流体をシリンジ内に供給するための装置、シリンジ充填ステーションおよびシリンジに流体を充填する方法
本発明は、定められた量の流体をシリンジに充填することができるシリンジ充填ステーションに関する。一実施形態において、シリンジ充填ステーションは、リザーバ取付部と、流体供給システムと、シリンジ保持ガイドと、流体をリザーバからシリンジへと移動させるポンプとを備えている。流体供給システムは、充填ステーション内に挿入可能で且つリザーバからシリンジへと向かう流体通路を形成する無菌消耗カートリッジを備えていても良い。また、シリンジ充填ステーションはユーザインタフェースを有していても良い。オペレータは、シリンジ内に導入される流体の量を指定するためにユーザインタフェースにコマンドを入力することができる。ユーザインタフェースは、ポンプ速度を制御するプロセッサに対して接続されていても良く、これにより、所望量の流体をシリンジに充填することができる。また、充填ステーションは、特に、チューブ内の空気を検出したり、リザーバが使い果たされたことを検出したりするセンサを有していても良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはシリンジ充填の分野に関し、特に蠕動シリンジ充填のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療処置では、シリンジ(注射器)を使用して流体を患者内に注入することが必要である。特に、CT注射器等の医療流体注入システムは、1または複数のシリンジを使用して、測定されたある量の流体を患者内へ注入する。シリンジを使用して流体を注入する前に、最初に流体をシリンジに充填しなければならない。ときには、シリンジの充填が不正確であったり、不便であったり、融通が利かなかったりする場合がある。
【0003】
充填済みのシリンジを得る1つの方法は、所望の流体が予め充填されているシリンジを購入することである。しかしながら、この方法には幾つかの欠点がある。第1に、所望の流体が予め充填されたシリンジは簡単に入手できない場合がある。第2に、シリンジが入手できたとしても、シリンジが所望量の流体を有していない場合もある。これらの理由および他の理由から、予め充填されたシリンジは望ましいとはいえない。
【0004】
シリンジを充填する他の方法としては、チューブを介して供給リザーバに空のシリンジを接続することを挙げることができる。シリンジプランジャはシリンジバレルから手で引き出される。プランジャが引き出されると、リザーバ内の流体がシリンジ内に導入される。この方法は、流体のタイプやシリンジに予め充填される量に関して大きな自由度を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、オペレータは、所望量の流体がシリンジへと移された時期を決定するためにシリンジ内に入った流体の量を “じっと見つめ”なければならない。ここで、移される流体の精度は、オペレータの技能および注意力に依存する。また、空気がチューブ内に捕捉されるため、シリンジを完全に満たすことが難しいかもしれない。また、必要な真空を形成して流体をシリンジ内に導入することが難しいかもしれない。更に、双方にバレル内に流体を導入すると、シリンジを充填するためにリザーバ全体が利用されないため、シリンジ内が汚染される可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの他の実施形態において、本発明は、実質的に正確な量の流状媒体をシリンジに充填することができるシリンジ充填ステーションである。また、その充填ステーションは、片手で簡単に操作できる完全密閉型のシステムであっても良い。また、その充填ステーションは、造影剤やフラッシング流体等の多種多様な流体と共に使用されても良い。
【0007】
本発明の1つの他の実施形態において、シリンジ充填ステーションは、リザーバ取付部と、流体供給システムと、シリンジ保持ガイドと、流体をリザーバからシリンジへと移動させるポンプとを備えている。一実施形態において、その流体供給システムは、充填ステーション内に挿入可能で且つリザーバからシリンジへと向かう流体通路を形成する無菌消耗カートリッジであっても良い。また、流体供給システムは、一端をスパイクに取り付けられ、他端をカニューレに取り付けられた可撓性チューブを含んでいてもよい。スパイクは、リザーバ内に挿入することができ、カニューレは、少なくとも一部がシリンジ内に挿入可能である。チューブは、シリンジ充填ステーションを貫通することができ、ポンプの近傍に配置することができる。一実施形態においては、ポンプの回転により流体がチューブを通じて移動する。
【0008】
また、シリンジ充填ステーションは、ユーザインタフェースを含んでも良い。一実施形態において、オペレータは、シリンジ内に導入される流体の量を指定するためにユーザインタフェースにコマンドを入力することができる。所望量の流体をシリンジに正確に充填するため、ユーザインタフェースは、ポンプ速度を制御するプロセッサに接続することができる。また、充填ステーションは、チューブ内の空気を検出したり、リザーバが空になったことを検出するようなセンサを有していても良い。センサは、プロセッサに信号を送信することができる。プロセッサは、センサから受けたデータに応じて特定の機能を実行するようにポンプに指示することができる。その結果、充填ステーションを使用して、所望量の流体をシリンジに正確且つ効率的に充填することができる。
【0009】
一実施形態においては、使い捨て可能な投与カートリッジが予め組み立てられた状態で利用可能であり、これにより、投与カートリッジをシリンジ充填ステーション内に簡単に位置決めして配置することができる。投与カートリッジは、リザーバとスパイクとの間およびカニューレとシリンジとの間で無菌または滅菌インタフェースが維持されるようにするのに役立つ。また、シリンジ充填ステーションは、シリンジがシリンジ保持ガイド内に挿入される際にオペレータがシリンジを観察することができる透明なプラスチック窓を有していても良い。結果として、シリンジ充填ステーションは、医療流体をシリンジに充填するための無菌または滅菌環境を与える。
【0010】
また、本発明は、シリンジ充填ステーションを使用する方法も含んでいる。本発明の一実施形態において、本発明は、a)リザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、流体ポンプと、シリンジ保持ガイドとを有する充填ステーションを用意するステップと、b)突出部材と、カニューレと、可撓性チューブとを有する流体供給システムを用意するステップと、c)上記流体供給システムを上記充填ステーション内に取り付けて、上記リザーバ取付部から上記シリンジ保持ガイドへと向かう流体通路を形成するステップと、d)流体リザーバを上記リザーバ取付部に接続するステップと、e)上記カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に部分的に挿入されるように、シリンジを上記保持ガイド内に挿入するステップと、f)流体を上記リザーバから上記シリンジへと圧送するステップとを含む。
【0011】
したがって、特に、本発明は、流体をシリンジに充填するための効率的で且つ信頼できる装置および方法を提供する。本発明の他の目的、特徴、利点は、以下の本発明の詳細な説明および添付図面を鑑みれば、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
これまで一般的な言葉で本発明を説明してきたが、次に、添付される非限定的な図面を参照する。これらの図面は、必ずしも一定の比率で描かれていない。
【図1】本発明のシリンジ充填ステーションの典型的なグラフィック図である。
【図2】本発明のシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図3】ポンプを示している図1に示されるシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図4】バッグの形態を成すリザーバに適合するシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図5】本発明のシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図6】ポンプモータを描いている本発明のシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図7】シリンジ内に部分的に挿入されるカニューレを描いた典型的な概略図である。
【図8】本発明のタッチスクリーンを描いた典型的なグラフィック図である。
【図9】充填ステーションの一実施形態の電気的構成の概略を示す典型的なブロック図である。
【図10】本発明にしたがってシリンジを充填するためのプロセスを示す典型的なフローチャートである。
【図11】シリンジ充填動作とユーザインタフェース上に表示可能な機能とを関連付ける典型的なフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明について更に十分に説明する。実際には、本発明は、多くの異なる形態で具現化されても良く、ここに示された実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は単なる例示的な目的で与えられている。
【0014】
一実施形態において、本発明は、選択された或いは所定の量の流体でシリンジを満たすことができるシリンジ充填ステーションである。そのステーションは、リザーバを受けるためのリザーバアウトレットと、シリンジを解放可能に受けて固定するためのシリンジ保持ガイドと、リザーバとシリンジとの間に流体通路を形成する流体供給システムと、流体をリザーバからシリンジへと移動させるためのポンプとを有していても良い。1つの好ましい実施形態において、シリンジ充填ステーションは、シリンジに供給される流体の量を入力して制御するためのユーザインタフェースを有している。
【0015】
リザーバは、造影剤等の医療分野で有用な流体を収容することができる。“造影剤”という用語は、一般に、医療分野で一般的に使用され且つ患者内に注入することができ、患者が例えばX線走査されている間に患者の身体の選択された領域を強調して示すことができる任意の適当な媒体のことである。一般に、造影剤は、CTスキャン、MRI、超音波診断等の医学的な画像診断を行なうための撮像装置と共に使用される。注射器と共に使用できる他の媒体としては、生理食塩水媒体やフラッシング媒体等を挙げることができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、充填ステーションは、一般に最大で約100cpsの粘度を有するニュートン流体でシリンジを満たすのに特に役立つ。一般に、粘度は、約0.5から100cpsであり、好ましくは約1から50cpsである。
【0016】
典型的な一実施形態において、本発明は、流体をシリンジ内に供給するための装置である。その装置は、流体を有するリザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、シリンジを解放可能に固定するためのシリンジ保持ガイドと、リザーバとシリンジとの間に流体通路を形成する消耗投与カートリッジと、流体をリザーバから投与カートリッジを通じてシリンジ内へと圧送するためのポンプとを備えている。投与カートリッジは、リザーバ内に挿入するための突出部材と、突出部材に取り付けられる先端部を有する可撓性チューブと、少なくとも一部がシリンジ内へ挿入されるようになっている可撓性チューブの基端部に取り付けられるカニューレとを備えている。好ましくは、投与カートリッジは単一のカートリッジとして利用できる。この場合、突出部材、カニューレおよびスパイクは、充填ステーションに簡単に取り付けることができるように予め組み立てられている。
【0017】
他の典型的な実施形態において、本発明は、流状媒体を有するリザーバと、リザーバ内に挿入される突出部材を有する流体供給システムと、先端部を突出部材に取り付けられる可撓性チューブと、可撓性チューブの基端部に取り付けられるカニューレと、略細長い本体を有するシリンジであって、その吐出部位の近傍に通路が配置され、流体をリザーバからシリンジ内へと供給できるようにカニューレが上記通路内へと延びているシリンジと、流体をリザーバからシリンジへと圧送するポンプと、ポンプに動作可能に接続され、特定量の流体がシリンジへと送り込まれるようにポンプを制御できる制御ユニットとを備えている。
【0018】
図1を参照すると、典型的なシリンジ(注射器)充填ステーションが広く参照符号10で示されている。シリンジ充填ステーション10は、流体ポンプ(図示せず)を収容するハウジング12と、リサーバ取付部17と、シリンジ保持ガイド50とを有していても良い。リザーバ取付部は、リザーバ15を取り外し可能に受けることができるようになっている。シリンジ25をガイドしてハウジング12内に位置決め固定するために、シリンジ保持ロックまたはガイドを使用することができる。幾つかの実施形態において、ハウジングは、オペレータが目で見て正確にシリンジを挿入して取り付けるのに役立つ透明観察窓11を含むことができる。透明観察窓11は、空気中に浮遊する汚染物質がハウジング内に配置されるシリンジの先端へと向かうことができないようにする部分的なバリアを形成している。流体供給システム(図示せず)は、リザーバからシリンジへと向かう流体経路を画定している。また、充填ステーションは、デジタルディスプレイ110と、例えば停止、ポーズ、パージライン、充填量等のシリンジ充填コマンドを入力するための接触制御部105とを有するユーザインタフェース106を含むことができる。
【0019】
図1に示されるシリンジ充填ステーションは、壁に装着でき或いは卓上に載置できる全体または一部が密閉されたユニットであっても良い。シリンジ充填ステーションは、無菌通路を通じて無菌流体を、無菌であっても良いシリンジの内部へと供給するための無菌機構または管路を備えている。
【0020】
一実施形態において、充填ステーション10は、リサーバからシリンジへと流体を送る使い捨て可能な流体供給システムを含む。流体供給システムは、投与セットまたはカートリッジとも呼ばれており、毎日または他の特定の望ましい時に交換できる消耗カートリッジである。図2および図3を参照すると、シリンジ充填ステーションの概略図が示されている。流体供給システムは、例えばスパイク等の外側に突出する部材を含むがそれに限定されない突出部材35と、可撓性チューブ40と、カニューレ45とを有していても良い。スパイク35はリザーバ15内に挿入することができる。スパイクは可撓性チューブの上端または先端43に取り付けられる。チューブ40の下端部または基端部41はカニューレ45に取り付けられる。流体供給システムは、流体がリザーバからシリンジへと流通することができる通路を形成している。一実施形態において、流体投与セットは、リザーバまたはシリンジの手前でシリンジ充填ステーション内に取り付けられる。
【0021】
図2,3及び6に示されるように、スパイクはリザーバ内に挿入することができる。スパイクは入口点であり、それにより、流体は、投与セット内に流入することができ、シリンジへと移動することができる。スパイクは、流体がリザーバから圧送される際に空気がリザーバ内へと通過できるように通気可能である。通気孔を通じて空気がリザーバから出ることができないように、通気は一方向のみであっても良い。通気スパイクは、フィルターがかかっていてもかかっていなくても良い。スパイクは、例えば標準的なゴムコック付きのボトルまたはバック内に挿入することができる。スパイクは、スパイクロック機構または支持カラー37によって支持することができる。スパイク支持カラー37は、一般に、リザーバ15に隣接して配置される。スパイク支持カラーは、スパイクを支持するとともに、スパイクがリザーバ内で位置を変えたり或いはスパイクが誤ってリザーバから外れてしまうことを防止する。リザーバが使い果たされると、空になったリザーバをスパイクから簡単に取り外すことができるとともに、新しいリザーバをスパイクに取り付けて接続することができる。この場合、たとえあったとしても、スパイクの物理的な操作は僅かである。その結果、汚染物質を減らすこと、或いは制限することができ、それにより、シリンジ充填ステーションはシリンジ充填のための無菌環境を与える。
【0022】
可撓性チューブは、スパイク35からカニューレ45へと延びていても良い。チューブは、充填ステーションを貫通する流体通路を形成しても良い。蠕動態様で圧力をチューブに対して加えるポンプを使用することにより、チューブを通じて流体を移動させることができる。可撓性チューブは任意の適当な高分子材料から成っていても良い。ただし、その材料が柔軟で耐久性があり医療用途に適している場合に限る。
【0023】
カニューレ45はシリンジ保持ガイドに近接して配置される。カニューレは一般に大きな孔を有していても良い。図2および図3は、カニューレがシリンジの中心に位置決めされるように、カニューレを位置決め固定するためのガイド機構を示している。前述したように、カニューレは、一般に、チューブ40の下端に取り付けられる。カニューレは、カニューレマウントハウジング53に固定されたカニューレマウント47およびカニューレガイド49を用いて位置決めすることができる。マウントハウジング53により、シリンジ開口の中心線がカニューレの中心線と一致するようになる。カニューレマウント47およびガイド49は、シリンジの挿入時にカニューレがシリンジ内で中心に位置付けられる(図7参照)ように、カニューレを位置決めすることができる。その結果、シリンジ充填ステーション内にシリンジを簡単に挿入して位置合わせすることができる。他の実施形態において、カニューレ45、カニューレマウント47、カニューレガイド49は、上昇された後、シリンジ保持ガイド内に予め位置決めされたシリンジ内へと下降させることができる。これに関し、図3は、カニューレ45aがシリンジ25の上側の上昇位置に置かれた状態を示している。シリンジが保持ガイド内に挿入されると、カニューレ45がシリンジ内へと下降される。リニアスライド51(破線で示されている)はカニューレ45を昇降させることができる。リニアスライドは、一般に、手動機構または機械的機構により下降または上昇される。また、シリンジ充填ステーションは透明観察窓82を有し、この透明観察窓を通じてオペレータが目で見てシリンジを取り付け且つカニューレを配置できるようになっていても良い。カニューレガイドおよび観察窓は、カニューレとシリンジ先端との間の接合点での汚染を防止するのに役立つ。その結果、汚染の可能性を制限でき、シリンジを交換および充填している間、無菌環境を維持することができる。
