説明

活魚輸送用コンテナ

【課題】活魚が新鮮で安全に運搬されることができるようにすると共に、活魚コンテナによる活魚の輸送期間と輸送距離がより長く確保できる活魚コンテナを提供する。
【解決手段】カーゴルームの限定された空間内部で活魚水の浄化能力を極大化させて、浮遊物質とタンパク質成分の腐敗過程で発生する毒素による活魚の疾病や斃死をあらかじめ防止する一方、活魚水槽の内部に保存された活魚水が均一な温度で冷却され、魚種によって冷却水の温度を変更して、活魚水槽に保存された活魚が長期間の輸送過程でも鮮度を維持できるようにして、活魚コンテナによる活魚の輸送期間と輸送距離を最大限延長できるようにした活魚輸送用コンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活魚輸送用コンテナに係り、より詳しくは、カーゴルームの限定された空間内部で活魚水の浄化能力を極大化させて、浮遊物質とタンパク質成分の腐敗過程で発生する毒素による活魚の疾病や斃死をあらかじめ防止する一方、活魚水槽の内部に保存された活魚水が均一な温度で冷却され、魚種によって冷却水の温度を変更して、活魚水槽に保存された活魚が長期間の輸送過程でも鮮度を維持できるようにして、活魚コンテナによる活魚の輸送期間と輸送距離を最大限延長できるようにした活魚輸送用コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、輸出入貨物用コンテナ(Container)は、20feetと40feetで区分されて、20feetの場合にはコンテナを含む積載荷重が24ton、40feetの場合には30tonを超過しないように国際規格で規定されている。その種類も一般貨物輸送用のドライコンテナと、貨物の積載及び荷役作業の便宜の利便性向上のための天井開放型コンテナ及び冷凍(冷蔵)物品輸送用の冷凍コンテナなどに大別される。
冷凍コンテナは、冷凍ユニット(Refrigerating unit)を使用して、積貨物に対する所定の冷却温度が保存できるようにしたものであり、冷凍ユニットの設備方式に従って別置式冷凍コンテナと内蔵式冷凍コンテナの二つの種類に分類されている。このような冷凍ユニットを作動させてコンテナ用カーゴルーム(Cargo room:貨物室)の内部温度は+26℃〜−28℃まで調節できるようになっている。
【0003】
また、冷凍ユニット用の電源として、冷凍コンテナにはトレーラー車両またはコンテナ船の動力により発生した電源を印加できる電気装置が冷凍ユニットと共に設置されている。このように冷凍コンテナには特別の装置が要求されるので、コンテナ船の内部に規定された冷凍コンテナ用スペース(Space:積置空間)に限定されて積置される。
前記のように冷凍コンテナに使用される電気装置は、通常、パワーコネクターを具備するユニットコントロールボックス(Unit control box)及び温度計などを含むが、ユニットコントロールボックスは、温度計で測定される冷却温度に基づき、パワーコネクターと接続されたトレーラー車両または船舶の電源で冷凍ユニット(コンプレッサー、膨張バルブ、放熱ファンなど)を稼動及び制御するものである。
【0004】
最近、国民所得の増大とともに外食産業が発達し、また鮮度の高い海産物を好む国内消費者の要求によって活魚の消費量が急激に増加しているが、沿岸海域などで捕獲または養殖される活魚の生産量がその消費量に追いつくことができない状態である。また、産地から消費地域まで活魚を輸送するのに多くの物流費用が必要となるため、国内の活魚価格だけでなく世界的に活魚の価格が大きく上昇している。
常温で産地から消費地域に活魚を輸送する場合、活魚と活魚水を15%:85%にして活魚車両で輸送が行われているが、このような多量の活魚水でも活魚の生存時間を24時間以上維持させることができないために、常温での輸送は大部分短距離輸送に限られている。長距離輸送の場合は、飛行機が利用されるが、消費地域での活魚価格は物流費用がその大部分を占めるため、物流費用により活魚価格の上昇幅がさらに大きくなるのが実情である。
【0005】
前記要因により、長距離輸送が可能でコンテナを通じた大量の活魚輸送で物流費用を最大限に節減させることができるようにし、延いては活魚の消費が少ない国家から安価な活魚を輸入して、競争力ある国内の活魚を輸出し、幼い稚魚や観賞魚などの生きている魚類を長距離、長期間安全に輸送するために多くの努力がなされているが、その一環として上記冷凍コンテナの長所を利用した活魚輸送用コンテナの普及が検討されている。
前記のような活魚輸送用コンテナは、貨物室としてのカーゴルーム内部に活魚水槽と湿式濾過槽を設置する一方、カーゴルームの後方に具備された駆動装置部には冷凍ユニット、すなわち、活魚水冷却装置を設置するものであり、活魚水冷却装置を利用して活魚水槽の内部に保存された活魚水を一定水準まで冷却できるようになっている。
【0006】
前記活魚水冷却装置は、通常コンプレッサーと、放熱ファンを具備するコンデンサーと、膨張バルブ(または、毛細管)が駆動装置部のケース内側に冷凍ユニットとして設置される一方、膨張バルブからカーゴルームの内部に延長される冷媒配管が活魚水槽の底部や側壁面または湿式濾過槽内部で蒸発器に設置されて、この蒸発器が冷媒配管によって駆動装置部のコンプレッサーと連結設置される。
上記のように活魚水槽の底部や側壁面または湿式濾過槽の内部に冷凍ユニットの蒸発器を設置すれば、コンプレッサーとコンデンサーと膨張バルブ及び蒸発器を通じた冷凍サイクルの作動過程で活魚水槽に保存された活魚水の温度を0℃近傍まで下げることが出来る。これによって活魚の新陳代謝率と酸素消費率を最小にして、活魚重さの4倍程度の活魚水だけでも比較的長期間活魚を輸送することができる。
【0007】
しかし、前記のような従来の活魚水冷却装置は、比較的長い冷媒配管を活魚水槽の底面や側壁面または湿式濾過槽内部にジグザグ式で配置させることにより、活魚水槽や湿式濾過槽自体に蒸発器を設置したために、活魚水冷却装置に多額の費用が必要となることはもちろん、活魚水冷却装置の修理や維持補修時にも多くの時間と費用が必要となる問題点があった。
言い替えれば、通常の活魚水槽は、FRP(纎維強化プラスチック)素材のラミネイティング作業で製造されるが、活魚水槽の製造の場合は、ラミネイティング作業を一部遂行した後、蒸発器の設置と冷媒配管の連結作業を行い、再び一部ラミネイティング作業を行う過程を数回にわたって繰り返した後に、最終仕上げ作業を行うなどの複雑で難しい作業を伴うものであった。
【0008】
前記のように活魚コンテナの内部に活魚水槽を設置する過程で活魚水槽の底部や側壁面に蒸発器を配置及び固定させる作業が難しくなる一方、蒸発器の素材として耐腐食性材質になる高価のチタンを使わなければならない。このような高価なチタンパイプの冷媒配管長さが不必要に長くなることにより、材料の過剰使用と設備単価の上昇を招くことになる。
さらに、トレーラー車両による活魚コンテナの輸送過程や活魚コンテナの船積みまたは荷役過程で、活魚コンテナに作用する振動や衝撃などによって水槽内に突出した蒸発器の表面が活魚に傷つけられるので、活魚が傷んで活魚の商品価値が落ちて、活魚水の温度より蒸発器の冷媒配管周辺の温度があまりにも低いために、活魚が温度によるストレスを受けて傷むか、または死んでしまうことになる。
【0009】
これと併せて、蒸発器をなす冷媒配管の表面に沿って多量のスケールが発生するようになれば、活魚水の汚染を加速させることは勿論であり、蒸発器による熱交換効率及び冷却性能が低下して活魚水の温度が下がり難くなって、活魚を新鮮で安全に保管及び輸送する側面でも良くない影響を及ぼすと言う問題点があった。
そして、駆動装置部でそれぞれの活魚水槽に設置されている蒸発器まで冷媒配管を延長させることによって、冷媒配管が海水である活魚水によって腐食されないように特殊な保温材と共に防水密封作業を遂行しなければならず、活魚水冷却装置の設備費用がさらに増加する一方、多くの冷媒配管を連結する多くの溶接部位と連結部品によって、活魚コンテナの輸送中に加えられる衝撃と振動で冷媒漏洩の危険が大きくなって、冷媒の漏洩時に活魚が全量斃死することは勿論、漏洩部位の確認及びその修理作業も難しくなる問題点があった。
【0010】
一方で、活魚輸送用コンテナに設置された従来の濾過手段は、通常砂や砂利または不織布やスポンジなどの濾過材を活魚水槽の底部に積層式で設置するか、または活魚水槽の外部側に前記濾過材が挿入された濾過槽を設置して、活魚水槽から濾過槽側に活魚水が移るようにすることによって、濾過材が活魚水に浸された状態で存在する湿式濾過手段が大部分であった。
また、前記湿式濾過材による殺菌力と浄化力を向上させることができるように、黄土や麦飯石(ゲルマニウム)のような機能性充填物を湿式濾過材に適用させることが知られていて、活性炭(炭)のように吸着力が優秀な充填物をさらに含ませるか、または活魚水に紫外線を照らすようにするなど、活魚水の浄化能力を向上させようとする多くの代案が提示された。
【0011】
しかし、活魚コンテナの活魚水槽内部には多くの個体数の活魚が高密度で保存されるために、活魚水の温度を下げて新陳代謝率及び酸素消費率を最小にしても、活魚の排泄物によって各種異物やタンパク質成分が短時間に活魚水に高濃度で蓄積され、従来の湿式濾過材だけでは微細な汚染物やタンパク質成分をより効果的に除去及び浄化することができない問題点があった。
また、前記のような湿式濾過材のみを活魚コンテナの内部に設置して使用する場合、濾過材が活魚水に浸された状態で存在するか、または別の大きい濾過槽を持たなければならないのために、湿式濾過材を含む活魚水槽の全体的な重さが非常に重くなって、これによって20feetコンテナの積載荷重の24tonと、40feetコンテナの積載荷重である30tonを超過して、活魚コンテナが荷重制限にかかる問題点が発生する。
【0012】
前記のような荷重制限を受けないようにするには、湿式濾過材を含む活魚水槽の全体的な大きさを減らさなければならないため、活魚コンテナを使って1回に運ぶことができる活魚の量が相対的に少なくなり、活魚の輸送による物流費用の節減効果が期待できない問題点があった。
その他、既存の湿式濾過材は、活魚水の内部に浸された状態で循環ポンプを利用した活魚水の循環式濾過のみに依存するので、その濾過効率が比較的低く、これによって十分な濾過性能を発揮するようにするためには湿式濾過材が占める嵩を大きくしなければならず、活魚の保存空間が急激に減る問題点が発生する。
