加していた。
【0135】
<実施例4>
エンレイ1kgを常温で4kgの水道水に8時間浸漬した。この浸漬大豆2kgを用いて、3kgの水道水とともに豆乳メーカー((株)東京ユニコム製、商品:豆乳・ジューサー器)で3kgの豆乳(固形分11%)を試作し、供試サンプルとした。なお、使用した豆乳メーカーは、大豆と水を原料として呉を作った後、おからを除去して豆乳原料液(豆乳)を製造する装置である。
【0136】
この供試サンプル300mLに対して、各種吸着剤(活性炭)を固形分あたり3重量%添加し、10℃で30分間、スターラーで攪拌を行った後、10,000rpmで10分間遠心分離を行った上澄液の風味評価を行った。
【0137】
風味評価は、10名のパネラーが食したときの風味について、えぐ味、収れん味、甘みの各項目について3点法の評価を行った。えぐ味、収れん味、甘みの各項目は、次の基準に基づく点数で評価をしてもらい、パネラー全員の評価点数の平均値を算出した。えぐ味、及び収れん味については、平均値が2以上の場合に、えぐ味、又は収れん味が、低減され、又はなくなっており、良好であると判断をした。結果を表2に示す。
えぐ味、収れん味
3点;全く感じられない
2点;少し感じる
1点;感じる
甘み
3点;感じられる
2点;少し感じる
1点;全く感じられない
【0138】
【表2】

【0139】
上記の結果より、活性炭で液温10℃の豆乳原料液を吸着処理することで、風味が改良することが分かった。また、活性炭ノリットKBB、竹炭を使用して液温10℃条件で活性炭処理をすると甘みがより増加する傾向にあった。
【0140】
製造例2[発芽大豆の製造]
大豆(日清商会(株)販売、商品名「エンレイ」)10kgを水で2回洗浄後、大豆質量の5倍量の水50kgを添加して、30℃で3時間浸漬後、25℃の温度コントロール下で、1時間に1回の割りで上から水を10分間シャワー状にかけることを18時間繰り返し、発芽大豆を製造した。浸漬中は、1分間に5000mLの空気をバブリングさせることで発芽を促進させた。得られた発芽大豆の発芽率は95%であった。
【0141】
<実施例5>
製造例2で得られた発芽大豆10kgに発芽大豆質量の2倍量の水20kgを添加し、マスコロイダー(増幸産業(株)製)により1回摩砕処理を行い、呉液を得た。得られた発芽呉液をフィルタープレスによるろ過処理でおからを除去し、0.1〜0.5kPaの圧力条件でホモジナイザー処理を行った後、繊維状活性炭フィルター(クラレケミカル社製)で液温を10℃にして、流速45L/hrでフィルターを通した後、直接吹き込み式瞬間加熱装置(UHT殺菌機)で加熱処理(145℃、3秒間)を行って酵素失活を行うことにより、活性炭処理発芽豆乳を製造した。
【0142】
<実施例6>
製造例2で得られた発芽大豆10kgに、発芽大豆質量の2倍量の水20kgを添加し、マスコロイダー(増幸産業(株)製)により2回摩砕処理を行い、呉液を得た。ここで、マスコロイダーのスリット幅は、2回目が1回目の半分になるように設定した。
【0143】
得られた発芽呉液を、0.1〜0.5KPaの圧力条件で2回ホモジナイザー処理を行った後、繊維状活性炭フィルター(クラレケミカル社製)で液温を10℃にして、流速45L/hrでフィルターを通した後直接吹き込み式瞬間加熱装置(UHT殺菌機)で加熱処理(145℃、3秒間)を行って酵素失活を行うことにより、活性炭処理発芽全粒豆乳を製造した。
【0144】
<比較例1>
製造例2で得られた発芽大豆10kgに発芽大豆質量の2倍量の水20kgを添加し、マスコロイダー(増幸産業(株)製)により1回摩砕処理を行い、呉液を得た。得られた発芽呉液を、フィルタープレスによるろ過処理でおからを除去し、0.1〜0.5kPaの圧力条件でホモジナイザー処理を行った後、直接吹き込み式瞬間加熱装置(UHT殺菌機)で加熱処理(145℃、3秒間)を行って酵素失活を行うことにより、発芽豆乳を製造した。
【0145】
<比較例2>
製造例2で得られた発芽大豆10kgに発芽大豆質量の2倍量の水20kgを添加し、マスコロイダー(増幸産業(株)製)により2回摩砕処理を行い、0.1〜0.5kPaの圧力条件でホモジナイザー処理を2回行った後、直接吹き込み式瞬間加熱装置(UHT殺菌機)で加熱処理(145℃、3秒間)を行って酵素失活を行うことにより、発芽全粒豆乳を製造した。
【0146】
実施例5の活性炭処理豆乳、実施例6の活性炭処理発芽全粒豆乳、比較例1の発芽豆乳、及び比較例2の発芽全粒豆乳各30mlを10名のパネラーが食したときの風味について、えぐ味、収れん味、甘みの各項目について3点法の評価を行った。えぐ味、収れん味、甘みの各項目は、次の基準に基づく点数で評価をしてもらい、パネラー全員の評価点数の平均値を算出した。えぐ味、収れん味、及び大豆臭については、平均値が2以上の場合に、えぐ味、収れん味、又は大豆臭が、低減され、又はなくなっており、良好であると判断をした。結果を表3に示す。
えぐ味、収れん味、大豆臭
3点;全く感じられない
2点;少し感じる
1点;感じる
【0147】
【表3】