【0024】
リザーバは、多種多様な方法で充填ステーションに取り付けることができる。リザーバ取付部は、リザーバを位置決め固定することができなければならないが、その一方で、リザーバを簡単に取り外すことができなければならない。図1に示されるように、ハウジングは、リザーバ15を取り外し可能に受けるとともにリザーバを取り付けて接続するようになっている入口17を有していても良い。また、リザーバは、リザーバを取り外し可能に受けることができるストラップ、ブラケット、スリーブ、フック、ハンガ等を用いてハウジングに固定することもできる。図4および図5は、リザーバを支持するためのハンガ機構またはフック機構から成るリザーバ取付部19を用いて支持されて位置決めされるリザーバを示している。また、リザーバ取付部は、バッグを固定するための支柱を含んでいても良い。
【0025】
本発明の他の実施形態において、シリンジ保持ガイドは、充填ステーション内でシリンジを解放可能に保持する。シリンジ保持ガイドは、充填ステーション内でシリンジを位置決め固定するようになっているとともに、シリンジをカニューレ45と位置合わせするためのガイドとしての機能を果たすようになっている。シリンジ保持ガイドは、シリンジがオペレータによって取り付けられた後に充填ステーション内でシリンジを固定的にロックするようになっていることが好ましい。図2において、シリンジ保持ガイド50は、ガイドスリーブ52と、シリンジを把持して固定することができる把持クリップまたはクランプ54とから成るように示されている。ガイドスリーブ52は、カニューレ45がシリンジの内側壁と接触することなくシリンジ内に入るように、シリンジを充填ステーション内へと向かせる。ガイドスリーブは、カニューレがシリンジ内で中心付けられるように、シリンジを保持ガイド内へ向かせるのが好ましい。シリンジは、カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に入るように、充填ステーション内で位置決めされなければならない。カニューレは、流体の漏れを防止する程度までシリンジ内に挿入されなければならないが、その一方で、シリンジを充填することができ且つシリンジ内から空気を逃がすことができなければならない。図7は、シリンジ25内に部分的に挿入されるカニューレ45を示している。充填プロセス中、空気は、シリンジ25の内壁とカニューレ45との間に存在する小さな通路29を通じてシリンジ内から逃げることができる。シリンジ保持ガイド50は、シリンジを解放可能に固定するためにブラケット、ストラップ、クリップ等を有していても良い。これに関して、図3および図5は、シリンジを解放可能に保持するために使用される2つの異なるタイプのシリンジ保持ガイドを有する充填ステーションを示している。一般に、保持ガイドは、シリンジを保持固定するために、シリンジの容器に対して圧力を加える。また、保持ガイド50は、シリンジを支持するためにシリンジ支持棚75を有していても良い。棚がオプションでピボット部材80を有していても良く、このピボット部材80により、棚は当該ピボット部材を中心に回動することができる。また、棚は、スライド可能に位置を変えることもできる。その結果、棚を好きなように移動させて、シリンジをシリンジ保持ガイド内に簡単に挿入することができ、あるいは、シリンジをシリンジ保持ガイドから引き出すことができる。
【0026】
また、充填ステーションは、カニューレ45を覆う透明なプラスチックシールド82を含んでいても良い。そのシールドにより、オペレータは、無菌シリンジまたは投与セットを汚染させることなく充填ステーション内へのシリンジの挿入を観察することができる。
【0027】
一実施形態においては、流体をリザーバからチューブ40を通じてカニューレ45へと圧送するために流体ポンプ20が使用される。この場合、カニューレ45においては、流体をシリンジ内へと導入することができる。図5に示されるように、流体ポンプ20としては、モータ22と、シャフト24と、ポンプ圧をチューブに対して加える回転可能な蠕動ヘッド26(図3参照)とを有する蠕動装置20を挙げることができる。一実施形態において、蠕動ポンプは、リニア蠕動ポンプ、回転蠕動ポンプ、または環状蠕動ポンプであっても良い。一実施形態においては、DCギアヘッドモータ22が蠕動ヘッドを駆動させることができる。更に他の実施形態において、モータは、制御ユニットまたはプロセッサに、動作可能に接続されている。プロセッサは、モータ速度を増大させ或いは減少させても良い。モータ速度を制御することにより、ポンプステーションは、所望量の流体でシリンジを正確に満たすことができる。蠕動装置は、一定の速度および可変速度で動作することができる。流体ポンプ、制御ユニット、電源、プロセッサは、通常、ハウジング内に収容されている。図2に示されるように、除去可能な筐体14がポンプ・制御ユニットを覆って取り囲んでいる。一般に、ポンプおよび制御ユニットには電力コード(図4参照、参照符号90)を用いて電力が供給される。一実施形態において、ポンプは、付加的な加圧ポンプを使用することなく、流体をリザーバからシリンジへと移動させることができる。
図3に示されるように、流体ポンプ20は締め付け機構28も有しており、この締め付け機構28を緩めることにより、チューブをポンプ内に通して蠕動ヘッド26の周囲に装着することができる。図3に示されるように、締め付け機構は、簡単に操作できるサムスクリューであっても良い。様々な異なる機構およびファスナ(締結具)を使用してチューブを固定できることは言うまでもない。他の実施形態においては、チューブ40を取り付け及び取り外すため、手動操作のためのレバー機構または特定の電気機械的な機構を使用して、蠕動ポンプ20に属するステータとローラとの間の幾何学的な隙間を開閉することができる。また、チューブと接続する蠕動ポンプ20の部分を開閉するために使用される任意の機構または装置が、チューブの取り付け及び取り外しを容易にするための幾何学的な特徴および特性を有していても良いと考えられる。そのような幾何学的な特徴および特性は、同様に、蠕動ポンプ内へのチューブの取り付け及び取り外しを容易にするため、チューブの外面に取り付けられ或いはチューブの外面上に装着される特定の中間部品と接続することができる。そうような構造は、アライメントタップのように単純であるか、あるいは、蠕動ポンプに適合するチューブを取り囲むカートリッジのように複雑であり得る。
流体リザーバは、造影剤、フラッシング剤、流体薬剤等の多種多様な異なる流体を収容していても良い。シリンジ充填ステーションは、CT注射器で使用される造影剤等の流体をシリンジに充填するのに特に役立つ。流体リザーバは、ボトル、バッグ、ポーチ、容器等の形態を成すことができる。また、リザーバは、様々なサイズをとることができる。一般的なリザーバの容積は約10から1000ccの範囲をとることができる。この場合、約50から500ccの容積が、幾分、より好ましい。例えば、CT注射器により患者に対して注入されるヨード造影剤は、通常、この範囲内のボトルおよびバッグ内に、繰り返し分配される。
【0028】
シリンジ充填ステーションは、この充填ステーションを制御するためにオペレータが使用できるユーザインタフェースを含んでいても良い。インタフェースを用いて入力できる一般的なコマンド機能としては、容積充填、新シリンジ、充填開始、ポーズ、停止、パージを挙げることができるが、これらに限定されない。オペレータは、シリンジ内に導入される流体の量を指定するためにインタフェースを使用することができる。本発明の一実施形態において、ユーザインタフェースは、オペレータがコマンドを入力できるタッチスクリーンの形態を成すことができる。タッチスクリーンは、充填ステーションと通信を行なうPCシステム内に組み込まれていても良く、あるいは、充填ステーションハウジング上に配置することができる。幾つかの実施形態において、シリンジ充填ステーションは、例えば注射器のユーザインタフェース上に設けることができ或いは表示可能な遠隔のインタフェースと通信し且つこのインタフェースにより制御されて動作される。シリンジ充填ステーションの制御装置は、その全体または一部が外部のユーザインタフェース上に設けることができる。これに関連して、図3に示されるように、シリンジ充填ステーションは、有線通信または無線通信のための入力/出力(I/O)端子202を含んでいても良い。図3から図6は、ハウジング12の外面上に配置されたタッチスクリーン200を示している。図8は、充填ステーションを動作させるために使用できる典型的なタッチスクリーン200を示している。タッチスクリーン200は、シリンジを充填するための幾つかの専用のコマンドを含むことができる。インタフェースは、専用のキーボード210を有していても良く、あるいは、シリンジ内に導入される流体の量を変えるための“上”矢印または“下”矢印を有していても良い。また、ユーザインタフェースは、現在のシリンジ量を示す表示220と、供給されるべき量を示す表示230とを有している。タッチスクリーン200は、“充填開始”240、“新しいシリンジの装着”250、“パージ”260等の専用のコマンド機能を有していても良い。ユーザインタフェースは、図8に示されるものに付加して或いは図8に示されるものとは異なる専用のボタンを有していても良い。他の実施形態において、ユーザインタフェースは、例えばE−Z−EM Empower CTリモート制御装置等の既存の注射器インタフェースに組み込むことができる。あるいは、シリンジ充填ステーションのデータインタフェースは、撮像装置あるいは撮像システムまたは病院内に設置された他の医療情報ITシステム等の外部の或いは遠隔のインタフェースと通信することができるとともに、当該インタフェースに対して動作可能に接続することができる。図3に示されるように、シリンジ充填ステーションは、幾つかの実施形態において、外部の制御システムまたはネットワークと通信できるI/Oポートまたはデータ相互接続部202を有することができる。データ相互接続部は、有線であっても良く、あるいは無線であっても構わない。外部インタフェースは、操作コマンドをシリンジ充填ステーションに入力するために使用できる。例えば、外部インタフェースは、シリンジ充填量を患者毎に自動的に定めるために使用できる。これにより、医療的な介護プロセスを通じ、電子的に、患者の追跡を行いやすくするのに役立てることができる。また、そのようなデータ/制御能力は、印刷装置からハードコピー情報を生成するために使用できる。特に、印刷ラベルの形態を成すそのようなハードコピーデータは、シリンジがシリンジ充填ステーションから取り外される際に識別する目的でシリンジに貼り付けることができ、その後、患者への注入にわたって取り扱うことができる。例えば、ラベル上に印刷できる有用な識別情報としては、日付、時間、充填者、患者名、患者ID番号、シリンジに充填された流体の医学名、シリンジに充填された流体の商品名、シリンジに充填された流体のロット番号、シリンジに充填された流体の量、警告、使用上の注意等及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態においては、前述した情報を有する簡単に利用できる印刷ラベルを提供するため、シリンジ充填ステーション内にOEMプリンタを組み込むことができる。
【0029】
充填ステーションは、操作を行なうための制御ユニットを有していても良い。これに関連して、図4は、制御ユニット195を有するシリンジ充填ステーションを示している。制御ユニット195は、一般的に、充填ステーション中に組み込まれるマイクロプロセッサを有している。プロセッサは、ユーザインタフェース200および様々なセンサと通信することができる。制御ユニットは、充填ステーションを制御し且つユーザインタフェース、ポンプまたは様々なセンサから受けた情報およびデータを処理するためのコンピュータコードまたはプログラムを有していても良い。また、プロセッサはポンプ20に対して動作可能に接続されている。本発明の1つの他の実施形態において、プロセッサは、正確な量の流体がシリンジに供給されるようにポンプを正確に制御することができる。通常、ポンプとプロセッサは互いに通信を行なう。ポンプは、ポンプ速度やポンプ回転数等のデータをプロセッサに対して送ることができ、これにより、プロセッサは、シリンジ内に導入された流体の量を正確に計算して測定することができる。一実施形態においては、ポンプモータがエンコーダを有していても良い。この実施形態においては、エンコーダのパルスを数えることにより、シリンジに供給される量を測定することができる。使用中、プロセッサは、シリンジ内に導入された流体の量を測定する。また、プロセッサは、投与カートリッジ内に存在し得る空気を補っても良い。また、プロセッサは、付随的に、頻繁に使用される充填操作およびルーチンシステム機能を行なうために使用できるプログラム可能なコードを含むこともできる。例えば、特定の導入量が繰り返し使用される場合には、オペレータが新しいシリンジ毎に新たな充填レベルを入力する必要なく流体の設定量を供給できるように、プロセッサをプログラム可能である。
【0030】
新たな投与カートリッジがシリンジ充填ステーション内に組み込まれる場合には、チューブ内に収容された空気をパージするように、ポンプに手動または自動で指示するためにインタフェースが使用されても良い。
【0031】
本発明の他の実施形態において、充填ステーションは、プロセッサと通信し且つシステムの状態を監視できるセンサを有していても良い。そのようなセンサとしては、エアー・インライン・センサまたはリザーバ・エンプティ・センサ、新しいシリンジが充填ステーション内に装着される時を検出するセンサ、投与カートリッジの存在を検出するためのセンサ、新たなリザーバが加えられた時を検出するためのセンサを挙げることができる。これらのセンサは、シリンジ充填ステーションの性能および効率を最適化するために使用できる。
【0032】
エアー・インライン・センサは、チューブ内における空気の存在を検出することができ、あるいはリザーバ内の流体が使い果たされたことを検出することができる。センサ55は、通常、リザーバ15とポンプ20との間に配置される。図2および図3に示されるように、リザーバに隣接してセンサ55を配置することができる。チューブ40は、センサ50を貫通しても良い。エアーポケットまたは気泡がチューブ内に入ってセンサ50を通過して移動する場合、センサは、チューブ内における空気の存在を示す信号またはリザーバが使い果たされたことを示す信号をプロセッサに送ることができる。リザーバが使い果たされたことをセンサが検出すると、プロセッサは、リザーバが空になっているというメッセージを表示するようにインタフェースまたは遠隔制御装置に命令する。一実施形態では、メッセージが除かれるまでは操作が解除されない。
【0033】
図9を参照すると、シリンジ充填ステーションの一実施形態の電気的な概略構成が示されている。図9に示されるように、プロセッサは、様々な機能を果たすとともに、多くのセンサおよび装置に対して動作可能に接続されている。また、プロセッサは、PCディスプレイまたはシリンジ充填ステーションにコマンドを入力するために使用できる他の計算CPU等の遠隔制御インタフェースと通信することもできる。
【0034】
また、プロセッサは、空気をチューブ内からパージするために必要な流体の量を自動的に補うことができる。例えば、プロセッサは、新たな投与カートリッジが取り付けられた後にチューブ内の空気を補う。また、プロセッサは、新たなリザーバが取り付けられた後にシステム内に存在する空気を補うこともできる。
【0035】
また、システムは、投与カートリッジを交換する必要があることをオペレータに警告できるタイミング機構を有していても良い。オペレータが新たな投与カートリッジをシリンジ充填ステーション内に取り付けると、ハウジング12内、例えばシリンジ保持ガイドの近傍に位置された検出器は、新たなカートリッジの装着を検出することができる。センサは、新たなカートリッジが装着されたという信号を制御ユニット(プロセッサ)へ送信することができる。その後、プロセッサは、投与カートリッジを交換すべき特定の期間が経過した後にオペレータに警告するようにプログラムされた内部タイマを始動させることができる。また、シリンジ充填ステーションは、新たなシリンジがシリンジ保持ガイド内に挿入された時を検出するためのセンサを有していても良い。新たなシリンジが検出されると、プロセッサは、シリンジ量の表示をゼロにリセットするようにインタフェースに命令することができる。また、ユーザインタフェースはコマンド機能を含むこともでき、これにより、オペレータは、新たなシリンジが装着されたことを入力することができる。
【0036】
また、シリンジ充填ステーション10は、充填済みのシリンジをそれらが必要になるまで取り外し可能に保管するためのシリンジ保管ホルダ250を有していても良い。図4は、充填済みのシリンジ27を保管するための複数の保持クリップを有する充填ステーション10を示している。保管ホルダは、充填済みのシリンジを取り外し可能に固定する。また、シリンジ保管ホルダは、保管されたシリンジ27を患者にとって快適な温度まで加熱するための付随的なヒータ(図示せず)を有していても良い。また、充填ステーション10は、リザーバを加熱するためのヒータを付随的に有していても良い。リザーバヒータは、流体を患者にとって快適な温度まで加熱することができる。このリザーバヒータによれば、シリンジを更に加熱する必要なく、充填済みのシリンジを充填後直ぐに使用することができる。