これと併せて、活魚コンテナの活魚水槽内部には多くの個体数の活魚が高密度に保存されるために、活魚水の温度を下げて新陳代謝率及び酸素消費率を最小にしても、活魚の排泄物によって各種有害成分、特に、アンモニア性窒素成分が早い時間以内に活魚水に高濃度で蓄積され、従来の湿式濾過材だけでは、このような有害成分までより効果的に除去することができない問題点があった。
【0013】
アンモニア性窒素は、水中で非イオン性アンモニア(NH)またはイオン性アンモニア(NH)と結合したNHN、NH−Nの2種の形態で存在する。
特に、非イオン性アンモニアと結合して生成されるアンモニア性窒素は、魚類の細胞壁を通過して低濃度(2mg/L or 2ppm)でも活魚に致命的な毒性と被害を与えるだけでなく、それ自体が硝酸性窒素や亜窒酸性窒素に酸化されながら水中の溶存酸素を減らす。
アメリカ環境保護庁の基準によると、アンモニア性窒素のような有害成分を0.02mg/L以下でとり除けば、活魚の新鮮で安全な保管が可能であると提示している。従来の湿式濾過材は濾過能力の低下によってこのような有害成分の除去がほとんど不可能であるために、活魚コンテナを使った活魚の輸送期間が長くなる場合、活魚水に蓄積された有害成分によって活魚が疾病にかかるか、またはひどい場合斃死する深刻な問題点を惹起させるようになった。
【0014】
これによって、従来の活魚コンテナで活魚を輸送することができる最大期間が2日程度になることにより、短距離輸送は可能であるが、経済性ある活魚の長距離、長期間輸送が不可能になることは勿論で、活魚コンテナを利用した大量の活魚輸送を物流費用が安い海上と陸上を通じて遂行することができずに、高価な航空便を使用することにより、活魚の物流費用節減側面にほとんど寄与できない問題点があった。
また、活魚コンテナのカーゴルーム内部には湿式濾過材を通じた活魚水の循環式浄化のためにポンプ器具が設置されて、この外にも活魚水殺菌器、活魚水に酸素を供給させるための酸素供給装置と照明装置などが設置される一方、これらの作動と制御のためにコントロールパネルとバッテリー及びインバーターなどが含まれたコントロール部がカーゴルームの内部に設置される。
【0015】
前記のようにカーゴルームの内部に設置されるコントロールパネルは、駆動装置部のユニットコントロールボックスと共に活魚コンテナの作動と制御を担当して、前記インバーターはユニットコントロールボックスのパワーコネクターを通じて外部の電源が印加されない間、活魚コンテナの全体的な作動がバッテリーによって遂行されるようにするパワー転換機能を担当する。
前記方式で活魚コンテナを設備して使用する場合、活魚の輸送期間中に活魚の生存率を確保するために活魚の冬眠温度まで活魚水の温度を下げなければならないことは勿論であり、冷気の流出を遮断させるために活魚コンテナの内部と外部を完全に密閉及び遮断させなければならない。
【0016】
これによって、活魚水槽に保存された活魚水の水分がカーゴルームの内部に蓄積され、カーゴルームの内部空気が非常に高い湿度を有するようになることは勿論であり、活魚水の場合に通常、海水を使用するので、カーゴルームの内部空気と水分中に含まれた塩度(塩分濃度)も非常に高くなる。
したがって、電気、電子装置になるコントロール部のコントロールパネルやバッテリー及びインバーターなどが多量の塩分が含まれたカーゴルームの内部湿り気によって容易に腐食及び損傷される問題点があった。これによってコントロール部の故障や誤作動がよく発生し、活魚コンテナを利用した活魚の安全な移送側面の問題点となった。
【0017】
前記問題点を防止するためには、コントロールパネルの電子制御部品やバッテリー及びインバーターなどがカーゴルームの内部空気と接触しないように密閉型ケースの内部に挿入されなければならない。この場合、電子制御部品やバッテリー及びインバーターの作動過程で発生する熱を効果的に冷却させることができないために、コントロール部の過熱による故障や誤作動が発生する。
特に、活魚コンテナの場合は、その輸送途中にカーゴルームの内部に人が入れないので、長期間の無人作動が要求されるが、カーゴルームの内部に設置されるコントロール部の腐食または過熱問題によって、コントロール部の故障はもちろん、火事まで発生する場合、輸送途中に活魚が全量斃死して、コントロール部の修理及び維持補修による費用も過度に増加する問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平06−181657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、前記のような従来の問題点を解決するためになされたものであって、本発明による活魚輸送用コンテナは、活魚水の湿式濾過槽と併せて活魚水に含まれた浮遊物質とタンパク質成分を取り除くようにするプロテインスキマーをカーゴルームの内部に設置して、活魚コンテナの輸送期間中にプロテインスキマーから排出される浮遊物質とタンパク質の泡を大容量の泡保存槽に保存させるようにするものであり、カーゴルームの限定された空間内部で活魚水の浄化能力を大きく向上させることはもちろん、浮遊タンパク質成分の腐敗過程で発生する毒素による活魚の疾病や斃死をあらかじめ防止して、このようなプロテインスキマーの作動が泡保存槽によって長期間安全に遂行されるようにする一方、カーゴルームに具備された活魚水槽から活魚水をポンピングして駆動装置部に設置された冷凍ユニットの活魚水冷却機に供給させた後、前記活魚水冷却機で冷媒との熱交換を通じて冷却した活魚水が活魚水槽またはプロテインスキマーに再流入されるようにするものであり、活魚水冷却装置の設備と維持補修による時間と費用を最大限に節減させて、活魚水槽の内部に保存された活魚水が均一な温度で冷却するようにすることは勿論、活魚水による冷媒配管の腐食と冷媒ガスの漏洩による活魚水の2次汚染及び冷媒配管の突出による魚体損傷を防止するようにして、これによって活魚コンテナに保存された活魚がよりさらに新鮮で安全に運搬されることができるようにすると共に、活魚コンテナによる活魚の輸送期間と輸送距離をより長く確保することができるようにすることを第1の技術的課題とする。
【0020】
また、本発明は、前記湿式濾過槽及びプロテインスキマーと共に活魚水の追加的な浄化手段として、乾式濾過材が挿入された乾式濾過槽を活魚水槽の上部側に設置して、乾式濾過材の上部側には活魚水冷却機を通して延長される活魚水噴射管及び駆動装置部のブロワーと連結されたエア供給管を位置させることにより、コンテナの重量制限に殆どかからず、活魚水の浄化機能はよりさらに向上させるようにして、制限されたカーゴルームの空間内部で活魚水槽が占める空間を充分に確保して、活魚の運搬量をよりさらに増大させることができるようにすると共に、前記乾式濾過材に有害成分の除去のための濾過微生物が大量に含浸及び培養されるようにした状態で、活魚水噴射管の噴射ノズルから噴射された活魚水がエア供給管のエアホールから噴射された空気粒子と摩擦されて有害ガスの分離及び微生物の反応と活魚の生長に必要な十分な溶存酸素が供給されるようにし、これによって活魚水が原水に近いきれいな水質を維持するようにすると共に、活魚コンテナによる活魚の輸送期間と輸送距離を最大限に確保できるようにするものであり、物流費用がチープな船舶や車両を利用して、遠い距離に位置した国とも活魚の輸出入が可能にさせることは勿論、遠い内陸にまで活魚の輸送を可能にさせて、活魚の物流費用を節減させる側面に実質的に大きく寄与できるようにすることを第2の技術的課題とする。
【0021】
併せて、本発明は、前記湿式濾過槽から加圧用ポンプを具備する加圧配管を延長させて、この加圧配管が活魚水噴射管と連結設置されるようにするものであり、活魚水噴射管の噴射ノズルから噴射される活魚水の粒度(水玉の大きさ)をさらに微細にさせて、外部空気との接触面積を極大化させることによって、活魚水中の溶存酸素量をいっそうさらに増大させることができるようにし、これによって気泡発生器のような別の酸素供給装置を設置しなくても、微生物の反応と活魚の生長に必要な十分な酸素が供給されることができるようにすることを第3の技術的課題とする。
【0022】
そして、前記湿式濾過槽が活魚水槽の外部に設置されるようにする一方、湿式濾過槽の寸法を調整して活魚水槽の側面部または活魚水槽の間に活魚の積荷作業のための空間が提供されるようにして、該当空間に補助循環ポンプによる活魚水の循環器具及び積荷バルブによる活魚積荷手段が具備されるようにするものであり、カーゴルームの側面に設置された補助ドアを通じて該当空間に作業者が入って行って活魚の積載及び荷役作業をより軽くて容易に遂行できるようにし、これによって活魚の積荷作業に必要となる時間と人件費だけでなく、該当作業過程で発生する活魚の損傷も最小にできることを第4の技術的課題とする。
【0023】
また、カーゴルームの内部に設置された各種コントロール手段を密閉型ケースの内部に挿入させた状態で、外部空気の流入管と排出管及びそれぞれのケースを連結する連結管によってコントロール部上に外部空気の循環通路を提供するものであり、多量の塩分が含まれたカーゴルーム内部の湿り気によるコントロール部の腐食と損傷を防止しながらも、コントロール部の冷却作業を効率的に遂行して、コントロール部の過熱による誤作動や火事も防止できるようにして、これによって活魚コンテナの確かな作動を保障して活魚の安全な輸送に寄与するようにすることは勿論、活魚コンテナによる活魚の輸送時間と輸送距離を延長させる側面にもいっそうさらに寄与できるようにすることを第5の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、コンテナ本体(2)の内部にはカーゴルーム(3)が設置され、前記カーゴルーム(3)の後方側にはコンテナ本体(2)と一体で設置されるか、またはコンテナ本体(2)と着脱可能に組み立てられる駆動装置部(4)が設置され、 前記カーゴルーム(3)の内部にはコントロール部(50)と活魚水槽(6)と湿式濾過槽(7)が設置され、前記駆動装置部(4)には活魚水冷却装置(10)が設置され、前記活魚水冷却装置(10)はコンプレッサー(11)とコンデンサー(12)と膨張バルブ(13)を含む冷凍ユニットからなる活魚コンテナ(1)において、前記カーゴルーム(3)の内部にはプロテインスキマー(20)と泡保存槽(23)が設置され、前記駆動装置部(4)には冷媒との熱交換を通じて活魚水を冷却させる活魚水冷却機(14)と外部空気の流入のためのブロワー(15)が設置され、前記プロテインスキマー(20)は、スキマー用ポンプ(24)を具備する状態で活魚水槽(6)から延長される活魚水排出管(24a)と連結設置され、前記プロテインスキマー(20)からは活魚水供給管(24b)が延長され、活魚水槽(6)と再び連結設置され、前記活魚水排出管(24a)にはノズル部(25)が形成され、このノズル部(25)にエア流入管(25a)が連結設置され、前記プロテインスキマー(20)の上端側に具備された泡排出口(21b)は、ガイドチャンネル(22)によって泡保存槽(23)と連結設置され、前記活魚水冷却機(14)は、蒸発器としての冷媒パイプ(14a)内部に活魚水冷却管(14b)が挿入された2重管熱交換機になって、前記活魚水冷却管(14b)は湿式濾過槽(7)から循環ポンプ(17)を具備する状態で延長される活魚水排出管(17a)と連結設置され、前記活魚水冷却管(14b)からは活魚水供給管(17b)が延長されて、カーゴルーム(3)内部の活魚水槽(6)と再び連結設置され、前記カーゴルーム(3)の内部には駆動装置部(4)のブロワー(15)と連結されたエア供給管(32)が設置され、前記コンテナ本体(2)のメインドア(5)または壁体Wには排気口(2a)が設置されることを特徴とする。