【0148】
上記の結果より、発芽豆乳、発芽全粒豆乳を活性炭処理した場合、大豆臭、えぐ味、収れん味がなく、あっさりした風味となる特徴があった。
【0149】
<実施例7>
製造例1の方法で製造した豆乳原料液5Lをそれぞれ液温を5℃、10℃、20℃、30℃、40℃、45℃に調整した後、活性炭フィルターを同じ温度で調整した繊維状活性炭フィルター(アドバンテック東洋社製)で流速15L/hrで処理した。
【0150】
風味評価は、10名のパネラーが食したときの風味について、えぐ味、収れん味、甘みの各項目について3点法の評価を行った。えぐ味、収れん味、甘みの各項目は、次の基準に基づく点数で評価をしてもらい、パネラー全員の評価点数の平均値を算出した。えぐ味、及び収れん味については、平均値が2以上の場合に、えぐ味、又は収れん味が、低減され、又はなくなっており、良好であると判断をした。結果を表4に示す。
えぐ味、収れん味
3点;全く感じられない
2点;少し感じられる
1点;感じられる
甘み
3点;感じられる
2点;少し感じられる
1点;全く感じられない
コク味
3点;感じられる
2点;少し感じられる
1点;感じられない、あっさりしている
【0151】
【表4】

【0152】
上記結果より、豆乳原料液の液温を30℃未満の条件で活性炭処理をすると、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味及び甘みのある豆乳を得ることができた。一方、豆乳原料液の液温を30℃以上の条件で活性炭処理をすると、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味も低減しているが甘みは保持した、あっさりした風味の豆乳、すなわち従来の豆乳とは違った独特の味の豆乳を得ることができた。
【0153】
<実施例8>
製造例1の方法で製造した豆乳原料液5Lをそれぞれ液温を5℃、10℃、20℃、30℃、40℃に調整した後、同じ温度で調整した繊維状活性炭フィルター(アドバンテック東洋社製)で流速15L/hrで処理した。その後、処理液を直接吹き込み式瞬間加熱装置(UHT殺菌機)で加熱処理(145℃、3秒間)を行って酵素失活を行うことにより、活性炭処理豆乳を製造した。
【0154】
風味評価は、10名のパネラーが食したときの風味について、えぐ味、収れん味、甘みの各項目について3点法の評価を行った。えぐ味、収れん味、甘みの各項目は、次の基準に基づく点数で評価をしてもらい、パネラー全員の評価点数の平均値を算出した。えぐ味、及び収れん味については、平均値が2以上の場合に、えぐ味、又は収れん味が、低減され、又はなくなっており、良好であると判断をした。結果を表5に示す。
えぐ味、収れん味
3点;全く感じられない
2点;少し感じられる
1点;感じられる
甘み
3点;感じられる
2点;少し感じられる
1点;全く感じられない
コク味
3点;感じられる
2点;少し感じられる
1点;感じられない、あっさりしている
【0155】
【表5】

【0156】
上記結果より、豆乳原料液の液温を30℃未満の条件で活性炭処理した後に、加熱処理をすると、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味のある豆乳を得ることができた。そして、豆乳原料液の液温が30℃未満の条件であっても、加熱処理をした場合には、5℃、10℃条件のものは、コク味と甘みの両方が増加し、20℃条件のものは、コク味は増加したが、甘みは抑えられたものとなった。
【0157】
一方、豆乳原料液の液温を30℃以上の条件で活性炭処理をすると、えぐ味、収れん味が低減し、かつ、コク味が低減し、甘みも抑えた、あっさりした風味の豆乳、すなわち従来の豆乳とは違った独特の味の豆乳を得ることができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆乳原料液を活性炭処理することにより製造されることを特徴とする活性炭処理豆乳。
【請求項2】
前記豆乳原料液の液温が、30℃未満であることを特徴とする請求項1に記載の活性炭処理豆乳。
【請求項3】
前記豆乳原料液の液温が、30℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の活性炭処理豆乳。
【請求項4】
前記豆乳原料液が、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、呉液からおからを除去後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液、であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の活性炭処理豆乳。
【請求項5】
前記呉液が、水を添加した発芽大豆を摩砕して得られるものであることを特徴とする請求項4に記載の活性炭処理豆乳。
【請求項6】
前記活性炭処理が、活性炭フィルター処理であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の活性炭処理豆乳。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の活性炭処理豆乳を乾燥処理することにより得られる活性炭処理豆乳粉末。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の活性炭処理豆乳、又は請求項7に記載の活性炭処理豆乳粉末を含有することを特徴とする食品。
【請求項9】
前記食品が、飲料、スープ、惣菜、大豆加工食品、肉加工食品、小麦粉加工食品、油脂加工食品、乳製品、及び健康食品から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項8に記載の食品。
【請求項10】
豆乳の製造方法であって、
豆乳原料液を活性炭処理する工程を有することを特徴とする活性炭処理豆乳の製造方法。
【請求項11】
前記豆乳原料液の液温が、30℃未満であることを特徴とする請求項10に記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【請求項12】
前記豆乳原料液の液温が、30℃以上であることを特徴とする請求項10に記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【請求項13】
前記豆乳原料液が、呉液をホモジナイザー処理した液、呉液からおからを除去した液、呉液からおからを除後ホモジナイザー処理した液、大豆粉末と水を混合した液、又は大豆粉末と水を混合した液をホモジナイザー処理した液、であることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【請求項14】
発芽処理工程を有することを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【請求項15】
前記活性炭処理が、活性炭フィルター処理であることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の活性炭処理豆乳の製造方法。
【請求項16】
請求項10から15のいずれか1項に記載された活性炭処理豆乳の製造方法で製造された活性炭処理豆乳を、乾燥処理することを特徴とする活性炭処理豆乳粉末の製造方法。
【請求項17】
豆乳の製造において、豆乳原料液を活性炭処理することを特徴とする豆乳の風味の改良方法。