【0037】
本発明の一実施形態において、シリンジを流体で満たす方法は、リザーバを流体投与カートリッジに接続するステップと、流体投与カートリッジのカニューレを少なくとも部分的にシリンジ内に位置決めするステップと、蠕動ポンプを使用して流体をリザーバからシリンジへと移動させるステップとを含んでいる。他の実施形態において、シリンジ充填ステーションの動作は、投与カートリッジを充填ステーション内に装着することによって開始することができる。チューブ40は、一般的に、ポンプを貫通する。基端部とも称されるチューブの下端は、カニューレのための結合器具に接続される。チューブ40の上部は、押さえつけクランプ42を使用して所定の位置に位置決めされるとともに、エアー・インライン・センサ55を貫通する。リザーバは、スパイクに接続された後、リザーバ取付部を使用して取り外し可能に位置決めされる。その後、シリンジがシリンジ保持ガイド内に挿入され、これにより、カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に挿入されるとともに、シリンジが充填ステーション内に解放可能に位置決めされる。その後、オペレータは、インタフェースを使用して、リザーバ内に導入する所望量の流体を定めることができる。
【0038】
以下の説明は、ユーザインタフェースで利用できるコマンド機能の一部を示している。新たな投与カートリッジが充填ステーション内に装着されると、制御ユニット(プロセッサ)は、カートリッジ内に収容された流体の量を自動的に補うことができる。新たなリザーバが加えられると、制御ユニットは、リザーバからエアー・インライン・センサへと与えられ得るライン中の空気を補うことができる。あるいは、投与カートリッジ内から空気を除去するためにインタフェースが“パージ”機能を含んでいても良い。動作時、ユーザは、パージボタンを押し続けることにより、低速でポンプを動作させて空気を除去することができる。システムがパージされたら、パージボタンが解放されても良い。
【0039】
前述のように、シリンジ保持ガイドは、新たなシリンジが挿入された時期を検出するセンサを有していても良い。新たなシリンジが充填ステーション内に挿入されると、ユーザインタフェースは、新たなシリンジの挿入を示す読み取りを表示するようにプログラムされていても良い。典型的なディスプレイは、例えば、“新たなシリンジの装着”を表示することができる。オペレータは、このボタンを押して、現在量の表示をリセットすることができる。あるいは、制御ユニットは、現在量を自動的にゼロにリセットするようにプログラムされていても良い。頻繁に繰り返される動作により、制御ユニットは、“充填”を変更する必要がないようにシリンジ量を記憶することができる。しかしながら、オペレータは、所望の充填量を手入力することもできる。一般に、“充填”量に表示された量が“現在量”を越えると、スタートボタンが有効にされる。スタートボタンは、“充填開始”等のコマンド機能を表示することができる。また、インタフェースは、充填量をリセットするための“クリア”等のコマンド機能を含んでいても良い。
【0040】
一実施形態においては、“充填開始”ボタンがオペレータによって作動されると、ポンプが動作を開始する。インタフェースは、動作を停止することができる“ポーズ”コマンド機能を含むことができる。更に他の実施形態において、タッチスクリーンまたは入力ボタンは、充填ステーションによって実行される現在の動作に応じて多機能を有していても良い。例えば、タッチスクリーンが利用される場合には、ポンプ動作が開始された後、“新たなシリンジの装着”を“ポーズ”ボタンに変えることができる。シリンジ充填中、“現在量”表示は、リアルタイムで導入される流体の量を示すことができる。また、“ポーズ”ボタンが押された場合には、“充填再開”ボタンを表示するために“充填開始”ボタンをリセットすることができる。定められた量が導入されると、制御ユニットがポンプを停止し、追加の流体をシリンジ内へ導入する機会をオペレータに与えるため、“追加”ボタンを表示することができる。前述の例が、制御ユニットおよびユーザインタフェース内に組み込むことができるコマンド機能の一部の単なる典型例であることは言うまでもない。
【0041】
前述の説明から明らかなように、本発明は、所望量の流体をシリンジに効率的且つ正確に充填するために使用できる装置および方法を提供している。シリンジ充填ステーションは、オペレータがシリンジ内に導入される流体の量を簡単に制御できるユーザインタフェースを有していても良い。
【0042】
図10および図11は、シリンジ充填ステーションがシリンジを充填する際に採り得るステップを記述しているフローチャートを示す。図10は、シリンジを充填する際に生じるプロセスステップを示している。特に、図10は、プロセスの各ステップで利用できる機能を示している。図11は、シリンジ充填ステーションによって行なわれる動作を、ユーザインタフェースで利用できるコマンド機能およびポンプ状態に関連付けている。異なる別個のコマンド機能および動作も可能であり、本発明が任意の特定の組のコマンドまたは動作に限定されないことは言うまでもない。
【0043】
1つの典型的な実施形態において、シリンジ充填ステーションは、医学画像および診断テストにおいて有用な造影剤を受けてシリンジに充填するのに良く適している。そのような診断イメージングとしては、CT、NMR/MRI、超音波診断、蛍光透視、PET等を挙げることができるが、これらに限定されない。診断テストを行なうための注射器は、一般に、約10から500ccの容積を有しており、約50から400ccの容積がより一般的である。シリンジの容積は、約100から200ccであることが好ましい。シリンジの長さは、一般的に、約2から30cmであり、シリンジの直径は一般に約0.2から5cmである。
【0044】
ここに記載された本発明の変形例および他の実施形態は、これらの発明が属する技術分野における当業者であって前述した説明および添付図面に示された教示内容の利益を得る当業者であれば想起し得る。したがって、本発明が開示された特定の実施形態に限定されないことは言うまでもなく、また、変形例および他の実施形態が添付の請求の範囲内に含まれることは言うまでもない。ここでは特定の用語が使用されているが、これらの用語は、単に包括的且つ記述的な意味で使用されており、限定を目的としているものではない。また、本発明は、ここに記載された要素を適切に備えていても良く、当該要素から成っていても良く、基本的に当該要素から成っていても良い。また、ここに記載された要素は、ここに具体的に開示され或いは開示されていない任意の要素無くして実行されても良い。
【0045】
説明の全体にわたって、特定の部品を有する、含む、または、備えるように実施形態が記載されている場合、あるいは、特定のステップを有する、含む、または、備えるように方法が記載されている場合には、本発明の実施形態が、記載された部品から基本的に成り或いは当該部品から成ることも考慮されており、また、本発明の方法が、記載された方法ステップから基本的に成り或いは当該方法ステップから成ることも考慮されている。また、本発明が動作可能な状態を保つ限り、ステップの順番または特定の動作を行なうための順番は、変わっても良く、特定の不変の順序にしたがって行なわれる必要がないことは言うまでもない。また、2つ以上のステップまたは動作が同時に行なわれても良い。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはシリンジ充填の分野に関し、特に蠕動シリンジ充填のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療処置では、シリンジ(注射器)を使用して流体を患者内に注入することが必要である。特に、CT注射器等の医療流体注入システムは、1または複数のシリンジを使用して、測定されたある量の流体を患者内へ注入する。シリンジを使用して流体を注入する前に、最初に流体をシリンジに充填しなければならない。ときには、シリンジの充填が不正確であったり、不便であったり、融通が利かなかったりする場合がある。
【0003】
充填済みのシリンジを得る1つの方法は、所望の流体が予め充填されているシリンジを購入することである。しかしながら、この方法には幾つかの欠点がある。第1に、所望の流体が予め充填されたシリンジは簡単に入手できない場合がある。第2に、シリンジが入手できたとしても、シリンジが所望量の流体を有していない場合もある。これらの理由および他の理由から、予め充填されたシリンジは望ましいとはいえない。
【0004】
シリンジを充填する他の方法としては、チューブを介して供給リザーバに空のシリンジを接続することを挙げることができる。シリンジプランジャはシリンジバレルから手で引き出される。プランジャが引き出されると、リザーバ内の流体がシリンジ内に導入される。この方法は、流体のタイプやシリンジに予め充填される量に関して大きな自由度を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、オペレータは、所望量の流体がシリンジへと移された時期を決定するためにシリンジ内に入った流体の量を “じっと見つめ”なければならない。ここで、移される流体の精度は、オペレータの技能および注意力に依存する。また、空気がチューブ内に捕捉されるため、シリンジを完全に満たすことが難しいかもしれない。また、必要な真空を形成して流体をシリンジ内に導入することが難しいかもしれない。更に、双方にバレル内に流体を導入すると、シリンジを充填するためにリザーバ全体が利用されないため、シリンジ内が汚染される可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの他の実施形態において、本発明は、実質的に正確な量の流状媒体をシリンジに充填することができるシリンジ充填ステーションである。また、その充填ステーションは、片手で簡単に操作できる完全密閉型のシステムであっても良い。また、その充填ステーションは、造影剤やフラッシング流体等の多種多様な流体と共に使用されても良い。
【0007】
本発明の1つの他の実施形態において、シリンジ充填ステーションは、リザーバ取付部と、流体供給システムと、シリンジ保持ガイドと、流体をリザーバからシリンジへと移動させるポンプとを備えている。一実施形態において、その流体供給システムは、充填ステーション内に挿入可能で且つリザーバからシリンジへと向かう流体通路を形成する無菌消耗カートリッジであっても良い。また、流体供給システムは、一端をスパイクに取り付けられ、他端をカニューレに取り付けられた可撓性チューブを含んでいてもよい。スパイクは、リザーバ内に挿入することができ、カニューレは、少なくとも一部がシリンジ内に挿入可能である。チューブは、シリンジ充填ステーションを貫通することができ、ポンプの近傍に配置することができる。一実施形態においては、ポンプの回転により流体がチューブを通じて移動する。
【0008】
また、シリンジ充填ステーションは、ユーザインタフェースを含んでも良い。一実施形態において、オペレータは、シリンジ内に導入される流体の量を指定するためにユーザインタフェースにコマンドを入力することができる。所望量の流体をシリンジに正確に充填するため、ユーザインタフェースは、ポンプ速度を制御するプロセッサに接続することができる。また、充填ステーションは、チューブ内の空気を検出したり、リザーバが空になったことを検出するようなセンサを有していても良い。センサは、プロセッサに信号を送信することができる。プロセッサは、センサから受けたデータに応じて特定の機能を実行するようにポンプに指示することができる。その結果、充填ステーションを使用して、所望量の流体をシリンジに正確且つ効率的に充填することができる。
【0009】
一実施形態においては、使い捨て可能な投与カートリッジが予め組み立てられた状態で利用可能であり、これにより、投与カートリッジをシリンジ充填ステーション内に簡単に位置決めして配置することができる。投与カートリッジは、リザーバとスパイクとの間およびカニューレとシリンジとの間で無菌または滅菌インタフェースが維持されるようにするのに役立つ。また、シリンジ充填ステーションは、シリンジがシリンジ保持ガイド内に挿入される際にオペレータがシリンジを観察することができる透明なプラスチック窓を有していても良い。結果として、シリンジ充填ステーションは、医療流体をシリンジに充填するための無菌または滅菌環境を与える。
【0010】
また、本発明は、シリンジ充填ステーションを使用する方法も含んでいる。本発明の一実施形態において、本発明は、a)リザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、流体ポンプと、シリンジ保持ガイドとを有する充填ステーションを用意するステップと、b)突出部材と、カニューレと、可撓性チューブとを有する流体供給システムを用意するステップと、c)上記流体供給システムを上記充填ステーション内に取り付けて、上記リザーバ取付部から上記シリンジ保持ガイドへと向かう流体通路を形成するステップと、d)流体リザーバを上記リザーバ取付部に接続するステップと、e)上記カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に部分的に挿入されるように、シリンジを上記保持ガイド内に挿入するステップと、f)流体を上記リザーバから上記シリンジへと圧送するステップとを含む。
【0011】
したがって、特に、本発明は、流体をシリンジに充填するための効率的で且つ信頼できる装置および方法を提供する。本発明の他の目的、特徴、利点は、以下の本発明の詳細な説明および添付図面を鑑みれば、当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
これまで一般的な言葉で本発明を説明してきたが、次に、添付される非限定的な図面を参照する。これらの図面は、必ずしも一定の比率で描かれていない。
【図1】本発明のシリンジ充填ステーションの典型的なグラフィック図である。
【図2】本発明のシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図3】ポンプを示している図1に示されるシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図4】バッグの形態を成すリザーバに適合するシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図5】本発明のシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図6】ポンプモータを描いている本発明のシリンジ充填ステーションの典型的な概略図である。
【図7】シリンジ内に部分的に挿入されるカニューレを描いた典型的な概略図である。
【図8】本発明のタッチスクリーンを描いた典型的なグラフィック図である。
【図9】充填ステーションの一実施形態の電気的構成の概略を示す典型的なブロック図である。
【図10】本発明にしたがってシリンジを充填するためのプロセスを示す典型的なフローチャートである。
【図11】シリンジ充填動作とユーザインタフェース上に表示可能な機能とを関連付ける典型的なフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明について更に十分に説明する。実際には、本発明は、多くの異なる形態で具現化されても良く、ここに示された実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は単なる例示的な目的で与えられている。
【0014】
一実施形態において、本発明は、選択された或いは所定の量の流体でシリンジを満たすことができるシリンジ充填ステーションである。そのステーションは、リザーバを受けるためのリザーバアウトレットと、シリンジを解放可能に受けて固定するためのシリンジ保持ガイドと、リザーバとシリンジとの間に流体通路を形成する流体供給システムと、流体をリザーバからシリンジへと移動させるためのポンプとを有していても良い。1つの好ましい実施形態において、シリンジ充填ステーションは、シリンジに供給される流体の量を入力して制御するためのユーザインタフェースを有している。
【0015】
リザーバは、造影剤等の医療分野で有用な流体を収容することができる。“造影剤”という用語は、一般に、医療分野で一般的に使用され且つ患者内に注入することができ、患者が例えばX線走査されている間に患者の身体の選択された領域を強調して示すことができる任意の適当な媒体のことである。一般に、造影剤は、CTスキャン、MRI、超音波診断等の医学的な画像診断を行なうための撮像装置と共に使用される。注射器と共に使用できる他の媒体としては、生理食塩水媒体やフラッシング媒体等を挙げることができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、充填ステーションは、一般に最大で約100cpsの粘度を有するニュートン流体でシリンジを満たすのに特に役立つ。一般に、粘度は、約0.5から100cpsであり、好ましくは約1から50cpsである。
【0016】
典型的な一実施形態において、本発明は、流体をシリンジ内に供給するための装置である。その装置は、流体を有するリザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、シリンジを解放可能に固定するためのシリンジ保持ガイドと、リザーバとシリンジとの間に流体通路を形成する消耗投与カートリッジと、流体をリザーバから投与カートリッジを通じてシリンジ内へと圧送するためのポンプとを備えている。投与カートリッジは、リザーバ内に挿入するための突出部材と、突出部材に取り付けられる先端部を有する可撓性チューブと、少なくとも一部がシリンジ内へ挿入されるようになっている可撓性チューブの基端部に取り付けられるカニューレとを備えている。好ましくは、投与カートリッジは単一のカートリッジとして利用できる。この場合、突出部材、カニューレおよびスパイクは、充填ステーションに簡単に取り付けることができるように予め組み立てられている。