【0025】
前記カーゴルーム(3)の内部に該当する活魚水槽(6)の一側上部には、濾過槽カバー(31)とコンテナ本体(2)の壁体Wとの間に乾式濾過材(35)が挿入された乾式濾過槽(30)が設置され、 前記活魚水冷却機(14)からカーゴルーム(3)の内部に延長される活魚水供給管(17b)は、多数個の活魚水噴射ノズル(16a)を具備する状態で乾式濾過材(35)の上部側で乾式濾過材(35)の長さ方向に沿って設置される活魚水噴射管(16)になり、前記エア供給管(32)は、複数個のエアホール(32a)が長さ方向に沿って形成された状態で乾式濾過材(35)の上部側で活魚水噴射管(16)と平行に位置するように設置されることを特徴とする。
【0026】
前記乾式濾過材(35)は、濾過槽カバー(31)の内側下部に位置する多孔性ペレットフィルター(Pellet filter)(34)と、該ペレットフィルター(34)の上部側に位置する多孔性纎維フィルター(33)からなり、前記纎維フィルター(33)とペレットフィルター(34)には、活魚水浄化用微生物が含浸及び培養されたことを特徴とする。
【0027】
前記活魚水噴射管(16)の他側端には、湿式濾過槽(7)から加圧用ポンプ(18)を具備する状態で延長される加圧配管(18a)が連結設置されることを特徴とする。
【0028】
前記乾式濾過槽(30)の濾過槽カバー(31)下端には排水口(31a)が形成され、前記活魚水槽(6)の一側上部面には乾式濾過材(35)を経った活魚水の流入のための側口(6b)が提供され、前記活魚水槽(6)の上部面所定位置には活魚水の流出防止と活魚水の分配機能を遂行する制水板(9)が設置されることを特徴とする。
【0029】
前記湿式濾過槽(7)は、活魚水槽(6)の外部に設置され、活魚水槽(6)と隣接した位置には湿式濾過槽(7)と共に活魚積荷用作業空間部(40)が提供され、前記作業空間部(40)が位置するコンテナ本体(2)の壁体Wには作業者の出入りのための補助ドア(2b)が設置され、前記作業空間部(40)の底側には活魚水槽(6)の下端側から積荷バルブ(41)を具備する状態で延長される積荷用配管(43)が設置されることを特徴とする。
【0030】
前記作業空間部(40)の底側には、補助循環ポンプ(42)が設置され、前記補助循環ポンプ(42)には湿式濾過槽(7)から活魚水槽(6)の内部に活魚水を循環させる補助循環配管(44)が連結設置され、前記補助循環ポンプ(42)から活魚水槽(6)側に延長される補助循環配管(44)にはノズル部(44a)が形成され、前記ノズル部(44a)にはエア流入管(45)が連結設置されることを特徴とする。
【0031】
前記コントロール部(50)は、複数個のコントロールパネル(51)及びインバーター(52)とバッテリー(53)を含み、前記それぞれのコントロールパネル(51)は、電子制御手段が密閉型パネルケース(55)の内部に挿入設置され、前記インバーター(52)とバッテリー(53)は、密閉型バッテリーケース(56)の内部に挿入設置され、前記密閉型パネルケース(55)とバッテリーケース(56)は、コンテナ本体(2)のメインドア(5)または壁体Wから延長される空気流入管(57)及び空気排出管(59)とそれぞれのケース(55)、(56)を連結する連結管(58)によって外部空気の循環通路を提供し、前記空気流入管(57)や空気排出管(59)または密閉型パネルケース(55)の内部には送風機(61)が設置されることを特徴とする。
【0032】
前記空気流入管(57)と空気排出管(59)と連結管(58)は、密閉型パネルケース(55)とバッテリーケース(56)の内部で上部側対角線方向の空気流れが提供されるように、密閉型パネルケース(55)とバッテリーケース()56)の角側に連結設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、既存の湿式濾過材だけでは人為的に除去することができなかった浮遊物質とタンパク質成分及びアンモニアと窒素成分をプロテインスキマーを使って取り除くようにする一方、湿式濾過材に浮遊物質とタンパク質成分が蓄積されて腐敗されないようにするものであり、活魚コンテナに使用される活魚水の浄化性能をさらに向上させて、活魚の疾病と斃死をあらかじめ防止する効果がある。
また、プロテインスキマーの作動過程で大量のミクロン単位の微細な空気滴と活魚水の力強い渦流による接触で空気中の酸素が活魚水に容易に溶解されるようにするものであり、活魚水の溶存酸素量を高く維持させる効果があって、活魚水内に溶解されているアンモニアと有害ガス及び悪臭をミクロン単位の微細な空気滴と共に浮上及び排出させるものであり、活魚水や活魚から発生するにおいも取り除く効果がある。
【0034】
また、前記プロテインスキマーで1次的に浮遊物質と老廃物及びタンパク質を人為的に活魚水と分離及びとり除いて泡保存槽に保管させることによって濾過材による活魚水の濾過負荷を大きく減らす効果があり、これによって小さな空間の濾過槽だけでも十分な浄化性能を発揮できるようにすることによって、活魚コンテナの内部で活魚と活魚水の保存空間をより広く確保することができる効果がある。
そして、活魚コンテナの駆動装置部に冷媒との熱交換を通じて活魚水を冷却させる活魚水冷却機を設置して、前記活魚水冷却機で活魚水が循環及び冷却されるようにすることにより、それぞれの活魚水槽内部に冷媒配管による蒸発器を設置しなくても活魚水を要求する温度まで均一に冷却させることができ、これによって活魚水冷却装置の設備と維持補修による時間と費用を大きく節減させる一方、活魚コンテナの使用による経済性は大きく向上させる効果がある。
【0035】
また、活魚水槽の内部に別の配管構造物が設置されないようにすることによって、冷媒配管の突出による魚体損傷と、冷媒配管の表面に発生するスケール(Scale)による活魚水の2次汚染及び冷却性能の低下と、掃除の不便さを防止する効果があり、これによって前記プロテインスキマーと共に活魚の輸送期間に亘って活魚を新鮮で安全に保管する側面と活魚の輸送時間及び輸送距離を延長させる側面に寄与する効果がある。
その他、駆動装置部からそれぞれの活魚水槽まで冷媒配管が延長されないようにするものであり、冷媒配管に対する特殊な保温及び防水密封作業の必要性を排除して、活魚水冷却装置の設備による費用節減にいっそうさらに寄与する効果があり、活魚水冷却機を二重管熱交換機にして熱交換機の設置による嵩を最小化させながらも活魚水の冷却性能はよりさらに向上させることはもちろん、活魚水に冷媒が漏洩しないようにして、活魚の廃死をあらかじめ防止する一方、冷媒の漏洩部位に対する確認と修理もより容易に遂行することができる効果がある。
【0036】
特に、活魚水冷却機を含むすべての冷凍ユニットが駆動装置部に集積化されるようにすることによって、駆動装置部をカーゴルームと別に製作して簡単に分解及び組み立てが可能にさせる効果があり、これによって一般的な貨物コンテナも活魚輸送用コンテナで使用できるようにすることは勿論、活魚コンテナの大量生産のためにパート別に体系化された製作工程の具現が可能な効果があって、冷凍ユニットの故障や誤作動時にも活魚や活魚水を抜き取らないで現場で直ちに冷凍ユニットを修理及び入れ替ることができることによって、活魚コンテナの運行が中断される時間を最小化させる一方、活魚コンテナの使用による経済性と便利性をいっそうさらに極大化させる効果がある。
【0037】
前記のようなプロテインスキマー及び活魚水冷却装置と併せて、活魚コンテナのカーゴルーム内部に乾式濾過槽を設置した場合には、活魚コンテナの積載荷重にほとんど影響を及ぼさないようにしながらも、活魚水噴射ノズルを通じて噴射された活魚水が空気中に露出している濾過材に乗って垂れ下がるようにして、プロテインスキマー及び湿式濾過材と共に活魚水の浄化能力を極大化させる効果がある。
これによって、活魚コンテナで1回に運ぶことができる活魚の量を大きく増大させることができる一方、活魚水槽の外部で荷重の負担なしに多い濾過材を積むことができ、該当濾過材に存在する大量の微生物によって活魚水に含まれたアンモニア性窒素のような各種有害成分をほとんど完璧に除去することができることによって、活魚水の水質を原水に近いように清浄に維持させて、活魚の輸送距離と輸送期間も最大限に延長させる効果がある。
【0038】
前記のような長所によって、物流費用がチープな活魚コンテナ船舶を利用して、長距離、長期間の活魚輸送が可能になるものであり、遠い距離に位置した国とも活魚の輸出入が可能になることは勿論であり、車両を利用して遠い内陸にまで活魚輸送が可能になって、これによって活魚の輸送による物流費用を実質的に大きく節減させて消費地域で高品質の活魚をチープな価格で供給を受けることができる。
併せて、活魚水噴射管と共に設置されるエア供給管によって、好気性微生物の反応及び活魚の生長に必要な十分な酸素を提供できるようにする一方、外部空気の流入でカーゴルーム内の空気が循環されて快適な環境を作ってくれる効果があり、泡保存槽からカーゴルームに漏出される悪臭もコンテナ本体の外部に強制排気させることによって、活魚水の内部にで悪臭が溶解されて、活魚水が再び汚染する状況を防止する効果と、活魚の荷役時点以前にカーゴルームの内部空間がよりさらに快適な空間であらかじめ造成されるようにする効果がある。
【0039】