【0017】
他の典型的な実施形態において、本発明は、流状媒体を有するリザーバと、リザーバ内に挿入される突出部材を有する流体供給システムと、先端部を突出部材に取り付けられる可撓性チューブと、可撓性チューブの基端部に取り付けられるカニューレと、略細長い本体を有するシリンジであって、その吐出部位の近傍に通路が配置され、流体をリザーバからシリンジ内へと供給できるようにカニューレが上記通路内へと延びているシリンジと、流体をリザーバからシリンジへと圧送するポンプと、ポンプに動作可能に接続され、特定量の流体がシリンジへと送り込まれるようにポンプを制御できる制御ユニットとを備えている。
【0018】
図1を参照すると、典型的なシリンジ(注射器)充填ステーションが広く参照符号10で示されている。シリンジ充填ステーション10は、流体ポンプ(図示せず)を収容するハウジング12と、リサーバ取付部17と、シリンジ保持ガイド50とを有していても良い。リザーバ取付部は、リザーバ15を取り外し可能に受けることができるようになっている。シリンジ25をガイドしてハウジング12内に位置決め固定するために、シリンジ保持ロックまたはガイドを使用することができる。幾つかの実施形態において、ハウジングは、オペレータが目で見て正確にシリンジを挿入して取り付けるのに役立つ透明観察窓11を含むことができる。透明観察窓11は、空気中に浮遊する汚染物質がハウジング内に配置されるシリンジの先端へと向かうことができないようにする部分的なバリアを形成している。流体供給システム(図示せず)は、リザーバからシリンジへと向かう流体経路を画定している。また、充填ステーションは、デジタルディスプレイ110と、例えば停止、ポーズ、パージライン、充填量等のシリンジ充填コマンドを入力するための接触制御部105とを有するユーザインタフェース106を含むことができる。
【0019】
図1に示されるシリンジ充填ステーションは、壁に装着でき或いは卓上に載置できる全体または一部が密閉されたユニットであっても良い。シリンジ充填ステーションは、無菌通路を通じて無菌流体を、無菌であっても良いシリンジの内部へと供給するための無菌機構または管路を備えている。
【0020】
一実施形態において、充填ステーション10は、リサーバからシリンジへと流体を送る使い捨て可能な流体供給システムを含む。流体供給システムは、投与セットまたはカートリッジとも呼ばれており、毎日または他の特定の望ましい時に交換できる消耗カートリッジである。図2および図3を参照すると、シリンジ充填ステーションの概略図が示されている。流体供給システムは、例えばスパイク等の外側に突出する部材を含むがそれに限定されない突出部材35と、可撓性チューブ40と、カニューレ45とを有していても良い。スパイク35はリザーバ15内に挿入することができる。スパイクは可撓性チューブの上端または先端43に取り付けられる。チューブ40の下端部または基端部41はカニューレ45に取り付けられる。流体供給システムは、流体がリザーバからシリンジへと流通することができる通路を形成している。一実施形態において、流体投与セットは、リザーバまたはシリンジの手前でシリンジ充填ステーション内に取り付けられる。
【0021】
図2,3及び6に示されるように、スパイクはリザーバ内に挿入することができる。スパイクは入口点であり、それにより、流体は、投与セット内に流入することができ、シリンジへと移動することができる。スパイクは、流体がリザーバから圧送される際に空気がリザーバ内へと通過できるように通気可能である。通気孔を通じて空気がリザーバから出ることができないように、通気は一方向のみであっても良い。通気スパイクは、フィルターがかかっていてもかかっていなくても良い。スパイクは、例えば標準的なゴムコック付きのボトルまたはバック内に挿入することができる。スパイクは、スパイクロック機構または支持カラー37によって支持することができる。スパイク支持カラー37は、一般に、リザーバ15に隣接して配置される。スパイク支持カラーは、スパイクを支持するとともに、スパイクがリザーバ内で位置を変えたり或いはスパイクが誤ってリザーバから外れてしまうことを防止する。リザーバが使い果たされると、空になったリザーバをスパイクから簡単に取り外すことができるとともに、新しいリザーバをスパイクに取り付けて接続することができる。この場合、たとえあったとしても、スパイクの物理的な操作は僅かである。その結果、汚染物質を減らすこと、或いは制限することができ、それにより、シリンジ充填ステーションはシリンジ充填のための無菌環境を与える。
【0022】
可撓性チューブは、スパイク35からカニューレ45へと延びていても良い。チューブは、充填ステーションを貫通する流体通路を形成しても良い。蠕動態様で圧力をチューブに対して加えるポンプを使用することにより、チューブを通じて流体を移動させることができる。可撓性チューブは任意の適当な高分子材料から成っていても良い。ただし、その材料が柔軟で耐久性があり医療用途に適している場合に限る。
【0023】
カニューレ45はシリンジ保持ガイドに近接して配置される。カニューレは一般に大きな孔を有していても良い。図2および図3は、カニューレがシリンジの中心に位置決めされるように、カニューレを位置決め固定するためのガイド機構を示している。前述したように、カニューレは、一般に、チューブ40の下端に取り付けられる。カニューレは、カニューレマウントハウジング53に固定されたカニューレマウント47およびカニューレガイド49を用いて位置決めすることができる。マウントハウジング53により、シリンジ開口の中心線がカニューレの中心線と一致するようになる。カニューレマウント47およびガイド49は、シリンジの挿入時にカニューレがシリンジ内で中心に位置付けられる(図7参照)ように、カニューレを位置決めすることができる。その結果、シリンジ充填ステーション内にシリンジを簡単に挿入して位置合わせすることができる。他の実施形態において、カニューレ45、カニューレマウント47、カニューレガイド49は、上昇された後、シリンジ保持ガイド内に予め位置決めされたシリンジ内へと下降させることができる。これに関し、図3は、カニューレ45aがシリンジ25の上側の上昇位置に置かれた状態を示している。シリンジが保持ガイド内に挿入されると、カニューレ45がシリンジ内へと下降される。リニアスライド51(破線で示されている)はカニューレ45を昇降させることができる。リニアスライドは、一般に、手動機構または機械的機構により下降または上昇される。また、シリンジ充填ステーションは透明観察窓82を有し、この透明観察窓を通じてオペレータが目で見てシリンジを取り付け且つカニューレを配置できるようになっていても良い。カニューレガイドおよび観察窓は、カニューレとシリンジ先端との間の接合点での汚染を防止するのに役立つ。その結果、汚染の可能性を制限でき、シリンジを交換および充填している間、無菌環境を維持することができる。
【0024】
リザーバは、多種多様な方法で充填ステーションに取り付けることができる。リザーバ取付部は、リザーバを位置決め固定することができなければならないが、その一方で、リザーバを簡単に取り外すことができなければならない。図1に示されるように、ハウジングは、リザーバ15を取り外し可能に受けるとともにリザーバを取り付けて接続するようになっている入口17を有していても良い。また、リザーバは、リザーバを取り外し可能に受けることができるストラップ、ブラケット、スリーブ、フック、ハンガ等を用いてハウジングに固定することもできる。図4および図5は、リザーバを支持するためのハンガ機構またはフック機構から成るリザーバ取付部19を用いて支持されて位置決めされるリザーバを示している。また、リザーバ取付部は、バッグを固定するための支柱を含んでいても良い。
【0025】
本発明の他の実施形態において、シリンジ保持ガイドは、充填ステーション内でシリンジを解放可能に保持する。シリンジ保持ガイドは、充填ステーション内でシリンジを位置決め固定するようになっているとともに、シリンジをカニューレ45と位置合わせするためのガイドとしての機能を果たすようになっている。シリンジ保持ガイドは、シリンジがオペレータによって取り付けられた後に充填ステーション内でシリンジを固定的にロックするようになっていることが好ましい。図2において、シリンジ保持ガイド50は、ガイドスリーブ52と、シリンジを把持して固定することができる把持クリップまたはクランプ54とから成るように示されている。ガイドスリーブ52は、カニューレ45がシリンジの内側壁と接触することなくシリンジ内に入るように、シリンジを充填ステーション内へと向かせる。ガイドスリーブは、カニューレがシリンジ内で中心付けられるように、シリンジを保持ガイド内へ向かせるのが好ましい。シリンジは、カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に入るように、充填ステーション内で位置決めされなければならない。カニューレは、流体の漏れを防止する程度までシリンジ内に挿入されなければならないが、その一方で、シリンジを充填することができ且つシリンジ内から空気を逃がすことができなければならない。図7は、シリンジ25内に部分的に挿入されるカニューレ45を示している。充填プロセス中、空気は、シリンジ25の内壁とカニューレ45との間に存在する小さな通路29を通じてシリンジ内から逃げることができる。シリンジ保持ガイド50は、シリンジを解放可能に固定するためにブラケット、ストラップ、クリップ等を有していても良い。これに関して、図3および図5は、シリンジを解放可能に保持するために使用される2つの異なるタイプのシリンジ保持ガイドを有する充填ステーションを示している。一般に、保持ガイドは、シリンジを保持固定するために、シリンジの容器に対して圧力を加える。また、保持ガイド50は、シリンジを支持するためにシリンジ支持棚75を有していても良い。棚がオプションでピボット部材80を有していても良く、このピボット部材80により、棚は当該ピボット部材を中心に回動することができる。また、棚は、スライド可能に位置を変えることもできる。その結果、棚を好きなように移動させて、シリンジをシリンジ保持ガイド内に簡単に挿入することができ、あるいは、シリンジをシリンジ保持ガイドから引き出すことができる。
【0026】
また、充填ステーションは、カニューレ45を覆う透明なプラスチックシールド82を含んでいても良い。そのシールドにより、オペレータは、無菌シリンジまたは投与セットを汚染させることなく充填ステーション内へのシリンジの挿入を観察することができる。
【0027】
一実施形態においては、流体をリザーバからチューブ40を通じてカニューレ45へと圧送するために流体ポンプ20が使用される。この場合、カニューレ45においては、流体をシリンジ内へと導入することができる。図5に示されるように、流体ポンプ20としては、モータ22と、シャフト24と、ポンプ圧をチューブに対して加える回転可能な蠕動ヘッド26(図3参照)とを有する蠕動装置20を挙げることができる。一実施形態において、蠕動ポンプは、リニア蠕動ポンプ、回転蠕動ポンプ、または環状蠕動ポンプであっても良い。一実施形態においては、DCギアヘッドモータ22が蠕動ヘッドを駆動させることができる。更に他の実施形態において、モータは、制御ユニットまたはプロセッサに、動作可能に接続されている。プロセッサは、モータ速度を増大させ或いは減少させても良い。モータ速度を制御することにより、ポンプステーションは、所望量の流体でシリンジを正確に満たすことができる。蠕動装置は、一定の速度および可変速度で動作することができる。流体ポンプ、制御ユニット、電源、プロセッサは、通常、ハウジング内に収容されている。図2に示されるように、除去可能な筐体14がポンプ・制御ユニットを覆って取り囲んでいる。一般に、ポンプおよび制御ユニットには電力コード(図4参照、参照符号90)を用いて電力が供給される。一実施形態において、ポンプは、付加的な加圧ポンプを使用することなく、流体をリザーバからシリンジへと移動させることができる。
図3に示されるように、流体ポンプ20は締め付け機構28も有しており、この締め付け機構28を緩めることにより、チューブをポンプ内に通して蠕動ヘッド26の周囲に装着することができる。図3に示されるように、締め付け機構は、簡単に操作できるサムスクリューであっても良い。様々な異なる機構およびファスナ(締結具)を使用してチューブを固定できることは言うまでもない。他の実施形態においては、チューブ40を取り付け及び取り外すため、手動操作のためのレバー機構または特定の電気機械的な機構を使用して、蠕動ポンプ20に属するステータとローラとの間の幾何学的な隙間を開閉することができる。また、チューブと接続する蠕動ポンプ20の部分を開閉するために使用される任意の機構または装置が、チューブの取り付け及び取り外しを容易にするための幾何学的な特徴および特性を有していても良いと考えられる。そのような幾何学的な特徴および特性は、同様に、蠕動ポンプ内へのチューブの取り付け及び取り外しを容易にするため、チューブの外面に取り付けられ或いはチューブの外面上に装着される特定の中間部品と接続することができる。そうような構造は、アライメントタップのように単純であるか、あるいは、蠕動ポンプに適合するチューブを取り囲むカートリッジのように複雑であり得る。
流体リザーバは、造影剤、フラッシング剤、流体薬剤等の多種多様な異なる流体を収容していても良い。シリンジ充填ステーションは、CT注射器で使用される造影剤等の流体をシリンジに充填するのに特に役立つ。流体リザーバは、ボトル、バッグ、ポーチ、容器等の形態を成すことができる。また、リザーバは、様々なサイズをとることができる。一般的なリザーバの容積は約10から1000ccの範囲をとることができる。この場合、約50から500ccの容積が、幾分、より好ましい。例えば、CT注射器により患者に対して注入されるヨード造影剤は、通常、この範囲内のボトルおよびバッグ内に、繰り返し分配される。
【0028】
シリンジ充填ステーションは、この充填ステーションを制御するためにオペレータが使用できるユーザインタフェースを含んでいても良い。インタフェースを用いて入力できる一般的なコマンド機能としては、容積充填、新シリンジ、充填開始、ポーズ、停止、パージを挙げることができるが、これらに限定されない。オペレータは、シリンジ内に導入される流体の量を指定するためにインタフェースを使用することができる。本発明の一実施形態において、ユーザインタフェースは、オペレータがコマンドを入力できるタッチスクリーンの形態を成すことができる。タッチスクリーンは、充填ステーションと通信を行なうPCシステム内に組み込まれていても良く、あるいは、充填ステーションハウジング上に配置することができる。幾つかの実施形態において、シリンジ充填ステーションは、例えば注射器のユーザインタフェース上に設けることができ或いは表示可能な遠隔のインタフェースと通信し且つこのインタフェースにより制御されて動作される。シリンジ充填ステーションの制御装置は、その全体または一部が外部のユーザインタフェース上に設けることができる。これに関連して、図3に示されるように、シリンジ充填ステーションは、有線通信または無線通信のための入力/出力(I/O)端子202を含んでいても良い。図3から図6は、ハウジング12の外面上に配置されたタッチスクリーン200を示している。図8は、充填ステーションを動作させるために使用できる典型的なタッチスクリーン200を示している。タッチスクリーン200は、シリンジを充填するための幾つかの専用のコマンドを含むことができる。インタフェースは、専用のキーボード210を有していても良く、あるいは、シリンジ内に導入される流体の量を変えるための“上”矢印または“下”矢印を有していても良い。また、ユーザインタフェースは、現在のシリンジ量を示す表示220と、供給されるべき量を示す表示230とを有している。タッチスクリーン200は、“充填開始”240、“新しいシリンジの装着”250、“パージ”260等の専用のコマンド機能を有していても良い。ユーザインタフェースは、図8に示されるものに付加して或いは図8に示されるものとは異なる専用のボタンを有していても良い。他の実施形態において、ユーザインタフェースは、例えばE−Z−EM Empower CTリモート制御装置等の既存の注射器インタフェースに組み込むことができる。あるいは、シリンジ充填ステーションのデータインタフェースは、撮像装置あるいは撮像システムまたは病院内に設置された他の医療情報ITシステム等の外部の或いは遠隔のインタフェースと通信することができるとともに、当該インタフェースに対して動作可能に接続することができる。図3に示されるように、シリンジ充填ステーションは、幾つかの実施形態において、外部の制御システムまたはネットワークと通信できるI/Oポートまたはデータ相互接続部202を有することができる。データ相互接続部は、有線であっても良く、あるいは無線であっても構わない。外部インタフェースは、操作コマンドをシリンジ充填ステーションに入力するために使用できる。例えば、外部インタフェースは、シリンジ充填量を患者毎に自動的に定めるために使用できる。これにより、医療的な介護プロセスを通じ、電子的に、患者の追跡を行いやすくするのに役立てることができる。また、そのようなデータ/制御能力は、印刷装置からハードコピー情報を生成するために使用できる。特に、印刷ラベルの形態を成すそのようなハードコピーデータは、シリンジがシリンジ充填ステーションから取り外される際に識別する目的でシリンジに貼り付けることができ、その後、患者への注入にわたって取り扱うことができる。例えば、ラベル上に印刷できる有用な識別情報としては、日付、時間、充填者、患者名、患者ID番号、シリンジに充填された流体の医学名、シリンジに充填された流体の商品名、シリンジに充填された流体のロット番号、シリンジに充填された流体の量、警告、使用上の注意等及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態においては、前述した情報を有する簡単に利用できる印刷ラベルを提供するため、シリンジ充填ステーション内にOEMプリンタを組み込むことができる。
【0029】
充填ステーションは、操作を行なうための制御ユニットを有していても良い。これに関連して、図4は、制御ユニット195を有するシリンジ充填ステーションを示している。制御ユニット195は、一般的に、充填ステーション中に組み込まれるマイクロプロセッサを有している。プロセッサは、ユーザインタフェース200および様々なセンサと通信することができる。制御ユニットは、充填ステーションを制御し且つユーザインタフェース、ポンプまたは様々なセンサから受けた情報およびデータを処理するためのコンピュータコードまたはプログラムを有していても良い。また、プロセッサはポンプ20に対して動作可能に接続されている。本発明の1つの他の実施形態において、プロセッサは、正確な量の流体がシリンジに供給されるようにポンプを正確に制御することができる。通常、ポンプとプロセッサは互いに通信を行なう。ポンプは、ポンプ速度やポンプ回転数等のデータをプロセッサに対して送ることができ、これにより、プロセッサは、シリンジ内に導入された流体の量を正確に計算して測定することができる。一実施形態においては、ポンプモータがエンコーダを有していても良い。この実施形態においては、エンコーダのパルスを数えることにより、シリンジに供給される量を測定することができる。使用中、プロセッサは、シリンジ内に導入された流体の量を測定する。また、プロセッサは、投与カートリッジ内に存在し得る空気を補っても良い。また、プロセッサは、付随的に、頻繁に使用される充填操作およびルーチンシステム機能を行なうために使用できるプログラム可能なコードを含むこともできる。例えば、特定の導入量が繰り返し使用される場合には、オペレータが新しいシリンジ毎に新たな充填レベルを入力する必要なく流体の設定量を供給できるように、プロセッサをプログラム可能である。
【0030】
新たな投与カートリッジがシリンジ充填ステーション内に組み込まれる場合には、チューブ内に収容された空気をパージするように、ポンプに手動または自動で指示するためにインタフェースが使用されても良い。
【0031】
本発明の他の実施形態において、充填ステーションは、プロセッサと通信し且つシステムの状態を監視できるセンサを有していても良い。そのようなセンサとしては、エアー・インライン・センサまたはリザーバ・エンプティ・センサ、新しいシリンジが充填ステーション内に装着される時を検出するセンサ、投与カートリッジの存在を検出するためのセンサ、新たなリザーバが加えられた時を検出するためのセンサを挙げることができる。これらのセンサは、シリンジ充填ステーションの性能および効率を最適化するために使用できる。
【0032】
エアー・インライン・センサは、チューブ内における空気の存在を検出することができ、あるいはリザーバ内の流体が使い果たされたことを検出することができる。センサ55は、通常、リザーバ15とポンプ20との間に配置される。図2および図3に示されるように、リザーバに隣接してセンサ55を配置することができる。チューブ40は、センサ50を貫通しても良い。エアーポケットまたは気泡がチューブ内に入ってセンサ50を通過して移動する場合、センサは、チューブ内における空気の存在を示す信号またはリザーバが使い果たされたことを示す信号をプロセッサに送ることができる。リザーバが使い果たされたことをセンサが検出すると、プロセッサは、リザーバが空になっているというメッセージを表示するようにインタフェースまたは遠隔制御装置に命令する。一実施形態では、メッセージが除かれるまでは操作が解除されない。
【0033】
図9を参照すると、シリンジ充填ステーションの一実施形態の電気的な概略構成が示されている。図9に示されるように、プロセッサは、様々な機能を果たすとともに、多くのセンサおよび装置に対して動作可能に接続されている。また、プロセッサは、PCディスプレイまたはシリンジ充填ステーションにコマンドを入力するために使用できる他の計算CPU等の遠隔制御インタフェースと通信することもできる。
【0034】
また、プロセッサは、空気をチューブ内からパージするために必要な流体の量を自動的に補うことができる。例えば、プロセッサは、新たな投与カートリッジが取り付けられた後にチューブ内の空気を補う。また、プロセッサは、新たなリザーバが取り付けられた後にシステム内に存在する空気を補うこともできる。
【0035】
また、システムは、投与カートリッジを交換する必要があることをオペレータに警告できるタイミング機構を有していても良い。オペレータが新たな投与カートリッジをシリンジ充填ステーション内に取り付けると、ハウジング12内、例えばシリンジ保持ガイドの近傍に位置された検出器は、新たなカートリッジの装着を検出することができる。センサは、新たなカートリッジが装着されたという信号を制御ユニット(プロセッサ)へ送信することができる。その後、プロセッサは、投与カートリッジを交換すべき特定の期間が経過した後にオペレータに警告するようにプログラムされた内部タイマを始動させることができる。また、シリンジ充填ステーションは、新たなシリンジがシリンジ保持ガイド内に挿入された時を検出するためのセンサを有していても良い。新たなシリンジが検出されると、プロセッサは、シリンジ量の表示をゼロにリセットするようにインタフェースに命令することができる。また、ユーザインタフェースはコマンド機能を含むこともでき、これにより、オペレータは、新たなシリンジが装着されたことを入力することができる。
【0036】
また、シリンジ充填ステーション10は、充填済みのシリンジをそれらが必要になるまで取り外し可能に保管するためのシリンジ保管ホルダ250を有していても良い。図4は、充填済みのシリンジ27を保管するための複数の保持クリップを有する充填ステーション10を示している。保管ホルダは、充填済みのシリンジを取り外し可能に固定する。また、シリンジ保管ホルダは、保管されたシリンジ27を患者にとって快適な温度まで加熱するための付随的なヒータ(図示せず)を有していても良い。また、充填ステーション10は、リザーバを加熱するためのヒータを付随的に有していても良い。リザーバヒータは、流体を患者にとって快適な温度まで加熱することができる。このリザーバヒータによれば、シリンジを更に加熱する必要なく、充填済みのシリンジを充填後直ぐに使用することができる。
【0037】
本発明の一実施形態において、シリンジを流体で満たす方法は、リザーバを流体投与カートリッジに接続するステップと、流体投与カートリッジのカニューレを少なくとも部分的にシリンジ内に位置決めするステップと、蠕動ポンプを使用して流体をリザーバからシリンジへと移動させるステップとを含んでいる。他の実施形態において、シリンジ充填ステーションの動作は、投与カートリッジを充填ステーション内に装着することによって開始することができる。チューブ40は、一般的に、ポンプを貫通する。基端部とも称されるチューブの下端は、カニューレのための結合器具に接続される。チューブ40の上部は、押さえつけクランプ42を使用して所定の位置に位置決めされるとともに、エアー・インライン・センサ55を貫通する。リザーバは、スパイクに接続された後、リザーバ取付部を使用して取り外し可能に位置決めされる。その後、シリンジがシリンジ保持ガイド内に挿入され、これにより、カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に挿入されるとともに、シリンジが充填ステーション内に解放可能に位置決めされる。その後、オペレータは、インタフェースを使用して、リザーバ内に導入する所望量の流体を定めることができる。
【0038】
以下の説明は、ユーザインタフェースで利用できるコマンド機能の一部を示している。新たな投与カートリッジが充填ステーション内に装着されると、制御ユニット(プロセッサ)は、カートリッジ内に収容された流体の量を自動的に補うことができる。新たなリザーバが加えられると、制御ユニットは、リザーバからエアー・インライン・センサへと与えられ得るライン中の空気を補うことができる。あるいは、投与カートリッジ内から空気を除去するためにインタフェースが“パージ”機能を含んでいても良い。動作時、ユーザは、パージボタンを押し続けることにより、低速でポンプを動作させて空気を除去することができる。システムがパージされたら、パージボタンが解放されても良い。
【0039】
前述のように、シリンジ保持ガイドは、新たなシリンジが挿入された時期を検出するセンサを有していても良い。新たなシリンジが充填ステーション内に挿入されると、ユーザインタフェースは、新たなシリンジの挿入を示す読み取りを表示するようにプログラムされていても良い。典型的なディスプレイは、例えば、“新たなシリンジの装着”を表示することができる。オペレータは、このボタンを押して、現在量の表示をリセットすることができる。あるいは、制御ユニットは、現在量を自動的にゼロにリセットするようにプログラムされていても良い。頻繁に繰り返される動作により、制御ユニットは、“充填”を変更する必要がないようにシリンジ量を記憶することができる。しかしながら、オペレータは、所望の充填量を手入力することもできる。一般に、“充填”量に表示された量が“現在量”を越えると、スタートボタンが有効にされる。スタートボタンは、“充填開始”等のコマンド機能を表示することができる。また、インタフェースは、充填量をリセットするための“クリア”等のコマンド機能を含んでいても良い。
【0040】
一実施形態においては、“充填開始”ボタンがオペレータによって作動されると、ポンプが動作を開始する。インタフェースは、動作を停止することができる“ポーズ”コマンド機能を含むことができる。更に他の実施形態において、タッチスクリーンまたは入力ボタンは、充填ステーションによって実行される現在の動作に応じて多機能を有していても良い。例えば、タッチスクリーンが利用される場合には、ポンプ動作が開始された後、“新たなシリンジの装着”を“ポーズ”ボタンに変えることができる。シリンジ充填中、“現在量”表示は、リアルタイムで導入される流体の量を示すことができる。また、“ポーズ”ボタンが押された場合には、“充填再開”ボタンを表示するために“充填開始”ボタンをリセットすることができる。定められた量が導入されると、制御ユニットがポンプを停止し、追加の流体をシリンジ内へ導入する機会をオペレータに与えるため、“追加”ボタンを表示することができる。前述の例が、制御ユニットおよびユーザインタフェース内に組み込むことができるコマンド機能の一部の単なる典型例であることは言うまでもない。
【0041】
前述の説明から明らかなように、本発明は、所望量の流体をシリンジに効率的且つ正確に充填するために使用できる装置および方法を提供している。シリンジ充填ステーションは、オペレータがシリンジ内に導入される流体の量を簡単に制御できるユーザインタフェースを有していても良い。
【0042】
図10および図11は、シリンジ充填ステーションがシリンジを充填する際に採り得るステップを記述しているフローチャートを示す。図10は、シリンジを充填する際に生じるプロセスステップを示している。特に、図10は、プロセスの各ステップで利用できる機能を示している。図11は、シリンジ充填ステーションによって行なわれる動作を、ユーザインタフェースで利用できるコマンド機能およびポンプ状態に関連付けている。異なる別個のコマンド機能および動作も可能であり、本発明が任意の特定の組のコマンドまたは動作に限定されないことは言うまでもない。
【0043】
1つの典型的な実施形態において、シリンジ充填ステーションは、医学画像および診断テストにおいて有用な造影剤を受けてシリンジに充填するのに良く適している。そのような診断イメージングとしては、CT、NMR/MRI、超音波診断、蛍光透視、PET等を挙げることができるが、これらに限定されない。診断テストを行なうための注射器は、一般に、約10から500ccの容積を有しており、約50から400ccの容積がより一般的である。シリンジの容積は、約100から200ccであることが好ましい。シリンジの長さは、一般的に、約2から30cmであり、シリンジの直径は一般に約0.2から5cmである。
【0044】
ここに記載された本発明の変形例および他の実施形態は、これらの発明が属する技術分野における当業者であって前述した説明および添付図面に示された教示内容の利益を得る当業者であれば想起し得る。したがって、本発明が開示された特定の実施形態に限定されないことは言うまでもなく、また、変形例および他の実施形態が添付の請求の範囲内に含まれることは言うまでもない。ここでは特定の用語が使用されているが、これらの用語は、単に包括的且つ記述的な意味で使用されており、限定を目的としているものではない。また、本発明は、ここに記載された要素を適切に備えていても良く、当該要素から成っていても良く、基本的に当該要素から成っていても良い。また、ここに記載された要素は、ここに具体的に開示され或いは開示されていない任意の要素無くして実行されても良い。
【0045】
説明の全体にわたって、特定の部品を有する、含む、または、備えるように実施形態が記載されている場合、あるいは、特定のステップを有する、含む、または、備えるように方法が記載されている場合には、本発明の実施形態が、記載された部品から基本的に成り或いは当該部品から成ることも考慮されており、また、本発明の方法が、記載された方法ステップから基本的に成り或いは当該方法ステップから成ることも考慮されている。また、本発明が動作可能な状態を保つ限り、ステップの順番または特定の動作を行なうための順番は、変わっても良く、特定の不変の順序にしたがって行なわれる必要がないことは言うまでもない。また、2つ以上のステップまたは動作が同時に行なわれても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)流体を有するリザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、
b)シリンジを解放可能に固定するためのシリンジ保持ガイドと、
c)リザーバとシリンジとの間に流体通路を形成する消耗投与カートリッジであって、リザーバ内に挿入するための突出部材と、先端部が前記突出部材に取り付けられる可撓性チューブと、前記可撓性チューブの基端に対して取り付けられ且つ少なくとも一部がシリンジ内に挿入されるようになっているカニューレとを備えている消耗投与カートリッジと、
d)前記流体をリザーバから前記投与カートリッジを通じてシリンジ内へと圧送するためのポンプと、
を備える、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項2】
前記ポンプが蠕動ポンプである請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項3】
前記突出部材がスパイクの形態を成している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項4】
前記突出部材が通気される請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項5】
装置を動作させるためのユーザインタフェースを更に備え、そのインタフェースが入力ボタンと表示スクリーンとを有している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項6】
前記可撓性チューブ内の空気を検出するためのエアー・インライン・センサを更に備えている請求項4に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項7】
前記センサが前記ユーザインタフェースと通信を行なう請求項5に記載の装置。
【請求項8】
オペレータが前記入力ボタンを使用してシリンジ内に導入される量を定めることができる請求項4に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項9】
前記消耗供給システムが使い捨て可能である請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項10】
前記シリンジ保持ガイドは、前記シリンジを前記カニューレと位置合わせするためのガイドスリーブを有している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項11】
前記カニューレとシリンジ先端との間に無菌インタフェースを形成するようになっているカニューレマウントおよびカニューレガイドを更に備えている請求項10に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項12】
前記ポンプと通信する遠隔インタフェースを更に備え、前記遠隔インタフェースは、前記ポンプが特定量の流体を移動させるように前記ポンプを制御できる請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項13】
前記シリンジ内に収容された流体を暖めるためのシリンジヒータを更に備えている請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項14】
流状媒体を有するリザーバと、
前記リザーバ内に挿入される突出部材と、先端部が前記突出部材に対して取り付けられる可撓性チューブと、前記可撓性チューブの基端に対して取り付けられるカニューレとを有する流体供給システムと、
ほぼ細長い本体を有するシリンジであって、その吐出部位の近傍に通路が配置され、この通路内へと前記カニューレが延びることにより流体をリザーバからシリンジ内へと供給できるシリンジと、
流体を前記リザーバから前記シリンジへと圧送するためのポンプと、
前記ポンプに対して動作可能に接続され、これにより、特定の量の流体がシリンジへと送り込まれるように前記ポンプを制御できる制御ユニットと、
を備えるシリンジ充填ステーション。
【請求項15】
前記リザーバがボトル、ポーチ、バッグまたは容器である請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項16】