また、活魚水槽の外側部または活魚水槽の間に作業空間部が提供されるようにする一方、該当空間に活魚積荷手段及び活魚水の補助循環器具が具備されるようにした場合には、活魚水の浄化及び酸素供給能力をよりさらに極大化させることができ、それぞれの活魚水槽に活魚を積載(上車)する作業や活魚水槽に保存された活魚を荷役(下車)する作業を活魚積荷手段によって非常に手軽くて容易に遂行することができる効果があり、これによって活魚の積荷作業に必要となる時間と人件費を最大限に節減させることは勿論、活魚の積荷作業過程で発生することができる活魚の損傷も最小化させることができる。
【0040】
一方で、カーゴルームの内部にコントロール部冷却装置を設置した場合には、多量の塩分が含まれたカーゴルーム内部の湿り気によるコントロール部の腐食と損傷を防止しながらもコントロール部の冷却作業は、外部空気の循環方式によって効率的に遂行することができる効果があり、これによってコントロール部による活魚コンテナの確かな作動を保障して、活魚の安全な輸送に寄与できるようにする効果がある。
また、コントロール部の腐食による故障やコントロール部の過熱による火事による活魚の大量斃死を防止して、コントロール部の修理及び維持補修費用を最大限に節減させることができることは勿論であり、活魚コンテナによる活魚の輸送時間と輸送距離をよりさらに大きく延長させて、活魚の輸送による物流費用の節減側面にいっそうさらに寄与することができるなどの非常に有用な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による活魚輸送用コンテナの内部構造を示した側断面図である。
【図2】本発明による活魚輸送用コンテナの内部構造を示した平断面図である。
【図3】プロテインスキマーを中心にする活魚水の循環経路を示す要部抜粋配管図である。
【図4】活魚水の冷却経路及び乾式濾過経路を示す要部抜粋配管図である。
【図5】本発明に使用される乾式濾過槽の分解斜視図である。
【図6】図5の乾式濾過槽が活魚水槽と共に設置された状態を示す側断面図である。
【図7】活魚水槽の間で湿式濾過槽と共に提供された作業空間部を示す要部抜粋斜視図である。
【図8】コントロール部の冷却構造を示す要部抜粋斜視図である。
【図9】コントロール部の冷却原理を示す図8の配管図である。
【図10】本発明に使用される活魚水冷却機の一実施例を示す配管図である。
【図11】本発明に使用される活魚水冷却機の他の実施例を示す斜視図である。
【図12】本発明に使用可能なプロテインスキマーの種類を示す断面図である。
【図13】本発明に使用可能なプロテインスキマーの種類を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。
図1と図2では図面を複雑にしないため、活魚水循環のための配管ラインの図示は省略する。
先ず、本発明による活魚コンテナ1の全体的な構成は、図1及び図2にそれぞれ示す通り、コンテナ本体2の前方側(図面上左側端)にメインドア5が設置されて、メインドア5側に該当するコンテナ本体2の内部には貨物室としてのカーゴルーム3が設けられる一方、カーゴルーム3と隔壁2cによって区画されたコンテナ本体2の後方側空間には冷凍コンテナである活魚コンテナ1稼動のための駆動装置部4が設置される。
カーゴルーム3の内部には活魚水槽6と湿式濾過槽7が設置され、カーゴルーム3の内部前方側には活魚水循環用ポンプ器具17、18、24及びこれらを操作するコントロール部50、コントロールパネル51、インバーター52及びバッテリー53が設置されている。メインドア5を通じて活魚水槽6に作業者が上がることができるよう階段8が設けられている。
【0043】
駆動装置部4には冷凍ユニットである活魚水冷却装置10、パワーコネクター54aを備えたユニットコントロールボックス54及び温度計54bなどが設置される。ユニットコントロールボックス54は、温度計54bにより測定される活魚水の温度に基づき、パワーコネクター54aと接続されたトレーラー車両または船舶の電源で活魚水冷却装置10(コンプレッサー、膨張バルブ、放熱ファンなど)とポンプ器具17、18、24などを制御する。
カーゴルーム3に設置されるインバーター52は、パワーコネクター54aを通じて外部の電源が印加されない間、活魚コンテナ1全体がバッテリー53(ユニットコントロールボックスにも別のバッテリーを設置することができる)によって作動できるようにするものである。このような電気、電子的装置は冷凍コンテナの技術分野では広く知られた公知技術である。
【0044】
図面には、カーゴルーム3の内部には4個の活魚水槽6が設置され、2個の活魚水槽6の間に1個の湿式濾過槽7が設置されるよう示しているが、活魚水槽6及び湿式濾過槽7の個数と配置形態は、図面に示す形態に限定されるものではなくて、コンテナ自体の寸法(20feetまたは40feet)と運搬する活魚の種類及び運搬量に合わせて調整が可能であることは勿論である。
また、湿式濾過槽7も図面に示す通り、活魚水槽6の外部に活魚水槽6と別に設置でき、しかも既存の活魚水槽のように砂や砂利または不織布やスポンジなどの湿式濾過手段を活魚水槽6の底部に積層式して設置することもできる。それぞれの活魚水槽6と湿式濾過槽7の上部には水槽覆い6aと濾過槽覆い7aが設けられている。
図面上には示していないが、活魚水槽6の内側底に気泡発生器のような酸素供給装置を設置することや、コンテナ本体2のカーゴルーム3内側壁に照明装置などを設置することもできる。その他、活魚コンテナ1稼動用の各種電気、電子装置を含む全ての装置の作動と制御は、カーゴルーム3内部のコントロール部50と駆動装置部4のユニットコントロールボックス54によって遂行される。
【0045】
本発明による活魚輸送用コンテナの第1要部は、活魚コンテナ1のカーゴルーム3内部にプロテインスキマー(Proteinskimmer、20)を設置して、活魚水中に含まれた浮遊物質とタンパク質成分及び各種有害ガス成分をミクロン(Micron)単位の微細な気泡によって捕捉して取り除くものである。以下、プロテインスキマーについて図1乃至図3を参照して詳細に説明する。
プロテインスキマー20は、活魚水槽6と連結される活魚水排出管24a及び活魚水供給管24bとにより循環ルーフ式流動経路を形成している。活魚水排出管24aには活魚水循環のためのスキマー用ポンプ24が設置され、スキマー用ポンプ24を通過した後の活魚水排出管24aにはノズル部25が連結され、ノズル部25にエア流入管25aが連結される。
スキマー用ポンプ24によって、活魚水排出管24aに供給される活魚水がノズル部25を経て早い速度で噴射される過程では、インジェクター(Injector)の原理によって、エア流入管25aを経由してカーゴルーム3の内部の空気が活魚水中に流入される。
【0046】
活魚水排出管24aと連結されたエア流入管25aを経由して活魚水中に流入する空気は、プロテインスキマー20の内部に噴射される過程で、ミクロン単位の微細な気泡状態となる。このような微細気泡が渦流内で集結して小さな泡状態に変わり浮び上がりながら活魚水中に含まれている浮遊物質とタンパク質成分及びアンモニアまたは有害ガス成分を捕捉して取り除く。一部空気は活魚水中に溶解されて、活魚水の溶存酸素量を増加させる。
上記の通り、プロテインスキマー20によって活魚水に対する大量の酸素供給が可能になる。従来技術で言及した通り、活魚コンテナ1の場合、活魚を低温条件下で保存させるので、活魚の酸素消費量が非常に少ないために、プロテインスキマー20を設置することだけでも、活魚水に必要な溶存酸素量を適切に維持させることができる。
従って、活魚水槽6に保存される活魚の量と輸送距離及び輸送時間などを勘案し、場合によっては酸素供給装置を設置しないでプロテインスキマー20だけで酸素供給機能をもたせることもできる。必要な場合に限って別の酸素供給装置を活魚コンテナ1に設置して使えるようにすればよい。
【0047】
活魚水排出管24a及びエア流入管25aには開閉バルブ(V)がそれぞれ設置され、開閉バルブ(V)もプロテインスキマー20の正常な作動時に常に開放された状態を維持する。スキマー用ポンプ24を制御することによって活魚水の流動及び空気流入を調節することができるので、必要によって該当する開閉バルブ(V)は、設置しなくてもよい。
プロテインスキマー20は、その上端に開口部形態の泡排出口21bが形成される。泡排出口21bは概略“U”字形の断面を有する通路手段であるガイドチャンネル(Guide channel、22)によって泡保存槽23と連結設置される。
ガイドチャンネル22は、プロテインスキマー20から排出される泡を泡保存槽23に円滑に誘導するために泡保存槽23に向けて下り勾配となるよう設置される。プロテインスキマー20から排出される泡の誘導方法も図面に示す形態に限定されず、泡保存槽23の位置によって他のさまざまの形態とすることが出来る。
【0048】
泡保存槽23は、活魚コンテナ1を使った活魚の輸送期間中にプロテインスキマー20から排出される浮遊物質とタンパク質泡が外部に流れ出ないように、大容量に製造される。泡保存槽23の上部面にはガイドチャンネル22の端部が挿入されてプロテインスキマー20から排出された泡が流入するよう流入口23bが開放される。
必要によっては、泡保存槽23に保存された汚水を排出できるように泡保存槽23の上部に覆い23aを設置することもできるが、汚水は、流入口23bを通じて排出することもできる。
前記のように比較的容量の大きい泡保存槽23を限定された空間であるカーゴルーム3内部に設置する必要があるため、泡保存槽23が設置される位置は、活魚水槽6の上部にするのが最も望ましい。これは、活魚水槽6の上部には活魚の積載と荷役のために作業者が移動できるように空間が形成されるので、該当空間を活用して泡保存槽23を設置すれば、活魚水槽6を含む他の設備に何らの制約も発生しないためである。
【0049】
本発明のプロテインスキマー20は、活魚水排出管24aを通じて空気と共に流入する活魚水を渦流形態で循環させて、活魚水に含まれた浮遊物質とタンパク質成分やアンモニアまたは窒素などが空気と共に泡の形態で捕捉できるものなら、どのような製品を使用しても構わないが、簡単な構造でスキミング(Skimming)効率が優れる製品を使用することが望ましい。
その代表例として、図1及び図3に示すように、透視窓21aを具備する円筒形状のスキマー本体21と、スキマー本体21の内側上、下部に設置される上、下部格子枠26、27と、上部格子枠26の上端に形成された泡排出口21bからなるプロテインスキマー20が挙げられる。