前記流状媒体が造影剤、生理食塩水媒体、またはフラッシング媒体である請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項17】
前記制御ユニットは、プロセッサとユーザインタフェースとを更に有している請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項18】
前記ユーザインタフェースがタッチスクリーンを更に備えている請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項19】
前記ユーザインタフェースは、前記充填ステーションを動作させるためのコマンド機能ボタンを有している請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項20】
前記制御ユニットは、前記シリンジ充填ステーションを監視するための複数のセンサと通信を行なう請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項21】
前記センサは、エアー・インライン・センサ、リザーバ使い果たしセンサ、新シリンジ挿入センサ、新投与カートリッジセンサのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項20に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項22】
前記制御ユニットは、シリンジ内に導入された流体の量を測定することができる請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項23】
前記制御ユニットは、定められた量の流体をシリンジ内に導入するように前記ポンプに指示するようになっているプログラムコードを有している請求項22に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項24】
前記プログラムコードは、センサが前記流体供給システム内で空気を検出するときに圧送を停止するように前記ポンプに指示する請求項23に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項25】
前記プログラムコードは、センサが前記シリンジ充填ステーション内で新しい流体供給システムを検出するときに、前記流体供給システムから空気をパージするように前記ポンプに指示するようになっている請求項23に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項26】
前記シリンジ充填ステーション内でシリンジを解放可能に保持するためのシリンジ保持ガイドを更に備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項27】
前記シリンジ保持ガイドがガイドスリーブと把持クランプとを有し、前記ガイドスリーブは前記シリンジを前記カニューレと位置合わせするようになっており、前記把持クランプは前記シリンジを解放可能に保持するようになっている請求項26に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項28】
前記カニューレと前記シリンジとの間に隙間が存在する請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項29】
前記充填ステーションは、前記リザーバから前記シリンジへと向かう無菌流体管路を備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項30】
前記流体供給システムが使い捨て可能な投与カートリッジである請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項31】
前記シリンジ保持ガイドよりも下側に配置されたシリンジ支持棚を更に有している請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項32】
前記シリンジ支持棚が移動可能である請求項31に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項33】
プリンタを更に備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項34】
前記プリンタは、日付、時間、充填者、患者名、患者ID番号、シリンジに充填された流体の医学名、シリンジに充填された流体の商品名、シリンジに充填された流体のロット番号、シリンジに充填された流体の量、警告、使用上の注意、または、これらの組み合わせが記載されたラベルを印刷するようになっている請求項31に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項35】
前記充填ステーションは、シリンジ充填ステーション機能を制御するようになっている外部インタフェースと通信して動作可能に接続される請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項36】
前記外部インタフェースは、シリンジ内に導入する流体の量を入力できるようになっている請求項35に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項37】
a)リザーバを流体投与カートリッジに接続するステップと、
b)前記流体投与カートリッジのカニューレを少なくとも部分的に前記シリンジ内に位置決めするステップと、
c)蠕動ポンプを使用して流体を前記リザーバから前記シリンジへと移動させるステップと、
を含む、シリンジに流体を充填する方法。
【請求項38】
移動可能な支持棚上に前記シリンジを位置決めするステップを更に含む請求項37に記載のシリンジ充填方法。
【請求項39】
前記シリンジへと移動させる流体の量を定めるステップを更に含む請求項35に記載のシリンジ充填方法。
【請求項40】
導入する流体の量を定める前記ステップは、流体の量を入力するためのユーザインタフェースを含んでいる請求項39に記載のシリンジ充填方法。
【請求項41】
前記投与カートリッジを検出するステップを更に含む請求項37に記載のシリンジ充填方法。
【請求項42】
前記投与カートリッジから空気をパージするステップを更に含む請求項41に記載のシリンジ充填方法。
【請求項43】
前記投与カートリッジ内の空気を補うステップを更に含む請求項41に記載のシリンジ充填方法。
【請求項44】
前記シリンジ内へ導入された流体の量を測定するステップを更に含む請求項35に記載のシリンジ充填方法。
【請求項45】
流体の量を測定する前記ステップは制御ユニットを含んでいる請求項44に記載のシリンジ充填方法。
【請求項46】
前記ポンプおよび前記制御ユニットが互いに通信を行なう請求項45に記載のシリンジ充填方法。
【請求項47】
前記リザーバ内に収容された流体を加熱するステップを更に含む請求項35に記載のシリンジ充填方法。
【請求項48】
a)リザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、流体ポンプと、シリンジ保持ガイドとを有する充填ステーションを用意するステップと、
b)突出部材と、カニューレと、可撓性チューブとを有する流体供給システムを用意するステップと、
c)前記流体供給システムを前記充填ステーション内に取り付けて、前記リザーバ取付部から前記シリンジ保持ガイドへと向かう流体通路を形成するステップと、
d)流体リザーバを前記リザーバ取付部に対して接続するステップと、
e)前記カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に部分的に挿入されるように、シリンジを前記保持ガイド内に挿入するステップと、
f)流体を前記リザーバから前記シリンジへと圧送するステップと、
を含む、シリンジに流体を充填する方法。
【請求項49】
流体を圧送する前記ステップは、圧送する流体の定められた量をユーザインタフェースに入力するステップを更に含む請求項48に記載のシリンジ充填方法。
【請求項50】
定められた量を制御ユニットに送信することを更に含む請求項49に記載のシリンジ充填方法。
【請求項51】
前記制御ユニットから前記ポンプへコマンドを送ることを更に含み、これにより、前記ポンプは、定められた量の流体を前記リザーバから前記シリンジへと移動させる請求項50に記載のシリンジ充填方法。
【請求項52】
前記流体供給システム内の空気を検出するステップを更に含む請求項48に記載のシリンジ充填方法。
【請求項53】
前記供給システムから空気をパージするステップを更に含む請求項52に記載のシリンジ充填方法。
【請求項54】
前記シリンジへと移動される流体の量を表示するステップを更に含む請求項50に記載のシリンジ充填方法。
【請求項55】
前記リザーバから前記ポンプへと移動される流体の量を計算することを更に含む請求項50に記載のシリンジ充填方法。
【請求項56】
前記リザーバから前記ポンプへと移動される流体の量を計算するためのプロセッサを更に備えている請求項53に記載のシリンジ充填方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)流体を有するリザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、
b)シリンジを解放可能に固定するためのシリンジ保持ガイドと、
c)リザーバとシリンジとの間に流体通路を形成する消耗投与カートリッジであって、リザーバ内に挿入するための突出部材と、先端部が前記突出部材に取り付けられる可撓性チューブと、前記可撓性チューブの基端に対して取り付けられ且つ少なくとも一部がシリンジ内に挿入されるようになっているカニューレとを備えている消耗投与カートリッジと、
d)前記流体をリザーバから前記投与カートリッジを通じてシリンジ内へと圧送するためのポンプと、
を備える、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項2】
前記ポンプが蠕動ポンプである請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項3】
前記突出部材がスパイクの形態を成している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項4】
前記突出部材が通気される請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項5】
装置を動作させるためのユーザインタフェースを更に備え、そのインタフェースが入力ボタンと表示スクリーンとを有している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項6】
前記可撓性チューブ内の空気を検出するためのエアー・インライン・センサを更に備えている請求項4に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項7】
前記センサが前記ユーザインタフェースと通信を行なう請求項5に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項8】
オペレータが前記入力ボタンを使用してシリンジ内に導入される量を定めることができる請求項4に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項9】
前記消耗供給システムが使い捨て可能である請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項10】
前記シリンジ保持ガイドは、前記シリンジを前記カニューレと位置合わせするためのガイドスリーブを有している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項11】
前記カニューレとシリンジ先端との間に無菌インタフェースを形成するようになっているカニューレマウントおよびカニューレガイドを更に備えている請求項10に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項12】
前記ポンプと通信する遠隔インタフェースを更に備え、前記遠隔インタフェースは、前記ポンプが特定量の流体を移動させるように前記ポンプを制御できる請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項13】
前記シリンジ内に収容された流体を暖めるためのシリンジヒータを更に備えている請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項14】
流状媒体を有するリザーバと、
前記リザーバ内に挿入される突出部材と、先端部が前記突出部材に対して取り付けられる可撓性チューブと、前記可撓性チューブの基端に対して取り付けられるカニューレとを有する流体供給システムと、
ほぼ細長い本体を有するシリンジであって、その吐出部位の近傍に通路が配置され、この通路内へと前記カニューレが延びることにより流体をリザーバからシリンジ内へと供給できるシリンジと、
流体を前記リザーバから前記シリンジへと圧送するためのポンプと、
前記ポンプに対して動作可能に接続され、これにより、特定の量の流体がシリンジへと送り込まれるように前記ポンプを制御できる制御ユニットと、
を備えるシリンジ充填ステーション。
【請求項15】
前記リザーバがボトル、ポーチ、バッグまたは容器である請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項16】
前記流状媒体が造影剤、生理食塩水媒体、またはフラッシング媒体である請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項17】
前記制御ユニットは、プロセッサとユーザインタフェースとを更に有している請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項18】
前記ユーザインタフェースがタッチスクリーンを更に備えている請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項19】
前記ユーザインタフェースは、前記充填ステーションを動作させるためのコマンド機能ボタンを有している請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項20】
前記制御ユニットは、前記シリンジ充填ステーションを監視するための複数のセンサと通信を行なう請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項21】
前記センサは、エアー・インライン・センサ、リザーバ使い果たしセンサ、新シリンジ挿入センサ、新投与カートリッジセンサのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項20に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項22】
前記制御ユニットは、シリンジ内に導入された流体の量を測定することができる請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項23】
前記制御ユニットは、定められた量の流体をシリンジ内に導入するように前記ポンプに指示するようになっているプログラムコードを有している請求項22に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項24】
前記プログラムコードは、センサが前記流体供給システム内で空気を検出するときに圧送を停止するように前記ポンプに指示する請求項23に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項25】
前記プログラムコードは、センサが前記シリンジ充填ステーション内で新しい流体供給システムを検出するときに、前記流体供給システムから空気をパージするように前記ポンプに指示するようになっている請求項23に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項26】
前記シリンジ充填ステーション内でシリンジを解放可能に保持するためのシリンジ保持ガイドを更に備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項27】
前記シリンジ保持ガイドがガイドスリーブと把持クランプとを有し、前記ガイドスリーブは前記シリンジを前記カニューレと位置合わせするようになっており、前記把持クランプは前記シリンジを解放可能に保持するようになっている請求項26に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項28】
前記カニューレと前記シリンジとの間に隙間が存在する請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項29】
前記充填ステーションは、前記リザーバから前記シリンジへと向かう無菌流体管路を備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項30】
前記流体供給システムが使い捨て可能な投与カートリッジである請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項31】
前記シリンジ保持ガイドよりも下側に配置されたシリンジ支持棚を更に有している請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項32】
前記シリンジ支持棚が移動可能である請求項31に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項33】
プリンタを更に備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項34】
前記プリンタは、日付、時間、充填者、患者名、患者ID番号、シリンジに充填された流体の医学名、シリンジに充填された流体の商品名、シリンジに充填された流体のロット番号、シリンジに充填された流体の量、警告、使用上の注意、または、これらの組み合わせが記載されたラベルを印刷するようになっている請求項33に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項35】
前記充填ステーションは、シリンジ充填ステーション機能を制御するようになっている外部インタフェースと通信して動作可能に接続される請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項36】
前記外部インタフェースは、シリンジ内に導入する流体の量を入力できるようになっている請求項35に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項37】
a)リザーバを流体投与カートリッジに接続するステップと、
b)前記流体投与カートリッジのカニューレを少なくとも部分的に前記シリンジ内に位置決めするステップと、
c)蠕動ポンプを使用して流体を前記リザーバから前記シリンジへと移動させるステップと、
を含む、シリンジに流体を充填する方法。
【請求項38】
移動可能な支持棚上に前記シリンジを位置決めするステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項39】
前記シリンジへと移動させる流体の量を定めるステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項40】
導入する流体の量を定める前記ステップは、流体の量を入力するためのユーザインタフェースを含んでいる請求項39に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項41】
前記投与カートリッジを検出するステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項42】
前記投与カートリッジから空気をパージするステップを更に含む請求項41に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項43】
前記投与カートリッジ内の空気を補うステップを更に含む請求項41に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項44】
前記シリンジ内へ導入された流体の量を測定するステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項45】
流体の量を測定する前記ステップは制御ユニットを含んでいる請求項44に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項46】
前記ポンプおよび前記制御ユニットが互いに通信を行なう請求項45に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項47】
前記リザーバ内に収容された流体を加熱するステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項48】
a)リザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、流体ポンプと、シリンジ保持ガイドとを有する充填ステーションを用意するステップと、
b)突出部材と、カニューレと、可撓性チューブとを有する流体供給システムを用意するステップと、
c)前記流体供給システムを前記充填ステーション内に取り付けて、前記リザーバ取付部から前記シリンジ保持ガイドへと向かう流体通路を形成するステップと、
d)流体リザーバを前記リザーバ取付部に対して接続するステップと、
e)前記カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に部分的に挿入されるように、シリンジを前記保持ガイド内に挿入するステップと、
f)流体を前記リザーバから前記シリンジへと圧送するステップと、
を含む、シリンジに流体を充填する方法。
【請求項49】
流体を圧送する前記ステップは、圧送する流体の定められた量をユーザインタフェースに入力するステップを更に含む請求項48に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項50】
定められた量を制御ユニットに送信することを更に含む請求項49に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項51】
前記制御ユニットから前記ポンプへコマンドを送ることを更に含み、これにより、前記ポンプは、定められた量の流体を前記リザーバから前記シリンジへと移動させる請求項50に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項52】
前記流体供給システム内の空気を検出するステップを更に含む請求項48に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項53】
前記供給システムから空気をパージするステップを更に含む請求項52に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項54】
前記シリンジへと移動される流体の量を表示するステップを更に含む請求項50に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項55】
前記リザーバから前記ポンプへと移動される流体の量を計算することを更に含む請求項50に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項56】
前記リザーバから前記ポンプへと移動される流体の量を計算するためのプロセッサを更に備えている請求項53に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項1】
a)流体を有するリザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、
b)シリンジを解放可能に固定するためのシリンジ保持ガイドと、
c)リザーバとシリンジとの間に流体通路を形成する消耗投与カートリッジであって、リザーバ内に挿入するための突出部材と、先端部が前記突出部材に取り付けられる可撓性チューブと、前記可撓性チューブの基端に対して取り付けられ且つ少なくとも一部がシリンジ内に挿入されるようになっているカニューレとを備えている消耗投与カートリッジと、
d)前記流体をリザーバから前記投与カートリッジを通じてシリンジ内へと圧送するためのポンプと、
を備える、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項2】
前記ポンプが蠕動ポンプである請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項3】
前記突出部材がスパイクの形態を成している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項4】
前記突出部材が通気される請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項5】
装置を動作させるためのユーザインタフェースを更に備え、そのインタフェースが入力ボタンと表示スクリーンとを有している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項6】
前記可撓性チューブ内の空気を検出するためのエアー・インライン・センサを更に備えている請求項4に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項7】
前記センサが前記ユーザインタフェースと通信を行なう請求項5に記載の装置。
【請求項8】
オペレータが前記入力ボタンを使用してシリンジ内に導入される量を定めることができる請求項4に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項9】
前記消耗供給システムが使い捨て可能である請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項10】
前記シリンジ保持ガイドは、前記シリンジを前記カニューレと位置合わせするためのガイドスリーブを有している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項11】
前記カニューレとシリンジ先端との間に無菌インタフェースを形成するようになっているカニューレマウントおよびカニューレガイドを更に備えている請求項10に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項12】
前記ポンプと通信する遠隔インタフェースを更に備え、前記遠隔インタフェースは、前記ポンプが特定量の流体を移動させるように前記ポンプを制御できる請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項13】
前記シリンジ内に収容された流体を暖めるためのシリンジヒータを更に備えている請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項14】
流状媒体を有するリザーバと、
前記リザーバ内に挿入される突出部材と、先端部が前記突出部材に対して取り付けられる可撓性チューブと、前記可撓性チューブの基端に対して取り付けられるカニューレとを有する流体供給システムと、
ほぼ細長い本体を有するシリンジであって、その吐出部位の近傍に通路が配置され、この通路内へと前記カニューレが延びることにより流体をリザーバからシリンジ内へと供給できるシリンジと、
流体を前記リザーバから前記シリンジへと圧送するためのポンプと、
前記ポンプに対して動作可能に接続され、これにより、特定の量の流体がシリンジへと送り込まれるように前記ポンプを制御できる制御ユニットと、
を備えるシリンジ充填ステーション。
【請求項15】
前記リザーバがボトル、ポーチ、バッグまたは容器である請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項16】
前記流状媒体が造影剤、生理食塩水媒体、またはフラッシング媒体である請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項17】
前記制御ユニットは、プロセッサとユーザインタフェースとを更に有している請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項18】
前記ユーザインタフェースがタッチスクリーンを更に備えている請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項19】
前記ユーザインタフェースは、前記充填ステーションを動作させるためのコマンド機能ボタンを有している請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項20】
前記制御ユニットは、前記シリンジ充填ステーションを監視するための複数のセンサと通信を行なう請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項21】
前記センサは、エアー・インライン・センサ、リザーバ使い果たしセンサ、新シリンジ挿入センサ、新投与カートリッジセンサのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項20に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項22】
前記制御ユニットは、シリンジ内に導入された流体の量を測定することができる請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項23】
前記制御ユニットは、定められた量の流体をシリンジ内に導入するように前記ポンプに指示するようになっているプログラムコードを有している請求項22に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項24】
前記プログラムコードは、センサが前記流体供給システム内で空気を検出するときに圧送を停止するように前記ポンプに指示する請求項23に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項25】
前記プログラムコードは、センサが前記シリンジ充填ステーション内で新しい流体供給システムを検出するときに、前記流体供給システムから空気をパージするように前記ポンプに指示するようになっている請求項23に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項26】
前記シリンジ充填ステーション内でシリンジを解放可能に保持するためのシリンジ保持ガイドを更に備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項27】
前記シリンジ保持ガイドがガイドスリーブと把持クランプとを有し、前記ガイドスリーブは前記シリンジを前記カニューレと位置合わせするようになっており、前記把持クランプは前記シリンジを解放可能に保持するようになっている請求項26に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項28】
前記カニューレと前記シリンジとの間に隙間が存在する請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項29】
前記充填ステーションは、前記リザーバから前記シリンジへと向かう無菌流体管路を備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項30】
前記流体供給システムが使い捨て可能な投与カートリッジである請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項31】
前記シリンジ保持ガイドよりも下側に配置されたシリンジ支持棚を更に有している請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項32】
前記シリンジ支持棚が移動可能である請求項31に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項33】
プリンタを更に備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項34】
前記プリンタは、日付、時間、充填者、患者名、患者ID番号、シリンジに充填された流体の医学名、シリンジに充填された流体の商品名、シリンジに充填された流体のロット番号、シリンジに充填された流体の量、警告、使用上の注意、または、これらの組み合わせが記載されたラベルを印刷するようになっている請求項31に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項35】
前記充填ステーションは、シリンジ充填ステーション機能を制御するようになっている外部インタフェースと通信して動作可能に接続される請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項36】
前記外部インタフェースは、シリンジ内に導入する流体の量を入力できるようになっている請求項35に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項37】
a)リザーバを流体投与カートリッジに接続するステップと、
b)前記流体投与カートリッジのカニューレを少なくとも部分的に前記シリンジ内に位置決めするステップと、
c)蠕動ポンプを使用して流体を前記リザーバから前記シリンジへと移動させるステップと、
を含む、シリンジに流体を充填する方法。
【請求項38】
移動可能な支持棚上に前記シリンジを位置決めするステップを更に含む請求項37に記載のシリンジ充填方法。
【請求項39】
前記シリンジへと移動させる流体の量を定めるステップを更に含む請求項35に記載のシリンジ充填方法。
【請求項40】
導入する流体の量を定める前記ステップは、流体の量を入力するためのユーザインタフェースを含んでいる請求項39に記載のシリンジ充填方法。
【請求項41】
前記投与カートリッジを検出するステップを更に含む請求項37に記載のシリンジ充填方法。
【請求項42】
前記投与カートリッジから空気をパージするステップを更に含む請求項41に記載のシリンジ充填方法。
【請求項43】
前記投与カートリッジ内の空気を補うステップを更に含む請求項41に記載のシリンジ充填方法。
【請求項44】
前記シリンジ内へ導入された流体の量を測定するステップを更に含む請求項35に記載のシリンジ充填方法。
【請求項45】
流体の量を測定する前記ステップは制御ユニットを含んでいる請求項44に記載のシリンジ充填方法。
【請求項46】
前記ポンプおよび前記制御ユニットが互いに通信を行なう請求項45に記載のシリンジ充填方法。
【請求項47】
前記リザーバ内に収容された流体を加熱するステップを更に含む請求項35に記載のシリンジ充填方法。
【請求項48】
a)リザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、流体ポンプと、シリンジ保持ガイドとを有する充填ステーションを用意するステップと、
b)突出部材と、カニューレと、可撓性チューブとを有する流体供給システムを用意するステップと、
c)前記流体供給システムを前記充填ステーション内に取り付けて、前記リザーバ取付部から前記シリンジ保持ガイドへと向かう流体通路を形成するステップと、