プロテインスキマー20適用時、活魚水排出管24aはスキマー本体21の下側に連結設置するが、円筒形状のスキマー本体21と接線の形態で連結設置することが渦流効果の増大側面で一番望ましく、活魚水供給管24bは下部格子枠26の下に位置するスキマー本体21の底側と連結させた状態で活魚水槽6側に延長されるようにすることが望ましい。
【0050】
カーゴルーム3の内部にプロテインスキマー20を湿式濾過槽7と共に設置すれば、既存の湿式濾過材だけでは除去することができなかった浮遊物質とタンパク質成分及びアンモニアまたは窒素成分をエア流入管25aに流入させた空気中に捕捉させて除去することができ、このような浄化過程を経って浮遊物質とタンパク質成分及びアンモニアと窒素成分が除去された活魚水が活魚水供給管24bを経て活魚水槽6に再供給される。
従って、湿式濾過材に浮遊物質とタンパク質成分が蓄積されて腐敗することがなくなることにより、活魚水槽6に保存された活魚の疾病や斃死をあらかじめ防止することができる。また、活魚の輸送距離と輸送期間も延長でき、これによって物流費用が安い船舶や車両を利用して活魚の長距離輸送が可能になる。
【0051】
泡保存槽23の内部に誘導及び保存された泡は、一定時間経過後に液状のろ液となり、このろ液は、各種浮遊物質とタンパク質成分の汚染物質を含有して腐敗しながら悪臭を発生する汚水となる。そのため、活魚の輸送過程で泡保存槽23からカーゴルーム3の内部空間に悪臭が発生して蓄積され、この有害ガスが再び活魚水と接触して、活魚水を汚染させる状況が発生する。
上記状況を防止するため活魚コンテナ1上に空気の循環器具を設置し、カーゴルーム3の内部空間を快適な状態で維持させることが必要である。このために図1及び図2に示すようにコンテナ本体2のメインドア5または壁体Wには悪臭の排気口2aが設置される一方、駆動装置部4にはカーゴルーム3の内部に外部空気を流入させるブロワー15がモータ15aと共に設置される。
ブロワー15は、活魚水冷却装置10と共に設置することもでき、図面上の駆動装置部4のうちで上部に形成される空間、すなわち、空気循環チャンバに設置することもできる。空気循環チャンバは、既存の冷凍コンテナにおいて、冷却ファンの作動によってカーゴルーム3の内部に冷気を流入させることができるようにする空間である。
【0052】
ブロワー15を使って活魚コンテナ1の外部空気をカーゴルーム3内部に導入させれば、カーゴルーム3の内部に流入する空気量のうちプロテインスキマー20用エア流入管25aに誘導された空気を除いた残りの空気量程度の内部空気が悪臭と共に排気口2aを通じて外部に排出される。これによってカーゴルーム3の内部空気を常に新鮮な状態で維持させることができる。
排気口2aは、コンテナ本体2の内、外部圧力差による自然の空気循環がなされるようにジグザグ型の通路で形成させることが最も望ましく、外気の流入手段としてブロワー15の吸入側には外気導入部15bが設けられる一方、ブロワー15の吐出側には駆動装置部4から隔壁2cを経てカーゴルーム3内部に延長されるエア供給管32が連結設置される。
エア供給管32は、隔壁2cを経て泡保存槽23と隣接した位置まで延長設置され、エア供給管32の長さ方向に沿って外気流入用の複数個のエアホール32aが形成される。ブロワー15を通じて外部空気をカーゴルーム3の内部に流入させる条件下で、エア供給管32の形態や設置状態などは多様に変更することができる。
【0053】
図12及び図13は、プロテインスキマー20の他の種類を示したものである。図12ではスキマー本体21の下部中央に過流誘導管20aが設置される一方、スキマー本体21の内部上側には上部格子枠26が設置されたものである。図13は、撹拌モータ38とインペラ39を利用して、スキマー本体21の内部に流入する活魚水を上、下部格子枠26、27の間にインペラ39で撹乱させるようにしたものである。
図1及び図3に示すプロテインスキマー20だけでなく、図12及び図13に示すプロテインスキマー20のように、その構造が簡単でスキミング効率が優秀な製品なら、どのような種類の物でも本発明に適用できる。
また、図面上カーゴルーム3の内部に1個のプロテインスキマー20と1個の泡保存槽23が設置されたものを示しているが、活魚水槽6に保存される活魚水の処理容量によって2個または3個以上のプロテインスキマー20をカーゴルーム3の内部に直列または並列に設置することもできる。
前記のように2個または3個以上のプロテインスキマー20を設置する場合、泡保存槽23も一つの大容量タンクとすることのほか、それぞれのプロテインスキマー20ごとに泡保存槽23を1個ずつ備えたセット形式で設置することもできる。
【0054】
本発明の第2要部の構成要素は、図1と図2及び図4に示す通り、コンプレッサー11と、放熱ファン12aを具備するコンデンサー12と、蒸発器及び膨張バルブ13が冷媒配管10aによって連結設置された冷凍ユニットであり、これらは駆動装置部4上に設置される。冷凍ユニットの蒸発器はブロワー15と共に駆動装置部4の空気循環チャンバ内側に設置される。
活魚水冷却機14の一側には、カーゴルーム3の内部に設けられた湿式濾過槽7から循環ポンプ17を備えた活魚水排出管17aが連結設置される。活魚水冷却機14の他側からは隔壁2cを経てカーゴルーム3の内部まで活魚水供給管17bが延長され、この活魚水供給管17bが活魚水槽6と再び連結設置される。
図面上に活魚水排出管17aが湿式濾過槽7から延長されるよう示しているが、活魚水槽6の外側に湿式濾過槽7を設置する代わりに活魚水槽6の内側底部に湿式濾過材7bを設置した場合、活魚水排出管17aは、それぞれの活魚水槽6底面と直接連結設置され、循環ポンプ17の場合、活魚水排出管17aではない活魚水供給管17bに設置することもできる。
【0055】
また、循環ポンプ17と共に活魚水排出管17aに設置される開閉バルブVの場合も、活魚水供給管17bに設置することができ、開閉バルブVも活魚水冷却装置10の正常な作動時常に開放された状態で維持される。循環ポンプ17の作動を制御することによって、活魚水の流動を調節させるために、該当開閉バルブVは場合によって設置しなくてもよい。
活魚水冷却機14は、活魚水と冷媒との熱交換を通じて活魚水を冷却させることができる熱交換機なら、どのような種類のものを使用しても構わない。しかし、図10及び図11に示すように、冷媒蒸発器として、“U”字形配管またはコイル型配管で形成される冷媒パイプ14aの内部に活魚水冷却管14bが二重管の形態で挿入され、活魚水冷却管14bが活魚水排出管17a及び活魚水供給管17bと連結される二重管熱交換機を使用することが最も望ましい。
【0056】
前記のように活魚水冷却機14として二重管熱交換機を使用すれば、活魚水冷却機14の嵩を最小にして活魚水の冷却性能をさらに向上させることができる。 特に、冷媒配管10aの溶接部及び連結部品から冷媒が漏洩しても、漏洩した冷媒が活魚水に直接流入しないために、冷媒の漏洩による活魚の廃死をあらかじめ防止できるほか、冷媒の漏洩部位の発見と修理も容易に遂行することができる。
活魚水冷却機14において、外部パイプである冷媒パイプ14aは、銅パイプ製、活魚水である海水が流れる内部パイプ、すなわち、活魚水冷却管14bは、耐腐食性がすぐれたチタンパイプを使用すれば、冷却性能が優秀で外部の衝撃に強く、軽量化及び小型化が可能で狭い空間にも装着が容易になる。また、活魚水の漏洩を防止する水密処理及び冷却効率が向上できる断熱処理を行うことが望ましい。
【0057】
活魚水冷却装置10を構成する必須要素としては、コンプレッサー11、コンデンサー12、膨張バルブ13及び活魚水冷却機14を冷凍ユニットとして提示したが、その他、冷凍サイクルの効率を高めるための手段として、2段圧縮機(コンプレッサー)、コンプレッサー11用振動減衰器、レシーバータンク(Receiver tank:受液器)、ドライフィルター(Dry filter)、油水分離器、アキュムレーター(Accumulator:畜圧機)のように冷凍サイクルに広く使用される公知の部品を冷凍ユニットに加えることができる。
前記のように活魚コンテナ1用駆動装置部4に活魚水冷却機14を設置する一方、活魚水冷却機14に供給された活魚水が冷媒との熱交換を通じて冷却した状態で活魚水槽6に流入すれば、それぞれの活魚水槽6内部に冷媒配管10aによる蒸発器を設置しなくても、活魚水を必要な温度まで冷却させることができる。
これによって活魚水冷却装置10の設備と維持補修による時間と費用を大きく節減させる一方、活魚コンテナ1の使用による経済性は大きく向上させることができる。
【0058】
即ち、コンテナ本体2のカーゴルーム3内部にFRP(纎維強化プラスチック)素材を使用し、活魚水槽6を湿式濾過槽7と共にラミネイティング作業で設置し、冷却システムである駆動装置部4は、既存の冷凍コンテナの冷凍ユニットである蒸発器をとり除いて、その位置に活魚水冷却機14を装着して冷凍サイクルを再構成することによって、活魚水槽6と活魚水冷却装置10の設備をそれぞれ独立なものにすることができる。
これによって、活魚水槽6の底部や側壁面に冷媒配管である蒸発器を活魚水槽6と共にラミネイティングする煩わしい作業が不要となり、活魚水冷却装置10の製造工期短縮と費用の大幅節が可能となる。冷却システムである駆動装置部4に適用される電気信号は、既存の方式をそのまま使用することにより、システムの異常有無を船舶や車両に備えられた自動点検システムと連携して管理することができる。
【0059】
活魚水冷却機14を含むすべての冷凍ユニットが駆動装置部4に集積化されるようにすることにより、駆動装置部4をカーゴルーム3と別に製作した後、ボルト組み立て作業及び活魚水排出管17aと活魚水供給管17bの分離または連結作業を遂行することによって、駆動装置部4とコンテナ本体2になるカーゴルーム3が簡単に分解及び組立てることができる。
これによって、一般的な貨物コンテナも活魚輸送用コンテナとして容易に使用することができ、活魚コンテナ1の大量生産のために部材別に製作工程の体系化が可能となる。また、冷凍ユニットの故障や誤作動時にも活魚や活魚水を抜き取らないで現場で直ちに冷凍ユニットを修理及び入れ替ることができるために、活魚コンテナ1の稼働中段時間を最小にする一方、活魚コンテナ1の使用による経済性と利便性をさらに極大化させることができる。
【0060】
その他、トレーラー車両による活魚コンテナ1の輸送過程や活魚コンテナ1の船積みまたは荷役過程で、活魚コンテナ1に作用する振動や衝撃などによって活魚水冷却装置10が損傷される場合にも、活魚水槽6に保存された活魚と活魚水を排出しない状態で、カーゴルーム3の内部またはコンテナ本体2の外部で冷凍ユニット及び各種配管の損傷部位の補修作業を容易に遂行することができる。
そして、前記活魚水冷却装置10を適用すれば、活魚水冷却機14を経由して活魚水が循環され、冷媒により活魚水が冷却されるので、活魚水槽6に保存された活魚水が殆ど均一な冷却温度になるほか、活魚水槽6の内部に別の配管構造物を設置しないことも可能である。
これによって、活魚水槽6の内部に突出した冷媒配管による魚体の損傷が防止できるほか、配管の溶接部位や連結部品を通じた冷媒の漏洩及び冷媒配管に発生するスケールによる活魚水の2次汚染と掃除の不便さを防止することができ、輸送期間中活魚を新鮮に保ち、活魚の輸送距離の延長にさらに寄与することができる。
【0061】
図4に示す通り、活魚水冷却機14からカーゴルーム3の内部に延長される活魚水供給管17b部分が活魚水の噴射ノズル16aを備え活魚水槽6の上部に位置する活魚水噴射管16になるようにする一方、エア供給管32が活魚水噴射管16と平行に設置されるようにすることが一番望ましい。
前記のような方式で活魚水噴射管16とエア供給管32を設置して、活魚水噴射管16の噴射ノズル16aから噴射された活魚水が活魚水槽6の内部に流入すれば、エア供給管32のエアホール32aから噴射された空気がそれぞれの噴射ノズル16aを経て微細粒子状態で噴射され活魚水中に大量に溶け込むことができる。
これによって、活魚水冷却装置10が酸素の供給機能まで果たすことができるようにすることで、気泡発生器のような別の酸素供給装置を活魚水槽6の底側、望ましくは、図4で多孔板隔壁29の下部側空間に設置しなくても活魚の成長に十分な溶存酸素を供給することができる。
【0062】
活魚水噴射管16及びエア供給管32の配置構造と共に適用できる本発明の要部に該当する追加的な構成要素として、図1と図2及び図4にそれぞれ示すように、活魚水槽6の一側上部には乾式濾過槽30が泡保存槽23と共にカーゴルーム3の長さ方向に沿って設置される一方、活魚水噴射管16とエア供給管32は、乾式濾過槽30の内側上部に配置される。
乾式濾過槽30を泡保存槽23と共に活魚水槽6の上部側に設置する理由も、活魚の積載と荷役のために作業者が移動できるように空間を活用して乾式濾過槽30を設置するものであり、活魚水槽6を含む他の装置の設備に制約が及ばないようにすることは勿論、別の配管を使わなくても乾式濾過槽30を通過した活魚水が活魚水槽6の内部に再流入されるためである。
【0063】
乾式濾過槽30は、図4乃至図6に示すように、カーゴルーム3の長さ方向に沿って活魚水槽6の一側上部にかけて設置される四角桶形状の濾過槽カバー31と、濾過槽カバー31の内部に挿入設置される乾式濾過材35を含む。
乾式濾過槽30用濾過槽カバー31は、乾式濾過材35の支持及びエア供給管32と活魚水噴射管16設置のための板状の構造物で形成させることが望ましく、濾過槽カバー31の下端部は、開口部で形成させて活魚水槽6と一定間隔を置いて離隔されるようにするものであり、濾過槽カバー31と活魚水槽6との間の空間が排水口31aを提供するようにすることが望ましい。
前記のように濾過槽カバー31の下端側に排水口31aを提供する理由は、図4及び図6に示すように乾式濾過材35を通して排出された活魚水が活魚水槽6の上部面に沿って流動した後、活魚水槽6の内部に流入することにより、活魚水が開放された空間に排出されて滞留する時間をより長く確保するようにして、活魚水の浄化性能を向上させるためである。
【0064】
このために、活魚水槽6の縁側には活魚水の流入のための側口6bが提供されて、活魚水槽6の上部面所定位置には活魚水の流出を防止する一方、それぞれの活魚水槽6側に活魚水を分配する制水板9が設置され、それぞれの湿式濾過槽7も活魚水槽6の上部面に突出されるように設置されることにより、制水板の機能をも有する。
図4に示す通り、活魚水槽6の側口6bを通じて活魚水槽6の内部に流入する活魚水は、流路調整板28に沿って活魚水槽6の底部に誘導された後、多孔板隔壁29を経って活魚水槽6の内部に再び上昇し、このように上昇された活魚水が湿式濾過槽7の上端側に流入した後、湿式濾過材7b及び多孔板隔壁29を経って活魚水冷却機14側に循環される。
【0065】
図面上の活魚水槽6の内部下側に設置された多孔板隔壁29は、活魚水槽6の底部に誘導された活魚水を均等に分配及び上昇させる一方、必要時に気泡発生器のような酸素供給装置を活魚水槽6の底部に設置することができる空間を提供して、湿式濾過槽7の内部下側に設置された多孔板隔壁29は、湿式濾過材7bの漏出を防止する一方、活魚水排出管17aや加圧配管18aなどが連結されることができる空間、すなわち、活魚水排出チャンバ19を提供する。
前記のように図4及び図6に示す方式で活魚水の流動経路を提供することが活魚水の浄化側面で一番望ましいが、乾式濾過槽30の排水口31aから活魚水槽6内部への活魚水流動経路は、湿式濾過材7bが設置された位置及び、これを基礎にする活魚水の循環方向を考慮して調整される。
【0066】
例えば、活魚水槽6の底部に湿式濾過材7bが設置された通常の場合には、乾式濾過槽30の排水口31aを通して排出された活魚水が活魚水槽6の縁側に形成された側口6bに沿って活魚水槽6の内部に流入するようにすることもできて、乾式濾過材35を通過した活魚水が乾式濾過材35の直下方、すなわち、活魚水槽6の上部面に提供された図示しない通路を経って活魚水槽6の内部に直ちに流入することもできる。
一方、乾式濾過槽30に適用される乾式濾過材35としては、活魚水噴射管16の噴射ノズル16aから噴射された活魚水が乾式濾過材35に乗って垂れ下がる過程で、活魚水に含まれた各種有害成分が除去されるなら、どのような種類の濾過材を使用しても構わないが、有害成分の吸着式除去と共に微生物の含浸及び培養が可能な多孔性素材として、濾過表面積を最大限に広く確保できる素材を選択する。
【0067】
上記条件を勘案して、図5及び図6にそれぞれ示すように、乾式濾過材35は、濾過槽カバー31の内側下部に位置する多孔性ペレットフィルター(Pellet filter)34と、ペレットフィルター34の上部に位置する多孔性纎維フィルター33からなり、纎維フィルター33とペレットフィルター34は、活魚水浄化用微生物が含浸及び培養されたもの使用するようになる。
また、それぞれの乾式濾過材35、すなわち、纎維フィルター33とペレットフィルター34との間には適切な空間を置いて空気の流れが円滑になされるようにする一方、それぞれの乾式濾過材35を通じた酸素供給を可能にして、生物学的濾過効率を高めることができるように、纎維フィルター33とペレットフィルター34との間に該当する濾過槽カバー31の中央側にも排水口31aが切開形成されて、ペレットフィルター34の下部には、多孔板隔壁29を設置して、ペレット成分の流出を防止できるようする。
【0068】
纎維フィルター33は、所定の厚さを有する不織布やスポンジまたは薄ら布地を多重で多様な種類のフィルターが適用できる。図面に示すように板状に形成される複数個の単位フィルター(Filter unit)を濾過槽カバー31の幅方向と長さ方向にかけて密着させた状態で設置することが一番望ましい。
そして、ペレットフィルター34は、網の内部に多孔性ペレット(直径が小さな多孔性固体粒子)を稠密に充填させたものを使って、ペレット(Pellet)は、多孔質の石材やプラスチック粒子でもよく、海綿や貝殻、または活性炭のような素材を適用することもでき、この外にも多孔質の固体粒子であれば、どのような種類のものを使用してもよい。
【0069】
乾式濾過材35に含浸及び培養される微生物の代表的な例としては、ニトロソモナス(Nitrosomonas)とニトロバクター(Nitrobacter:窒化バクテリア)と呼ばれる好気性酸窒化微生物を挙げることができる。
ニトロソモナス(Nitrosomonas)と言うバクテリアは、アンモニア(NH、NH)成分を亜窒酸(NO)で酸化させる機能を有するものであり、ニトロバクター(Nitrobacter)と言うバクテリアは、亜窒酸(NO)を水中生物に無害な硝酸(NO)で酸化させる機能を有する。
ニトロソモナスとニトロバクターによる生物学的浄化反応式は次の通りである。

*NH+1.5O−−−−(Nitrosomonas)−−−−→NO+HO+2H+240〜350kj/mol
2NO+0.5O−−−−(Nitrobacter)−−−−−→NO+65〜90kj/mol

前記のようにアンモニア成分及び窒素成分除去のためのニトロソモナスとニトロバクターは、淡水処理に主に利用されるものであり、多量のニトロソモナスとニトロバクターを乾式濾過材35に高濃度で含浸させた後、このように微生物が高濃度で含浸された乾式濾過材35をおよそ10〜20日程度海水に浸しておくことにより、前記微生物が海水で培養及び馴致(海水に手懐けられ)なるようにしたものを使用する。
【0070】
前記のように活魚水に含有されたアンモニア成分及び窒素成分などの除去のために使用されるニトロソモナスとニトロバクターは、乾式濾過槽30に適用される代表的な微生物であり、アンモニア成分及び窒素成分などを除去することができるものなら他の種類の微生物を乾式濾過材35に含浸及び培養させて使用することができる。生物学的処理が要求される処理対象物質(細菌や他の化合物質)に合わせてさまざまな種類の微生物を混合して適用させることもできる。
また、ニトロソモナスとニトロバクターのような微生物を混合させて、乾式濾過材35に含浸及び培養させることもでき、ニトロソモナスとニトロバクターのような微生物を纎維フィルター33とペレットフィルター34にそれぞれ独立的に含浸及び培養させて使用することもできる。
乾式濾過材35に好気性微生物が含浸及び培養される場合、活魚水噴射管16の噴射ノズル16aを通じて噴射される活魚水に多量の空気が溶解されるようにして、微生物の反応に必要な十分な酸素を提供することが望ましく、このために乾式濾過材35の上部側にエアホール32aが貫通形成されたエア供給管32を活魚水噴射管16と共に設置したのである。
【0071】
図6を基準にする場合、エア供給管32のエアホール32aが活魚水噴射管16の噴射ノズル16a下部に位置して、それぞれのエアホール32aはエア供給管32の側面部に形成された状態で、活魚水噴射管16の噴射ノズル16aから噴射される活魚水がエアホール32aを通じて流入される空気と垂直方向に交差される。これは活魚水と空気との摩擦接触力を増大させて、より多い量の空気が活魚水中に溶け込んで行くようにしたものである。