d)流体リザーバを前記リザーバ取付部に対して接続するステップと、
e)前記カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に部分的に挿入されるように、シリンジを前記保持ガイド内に挿入するステップと、
f)流体を前記リザーバから前記シリンジへと圧送するステップと、
を含む、シリンジに流体を充填する方法。
【請求項49】
流体を圧送する前記ステップは、圧送する流体の定められた量をユーザインタフェースに入力するステップを更に含む請求項48に記載のシリンジ充填方法。
【請求項50】
定められた量を制御ユニットに送信することを更に含む請求項49に記載のシリンジ充填方法。
【請求項51】
前記制御ユニットから前記ポンプへコマンドを送ることを更に含み、これにより、前記ポンプは、定められた量の流体を前記リザーバから前記シリンジへと移動させる請求項50に記載のシリンジ充填方法。
【請求項52】
前記流体供給システム内の空気を検出するステップを更に含む請求項48に記載のシリンジ充填方法。
【請求項53】
前記供給システムから空気をパージするステップを更に含む請求項52に記載のシリンジ充填方法。
【請求項54】
前記シリンジへと移動される流体の量を表示するステップを更に含む請求項50に記載のシリンジ充填方法。
【請求項55】
前記リザーバから前記ポンプへと移動される流体の量を計算することを更に含む請求項50に記載のシリンジ充填方法。
【請求項56】
前記リザーバから前記ポンプへと移動される流体の量を計算するためのプロセッサを更に備えている請求項53に記載のシリンジ充填方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)流体を有するリザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、
b)シリンジを解放可能に固定するためのシリンジ保持ガイドと、
c)リザーバとシリンジとの間に流体通路を形成する消耗投与カートリッジであって、リザーバ内に挿入するための突出部材と、先端部が前記突出部材に取り付けられる可撓性チューブと、前記可撓性チューブの基端に対して取り付けられ且つ少なくとも一部がシリンジ内に挿入されるようになっているカニューレとを備えている消耗投与カートリッジと、
d)前記流体をリザーバから前記投与カートリッジを通じてシリンジ内へと圧送するためのポンプと、
を備える、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項2】
前記ポンプが蠕動ポンプである請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項3】
前記突出部材がスパイクの形態を成している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項4】
前記突出部材が通気される請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項5】
装置を動作させるためのユーザインタフェースを更に備え、そのインタフェースが入力ボタンと表示スクリーンとを有している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項6】
前記可撓性チューブ内の空気を検出するためのエアー・インライン・センサを更に備えている請求項4に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項7】
前記センサが前記ユーザインタフェースと通信を行なう請求項5に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項8】
オペレータが前記入力ボタンを使用してシリンジ内に導入される量を定めることができる請求項4に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項9】
前記消耗供給システムが使い捨て可能である請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項10】
前記シリンジ保持ガイドは、前記シリンジを前記カニューレと位置合わせするためのガイドスリーブを有している請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項11】
前記カニューレとシリンジ先端との間に無菌インタフェースを形成するようになっているカニューレマウントおよびカニューレガイドを更に備えている請求項10に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項12】
前記ポンプと通信する遠隔インタフェースを更に備え、前記遠隔インタフェースは、前記ポンプが特定量の流体を移動させるように前記ポンプを制御できる請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項13】
前記シリンジ内に収容された流体を暖めるためのシリンジヒータを更に備えている請求項1に記載の、流体をシリンジ内に供給するための装置。
【請求項14】
流状媒体を有するリザーバと、
前記リザーバ内に挿入される突出部材と、先端部が前記突出部材に対して取り付けられる可撓性チューブと、前記可撓性チューブの基端に対して取り付けられるカニューレとを有する流体供給システムと、
ほぼ細長い本体を有するシリンジであって、その吐出部位の近傍に通路が配置され、この通路内へと前記カニューレが延びることにより流体をリザーバからシリンジ内へと供給できるシリンジと、
流体を前記リザーバから前記シリンジへと圧送するためのポンプと、
前記ポンプに対して動作可能に接続され、これにより、特定の量の流体がシリンジへと送り込まれるように前記ポンプを制御できる制御ユニットと、
を備えるシリンジ充填ステーション。
【請求項15】
前記リザーバがボトル、ポーチ、バッグまたは容器である請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項16】
前記流状媒体が造影剤、生理食塩水媒体、またはフラッシング媒体である請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項17】
前記制御ユニットは、プロセッサとユーザインタフェースとを更に有している請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項18】
前記ユーザインタフェースがタッチスクリーンを更に備えている請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項19】
前記ユーザインタフェースは、前記充填ステーションを動作させるためのコマンド機能ボタンを有している請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項20】
前記制御ユニットは、前記シリンジ充填ステーションを監視するための複数のセンサと通信を行なう請求項17に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項21】
前記センサは、エアー・インライン・センサ、リザーバ使い果たしセンサ、新シリンジ挿入センサ、新投与カートリッジセンサのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項20に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項22】
前記制御ユニットは、シリンジ内に導入された流体の量を測定することができる請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項23】
前記制御ユニットは、定められた量の流体をシリンジ内に導入するように前記ポンプに指示するようになっているプログラムコードを有している請求項22に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項24】
前記プログラムコードは、センサが前記流体供給システム内で空気を検出するときに圧送を停止するように前記ポンプに指示する請求項23に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項25】
前記プログラムコードは、センサが前記シリンジ充填ステーション内で新しい流体供給システムを検出するときに、前記流体供給システムから空気をパージするように前記ポンプに指示するようになっている請求項23に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項26】
前記シリンジ充填ステーション内でシリンジを解放可能に保持するためのシリンジ保持ガイドを更に備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項27】
前記シリンジ保持ガイドがガイドスリーブと把持クランプとを有し、前記ガイドスリーブは前記シリンジを前記カニューレと位置合わせするようになっており、前記把持クランプは前記シリンジを解放可能に保持するようになっている請求項26に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項28】
前記カニューレと前記シリンジとの間に隙間が存在する請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項29】
前記充填ステーションは、前記リザーバから前記シリンジへと向かう無菌流体管路を備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項30】
前記流体供給システムが使い捨て可能な投与カートリッジである請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項31】
前記シリンジ保持ガイドよりも下側に配置されたシリンジ支持棚を更に有している請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項32】
前記シリンジ支持棚が移動可能である請求項31に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項33】
プリンタを更に備えている請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項34】
前記プリンタは、日付、時間、充填者、患者名、患者ID番号、シリンジに充填された流体の医学名、シリンジに充填された流体の商品名、シリンジに充填された流体のロット番号、シリンジに充填された流体の量、警告、使用上の注意、または、これらの組み合わせが記載されたラベルを印刷するようになっている請求項33に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項35】
前記充填ステーションは、シリンジ充填ステーション機能を制御するようになっている外部インタフェースと通信して動作可能に接続される請求項14に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項36】
前記外部インタフェースは、シリンジ内に導入する流体の量を入力できるようになっている請求項35に記載のシリンジ充填ステーション。
【請求項37】
a)リザーバを流体投与カートリッジに接続するステップと、
b)前記流体投与カートリッジのカニューレを少なくとも部分的に前記シリンジ内に位置決めするステップと、
c)蠕動ポンプを使用して流体を前記リザーバから前記シリンジへと移動させるステップと、
を含む、シリンジに流体を充填する方法。
【請求項38】
移動可能な支持棚上に前記シリンジを位置決めするステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項39】
前記シリンジへと移動させる流体の量を定めるステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項40】
導入する流体の量を定める前記ステップは、流体の量を入力するためのユーザインタフェースを含んでいる請求項39に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項41】
前記投与カートリッジを検出するステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項42】
前記投与カートリッジから空気をパージするステップを更に含む請求項41に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項43】
前記投与カートリッジ内の空気を補うステップを更に含む請求項41に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項44】
前記シリンジ内へ導入された流体の量を測定するステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項45】
流体の量を測定する前記ステップは制御ユニットを含んでいる請求項44に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項46】
前記ポンプおよび前記制御ユニットが互いに通信を行なう請求項45に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項47】
前記リザーバ内に収容された流体を加熱するステップを更に含む請求項37に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項48】
a)リザーバを取り外し可能に受けるためのリザーバ取付部と、流体ポンプと、シリンジ保持ガイドとを有する充填ステーションを用意するステップと、
b)突出部材と、カニューレと、可撓性チューブとを有する流体供給システムを用意するステップと、
c)前記流体供給システムを前記充填ステーション内に取り付けて、前記リザーバ取付部から前記シリンジ保持ガイドへと向かう流体通路を形成するステップと、
d)流体リザーバを前記リザーバ取付部に対して接続するステップと、
e)前記カニューレの少なくとも一部がシリンジ内に部分的に挿入されるように、シリンジを前記保持ガイド内に挿入するステップと、
f)流体を前記リザーバから前記シリンジへと圧送するステップと、
を含む、シリンジに流体を充填する方法。
【請求項49】
流体を圧送する前記ステップは、圧送する流体の定められた量をユーザインタフェースに入力するステップを更に含む請求項48に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項50】
定められた量を制御ユニットに送信することを更に含む請求項49に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項51】
前記制御ユニットから前記ポンプへコマンドを送ることを更に含み、これにより、前記ポンプは、定められた量の流体を前記リザーバから前記シリンジへと移動させる請求項50に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項52】
前記流体供給システム内の空気を検出するステップを更に含む請求項48に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項53】
前記供給システムから空気をパージするステップを更に含む請求項52に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項54】
前記シリンジへと移動される流体の量を表示するステップを更に含む請求項50に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項55】
前記リザーバから前記ポンプへと移動される流体の量を計算することを更に含む請求項50に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【請求項56】
前記リザーバから前記ポンプへと移動される流体の量を計算するためのプロセッサを更に備えている請求項53に記載のシリンジに流体を充填する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2006−527140(P2006−527140A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515209(P2006−515209)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017802
【国際公開番号】WO2004/108533
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(504197260)イー−ゼット−イーエム,インク. (5)
【氏名又は名称原語表記】E−Z−EM,INC.
【住所又は居所原語表記】1111 Marcus Avenue,Lake Success,NY 11042 U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017802
【国際公開番号】WO2004/108533
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(504197260)イー−ゼット−イーエム,インク. (5)
【氏名又は名称原語表記】E−Z−EM,INC.
【住所又は居所原語表記】1111 Marcus Avenue,Lake Success,NY 11042 U.S.A.
【Fターム(参考)】
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