しかし、エア供給管32と活魚水噴射管16の配置状態及び空気と活魚水間の接触方式も図面に示したものに限定されない。図面上のエア供給管32と活魚水噴射管16が濾過槽カバー31の内側とコンテナの壁体W上にブラケット37によって固定設置されたものとして示しているが、エア供給管32及び活魚水噴射管16の固定手段も他のさまざまの手段が適用ができることは勿論である。
【0072】
前記方式で乾式濾過槽30を活魚コンテナ1のカーゴルーム3内部に設置すれば、乾式濾過材35が活魚水中に浸された状態で存在しないために、活魚コンテナ1の積載荷重には大きい影響を及ぼさない反面、活魚水の噴射ノズル16aから噴射された活魚水が乾式濾過材35に乗って垂れ下がる過程を経るので、活魚水の浄化能力自体は非常に優秀になる。
したがって、既存の湿式濾過槽7を適用しないで乾式濾過槽30のみを設置しても要求する水準の活魚水浄化能力を提供することができる。既存の湿式濾過槽7を共に適用する場合には、さらに優秀な浄化能力を提供できるだけではなく、湿式濾過材7bの嵩を最大限に縮めて、活魚の保存空間を最大限に確保することができる。
これによって、活魚コンテナ1で1回に運ぶことができる活魚の量を従来の場合と比べて大きく増大させることができ、活魚の輸送に必要となる物流費用の節減側面に実質的な寄与ができることは勿論であり、活魚コンテナ1が荷重制限にかかって輸送が不可能になる状況もあらかじめ防止することができる。
【0073】
特に、プロテインスキマー20と共に活魚水に含まれたアンモニア性窒素のような各種有害成分を乾式濾過材35に存在する微生物によってよりさらに効果的に除去することができるために、活魚水槽6に保存された活魚水の水質を原水に近く維持できるようにして、活魚の疾病と斃死をあらかじめ防止できるようにすることは勿論、活魚の輸送距離と輸送期間も最大限に延長させることができる。
これによって、物流費用がチープな活魚コンテナ船舶を利用して、さらに長距離、長期間の輸送ができるために、遠い距離に位置した国とも活魚の容易な輸出入が可能になることは勿論であり、車両を利用して遠い内陸にまで生きている状態の活魚をより新鮮に輸送することができる。
【0074】
これと併せて、図4のように活魚水冷却機14を通して延長される前記活魚水供給管17bと共に、湿式濾過槽7から加圧ポンプ18を通して延長される加圧配管18aが活魚水噴射管16の両側にそれぞれ連結設置されるようにすれば、循環ポンプ17と加圧ポンプ18の同時作用によって活魚水噴射管16の噴射ノズル16aから噴射される活魚水の噴射圧力をよりさらに大きく増大させることができる。
前記のように活魚水噴射管16の噴射ノズル16aから噴射される活魚水の噴射圧力を増大させれば、活魚水の噴射による粒度(水玉の大きさ)をよりさらに稠密にできることは勿論であり、活魚水の噴射幅もよりさらに広くできることによって、活魚水の噴射過程でより多い量の空気が活魚水中に溶解されるようにして、微生物の反応に必要な酸素供給だけでなく、活魚水の溶存酸素量を十分に確保する側面にもいっそうさらに寄与することができるようになる。
【0075】
本発明による活魚輸送用コンテナの他の要部に該当する構成要素としては、図1と図2及び図7にそれぞれ示すように、活魚水槽6の外側部または活魚水槽6の間に設置される湿式濾過槽7の寸法を調整するものであり、活魚水槽6と隣接した位置に活魚積荷用作業空間部40が提供されるようにする一方、作業空間部40に活魚積荷手段及び活魚水の補助循環器具が具備されるようにしたものであり、その以外の残り構成は上で説明されたものと同じである。
図2を基準にする場合、活魚水槽6の間に該当する空間を湿式濾過槽7及び作業空間部40が概略1/2ずつ占めるものとして示したが、湿式濾過槽7及び作業空間部40が占める嵩は、任意に調整が可能であり、作業空間部40に該当するコンテナ本体2の壁体Wには作業空間部40の内部に作業者が出入りできるように補助ドア2bが設置され、補助ドア2bの場合にもメインドア5と同じく、ドア開閉手段と共に外部との断熱機能と密閉機能が提供されるようにすることが望ましい。
【0076】
作業空間部40の内側には図7に示すように、積荷用配管43に積荷バルブ41が設置された活魚積荷手段を含み、補助循環配管44と補助循環ポンプ42及びエア流入管45からなる活魚水の補助循環器具がさらに具備されて、エア流入管45は活魚水槽6より高い位置まで延長される。
活魚積荷手段として積荷バルブ41を具備する積荷用配管43は、鰻や小さな魚または海老などの活魚を活魚水と共に活魚水槽6に積載(活魚コンテナに上車)させるか、または活魚水槽6から荷役(活魚コンテナから下車)させるのに使用されるものであり、活魚水槽6の下部側、多孔板隔壁29が設置された場合は、その直上部側に連結設置されて、積荷バルブ41にはバタフライバルブが一番望ましい。
これと併せて、補助循環器具の補助循環配管44は、湿式濾過槽7の多孔板隔壁29下側に提供された空間である活魚水排出チャンバ19を活魚水槽6と連結させることにより、補助循環ポンプ42の作動によって湿式濾過材7bを経って浄化された活魚水を活魚水槽6の内部に循環させる機能を遂行するようになる。
図面上では補助循環ポンプ42から活魚水槽6の高さ方向に沿って2個の補助循環配管44が分岐される一方、それぞれの補助循環配管44に開閉バルブVが設置されたものとして示しているが、補助循環配管44の設置個数及び開閉バルブVの適用有無は選択事項に該当する。
【0077】
また、補助循環ポンプ42から活魚水槽6側に延長されるそれぞれの補助循環配管44にはノズル部44aが形成されて、ノズル部44aにはエア流入管45が連結設置され、これはプロテインスキマー20装置を説明する過程で言及したように、補助循環配管44を通じて活魚水を循環させる過程でカーゴルーム3の内部空気がエア流入管45に沿ってミクロン単位の微細な気泡状態で活魚水中に混入されるようにしたものである。
したがって、プロテインスキマー20装置に具備されたエア流入管25aと、乾式濾過槽30で活魚水噴射管16と共に設置されたエア供給管32と、補助循環器具に具備されたエア流入管45によって活魚水中の溶存酸素量をいっそうさらに極大化させることができ、これによって気泡発生器のような別の酸素供給装置を設置しなくても、活魚コンテナ1による活魚の長期間、長距離輸送が充分に可能になる。
【0078】
前記のように活魚水槽6の外側または活魚水槽6の間に作業空間部40が提供されるようにする一方、作業空間部40に活魚積荷手段41、43が提供されるようにすれば、近距離輸送用活魚車両を活魚コンテナ1が位置した所に進入させた状態で、柔軟なホースなどを使って積荷用配管43を活魚車両の活魚タンクと連結させた後、積荷バルブ41を開放させる簡単な作業だけで、活魚水槽6に保存された活魚を活魚水と共に迅速で容易に荷役(下車)させることができる。
また、活魚の積載時にも、活魚コンテナ1の活魚水槽6より高い位置に活魚車両の活魚タンクが位置するようにした状態で、柔軟なホースなどを使って積荷用配管43を活魚車両の活魚タンクと連結させた後、積荷バルブ41を開放させる簡単な作業だけで活魚タンクに保存された活魚を活魚水と共に活魚水槽6の内部に迅速で容易に積載(上車)させることができる。
【0079】
これによって、活魚コンテナ1から活魚を積載及び荷役させる作業に必要となる時間と人力を最小化させて活魚の積荷作業による費用を最大限に節減させることができるだけでなく、手で握りにくい滑めらかな魚類や小さな魚または海老などの積荷作業に特に、有用に適用させることができ、活魚をバケツや竹籠または篩網などに盛って運搬させることによって発生する活魚の損傷も防止することができる。
本発明のまた他の要部に該当する構成要素としては、図1と図2及び図8にそれぞれ示すように、メインドア5と隣接したカーゴルーム3の内部前方側に設置されて、ポンプ器具などを作動させるコントロール部50の腐食を防止しながらも、活魚コンテナ1の外部空気によるコントロール部50の冷却を遂行できるようにしたコントロール部の冷却装置を提供するものである。
コントロール部冷却装置は、図8に示すように、図面上カーゴルーム3のメインドア5と壁体W上に設置される3個のコントロールパネル51を含んで、カーゴルーム3の底部に設置されるインバーター52とバッテリー53などのコントロール手段が密閉型ケースに形成されるパネルケース55とバッテリーケース56の内部にそれぞれ挿入されることを基礎とする。
【0080】
パネルケース55とバッテリーケース56は、カーゴルーム3の内部湿り気や塩分が含まれた空気がコントロールパネル51の電子制御部品やインバーター52及びバッテリー53と接触されないように防水及び気密処理がなされた密閉型ケースを使用するが、必要時にコントロールパネル51の修理や維持補修及びバッテリー53の入れ替えなどを遂行できるように、開閉ドアを具備するケースで形成させることが望ましい。
また、パネルケース55の開閉ドアは、コントロールパネル51による活魚コンテナ1の制御態様をカーゴルーム3の内部で肉眼に確認できるように透明な透視窓になるようにする一方、透明窓を開放させた状態でコントロールパネル51を操作できるように、各種表示窓や調節機及びスイッチ手段などがコントロールパネル51の前方面に具備されるようにして、前記バッテリーケース56はインバーター52とバッテリー53の設置及び作動状態を肉眼で確認できるように、操作部の前面にかけて透明プラスチックケースを使用することが望ましい。
【0081】
これと併せて、パネルケース55とバッテリーケース56は、連結管58によって連結設置される一方、カーゴルーム3のメインドア5または壁体Wから延長される空気流入管57と空気排出管59がそれぞれのパネルケース55と連結設置されることにより、パネルケース55及びバッテリーケース56の内部空間が空気流入管57と連結管58及び空気排出管59によって外部空気の循環通路を形成する。
前記のような状態で、空気流入管57や連結管58または空気排出管59やパネルケース55の内部に外部空気の循環のための送風機61を設置すれば、活魚コンテナ1の外部側空気がそれぞれのケース55、56を経て循環することができ、この過程でコントロールパネル51やインバーター52及びバッテリー53の作動時に発生する熱を外部空気によって冷却させることができる。
【0082】
特に、図9に示すように、それぞれのケース55、56内部空間を通じた空気の流動方向が該当ケース55、56の内側下部から内側上部に向けて対角線に横切る方向になるようにすれば、外部空気の循環によるコントロール部50の冷却作業をよりさらに効率的に遂行することができる。これは電子部品の稼動によって発生する熱がケース55、56の内側上部に集まる対流現象を基礎にしたものである。
このために、空気流入管57と連結管58及び空気排出管59は、外部空気の流動方向に合わせて各ケース55、56の角側と連結設置され、空気流入管57と連結管58及び空気排出管59は、配管連結作業を容易に遂行できるように任意方向に屈曲が可能な柔軟な材質のフレキシブル管を使用することが望ましい。 空気流入管57と連結管58及び空気排出管59は、それぞれのケース55、56を直列方式で連結することが原則であるが、必要によって並列式連結も可能である。 また、送風機61の場合にもカーゴルーム3の内部空気と接触しないように、空気流入管57や連結管58または空気排出管59の内部に挿入させて設置するか、またはパネルケース55内に内蔵させることが望ましく、場合によっては送風機61を別の送風機ケース60に挿入させた状態で、空気流入管57または空気排出管59が連結されるメインドア5または壁体W上に設置することもできる。
【0083】
送風機61は、それぞれのケース55、56内部に挿入された温度センサー(図示せず)によってその作動が制御されるようにすることが望ましくて、送風機61の作動及び制御は、カーゴルーム3の内部に設置される他の装置、すなわち、ポンプ器具などと同じく、コントロールパネル51とインバーター52及びバッテリー53で遂行されて、空気流入管57には外部空気中に含まれた異物を取り除く空気フィルター57aを設置することが望ましい。
図8及び図9に示すものは、本発明による活魚輸送用コンテナに適用されることができるコントロール部冷却装置の最適実施例であり、空気流入管57と空気排出管59との間に設置される密閉型パネルケース55の個数及び配置形態は、コントロール部50をなすコントロール手段の個数と種類に合わせて多様に変更することができる。
【0084】
例えば、パネルケース55とバッテリーケース56がそれぞれ1個ずつ設置できて、インバーター52とバッテリー53がお互いに違うケースに挿入され、バッテリー53を使わない場合には、パネルケース55だけが適用されて、必要によってコントロールパネル51とインバーター52及びバッテリー53を一つの密閉型ケース内にすべて挿入させることもでき、この場合、連結管58は適用されない。
前記のようにコントロール部50をなすすべてのコントロール手段が密閉型ケースに挿入されるようにする一方、該当ケースの内部空間に外部空気が循環するようにするものであり、カーゴルーム3の内部空気に含まれた水分と塩分がコントロール手段と接触しないようにしながらもコントロール部50の冷却作業を外部空気の循環方式によって効率的に遂行することができる。
【0085】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上説明したように、本発明は、コンテナの内部に活魚水循環装置とプロテインスキマーを含む濾過装置を活魚水槽と共に設置する一方、コンテナの外部側には活魚水冷却装置としての冷却ユニットが駆動装置と共に設置され、活魚の長期間、長距離輸送を可能にした活魚輸送用コンテナに関するものであり、産業上利用可能な発明に該当する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ本体(2)の内部にはカーゴルーム(3)が設置され、前記カーゴルーム(3)の後方側にはコンテナ本体(2)と一体で設置されるか、またはコンテナ本体(2)と着脱可能に組み立てられる駆動装置部(4)が設置され、 前記カーゴルーム(3)の内部にはコントロール部(50)と活魚水槽(6)と湿式濾過槽(7)が設置され、前記駆動装置部(4)には活魚水冷却装置(10)が設置され、前記活魚水冷却装置(10)はコンプレッサー(11)とコンデンサー(12)と膨張バルブ(13)を含む冷凍ユニットからなる活魚コンテナ(1)において、
前記カーゴルーム(3)の内部にはプロテインスキマー(20)と泡保存槽(23)が設置され、前記駆動装置部(4)には冷媒との熱交換を通じて活魚水を冷却させる活魚水冷却機(14)と外部空気の流入のためのブロワー(15)が設置され、
前記プロテインスキマー(20)は、スキマー用ポンプ(24)を具備する状態で活魚水槽(6)から延長される活魚水排出管(24a)と連結設置され、前記プロテインスキマー(20)からは活魚水供給管(24b)が延長され、活魚水槽(6)と再び連結設置され、
前記活魚水排出管(24a)にはノズル部(25)が形成され、このノズル部(25)にエア流入管(25a)が連結設置され、前記プロテインスキマー(20)の上端側に具備された泡排出口(21b)は、ガイドチャンネル(22)によって泡保存槽(23)と連結設置され、
前記活魚水冷却機(14)は、蒸発器としての冷媒パイプ(14a)内部に活魚水冷却管(14b)が挿入された2重管熱交換機になって、前記活魚水冷却管(14b)は湿式濾過槽(7)から循環ポンプ(17)を具備する状態で延長される活魚水排出管(17a)と連結設置され、前記活魚水冷却管(14b)からは活魚水供給管(17b)が延長されて、カーゴルーム(3)内部の活魚水槽(6)と再び連結設置され、
前記カーゴルーム(3)の内部には駆動装置部(4)のブロワー(15)と連結されたエア供給管(32)が設置され、前記コンテナ本体(2)のメインドア(5)または壁体Wには排気口(2a)が設置されることを特徴とする活魚輸送用コンテナ。
【請求項2】
前記カーゴルーム(3)の内部に該当する活魚水槽(6)の一側上部には、濾過槽カバー(31)とコンテナ本体(2)の壁体Wとの間に乾式濾過材(35)が挿入された乾式濾過槽(30)が設置され、
前記活魚水冷却機(14)からカーゴルーム(3)の内部に延長される活魚水供給管(17b)は、多数個の活魚水噴射ノズル(16a)を具備する状態で乾式濾過材(35)の上部側で乾式濾過材(35)の長さ方向に沿って設置される活魚水噴射管(16)になり、
前記エア供給管(32)は、複数個のエアホール(32a)が長さ方向に沿って形成された状態で乾式濾過材(35)の上部側で活魚水噴射管(16)と平行に位置するように設置されることを特徴とする請求項1に記載の活魚輸送用コンテナ。
【請求項3】
前記乾式濾過材(35)は、濾過槽カバー(31)の内側下部に位置する多孔性ペレットフィルター(Pellet filter)(34)と、該ペレットフィルター(34)の上部側に位置する多孔性纎維フィルター(33)からなり、
前記纎維フィルター(33)とペレットフィルター(34)には、活魚水浄化用微生物が含浸及び培養されたことを特徴とする請求項2に記載の活魚輸送用コンテナ。
【請求項4】
前記活魚水噴射管(16)の他側端には、湿式濾過槽(7)から加圧用ポンプ(18)を具備する状態で延長される加圧配管(18a)が連結設置されることを特徴とする請求項3に記載の活魚輸送用コンテナ。
【請求項5】
前記乾式濾過槽(30)の濾過槽カバー(31)下端には排水口(31a)が形成され、前記活魚水槽(6)の一側上部面には乾式濾過材(35)を経った活魚水の流入のための側口(6b)が提供され、
前記活魚水槽(6)の上部面所定位置には活魚水の流出防止と活魚水の分配機能を遂行する制水板(9)が設置されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の活魚輸送用コンテナ。
【請求項6】
前記湿式濾過槽(7)は、活魚水槽(6)の外部に設置され、活魚水槽(6)と隣接した位置には湿式濾過槽(7)と共に活魚積荷用作業空間部(40)が提供され、
前記作業空間部(40)が位置するコンテナ本体(2)の壁体Wには作業者の出入りのための補助ドア(2b)が設置され、前記作業空間部(40)の底側には活魚水槽(6)の下端側から積荷バルブ(41)を具備する状態で延長される積荷用配管(43)が設置されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の活魚輸送用コンテナ。
【請求項7】
前記作業空間部(40)の底側には、補助循環ポンプ(42)が設置され、前記補助循環ポンプ(42)には湿式濾過槽(7)から活魚水槽(6)の内部に活魚水を循環させる補助循環配管(44)が連結設置され、
前記補助循環ポンプ(42)から活魚水槽(6)側に延長される補助循環配管(44)にはノズル部(44a)が形成され、前記ノズル部(44a)にはエア流入管(45)が連結設置されることを特徴とする請求項6に記載の活魚輸送用コンテナ。
【請求項8】
前記コントロール部(50)は、複数個のコントロールパネル(51)及びインバーター(52)とバッテリー(53)を含み、
前記それぞれのコントロールパネル(51)は、電子制御手段が密閉型パネルケース(55)の内部に挿入設置され、前記インバーター(52)とバッテリー(53)は、密閉型バッテリーケース(56)の内部に挿入設置され、
前記密閉型パネルケース(55)とバッテリーケース(56)は、コンテナ本体(2)のメインドア(5)または壁体Wから延長される空気流入管(57)及び空気排出管(59)とそれぞれのケース(55)、(56)を連結する連結管(58)によって外部空気の循環通路を提供し、
前記空気流入管(57)や空気排出管(59)または密閉型パネルケース(55)の内部には送風機(61)が設置されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の活魚輸送用コンテナ。
【請求項9】
前記空気流入管(57)と空気排出管(59)と連結管(58)は、密閉型パネルケース(55)とバッテリーケース(56)の内部で上部側対角線方向の空気流れが提供されるように、密閉型パネルケース(55)とバッテリーケース()56)の角側に連結設置されることを特徴とする請求項8に記載の活魚輸送用コンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−507120(P2013−507120A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533086(P2012−533086)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/KR2010/006876
【国際公開番号】WO2011/043614
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512002895)デイル カンパニー リミテッド (2)
【出願人】(512002909)
【Fターム(参考)】